JPH06220318A - 表面平滑性強化樹脂組成物 - Google Patents

表面平滑性強化樹脂組成物

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JPH06220318A
JPH06220318A JP982993A JP982993A JPH06220318A JP H06220318 A JPH06220318 A JP H06220318A JP 982993 A JP982993 A JP 982993A JP 982993 A JP982993 A JP 982993A JP H06220318 A JPH06220318 A JP H06220318A
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resin
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polymer
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JP982993A
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Noriaki Honda
典昭 本田
Goro Shimaoka
悟郎 島岡
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面平滑性、耐落錘衝撃性及び低線膨張係数
の三特性を高いレベルでバランスさせた樹脂組成物を提
供する。 【構成】 ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹
脂、熱可塑性弾性重合体、相溶化剤、針状酸化チタン及
び繊維状無機充填剤からなる樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化され、表面平
滑性に優れたポリフェニレンエーテル樹脂/ポリアミド
樹脂組成物をベースとする熱可塑性樹脂組成物に係り、
種々の機械的性質、耐薬品性、耐熱性、寸法安定性、特
に表面平滑性と落錘衝撃特性に優れ、塗装後の鮮映性が
要求される自動車外装部材に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル樹脂(以下、適
宜PPEと略称する)は、機械的性質、電気的性質、耐
熱・耐寒性、寸法安定性等の諸特性に優れているが、溶
融加工温度が高く、かつ流動性が低いために成形加工性
に劣る欠点がある。又、酸、アルカリ等の無機系薬品に
対しては強い抵抗力を有するが、ある種の有機溶剤に対
しては溶解、膨潤等が起こり、耐溶剤性、耐油性の改善
が強く求められている。一方、ポリアミド樹脂(以下、
適宜PAと略称する)は、優れた機械的強度、耐溶剤
性、加工性等に特性をもつ熱可塑性樹脂であるが、耐熱
性、耐衝撃性、寸法安定性が著しく悪い。PPEとPA
の特徴を生かすために、PPEに酸無水物構造を有する
1,2-置換オレフィン化合物を反応させた変性ポリフェ
ニレンエーテル樹脂(以下、変性PPEと略称する)に
PAを配合すると、靱性のある樹脂組成物が得られるこ
とが知られている(特開昭62−132924号公
報)。又、PPEを特定のエラストマーの共存下、酸無
水物構造を有する1,2-置換オレフィン化合物と溶融状
態で反応させた変性PPEとPAを混合することによ
り、耐衝撃性が著しく改良されることも提案されている
(特開平1−275656号公報)。
【0003】また、樹脂又は樹脂組成物の耐熱性の向
上、ひけの防止、線膨張係数の低下、強度・剛性の向上
を目的としてガラス繊維、カーボン繊維、その他の各種
一般無機充填材あるいは強化材の添加が有効であること
が知られている。一方、自動車外装部品の中で、特に外
板、モール、バンパー等に樹脂又は樹脂組成物を用いる
場合には、他の部材、特に、金属材料との取り付け上の
問題から、線膨張係数を低くすることが要求される。す
なわち、通常のポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミ
ド樹脂組成物の線膨張係数は、8〜9×10-5cm/c
m/℃程度であるが、外板、モール等に使用する場合に
は、これを5×10ー5cm/cm/℃以下とすることが
望ましい。熱可塑性樹脂の線膨張係数を低下させるに
は、上記無機充填材特に繊維状充填材等を配合し、線膨
張を低下させる方向に繊維状充填材を配向させることが
有効であることは知られており、中でも、ガラス繊維
は、低価格であるので、補強材として広く使用されてい
る。しかしながら、通常のガラス繊維(繊維径6〜13
μ、繊維長50μm〜3mm)を配合すると、低い線膨
張係数は得られるものの、表面外観及び耐衝撃性が著し
