JPH11241020A - 耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物

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JPH11241020A
JPH11241020A JP4316798A JP4316798A JPH11241020A JP H11241020 A JPH11241020 A JP H11241020A JP 4316798 A JP4316798 A JP 4316798A JP 4316798 A JP4316798 A JP 4316798A JP H11241020 A JPH11241020 A JP H11241020A
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resin
polyamide
heat
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component
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JP4316798A
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Tetsuo Ito
哲夫 伊藤
Ryoji Kawase
領治 川瀬
Kazuo Kasai
和雄 河西
Kenji Mitamura
賢治 三田村
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DSM JSR Engineering Plastics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐熱性(熱変形温度、耐熱老化性)、
耐油性、機械的物性(強度、靭性等)を有する樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】 (A)ポリアミド4,6樹脂と、(B)
ポリアリーレンスルフィド樹脂と、(C)高級脂肪族ポ
リアミド樹脂とを含む耐熱性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、四輪車、二輪車等
の車両のトランスミッション部品、ディファレンシャル
部品、エンジン機構部品等として用いられる、潤滑油等
のオイル中や高温の空気中で使用される樹脂部品を形成
するために有用な樹脂組成物に関し、特に、耐熱性、耐
油性、機械的特性等に優れたポリアミド4,6樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂等のエンジニアリングプ
ラスチックスは、各種の優れた特性を有することから、
構造材料として、各種の用途に実用されている。四輪
車、二輪車等の車両のトランスミッション部品、ディフ
ァレンシャル部品、エンジン機構部品等においては、使
用温度条件は、通常、80℃程度である。しかし、走行
条件、環境、車両の形式等によって120℃以上、場合
によっては150℃以上の高温にまで達する場合がある
といわれている。樹脂成形部品を長期間、高温環境下で
使用したり、各種の添加剤を含有した潤滑油等のオイル
に浸漬または接触させたり、酸素を含む高温の空気中で
使用したりすることによって、樹脂成形部品の強度の低
下、変形、外観の悪化等が引き起こされる。
【0003】これまで、上述の過酷な環境下での各用途
に合わせて、耐油性や耐熱老化性を改良する目的で、ポ
リアミド/ポリフェニレンスルフィドや高融点ポリアミ
ド/低融点ポリアミドといった組み合わせも含め、各種
の樹脂のブレンドが試みられてきた。しかしながら、そ
れらのいずれにおいても、耐熱性の向上は、各樹脂成分
の分量に応じた範囲にとどまっており、耐熱性の向上と
引き換えに、強度や靭性等の機械的物性の低下を余儀な
くされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た耐熱性(熱変形温度および耐熱老化性)、耐油性、機
械的物性(強度、靭性等)を有する樹脂組成物を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の耐熱性樹脂組成
物は、(A)ポリアミド4,6樹脂と、(B)ポリアリ
ーレンスルフィド樹脂と、(C)高級脂肪族ポリアミド
樹脂とを含むことを特徴とする(請求項1)。本発明の
耐熱性樹脂組成物は、さらに(D)耐熱安定剤を含んで
もよい(請求項2)。本発明の耐熱性樹脂組成物は、さ
らに(E)無機充填材を含んでもよい(請求項3)。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる(A)成分の
ポリアミド4,6樹脂は、テトラメチレンジアミンとア
ジピン酸とを縮重合させることによって得られる樹脂で
あり、ポリテトラメチレンアジパミドまたはナイロン
4,6ともいう。本発明のポリアミド4,6樹脂は、ポ
リテトラメチレンアジパミド単位を主たる構成成分とす
る共重合ポリアミドを含む。
【0007】共重合成分として用いる単量体としては、
特に制限はなく、任意のアミド形成成分を用いることが
できる。共重合成分の代表的な例としては、6−アミノ
カプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノ
ウンデカン酸、パラアミノメチル安息香酸等のアミノ
酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウリルラクタム等のラ
