JP2685954B2 - 耐衝撃性ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物及びその製造法 - Google Patents

耐衝撃性ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物及びその製造法

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JP2685954B2 JP2044140A JP4414090A JP2685954B2 JP 2685954 B2 JP2685954 B2 JP 2685954B2 JP 2044140 A JP2044140 A JP 2044140A JP 4414090 A JP4414090 A JP 4414090A JP 2685954 B2 JP2685954 B2 JP 2685954B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は改良されたポリアリーレンサルファイド樹脂
組成物及びその製造法に関する。
更に詳しくは、本発明は耐衝撃性と延性が改良され、
且つ成形品表面の外観が良好なポリアリーレンサルファ
イド樹脂組成物及びその製造法に関する。
〔従来の技術とその課題〕
近年、電気・電子機器部品材料、自動車機器部品材
料、化学機器部品材料には、高い耐熱性でかつ耐化学薬
品性を有し、なおかつ難燃性の熱可塑性樹脂が要求され
てきている。
ポリフェニレンサルファイドに代表されるポリアリー
レンサルファイド樹脂もこの要求に応える樹脂の一つで
あり、対コスト物性比が良いこともあって需要を伸ばし
ている。
しかし、該樹脂は延性に乏しく、脆弱であるといった
重大な欠点を有している。そこで、該樹脂にガラス繊維
や炭素繊維等の繊維状強化材を配合することにより、強
度、剛性、靱性、耐熱性等のエンジニアリングプラスチ
ックスとして要求される性能が大幅に改善されることが
知られている。
しかしながら、該繊維状強化材の配合によってもな
お、ないろん、ポリアセタールなど他のエンジニアリン
グプラスチックスに比べて脆弱であり、優れた性質を有
するにもかかわらずその靱性が不足するため多くの用途
への適用が制限されている。
この問題点を解決するための技術として、従来次の様
なことが提案されている。
(1) 不飽和カルボン酸又はその無水物を10重量%以
下グラフト共重合したα−オレフィン共重合体とエポキ
シ樹脂を配合する(特開昭59-207921号公報)。
(2) α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジ
ルエステルからなるオレフィン系共重合体を配合する
(特開昭59-189166号公報)。
(3) ポリアミド樹脂とエポキシ樹脂を配合する(特
開昭59-155462号公報)。
しかしながら、これらの方法はそれぞれ問題があり、
十分な解決策となっていない。
即ち、本発明者等の追試では、(1),(2)の方法
はエステル結合を有するオレフィン共重合体をポリアリ
ーレンサルファイド樹脂と組み合わせて靱性に向上を図
っているが、ポリアリーレンサルファイド樹脂の成形加
工温度が300〜320℃と高いため、成形加工時にオレフィ
ン系共重合体の分解を生じて、成形品の靱性が不十分と
なる。
(3)の方法については、本発明者等の追試では、分
散状態の不良により成形品表面へのブリードを生じた
り、剥離を生じ、表面状態が悪く、又組成物の溶融流動
安定性が著しく悪いことが認められ、実用上なお十分で
はない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、ポリアリーレンサルファイド樹脂組成
物の靱性を改良し、かつその成形品表面の外観も良好に
するため鋭意検討し、ポリアリーレンサルファイドと靱
性の高いポリアミド系樹脂の反応性末端に着目し、主鎖
が切断されない条件下で両樹脂と反応する反応性物質に
ついて検討した。
その結果、分子内にアルコキシ基を持つシラン化合物
をポリアリーレンサルファイド樹脂とポリアミドエラス
トマー樹脂との共存下で(場合によってはポリアミド樹
脂も加えて)特定の温度で、特定時間混練処理すること
によって、著しく靱性が高く、且つ成形品表面の外観も
良好になり、実用性のある成形材料を提供し得ることを
見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、 (A) ポリアリーレンサルファイド樹脂99〜20重量部 (B) ポリアミドエラストマー樹脂1〜80重量部、 (C) ポリアミド樹脂0〜79重量部とからなる樹脂成
分の合計100重量部に対し、 (D) アルコキシシラン0.01〜5重量部 及び (E) 繊維状充填剤、粉粒状充填剤、板状充填剤から
選ばれるいずれか1種又はそれらの混合物0〜400重量
部 を添加配合してなることを特徴とするポリアリーレンサ
ルファイド樹脂組成物、並びに(A),(B),(D)
