JPH06199935A - ポリビニルアルコール系共重合体、その製造方法及び該重合体よりなる発色・変色材料 - Google Patents

ポリビニルアルコール系共重合体、その製造方法及び該重合体よりなる発色・変色材料

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JPH06199935A
JPH06199935A JP5263058A JP26305893A JPH06199935A JP H06199935 A JPH06199935 A JP H06199935A JP 5263058 A JP5263058 A JP 5263058A JP 26305893 A JP26305893 A JP 26305893A JP H06199935 A JPH06199935 A JP H06199935A
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JP
Japan
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copolymer
formula
polymer
color
polyvinyl alcohol
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Application number
JP5263058A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Yamamoto
隆一 山本
Masaki Wakabayashi
雅樹 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YKK Corp
Original Assignee
YKK Corp
Yoshida Kogyo KK
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/12Hydrolysis

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶媒に可溶であってしかも極性を有し、さら
にエレクトロクロミズムを示す高分子物質、該物質の製
造方法並びに該物質を用いた発色・変色材料及びエレク
トロクロミック表示素子を安価に提供する。 【構成】 下記化1(式中、R1 は水素又は炭素数1〜
1000のアルキル基、R2 は導電性を有し酸化又は還
元により発色もしくは変色を示す重合体又は共重合体に
基づく基、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体の重合
度は10〜12,000の整数である。)で表されるポ
リビニルアルコール系共重合体は、エレクトロクロミズ
ムを示し、その酸化又は還元により発色又は変色する発
色・変色材料として有用である。該ポリビニルアルコー
ル系共重合体は、ブロック共重合体又はランダム共重合
体のいずれでもよい。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレクトロクロミズム
を示す新規な共重合体およびその製法に関する。本発明
はさらに、特にエレクトロクロミック表示素子における
使用に適するエレクトロクロミズムを用いた発色・変色
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミズムとは、例えば電圧
印加により、電極面あるいは電極近傍で起こる酸化還元
反応によって、可逆的に色や光透過度の変化を呈する現
象をいい、このようなエレクトロクロミズム現象を示す
エレクトロクロミック材料としては種々の材料が報告さ
れている。従来のエレクトロクロミズムを用いた発色材
としては、特公昭52−46098号公報に記載されて
いるような酸化タングステン等の金属酸化物を用いるも
の、特開昭51−146253号公報に記載のように溶
液状のビオロゲン等の有機低分子化合物を用いるもの、
特開昭56−67881号公報に記載のように主鎖に共
役二重結合を有する電気伝導性高分子を用いるものが知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のエレクトロ
クロミズムを用いた発色材のうち、金属酸化物は、特開
昭54−41756号公報に記載のように、スパッタリ
ング等の真空プロセスによって製造されており、大面積
へのコーティングが困難であるという問題があった。一
方、有機低分子化合物の場合は、これを用いてエレクト
ロクロミック表示素子を作成するに当たって、特開昭5
1−146253号公報に記載のように、電極板と透明
電極板との間に半透膜の隔膜を介在せしめ、透明電極板
と隔膜との間にビオロゲン等の有機低分子化合物と支持
電解質を含有する溶液を存在せしめる必要があり、エレ
クトロクロミック表示素子の構造が複雑になるという難
点があった。
【0004】また、主鎖に共役二重結合を有する電気伝
導性高分子は、特開昭60−188931号公報記載の
ように電解重合等により電極表面に直接重合されるが、
安価に大面積へコーティングすることは困難である。ま
た、主鎖に共役二重結合を有する電気伝導性高分子のう
ち、溶媒に可溶なものは一般に非極性であり、極性表面
