JPH06221260A - 単一流体ハウジング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 小型で連結部のない単一流体ハウジングを提
供することにある。 【構成】 流体装置用のハウジングは、取り囲んだ状態
のハウジングを形成するために、一体鋳物の単一中空ハ
ウジング１０で構成され、対向する前後壁１２、１４間
には一体で連続外部側壁１１が設けられている。連続外
部側壁１１は、好ましくは対向する上下壁２０、２２と
対向する側壁から成る。回転軸（５─５線）は前後壁１
２、１４に配置され、通常前壁１２に形成された開口の
中心部に収まっている。点検口３０、２８は、組立中に
構成部品２８Ａ、２８Ｂ、２８Ｃをハウジング１０内に
据え付けるために、回転軸（５─５線）に交差する連続
外部側壁１１に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般にアキシアル形ピ
ストン可変流体ポンプのような流体に作用する斜板装
置、特にそのような装置に用いられる改良された単一ハ
ウジングに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のアキシアル形ピストン可変流体装
置は、主ハウジング内で回転支持され多数のアキシアル
シリンダが環状に配されたシリンダブロック、主ハウジ
ングに支持された斜板、斜板を傾斜させる制御機構、ハ
ウジングに取り付けられ高圧ポートを有するエンドキャ
ップ、及び取付けフランジでハウジングに取り付けられ
るフロントカバーから成っている。多くの場合、主ハウ
ジングは前後に二分されている。これらの分割部品は中
央フランジに沿って連結されるようになっており、組立
時に流体装置の構成部品がたやすく取り付けられるよう
になっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな流体装置用の多分割ハウジングは種々の問題に直面
している。第１に、分割ハウジング間に流体通路を確保
するため連結部にシールが必要となる。このシール部で
の漏れは、入力軸に沿って軸方向に発生させた大きな流
体負荷が分割ハウジングの連結部に直接作用するから、
恒常的な問題となっている。第２に、流体のスラスト負
荷によって発生した分離力に抗して分割ハウジングを押
さえつけるために種々の締結具が全連結部に沿って必要
となる。これらの締結具は大きな場所を取ると共に特に
流体装置に必要とされているものよりも大きなハウジン
グを必要とする。流体装置が大きくなればなるほどより
多くの材料が必要となると共にその装置を取り付ける車
両や装置に大きな空間が必要となる。空間には制限があ
るため、バルブや制御機構のような構成部品は分割ハウ
ジングの一方に組み込むように設計する必要がある。こ
れはこのような構成部品の設計や取付け位置をかなり制
限することになる。更に、従来のハウジングは流体作用
による主要な分離力の作用方向に連結部を有するから、
個々の点検孔の設定位置が一般にハウジングのエンドプ
レートかフロントプレートに制限される。そこで、本発
明の主たる目的は流体装置用の改良されたハウジングを
提供することにある。別の目的は流体作用による主要な
分離力の作用方向に沿う分割ハウジングの連結部を必要
としない単一流体ハウジングを提供することにある。更
に本発明の他の目的はハウジング装置内の流体の軸方向
分力に交差する方向に点検開口部を持つ単一流体ハウジ
ング装置を提供することにある。これらとその他の目的
は当業者に明白になるだろう。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明にかかるアキシア
ル形ピストン可変流体装置用ハウジングは前後壁とその
前後壁に接続されている連続側壁を有する一体鋳物の単
一中空ハウジングから成っている。好ましい連続側壁と
しては対向した上下壁と対向した左右側壁から成る。前
壁の開口部は入力軸を納めるためのもので、その入力軸
はハウジング内で回転軸となるもので後壁に達してい
る。左側面には点検口が回転軸と交差する方向に形成さ
れているため、回転ブロックや、ハウジング内にある従
来の流体装置の他の構成部品の据え付けが可能になって
いる。上壁にはサーボ穴が形成されてハウジング内に制
御用サーボピストンの据え付けが可能になっている。右
側壁の開口はハウジング内のサーボ装置と流体及び機械
的な接続を持つ種々の制御機構を右側壁に据え付けるた
めのものである。

【０００５】

【作用及び実施例】以下、図を参照して説明するが、類
似又は対応部品には同一の参照符号を付ける。特に図１
に対しては本発明に係るハウジングを便宜上１０で示
す。ハウジング１０は単一中空ハウジングを一体鋳物で
構成するようにしたもので、連続外部壁１１はぐるっと
一周して中空ハウジングを形成している。連続壁１１は
好ましくは前壁１２、後壁１４、側壁１６及び１８及び
対向する上下壁２０及び２２を有することが望ましい。

