JPH06219844A - AlN焼結体およびその製造方法 - Google Patents

AlN焼結体およびその製造方法

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JPH06219844A
JPH06219844A JP50A JP1174093A JPH06219844A JP H06219844 A JPH06219844 A JP H06219844A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 1174093 A JP1174093 A JP 1174093A JP H06219844 A JPH06219844 A JP H06219844A
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Japan
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aln
sintered body
average
boundary phase
degreasing
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JP50A
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English (en)
Inventor
Tsunesuke Shioi
恒介 塩井
Toshikazu Moriguchi
敏和 森口
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高熱伝導率を維持し、耐熱疲労特性の優れた
AlN焼結体を提供する。 【構成】 AlN焼結体の粒界相の組織を特定のものに
制御するとともに、その組成をYAG相およびYAP相
にしたAlN焼結体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱疲労特性の優れた
高熱伝導性AlN焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体工業の急速な技術革新によ
り、IC,LSIをはじめとする大規模集積回路の高集
積化、高出力化は著しく、これに伴い、パッケージ当り
の発熱量は急激に増大し、基板材料の放熱性が重要視さ
れ、アルミナに替わる基板材料として熱伝導性に優れた
ベリリアが一部使用されているが、ベリリアは毒性が強
く、取り扱い等に難点がある。そのため、アルミナやベ
リリアに替わる基板材料としてAlNが注目を集めてい
る。
【0003】AlN焼結体の助剤をはじめとして焼結体
およびその製造方法については種々の先願があり、特に
最近では、高熱伝導性のAlN焼結体の製法、焼結体の
粒界相の組成および組織に関する出願が多い(特開昭6
2−52181、特開昭62−171964、特開平2
−38369等)。また、AlN焼結体の熱伝導率に及
ぼす微構造についてもいろいろ検討されている〔第24
回窯業基礎討論会要旨集P.175(1986),日本セ
ラミックス協会学術論文誌97〔12〕,1478(1
989)〕。また、日本セラミックス協会学術論文誌
〔9〕,41(1985)では、焼結助剤としてCa
(NO32を添加してなる焼結体において、焼結助剤成
分からなる粒界相が球状を呈することに関する知見が開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように最近開示
されたAlN焼結体は優れた熱伝導性を有するが、高出
力化、高集積化による発熱量が増大すると、耐熱サイク
ル特性等の耐熱疲労特性が難点となり、基板等の薄板に
亀裂が発生し、基板回路に支障をきたすという問題も出
てくる。そのため、耐熱サイクル特性を向上させる必要
があり、本発明はその特性を向上させることを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
解決すべく種々検討した結果、粒界相を含有するAlN
焼結体において、該焼結体切断面における粒界相の
(a)平均周長が0.1〜15μmで、(b)平均最小
径と平均最大径の比率が0.5〜1.0で、(c)平均
粒径とAlN粒の平均粒径の比率が0.5以下であり、