く低下する。表面外観の低下は、表面にガラス繊維によ
る凹凸が生じるためで、結果として塗装した場合に鮮映
性が低下するという、外板材料として致命的な欠陥を生
じることになる。この表面外観、特に表面平滑性を向上
させるために、極細のガラス繊維で強化することが提案
されている(特開平4−146959号公報)。しか
し、この方法によって、表面平滑性を向上させることは
可能であっても、耐衝撃性、特に落錘衝撃強度の低下を
抑えることは出来ない。この落錘衝撃強度の低下は、耐
衝撃性を重視されるこれらの用途においては重要な問題
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自動
車外板を中心とした分野で重要な特性である表面平滑
性、耐落錘衝撃性、及び低線膨張係数の三特性を高いレ
ベルでバランスさせた樹脂組成物を提供することであ
る。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題を解決するべく鋭意検討した結果、ある種の充填材を
均一に分散させることが重要で、これによって本発明の
目的に合致した樹脂組成物が得られることを見いだし、
本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、一般式
【化2】 (式中、R1は炭素数1〜3の低級アルキル基、R2、R
3は水素原子又は炭素数1〜3の低級アルキル基であ
る)で表される構造単位を主鎖に持つポリフェニレンエ
ーテル樹脂(a)5〜95重量部、ポリアミド樹脂
(b)95〜5重量部、および、(a)と(b)の合計
100重量部に対して、熱可塑性弾性重合体(c)0〜
50重量部、相溶化剤(d)0〜5重量部、平均繊維径
0.6μm以下の針状酸化チタン(e)5〜150重量
部、および平均繊維径2μm以下の繊維状無機充填材
(f)0〜150重量部からなることを特徴とする樹脂
組成物である。
【0007】本発明で用いられるポリフェニレンエーテ
ル樹脂(a)は、前記一般式で表される構造単位を主鎖
に持つ重合体であって、単独重合体であっても共重合体
であってもよい。具体的には、例えば、ポリ(2,6-ジ
メチル−1,4-フェニレン)エーテル、ポリ(2,6-ジ
エチル−1,4-フェニレン)エーテル、ポリ(2,6-ジ
プロピル−1,4-フェニレン)エーテル、ポリ(2-メ
チル−6-プロピル−1,4-フェニレン)エーテル等が
挙げられるが、これらに限定されるものではなく、フェ
ノール系化合物の酸化カップリングによって得られる単
独又は、共重合体およびグラフト共重合体のいずれも使
用することができる。中でも、特にポリ(2,6-ジメチ
ル−1,4-フェニレン)エーテル単独又は、2,6-ジメ
チルフェノール及び2,3,6−トリメチルフェノールの
共重合体が好ましい。
【0008】本発明で用いられるポリアミド樹脂(b)
は、主鎖に−CONH−結合を有る重合体で、一般にナ
イロンと総称される一群のポリアミド樹脂中から選ばれ
た1種又は、2種以上の組み合わせである。例えば、4
−ナイロン、6−ナイロン、6,6-ナイロン、4,6-ナ
イロン、6,10-ナイロン、6,12-ナイロン、11−
ナイロン、6,10-ナイロン、MXD6-ナイロンなど
が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではな
く、たとえば、非晶質(性)ナイロンなども使用するこ
とができる。中でも、様々な供給源から商業的に入手可
能でコスト的に有利な6−ナイロン、6,6-ナイロンが
好適に用いられる。
【0009】本発明では、必要に応じ耐衝撃性等を改良
する目的で熱可塑性弾性重合体(c)を配合することが
出来る。このような熱可塑性弾性重合体は、常温でゴム
弾性を示す樹脂であり、ポリフェニレンエーテル樹脂、
ポリアミド樹脂などの耐衝撃性改良剤などとして公知の
ものが使用可能である。例えば、A−B−A型又はA
−B型ブロック共重合体およびその水素添加物(Aはビ
ニル芳香族炭化水素の重合ブロックを、Bは共役ジエン
系炭化水素化合物の重合体ブロックを意味する)、オ
レフィン系重合体、ポリエステル系エラストマー、
ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラスト
マー、スチレン−ジエンブロック共重合体、メタク
リル酸エステル−ブタジエン−スチレン系コア・シェル
グラフト共重合体、メタクリル酸エステル−アクリロ
ニトリル−スチレン系コア・シェルグラフト共重合体、
アクリル酸エステル系コア・シェルグラフト共重合体
からなる群から選ばれた1種、又は2種以上の熱可塑性
重合体の使用が可能である。しかし、これらに限定され
るものではなく、例えば、カルボン酸基、エポキシ基又
は、その誘導体などの官能基を導入した熱可塑性弾性重
合体も使用できる。中でも、水素添加A−B−A型又
