JPH06220146A - 新規共重合体、その製造方法及び該重合体よりなる発色・変色材料 - Google Patents

新規共重合体、その製造方法及び該重合体よりなる発色・変色材料

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JPH06220146A
JPH06220146A JP5263056A JP26305693A JPH06220146A JP H06220146 A JPH06220146 A JP H06220146A JP 5263056 A JP5263056 A JP 5263056A JP 26305693 A JP26305693 A JP 26305693A JP H06220146 A JPH06220146 A JP H06220146A
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polymer
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color
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JP5263056A
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Inventor
Ryuichi Yamamoto
隆一 山本
Masaki Wakabayashi
雅樹 若林
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YKK Corp
Original Assignee
YKK Corp
Yoshida Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶媒に可溶であって、極性を有し、電極、高
分子固体電解質への接着性に優れ、大面積へのコーティ
ングが可能なエレクトロクロミズムを示す高分子物質、
該物質の製造方法並びに該物質を用いた発色・変色材料
及びエレクトロクロミック表示素子を提供する。 【構成】 下記化1(式中、R1 は導電性を有し酸化又
は還元により発色もしくは変色を示す重合体又は共重合
体に基づく基、R2 、R3 はそれぞれ水素又は炭素数1
〜1000のアルキル基、Aは極性を有しイオンとの親
和性を有する基、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体
の重合度は10〜12,000の整数である)で表され
る共重合体は、エレクトロクロミズムを示し、酸化又は
還元により発色もしくは変色する発色・変色材料として
有用である。該共重合体は、ブロック共重合体又はラン
ダム共重合体のいずれでもよい。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレクトロクロミズム
を示す新規な共重合体およびその製法に関する。本発明
はさらに、特にエレクトロクロミック表示素子における
使用に適するエレクトロクロミズムを用いた発色・変色
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミズムとは、例えば電圧
印加により、電極面あるいは電極近傍で起こる酸化還元
反応によって、可逆的に色や光透過度の変化を呈する現
象をいい、このようなエレクトロクロミズム現象を示す
エレクトロクロミック材料としては種々の材料が報告さ
れている。従来のエレクトロクロミズムを用いた発色材
としては、特公昭52−46098号公報に記載されて
いるような酸化タングステン等の金属酸化物を用いるも
の、特開昭51−146253号公報に記載のように溶
液状のビオロゲン等の有機低分子化合物を用いるもの、
特開昭56−67881号公報に記載のように主鎖に共
役二重結合を有する電気伝導性高分子を用いるものが知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のエレクトロ
クロミズムを用いた発色材のうち、金属酸化物は、特開
昭54−41756号公報に記載のように、スパッタリ
ング等の真空プロセスによって製造されており、大面積
へのコーティングが困難であるという問題があった。一
方、有機低分子化合物の場合は、これを用いてエレクト
ロクロミック表示素子を作成するに当たって、特開昭5
1−146253号公報に記載のように、電極板と透明
電極板との間に半透膜の隔膜を介在せしめ、透明電極板
と隔膜との間にビオロゲン等の有機低分子化合物と支持
電解質を含有する溶液を存在せしめる必要があり、エレ
クトロクロミック表示素子の構造が複雑になるという難
点があった。
【0004】また、主鎖に共役二重結合を有する電気伝
導性高分子は、特開昭60−188931号公報記載の
ように電解重合等により電極表面に直接重合されるが、
安価に大面積へコーティングすることは困難である。ま
た、主鎖に共役二重結合を有する電気伝導性高分子のう
ち、溶媒に可溶なものは一般に非極性であり、極性表面
である電極との密着性に劣っている。そのため強固な接
着を得ることができず、剥離等の問題を残していた。特
に主鎖に共役二重結合を有する電気伝導性高分子と高分
子固体電解質を用いた固体型エレクトロクロミック表示
素子を考えるとき、高分子固体電解質との接着性が問題