クタム、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジ
アミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチ
ルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パ
ラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)
シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5
−トリメチルシクロヘキサン、ビス(3−メチル−4−
アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ア
ミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(アミノ
プロシル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン等のジ
アミンとアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
2−クロルテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5
−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフ
タル酸、ジグリコール酸等のジカルボン酸等を挙げるこ
とができる。
【0008】ポリアミド4,6樹脂の製造方法は、任意
である。例えば、特開昭56−149430号公報、特
開昭56−149431号公報、特開昭58−8302
9号公報、特開昭61−43631号公報等に記載され
ている方法を用いることができる。すなわち、まず、環
状末端基が少ないプレポリマーを特定の条件下で製造し
た後、水蒸気雰囲気下での固相重合によって、または、
2−ピロリドンやN−メチルピロリドン等の極性有機溶
媒中での加熱によって、高粘度ポリアミド4,6を調製
する方法である。
【0009】ポリアミド4,6樹脂の重合度については
特に制限はないが、25℃、96%硫酸中、1g/dl
における相対粘度が2.0〜6.0の範囲内にあるポリ
アミド4,6樹脂が好ましく用いられる。(A)成分で
あるポリアミド4,6樹脂の添加量は、(A)〜(C)
成分の合計量に対して、通常は5〜90重量%、好まし
くは20〜90重量%である。5重量%未満では、強度
や靭性等の機械的物性を損ない、90重量%を超える
と、耐油性、耐熱老化性が劣る。
【0010】本発明で用いられる(B)成分のポリアリ
ーレンスルフィド樹脂は、一般式:
【化1】 (式中、Arは炭素数6以上の芳香族基を表す。)で示
される構成単位を主成分とする。ここで、芳香族基の例
としては、p−フェニレン、m−フェニレン、2,6−
ナフタレン、4,4’−ビフェニレン、p,p’−ビベ
ンジル、およびこれらの核置換体等を挙げることができ
る。ここで、主成分とは、上記構成単位を少なくとも7
0モル%以上含有していることを意味する。主成分が7
0モル%未満であると、得られるポリマーの結晶性が低
下したり、耐熱性が低下する等の好ましくない結果を生
じる。
【0011】ポリアリーレンスルフィド樹脂中、30モ
ル%未満であれば、3価以上の結合手を有する芳香族基
(例えば、1,2,4−結合フェニレン核)や脂肪族
基、ヘテロ原子含有基等を含んでいても差し支えない。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法とし
ては、ジハロゲン化芳香族化合物と、ジチオール芳香族
化合物またはモノハロゲン化芳香族チオールとの縮合反
応、あるいは、ジハロゲン化芳香族化合物と、硫化アル
カリ、水硫化アルカリ及びアルカリ、硫化水素及びアル
カリ化合物のいずれかとの脱塩縮合反応を利用する方法
等を例示することができる。
【0012】本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂の
典型例であるポリフェニレンサルファイド樹脂として
は、ポリ−p−フェニレンサルファイド、ポリ−m−フ
ェニレンサルファイド等を挙げることができる。特に、
耐熱性、成形性等の点において、ポリ−p−フェニレン
サルファイドが好ましく用いられる。ポリ−p−フェニ
レンサルファイドは、一般式(1):
【化2】 で示される構成単位を主成分とする。ポリ−p−フェニ
レンサルファイドとしては、p−フェニレン核の構成単
位を少なくとも70モル%以上、より好ましくは90モ
ル%以上含むものが好ましい。p−フェニレン核の構成
単位が70モル%未満の場合には、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂の結晶性や耐熱性が低くなる等の傾向が強
く、好ましくない。
【0013】ポリフェニレンサルファイドとしては、任
意の方法により得られたものを用いることができるが、
一般に、特公昭45−3368号公報で代表される製造
方法により得られる比較的分子量の小さい重合体と、特
公昭52−12240号公報で代表される製造方法によ
り得られる本質的に線状で高分子量の重合体等がある。
前記特公昭45−3368号公報に記載の方法で得られ
た重合体においては、重合後、酸素雰囲気下で加熱する
ことにより、または過酸化物等の架橋剤を添加して加熱
することにより高重合度化して用いることもできる。
【0014】ポリフェニレンサルファイドとして、本質
