JPH0936442A - 超電導磁石装置 - Google Patents

超電導磁石装置

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JPH0936442A
JPH0936442A JP8059193A JP5919396A JPH0936442A JP H0936442 A JPH0936442 A JP H0936442A JP 8059193 A JP8059193 A JP 8059193A JP 5919396 A JP5919396 A JP 5919396A JP H0936442 A JPH0936442 A JP H0936442A
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regenerator
stage
superconducting coil
superconducting
superconducting magnet
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Toru Kuriyama
透 栗山
Tomomi Hattori
智美 服部
Masahiko Takahashi
政彦 高橋
Yasumi Otani
安見 大谷
Hideki Nakagome
秀樹 中込
Hideo Hatakeyama
秀夫 畠山
Chiyandora Teiraka Roohana
ローハナ・チャンドラ・ティラカ
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】超電導コイルの温度環境を蓄冷式冷凍機で長期
に亘って安定に保持できる超電導磁石装置を提供する。 【構成】蓄冷器を複数段有するととも冷却ステージを複
数段有して超電導コイル75の温度環境保持に供される
蓄冷式冷凍機を備えてなる超電導磁石装置において、蓄
冷式冷凍機80は、少なくとも最終段の蓄冷器98が静
止型のもので構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導コイルの温
度環境保持を蓄冷式冷凍機で行っている超電導磁石装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、現在実用化されている超
電導磁石装置の多くは、断熱容器内に超電導コイルと液
体ヘリウムで代表される極低温冷媒とを一緒に収容する
浸漬冷却方式を採用するとともに断熱容器の断熱層中に
設けられたサーマルシールドを極低温冷凍機で冷却する
方式を採用している。また、最近では断熱容器内に収容
された超電導コイルを極低温冷凍機で直接的に冷却する
冷凍機直冷方式の超電導磁石装置も実用化されつつあ
る。このような超電導磁石装置では、小型で、しかも十
分に低い到達温度が得られるなどの理由から、極低温冷
凍機として複数段構成の蓄冷式冷凍機を用いているもの
が多い。
【0003】図7には浸漬冷却方式を採用した従来の超
電導磁石装置の例が示されている。図中、1は断熱容器
を示している。この断熱容器1は、通常、内槽2と、外
槽3と、内・外槽間に形成された真空断熱層4と、真空
断熱層4内に内槽2を包囲するようにたとえば二重構造
に設けられたサーマルシールド5,6とを備えている。
【0004】そして、内槽2内に極低温冷媒である液体
ヘリウム7が収容され、この液体ヘリウム7中に没する
ように超電導コイル8が配置される。なお、この図では
外部から超電導コイル8に電流を供給するための電流リ
ードや、内槽2へ液体ヘリウム7を注入するための注液
管や、内槽2内で発生したヘリウムガスを回収するため
の排気管が省略されている。
【0005】一方、輻射等によって内槽2内へ侵入しよ
うとする熱を吸収して温度環境を保持する目的で蓄冷式
冷凍機、たとえばギフォード・マクマホン冷凍サイクル
を用いた冷凍機(以後、GM冷凍機と略称する。)9が
断熱容器1の内外に跨がる関係に設けられている。
【0006】このGM冷凍機9は、たとえば第1段冷却
ステージ27と、この第1段冷却ステージ27より到達
温度の低い第2段冷却ステージ(この場合は最終段冷却
ステージ)28とを備えている。そして、第1段冷却ス
テージ27によってサーマルシールド6がたとえば50
K程度に、また第2段冷却ステージ28によって内側に
位置しているサーマルシールド5がたとえば10K程度
に冷却されるようになっている。
【0007】図8には2段膨張式のGM冷凍機9の概略
構成が示されている。このGM冷凍機9は、たとえばヘ
リウムガスを冷却するコールドヘッド21とコンプレッ
サ22とで構成されている。
【0008】コールドヘッド21では、閉じられたシリ
ンダ23内に断熱材で形成されたディスプレーサ24が
往復動自在に収納されている。シリンダ23は、大径の
第1シリンダ25と、この第1シリンダ25に同軸接続
された小径の第2シリンダ26とで構成されている。な
お、第1シリンダ25および第2シリンダ26は、通
常、薄いステンレス鋼板等で形成される。
【0009】第1および第2シリンダ25,26内に
は、前述した第1段および第2段冷却ステージ27,2
8が設けられている。すなわち、第1シリンダ25のヘ
ッド壁部分に圧縮された冷媒ガスを膨張させて寒冷を発
生する第1段冷却ステージ27が設けられ、また第2シ
リンダ26のヘッド壁部分に圧縮された冷媒ガスを膨張
させて第1段冷却ステージ27よりも低温の寒冷を発生
する第2段冷却ステージ28が設けられている。
【0010】ディスプレーサ24は、第1シリンダ25
内を往復動する第1ディスプレーサ29と、第2シリン
ダ26内を往復動する第2ディスプレーサ30とから構
成されている。第1ディスプレーサ29と第2ディスプ
レーサ30とは、連結機構31によって軸方向に連結さ
れている。
【0011】第1ディスプレーサ29の内部には第1段
の蓄冷器を構成するための流体通路32が軸方向に形成
されており、この流体通路32にはたとえば銅で作られ
たメッシュ構造の蓄冷材33が収容されている。同様
に、第2ディスプレーサ30の内部には第2段(最終
段)の蓄冷器を構成するための流体通路34が形成され
ており、この流体通路34にはたとえば鉛の粒等で形成
された蓄冷材35が収容されている。
【0012】第1ディスプレーサ29の外周面上部と第
1シリンダ25の内周面との間および第2ディスプレー
サ30の外周面と第2シリンダ26の内周面との間に
は、それぞれシール装置36,37が装着されている。
【0013】第1ディスプレーサ29の上端は、連結ロ
ッド、スコッチヨークあるいはクランク軸38等を介し
てモータ39の回転軸に連結されている。したがって、
モータ39が回転すると、この回転に同期してディスプ
レーサ24が図中実線矢印で示すように往復動する。
【0014】第1シリンダ25の上部空間には第1ディ
スプレーサ29内ヘヘリウムガスを導入するための導入
口40および排出するための排出口41が設けてあり、
これら導入口40および排出口41はモータ39の回転
に同期して開閉制御される高圧弁42,低圧弁43を介
してコンプレッサ22に接続されている。コンプレッサ
22、高圧弁42、低圧弁43は、シリンダ23を経由
するヘリウムガス循環系を構成している。すなわち、低
圧(約8atm)のヘリウムガスをコンプレッサ22で
高圧(約20atm)に圧縮してシリンダ23内に送り