となる。接着不良箇所ではイオンの伝導が起こらず、発
色、変色時に欠陥部となる。接着が不十分な場合には、
発色、消色の繰り返し、温度変化等により、使用中に剥
離を生じ、この剥離部分が発色、変色時に欠陥部とな
る。
【0005】一方、本発明において示されるようなコポ
リマー化の試みとして、特開平4−108784号公報
に示される側鎖にチオフェンオリゴマーを持つポリマー
が開発されている。このポリマーにより溶解性に関して
は大きく改善されるが、ポリマーの極性は非極性であ
り、接着において問題を残している。
【0006】従って、本発明の目的は、前記したような
従来技術の問題を解決し、溶媒に可溶であって、しかも
極性を有し、電極、高分子固体電解質への接着性に優
れ、大面積へのコーティングが可能なエレクトロクロミ
ズムを示す高分子物質を提供することにある。本発明の
他の目的は、上記エレクトロクロミック高分子物質を製
造する方法を提供することにある。本発明のさらに他の
目的は、上記のように優れた性質を有するエレクトロク
ロミック高分子物質を用いた発色・変色材料、並びに膜
の剥離やそれに伴う発色・変色不良といった欠陥が無い
エレクトロクロミック表示素子を安価に提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記目
的を達成するために、下記化11
【化11】 (式中、R1 は導電性を有し酸化または還元により発色
もしくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基、
2 、R3 はそれぞれ水素または炭素数1〜1000の
アルキル基であり、Aは極性を有しイオンとの親和性を
有する基、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体の重合
度は10〜12,000の整数である。)の一般式
(1)で表される新規な発色・変色性の共重合体が提供
される。
【0008】上記共重合体は、ブロック共重合体及びラ
ンダム共重合体のいずれでもよく、下記化12
【化12】 (式中、R1 は導電性を有し酸化または還元により発色
もしくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基、
2 は水素または炭素数1〜1000のアルキル基であ
る。)の一般式(2)で表される化学構造を持つ不飽和
化合物(以下、発色基モノマーと略称する)と、下記化
13
【化13】 (式中、R3 は水素または炭素数1〜1000のアルキ
ル基、Aは極性を有しイオンとの親和性を有する基であ
る。)の一般式(3)で表される化学構造を持つ不飽和
化合物(以下、相溶性基モノマーと略称する)との共重
合により得ることができる。ブロック共重合体は、上記
一般式(2)で表される発色基モノマーをまず重合し、
その反応系に上記一般式(3)で表される相溶性基モノ
マーを添加し、さらに重合することによって得られ、一
方、ランダム共重合体は、上記一般式(2)で表される
発色基モノマーと上記一般式(3)で表される相溶性基
モノマーを混合し、重合することによって得られる。さ
らに本発明によれば、上記一般式(1)で表される新規
共重合体を含有し、該共重合体の酸化又は還元により発
色・消色(もしくは変色)する発色・消色(もしくは変
色)材料及び該発色・変色材料を用いたエレクトロクロ
ミック表示素子も提供される。
【0009】
【発明の作用及び態様】本発明に係るエレクトロクロミ
ック材料は、導電性を有し酸化または還元により発色も
しくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基を有
する前記一般式(2)で表される化学構造を持つ発色基
モノマーと、極性を有しイオンとの親和性を有する基を
有する前記一般式(3)で表される化学構造を持つ相溶
性基モノマーの共重合体であることを特徴とする。
【0010】本発明により得られる新規共重合体は、極
性の高い相溶性基モノマーと発色材として機能する発色
基モノマーの共重合体であることから、極性表面への接
着性が高く、強固な接着性を示す。さらに、イオン伝導
性高分子との親和性が高く、高分子固体電解質との密着
性に優れる。また、該共重合体自身もイオン伝導性を有
する。また、本発明で発色基モノマーに用いられる導電
性を有し酸化または還元により発色もしくは変色を示す
重合体または共重合体に基づく基は、電気化学的酸化還
元により固有の発色、変色を示す。電気化学的酸化還元
にはイオンの移動が必要となり、イオン濃度により発色
・消色(変色)がおこる。本発明に係る新規共重合体は
イオン伝導性を有し、かつ電気化学的酸化還元により固
有の発色・変色を示す発色基を有することから、イオン
伝導性発色材として機能し、優れた発色性を示す。
【0011】導電性を有し酸化または還元により発色も
しくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基R1
としては、芳香族共役系重合体(フェニレン重合体、ナ
フタレン重合体、アントラセン重合体、アズレン重合体
等)、複素環式共役系重合体(チオフェン重合体、アル
キルチオフェン重合体、セレノフェン重合体、ピロール
重合体、ピリジン重合体、フラン重合体等)、含ヘテロ
原子共役系重合体(アニリン重合体等)、側鎖にπ電子
共役系基(フェロセン、フタロシアニン等)を有する重