的に線状で比較的高分子量の重合体、または線状のもの
を部分的に架橋した重合体が、好ましく用いられる。ま
た、ポリ−p−フェニレンサルファイド樹脂は、その繰
り返し単位の30モル%未満を下記の構造式(2)〜
(8)を有する繰り返し単位等で構成することが可能で
ある。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】本発明で用いられるポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂の溶融粘度は、ポリアミド4,6樹脂との混
練及び複合材料の製造が可能であれば特に制限はない
が、通常、100〜10,000ポイズ(310℃、剪
断速度1000sec-1)のものが使用される。さら
に、ポリフェニレンサルファイド樹脂は、ポリアミド樹
脂との相溶性を改善するために、熱水によって脱イオン
処理して、あるいは酢酸等の酸、エポキシ化合物、アミ
ノ基含有化合物等によって処理して用いることもでき
る。
【0023】(B)成分のポリアリーレンスルフィドの
添加量は、(A)〜(C)成分の合計量に対して、通常
は5〜90重量%、好ましくは5〜75重量%である。
5重量%未満では、耐油性、耐熱老化性が劣り、90重
量%を超えると、強度や靭性等の機械的物性を損なう。
【0024】本発明で用いられる(C)成分の高級脂肪
族ポリアミド樹脂は、ポリマー主鎖中のメチレン基数と
アミド基数の比(CH2 /NHCO)が6〜11の高級
脂肪族ポリアミドである。融点は、200℃未満であ
り、好ましくは160〜190℃である。このようなポ
リアミドとして、ポリアミド11(ナイロン11)、ポ
リアミド12(ナイロン12)、ポリアミド6,9(ナ
イロン6,9)、ポリアミド6,10(ナイロン6,1
0)、ポリアミド6,12(ナイロン6,12)、ポリ
アミド6,13(ナイロン6,13)、ポリアミド7
(ナイロン7)等、またはこれらの混合物、共重合体が
挙げられ、これらの中でもポリアミド11、ポリアミド
12等のポリラクタム類が特に好ましい。比(CH2
NHCO)が6未満の場合、または11を超える場合に
は、ポリアミド4,6樹脂との混和性が損なわれ、組成
物の特性が損なわれる。
【0025】(C)成分の高級脂肪族ポリアミド樹脂の
添加量は、(A)〜(C)成分の合計量に対して、通常
は5〜90重量%、好ましくは5〜75重量%である。
5重量%未満では、耐油性、耐熱老化性に対する効果が
認められず、90重量%を超えると、強度や靭性等の機
械的物性を損なう。
【0026】本発明で用いられる(D)成分の耐熱安定
剤は、ポリアミド4,6樹脂の長期熱安定性(高温耐久
性)を向上させるために添加される。具体的には、ハロ
ゲン系銅化合物、無機ヨウ素化合物、およびアミン系老
化防止剤を挙げることができ、これら3種の化合物のう
ちの1種を単独で、または2種以上を併せて用いられ
る。
【0027】上記ハロゲン系銅化合物としては、塩化第
一銅、塩化第二銅、ヨウ化第一銅、臭化第一銅、臭化第
二銅、およびその他の銅化合物を挙げることができる。
中でも、ヨウ化第一銅、臭化第一銅が好ましく、特に好
ましくはヨウ化第一銅(CuI)である。上記無機ヨウ
素化合物としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウ
ム、およびその他のヨウ素化合物が挙げられる。中で
も、ヨウ化カリウム(KI)が好ましい。なお、ハロゲ
ン系銅化合物と無機ヨウ素化合物は、併用することが好
ましい。
【0028】上記アミン系老化防止剤としては、N,
N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’
−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のジア
リール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤、N−フ
ェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミ
ン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)
−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−シク
ロヘキシル−p−フェニレンジアミン等のアリールアル
キル−p−フェニレンジアミン系老化防止剤、アルキレ
ーティッドジフェニルアミド、4,4’−ジ−オクチル
ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤、
およびその他のアミン系老化防止剤として、フェニル−
1−ナフチルアミン、2−メルカプトベンズイミダゾー
ル、2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノ
リンのポリマー等を挙げることができる。
【0029】これらのアミン系老化防止剤のうち、芳香
族系アミンが好ましく、ジアリール−p−フェニレンジ
アミン系老化防止剤が特に効果が著しい。上記老化防止
剤は、単独で使用してもよいし、混合したものであって
もよい。また、必要に応じて、アミン系以外の老化防止
剤、例えば、N,N−ヘキサメチレンビス−3−(3,
5−ジ−ターシャリブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、トリエチレングリコールビス−3−
(3−ターシャリブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)−プロピオネート等を併用してもよい。