込む動作と、シリンダ23内のヘリウムガスを排気する
動作とを交互に行うようにしている。
【0015】このように構成されたGM冷凍機9の冷凍
動作を簡単に説明すると、以下の通りである。寒冷の発
生は第1段冷却ステージ27および第2段冷却ステージ
28で行われる。第1段冷却ステージ27は、熱負荷の
ない理想状態では30K程度まで冷却される。また、第
2段冷却ステージ28は、蓄冷材35として鉛を用いた
場合には8K程度まで冷却される。したがって、第1デ
ィスプレーサ29の上下端間には常温(300K)から
30Kまでの温度勾配が生じ、また第2ディスプレーサ
30の上下端間には30Kから8Kまでの温度勾配が生
じる。なお、第1および第2段冷却ステージ27,28
の温度は,熱負荷によって変化し、通常、第1段冷却ス
テージ27では30〜80K、第2段冷却ステージ28
では8〜20Kとなる。
【0016】モータ39が回転を開始すると、ディスプ
レーサ24が下死点(図中最上点)と上死点(図中最下
点)との間を往復動する。ディスプレーサ24が上死点
に達した時点で高圧弁42が開き、高圧ヘリウムガスが
シリンダ23内に流入し、次にディスプレーサ24が下
死点へと移動する。
【0017】前述の如く、第1ディスプレーサ29の外
周面と第1シリンダ25の内周面との間および第2ディ
スプレーサ30の外周面と第2シリンダ26の内周面と
の間にはそれぞれシール装置36,37が装着されてい
るので、ディスプレーサ24が下死点に向かうと、高圧
ヘリウムガスが第1ディスプレーサ29に形成された流
体通路32および第2ディスプレーサ30に形成された
流体通路34を通って第1ディスプレーサ29と第1シ
リンダ25のヘッド壁との間に形成された第1段膨張室
44および第2ディスプレーサ30と第2シリンダのヘ
ッド壁との間に形成された第2段膨張室45へと流れ
る。この流れに伴って、高圧ヘリウムガスは、蓄冷材3
3,35によって冷却され、第1段膨張室44に流れ込
んだ高圧ヘリウムガスは30K程度に、また第2段膨張
室45に流れ込んだ高圧ヘリウムガスは8K程度に冷却
される。
【0018】ここで、ディスプレーサ24が下死点に達
すると、高圧弁42が閉じ、低圧弁43が開く。このよ
うに低圧弁43が開くと、第1段膨張室44内および第
2段膨張室45内の高圧ヘリウムガスが断熱膨張して寒
冷を発生する。この寒冷によって第1段冷却ステージ2
7が外部から吸熱し、また第2段冷却ステージ28も外
部から吸熱する。そして、ディスプレーサ24が再び上
死点へと移動すると、これに伴って第1段膨張室44内
および第2段膨張室45内の低温のヘリウムガスが流体
通路34,32内を通過し、この通過の際に蓄冷材3
5,33を冷却する。温度の上昇したヘリウムガスは、
シリンダ23内の上部から低圧弁43を介してコンプレ
ッサ22へと排出される。
【0019】上述したサイクルが繰り返されて冷凍運転
が実行される。したがって、図7に示されるサーマルシ
ールド6がたとえば50K程度に、またサーマルシール
ド5がたとえば10K程度に冷却され、これによって内
槽2内への熱侵入が抑制されることになる。
【0020】このような浸漬冷却方式を採用した超電導
磁石装置において、内槽2内に収容されている液体ヘリ
ウム7の蒸発量は、内槽2内への熱侵入量に対応してお
り、1Wの熱侵入量に対して1時間当たり約1.4リッ
トルの液体ヘリウムが蒸発する。内槽2内への熱侵入量
は、特に内槽2に最も近い位置に配置されているサーマ
ルシールド5の温度が低い程小さくなる。サーマルシー
ルド5はGM冷凍機9の最終段の冷却ステージ、つまり
第2段冷却ステージ28によって冷却されているので、
液体ヘリウム7の蒸発量を低い値に抑えるには第2段冷
却ステージ28が常に低い温度に保たれている必要があ
る。
【0021】この要望を満たすには、各冷却ステージに
おける冷凍能力を高くする必要がある。このように冷凍
能力を高くするには、シール装置36,37での漏れ量
を十分に少なくし、かつ時間の経過にしたがって漏れ量
が増加しないことが重要な要件となる。特に、第2段冷
却ステージ28では温度が低いので、シール装置37の
漏れ量特性によって冷凍能力が大きく左右される。
【0022】しかし、30〜50Kといった極低温部に
おかれるシール装置37では潤滑油を使用できない。し
かも、上記温度まで温度降下させると、シール装置37
に組込まれているシール材や第2ディスプレーサ30の
構成材や第2シリンダ26の構成材の熱収縮量に大きな
差が生じるため、常温時に比べて漏れ量が増加する傾向
を示す。そのうえ、シール材が摺動するため、摩耗等に
よって漏れ量が時間の経過にしたがって徐々に増加する
傾向を示す。
【0023】このようなことから、第2段冷却ステージ
28の温度を十分に低い値に、かつ長期間に亘って保持
させることが困難となり、この結果としてサーマルシー
ルド5の温度上昇を招き、液体ヘリウム7の蒸発量を増
加させてしまうという問題があった。
【0024】一方、最近では極低温下において大きな比
熱を示す蓄冷材が開発されている。たとえば、その1つ
としてEr3 Niを挙げることができる。Er3 Ni
は、図9に鉛の場合と比較して比熱特性が示されている
ように、低温下で磁気相転移に伴う異常磁気比熱を示す
磁性材料である。この図9から判るように、Er3 Ni
は15K以下の温度において鉛より十分に高い比熱を有
している。このため、図7に示すGM冷凍機9の最終段
の蓄冷器の蓄冷材35としてEr3 Niを用いると、第
2段冷却ステージ28を4K程度、つまり液体ヘリウム
温度に冷却することが可能となる。
【0025】そこで、最近では、図10に示すように、
最終段の蓄冷器の蓄冷材35としてEr3 Niなどのよ
うに低温下で磁気相転移に伴う異常磁気比熱を示す磁性
蓄冷材を用いたGM冷凍機9aで超電導コイル8を直接
的に冷却するようにした冷凍機直冷方式の超電導磁石装
置が提案されている。
【0026】この超電導磁石装置は、断熱容器として真
空容器51を用いている。そして、真空容器51内に超
電導コイル8を配置し、この超電導コイル8を包囲する
ようにサーマルシールド52を設け、このサーマルシー
ルド52をGM冷凍機9aの第1段冷却ステージ27で
直接的に冷却し、超電導コイル8を熱伝導部材53,5
4,55を介してGM冷凍機9aの第2段冷却ステージ
28で直接的に冷却するようにしている。なお、この図
では外部から超電導コイル8に電流を供給するための電
流リードや、超電導コイルやサーマルシールドの位置保
持手段などが省略されている。
【0027】しかし、このように構成された超電導磁石
装置にあっても、極低温部に摺動シール要素を持つGM
冷凍機9aを用いていることには変りないので、図7に
示すものと同様に最終段の冷却ステージにおける冷凍能
力を向上させることが困難であった。しかも、最終段の
ディスプレーサに保持されている蓄冷材が磁性蓄冷材で
あるため、この磁性蓄冷材が超電導コイル8で発生した
磁場の影響で力を受け、往復動している最終段のディス
プレーサに余分な力が加わることになる。この力は、磁
場勾配に依存するが、このような力が最終段のディスプ
レーサに加わると、上記ディスプレーサに傾きが生じ、
これが原因してシール装置での漏れ量を増大させたり、
シリンダ内壁へのディスプレーサの押付けによって摩擦