である電極との密着性に劣っている。そのため強固な接
着を得ることができず、剥離等の問題を残していた。特
に主鎖に共役二重結合を有する電気伝導性高分子と高分
子固体電解質を用いた固体型エレクトロクロミック表示
素子を考えるとき、高分子固体電解質との接着性が問題
となる。接着不良箇所ではイオンの伝導が起こらず、発
色、変色時に欠陥部となる。接着が不十分な場合には、
発色、消色の繰り返し、温度変化等により、使用中に剥
離を生じ、この剥離部分が発色、変色時に欠陥部とな
る。
【0005】一方、本発明において示されるようなコポ
リマー化の試みとして、特開平4−108784号公報
に示される側鎖にチオフェンオリゴマーを持つポリマー
が開発されている。このポリマーにより溶解性に関して
は大きく改善されるが、ポリマーの極性は非極性であ
り、接着において問題を残している。
【0006】従って、本発明の目的は、前記したような
従来技術の問題を解決し、溶媒に可溶であって、しかも
極性を有し、電極、高分子固体電解質への接着性に優
れ、大面積へのコーティングが可能なエレクトロクロミ
ズムを示す高分子物質を提供することにある。本発明の
他の目的は、上記エレクトロクロミック高分子物質を製
造する方法を提供することにある。本発明のさらに他の
目的は、上記のように優れた性質を有するエレクトロク
ロミック高分子物質を用いた発色・変色材料、並びに膜
の剥離やそれに伴う発色・変色不良といった欠陥が無い
エレクトロクロミック表示素子を安価に提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記目
的を達成するために、下記化8
【化8】 (式中、R1 は水素または炭素数1〜1000のアルキ
ル基、R2 は導電性を有し酸化または還元により発色も
しくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基であ
り、L、Mはそれぞれ1以上の整数であり、全体の重合
度は10〜12,000の整数である。)の一般式
(1)で表されるポリビニルアルコール系共重合体が提
供される。
【0008】上記ポリビニルアルコール系共重合体は、
ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体で
あってもよい。ブロック共重合体は、下記化9
【化9】 (式中、R1 は水素または炭素数1〜1000のアルキ
ル基、R2 は導電性を有し酸化または還元により発色も
しくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基であ
る。)の一般式(2)で表される化合物(以下、発色基
モノマーと略称する)を重合した後に酢酸ビニルモノマ
ーを添加して共重合し、更に完全にケン化することによ
り得られる。一方、ランダム共重合体は、上記一般式
(2)で表される発色基モノマーと酢酸ビニルモノマー
を混合した後、共重合し、更に完全にケン化することに
より得られる。さらに本発明によれば、上記一般式
(1)で表される新規共重合体を含有し、該共重合体の
酸化又は還元により発色・消色(もしくは変色)する発
色・消色(もしくは変色)材料及び該発色・変色材料を
用いたエレクトロクロミック表示素子も提供される。
【0009】
【発明の作用及び態様】本発明により得られる発色表示
材料は、発色基モノマーとビニルアルコールの共重合体
から成ることを特徴とする。ポリビニルアルコールは高
分子固体電解質の基材として知られ、過塩素酸塩、テト
ラフルオロ硼酸塩、トルエンスルフォン酸塩、アルキル
ナフタレンスルフォン酸塩等を含有することができる。
ポリビニルアルコール中でイオン性の塩はアニオンとカ
チオンに解離し、電界をかけることにより解離イオンは
それぞれ陽極及び陰極の方向に泳動する。この様に、ポ
リビニルアルコール中ではイオンの移動が可能で、その
性質は本発明の新規共重合体にも引き継がれる。従っ
て、本発明の新規共重合体はイオン伝導性発色材とな
る。また、本発明に係るポリビニルアルコール系共重合
体は、ポリビニルアルコールの性質と、発色材である導
電性を有し酸化または還元により発色もしくは変色を示
す重合体の性質の両者の性質を有する。ポリビニルアル
コール部は極性高分子としての性質を有するため、極性
表面である電極表面に対して良好な濡れ性を示す。ま
た、電解質の基材にポリビニルアルコールを、発色材と
して本発明のポリビニルアルコール系共重合体を用いた
場合、電解質と発色材の接着は非常に良好である。
【0010】上記一般式(2)で表される発色基モノマ
ーにおいて、導電性を有し酸化または還元により発色も
しくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基R2
としては、芳香族共役系重合体(フェニレン重合体、ナ
フタレン重合体、アントラセン重合体、アズレン重合体
等)、複素環式共役系重合体(チオフェン重合体、アル
キルチオフェン重合体、セレノフェン重合体、ピロール
重合体、ピリジン重合体、フラン重合体等)、含ヘテロ
原子共役系重合体(アニリン重合体等)、側鎖にπ電子
共役系基(フェロセン、フタロシアニン等)を有するも
の、これらに側鎖としてアルキル基等を導入し変成した
もの(例えば、3−アルキルチオフェン重合体等)、こ