【０００６】図１〜４で判るように、単一、一体鋳物の
ハウジング１０は、前面板、エンドキャップ、又はハウ
ジング内で発生する軸方向の流体スラスト荷重に対抗す
るために分割ハウジング部品を連結する締結具を必要と
しない。前にも述べたように、従来の多くのハウジング
は製造組立で内部取り付けを可能とするため、二分割に
することが必要であった。従来においては分割ハウジン
グを連結する必要があるので点検口の位置が制限され
た。多くの弁部品が大体フロントカバあるいはエンドキ
ャップに配置された。本発明の単一ハウジングでは装置
の流体分離圧を受けやすい前後壁１２と１４間の側壁１
１の連結を必要としない。したがって、前壁に設けられ
た開口のみがシールキャリヤ口２４になる。同様にポー
トイング面２６がシールキャリヤ口２４を通してたやす
く機械加工されるように後壁１４に設けられている。

【０００７】いかなる連結具も上下壁２０と２２又は左
右壁１６と１８を貫通しないから種々の点検口やその他
の開口をそれらの表面に形成することが可能である。図
３は左側壁１６に開口２８を設けて回転ブロック２８Ａ
や斜板２８Ｂ（図５）をハウジング１０内に据え付ける
ようにしたものである。これらの回転ブロック２８Ａや
斜板２８Ｂに関連する軸２８Ｃも図５に示されている。
図４は右側面１６に設けられた制御機構取付面３０を示
したものである。サーボ穴が図１に示すように上壁２０
通って垂直に設けられている。従来の多分割ハウジング
ではハウジングの連結部があるためにここに示す壁に開
口２８、３０及び３２を設けることができなかった。

【０００８】

【発明の効果】左右側壁と上下壁１６、１８、２０と２
２が単一鋳物で形成されているから、連続側壁１１は流
体ハウジング１０で発生した軸方向スラストに対抗する
ことが可能である。従来の多分割ハウジング用の締結具
を必要としないから単一ハウジング１０は弁部品の設計
の自由度と同様にその部品を鋳物内に配置する自由度も
大きい。更に、単一ハウジング１０は多分割ハウジング
の分離用連結具を必要としないので大きさが従来の多分
割ハウジングよりも小さくなる。

【０００９】本発明については好ましい実施例を図示し
て説明してきたが、それに対する多くの変更、代替及び
付加を添付請求範囲に基づいてすることが可能である。
例えば、連続側壁１１を貫通する点検口を、前壁１２か
ら後壁１４に延びる回転軸に交差して壁に望み通りの大
きさ及び場所に設けることが可能である。

【００１０】したがって、図示説明してきた流体装置用
の改良された単一ハウジング装置は少なくとも前記した
全ての目的を達成している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の流体ハウジングの斜視図である。

【図２】ハウジングの正面図である。

【図３】ハウジングの左側面図である。

【図４】ハウジングの右側面図である。

【図５】図１の５─５線での断面図である。

【符号の説明】

１０ 単一中空ハウジング １１ 連続側壁 １２ 前壁 １４ 後壁 １６ 左側壁 １８ 右側壁 ２０ 上壁 ２２ 下壁 ２４ 開口 ２８，３０ 点検口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向する前後壁、対向する上下壁部、
   及び対向する側壁部を有する単一中空ハウジング、 前記前壁内にある第１開口部、 前記中空ハウジング内にある可変流体装置であって、回
   転ブロック、斜板及び軸から成り、該軸が前記第１開口
   部内で回転自在に軸支されると共に該装置から前記第１
   開口部を通って外部に延びている装置、 前記側壁の１つにある第２開口部であって、組立中に前
   記回転ブロックと前記斜板を上記第２開口部を通って挿
   入し前記中空ハウジング内で据え付けるに十分な大きさ
   の第２開口部から成ることを特徴とする単一流体ハウジ
   ング。
2. 【請求項２】 前記軸は、縦軸で、前記ハウジング内
   でハウジング軸に平行でかつ前記第２開口部の位置と交
   差する方向に流体スラスト荷重を発生させるために、前
   記回転ブロックと前記斜板とに機能的に連結されている
   ことを特徴とする請求項１記載のハウジング。