熱が発生したり、ディスプレーサの駆動動力の増加で往
復動周波数の変化を招いたりし、最終段の冷却ステージ
における冷凍能力の低下を招き、超電導コイル8をクエ
ンチさせるなどの問題もあった。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、蓄冷器を
ディスプレーサに内蔵し、蓄冷器が動きながら冷凍を行
う蓄冷式冷凍機を使用して超電導コイルの温度環境を保
持するようにした超電導磁石装置では、上述した超電導
コイル固有の影響を冷凍機が受け、冷凍機の性能を向上
させることが困難で、これが原因して極低温冷媒の蒸発
量増加を招いたり、超電導コイルをクエンチさせたりす
るなどの問題があった。
【0029】そこで本発明は、上述した不具合を解消で
き、超電導コイルの温度環境を蓄冷式冷凍機で長期に亘
って安定に保持できる超電導磁石装置を提供することを
目的としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る本発明は、超電導コイルと、蓄冷器
を複数段有するととも冷却ステージを複数段有して前記
超電導コイルの温度環境保持に供される蓄冷式冷凍機と
を備えてなる超電導磁石装置において、前記蓄冷式冷凍
機が、少なくとも1段目の前記蓄冷器が可動型に構成さ
れ、少なくとも最終段の前記蓄冷器が静止型に構成され
ていることを特徴としている。
【0031】なお、前記蓄冷式冷凍機の前記少なくとも
1段目は、冷凍サイクルがギフォード・マクマホン冷凍
サイクル、スターリング冷凍サイクル、修正型ソルベー
冷凍サイクルのいずれかで構成されていてもよい。
【0032】また、前記蓄冷式冷凍機の前記少なくとも
最終段は、膨張機としてのパルスチューブを備えて構成
されていることが好ましい。また、前記蓄冷式冷凍機
は、前記少なくとも最終段の蓄冷器で用いている蓄冷材
が磁気相転移に伴う異常磁気比熱等を利用した磁性蓄冷
材であってもよい。
【0033】また、前記蓄冷式冷凍機は、前記少なくと
も最終段の冷却ステージが前記超電導コイル、この超電
導コイルを包囲しているサーマルシールド、上記超電導
コイルを収容する容器の少なくとも1つに直接または熱
伝導部材を介して接続されていてもよい。
【0034】上記目的を達成するために、請求項2に係
る本発明は、真空容器内に配置された超電導コイルと、
蓄冷器を複数段有するととも冷却ステージを複数段有し
て前記超電導コイルの温度環境保持に供される蓄冷式冷
凍機とを備えてなる超電導磁石装置において、前記蓄冷
式冷凍機は、少なくとも1段目がギフォード・マクマホ
ン冷凍サイクル、スターリング冷凍サイクル、修正型ソ
ルベー冷凍サイクルのいずれかに構成されているととも
に前記蓄冷器が可動型に構成されており、また少なくと
も最終段が膨張機としてのパルスチューブを備えている
とともに前記蓄冷器内に磁気相転移に伴う異常磁気比熱
等を利用した磁性蓄冷材が収容されて静止型に構成され
ており、上記最終段の冷却ステージが前記超電導コイル
に熱的に接続されている。
【0035】なお、請求項2に係る発明において、前記
蓄冷式冷凍機の前記静止型に構成された部分が、複数系
統にブランチされ、かつブランチされた各系統における
最終段の冷却ステージがそれぞれ前記超電導コイルに熱
的に接続されていてもよい。
【0036】特に、ブランチされた各系統がそれぞれほ
ぼ等しく構成されるとともに各系統が前記超電導コイル
の軸心線回りに等配され、かつ各系統における最終段の
冷却ステージがそれぞれ前記超電導コイルに熱的に接続
されていることが好ましい。
【0037】また、請求項2に係る発明において、前記
静止型に構成されている部分の少なくとも最終段が前記
真空容器内に配置され、他の部分が上記真空容器の外に
配置されていてもよい。
【0038】上記目的を達成するために、請求項3に係
る発明は、超電導コイルと、蓄冷器を複数段有するとと
もに冷却ステージを複数段有して前記超電導コイルの温
度環境保持に供される蓄冷式冷凍機とを備えてなる超電
導磁石装置において、前記蓄冷式冷凍機は、少なくとも
1段目の前記蓄冷器が可動型に構成され、少なくとも最
終段の前記蓄冷器が静止型に構成され、前記1段目と前
記最終段との蓄冷器の間には、前記1段目の可動型の蓄
冷器の振動が前記最終段の蓄冷器に伝わるのを防止する
振動伝達抑制手段が設けられていることを特徴としてい
る。
【0039】また、上記目的を達成するために、請求項
4に係る発明は、超電導コイルと、蓄冷器を複数段有す
るとともに冷却ステージを複数段有して前記超電導コイ
ルの温度環境保持に供される蓄冷式冷凍機とを備えてな
る超電導磁石装置において、前記蓄冷式冷凍機は、少な
くとも1段目の前記蓄冷器が可動型に構成され、少なく
とも最終段の前記蓄冷器が静止型に構成され、前記1段
目から前記最終段まで蓄冷器の間を連結する配管の少な
くとも一部がフレキシブルな配管で構成されてなること
を特徴としている。
【0040】さらに、上記目的を達成するために、請求
項5に係る発明は、第1の真空容器内に配置された超電
導コイルと、蓄冷器を複数段有するとともに冷却ステー
ジを複数段有して前記超電導コイルの温度環境保持に供
される蓄冷式冷凍機とを備え、前記蓄冷式冷凍機は、少
なくとも1段目の前記蓄冷器が可動型に構成され、少な
くとも最終段の前記蓄冷器が静止型に構成され、少なく
とも前記最終段の蓄冷器を前記第1の真空容器内に配置
し、少なくとも前記1段目の蓄冷器を第2の真空容器内
に配置し、これら第1の真空容器内と第2の真空容器内
とにそれぞれ配置された蓄冷器同士の間を断熱性の配管
を介して接続したことを特徴としている。
【0041】本発明では、少なくとも最終段の蓄冷器が
静止型に形成された蓄冷式冷凍機を用いて超電導コイル
の温度環境保持を行うようにしている。超電導コイルの
温度環境保持を担う蓄冷式冷凍機において、最も高い冷
凍能力の要求される部分は、最終段の冷却ステージであ
る。本発明では、上記最終段の冷却ステージと組をなす
最終段の蓄冷器が静止型に形成されている。すなわち、
最終段部分には、可動部分が全く存在していないので、
摺動シール要素も必要としない。したがって、摺動シー
ル要素の存在によって起こる冷凍能力の低下を防止する
ことが可能となる。
【0042】また、最終段の蓄冷器が静止型であるた
め、この最終段の蓄冷器の蓄冷材として磁気相転移に伴
う異常磁気比熱等を利用した磁性蓄冷材を用いたとき、
超電導コイルで発生した磁場の影響で磁性蓄冷材に力が
作用しても、この力は蓄冷式冷凍機の機械的な動きには
全く影響を与えない。したがって、超電導コイルで発生
した磁場の影響で磁性蓄冷材に力が作用したときに起こ
る冷凍能力の低下も防止することが可能となる。また、
最終段の蓄冷器が静止型であるため、蓄冷材として磁性
蓄冷材を用いても、この磁性蓄冷材が超電導コイルで発
生した磁場へ磁気的ノイズを誘発するようなこともな
い。
【0043】また、前記蓄冷式冷凍機の前記静止型に構
成された部分を複数系統にブランチし、ブランチされた
各系統を超電導コイルの軸心線回りに等配し、かつ各系
統における最終段の冷却ステージを超電導コイルに熱的
に接続する構成を採用すると、超電導コイル内に温度差
が生じないように均一に冷却することができる。このと
き、ブランチされた各系統の蓄冷器で磁性蓄冷材を用い
ても、これら磁性蓄冷材が超電導コイルで発生した磁場