は、水素添加A−B型ブロック共重合体の使用が好まし
く、例えば、シェル・ケミカル社の「クレイトン−G」
という商品名で市販されている熱可塑性弾性重合体が好
ましい。
【0010】本発明では、必要に応じ靱性等を改良する
目的で相溶化剤(d)を配合することが出来る。本発明
で使用される相溶化剤は、同一分子内に不飽和基と極性
基を有する構造をもつ化合物である。ここで、不飽和基
とは炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合であ
り、極性基とはポリアミド樹脂の構造中に含まれるアミ
ド結合、分子鎖末端に存在するカルボキシル基またはア
ミノ基と親和性や化合反応性を示す基であって、具体的
には、カルボン酸基又はその誘導体基例えばカルボン酸
塩、酸エステル、酸アミド、酸無水物、イミド、酸アジ
ド、酸ハロゲン化物や、オキサゾリン、ニトリル、エポ
キシ基、アミノ基、水酸基又は、イソシアン酸エステル
基等があげられる。例えば、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、
無水マレイン酸とジアミンの反応物、無水メチルナジッ
ク酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イ
タコン酸、無水イタコン酸や天然油脂類及びそのエポキ
シ化物、不飽和カルボン酸及びその誘導体、不飽和アル
コール、不飽和アミンなどである。なかでも、マレイン
酸又はその誘導体が望ましく、特に無水マレイン酸が好
適に用いられる。
【0011】本発明において用いられる針状酸化チタン
(e)は、顔料用等として使用されている粒状の酸化チ
タンとは異なり、針状、棒状又は、その類似の形状を持
つ酸化チタンである。すなわち、短軸長さ(繊維径)が
0.01〜0.6μm、長軸長さ(繊維長)が1〜20μ
m、軸比(長軸長さ/短軸長さ)が3以上、好ましくは
10以上の形状を有する針状体によってその70重量%
以上が占められる酸化チタンである。形状が前記の範囲
を外れる酸化チタンを使用した場合は、補強効果や線膨
張係数の低下効果が乏しい。本発明において用いられる
針状酸化チタンは、例えば、石原産業(株)製の針状酸
化チタン「FTL」などとして入手出来る。
【0012】繊維状無機充填材(f)は、一般に「ウィ
スカー」と呼ばれる結晶性の人造鉱物繊維群及び/また
は非晶性のガラス繊維であり、これらの中から選ばれる
一種又は二種以上の組み合わせとして使用することが出
来る。中でも、平均繊維径が2μm以下の繊維状無機充
填材が好ましく、平均繊維径が1μm以下の繊維状無機
充填材が特に好ましい。「ウィスカー」と呼ばれる人造
鉱物繊維群は、具体的には、チタン酸カリウム、ホウ酸
アルミニウムなどが例示され、通常、平均繊維径が0.
1 〜2μm、平均繊維長1〜100μmのものが使用
される。例えば、大塚化学(株)のチタン酸カリウムウ
ィスカー「ティスモ」、チタン工業(株)の「タイブレ
ックス」、四国化成工業(株)のホウ酸アルミニウムウ
ィスカー「アルボレックス」などとして入手できる。し
かし、ここに例示された結晶性の人造鉱物繊維に制限さ
れることはなく、繊維形状が同様の範囲内にあればよ
い。
【0013】又、非晶性のガラス繊維としては、特に平
均繊維径が2μm以下の極細のガラス繊維である。この
ガラス繊維は、長繊維紡糸法では製造することが困難な
ものであり、通常、短繊維火炎法、すなわち、ガラス溶
融炉により溶融したガラスを多孔プレートから所望の均
一径のフィラメントとして引出し、高温・高速バーナー
火炎中に誘導し、繊維化することにより綿状の極細ガラ
ス繊維を得る方法により製造される。その平均繊維径
は、2μm以下と一般のガラス繊維に比べて極めて細
く、かつ、比表面積が大きく、他に類のないものであ
る。このガラス繊維用のガラスとしては、E−ガラスな
どの無アルカリガラスが好ましい。これは、C−ガラス
などを使用した場合、ガラス繊維による加水分解の促進
により樹脂の劣化分解が促進され、物性低下が生じるた
めである。本発明のガラス繊維の具体例としては、日本
無機(株)製のエクセルチップ08200(平均繊維径
0.8μm)が例示される。本発明で使用されるガラス
繊維は、組成物の製造に際して、抄造シートとした後、
裁断して用いるのが好ましい。
【0014】抄造シートの製造は、ガラス繊維を通常の
長網法や円網法により抄造すればよい。また、酸性抄造
よりは、中性抄造の方が好ましい。抄造の際には、ガラ
ス繊維が折れて繊維の長さが極端に細くならないように
注意する必要がある。抄造シートの単位面積当たりの重
量は、押出機へ投入される前に解繊され流動性が阻害さ
れることなく所定量を均一に混合されるようにする点か
ら、50〜500g/m2 程度が好ましく、厚さは0.