成分及び所望により(C),(E)成分を添加配合し、
少なくとも30秒以上加熱溶融混練することを特徴とする
前記ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法で
ある。
本発明の組成物における(A)成分としてのポリアリ
ーレンサルファイド樹脂は、主として繰り返し単位Ar
−S(但しArはアリーレン基)で構成されたものであ
る。
アリーレン基(−Ar−)としては、例えば、p−フェ
ニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、置換
フェニレン基(但し置換基はアルキル基、好ましくはC
1〜C5のアルキル基、又はフェニル基)、p,p′−ジフ
ェニレンスルフォン基、p,p′−ビフェニレン基、p,p′
−ジフェニレンエーテル基、p,p′−ジフェニレンカル
ボニル基、ナフタレン基などが使用できる。
この場合、前記のアリーレン基から構成されるアリー
レンサルファイド基の中で、同一の繰り返し単位を用い
たポリマー、即ちホモポリマーを用いることができ、又
組成物の加工性という点から、異種繰り返し単位を含ん
だコポリマーが好ましい場合もある。
ホモポリマーとしては、アリーレン基としてp−フェ
ニレン基を用いた、p−フェニレンサルファイド基を繰
り返し単位とする実質上線状のものが特に好ましく用い
られる。
又、コポリマーとしては、前記のアリーレン基からな
るアリーレンサルファイド基の中で、相異なる2種以上
の組み合わせが使用できるが、中でもp−フェニレンサ
ルファイド基を主とし、m−フェニレンサルファイド基
を含む組み合わせが特に好ましく用いられる。この中で
p−フェニレンサルファイド基が60モル%以上、より好
ましくは70モル%以上含む実質上線状のものが、耐熱
性、成形性、機械的特性等の物性上の点から適当であ
る。
又、m−フェニレンサルファイド基は5〜40モル%、
特に10〜25モル%含むものが共重合体としては好まし
い。
この場合、成分の繰り返し単位がランダム状のものよ
り、ブロック状に含まれているもの(例えば特開昭61-1
4228号公報に記載のもの)が、加工性が良く且つ、耐熱
性、機械的物性も優れており、好ましく使用できる。
本発明に使用する(A)成分としてのポリアリーレン
サルファイド樹脂は、前記のポリマーを酸化架橋又は熱
架橋により溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良した
ポリマーも使用できる、2官能性モノマーを主体とする
モノマーから縮重合によって得られる実質的に線状構造
のポリマーを使用することもできる。得られた成形物の
物性は後者の実質的に線状構造ポリマーのほうが高く好
ましい場合が多い。
又、本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂として
は、前記のポリマーの他に、モノマーの一部分として3
個以上の官能基を有するモノマーを混合使用して重合し
た、溶融時ゲル状を呈する架橋ポリアリーレンサルファ
イド樹脂を、前記の線状ポリマーにブレンドした配合樹
脂も用いることができ好適である。
本発明の(B)成分のポリアミドエラストマー樹脂
は、ポリアミドハードセグメントと他のソフトセグメン
トの結合した曲げ弾性率が10000kgf/cm2以下(50%相対
湿度、23℃)、好ましくは500〜5000kgf/cm2(同条件)
のポリアミド系ブロックコポリマーである。かかるエラ
ストマーのソフトセグメントとしては、ポリアルキレン
オキシド、特に分子量400〜60000のポリアルキレンオキ
シド(アルキルレン基の炭素数2〜6)が代表的な例で
ある。かかるポリアミドエラストマーの合成法について
は、数多くの報告があるが、通常は、ナイロンオリゴマ
ーの生成とエステル化による高分子量化の2段階に分け
て行われている。
ここで、ハードセグメントとしてのポリアミド成分と
しては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド6,1
2、ポリアミド11、ポリアミド12等のポリアミドが挙げ
られ、ソフトセグメントとしてのポリエーテル成分とし
てはポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピ
レングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール
等が挙げられる。
使用するポリアミドエラストマー樹脂(B)は水分含
有量が一定限度以下であることが好ましく、使用に先立
って乾燥することが望ましい。
ポリアミドエラストマー樹脂(B)の使用量は、用途
によって異なるが、ポリアリーレンサルファイド樹脂99
〜20重量部に対しポリアミドエラストマー樹脂1〜80重
量部が好ましく、更に好ましくはポリアリーレンサルフ
ァイド樹脂95〜20重量部に対し5〜80重量部である。1
重量部より少ない場合は、この樹脂組成物の靱性向上が
十分得られない。