の対称性を大幅に崩すようなことはない。したがって、
コイル中心磁場の対称性を向上させるための補正の容易
化に寄与できる。
【0044】また、前記蓄冷式冷凍機の前記静止型に構
成されている部分の少なくとも最終段を超電導コイルの
収容された真空容器内に配置し、他の部分を上記真空容
器外に配置することによって、可動している蓄冷器の振
動が超電導コイルに直接的に伝わるのを防止でき、超電
導コイルが機械的に振動を受けることによって起こる弊
害を回避することができる。
【0045】また、1段目の可動型の蓄冷器の振動が最
終段の蓄冷器に伝わるのを防止する振動伝達抑制手段を
設けたり、1段目から最終段まで蓄冷器の間を連結する
配管の少なくとも一部をフレキシブルな配管で構成する
ことによって蓄冷器の振動が超電導コイルに直接的に伝
わるのを防止できる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施の形態を説明する。図1には本発明の第1の実施の
形態に係る超電導磁石装置、ここには本発明を冷凍機直
冷方式の超電導磁石装置に適用した例が示されている。
【0047】同図において、71は断熱容器としての真
空容器を示している。この真空容器71は非磁性材で形
成されている。真空容器71には、その上壁および下壁
を一体に、かつ気密に貫通する筒状壁72が設けられて
いる。そして、真空容器71内には筒状壁72を囲む環
状の空間73を形成するように非磁性金属材で形成され
たサーマルシールド74が配置されている。
【0048】サーマルシールド74によって形成された
環状空間73内には、筒状壁72と同心的に超電導コイ
ル75が配置されている。この超電導コイル75は、臨
界温度がたとえば15K程度の超電導線で形成されてお
り、その両線端は臨界温度が50K以上の酸化物超電導
体等で形成された電流リード76a,76bの一端側に
接続されている。電流リード76a,76bの他端側は
サーマルシールド74とは絶縁状態にサーマルシールド
74の外部に導かれて燐脱酸銅などで形成された電流リ
ード77a,77bの一端側に接続されている。電流リ
ード76a,76bと電流リード77a,77bとの接
続部はサーマルシールド74の外面に取付けられた、た
とえば窒化アルミニウム製のサーマルアンカ78a,7
8bに熱的に接続されている。電流リード77a,77
bの他端側は真空容器71の上壁を貫通して設けられた
ブッシングを介して外部へ導かれている。また、超電導
コイル75には、このコイルのたとえば軸方向における
一方の端面に熱的に密接する関係に銅製の熱伝導部材7
9が配置されている。
【0049】真空容器71の内外には、一部が真空容器
71内に位置し、残りが真空容器71外に位置して超電
導コイル75の温度環境保持、具体的にはサーマルシー
ルド74を50K程度に、また超電導コイル75を5K
程度に冷却する機能を発揮する2段膨張構成の蓄冷式冷
凍機80が配置されている。
【0050】この蓄冷式冷凍機80は、コールドヘッド
81と、コンプレッサ82とで構成されている。コール
ドヘッド81は、第1段冷凍部83と、これに直列に接
続された第2段冷凍部84とで構成されている。第1段
冷凍部83は第8図に示した従来のものと同じギフォー
ド・マクマホン冷凍サイクルを採用しており、また第2
段冷凍部84はパルスチューブ冷凍サイクルを採用して
いる。
【0051】第1段冷凍部83は、閉じられたシリンダ
85を備えており、このシリンダ85内には断熱材で形
成されたディスプレーサ86が往復動自在に収納されて
いる。そして、シリンダ85のヘッド壁部分に圧縮され
た冷媒ガスを膨張させて寒冷を発生する第1段冷却ステ
ージ87が設けられている。この第1段冷却ステージ8
7、つまりシリンダ85のヘッド壁外面がサーマルシー
ルド74に熱的に接続されている。なお、シリンダ85
は、薄いステンレス鋼板等で形成されている。
【0052】ディスプレーサ86の内部には第1段の蓄
冷器を構成するための流体通路88が軸方向に形成され
ており、この流体通路88にはたとえば銅で作られたメ
ッシュ構造の蓄冷材89が収容されている。
【0053】ディスプレーサ86の外周面上部、つまり
常温に近い部分とシリンダ85の内周面との間には、シ
ール装置90が装着されている。ディスプレーサ86の
上端は、連結ロッド、スコッチヨークあるいはクランク
軸91等を介してモータ92の回転軸に連結されてい
る。したがって、モータ92が回転すると、この回転に
同期してディスプレーサ86が図中上下方向に往復動す
る。
【0054】シリンダ85の上部空間にはディスプレー
サ86内へヘリウムガスを導入するための導入口93お
よび排出するための排出口94が設けてあり、これら導
入口93および排出口94はモータ92の回転に同期し
て開閉制御される高圧弁95,低圧弁96を介してコン
プレッサ82に接続されている。コンプレッサ82、高
圧弁95、低圧弁96は、シリンダ85を経由するヘリ
ウムガス循環系を構成している。すなわち、低圧(約8
atm)のヘリウムガスをコンプレッサ82で高圧(約
20atm)に圧縮してシリンダ85内に送り込む動作
と、シリンダ85内のヘリウムガスを排気する動作とを
交互に行うようにしている。
【0055】一方、第2段冷凍部84はサーマルシール
ド74で囲まれた空間に配置されており、次のように構
成されている。すなわち、シリンダ85のヘッド壁にシ
リンダ85内に通じる関係に配管97の一端側を接続
し、この配管97の他端側を第2段の蓄冷器98の一方
の接続口に接続している。第2段の蓄冷器98は、断熱
材で形成された容器99と、この容器99内に収容され
たEr3 Ni等からなる磁気相転移に伴う異常磁気比熱
等を利用した磁性蓄冷材100とで構成されている。そ
して、第2段の蓄冷器98の他方の接続口は、第2段冷
却ステージを構成する吸熱部101を介して上記吸熱部
101より大径なパルスチューブ102の一端側に接続
されている。このパルスチューブ102の他端側は、一
方においてはキャピラリーチューブ103を介して配管
97内に通じており、他方においてはキャピラリーチュ
ーブ104を介してサーマルシールド74と真空容器7
1の上壁との間に配置されたバッファータンク105に
通じている。すなわち、この第2冷凍部84は、ダブル
インレット方式を採用したパルスチューブ冷凍機を構成
している。なお、図では省略されているが、パルスチュ
ーブ102の高温端およびバッファータンク105はサ
ーマルシールド74に熱的に接続されて冷却されてい
る。
【0056】第2段冷却ステージを構成している吸熱部
101には、銅ブロックなどで構成された伝熱ブロック
106が熱的に接続されており、この伝熱ブロック10
6と前述した熱伝導部材79とが銅材などで形成された
伝熱材107で熱的に接続されている。
【0057】なお、図1中、108は超電導コイル75
で発生した磁場の影響でモータ92の動作が阻害される
のを防止するための磁気シールドを示している。また、
この図1では超電導コイル75やサーマルシールド74
の位置保持手段などが省略されている。
【0058】次に、上記のように構成された超電導磁石
装置の運転モード時の動作、特に超電導コイル75の温
度環境保持動作を説明する。超電導コイル75の温度環
境保持に必要な寒冷の発生は、第1段冷却ステージ87
および第2段冷却ステージを構成している吸熱部101