れらの端部(ビニル基結合位置と反対の位置)にアルキ
ル基を導入し変成したもの等が挙げられる。アルキル基
は上記重合体又は共重合体の骨格のビニル基との結合位
置以外の他の位置に導入できるが、このようにアルキル
基を導入することによって発色基モノマーの溶媒に対す
る溶解性が向上し、以後の処理が容易となる。これらの
化合物は電気化学的酸化還元によりそれぞれ固有の発
色、変色を示す。なお、上記重合体とはオリゴマーを含
む概念を意味する。
【0011】前記共重合体の重合は、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の溶媒中、開始剤として過酸化ベンゾイ
ル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ
化合物を用いることにより容易に行われる。まず、発色
基モノマーを重合し、次いで重合系内に酢酸ビニルモノ
マーを添加し、さらに重合を行うことによりブロック共
重合体を得ることができる。ランダム共重合体は、同様
に、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒中、開始剤
として過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾビスイソブ
チロニトリル等のアゾ化合物を用い、発色基モノマーと
酢酸ビニルモノマーをあらかじめ混合した後、重合を行
うことにより、両モノマーの反応性、選択性によるラン
ダム共重合体を得ることができる。ケン化は通常の方法
により、上記のようにして得られた共重合体をメタノー
ルに溶解し、水酸化ナトリウム溶液等のアルカリを加
え、攪拌することにより容易に行われる。
【0012】本発明のポリビニルアルコール系共重合体
の重合度は特に限定されるものでは無いが、反応の容易
さ、溶媒への溶解性、製膜後の膜強度を考慮して10〜
12,000が好適である。重合度が大きくなると、共
重合体の溶媒への溶解性が低下し、必然的に得られる溶
液の粘度が上昇するため、重合体溶液の基材への塗布が
困難になる。溶解性や塗布性に優れた共重合体を得ると
共に、エレクトロクロミック材料としての充分な膜強度
を確保するためには、重合度は好ましくは20〜150
0、特に好ましくは20〜250の範囲が望ましい。ま
た、該共重合体中に含まれる発色基モノマーの割合は特
に制限されるものでは無いが、モル比0.1〜30%が
望ましい。過剰の割合で発色基モノマーを含む場合に
は、接着性、膜強度を著しく損なうので好ましくない。
特に導電性を有し酸化または還元により発色もしくは変
色を示す重合体または共重合体に基づく基が大きい場合
にはこの不利益が大きくなる。しかしながら、導電性を
確保するためには発色基モノマーの比率ができるだけ高
いものが望ましく、低い場合には発色に要する時間が長
くなる。従って、発色基モノマーの比率は20〜30%
が最も好ましい。
【0013】なお、発色基モノマーの置換基R1 は水素
以外の場合には重合の際に架橋を生じないように飽和の
アルキル基である必要があるが、その大きさはモノマー
が溶媒に溶解できる程度であればよく、炭素数1〜10
00のアルキル基とすることができる。しかしながら、
発色基モノマーの側鎖のアルキル基の分子量が大きい場
合、その反応性が低下し、また得られるエレクトロクロ
ミック材料の発・消色に要する時間が長くなる。そのた
め、発色基モノマーの側鎖のアルキル基R1 は、炭素数
1〜50のものが好ましい。溶媒への充分な溶解性や工
業的使用において要求されるような適切な発・消色時間
を確保するためには、側鎖のアルキル基は炭素数1〜2
5のものが特に好ましい。
【0014】この様にして得られる本発明のポリビニル
アルコール系共重合体は、通常のポリビニルアルコール
の製膜と同様に、適当な溶媒に溶かして溶液、例えば
0.1〜5%濃度のジメチルスルホキシド溶液を調製
し、ガラス板上にキャストし、70℃前後の温度で10
時間程度の減圧乾燥を行うことにより製膜が可能であ
る。
【0015】周知のように、エレクトロクロミック表示
素子は、基本的には透明電極、対向電極、及びこれら両
電極間に介在されたエレクトロクロミック材料及び電解
液又は固体電解質から成る。エレクトロクロミック表示
素子を構成する際には、透明電極、対向電極としてIT
Oを用いることができる。対向電極が透明性を必要とし
ない場合には、金属、カーボン等通常の電気化学素子と
同様な電極を用いることができる。エレクトロクロミッ
ク材料の発色・変色を促進するための支持電解質として
は、イオン解離性の塩で、溶液ないしは固体電解質に良
好な溶解性を示し、発色基の発色を確保できる程度に電
子供与性を有するアニオンを含む塩であれば特に限定さ
れない。例えば、LiClO4 、KClO4 、NaCl
4 、LiBF4 、KBF4 、NaBF4 、LiAsF
6 、KAsF6 、NaAsF6 等が使用可能である。ま
た、固体電解質としては、ポリエチレンオキサイド、高
分子のポリエチレングリコール、ポリビニルアルコー
ル、プロピレンカーボネートのゲル化物等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0016】
【実施例】以下、実施例を示して本発明について具体的