合体等およびこれらの組み合わせによるもの、これらに
側鎖としてアルキル基等を導入し変成したもの(例え
ば、3−アルキルチオフェン重合体等)、これらの端部
(ビニル基結合位置と反対の位置)にアルキル基を導入
し変成したもの等が挙げられる。アルキル基は上記重合
体又は共重合体の骨格のビニル基との結合位置以外の他
の位置に導入できるが、このようにアルキル基を導入す
ることによって発色基モノマーの溶媒に対する溶解性が
向上し、以後の処理が容易となる。これらの化合物は電
気化学的酸化還元によりそれぞれ固有の発色、変色を示
す。なお、上記重合体とはオリゴマーを含む概念を意味
する。
【0012】前記発色基モノマーとしては、以下の化1
4の4つの一般式で表される化学構造のものが考えられ
る。
【化14】 (式中、R1 は導電性を有し酸化または還元により発色
もしくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基、
1 、B2 、B3 は置換基である。)しかし、これらの
うちα,β−2置換体、すなわち(C)及び(D)の化
合物は重合性に乏しく、重合による高分子化が困難であ
る。また、上記導電性を有し酸化または還元により発色
もしくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基R
1 として考えられる化合物は、一般に重合度が大きくな
ると溶媒に対する溶解性が低下する。そのため、これら
と結合してなる発色基モノマーにおいても溶解性が低下
し、重合反応が困難となる。特に化学構造(A)の化合
物においてその影響が大きい。化学構造(B)の化合物
においてはB1 置換基により溶解性が確保され、重合が
可能となる。従って、本発明で用いる発色基モノマーと
しては前記(B)の化合物が最も好ましい。
【0013】相溶性基モノマーについて、極性を有しイ
オンとの親和性を有する基としては、水酸基、カルボン
酸基、チオカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸
基、スルフェン酸基、ニトリル基、アルデヒド基、チオ
アルデヒド基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、お
よびこれらのエステル化物ないしアミド化物がある。相
溶性基モノマーについても、前記発色基モノマーと同様
に下記化15の4つの一般式で表される化学構造が考え
られる。
【化15】 (式中、Aは極性を有しイオンとの親和性を有する基、
1 、B2 、B3 は置換基である。)これらのうち
(G)、(H)の化合物は発色基モノマーの場合と同様
に重合性が低く、高分子を得ることが難しい。本発明に
おいては前記(E)及び(F)の化合物を用いることが
できるが、(E)の化合物の場合、極性を有しイオンと
の親和性を有する基Aの性質を強く持ち、極性が強く、
発色基モノマーと相溶性基モノマーを同時に溶解する溶
媒を見つけることが困難な場合がある。(F)の化合物
の場合、置換基B1 により溶解性が変化し、発色基モノ
マーと相溶性基モノマーを同時に溶解する溶媒を確保す
ることができる。
【0014】なお、発色基モノマーと相溶性基モノマー
の置換基は、重合の際に架橋を生じないように飽和のア
ルキル基である必要があるが、その大きさはモノマーが
溶媒に溶解できるような程度であればよく、炭素数1〜
1000のアルキル基とすることができる。各モノマー
の側鎖のアルキル基の分子量が大きい場合、その反応性
が低下し、また得られるエレクトロクロミック材料の発
・消色に要する時間が長くなる。そのため、発色基モノ
マー及び相溶性基モノマーの各々の側鎖のアルキル基
(R2 又はR3 )は、炭素数1〜50のものが好まし
い。溶媒への充分な溶解性や工業的使用において要求さ
れるような適切な発・消色時間を確保するためには、側
鎖のアルキル基は炭素数1〜25のものが特に好まし
い。
【0015】さらに、相溶性基モノマーの極性を有しイ
オンとの親和性を有する基の極性が強く、重合反応を阻
害する場合、または発色基モノマーと相溶性基モノマー
を同時に溶解する溶媒が存在しない場合、あるいは該モ
ノマーが不安定な場合などには、極性を有しイオンとの
親和性を有する基を重合前に予めエステル化ないしアミ
ド化することにより反応性、溶解性、安定性を確保する
ことができる。重合後、これらエステルないしアミドは
加水分解により分解することができる。
【0016】このような発色基モノマーと相溶性基モノ
マーは、適当な溶媒中で過酸化ベンゾイル等の過酸化
物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物などの
重合開始剤を用いることにより容易に重合を行うことが
できる。また、ブロック共重合体を得る場合には、発色
基モノマーのみでまず重合を行い、次いで相溶性基モノ
マーを添加し、さらに重合反応を進めることにより、発
色基モノマーと相溶性基モノマーがそれぞれブロック状
に重合したブロック共重合体が得られる。ランダム共重
合体を得る場合には、最初に発色基モノマーと相溶性基
モノマーを混合し、重合を行うことにより、両者の反応
性、選択性により決められるランダム共重合体が得られ
る。
【0017】共重合体中の発色基モノマーの割合は特に
制限されるものでは無いが、モル比0.1〜30%が望
ましい。すなわち、相溶性基モノマーに対する発色基モ