で行われる。第1段冷却ステージ87は熱負荷のない理
想状態では30K程度まで冷却される。また、吸熱部1
01は4K程度まで冷却される。したがって、ディスプ
レーサ86の上下端間には常温(300K)から30K
までの温度勾配が生じ、また蓄冷器84の上下端間(パ
ルスチューブ102の上下端間)には30Kから4Kま
での温度勾配が生じる。
【0059】モータ92が回転を開始すると、ディスプ
レーサ86が下死点(図中最上点)と上死点(図中最下
点)との間を往復動する。ディスプレーサ86が上死点
に達した時点で高圧弁95が開き、高圧ヘリウムガスが
シリンダ85内に流入する。ディスプレーサ86の外周
面とシリンダ85の内周面との間にはシール装置90が
装着されているので、流入した高圧ヘリウムガスはディ
スプレーサ86に形成された流体通路88を通った後に
蓄冷器98を経てパルスチューブ102へと流れる。こ
の流れに伴って、パルスチューブ102へ流れ込む高圧
ヘリウムガスは、まず蓄冷材89によって50K程度に
冷却された後に磁性蓄冷材100によってさらに5K程
度に冷却される。
【0060】ここで、ディスプレーサ86が下死点に達
すると、高圧弁95が閉じ、低圧弁96が開く。このよ
うに低圧弁96が開くと、ディスプレーサ86とシリン
ダ85のヘッド壁との間の空間109に存在している高
圧ヘリウムガスが断熱膨張して寒冷を発生する。この寒
冷によって第1段冷却ステージ87が外部、つまりサー
マルシールド74から吸熱する。この結果、サーマルシ
ールド74は50K程度の温度に冷却される。
【0061】一方、低圧弁96が開くと、パルスチュー
ブ102内の高圧ヘリウムガスが断熱膨張して寒冷を発
生する。この寒冷によって第2段冷却ステージを構成し
ている吸熱部101が外部、この例の場合には伝熱ブロ
ック106、伝熱材107、熱伝導部材79を介して超
電導コイル75から吸熱する。この結果、超電導コイル
75は、臨界温度以下の5K程度に冷却される。
【0062】ディスプレーサ86が再び上死点へと移動
すると、これに伴ってパルスチューブ102内の低温の
ヘリウムガスが第2段の蓄冷器98内に逆流し、この逆
流で磁性蓄冷材100を冷却する。また、空間109の
低温のヘリウムガスは流体通路88内を通過し、この通
過の際に蓄冷材89を冷却する。したがって、シリンダ
85の上部空間にはほぼ常温まで温度上昇したヘリウム
ガスが集まり、このガスが低圧弁96を介してコンプレ
ッサ82へと排出される。なお、キャピラリーチューブ
103,104およびバッファータンク105は、第2
段冷凍部83を構成しているパルスチューブ冷凍サイク
ルでの圧力変化とガスの変位との位相関係を調整して効
率の良い寒冷発生に寄与している。
【0063】上述したサイクルが繰り返されて超電導コ
イル75の温度環境保持が実行される。したがって、超
電導コイル75は常に臨界温度以下の5K程度に保持さ
れ、またサーマルシールド74は輻射によって超電導コ
イル75への熱侵入を抑制する50K程度に保持され
る。
【0064】このように、本例に係る冷凍機直冷方式の
超電導磁石装置では、超電導コイル75の温度環境を保
持するための蓄冷式冷凍機80として、高温側にギフォ
ード・マクマホン冷凍サイクルを採用した第1段冷凍部
83を配置し、低温側(最終段)にパルスチューブ冷凍
サイクルを採用した第2段冷凍部84を配置してなる2
段膨張構成のものを用いている。
【0065】したがって、温度条件の最も厳しい最終段
に、可動要素を全く必要としない、つまり摺動シール要
素を必要としないパルスチューブ冷凍サイクルを採用し
た第2段冷凍部84を配置しているので、摺動シール要
素の存在によって起こる第2段冷却ステージの冷凍能力
低下を防止でき、長期に亘って安定した温度環境保持動
作を行わせることができる。
【0066】また、最終段の第2段冷凍部84として可
動要素を全く必要としないパルスチューブ冷凍サイクル
を採用したものを用いているので、この最終段の蓄冷器
98の蓄冷材として磁気相転移に伴う異常磁気比熱等を
利用した磁性蓄冷材100を用いたとき、超電導コイル
75で発生した磁場の影響で磁性蓄冷材100に力が作
用しても、この力に耐えるように蓄冷器98を設けてお
けばよく、上記力が蓄冷式冷凍機80の機械的な動きや
寒冷の発生に影響を与えることは全くない。したがっ
て、超電導コイル75で発生した磁場の影響で磁性蓄冷
材100に力が作用したときに起こる冷凍能力の低下も
防止することができる。また、蓄冷器98内の磁性蓄冷
材100は常に静止状態にあるので、この磁性蓄冷材1
00が超電導コイル75で発生した磁場へ磁気的ノイズ
を誘発するようなこともない。
【0067】このように、本例によれば、温度環境保持
系が原因して起こる超電導コイル75のクエンチ発生を
長期間に亘って防止できる冷凍機直冷方式の超電導磁石
装置を実現できる。
【0068】図2には本発明の第2の実施の形態に係る
超電導磁石装置、ここにも本発明を冷凍機直冷方式の超
電導磁石装置に適用した例が示されている。なお、この
図では図1と同一機能部分が同一符号で示されている。
したがって、重複する部分の詳しい説明は省略する。
【0069】この例が図1に示した例と大きく異なる点
は、蓄冷式冷凍機80aの構成および超電導コイル75
へ冷却構成にある。この例における蓄冷式冷凍機80a
は、第1段冷凍部83と、この第1段冷凍部83から4
つにブランチした第2段冷凍部84a〜84d(図3参
照)とで構成されている。
【0070】第1段冷凍部83は、図1に示した蓄冷式
冷凍機の第1段冷凍部と同様に蓄冷器を可動構成にした
ギフォード・マクマホン冷凍サイクルを採用している。
また、第2段冷凍部84a〜84dは、4つにブランチ
されているものの、ブランチされたそれぞれの系統が図
1に示した蓄冷式冷凍機の第2段冷凍部と同様に、Er
3 Ni等からなる磁気相転移に伴う異常磁気比熱等を利
用した磁性蓄冷材100を収容した第2段の蓄冷器98
と、第2段冷却ステージを構成する吸熱部101と、パ
ルスチューブ102と、キャピラリーチューブ103,
104と、バッファータンク105とを備えたオリフィ
ス・ダブルインレット方式のパルスチューブ冷凍サイク
ルを採用したものとなっている。
【0071】第2段冷凍部84a〜84dは、図3に示
すように、各部の寸法も含めてそれぞれ同一構成に形成
されており、超電導コイル75の軸心線回りに90度間
隔に、かつ軸心線に対する姿勢を同じくしてそれぞれの
吸熱部101を超電導コイル75の端面に取付けられた
熱伝導部材79に熱的に接続している。
【0072】なお、この図では外部から超電導コイル7
5に電流を供給するための電流リードや、超電導コイル
75の支持構成等が省略されている。このような構成で
あると、図1に示した装置と全く同じ原理で超電導コイ
ル75を安定に冷却することができ、図1に示した装置
と同様の効果を得ることができる。
【0073】加えて、この例では、蓄冷式冷凍機80a
の静止型に構成されている第2冷凍部を4つにブランチ
し、このブランチされた第2冷凍部84a〜84dを超
電導コイル75の軸心線回りに等配し、かつ各第2冷凍
部84a〜84dの冷却ステージである吸熱部101を
それぞれ熱伝導部材79を介して超電導コイル75に熱
的に接続する構成を採用しているので、超電導コイル7
5内に温度差が生じないように超電導コイル75を均一