に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるもので
ないことはもとよりである。 実施例1 特開平4−108784号に記載の方法に従い、発色基
としてチオフェンの三量体を有するビニルモノマーを合
成した後、該モノマー0.15gと酢酸ビニルモノマー
4.5gをベンゼン5mlに溶解し、攪拌混合した後、
アゾビスイソブチロニトリル0.01gを添加し、60
℃で48時間攪拌しながら重合を行った。得られた共重
合物を冷却後、減圧にてベンゼンを除去した。ベンゼン
を除去後、メタノール250mlに溶解し、40%水酸
化ナトリウム溶液6.3mlを加え、室温で24時間攪
拌を行ったところ白色沈殿物が得られた。沈殿物を洗浄
した後、ジメチルスルホキシドに溶解し、ITOガラス
上にキャストして製膜した。得られた膜は薄い黄色を示
し、ITOガラスと良好な接着性を示した。得られた電
極を電解液(リチウムパークロレート/プロピレンカー
ボネート 0.1モル/リットル)中、白金電極を対極
として+2Vでドーピングを行ったところ、重合体膜は
赤色を示した。電圧を反転し、−2Vで脱ドープを行っ
たところ、重合体はもとの薄黄色に戻った。ドープ、脱
ドープによる吸収スペクトルの変化を図1に示す。
【0017】実施例2 フラスコ中でマグネシウム0.405gと4−ブロモ−
4′−n−ペンチルビフェニル5.00gをテトラヒド
ロフラン20ml中でマグネシウムが消失するまで攪拌
した。得られた溶液を、4−クロロ−α−メチルスチレ
ン2.51g、ジクロロ−1,3−ビス(ジフェニルフ
ォスフィノプロパン) ニッケル(II)0.072gを
テトラヒドロフラン15mlに攪拌分散した溶液に、約
0℃でゆっくりと滴下した。35℃で2.5時間、室温
で13時間攪拌した後、1N塩酸400mlに滴下し、
更に1時間攪拌して反応を停止した。水洗後、ろ過し、
ジエチルエーテルで抽出し、目的物(発色基としてフェ
ニレン三量体を持つビニルモノマー)を分離し、ポリマ
ー合成用のモノマーとした。得られたモノマー0.5g
とアゾビスイソブチロニトリル0.058gを4mlの
トルエン中で90℃で20時間攪拌し、更に酢酸ビニル
モノマー2.5gを添加し、15時間重合を行った。重
合物をヘキサン中で再沈して精製し、ブロック共重合体
を得た。得られた共重合体をメタノール250mlに溶
解し、40%水酸化ナトリウム6mlを加え、室温で2
4時間攪拌を行った。これに等量の塩酸を加え、氷水中
に滴下した。沈殿物を洗浄した後、メタノールに溶解
し、キャスト法によってガラス板上に製膜した。得られ
たフィルムは黄色みがかった白色を示し、ガラスと良好
な接着性を示した。このフィルムをガラス板ごと濃硫酸
中へ浸漬したところ、赤色へ変化した。変色は可逆的
で、アンモニア水中に浸漬したところ、元の状態に戻っ
た。濃硫酸中への浸漬前後の可視紫外スペクトルの変化
を図2に示す。
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明のポリビニルアル
コール系共重合体は、極性の高いビニルアルコールと発
色基モノマーの共重合体から成るため、ポリビニルアル
コールの性質と、導電性を有し酸化または還元により発
色を示す重合体の発色材としての性質の両者の性質を有
する。ポリビニルアルコール部は極性高分子としての性
質を有するため、極性表面である電極表面に対して良好
な濡れ性を示し、またイオン伝導性高分子との親和性も
高く、電極や高分子固体電解質との密着性に優れ、強固
な接着性を示す。従って、従来の発色・変色材料のよう
な膜の剥離やそれに伴なう発色・変色不良といった欠陥
を改善できる。また、本発明の新規共重合体はイオン伝
導性を有し、かつ電気化学的酸化還元により固有の発色
・変色を示す発色基を有することから、イオン伝導性発
色材として機能し、優れた発色性を示す。このように、
本発明に係る新規共重合体は、発色・変色性や電極、高
分子固体電解質との接着強度等に優れると共に、溶媒に
可溶であって、キャスト等の方法により大面積への製膜
が可能であり、エレクトロクロミック表示素子の材料と
して極めて実用的かつ有利なものということができる。
従って、本発明に係る共重合体を用いることにより、発
色・変色不良といった欠陥の無いエレクトロクロミック
表示素子を生産性良くかつ安価に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で製造された発色・変色性共
重合体膜のドープ時、脱ドープ時の吸収スペクトルの変
化を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例2で製造された発色・変色性共
重合体膜の濃硫酸中への浸漬前後の吸収スペクトルの変
化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/15 7408−2K

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1 【化1】 (式中、R1 は水素または炭素数1〜1000のアルキ
    ル基、R2 は導電性を有し酸化または還元により発色も
    しくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基であ