かつ該粒界相組成が3Y23・5Al23およびY23
・Al23からなることを特徴とするAlN焼結体を見
出し、その焼結体の造り方としてYの酸化物および/ま
たは炭酸塩の焼結助剤を酸化物Y23換算での焼結助剤
添加量をawt%、脱脂後における酸素含量調整剤および
AlN原料粉末中に含有される酸素量をbwt%、更に脱
脂後の成形体中に含有されている炭素量をcwt%とした
ときに 4.73b−6.30c>a>2.81b−3.75c を満足するように当該焼結助剤を、AlN原料粉末に混
合し、成形、焼結することを特徴とするAlN焼結体の
製造方法を見出した。
【0006】焼結助剤を用いたAlN焼結体の組織をみ
ると、「AlN(結晶)粒」を焼結助剤が酸化物として
固化した液相である「粒界相」が覆っているが、本発明
者はその粒界相の覆い方およびその粒界相の存在の状態
が、AlN焼結体の熱伝導率に影響を及ぼすとともに、
耐熱サイクル特性等の耐熱疲労特性にも関係しているこ
とを見出した。
【0007】これらを解析した結果、粒界相の形状、大
きさおよびその組成を限定することにより、AlN焼結
体の高熱伝導率を維持しつつ、耐熱疲労特性を向上する
ことができることが分かった。すなわち、AlN焼結体
において粒界相は小さく、球状で、かつその組成が3Y
23・5Al23(以下YAGと略記する)およびY2
3・Al23(以下YAPと略記する)であることが
分かった。
【0008】それを定量的に表わすとAlN焼結体の粒
界相の切断面における粒界相の平均周長が0.1〜15
μmで、平均最小径と平均最大径の比率が0.5〜1.0
で、平均粒径とAlN粒の平均粒径の比率が0.5以下
であり、かつその組成がYAGおよびYAPであること
によって高熱伝導率を維持しつつ、耐熱疲労特性が優れ
たAlN焼結体を得ることを本発明者は見出した。
【0009】AlN焼結体の粒界相の切断面における粒
界相の平均周長が15μmを超えるとAlN結晶との接
触面積が大きくなり過ぎ、粒界相に大きな亀裂を生じ易
く、焼結体の耐熱疲労特性が低下し、0.1μm未満で
は、熱伝導率が低下し好ましくない。また、粒界相の平
均最小径と平均最大径の比率が0.5未満であったり、
粒界相の平均粒径とAlN粒の平均粒径の比率が0.5
を超えると同様に粒界相に大きな亀裂を生じ易くAlN
焼結体の耐熱疲労特性が低下する。本発明では、AlN
焼結体の粒界相はAlN粒の粒界や三重点に球状に存在
し、粒界相の大きさおよびAlN粒と粒界相との接触面
積は非常に小さい。
【0010】次に本発明の焼結体の造り方につき工程順
に説明するが、焼結助剤の添加量および酸素含量調整剤
等の酸素量の関係の配合比率以外のことについては、す
なわちAlN微粉末原料、バインダー等、並びに原料混
合法、成形法、脱脂、焼結法のやり方やこれらの条件等
は従来、通常使用されるものであり、行なわれる方法、
条件で造ることができる。
【0011】主原料であるAlN微粉末は純度95%以
上の平均粒径が20μm以下、好ましくは5μm以下の
粒径を有し、金属不純物量としては500ppm以下のも
のが、また酸素含有量として4wt%以下のものが好まし
い。本発明として重要な役割を果たす焼結助剤としては
Yの酸化物および/または炭酸塩を使用するが、AlN
原料粉末、焼結助剤および酸素含量調整剤の総重量に対
し、Yの酸化物および/または炭酸塩の焼結助剤を酸化
物Y23換算での焼結助剤添加量をawt%、脱脂後にお
ける酸素含量調整剤およびAlN原料粉末中に含有され
る酸素量をbwt%、更に脱脂後の成形体中に含有されて
いる炭素量をcwt%としたときに 4.73b−6.30c>a>2.81b−3.75c を満足するように当該焼結助剤を、AlN原料粉末に混
合し、場合によっては上式を満足する範囲内で酸素含量
調整剤を混合する。ここでいう「脱脂後」の脱脂につい
ては後に詳説する。
【0012】本発明の焼結助剤の添加量は、上述の式を
まず満足することが重要であるが、AlN原料粉末、焼
結助剤および酸素含量調整剤の総重量に対し、2〜10
wt%添加することがより好ましく、更に好ましい範囲と
しては2〜7wt%である。2wt%未満では緻密な焼結体
を得るのに長時間を要し、10wt%を超えると熱伝導率
の低下をもたらす。
