JPH0527619Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は建築、構築物等における破風板に関す
るものである。

【従来技術】

従来の建築、構築物等における破風板は、大体
が第４図示のように所要厚、所要巾の帯状木製板
材２０で形成されており、施工に際しては大工が
現場作業にて第５図示のように板材２０の裏面側
の母屋取付用凹欠部２１に母屋２２の先端部２３
を嵌合して隠し釘等にて取付けていたものであ
る。

【考案が解決しようとする問題点】

ところが、上記従来の破風板は単なる木製平板
であるため剛性に乏しく、強風、振動等により容
易に破損され易く、強度的に弱いという問題点が
あつたとともに材質的にも雨水により腐蝕され易
く、特に釘打部が早期に腐蝕して該部から脱落す
るという問題点があつた他、母屋の太さ寸法（高
さ寸法）に応じてその取付位置を容易に調整する
ことができず、また軒天板の取付部が外部に露出
して美観を損ねる等の問題点があつた。 本考案は上記問題点を解決し、剛性が大で、強
度的に強く、強風、振動等により容易に破損する
ことがなく、大工が現場作業にて簡単に取付ける
ことができるとともに１個の破風板で多種類の高
さ寸法の異なる母屋に用いることができ、しかも
軒天板の取付部が外部に現われず、美観を損ねる
ことのない破風板を提供することを目的とするも
のである。

【問題点を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するため、帯板状金属
板の長辺側下端縁を断面略Ｕ字状の折曲端となす
とともに前記折曲端の立上り板部に所要間隔をも
つて上下取付位置調整用長孔を並設してなる破風
板本体と、上端部側に母屋取付用水平板部を有
し、かつ下端部側を前記上下取付位置調整用長孔
に挿通した止着具により前記破風板本体の立上り
板部に止着可能とした垂直板部に形成してなる断
面略逆Ｌ字状の帯板状金属板製母屋取付部材と、
母屋下面に止着可能の軒天板取付用押し込み型嵌
合部材と、前記押し込み型嵌合部材に着脱自在の
嵌合取付部を裏面側に設けた軒天板とからなるこ
とを特徴とするものである。