本発明では、必ずしも必須とされる成分ではないが、
前記の(B)成分のポリアミドエラストマー樹脂と共に
(C)成分のポリアミド樹脂を併用することが出来る。
かかる(C)ポリアミド樹脂とは曲げ弾性率が10000kgf
/cm2(50%相対湿度、23℃)以上のポリアミドであって
ポリアミドエラストマーと親和性が良く、組成物全体の
機械的性質、特に弾性等を調節し、又、ポリアミドエラ
ストマー樹脂より価格が安いことから、低コストで機械
的強度、耐熱性等の性能に優れた成形品を得るためには
併用することが好ましいが、過大の場合は吸湿性等を害
し好ましくない。
このポリアミド樹脂(C)としては、周知の種々のも
のを挙げることができる。例えば、蓚酸、アジピン酸、
スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカル
ボン酸とエチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,4
−シクロヘキシルジアミン、m−キシリレンジアミンの
ようなジアミンとを重縮合して得られるポリアミド樹
脂;カプロラクタム、ラウリンラクタムの様な環状ラク
タムを重合して得られるポリアミド樹脂;或いは環状ラ
クタムと、ジカルボン酸とジアミンとの塩を共重合して
得られるポリアミド樹脂等を挙げることができる。目的
とする用途によって異なるが、これらのポリアミド樹脂
のうち、好ましくは6ナイロン、66ナイロン、12ナイロ
ン等が挙げられる。
使用するポリアミド樹脂(C)も前記(B)成分と同
様に水分含有量が一定限度以下であることが好ましく、
そのため使用に先立ち、乾燥を行うことが望ましい。
次に本発明は上記樹脂成分と共に、(D)アルコキシ
シラン化合物を添加配合することに特徴がある。
本発明で用いられる(D)アルコキシシランとはビニ
ルアルコキシシラン、エポキシアルコキシシラン、アミ
ノアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン、ア
リルアルコキシシランの1種又は2種以上であり、 ビニルアルコキシシランとしては、例えばビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リス(β−メトキシエトキシ)シランなど、 エポキシアルコキシシランとしては、例えばγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなど、 アミノアルコキシシランとしては、例えばγ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシランなど、 メルカプトアルコキシシランとしては、例えばγ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリエトキシシランなど、 アリルアルコキシシランとしては、例えばγ−ジアリ
ルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アリルアミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−アリルチオプロピ
ルトリメトキシシランなどが挙げられる。
(D)成分としてのアルコキシシラン化合物の使用量
は、ポリアリーレンサルファイド樹脂〔(A)成分〕、
ポリアミドエラストマー樹脂〔(B)成分〕とポリアミ
ド樹脂〔(C)成分〕との合計100重量部に対して0.01
〜5重量部であり、好ましくは0.1〜3重量部である。
添加するアルコキシシラン化合物の量はその種類と目
的とする組成物の用途によって異なるが、過少の場合は
靱性向上効果が少なく、又過大になると溶融粘度が上が
り過ぎて成形加工上の不都合を生じる場合がある。
次の本発明で用いる(E)成分の充填剤は必ずしも必
須とされる成分ではないが、機械的強度、耐熱性、寸法
安定性、電気的性質等の性能に優れた成形品を得るため
には配合することが好ましい。これは目的に応じて繊維
状、粉粒状又は板状の充填剤が用いられる。
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊
維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊
維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼
素繊維、チタン酸カリ繊維、更にステンレス、アルミニ
ウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無機
質繊維状物質が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤
はガラス繊維、又はカーボン繊維である。尚、ポリアミ
ド、フッ素樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機質繊維
状物質も使用することできる。
一方、粉粒状充填剤としては、カーボンブラック、シ
リカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、硅酸カルシ
ウム、硅酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、
硅藻土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、酸化鉄、酸化
チタン、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他炭化硅
素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げられ
る。
又、板状充填剤としては、マイカ、ガラスフレーク、
各種金属箔等が挙げられる。
これらの無機充填剤は1種又は2種以上併用すること
ができる。繊維状充填剤、特にガラス繊維又はカーボン
繊維と、粒状又は板状充填剤の併用は特に機械的強度と
寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好ましい組み合
わせである。
無機充填剤の添加量は樹脂成分(A),(B)及び
(C)の合計100重量部に対し400重量部以下であり、こ
れ以上であると成形加工性や、靱性を害し好ましくな
い。特に好ましくは250重量部以下である。
本発明組成物の調製法は種々の公知の方法で可能であ
るが、少なくとも(A),(B),(D)の三成分を、
又(C)成分を併用する場合はこれも加えて同時に溶融
状態で30秒以上混練処理することが必要である。具体的
には、例えば(A),(B),(D)及び(C)成分、
更には(E)成分その他を予めタンブラー又はヘンシェ
ルミキサーのような混合機で均一に混合した後、1軸又
は2軸の押出機に供給して溶融混練し、ペレットを製造
する。この際、(A),(B),(C)成分の一部又は
全部を粉末状とし、この樹脂の一部と(D)成分とを一
旦ブレンダーで均一に混合した後、更に残りの所要成分
と混合して溶融処理に供するのが好ましい。又(E)成
分は溶融処理の途中又は後で加えてもよい。特にポリマ
ー成分が(D)成分と溶融混練し反応したあとで加える
方が靱性に対する効果が顕著に現れる傾向にあり好まし
い。
処理温度は、樹脂成分が溶融する温度より5℃乃至10
0℃高い温度であり、特に好ましくは融点より10℃乃至6
0℃高い温度である。高温に過ぎると分解や異常反応を
生じ好ましくない。
又、溶融処理時間は処理温度及びシラン化合物の種類
と添加量によって異なるが、少なくとも30秒以上15分以
内、好ましくは1〜10分である。
かかる本発明のアルコキシシラン化合物の作用効果に
ついては、その詳細な機構は十分明確にされていない
が、ポリアリーレンサルファイド分子とポリアミド系ポ
リマー分子がこれらのシラン化合物により結合し、
(A),(B)成分、及び(C)成分の相溶性が向上し
たためと解される。このことは(D)成分の共存下での
溶融処理により粘度が上昇し、又、組成物成形品の断面
の相構造を電子顕微鏡により観察することによって確認
されている。(D)のシラン化合物が共存しない場合に
はポリアミド系樹脂の分散状態が極めて粗大粒子(10μ
m又はそれ以上)として共存するのに対し、本発明の方
法によれば極めて微小粒子(1μm以下)として分散さ
せることが可能である。
尚、本発明組成物には、本発明の目的を逸脱しない範
囲で酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸
収剤、着色剤、離型剤、その他通常の添加剤を添加する
ことができる。
これらの添加剤は、前述した溶融混練処理と同時に、
又は別に樹脂組成物中に添加配合することもできる。
〔発明の効果〕
以上の説明及び実施例から明らかな如く、本発明のポ
リアリーレンサルファイド樹脂組成物は樹脂成分が極め
て良好な分散状態を呈し、次の様な効果を有する。
(1) 成形品の引張り伸び、耐衝撃性等の機械的性質
が著しく向上する。
(2) 機械的特性と耐熱性のバランスがよい。
(3) 成形品の外観が良好である。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜5,比較例1,2 ポリフェニレンサルファイド重合体(融点285℃)80
重量部にポリアミドエラストマー(商品名ダイアミドE6
2:ダイセルヒュルス社製*)(下記注−1参照)を20重
量部加え、更にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン
及び場合によりガラス繊維(直径10μm、長さ3mmのチ
ョップドストランド)を表1に示す量で加え、ヘンシェ
ルミキサーで5分間予備混合した。これをシリンダー温
度310℃の押出機で溶融混練し、ポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂組成物のペレットを作製した。
次に、射出成形機でシリンダー温度310℃、金型温度1