に冷却することができる。また、第2冷凍部84a〜8
4dを超電導コイル75の軸心線回りに等配して超電導
コイル75を冷却するようにしているので、第2冷凍部
84a〜84dの各蓄冷器98において磁性蓄冷材10
0を用いても、これら磁性蓄冷材100が超電導コイル
75で発生した磁場の対称性を大きく崩すようなことは
ない。したがって、対称性を増すための補正も容易化で
きる。
【0074】図4には本発明の第3の実施の形態に係る
超電導磁石装置、ここにも本発明を冷凍機直冷方式の超
電導磁石装置に適用した例が示されている。なお、この
図では図2と同一機能部分が同一符号で示されている。
したがって、重複する部分の詳しい説明は省略する。
【0075】この例が図2に示した例と大きく異なる点
は、蓄冷式冷凍機80bの構成にある。この例における
蓄冷式冷凍機80bも第1段冷凍部83と、この第1段
冷凍部83から4つにブランチした第2段冷凍部84a
〜84dとで構成されていることには変わりないが、こ
の例では第1段冷凍部83と第2段冷凍部84a〜84
dとを長いパイプ79aで連絡し、これによって第2段
冷凍部84a〜84dを真空容器71内に、また第1段
冷凍部83を冷凍機専用の別の真空容器200内に設け
るようにしている。なお、図中、201はパイプ79a
を真空断熱するための隔離パイプを示している。この隔
離パイプ201は機械的な振動を伝え難いフレキシブル
な構成であることが好ましい。このフレキシブルな隔離
パイプ201としてはベローズ構成のパイプ等を用いる
ことができる。なお、この図では外部から超電導コイル
75に電流を供給するための電流リードや、超電導コイ
ル75の支持構成等が省略されている。
【0076】このような構成であると、図2に示した装
置と全く同じ原理で超電導コイル75を安定に冷却する
ことができ、図2に示した装置と同様の効果を得ること
ができる。
【0077】加えて、この例では蓄冷式冷凍機80bの
静止型に構成されている第2段冷凍84a〜84dを超
電導コイル75の収容された真空容器71内に配置し、
第1段冷凍部83を冷凍機専用の別の真空容器200内
に配置し、第1段冷凍部83と第2段冷凍部84a〜8
4dとを長いパイプ79aおよび振動を伝え難い隔離パ
イプ201を介して接続する構成を採用しているので、
可動している第1段冷凍部83の機械振動が超電導コイ
ル75に直接的に伝わるのを抑制でき、超電導コイル7
5が機械的に振動を受けることによって起こる弊害、た
とえば磁場の揺らぎの発生を回避することができる。し
たがって、機械的なノイズや磁気的なノイズを嫌う SQU
IDやNMR 等にも適用できる。
【0078】図5には本発明の第4の実施形態に係る超
電導磁石装置、ここには本発明を浸漬冷却方式の超電導
磁石装置に適用した例が示されている。なお、この図で
は、図1と同一機能部分が同一符号で示されている。し
たがって、重複する部分の詳しい説明は省略する。
【0079】同図において、110は断熱容器を示して
いる。この断熱容器110は、内槽111と、外槽11
2と、内・外槽間に形成された真空断熱層113と、真
空断熱層113内に内槽111を包囲するように設けら
れたサーマルシールド114とを備えている。そして、
内槽111内に極低温冷媒である液体ヘリウム115が
収容され、この液体ヘリウム115中に没するように超
電導コイル116が配置されている。なお、この図では
外部から超電導コイル116に電流を供給するための電
流リードや、内槽111へ液体ヘリウム115を注入す
るための注液管等が省略されている。
【0080】断熱容器110の内外には、一部が断熱容
器110内に位置し、残りが断熱容器110外に位置し
て超電導コイル116の温度環境保持、具体的にはサー
マルシールド114を50K程度に、また内槽111を
4K程度に冷却する機能を発揮する2段膨張構成の蓄冷
式冷凍機80cが配置されている。
【0081】この蓄冷式冷凍機80cは、図1に示され
ているものと同様に、コールドヘッド81cと、コンプ
レッサ82とで構成されている。コールドヘッド81c
は基本的には図1に示されているものと同様に、第1段
冷凍部83と、これに直列に接続された第2段冷凍部8
4eとで構成されている。第1段冷凍部83はギフォー
ド・マクマホン冷凍サイクルを採用しており、また第2
段冷凍部84eはパルスチューブ冷凍サイクルを採用し
ている。
【0082】この蓄冷式冷凍機80cは、第1段冷凍部
83に設けられた第1段冷却ステージ87でサーマルシ
ールド114を50K程度に冷却し、第2段冷却ステー
ジとしての吸熱部101で内槽111を4K程度に冷却
している。
【0083】この例に係る超電導磁石装置に組込まれた
蓄冷式冷凍機80cが図1に示される超電導磁石装置に
組込まれた蓄冷式冷凍機80と異なる点は、第2段冷凍
部84eの一部を構成しているパルスチューブ102a
の構成にある。
【0084】すなわち、パルスチューブ102aは、一
端側が吸熱部101に通じ、他端側がシリンダ85の上
部空間に通じた断熱材製のパルスチューブ本体121
と、このパルスチューブ本体121内に往復動自在に収
容された断熱材製のピストン122とで構成されてい
る。そして、ピストン122の図中上端は、連結ロッド
やスコッチヨークなどの連結機構123を介してクラン
ク軸91に連結されている。また、ピストン122の外
周面で、常温に近い図中上端部にはパルスチューブ本体
121の内周面との間をシールするためのシール装置1
24が装着されている。
【0085】上記構成から判るように、この例に係る超
電導磁石装置に組込まれた蓄冷式冷凍機80cでは、デ
ィスプレーサ86の往復動に同期してパルスチューブ1
02aの容積を変化させ、これによって第2段冷凍部8
4eでの圧力変化とガスの流れとの位相差を確保するよ
うに構成されている。
【0086】このよう構成された本例に係る浸漬冷却方
式の超電導磁石装置においても、温度条件の最も厳しい
最低温側に可動要素を全く必要としない、つまり摺動シ
ール要素を必要としないパルスチューブ冷凍サイクルを
採用した第2段冷凍部84eを配置しているので、摺動
シール要素の存在によって起こる第2段冷却ステージの
冷凍能力低下を防止でき、長期に亘って安定した温度環
境保持動作を行わせることができる。したがって、図1
に示すものと同様の効果を発揮させることができる。
【0087】図6には本発明の第5の実施形態に係る超
電導磁石装置、ここにも本発明を浸漬冷却方式の超電導
磁石装置に適用した例が示されている。なお、この図で
は、図1と同一機能部分が同一符号で示されている。し
たがって、重複する部分の詳しい説明は省略する。
【0088】同図において、130は断熱容器を示して
いる。この断熱容器130は、内槽131と、外槽13
2と、内・外槽間に形成された真空断熱層133と、真
空断熱層133内に内槽131を包囲するように設けら
れたサーマルシールド134,135とを備えている。
そして、内槽131内に極低温冷媒である液体ヘリウム
136が収容され、この液体ヘリウム136中に没する
ように超電導コイル137が配置されている。なお、こ
の図では外部から超電導コイル137に電流を供給する
ための電流リードや、内槽131へ液体ヘリウム136
を注入するための注液管や、蒸発によって生成されたヘ
リウムガスを回収するための排気管等が省略されてい