5〜3.0mm程度が好ましい。本発明では、製造され
た抄造シートを一辺1〜30mmの略角型などに裁断し
て用いるのが好ましい。裁断されたシートの大きさが一
辺1mm未満では、シートを構成するガラス繊維が均一
分散される前に個々のフィラメントに離散してしまい、
かえって、均一混合が不可能となる。逆に一辺が30m
mより大きいと、樹脂と混合した際大きすぎて均一に分
散されなかったり、押出機へ供給する際に分級したりす
る不都合が生じる。一辺1〜30mmの抄造ガラス繊維
シートは、通常、抄造シートを例えば、角切りペレタイ
ザーなどを使用して裁断する方法で調製する。この裁断
の際、縦横の寸法比率は、流動性、作業性の点から、通
常、1:3〜1:1の範囲、好ましくは略1:1とす
る。
【0015】針状酸化チタン(e)及び繊維状無機充填
材(f)は、樹脂との密着性を改良するために表面処理
を施すことが好ましい。このような表面処理剤として
は、シラン系、チタネート系、または、ジルコアルミネ
ート系カップリング剤があげられる。特にシラン系カッ
プリング剤が好ましく、具体的には、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−
トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-ア
ミノプロピルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキ
シシランなどが挙げられる。中でも、特に、アミノシラ
ン系カップリング剤が好ましい。表面処理方法として
は、上記の如きシランカップリング剤の0.01〜1重
量%の水溶液或は水分散液中に浸漬した後、温度140
〜160℃で1〜2時間の熱処理をする方法が例示され
る。
【0016】本発明において、ポリフェニレンエーテル
樹脂(a)とポリアミド樹脂(b)の配合比は重量で、
ポリアミド樹脂(b)が、ポリフェニレンエーテル樹脂
(a)とポリアミド樹脂(b)との合計量に対して、5
〜95重量%、好ましくは、ポリアミド樹脂が連続相を
成す35〜90重量%の配合比の範囲から適宜選択され
る。さらに、ポリフェニレンエーテル樹脂(a)とポリ
アミド樹脂(b)との合計100重量部に対して、熱可
塑性弾性重合体(c)を0〜50重量部、好ましくは5
〜30重量部、相溶化剤(d)を0〜5重量部、好まし
くは 0.1〜3重量部、針状酸化チタン(e)を5〜1
50重量部、好ましくは10〜100重量部、平均繊維
径が2μm以下の繊維状無機充填材(f)を0〜150
重量部、好ましくは0〜100重量部を配合する。ポリ
アミド樹脂(b)が、ポリフェニレンエーテル樹脂
(a)とポリアミド樹脂(b)との合計量に対して、9
5重量%を越えると、耐熱性が劣り、寸法安定性なども
不良になり、逆に5重量%未満では成形加工性と耐溶剤
性の改良が不十分となる。
【0017】ポリフェニレンエーテル樹脂(a)とポリ
アミド樹脂(b)との合計100重量部に対して、配合
する針状酸化チタン(e)が5重量部未満では、強度、
剛性及び線膨張係数の低下効果が不十分であり、逆に1
50重量部を越えると、流動性、耐衝撃性が低下し、表
面外観も悪化する。平均繊維径2μm以下の繊維状無機
充填材(f)を針状酸化チタン(e)と併用することも
でき、その場合、優れた表面平滑性、耐衝撃性を損なわ
ない。しかし、繊維状無機充填材の配合量が150重量
部を越えると、流動性、耐衝撃が低下し、表面外観も悪
化する。熱可塑性弾性重合体(c)を配合すると耐衝撃
性は更に改良されるが、配合量がポリフェニレンエーテ
ル樹脂(a)とポリアミド樹脂(b)との合計100重
量部に対して50重量部を越えると強度、剛性および耐
熱性が低下してくるので好ましくない。相溶化剤(d)
を配合すると、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミ
ド樹脂との相溶性が改良され、靱性のある組成物が得ら
れるが、配合量がポリフェニレンエーテル樹脂(a)と
ポリアミド樹脂(b)との合計100重量部に対して5
重量部より多いと、ポリフェニレンエーテル樹脂粒子の
分散径が大きくなる等の不都合があり、耐熱性の低下や
外観不良等、好ましからざる現象が生じる。相溶化剤を
配合する場合の好適な配合量は、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂(a)とポリアミド樹脂(b)との合計100重