ノマーのモル比は0.1:99.9〜30:70の範囲
が望ましい。共重合体が過剰の割合で発色基モノマーを
含む場合には、接着性、膜強度を著しく損なうので好ま
しくない。特に導電性を有し酸化または還元により発色
もしくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基が
大きい場合にはこの不利益が大きくなる。しかしなが
ら、導電性を確保するためには発色基モノマーの比率が
できるだけ高いものが望ましく、低い場合には発色に要
する時間が長くなる。共重合体の溶媒への溶解性に関し
ては、相溶性基モノマーの比率が高いほうが良く、特に
酢酸ビニル等を使用した場合には多くの溶媒に可溶とな
る。従って、発色基モノマーの比率は20〜30%が最
も好ましい。共重合体の全体の重合度は特に制限される
ものでは無いが、反応の容易さ、溶媒への溶解性、製膜
後の膜強度を考慮して10〜12,000が好適であ
る。重合度が大きくなると、共重合体の溶媒への溶解性
が低下し、必然的に得られる溶液の粘度が上昇するた
め、重合体溶液の基材への塗布が困難になる。溶解性や
塗布性に優れた共重合体を得ると共に、エレクトロクロ
ミック材料としての充分な膜強度を確保するためには、
重合度は好ましくは20〜1500、特に好ましくは2
0〜250の範囲が望ましい。
【0018】一般に発色基モノマーは非極性溶媒に溶解
性を有し、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン等
の非極性溶媒を用いて重合が可能である。相溶性基モノ
マーも、酢酸ビニル、メタアクリル酸メチル等はトルエ
ン、ベンゼン、テトラヒドロフラン等に可溶である。重
合には、これらの発色基モノマー、相溶性基モノマーの
両者を溶解可能な溶媒を用いることができる。得られる
共重合体はこれらの溶媒に可溶であるが、相溶性基が水
酸基、カルボキシル基の場合には、ジメチルホルムアル
デヒド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒に溶解でき
る。さらに、酢酸ビニルを含む共重合体はアセトン等の
一般的な溶媒にも溶解性を示す。
【0019】前記の様にして得られる本発明の共重合体
は通常の方法により製膜が可能であり、例えば極性を有
しイオンとの親和性を有する基として水酸基を用いた場
合には、通常のポリビニルアルコールの製膜と同様に、
適当な溶媒に溶かして溶液、例えば0.1〜5%濃度の
ジメチルスルホキシド溶液を調製し、ガラス板上にキャ
ストし、70℃前後の温度で10時間程度の減圧乾燥を
行うことにより製膜が可能である。
【0020】周知のように、エレクトロクロミック表示
素子は、基本的には透明電極、対向電極、及びこれら両
電極間に介在されたエレクトロクロミック材料及び電解
液又は固体電解質から成る。エレクトロクロミック表示
素子を構成する際には、透明電極、対向電極としてIT
Oを用いることができる。対向電極が透明性を必要とし
ない場合には、金属、カーボン等通常の電気化学素子と
同様な電極を用いることができる。エレクトロクロミッ
ク材料の発色・変色を促進するための支持電解質として
は、イオン解離性の塩で、溶液ないしは固体電解質に良
好な溶解性を示し、発色基の発色を確保できる程度に電
子供与性を有するアニオンを含む塩であれば特に限定さ
れない。例えば、LiClO4 、KClO4 、NaCl
4 、LiBF4 、KBF4 、NaBF4 、LiAsF
6 、KAsF6 、NaAsF6 等が使用可能である。ま
た、固体電解質としては、ポリエチレンオキサイド、高
分子のポリエチレングリコール、ポリビニルアルコー
ル、プロピレンカーボネートのゲル化物等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0021】
【実施例】以下、実施例を示して本発明について具体的
に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるもので
ないことはもとよりである。 実施例1 特開平4−108784号に記載の方法に従い、発色基
としてチオフェン三量体を持つビニルモノマーを合成し
た後、該ビニルモノマー0.15gとアゾビスイソブチ
ロニトリル0.01gを5mlのベンゼン中で60℃で
24時間攪拌し、これに酢酸ビニルモノマー4.5gを
添加し、さらに24時間重合を行った。得られたブロッ
ク共重合物を減圧にてベンゼンを除去し、メタノールに
溶解し、キャスト法によりガラス板上に製膜した。得ら
れたフィルムは薄い黄色を示し、ガラスと良好な接着性
を示した。このフィルムをガラス板ごと濃硫酸中に浸漬
したところ、赤色に変化した。得られた共重合体膜の濃
硫酸中への浸漬前後の可視紫外スペクトルの変化を図1
に示す。
【0022】実施例2 特開平4−108784号に記載の方法に従い、発色基
としてチオフェン三量体を持つビニルモノマーを合成し
た後、該ビニルモノマー0.15g、酢酸ビニルモノマ
ー4.5gとアゾビスイソブチロニトリル0.01gを
5mlのベンゼン中で60℃で48時間攪拌し、重合を
行った。得られたランダム共重合物を減圧にてベンゼン
を除去し、メタノール250mlに溶解し、40%水酸
化ナトリウム溶液6.3mlを加え、室温で24時間攪
拌し、ケン化を行った。得られたケン化物は赤外線スペ