【0030】押出機を用いる場合等におけるハロゲン系
銅化合物、無機ヨウ素化合物、およびアミン系老化防止
剤の添加方法は、特に限定されないが、具体的な例とし
ては、予めそれらを混合したブレンド物を一括して混練
押出しする方法、予めそれらを粉体混合物または溶液と
してブレンドし、または分割して押出機に途中添加する
方法、予めポリアミド4,6樹脂に高濃度のそれら耐熱
安定剤を添加したペレットを製造しておき、これをポリ
アミド4,6樹脂と混合して、目的の濃度とする方法等
を挙げることができる。
【0031】(D)成分の耐熱安定剤の添加量は、
(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対して、0
〜10重量部、好ましくは0.01〜10重量部、さら
に好ましくは0.05〜5重量部である。0.01重量
部未満であると、(D)成分の添加の効果が十分でな
く、10重量部を超えると、強度や靭性等の機械的物性
を損なう。
【0032】本発明の樹脂組成物は、さらに、(E)成
分の無機充填材を含んでもよい。無機充填材を用いるこ
とによって、剛性、寸法安定性をさらに向上させること
ができる。無機充填材は、繊維状、粉末状、粒状、板
状、針状、クロス状、マット状を有する種々の充填材で
あり、代表的な例としては、ガラス繊維、アスベスト繊
維、炭素繊維、グラファイト繊維、炭酸カルシウム、タ
ルク、カタルボ、ワラステナイト、シリカ、アルミナ、
シリカアルミナ、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、カ
オリン、マイカ(微細雲母)、粒状ガラス、ガラスフレ
ーク、ガラスバルーン(中空ガラス)、せっこう、ベン
ガラ、金属繊維、二酸化チタン、チタン酸カリウムウイ
スカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー等の合成および
天然鉱物ウイスカー、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシ
ウム、アスベスト、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸
カルシウム、アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化
アルミニウム、銅、ステンレス、酸化亜鉛、金属ウイス
カー等を挙げることができる。これらの中でも、本発明
の目的から、ガラス繊維、炭素繊維、カオリン、マイ
カ、タルク、各種ウイスカーが好ましく、特にその経済
性から、ガラス繊維、カオリン、タルクが好ましい。
【0033】無機充填材は、成形性や物性を損なわない
限りにおいて、表面処理を施したものであってもよく、
中でも、アミノシラン、アクリルシラン、ビニル、ウレ
タン、アクリルウレタン等に代表される化合物(収束剤
等)による表面処理を施したものが好ましい。
【0034】(E)成分の無機充填材の添加量は、
(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対して、0
〜200重量部、好ましくは1〜200重量部、さらに
好ましくは2〜150重量部である。1重量部未満であ
ると、(E)成分の添加効果である剛性や寸法安定性の
改良が十分でなく、200重量部を超えると、組成物の
押出加工性が著しく悪化する。
【0035】本発明の組成物には、必要に応じて、その
成形性、物性を損なわない限りにおいて、他の成分、例
えば酸化防止剤、顔料、染料、紫外線吸収剤、耐候剤、
滑剤、結晶核剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤等を添加
してもよい。更にまた、少量の割合で他の熱可塑性樹
脂、例えば他のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ポリエチレン及びその共重合体、ポリプ
ロピレン及びその共重合体、ポリスチレン及びその共重
合体、アクリル樹脂、ポリアミドエラストマー等を配合
してもよい。
【0036】本発明の樹脂組成物を得るには、任意の配
合方法を用いることができる。例えば、ニーダー、ブラ
ベンダー、バンバリーミキサー等のバッチ式混合機また
は単軸、二軸押出機を用いて、各成分を同時に混合する
方法、あるいは、例えば2〜3成分を予めブレンダー等
で予備ブレンドするか、ニーダーや押出機で予備混合し
た後に残りの成分を混合し、均質化する方法を用いるこ
とができる。
【0037】
【実施例】実施例 以下の実施例および比較例において、次のような材料を
用いた。 (A)成分;ポリアミド4,6樹脂として、オランダ国
DSM社製の「STANYL」(KS200;96%硫
酸1g/dlでの相対粘度=3.0)を用いた。 (B)成分;ポリアリーレンスルフィド樹脂として、ポ
リフェニレンサルファイド樹脂(東レ(株)社製のM2
588)を用いた。 (C)成分;高級脂肪族ポリアミド樹脂として、ポリア
ミド12樹脂(ダイセル・ヒュルス社製、商品名:L2
101)、ポリアミド6樹脂(鐘紡(株)社製のMC−
120)を用いた。 (D)成分;耐熱安定剤として、ヨウ化第一銅、ヨウ化
カリウムを用いた。 (E)成分;無機充填材として、繊維径10μm、長さ
3mmのガラス繊維チョップドストランドをウレタン系
収束剤およびγ−アミノプロピルトリメトキシシランで
処理して得た繊維状充填材(旭ファイバーグラス(株)
社製のCS03JAFT−2A)を用いた。 その他の成分;変性エチレン−プロピレンゴム(JSR