【実施例】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示し、
１は帯板状金属板製破風板本体であつて、カラー
鉄板、カラーアルミ等所要の金属材（押出し型
材、エンボス加工も含む）で成形されたものであ
る。２は前記破風板本体１の長辺側下端縁に形成
された内方折曲状段部３付の断面略Ｕ字状折曲
端、なお前記内方折曲状段部３は省いてもよい。
４は前記破風板本体１の長辺側上端縁に形成され
たタルキ隠し兼取付用段部であつて、第２図示の
ようにタルキ当接部４ａを化粧ワツシヤー５付き
の釘６でタルキ７に止着するか、あるいは上端折
曲部４ｂを同図点線示のように隠し釘８等によつ
てハナヌキ７′に止着する等、適宜の手段による
ものであり、上記の手段に限定されるものでな
い。９は前記破風板本体１の断面略Ｕ字状折曲端
２の立上り板部１０に所要間隔をもつて所要数並
列状に設けられた上下取付位置調整用長孔であ
る。１１は断面略逆Ｌ字状に形成された帯板状金
属板製の母屋取付部材であつて、カラー鉄板、カ
ラーアルミ等所要の金属材（押出し型材、エンボ
ス加工も含む）で成形されたものである。１１ａ
は前記母屋取付部材１１の垂直板部であつて、上
端部側には第１〜２図示のように母屋取付用水平
板部１１ｂを有するとともに下端部側はボルト・
ナツトあるいはリベツトのような適宜の止着具１
２によつて前記立上り板部１０の上下取付位置調
整用長孔９に取付けられるようになつている。な
お前記母屋取付部材１１の水平板部１１ｂは、第
２図示のように釘１３によつて母屋１４の下面に
止着されるものである。１５は軒天板取付用押し
込み型嵌合部材であつて、前記母屋１４の下面に
止着可能の取付部１５ａと第１，２図示のような
押し込み型嵌合部１５ｂを有してなるものであ
る。１６は軒天板であつて、第１，２図示のよう
に裏面側に前記押し込み型嵌合部１５ｂに弾発的
に嵌合可能の嵌合部１６ａを設けてなるものであ
る。なお前記押し込み型嵌合部１５ｂおよび嵌合
部１６ａの形状は第１，２図示のものに限定され
ることなく、第３図示のような形状のものでもよ
く、要は弾性を利用して弾発的に着脱嵌合できる
ものであれば如何なる形状のものでもよいもので
ある。１７は壁、１８は釘等の止着具である。 次に作用について説明する。施工に際しては、
第２図示のように破風板本体１のタルキ隠し兼取
付用段部４のタルキ当接部４ａを化粧ワツシヤー
５付きの釘６でタルキ７に止着するか、あるいは
上端折曲部４ｂを隠し釘８等によつてハナヌキ
７′に止着して破風板本体１を母屋１４の前面に
取付け、さらに前記母屋１４の下面に母屋取付部
材１１の水平板部１１ｂを釘１３によつて止着す
るとともに軒天板取付用押し込み型嵌合部材１５
の取付部１５ａを前記母屋１４の下面に止着具１
８によつて止着し、さらに前記軒天板取付用押し
込み型嵌合部材１５の押し込み型嵌合部１５ｂに
軒天板１６の裏面側に設けた嵌合部１６ａを嵌合
して施工を終了するものである。なおこの場合、
前記破風板本体１と母屋取付部材１１は止着具１
２によつてその取付位置を上下方向に調整できる
ようになつているので、母屋１４の太さ寸法（高
さ寸法）の大小に応じ現場においてその取付位置
を容易に調整して破風板本体１と母屋取付部材１
１を一体に取付けることができるものである。 （効果） 以上説明したように本考案によれば、帯板状金
属板の長辺側下端縁を断面略Ｕ字状の折曲端とな
すとともに前記折曲端の立上り板部を所要間隔を
もつて上下取付位置調整用長孔を並設してなる破
風板本体と、上端部側に母屋取付用水平板部を有
し、かつ下端部側を前記上下取付位置調整用長孔
に挿通した止着具により前記破風板本体の立上り
板部に止着可能とした垂直板部に形成してなる断
面略逆Ｌ字状の帯板状金属板製母屋取付部材と、
母屋下面に止着可能の軒天板取付用押し込み型嵌
合部材と、前記押し込み型嵌合部材に着脱自在の
嵌合取付部を裏面側に設けた軒天板とからなるも
のであるから、施工に際しては大工が現場作業に
て母屋の太さ寸法（高さ寸法）に合せて破風板本
体と母屋取付部材の取付位置を上下方向に容易に
調整して簡単に施工を行うことができるものであ
るとともに、１個の破風板で多種類の高さ寸法の
異なる母屋に用いることができ、しかも調整後の
破風板本体の立上り板部と母屋取付部材の垂直板
部は止着具により一体に固定されて破風板全体が
断面略函状の構造体となるので全体構造的に剛性
が非常に大となり、従来の単なる平板状の破風板
には全く期待できない風圧、振動に対してかなり
強固な耐久力を有するものとなるとともに材質的
にも雨水による腐蝕が少く、釘打部からの脱落を
防止することができるものであり、また変質、劣
化も少く、その上軒天板の取付部が外部に露出し
ないので美観を損うこともなく、外観、体裁がよ
く意匠的効果も大であり、かつ長期の使用に供し
得る等、種々の優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すも
のであつて、第１図ａは裏側よりみた本考案品の
破風板本体と軒天板取付用押し込み型嵌合部材の
一部切欠分解斜視図、同図ｂは軒天板の一部切欠
斜視図、第２図は施工状態の要部の一部拡大断面
図、第３図は同他の実施例の一部拡大断面図、第
４図は従来の破風板の一部切欠斜視図、第５図は
同施工状態の要部の一部拡大斜視図である。 １……破風板本体、２……断面略Ｕ字状の折曲
端、３……内方折曲状段部、４……タルキ隠し兼
取付用段部、４ａ……タルキ当接部、４ｂ……上
端折曲部、５……化粧ワツシヤー、６，８，１３
……釘、７……タルキ、７′……ハナヌキ、９…
…上下取付位置調整用長孔、１０……立上り板
部、１１……断面略逆Ｌ字状母屋取付部材、１１
ａ……垂直板部、１１ｂ……水平板部、１２……
止着具、１４……母屋、１５……軒天板取付用押
し込み型嵌合部材、１５ａ……取付部、１５ｂ…
…押し込み型嵌合部、１６……軒天板、１６ａ…
…嵌合部、１７……壁、１８……止着具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帯板状金属板の長辺側下端縁を断面略Ｕ字状の
   折曲端となすとともに前記折曲端の立上り板部に
   所要間隔をもつて上下取付位置調整用長孔を並設
   してなる破風板本体と、上端部側に母屋取付用水
   平板部を有し、かつ下端部側を前記上下取付位置
   調整用長孔に挿通した止着具により前記破風板本
   体の立上り板部に止着可能とした垂直板部に形成
   してなる断面略逆Ｌ字状の帯板状金属板製母屋取
   付部材と、母屋下面に止着可能の軒天板取付用押
   し込み型嵌合部材と、前記押し込み型嵌合部材に
   着脱自在の嵌合取付部を裏面側に設けた軒天板と
   からなることを特徴とする建築用破風板。