クトルよりケン化率がほぼ100%であることが確認で
きた。得られた共重合体をジメチルスルホキシドに溶解
し、キャスト法によりITOガラス板上に製膜した。得
られたフィルムは薄い黄色を示し、ITOガラスと良好
な接着性を示した。得られたITOガラスを電解液(リ
チウムパークロレイト/プロピレンカーボネート 0.
1モル/リットル)中、白金電極を対極として+2Vで
ドーピングを行ったところ、重合体膜は赤色を示した。
電圧を反転し、−2Vで脱ドープを行ったところ、重合
体はもとの薄黄色に戻った。得られた重合体の可視紫外
スペクトルを測定したところ、図1のスペクトルと同様
のスペクトルであった。
【0023】実施例3 フラスコ中でマグネシウム0.405gと4−ブロモ−
4′−n−ペンチルビフェニル5.00gをテトラヒド
ロフラン20ml中でマグネシウムが消失するまで攪拌
した。得られた溶液を、4−クロロ−α−メチルスチレ
ン2.51g、ジクロロ−1,3−ビス(ジフェニルフ
ォスフィノプロパン) ニッケル(II)0.072gを
テトラヒドロフラン15mlに攪拌分散した溶液に約0
℃でゆっくりと滴下した。35℃で2.5時間、室温で
13時間攪拌した後、1N塩酸400mlに滴下し、更
に1時間攪拌して反応を停止した。水洗後、ろ過し、ジ
エチルエーテルで抽出し、目的物(発色基としてフェニ
レン三量体を持つビニルモノマー)を分離し、ポリマー
合成用のモノマーとした。得られたモノマー0.5g、
酢酸ビニルモノマー2.5gとアゾビスイソブチロニト
リル0.058gを4mlのトルエン中で90℃で35
時間攪拌し、重合を行った。重合物をヘキサン中で再沈
して精製し、ランダム共重合体を得た。精製したランダ
ム共重合体をトルエンに溶解し、キャスト法によってガ
ラス板上に製膜した。得られたフィルムは黄色みがかっ
た白色を示し、ガラスと良好な接着性を示した。このフ
ィルムをガラス板ごと濃硫酸中へ浸漬したところ、赤色
へ変化した。変色は可逆的で、アンモニア水中に浸漬し
たところ、元の状態に戻った。濃硫酸中への浸漬前後の
可視紫外スペクトルの変化を図2に示す。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明により得られる新
規共重合体は、極性の高い相溶性基モノマーと発色材と
して機能する発色基モノマーの共重合体であることか
ら、極性表面への接着性が高く、またイオン伝導性高分
子との親和性も高く、電極や高分子固体電解質との密着
性に優れ、強固な接着性を示す。従って、従来の発色・
変色材料のような膜の剥離やそれに伴なう発色・変色不
良といった欠陥を改善できる。また、該新規共重合体は
イオン伝導性を有し、かつ電気化学的酸化還元により固
有の発色・変色を示す発色基を有することから、イオン
伝導性発色材として機能し、優れた発色性を示す。この
ように、本発明に係る新規共重合体は、発色・変色性や
電極、高分子固体電解質との接着強度等に優れると共
に、溶媒に可溶であって、キャスト等の方法により大面
積への製膜が可能であり、エレクトロクロミック表示素
子の材料として極めて実用的かつ有利なものということ
ができる。従って、本発明に係る共重合体を用いること
により、発色・変色不良といった欠陥の無いエレクトロ
クロミック表示素子を生産性良くかつ安価に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で製造された発色・変色性共
重合体膜の濃硫酸中への浸漬前後の吸収スペクトルの変
化を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例3で製造された発色・変色性共
重合体膜の濃硫酸中への浸漬前後の吸収スペクトルの変
化を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1 【化1】 (式中、R1 は導電性を有し酸化または還元により発色
    もしくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基、
    2 、R3 はそれぞれ水素または炭素数1〜1000の
    アルキル基であり、Aは極性を有しイオンとの親和性を
    有する基、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体の重合
    度は10〜12,000の整数である。)で表される発
    色・変色性共重合体。
  2. 【請求項2】 下記化2 【化2】 (式中、R1 は導電性を有し酸化または還元により発色
    もしくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基、
    2 は水素または炭素数1〜1000のアルキル基であ
    る。)で表される化合物をまず重合し、その反応系に下
    記化3 【化3】 (式中、R3 は水素または炭素数1〜1000のアルキ
    ル基、Aは極性を有しイオンとの親和性を有する基であ
    る。)で表される化合物を添加し、さらに重合すること
    により下記化4 【化4】 (式中、R1 は導電性を有し酸化または還元により発色
    もしくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基、
    2 、R3 はそれぞれ水素または炭素数1〜1000の
