JPH0622031Y2 - 建築用破風板軒天構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、建築、構築物等における建築用破風板軒天構
造に関するものである。

（従来技術） 従来の建築、構築物に用いられる破風板において、例え
ば実開昭５３−３２５３０号公報の如く上端に金属屋根
板の端の水切りを係止する屋根板受突縁をもって屋根野
地の端を含む唐草板部分と、軒先のたるき木口を隠す鼻
隠し部分あるいは母屋の木口を隠す破風板部分とを金属
板で一体形成した鼻隠し、破風板などに使用する金属製
化粧板、あるいは実公昭５８−２０７３９号公報の如
く、帯板状金属板を折曲して上部にタルキ隠し部を設
け、下部に軒天井板先端部の下面を受支するための折返
部を設けた固定容易な屋根端面材等は公知である。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、上記従来技術の場合は、破風板に対する軒天
板先端部の取付手段が、前者は鼻隠し部下端に設けた中
空角形部上の溝形部に軒天板の先端部をはめ込んで取付
ける構造であり、また後者は垂木固定部の下端に設けた
折返部の先端に軒天井板の先端部下面を受支せしめる構
造であるため、前者の場合は軒天板の厚みを溝形部と一
致させないと軒天板の先端部がガタつきを生じておさま
りが悪くなり、また後者の場合は軒天井板の先端部が風
圧等により容易に浮上ってしまう等、いずれも軒天板の
取付けが不充分となる問題点があったばかりでなく、後
者の場合は軒天井板止着用釘の頭部が外部に現れてしま
うという問題点がある他、上記従来技術の場合は、前、
後者ともに軒天板先端の取付構造が複雑で成形が面倒で
ある等種々の問題点があった。

本考案は上記問題点を解決し、軒天板取付部の寸法誤差
を吸収して軒天板の取付けを容易かつ確実に行い得ると
ともに外観、体裁がよく意匠的効果大で、かつ長期の使
用に供し得る建築用破風板軒天構造を提供することを目
的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するため、長辺側上端縁に表面
側に突出状にタルキ隠し兼取付段部を形成するとともに
長辺側下端縁に裏面側に内方折曲状段部付の断面略Ｕ字
型折曲端を形成し、かつ前記断面略Ｕ字型折曲端の立上
り終端部を水平板部および垂直板部からなる段部ならび
に水平延長板部からなる母屋取付部を形成した断面略Ｓ
字状の軒天板先端縁取付部となした帯板状金属板と、先
端および後端をそれぞれ上方内向折曲型のコ字状折曲端
縁となすとともに前記各コ字状折曲端縁下部に工具挿通
孔を設けた軒天板とからなり、前記軒天板のコ字状折曲
先端縁を前記帯板状金属板の水平延長板部下面に、かつ
前記軒天板のコ字状折曲後端縁を母屋下面にそれぞれ軒
天板止着用釘により止着可能としたことを特徴とするも
のである。

（実施例） 第１図乃至第２図は本考案の一実施例を示し、１は帯板
状金属板（破風板）であって、カラー鉄板、カラーアル
ミ等所要の金属材（エンボス加工も含む）で成形された
ものである。２は前記帯板状金属板１の長辺側下端縁に
形成された内方折曲状段部３付の断面略Ｕ字型折曲端、
４は前記Ｕ字型折曲端２の立上り終端部５に断面略Ｓ字
状に形成された軒天板先端縁取付部であって、第２図示
のように水平板部４ａ、垂直板部４ｂからなる段部４ｃ
ならびに水平延長板部４ｄからなる母屋取付部４ｅに構
成されている。６は前記帯板状金属板１の断面略Ｕ字型
折曲端２部内に必要に応じて充填または貼合せ等によっ
て設けられる芯材であって、例えばウレタン、発泡スチ
ロール、その他適宜の発泡体あるいは木製、その他適宜
のものを含むものである。７は前記帯板状金属板１の長
辺側上端縁に形成されたタルキ隠し兼取付用段部であっ
て、第２図示のように上端折曲部７ａを隠し釘８等によ
ってハナヌキ９に止着してもよく、またタルキ当接部７
ｂを釘打ちにてタルキ１０に止着するようにしてもよい
ものである。

１１は前記母屋取付部４ｅを母屋１３の下面に止着する
ための釘、１２は前記帯板状金属板１を前記母屋１３の
前面部に止着するための釘、１４は化粧ワッシャー、１
５は軒天板、１５ａは前記軒天板１５の上方内向折曲型
のコ字状折曲先端縁、１５ｂは同コ字状折曲後端縁、１
５ｃは工具挿通孔、１６は壁、１７は軒天板止着用釘で
ある。