る。
【0089】断熱容器130の内外には、一部が断熱容
器130内に位置し、残りが断熱容器130外に位置し
て超電導コイル137の温度環境保持、具体的にはサー
マルシールド135を50K程度に、またサーマルシー
ルド134を5K程度に冷却する機能を発揮する2段膨
張構成の蓄冷式冷凍機80dが配置されている。
【0090】この蓄冷式冷凍機80dは、コールドヘッ
ド81d、ガス圧力可変機構139とで構成されてい
る。コールドヘッド81dは図1に示されているものと
同様に、第1段冷凍部83と、これに直列に接続された
第2段冷凍部84とで構成されている。第1段冷凍部8
3は後述するガス圧力可変機構139とでスターリング
冷凍サイクルを採用しており、また第2段冷凍部84は
パルスチューブ冷凍サイクルを採用している。
【0091】この蓄冷式冷凍機80dは、第1段冷凍部
83に設けられた第1段冷却ステージ87でサーマルシ
ールド135を50K程度に冷却し、第2段冷却ステー
ジとしての吸熱部101でサーマルシールド134を5
K程度に冷却している。
【0092】この例に係る超電導磁石装置に組込まれた
蓄冷式冷凍機80dが図1に示される超電導磁石装置に
組込まれた蓄冷式冷凍機80と異なる点は、第1段冷凍
部83がガス圧力可変機構139とでスターリング冷凍
サイクルを構成していることにある。
【0093】すなわち、ディスプレーサ86は、連結ロ
ッドやスコッチヨークなどの連結部材140を介してク
ランク室141内に設けられたクランク機構142に連
結され、このクランク機構142の回転に同期して往復
動制御される。なお、シリンダ85とクランク室141
とはシール装置143によって分離されている。また、
クランク機構142は図示しないモータによって回転駆
動される。
【0094】一方、ガス圧力可変機構139は、シリン
ダ144と、このシリンダ144内に往復動自在に配置
されたピストン145とを備えている。ピストン145
は、連結ロッドやスコッチヨークなどの連結部材146
を介してクランク機構142に連結され、ディスプレー
サ86の往復動位相に対して所定の位相差で往復動制御
される。なお、シリンダ144とクランク室141とは
シール装置147によって分離されている。そして、シ
リンダ144とピストン145との間に形成された容積
可変の空間148は、ガス通路149を介してシリンダ
85とデイスプレーサ86の背面との間に形成された空
間150に通じている。空間148、ガス通路149、
シリンダ85、蓄冷器98、パルスチューブ102、バ
ッファタンク105からなる閉じられた空間にはヘリウ
ムガスが封入されている。
【0095】スターリング冷凍サイクルもギフォード・
マクマホン冷凍サイクルも基本的には同じ冷凍原理を採
用している。すなわち、クランク機構142が回転する
と、シリンダ144とピストン145とが空間148で
ヘリウムガスを圧縮して送り出す動作と、ヘリウムガス
を空間148へ吸い込む動作とを繰り返す。したがっ
て、ガス圧力可変機構139は、図1および図2に示し
たコンプレッサ82、高圧弁95、低圧弁96と等価な
動作を行っていることになる。
【0096】このよう構成された本例に係る浸漬冷却方
式の超電導磁石装置においても、温度条件の最も厳しい
最低温側に可動要素を全く必要としない、つまり摺動シ
ール要素を必要としないパルスチューブ冷凍サイクルを
採用した第2段冷凍部84を配置しているので、摺動シ
ール要素の存在によって起こる第2段冷却ステージの冷
凍能力低下を防止でき、長期に亘って安定した温度環境
保持動作を行わせることができる。したがって、図1に
示すものと同様の効果を発揮させることができる。
【0097】なお、本発明は上述した各例に限定される
ものではない。たとえば、図1に示される超電導磁石装
置に組込まれている蓄冷式冷凍機80を図6に示される
蓄冷式冷凍機80dに置き換えることもできる。また、
図5に示される例において、吸熱部101を内槽111
内に位置させ、内槽111内のヘリウムガスを吸熱部1
01の外面で液化するようにしてもよい。また、図5お
よび図6に示す例において、駆動用のモータを磁気シー
ルドで覆い、超電導コイルで発生した磁場の影響でモー
タの動作が不安定になるのを防止するようにしてもよ
い。また、図1および図6に示す例において、パルスチ
ューブ冷凍機のガス圧力変化とガスの変位との間に所定
の位相差を持たせるためにキャピラリーチューブ10
3、105の途中に絞り等を介在させてもよい。また、
パルスチューブ冷凍機を複数段構成にすることもでき
る。さらに、第1段冷凍部としてギファード・マクマホ
ン冷凍サイクルおよびスターリング冷凍サイクルを示し
たが、蓄冷器が可動型の他の冷凍サイクルとして修正型
ソルベー冷凍サイクルを用いてもよい。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
超電導コイルの温度環境保持に供せられる蓄冷式冷凍機
の少なくとも最終段の蓄冷器として静止型のものを用い
ているので、最終段冷却ステージの冷凍能力を長期に亘
って安定に発揮させることができ、もって極低温冷媒の
蒸発量の抑制や超電導コイルのクエンチ発生防止に寄与
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超電導磁石装置
の概略構成図
【図2】本発明の第2の実施形態に係る超電導磁石装置
の概略構成図
【図3】図2におけるA−A線に沿って切断し矢印方向
に見た図
【図4】本発明の第3の実施形態に係る超電導磁石装置
の概略構成図
【図5】本発明の第4の実施形態に係る超電導磁石装置
の概略構成図
【図6】本発明の第5の実施形態に係る超電導磁石装置
の概略構成図
【図7】浸漬冷却方式を採用した従来の超電導磁石装置
の概略構成図
【図8】同装置に組込まれている蓄冷式冷凍機の概略構
成図
【図9】磁気相転移に伴う異常磁気比熱等を利用した磁
性蓄冷材の比熱特性を鉛のそれと比較して示す図
【図10】冷凍機直冷方式を採用した従来の超電導磁石
装置の概略構成図
【符号の説明】
71…断熱容器としての真空容器 74,114,134,135…サーマルシールド 75,116,137…超電導コイル 79…熱伝導部材 80,80a,80b,80c,80d…蓄冷式冷凍機 81,81a,81b,81c,81d…コールドヘッ
ド 82…コンプレッサ 83…第1段冷凍部 84,84a,84b,84c,84d,84e…第2
段冷凍部 85…シリンダ 86…デイスプレーサ 87…第1段冷却ステージ 89…蓄冷材 90,124,143,147…シール装置 92…モータ 93…ガス導入口 94…ガス排出口 95…高圧弁 96…低圧弁 97,97a…パイプ 98…第2段の蓄冷器 100…磁気相転移に伴う異常磁気比熱等を利用した磁
性蓄冷材 101…第2段冷却ステージとしての吸熱部 102,102a…パルスチューブ 103,104…キャピラリーチューブ 105…バファタンク 121…パルスチューブ本体 122,145…ピストン 139…ガス圧力可変機構 141…クランク室 142…クランク機構 144…シリンダ 148…空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 安見 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中込 秀樹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 畠山 秀夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 ローハナ・チャンドラ・ティラカ 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超電導コイルと、蓄冷器を複数段有すると