    り、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体の重合度は1
    0〜12,000の整数である。)で表されるポリビニ
    ルアルコール系共重合体。
  2. 【請求項2】 下記化2 【化2】 (式中、R1 は水素または炭素数1〜1000のアルキ
    ル基、R2 は導電性を有し酸化または還元により発色も
    しくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基であ
    る。)で表される化合物を重合した後、さらに酢酸ビニ
    ルモノマーを添加して共重合し、その後完全にケン化す
    ることにより下記化3 【化3】 (式中、R1 は水素または炭素数1〜1000のアルキ
    ル基、R2 は導電性を有し酸化または還元により発色も
    しくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基であ
    り、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体の重合度は1
    0〜12,000の整数である。)で表されるポリビニ
    ルアルコール系ブロック共重合体を得ることを特徴とす
    るポリビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記化4 【化4】 (式中、R1 は水素または炭素数1〜1000のアルキ
    ル基、R2 は導電性を有し酸化または還元により発色も
    しくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基であ
    る。)で表される化合物と酢酸ビニルモノマーを混合
    し、重合した後、完全にケン化することにより下記化5 【化5】 (式中、R1 は水素または炭素数1〜1000のアルキ
    ル基、R2 は導電性を有し酸化または還元により発色も
    しくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基であ
    り、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体の重合度は1
    0〜12,000の整数である。)で表されるポリビニ
    ルアルコール系ランダム共重合体を得ることを特徴とす
    るポリビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 下記化6 【化6】 (式中、R1 は水素または炭素数1〜1000のアルキ
    ル基、R2 は導電性を有し酸化または還元により発色も
    しくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基であ
    り、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体の重合度は1
    0〜12,000の整数である。)で表されるポリビニ
    ルアルコール系共重合体と支持電解質とを含有し、該ポ
    リビニルアルコール系共重合体の酸化又は還元により発
    色もしくは変色することを特徴とする発色・変色材料。
  5. 【請求項5】 透明電極と、対向電極と、該透明電極と
    対向電極との間に介在されたエレクトロクロミック物質
    と支持電解質とからなるエレクトロクロミック表示素子
    において、前記エレクトロクロミック物質が下記化7 【化7】 (式中、R1 は水素または炭素数1〜1000のアルキ
    ル基、R2 は導電性を有し酸化または還元により発色も
    しくは変色を示す重合体または共重合体に基づく基であ
    り、L、Mはそれぞれ1以上の整数、全体の重合度は1
    0〜12,000の整数である。)で表されるポリビニ
    ルアルコール系共重合体であることを特徴とするエレク
    トロクロミック表示素子。
JP5263058A 1992-10-01 1993-09-28 ポリビニルアルコール系共重合体、その製造方法及び該重合体よりなる発色・変色材料 Pending JPH06199935A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1193827A (ja) * 1997-09-18 1999-04-06 Toshiba Corp 機能素子およびアクチュエータ
WO2008090774A1 (ja) * 2007-01-23 2008-07-31 Kuraray Co., Ltd. 高分子電解質膜及びその製法、並びに膜-電極接合体及び固体高分子型燃料電池
JP2009541524A (ja) * 2006-06-23 2009-11-26 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 発色性側基を有する非晶質ポリマー

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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