(株)社製、T7761P)、滑剤(アライドシグナル
社製、AC−540A)を用いた。
【0038】実施例1〜8、比較例1〜6 表1、2に示す成分の内、(E)成分を除く他の成分を
予めタンブラーにて均一に混合した後、その混合物を、
シリンダー温度300〜320℃に設定したスクリュー
に二段の混練ブロックを有し、一段目と二段目の混練ブ
ロックの間に途中フィードロを持つφ45mmの二軸押
出機(池貝鉄工PCM45)の根本から供給し、(E)
成分を途中フィードロより供給し、真空にひきながら溶
融混練し、ペレット化した。得られたペレットを射出成
形機(シリンダー温度:290〜320℃)にて、所定
の試験片を作製し、試験に供した。各試験の条件は、次
の通りである。試験結果を表1、2に示す。なお、
(E)成分を用いないときは、上記の(E)成分の供給
工程が省略される。
【0039】ペレット化状態 二軸押出機で樹脂組成物を溶融混練し、ペレット化した
時のストランドの引き取り性を以下のように評価した。 ○:良好。 ×:ストランドは引き取れるが、時々、ストランドが切
れる。引張強度・引張破断伸び ASTM D638に準じた。
【0040】曲げ特性 ASTM D790に準じた。熱変形温度 ASTM D648(246psi)に従って測定し
た。
【0041】耐油試験 射出成形したASTM1号ダンベルをオイル温度190
℃に設定された装置中のオイル(ギアオイル;TOYO
TA 75W−90)中に浸漬させて、1000時間経
過後に取り出して、引張強度および引張破断伸びを測定
し、その測定値を浸漬前の測定値に対する保持率(%)
で示す。
【0042】耐熱老化性 射出成形したASTM1号ダンベルを190℃に温度設
定されたギアーオーブン中に放置し、1000時間経過
後に取り出して、引張強度および引張破断伸びを測定
し、その測定値を試験前の測定値に対する保持率(%)
で示す。
【0043】試験結果を表1、2に示す。実施例1〜8
は、ペレット化状態、耐油性、耐熱老化性のいずれにお
いても、比較例を上回っており、本発明の目的を達成し
ている。一方、比較例1は、(B)成分及び(C)成分
を使用しない本発明の範囲外の例であり、耐油性、耐熱
老化性が劣る。比較例2は、(B)成分を使用しない本
発明の範囲外の例であり、熱変形温度、耐油性、耐熱老
化性が劣る。比較例3は、(C)成分を使用しない本発
明の範囲外の例であり、耐油性、耐熱老化性が劣る。比
較例4〜6は、(C)成分として本発明の範囲外のナイ
ロン6を使用した例であり、ペレット化状態、耐油性、
耐熱老化性が劣る。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、優れた耐熱性
(熱変形温度および耐熱老化性)、耐油性、機械的物性
(強度、靭性等)を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河西 和雄 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 三田村 賢治 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリアミド4,6樹脂と、(B)
    ポリアリーレンスルフィド樹脂と、(C)高級脂肪族ポ
    リアミド樹脂とを含むことを特徴とする耐熱性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (D)耐熱安定剤を含む請求項1記載の
    耐熱性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (E)無機充填材を含む請求項1または
    2記載の耐熱性樹脂組成物。
JP4316798A 1998-02-25 1998-02-25 耐熱性樹脂組成物 Pending JPH11241020A (ja)

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JP4316798A Pending JPH11241020A (ja) 1998-02-25 1998-02-25 耐熱性樹脂組成物

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JP (1) JPH11241020A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6743849B2 (en) 2000-07-06 2004-06-01 Dsm Jsr Engineering Plastics Kabushiki Kaisha Thermoplastic resin composition
JP2006265398A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Toray Ind Inc 耐不凍液性に優れたポリアミド樹脂組成物及びそれからなる水回り部材
WO2007034905A1 (ja) 2005-09-22 2007-03-29 Fujitsu Limited 植物系樹脂含有組成物及びそれを用いた植物系樹脂含有成形体
JP2015516016A (ja) * 2012-05-07 2015-06-04 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 熱可塑性ポリマー組成物およびそれから製造される成形品

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