    アルキル基であり、Aは極性を有しイオンとの親和性を
    有する基、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体の重合
    度は10〜12,000の整数である。)で表されるブ
    ロック共重合体を得ることを特徴とする発色・変色性共
    重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記化5 【化5】 (式中、R1 は導電性を有し酸化または還元により発色
    もしくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基、
    2 は水素または炭素数1〜1000のアルキル基であ
    る。)で表される化合物と、下記化6 【化6】 (式中、R3 は水素または炭素数1〜1000のアルキ
    ル基、Aは極性を有しイオンとの親和性を有する基であ
    る。)で表される化合物を混合し、重合することにより
    下記化7 【化7】 (式中、R1 は導電性を有し酸化または還元により発色
    もしくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基、
    2 、R3 はそれぞれ水素または炭素数1〜1000の
    アルキル基であり、Aは極性を有しイオンとの親和性を
    有する基、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体の重合
    度は10〜12,000の整数である。)で表されるラ
    ンダム共重合体を得ることを特徴とする発色・変色性共
    重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 下記化8 【化8】 (式中、R1 は導電性を有し酸化または還元により発色
    もしくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基、
    2 、R3 はそれぞれ水素または炭素数1〜1000の
    アルキル基であり、Aは極性を有しイオンとの親和性を
    有する基、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体の重合
    度は10〜12,000の整数である。)で表される共
    重合体を得る共重合において、Aで示される基をあらか
    じめエステル化ないしアミド化した後に重合し、さらに
    得られた重合物中のエステルないしアミドを加水分解す
    ることにより上記共重合体を得ることを特徴とする請求
    項2又は3に記載の発色・変色性共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 下記化9 【化9】 (式中、R1 は導電性を有し酸化または還元により発色
    もしくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基、
    2 、R3 はそれぞれ水素または炭素数1〜1000の
    アルキル基であり、Aは極性を有しイオンとの親和性を
    有する基、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体の重合
    度は10〜12,000の整数である。)で表される共
    重合体と支持電解質とを含有し、該共重合体の酸化又は
    還元により発色もしくは変色することを特徴とする発色
    ・変色材料。
  6. 【請求項6】 透明電極と、対向電極と、該透明電極と
    対向電極との間に介在されたエレクトロクロミック物質
    と支持電解質とからなるエレクトロクロミック表示素子
    において、前記エレクトロクロミック物質が下記化10 【化10】 (式中、R1 は導電性を有し酸化または還元により発色
    もしくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基、
    2 、R3 はそれぞれ水素または炭素数1〜1000の
    アルキル基であり、Aは極性を有しイオンとの親和性を
    有する基、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体の重合
    度は10〜12,000の整数である。)で表される共
    重合体であることを特徴とするエレクトロクロミック表
    示素子。
JP5263056A 1992-10-01 1993-09-28 新規共重合体、その製造方法及び該重合体よりなる発色・変色材料 Pending JPH06220146A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017207729A (ja) * 2016-05-11 2017-11-24 株式会社リコー エレクトロクロミック素子

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JP2017207729A (ja) * 2016-05-11 2017-11-24 株式会社リコー エレクトロクロミック素子

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