量部に対して0.1〜5重量部である。
【0018】 本発明の針状酸化チタンで複合強化した
組成物は、外観・線膨張係数の低下・落錘衝撃強度のい
ずれも良好な結果を示すのに対し、通常の繊維状無機充
填材たとえばガラス繊維で複合強化した組成物は線膨張
係数の低下効果は見られるが、外観及び落錘衝撃強度が
著しく低下する。この落錘衝撃強度の低下現象は、繊維
長の短い繊維状無機充填材を用いても殆ど改善されな
い。また、針状酸化チタンと平均繊維径2μm以下の繊
維状無機充填材とを併用する場合は、落錘衝撃強度の低
下は殆ど起こらないが、繊維状無機充填材の平均繊維径
が2μmを越える場合は落錘衝撃強度が著しく低下す
る。
【0019】 本発明の樹脂組成物には、所望に応じ
て、従来、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹
脂との組成物に公知の種々の添加剤類が配合可能であ
り、これらとしては、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、離型剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、その他の難燃
剤等があげられる。又、平均繊維径2μm以下の粒状、
板状、又は、鱗片状の有機、無機充填材も組成物の性能
を損なわない範囲で配合できる。更に、必要に応じて、
熱可塑性樹脂、例えば、ポリスチレン、ABS、ポリエ
ステル、ポリカーボネートや、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィンなどを適宜添加することがで
きる。
【0020】本発明の樹脂組成物を製造する方法に特に
制限はなく、公知の方法を用いることができる。たとえ
ば、溶液状態で混合する方法、溶融状態で混練する方法
が採用される。溶融状態で混練する溶融混練法は、工業
的に有利な方法であり、一軸又は、二軸の押出機、各種
のニーダー等の混練装置を用いることが好ましい。特
に、高効率で混練の出来る二軸押出機が好ましい。本発
明の製造において、構成成分の添加、混練順序について
は特に制限は無い。たとえば、すべての構成成分を一括
して混練する方法、ポリフェニレンエーテル樹脂(a)
及び相溶化剤(d)をラジカル発生剤の存在下または不
存在下であらかじめ溶融混練した後他の構成成分を追加
添加して溶融混練する方法、ポリフェニレンエーテル樹
脂(a)、熱可塑性弾性重合体(c)及び相溶化剤
(d)をラジカル発生剤の存在下または不存在下であら
かじめ溶融混練した後他の構成成分を追加添加して溶融
混練する方法、ポリフェニレンエーテル樹脂(a)、熱
可塑性弾性重合体(c)、相溶化剤(d)及び針状酸化
チタン(e)(繊維状無機充填材(f)を含んでもよ
い)をラジカル発生剤の存在下または不存在下であらか
じめ溶融混練した後他の構成成分を追加添加して溶融混
練する方法、ポリフェニレンエーテル樹脂(a)、熱可
塑性弾性重合体(c)及び相溶化剤(d)をラジカル発
生剤の存在下または不存在下であらかじめ溶融混練した
後ポリアミド樹脂(b)を追加添加して溶融混練し次い
で他の構成成分を追加添加して溶融混練する方法などの
いずれでもよい。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂組物の成形方法は特
に限定されないが、好ましくは、針状酸化チタン及び/
または繊維状無機充填材の配向を利用して成形すること
によって、線膨張係数をより効率良く低下させることが
できるので、これらの充填材の配合量を低減でき、その
結果、鮮映性を上げることができる。充填材の配向を利
用して成形する方法として、例えばフィルムゲートを利
用して成形する方法があげられる。これにより、成形品
の線膨張係数がより小さくなり、かつ塗装後の鮮映性を
改良され、自動車の外板、モール等に特に好適に用いら
れる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて説明する。実施例、比
較例における部数は特にことわらない限り重量基準であ
る。 実施例1 25℃、クロロホルム中で測定した固有粘度が、0.4
5dL/gであるポリ(2,6-ジメチル−1,4-フェニ
レン)エーテル粉末5kgに対して無水マレイン酸25
gを高速ヘンシェルミキサーにて3分間混合した後、二
軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM−30)を用いて