次に作用について説明する。施工に際しては、第２図示
のように化粧ワッシャー１４付の釘１２にて前記帯板状
金属板１を母屋１３の前面部に止着するか、あるいは前
記帯板状金属板１のタルキ隠し兼取付用段部７を隠し釘
８でハナヌキ９に止着するとともに、前記帯板状金属板
１の裏面側に形成した軒天板先端縁取付部４の母屋取付
部４ｅを母屋１３の下面に釘１１により取付け、さらに
ドライバー等の工具（図示せず）を前記軒天板１５の工
具挿通孔１５ｃから差込んで前記軒天板１５のコ字状折
曲先端縁１５ａを釘１７により前記母屋１３の下面に止
着し、また前記軒天板１５のコ字状折曲後端縁１５ｂも
同様にして釘１７にて母屋１３の下面へ取付け、施工を
終了するものである。

（効果） 以上説明したように本考案によれば、長辺側上端縁に表
面側に突出状にタルキ隠し兼取付段部を形成するととも
に長辺側下端縁に裏面側に内方折曲状段部付の断面略Ｕ
字型折曲端を形成し、かつ前記断面略Ｕ字型折曲端の立
上り終端部を水平板部および垂直板部からなる段部なら
びに水平延長板部からなる母屋取付部を形成した断面略
Ｓ字状の軒天板先端縁取付部となした帯板状金属板と、
先端および後端をそれぞれ上方内向折曲型のコ字状折曲
端縁となすとともに前記各コ字状折曲端縁下部に工具挿
通孔を設けた軒天板とからなり、前記軒天板のコ字状折
曲先端縁を前記帯板状金属板の水平延長板部下面に、か
つ前記軒天板のコ字状折曲後端縁を母屋下面にそれぞれ
軒天板止着用釘により止着可能としたものであるから、
施工（破風板の取付け）に際しては大工が現場作業によ
り簡単に取付けることができるものであり、また軒天板
先端取付部と軒天板との間に寸法誤差があっても該部に
おける垂直板部との隙間部分で調整することにより軒天
板を簡単かつ確実に取付けることができ、その上軒天板
止着用釘の頭部が外部に現れないので外観、体裁がよく
意匠的効果も大であり、かつ長期の使用に供し得るもの
であるとともに、軒天板先端の取付構造が簡単で成形が
容易であり、しかも軒天板自体はコ字状折曲端縁により
強度的にも強い等、種々の優れた効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】 第１図乃至第２図は本考案の一実施例を示すものであっ
て、第１図（ａ）は裏側よりみた本考案品の一部切欠斜
視図、同図（ｂ）は軒天板の一部切欠斜視図、第２図は
施工状態の要部の一部拡大断面図である。１ …帯板状金属板、２…断面略Ｕ字型折曲端、３…内方
折曲状段部、４…軒天板先端縁取付部、４ａ…水平板
部、４ｂ…垂直板部、４ｃ…段部、４ｄ…水平延長板
部、４ｅ…母屋取付部、５…立上り終端部、６…芯材、
７…タルキ隠し兼取付用段部、７ａ…上端折曲部、７ｂ
…タルキ当接部、８…隠し釘、９…ハナヌキ、１０…タ
ルキ、１１，１２…釘、１３…母屋、１４…化粧ワッシ
ャー、１５…軒天板、１５ａ…上方内向折曲型のコ字状
折曲先端縁、１５ｂ…上方内向折曲型のコ字状折曲後端
縁、１５ｃ…工具挿通孔、１６…壁、１７…軒天板止着
用釘。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭53−32530（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭58−20739（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】長辺側上端縁に表面側に突出状にタルキ隠
   し兼取付段部を形成するとともに長辺側下端縁に裏面側
   に内方折曲状段部付の断面略Ｕ字型折曲端を形成し、か
   つ前記断面略Ｕ字型折曲端の立上り終端部を水平板部お
   よび垂直板部からなる段部ならびに水平延長板部からな
   る母屋取付部を形成した断面略Ｓ字状の軒天板先端縁取
   付部となした帯板状金属板と、先端および後端をそれぞ
   れ上方内向折曲型のコ字状折曲端縁となすとともに前記
   各コ字状折曲端縁下部に工具挿通孔を設けた軒天板とか
   らなり、前記軒天板のコ字状折曲先端縁を前記帯板状金
   属板の水平延長板部下面に、かつ前記軒天板のコ字状折
   曲後端縁を母屋下面にそれぞれ軒天板止着用釘により止
   着可能としたことを特徴とする建築用破風板軒天構造。