【0013】本発明における酸素含量調整剤とは、上記
の式に関係する酸素量を調整するために添加するもの
で、アルミニウムの酸化物であるアルミナAl23また
は酸窒化物等を用いる。上記の式を満足し、AlN原料
粉末中の酸素で足りればアルミナ等の酸素含量調整剤を
添加しなくてもよい。
【0014】また、焼結前の成形体中に炭素が含まれて
いると、AlN原料粉末に含有されている酸素と反応す
るので、本発明のためには焼結助剤の添加量を減らす
か、上記のアルミナ等の酸素含量調整剤の添加量が結果
として増えることになる。
【0015】AlN微粉末と焼結助剤との混合は、乾式
混合または有機溶媒を使用した湿式混合により行なう
が、後者の湿式混合の方がよく混合でき好ましい。混合
粉末に更に、パラフィンワックス、ポリビニルブチラー
ル、エチルセルロース等の有機バインダーを混合粉末に
対し、3〜15wt%、好ましくは5〜10wt%添加し
て、適当な成形手段、例えば乾式プレス法、ラバープレ
ス法、押出法、射出法、ドクターブレードシート成形法
等によって所定の形状に成形する。金型成形法では造粒
した粉を使用するのが一般である。また、AlN焼結基
板のときには、一般的には、ドクターブレード法にて成
形される。この場合には、有機溶剤、ポリエチレングリ
コール等の分散剤、ポリビニルブチラール等のバインダ
ーおよびブチルフタリルブチルグリコレート等の可塑剤
をAlN原料粉、焼結助剤に混合し、ドクターブレード
法にて薄生板(グリーンシート)を造るのが一般であ
る。
【0016】成形後、真空、N2、Arまたは大気中で
400〜700℃で0.1〜24時間にて脱脂処理を行
なう。本発明にて、添加する焼結助剤量を規定している
場合の「脱脂後にこの成形体中に含有されている炭素
量」とは、上記脱脂処理済の成形体を非酸化性雰囲気中
または真空雰囲気中で1300℃で2時間加熱された後
に成形体中に含有されているトータルカーボン量を本発
明では表わしているものとする。また、この炭素量は好
ましくは2wt%以下である。また、「脱脂後における酸
素含量調整剤およびAlN原料粉末中に含有される酸素
量」とは、AlN原料粉と酸素含量調整剤とを、まず真
空,N2,Arまたは大気中で400〜700℃で0.
1〜24時間で熱処理後、更に非酸化性雰囲気中または
真空雰囲気中で1300℃で2時間加熱処理したときに
両者内に含有されるトータル酸素量をいう。
【0017】脱脂後、1700〜2000℃で0.1〜
24時間にて、真空またはN2,Ar等の非酸化性ガス
の−500mmHg〜10kg/cm2の条件下で焼結する。上記
のようにして造られた本発明のAlN焼結体のAlN
(結晶)粒を覆っている粒界相は、粒界や三重点に球状
に存在し、粒界相の大きさおよびAlN粒と粒界相との
接触面積は非常に小さい。
【0018】また、本発明のAlN焼結体の焼結助剤成
分を含有する粒界相は、ガーネット型結晶構造を有する
YAGおよびペロブスカイト型結晶構造を有するYAP
からなる。これらの量比を粉末X線回折(Cu Kα;
40kV、20mA;スキャンスピード1deg/min)のピーク
比で見ると、YAG相、面指数(532)の回折角2θ
=46.6°の回折ピーク高さをI(YAG)と、YA
P相、面指数(121)の回折角2θ=34.3°の回
折ピーク高さをI(YAP)とすると、 0.1<I(YAG)/I(YAP)<3 の範囲が好ましく、この場合には焼結助剤の添加量awt
%の好ましい範囲は、 4.31b−5.75c>a>2.88b−3.83c である。これらの式中のa,b,cは前述の定義と同じ
ものである。YAG相とYAP相は、酸化イットリウム
等の焼結助剤添加量に対する窒化アルミニウム原料粉末
に含まれる酸素量が多いときにYAG相が増え、YAP
相が減少し、逆の場合にはYAG相が減少し、YAP相
が増大する傾向がある。
【0019】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。 実施例1 まず、焼結に使用するAlN原料粉末について本発明で
定義する脱脂後の含有酸素量および成形体中の含有炭素
量を求めた。すなわち、Al直接窒化法による市販のA
lN原料粉末(酸素含有量1.1wt%、平均粒径1.5
μm、Fe60ppm、Si100ppm、Mg<30ppm)1