290℃にて溶融混練し、押出しを行なって変性PPE
のペレットを得た。得られた変性PPEとPA−6
((株)東レ製、CM1017)、アミノシラン処理し
た短軸の平均径0.05〜0.15μm、長軸の平均長さ
4〜12μmの針状酸化チタン(石原産業(株)製FT
L−200S、以下IF−A)を用い、二軸押出機を用
いて280℃にて再度溶融混練し、得られたストランド
を水冷してペレット化した。得られたペレットを120
℃の熱風乾燥機で6時間乾燥し、射出成形機にてシリン
ダ−温度280℃、金型温度80℃の条件で試験片を作
成し、物性試験を行なった。結果を第1表に示した。
尚、第1表中の物性値は下記によった。 FM:曲げ弾性率 ASTM D790 に準じた。 試験片厚み 1/8” 単位:GPa CLE:線膨張係数 ASTM D696 に準じた。 測定範囲23〜80℃ 単位:×10-5 cm/cm/℃ IC:写像性 スガ試験機製写像性測定器ICM
−2Dを用いて測定した。単位は%で数値が高い程、表
面平滑性に優れていることを示す。 DI:落錘衝撃強度 ASTM D3029−84 に準
じた。23℃雰囲気下、CEAST社製衝撃試験機フラ
クトビスを用いて、厚さ1/8”のテストプレート上に
先端R10mm、荷重10kgの半球形ストライカー
(落錘)を1mの高さから落下させ、得られた衝撃パタ
ーンから破壊までに吸収した衝撃エネルギーを求めた。 単位:J(=10.2kg・cm)
【0023】実施例2 PA−6、IF−Aの他に、熱可塑性弾性重合体とし
て、水素添加A−B−A型ブロック共重合弾性体(シェ
ル化学(株)製クレイトンG1651、以下SEBSと
いう)を加えて実施例1を繰り返した。結果を第1表に
示した。
【0024】比較例1 針状酸化チタン(IF−A)に代えて、アミノシラン処
理した平均繊維径 4μmのウォラスナイト繊維(林化
成(株)製、CHC−74N、以下IF−Cという)を
使用して実施例2を繰り返した。結果を第1表に示し
た。
【0025】比較例2〜3 針状酸化チタン(IF−A)に代えて、アミノシラン処
理した繊維径10μm、繊維長3mmのEガラス繊維
(旭ファイバーグラス製JAFT−2A、以下GF−B
という)、または、繊維径10μm、平均繊維長30〜
100μmの短繊維ガラス繊維であるミルドファイバー
(旭ファイバーグラス製MF20JH1−20、以下G
F−Cという)を使用して実施例2を繰り返した。結果
を第1表に示した。
【0026】実施例3 針状酸化チタン(IF−A)を、IF−Aとアミノシラ
ン処理した平均繊維径0.4〜1.0μm、平均繊維長1
0〜100μmのチタン酸カリウムウィスカー(チタン
工業製HT−300、以下IF−Bという)との組み合
わせに代えて実施例2を繰り返した。結果を第2表に示
した。
【0027】実施例4 チタン酸カリウムウィスカー(IF−B)を、アミノシ
ラン処理した平均繊維径 0.8μm、平均繊維長5〜5
0mmのEガラス繊維(日本無機(株)製、エクセルチ
ップ08200AS)を抄造した重さ240g/m2
厚さ2mmのシートを角切りペレタイザーで裁断して形
成した4×4mm角のチップ(以下GF−Aという)に
代えて実施例3を繰り返した。結果を第2表に示した。
【0028】比較例4〜5 チタン酸カリウムウィスカー(IF−B)を、GF−B
またはGF−Cに代えて実施例3を繰り返した。結果を
第2表に示した。
【0029】
【表1】 第1表 実施例/比較例 実施 実施 比較 比較 比較 例1 例2 例1 例2 例3 変性PPE 35 30 30 30 30 構 PA−6 40 40 40 40 40 成 IF−A 25 25 0 0 0 成 IF−C 0 0 25 0 0 分 GF−A 0 0 0 0 0 GF−B 0 0 0 25 0 GF−C 0 0 0 0 25 SEBS 0 5 5 5 5 FM 5.4 5.0 3.9 6.1 4.4 結 CLE 3.8 4.1 5.3 3.1 3.5 果 IC 93 91 27 24 30 DI 44 48 8 9 12
【0030】
【表2】 第2表 実施例/比較例 実施 実施 比較 比較 例3 例4 例4 例5 変性PPE 30 30 30 30 PA−6 40 40 40 40 構 IF−A 15 15 15 15 成 IF−B 10 0 0 0 成 GF−A 0 10 0 0 分 GF−B 0 0 10 0 GF−C 0 0 0 10 SEBS 5 5 5 5 FM 4.9 5.0 5.5 4.7 結 CLE 4.2 3.9 3.6 3.8 果 IC 90 85 36 40 DI 41 39 10 15