    ともに冷却ステージを複数段有して前記超電導コイルの
    温度環境保持に供される蓄冷式冷凍機とを備えてなる超
    電導磁石装置において、 前記蓄冷式冷凍機は、少なくとも1段目の前記蓄冷器が
    可動型に構成され、少なくとも最終段の前記蓄冷器が静
    止型に構成されてなることを特徴とする超電導磁石装
    置。
  2. 【請求項2】真空容器内に配置された超電導コイルと、
    蓄冷器を複数段有するとともに冷却ステージを複数段有
    して前記超電導コイルの温度環境保持に供される蓄冷式
    冷凍機とを備えてなる超電導磁石装置において、 前記蓄冷式冷凍機は、少なくとも1段目がギフォード・
    マクマホン冷凍サイクル、スターリング冷凍サイクル、
    修正型ソルベー冷凍サイクルのいずれかに構成されてい
    るとともに前記蓄冷器が可動型に構成されており、また
    少なくとも最終段が膨張機としてのパルスチューブを備
    えているとともに前記蓄冷器内に磁気相転移に伴う異常
    磁気比熱等を利用した磁性蓄冷材が収容されて静止型に
    構成されており、上記最終段の冷却ステージが前記超電
    導コイルに熱的に接続されていることを特徴とする超電
    導磁石装置。
  3. 【請求項3】超電導コイルと、蓄冷器を複数段有すると
    ともに冷却ステージを複数段有して前記超電導コイルの
    温度環境保持に供される蓄冷式冷凍機とを備えてなる超
    電導磁石装置において、 前記蓄冷式冷凍機は、少なくとも1段目の前記蓄冷器が
    可動型に構成され、少なくとも最終段の前記蓄冷器が静
    止型に構成され、前記1段目と前記最終段との蓄冷器の
    間には、前記1段目の可動型の蓄冷器の振動が前記最終
    段の蓄冷器に伝わるのを防止する振動伝達抑制手段が設
    けられていることを特徴とする超電導磁石装置。
  4. 【請求項4】超電導コイルと、蓄冷器を複数段有すると
    ともに冷却ステージを複数段有して前記超電導コイルの
    温度環境保持に供される蓄冷式冷凍機とを備えてなる超
    電導磁石装置において、 前記蓄冷式冷凍機は、少なくとも1段目の前記蓄冷器が
    可動型に構成され、少なくとも最終段の前記蓄冷器が静
    止型に構成され、前記1段目から前記最終段まで蓄冷器
    の間を連結する配管の少なくとも一部がフレキシブルな
    配管で構成されてなることを特徴とする超電導磁石装
    置。
  5. 【請求項5】第1の真空容器内に配置された超電導コイ
    ルと、蓄冷器を複数段有するとともに冷却ステージを複
    数段有して前記超電導コイルの温度環境保持に供される
    蓄冷式冷凍機とを備え、 前記蓄冷式冷凍機は、少なくとも1段目の前記蓄冷器が
    可動型に構成され、少なくとも最終段の前記蓄冷器が静
    止型に構成され、少なくとも前記最終段の蓄冷器を前記
    第1の真空容器内に配置し、少なくとも前記1段目の蓄
    冷器を第2の真空容器内に配置し、これら第1の真空容
    器内と第2の真空容器内とにそれぞれ配置された蓄冷器
    同士の間を断熱性の配管を介して接続したことを特徴と
    する超電導磁石装置。
  6. 【請求項6】前記蓄冷式冷凍機の前記少なくとも1段目
    は、冷凍サイクルがギフォード・マクマホン冷凍サイク
    ル、スターリング冷凍サイクル、修正型ソルベー冷凍サ
    イクルのいずれかに構成されていることを特徴とする請
    求項1,3,4,5のいずれか1項に記載の超電導磁石
    装置。
  7. 【請求項7】前記蓄冷式冷凍機の前記少なくとも最終段
    は、膨張機としてのパルスチューブを備えて構成されて
    いることを特徴とする請求項1,3,4,5のいずれか
    1項に記載の超電導磁石装置。
  8. 【請求項8】前記蓄冷式冷凍機は、前記少なくとも最終
    段の蓄冷器で用いている蓄冷材が磁気相転移に伴う異常
    磁気比熱等を利用した磁性蓄冷材であることを特徴とす
    る請求項1,3,4,5のいずれか1項に記載の超電導
    磁石装置。
  9. 【請求項9】前記蓄冷式冷凍機は、前記少なくとも最終
    段の冷却ステージが前記超電導コイル、この超電導コイ
    ルを包囲しているサーマルシールド、上記超電導コイル
    を収容する容器の少なくとも1つに直接または熱伝導部
    材を介して接続されていることを特徴とする請求項1,
    2,3,4,5のいずれか1項に記載の超電導磁石装
    置。
  10. 【請求項10】前記蓄冷式冷凍機は、前記静止型に構成
    された部分が複数系統にブランチされており、ブランチ
    された各系統における最終段の冷却ステージがそれぞれ
    前記超電導コイルに熱的に接続されていることを特徴と
    する請求項1,2,3,4,5,6のいずれか1項に記
    載の超電導磁石装置。
  11. 【請求項11】前記蓄冷式冷凍機は、前記ブランチされ
    た各系統がそれぞれほぼ等しく構成されており、上記各
    系統が前記超電導コイルの軸心線回りに等配され、かつ
    各系統における最終段の冷却ステージがそれぞれ前記超
    電導コイルに熱的に接続されていることを特徴とする請
    求項10に記載の超電導磁石装置。
  12. 【請求項12】前記蓄冷式冷凍機は、前記静止型に構成
    されている部分の少なくとも最終段が前記真空容器内に
    配置されており、他の部分が上記真空容器の外に配置さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載の超電導磁石
    装置。
JP8059193A 1995-05-16 1996-03-15 超電導磁石装置 Pending JPH0936442A (ja)

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JP8059193A JPH0936442A (ja) 1995-05-16 1996-03-15 超電導磁石装置
GB9726479A GB2318176B (en) 1995-05-16 1996-05-15 A refrigerator having a plurality of cooling stages
US08/647,741 US5711157A (en) 1995-05-16 1996-05-15 Cooling system having a plurality of cooling stages in which refrigerant-filled chamber type refrigerators are used
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