00重量部に成形用バインダーとしてポリプロピレング
リコール1重量部とポリビニルブチラール5重量部、可
塑剤としてジブチルフタレート5重量部、溶剤としてブ
タノール27重量部を加え、ナイロン製ボールミルポッ
トで48時間混合し、スラリーを調整した。このスラリ
ーを真空脱泡した後、ドクターブレード法にてシート成
形し乾燥した。そして、厚さ0.75mmで得られたシー
トを30mm角の形状に打ち抜き、大気中で550℃にて
6時間の条件で脱脂した。この脱脂体を更に窒素中にて
1300℃で2時間の条件で加熱処理した。この加熱処
理成形体の含有酸素量と含有炭素量を測定したところ、
それぞれ1.4wt%,0.04wt%であった。この場
合、酸素含有調整剤は含まれておらず、また、AlN原
料粉末以外のポリプロピレングリコール等は1300℃
では酸素は残らないことを確認しているため、上記の脱
脂後の成形体中の含有酸素量の値はそのまま、本発明で
定義する脱脂後における酸素含有調整剤(実施例1では
無添加)およびAlN原料粉末中に含有される酸素量b
wt%に相当する。
【0020】次に、上記と同じAlN原料粉末にY2
3(日本イットリウム社製微粉末製品、純度99.9%、
平均粒径0.4μm)粉5wt%を加えた混合粉末100重
量部に、前述と全く同じ成形用バインダー、可塑剤およ
び溶剤をそれぞれについて前述と同一量加えて、同様な
方法にて厚さ0.75mmのグリーンシートを造った。得
られたシートを30mm角のサイズに打ち抜き、大気中に
て550℃で6時間の条件で脱脂した。脱脂後、窒化ホ
ウ素微粉末を塗布した該脱脂体を10枚積み重ね、窒化
ホウ素製容器に収納して、真空焼結炉内で大気圧の窒素
気流(N2ガス流量100リットル/hr)中1830℃で1
6時間の条件で焼結した。得られた焼結体の組織等を観
察するために、焼結体を切断し、切断面を研磨し、SE
Mおよび画像解析装置にて、焼結体の粒界相の「平均周
長」、「平均最小径と平均最大径の比率」および「粒界
相の平均粒径とAlN粒の平均粒径の比率」を求めた。
【0021】粒界相の「平均最小径と平均最大径の比
率」が0.5より小さい、すなわち粒界相の形状が球状
になっていないことが分り、再度大気圧の窒素気流中、
1825℃で16時間焼結した。得られた焼結体の組織
を同様な方法で評価した結果を表1に示す。また、当該
焼結体をそれぞれ微粉砕し、粉末X線回折用試料とな
し、I(YAG)/I(YAP)値の測定を行なった。
この際の測定の装置は理学電機社製ガイガーフレックス
RAD−2B、測定条件の主なものは次の通りの条件で
ある。 ターゲット Cu Kα 電圧、電流 40kV、20mA スキャンスピード 1deg/min スリット 1−0.3−1
【0022】次に、当該焼結体の表面を湿式ブラスト処
理して、表面に析出していた焼結助剤を除去した。ブラ
スト処理には、#320の炭化ケイ素砥粒を使用した。
表面をブラスト処理した焼結体を用い、下記の方法で図
1の寸法にて銅張り基板を作製し、耐熱疲労特性を測定
した。銅張りの接合材料としては、粒径が5〜20μm
のCu粉末84.5重量部、粒径が5〜10μmのAg粉
末14重量部、粒径が5〜10μmのTi粉末1.5重
量部を混合した金属粉末85wt%に、テキサノール中に
バインダーとしてエチルセルロース12%を配合したビ
ーグル15wt%を混練し、ペースト状としたものを準備
した。このペースト状接合材料を窒化アルミニウム焼結
体にスクリーン印刷法を利用して35μmの厚さに塗布
した。この際、回路側はパターン部分にのみ、ヒートシ
ンク側はヒートシンク部全面に、それぞれ塗布した。次
に、塗布した窒化アルミニウム焼結体を600℃で5
分、30分プロファイルで乾燥し脱脂して、銅板を重ね
合わせて850℃で5分加熱して接合した。次に、回路
パターン側の銅板表面にレジストを塗布した。レジスト
は、パターンとなる部分の周囲より200μm大きくな
るように、スクリーン印刷法により塗布した。また、ヒ
ートシンク側の銅板には全面にわたってレジストを塗布
した。
【0023】レジスト塗布後、温度39℃の塩化第二鉄
溶液をスプレー噴霧し、レジストを塗布しない不要銅板
部分を除去し、水洗し乾燥して銅張り基板を得た。そし
て、銅張り基板の耐熱疲労特性を評価した。耐熱疲労特