50℃の条件でASTM試験片を成形し、引張り試験、衝撃試
験、熱変形試験を行った。又、成形品表面の外観を目視
により判定した。結果を表1にまとめて示す。
(注−1)*ナイロン12をハードセグメントとレポリオ
キシブチレンをソフトセグメントとするポリアミドエラ
ストマー(曲げ弾性率3500kgf/cm2) 実施例6〜9,比較例3,4 前記実施例及び比較例と同じポリフェニレンサルファ
イド重合体にダイアミドE62を表2に示す割合で加え、
更にγ−アミノプロピルトリエトキシシランとガラス繊
維を表2に示す割合で加え、以下実施例1〜5と同様に
行った。
結果を表2に示す。
実施例10〜17 上記ポリフェニレンサルファイド重合体80重量部にポ
リアミドエラストマー(ダイアミドE62)を20重量部加
え、更にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン又はγ−ジアリルアミノプロピル
トリメトキシシランとガラス繊維を表3に示す量で加え
た。以下実施例1〜5と同様に行った。
結果を表3に示す。
実施例18〜22,比較例5,6 上記ポリフェニレンサルファイド重合体60重量部にポ
リアミドエラストマー(ダイアミドE62)とポリアミド
(PA)66を表4に示す量で加え、その合計100重量部に
対してγ−アミノプロピルトリエトキシシランを2重量
部、及び場合によりガラス繊維を表4に示す量で加え
た。以下実施例1〜5と同様に行った。
結果を表4に示す。
実施例23〜32、比較例7、8 上記ポリフェニレンサルファイド重合体80重量部にポ
リアミドエラストマー(商品名ダイアミドE40:ダイセル
ヒュルス社製*)(下記注−2参照)を20重量部加え、
更に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、γ−ジアリルアミドプロピルトリメトキシシラ
ン、及び場合によりガラス繊維を表5に示す量で加え
た。以下実施例1〜5と同様に行った。結果を表5に示
す。
(注−2)*ナイロン12をハードセグメントとしポリオ
キシブチレンをソフトセグメントとするポリアミドエラ
ストマー(曲げ弾性率900kgf/cm2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−113055(JP,A) 特開 昭64−89208(JP,A) 特開 昭64−63115(JP,A) 特開 平1−144464(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂
    99〜20重量部 (B) ポリアミドエラストマー樹脂1〜80重量部 (C) ポリアミド樹脂0〜79重量部とからなる樹脂成
    分の合計100重量部に対し、 (D) アルコキシシラン0.01〜5重量部 及び (E) 繊維状充填剤、粉粒状充填剤、板状充填剤から
    選ばれるいずれか1種又はそれらの混合物0〜400重量
    部 を添加配合してなることを特徴とするポリアリーレンサ
    ルファイド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(D)アルコキシシランがビニルアルコキ
    シシラン、エポキシアルコキシシラン、アミノアルコキ
    シシラン、メルカプトアルコキシシラン及びアリルアル
    コキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種の
    シラン化合物である請求項1記載のポリアリーレンサル
    ファイド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリアミドエラストマー樹脂(B)が曲げ
    弾性率10000kgf/cm2以下のものである請求項1又は2記
    載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ポリアミドエラストマー樹脂(B)がポリ
    アミドをハードセグメントとし、ポリアルキレンオキシ
    ドをソフトセグメントとするポリアミド系ブロックコポ
    リマーである請求項1〜3の何れか1項記載のポリアリ
    ーレンサルファイド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の何れか1項記載の(A),
    (B),(D)成分及び場合により(C),(E)成分
    を添加配合し、少なくとも30秒以上加熱溶融混練処理す
    ることを特徴とするポリアリーレンサルファイド樹脂組
    成物の製造法。
JP2044140A 1989-12-07 1990-02-23 耐衝撃性ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物及びその製造法 Expired - Lifetime JP2685954B2 (ja)

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