JPH06220385A - 水性グラビア印刷インキ - Google Patents

水性グラビア印刷インキ

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JPH06220385A JP2843693A JP2843693A JPH06220385A JP H06220385 A JPH06220385 A JP H06220385A JP 2843693 A JP2843693 A JP 2843693A JP 2843693 A JP2843693 A JP 2843693A JP H06220385 A JPH06220385 A JP H06220385A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 版摩耗、ドクター摩耗が十分に改善され、ま
た版かぶり、ドクター筋等に関する印刷適性も有機溶剤
タイプのものに匹敵する水性グラビア印刷インキを提供
することにある。 【構成】 水性媒体中に溶解した樹脂をベヒクル成分と
する水性グラビア印刷インキにおいて、N−ベンゾイル
アミノアルカン酸のアミン塩が添加されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙やプラスチックフィ
ルム等に対するグラビア印刷用のインクに関するもので
あり、更に詳しくは版摩耗、ドクター摩耗が改善され、
版かぶり、ドクター筋などに関する印刷適性に優れた水
性グラビア印刷インキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、グラビア印刷用インキとしては、
例えば硝化綿/ポリアミド樹脂系、硝化綿/マレイン酸
樹脂系、硝化綿/ポリウレタン系もしくは塩素化ポリプ
ロピレン系等を炭化水素系、エステル系またはケトン系
の有機溶剤に溶解したベヒクルを使用した有機溶剤型の
グラビア印刷用インキが使用されていた。このため、か
かるインキは安全性、衛生性、大気中への有機溶剤の揮
散等の面で根本的な課題を内包しており、よって省資
源、省エネルギー等の面からも水性グラビア印刷インキ
が望まれ、今日、一部実用化に至っている。
【0003】これまでに実用化された水性グラビア印刷
インキとしては、例えばシェラック、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂、スチレン−アクリル酸樹脂、アクリル酸エス
テル−アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ウレタン変性アクリル酸樹脂、水溶性ウレタン、
水溶性ポリエステル等や、あるいはこれらの混合物から
なる樹脂をバインダとする印刷インキ等がある。しか
し、これらの水性グラビア印刷インキは、いずれも耐水
性、耐アルカリ性の面で十分なものではなく、またポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等のプラスチ
ックフィルムに適用した場合には密着性に乏しく、十分
な接着強度が保持できないという問題があった。
【0004】一方、このような従来の水性グラビア印刷
インキの問題点の解決を試みた技術も幾つか提案されて
いる(特公平1−28786号、特公平4−2633号
および特公平4−2634号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまでに提
案された水性グラビア印刷インキはいずれも版摩耗、ド
クター摩耗が十分に改善されているとはいえず、また版
かぶり、ドクター筋等に関する印刷適性が有機溶剤タイ
プのものに比べ劣っていた。
【0006】そこで本発明の目的は、従来の水性グラビ
ア印刷インキの問題点を解決し、版摩耗、ドクター摩耗
が十分に改善され、また版かぶり、ドクター筋等に関す
る印刷適性も有機溶剤タイプのものに匹敵する水性グラ
ビア印刷インキを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意検討した結果、従来のタイプの水性グ
ラビア印刷インキにN−ベンゾイルアミノアルカン酸の
アミン塩を添加することにより本発明の目的を達成し得
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、水性媒体中に溶解した樹脂をベ
ヒクル成分とする本発明の水性グラビア印刷インキは、
N−ベンゾイルアミノアルカン酸のアミン塩が添加され
てなることを特徴とするものである。
【0009】本発明の水性グラビア印刷インキのベヒク
ル成分としては、例えばシェラック、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂、スチレン−アクリル酸樹脂、アクリル酸エス
テル−アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ウレタン変性アクリル酸樹脂、水溶性ウレタン、
水溶性ポリエステルの単独、あるいはこれらの混合物か
らなる樹脂を主なバインダとするベヒクル成分を挙げる
ことができる。
【0010】上記N−ベンゾイルアミノアルカン酸とし
ては、好ましくはN−ベンゾイルアミノペンタン酸、N
−ベンゾイルアミノヘキサン酸、N−ベンゾイルアミノ
ヘプタン酸、特に好ましくは、N−ベンゾイルアミノヘ
キサンである。また、そのアミン塩としては、脂肪族ま
たは脂環式アミン塩とすることができ、好ましくはトリ
エタノールアミン塩である。
【0011】本発明においては、N−ベンゾイルアミノ
アルカン酸のアミン塩を、好ましくは0.5〜10重量
%、さらに好ましくは1〜5重量%添加する。
【0012】本発明の水性グラビア印刷インキは、公知
の水性グラビア印刷インキと同様に、ボールミル、アト
ライタ、サンドミル等の練肉機を使用し、一般の無機顔