性評価試験は、窒素中で室温から400℃まで10分で
昇温し、400℃で5分間保持して、再度室温に戻す加
熱冷却方法を用いた。そして、焼結体にクラックが発生
するまでのサイクル数を調べた。その結果、耐熱疲労特
性が従来になく極めて優れていることが分かった(耐熱
疲労特性評価結果は表1に示す)。更に、焼結体の開気
孔を水で3時間煮沸し、その飽水重量より求め、表1に
併記した。また、熱伝導率は熱サイクルテストに用いた
焼結体につき、レーザーフラッシュ法により求め、表1
に併記した。
【0024】実施例2 実施例1と同じAlN原料粉末を純度99.9%の15
〜20mmφのアルミナボールにて水溶媒湿式ボールミル
粉砕し、平均粒径1.1μmまで粉砕したAlN原料粉末
を使用した。この場合、脱脂後の酸素含量b値はAl2
3も混入したためか1.8wt%であった。この点とY2
3添加量が6wt%である点と焼結温度が1820℃
(保持時間は同じ16時間)であることを除いては、実
施例1と全く同じ条件等で焼結体を得た。その後の焼結
体組織等の結果、I(YAG)/I(YAP)値、耐熱
疲労特性等を求め、表1に示した。
【0025】実施例3 未粉砕のAlN原料粉末で酸素含有量が2.5wt%で、
脱脂後のb値も2.5wt%であるAlN原料粉末(他の
平均粒径、不純物量も実施例1の原料と同一)を用いた
こととY23添加量が6.2wt%である点と焼結前の脱
脂条件が真空(1×10-1Torr)にて680℃で2時間
である点および焼結温度が1825℃(時間は16時間
で同じ)である点を除いて他の条件等は実施例1と全く
同じで処理して焼結体を得た。該焼結体の特性等を表1
に示す。
【0026】実施例4 Y23添加量を5.8wt%にしたこと以外は実施例3と
全く同じ処理にて焼結体を造り、表1に示す特性等の結
果を得た。
【0027】実施例5 未粉砕AlN原料粉末で酸素含有量が1.6wt%で、脱
脂後のb値も1.6wt%である点とY23添加量が3.
3wt%である点を除けばその他は実施例3と全く同じに
て焼結体を造り、表1に示す結果を得た。
【0028】実施例6 還元窒化法による市販のAlN原料粉末(酸素含有量1.
1wt%、平均粒径1.4μm、Fe60ppm、Si30pp
m、Mg<5ppm)で脱脂後のb値も1.1wt%であるA
lN原料粉末を使用し、Y23添加量が3.0wt%で、
焼結条件を窒素中で1825℃で16時間後、更に窒素
中1805℃で16時間焼結したこと以外は実施例3と
全く同様にし、焼結体を造り、表1の結果を得た。18
25℃で16時間の焼結段階では焼結体は粒界相の平均
最小径と平均最大径の比率が0.2以下、すなわち形状
が球状となっていないものと球状のものとが混じり合っ
ていた。
【0029】実施例7 Y23添加量を8.7wt%としたこと以外、実施例3と
同様に焼結体を作製し、銅板を接合して基板を得た。そ
して、実施例1と同様に基板の耐熱疲労特性を評価し
た。その結果、耐熱疲労特性も従来になく極めて優れて
いることが分かった(耐熱疲労特性評価結果は表1に示
す)。 実施例8 Y23添加量を4.3wt%としたこと以外、実施例5と
同様に焼結体を作製し、銅板を接合して銅張り基板を得
た。そして、実施例1と同様に基板の耐熱疲労特性を評
価した。その結果、耐熱疲労特性も従来になく極めて優
れていることが分かった(耐熱疲労特性評価結果は表1
に示す)。 実施例9 Y23添加量を5.5wt%としたこと以外、実施例1と
同様に焼結体を作製し、銅板を接合して銅張り基板を得
た。そして、実施例1と同様に基板の耐熱疲労特性を評
価した。その結果、耐熱疲労特性も従来になく極めて優
れていることが分かった(耐熱疲労特性評価結果は表1
に示す)。
【0030】実施例10 Y23添加量を5.3wt%としたこと以外、実施例3と
同様に焼結体を作製し、銅板を接合して銅張り基板を得
た。そして、実施例1と同様に基板の耐熱疲労特性を評
価した。その結果、耐熱疲労特性も従来になく極めて優
れていることが分かった(耐熱疲労特性評価結果は表1
に示す)。 実施例11 Y23添加量を8.5wt%としたこと以外、実施例3と
同様に焼結体を作製し、銅板を接合して銅張り基板を得
た。そして、実施例1と同様に基板の耐熱疲労特性を評
価した。その結果、耐熱疲労特性も従来になく極めて優