【0031】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、機械的強度、耐
有機溶剤性に優れ、線膨張係数が小さく、かつ耐落錘衝
撃性、表面平滑性に優れている。本発明の樹脂組成物か
ら得られる成形品は、塗装後の鮮映性とともに衝撃に対
する安全性が特に重要視されるフェンダーパネル、ドア
パネル、サイドモール、ガーニッシュ等の自動車外板を
はじめ、ドアハンドル、ホイルカバー、スポイラー等の
自動車外装部品に好適に用いられる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜3の低級アルキル基、R2、R
    3は水素原子又は炭素数1〜3の低級アルキル基であ
    る)で表される構造単位を主鎖に持つポリフェニレンエ
    ーテル樹脂(a)5〜95重量部、ポリアミド樹脂
    (b)95〜5重量部、および、(a)と(b)の合計
    100重量部に対して、熱可塑性弾性重合体(c)0〜
    50重量部、相溶化剤(d)0〜5重量部、平均繊維径
    0.6μm以下の針状酸化チタン(e)5〜150重量
    部、および平均繊維径2μm以下の繊維状無機充填材
    (f)0〜150重量部からなることを特徴とする樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアミド樹脂(b)が、ポリフェニレ
    ンエーテル樹脂(a)とポリアミド樹脂(b)との合計
    量に対して、35〜90重量%を占めることを特徴とす
    る請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアミド樹脂成分が樹脂組成物中にお
    いて連続相を成すことを特徴とする請求項1記載の樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性弾性重合体(c)がA−B−
    A型又はA−B型ブロック共重合体およびその水素添加
    物(Aはビニル芳香族炭化水素の重合ブロックを、Bは
    共役ジエン系炭化水素化合物の重合体ブロックを意味す
    る)、オレフィン系重合体、ポリエステル系エラス
    トマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド
    系エラストマー、スチレン−ジエンブロック共重合
    体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン系
    コア・シェルグラフト共重合体、メタクリル酸エステ
    ル−アクリロニトリル−スチレン系コア・シェルグラフ
    ト共重合体、アクリル酸エステル系コア・シェルグラ
    フト共重合体からなる群から選ばれた一種又は二種以上
    の組み合わせである請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 繊維状無機充填材(f)が、チタン酸カ
    リウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー及び
    ガラス繊維からなる群から選ばれる一種又は二種以上の
    組み合わせである請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 針状酸化チタン(e)及び/または繊維
    状無機充填材(f)が、シランカップリング剤で表面処
    理してなるものである請求項1記載の組成物。
  7. 【請求項7】 ガラス繊維が、一辺が1〜30mmの大
    きさのシート状物である請求項5記載の組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007326925A (ja) * 2006-06-07 2007-12-20 Toray Ind Inc 樹脂組成物およびそれからなる成形品
CN115895248A (zh) * 2022-11-29 2023-04-04 惠州市沃特新材料有限公司 尼龙聚苯醚复合材料及其制备方法和应用

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