料、有機顔料等の着色剤、充填剤、その他、目的に応じ
て必要な添加剤を加えて練肉分散させることにより製造
することができる。
【0013】
【作用】これまで一般に知られていた水性グラビア印刷
インキにN−ベンゾイルアミノアルカン酸のアミン塩を
添加するだけで、その版摩耗、ドクター摩耗が大幅に改
善され、しかも版かぶり、ドクター筋等に関する印刷適
性も有機溶剤タイプのものに匹敵する程良好なものとな
ることは、本発明者により初めて見出されたことであ
る。
【0014】尚、本発明においては、かかるN−ベンゾ
イルアミノアルカン酸のアミン塩の添加量が少な過ぎる
と、グラビア印刷において版摩耗、ドクター摩耗や、版
かぶり、ドクター筋等の印刷適性の改善効果が見られ
ず、一方多過ぎるとグラビア印刷物の濃度、光沢、紙お
よびプラスチックへの密着性等の印刷品質が低下し、好
ましくない。
【0015】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき具体的に説明す
る。実施例1,比較例1 フタロシアニンブルー12重量部、スチレン−アクリル
ヒドロゾル(固形分40%)70重量部、ポリエチレン
ワックスエマルジョン(固形分40%)2重量部、イソ
プロピルアルコール5重量部および水11重量部を試験
用サンドミルにて1時間練肉分散させ、水性グラビア印
刷インキ(A)を得、これを比較例1とした。
【0016】また、上記水性グラビア印刷インキ(A)
100重量部に対してN−ベンゾイルアミノヘキサン酸
のトリエタノールアミン塩(サンアプロ社製、カーレン
No.5006)(50%水溶液)2重量部を添加し、
混合分散させて水性グラビア印刷インキ(B)を得、こ
れを実施例1とした。
【0017】実施例2,比較例2 カーボンブラック12重量部、スチレン−アクリルヒド
ロゾル(固形分40%)70重量部、ポリエチレンワッ
クスエマルジョン(固形分40%)2重量部、イソプロ
ピルアルコール5重量部および水11重量部を試験用サ
ンドミルにて1時間練肉分散させ、水性グラビア印刷イ
ンキ(C)を得、これを比較例2とした。
【0018】また、上記水性グラビア印刷インキ(C)
100重量部に対してN−ベンゾイルアミノヘキサン酸
のトリエタノールアミン塩(50%水溶液)2重量部を
添加し、混合分散させて水性グラビア印刷インキ(D)
を得、これを実施例2とした。
【0019】実施例3,比較例3 カーボンブラック12重量部、ウレタンヒドロゾル(固
形分40%)70重量部、ポリエチレンワックスエマル
ジョン(固形分40%)2重量部、イソプロピルアルコ
ール5重量部および水11重量部を試験用サンドミルに
て1時間練肉分散させ、水性グラビア印刷インキ(E)
を得、これを比較例3とした。
【0020】また、上記水性グラビア印刷インキ(E)
100重量部に対してN−ベンゾイルアミノヘキサン酸
のトリエタノールアミン塩(50%水溶液)2重量部を
添加し、混合分散させて水性グラビア印刷インキ(F)
を得、これを実施例3とした。
【0021】実施例4,比較例4 カーボンブラック12重量部、ウレタン変性アクリルヒ
ドロゾル(固形分40%)70重量部、ポリエチレンワ
ックスエマルジョン(固形分40%)2重量部、イソプ
ロピルアルコール5重量部および水11重量部を試験用
サンドミルにて1時間練肉分散させ、水性グラビア印刷
インキ(G)を得、これを比較例4とした。
【0022】また、上記水性グラビア印刷インキ(G)
100重量部に対してN−ベンゾイルアミノヘキサン酸
のトリエタノールアミン塩(50%水溶液)2重量部を
添加し、混合分散させて水性グラビア印刷インキ(H)
を得、これを実施例4とした。
【0023】上述のようにして得られた水性グラビア印
刷インキ(A)〜(H)を水50重量%およびイソプロ
ピルアルコール50重量%の混合溶液にて、適正な粘度
となるまで希釈し、然る後通常の方法に従いポリプロピ
レンフィルムにグラビア印刷を行った。得られたグラビ
ア印刷について版かぶり性、ドクター筋、密着性に関す
る性能の評価を行った。かかる評価は以下のようにして
行った。
【0024】版かぶり性 印刷物の非画線部での汚れ(かぶり汚れ)を目視で評価
した。
【0025】ドクター筋 印刷物のドクター筋の有無を評価した。
【0026】密着性 (株)ニチバン製18cm幅のセロテープを印刷物の印
刷画面に貼り、しかる後瞬時に該テープを剥離し、イン
キ取られの有無を評価した。上記評価のいずれの場合も
良好の場合を5、不良の場合を1とし、5段階で評価し
た。得られた結果を下記の表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の水性
グラビア印刷インキにおいては、従来のタイプの水性グ
ラビア印刷インキにN−ベンゾイルアミノアルカン酸の
アミン塩が添加されたことにより、版摩耗、ドクター摩
耗が十分に改善され、また版かぶり、ドクター筋等に関
する印刷適性も有機溶剤タイプのものに匹敵することに
なるという効果が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体中に溶解した樹脂をベヒクル成
    分とする水性グラビア印刷インキにおいて、N−ベンゾ
    イルアミノアルカン酸のアミン塩が添加されてなること
    を特徴とする水性グラビア印刷インキ。
  2. 【請求項2】 上記N−ベンゾイルアミノアルカン酸の
    アミン塩がN−ベンゾイルアミノヘキサン酸のトリエタ
    ノールアミン塩である請求項1記載の水性グラビア印刷
    インキ。
  3. 【請求項3】 N−ベンゾイルアミノアルカン酸のアミ
    ン塩が0.5〜10重量%添加されている請求項1記載
    の水性グラビア印刷インキ。
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