れていることが分かった(耐熱疲労特性評価結果は表1
に示す)。
【0031】実施例12 実施例1と同一の窒化アルミニウム粉99.15wt%に
酸素調整剤として高純度アルミナ粉末(昭和電工製 純
度99.9%)0.85wt%を添加した。この場合、脱
脂後におけるbおよびcの値は、それぞれ、1.8wt
%,0.05wt%であった。上記の酸素調整剤を添加し
た窒化アルミニウム粉末に対してY236wt%を加え、
実施例2と同様に成形、脱脂、焼結し、本発明の目的と
する焼結体を得た。得られた焼結体表面の析出助剤相を
除去し、実施例1と同様に銅張り基板の耐熱疲労特性を
評価した。その結果、耐熱疲労特性が表1に示すように
従来になく優れていることが分かった。
【0032】比較例1 実施例6においてY23添加量を4.5wt%とし、焼結
温度を1805℃である点を除けば実施例6と全く同じ
条件で焼結体を造り、表1に示す結果を得た。 比較例2 Y23添加量を9.0wt%としたこと以外、実施例3と
同様に焼結体を作製した。次に、焼結体表面の析出助剤
相を除去した後、実施例1と同一のペースト状接合材料
を使用して銅板を接合し、銅張り基板を得た。そして、
実施例1と同様に基板の耐熱疲労特性を評価した。その
結果、加熱冷却サイクル1回目で焼結体にクラックが発
生し耐熱疲労特性に劣ることが分かった(耐熱疲労特性
評価結果は表1に示す)。
【0033】比較例3 Y23添加量を9.5wt%としたこと以外、実施例3と
同様に焼結体を作製した。次に、焼結体表面の析出助剤
相を除去した後、実施例1と同一のペースト状接合材料
を使用して銅板を接合し、銅張り基板を得た。そして、
実施例1と同様に基板の耐熱疲労特性を評価した。その
結果、加熱冷却サイクル3回目で焼結体にクラックが発
生し耐熱疲労特性に劣ることが分かった(耐熱疲労特性
評価結果は表1に示す)。 比較例4 Y23添加量を4.0wt%としたこと、および焼結温度
を1850℃×16Hrとしたこと以外、実施例3と同様
に焼結体を作製した。次に、焼結体表面の析出助剤相を
除去した後、実施例1と同一のペースト状接合材料を使
用して銅板を接合し、銅張り基板を得た。そして、実施
例1と同様に基板の耐熱疲労特性を評価した。その結
果、加熱冷却サイクル3回目で焼結体にクラックが発生
し耐熱疲労特性に劣ることが分かった(耐熱疲労特性評
価結果は表1に示す)。
【0034】上記のいろいろな結果より分かるように実
施例で得られたように高熱伝導率を維持し、熱サイクル
テストにて良結果を得たものは比較例では得られなかっ
た。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明により従来にないAlN焼結体す
なわち、高熱伝導率を維持し、かつ、耐熱サイクル特性
の優れたAlN焼結体が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐熱疲労特性試験に使用した銅板張りAlN焼
結体試料の平面図である。(A)が表面、(B)が裏面
である。
【符号の説明】
1 AlN焼結体 2 銅板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒界相を含有するAlN焼結体におい
    て、該焼結体切断面における粒界相の (a)平均周長が0.1〜15μmで、 (b)平均最小径と平均最大径の比率が0.5〜1.0
    で、 (c)平均粒径とAlN粒の平均粒径の比率が0.5以
    下であり、かつ該粒界相組成が3Y23・5Al23
    よびY23・Al23からなることを特徴とするAlN
    焼結体。
  2. 【請求項2】 Yの酸化物および/または炭酸塩の焼結
    助剤を酸化物Y23換算での焼結助剤添加量をawt%、
    脱脂後における酸素含量調整剤およびAlN原料粉末中
    に含有される酸素量をbwt%、更に脱脂後の成形体中に
    含有されている炭素量をcwt%としたときに 4.73b−6.30c>a>2.81b−3.75c を満足するように当該焼結助剤を、AlN原料粉末に混
    合し、成形、焼結することを特徴とするAlN焼結体の
    製造方法。
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