JPH10194839A - 窒化アルミニウム焼結体及びそれを用いた回路基板 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体及びそれを用いた回路基板

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JPH10194839A
JPH10194839A JP9005341A JP534197A JPH10194839A JP H10194839 A JPH10194839 A JP H10194839A JP 9005341 A JP9005341 A JP 9005341A JP 534197 A JP534197 A JP 534197A JP H10194839 A JPH10194839 A JP H10194839A
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aluminum nitride
aln
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nitride sintered
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Toichi Takagi
東一 高城
Hideki Hirorutsu
秀樹 広留津
Ryuichi Terasaki
隆一 寺崎
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高強度の窒化アルミニウム焼結体及びそれを用
いて高信頼性の回路基板を提供すること。 【解決手段】任意の断面において、窒化アルミニウム粒
子の平均粒子径が1μm以上4μm以下であり、しかも
窒化アルミニウム粒子間の三重点における結合相の80
%以上が正の曲率の形状であることを特徴とする窒化ア
ルミニウム焼結体及びそれを用いた回路基板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絶縁放熱に適した高強
度、高信頼性の窒化アルミニウム焼結体及びそれを用い
たパワーモジュール等の回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の小型化に伴ない、単位面積
当りの消費電力は急増しており、回路設計者は放熱対策
に苦慮している。特に、イグナイターや溶接用電源等に
使用されるパワートランジスタ、パワーダイオード等の
パワー素子の発熱は大きく、従来のアルミナメタライズ
基板では、素子能力に余力を持たせた領域での使用に限
定されていた。このようなことから、高熱伝導性の窒化
アルミニウムが注目を集めている。この窒化アルミニウ
ムは、電気的特性が現在一般に使用されているアルミナ
基板のそれと同等で、熱伝導率は5〜13倍、熱膨張係
数がSiに近いという特長を備えている。
【0003】このSiに近い熱膨張係数は、大型のSi
素子の直接搭載を可能にする反面、冷熱サイクルによる
熱応力によって基板にクラックを生じるという問題があ
る。これは、窒化アルミニウムとヒートシンク材あるい
は、ヒートスプレッダを用いる場合は窒化アルミニウム
とヒートスプレッダ材との熱膨張差に起因するものであ
る。
【0004】パワー素子を搭載する場合の従来の方法
は、アルミナのメタライズ基板を銅製またはアルミニウ
ム製のヒートシンクにはんだ付けした後、必要に応じて
Cu製のヒートスプレッダ、さらに銅製のヒートスプレ
ッダを使用した場合はMo箔を介してパワー素子をはん
だ付けするといった手順で行われる。このような構造
を、窒化アルミニウムのメタライズ基板に適用した場
合、ヒートスプレッダーと窒化アルミニウム間の膨張差
に起因する熱応力によって、窒化アルミニウム基板にワ
レが発生し、絶縁不良を生じ、部品の破壊となる。
【0005】このクラック発生に対して様々な提案がな
されてきた。例えば構造形状的な方法として特開平4−
182367号公報では、回路コーナーに0.5から2
0mmの曲率を設ける方法、又、特公平3−51119
号公報では金属板をセラミックスの板厚より薄くする方
法が提案されている。セラミックス基板自身の強度を向
上し、信頼性を高める方法としては特開平4−1057
1号公報では、焼結助剤にY2O3を用い、焼結時の線収
縮速度を特定することにより、強度の向上を図ってい
る。しかし、以上のような提案にも拘わらず、素子の発
熱量の増大に対し、更に信頼性のある回路基板の開発が
望まれていた。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、上記状況に
鑑みてなされたもので、高強度でクラックの発生がな
く、放熱性に優れ、ヒートサイクル性に優れた信頼性の
高い絶縁放熱板となる窒化アルミニウム焼結体及びそれ
を用いた回路基板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため、窒化アルミニウム焼結体の微構造、特に
結晶粒径と結合相の形状に着目し、機械的特性との関係
を種々検討し、粒界層の3重点の結合相の形状が正の曲
率を持ち、かつ孤立した状態である焼結体は高強度であ
るばかりでなく、それを用い回路基板はヒートサイクル
性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、任意の断面におい
て、窒化アルミニウム粒子の平均粒子径が1μm以上4
μm以下であり、しかも窒化アルミニウム粒子間の三重
点における結合相の80%以上が正の曲率の形状で、か
つ孤立した状態である窒化アルミニウム焼結体である。
【0009】また、イットリウムとアルミニウムを結合
相に含有する上記の窒化アルミニウム焼結体である。
【0010】さらに、上記の窒化アルミニウム焼結体を
用いてなる回路基板である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の窒化アルミニウム焼結体
の製造方法としては常圧焼結が適用できる。これは窒化
アルミニウムに焼結助剤、有機バインダー、更に必要に
応じて溶剤、可塑剤、分散材等を添加して十分混合した
後、グリーン成形、焼結の工程を経て得ることができ
る。後加工が不要で、量産性に優れており、工業規模で
の生産に適している。
【0012】使用する窒化アルミニウム粉末は本発明の
微構造の特徴を有する窒化アルミニウム焼結体が得られ
るものであれば特に制約されるものではなく、また如何
なる製造履歴のもの、例えば、金属Alを直接窒化して
得た粉末、アルミナの還元窒化によって得られた粉末、
気相法で得た粉末等の使用が可能である。本発明では窒
化アルミニウム焼結体の窒化アルミニウム粒子の平均粒
子径が1μm以上4μm以下を満たすことが必要である
が、このような粒径を得るには窒化アルミニウム原料粉
末の粒径が1〜3μmと細かく、粒度分布の均一な粉末
が適切である。
【0013】また、焼結助剤の種類としても本発明の微
構造を得られるものであれば特に制限はない。具体例と
して、希土類化合物、アルカリ土類化合物、IIIa族化合
物およびこれらを組み合わせたものがある。これらのう
ち、特にイットリウム成分を含むものは結合相の性質を
制御し結合相の曲率を正にしやすいため好ましい。
【0014】次に、有機バインダーとしては一般的なセ
ラミック用の有機バインダーを使用することができる。
例えば、グリーン成形をドクターブレード法で行う場合
はポリビニルブチラール、アクリル系樹脂等が一般的で
あり、プレス成形法で行う場合は、PVA、CMC、エ
チルセルロース等の使用が一般的であろう。ドクターブ
レード法の場合は溶剤、可塑剤、解膠剤を使用するがこ
れも何等制約をうけるものではない。
【0015】本発明において焼結条件は重要である。焼
結温度及び時間は相対密度97%以上となる条件でか
つ、粒成長を起こさない条件であることが重要である。
温度としては1870℃程度以下のできる限り低温が好
ましい。また、時間としては粒成長を起こさないために
はできる限り短時間が好ましいが、炉の構造の違いによ
る試料への熱伝達効率の違いなどもあり、一概に言えな
いが、0.5〜2時間程度が好ましい。また、昇温速度
と降温速度も重要である。昇温速度、特に液相が生成す
る温度付近の1630〜1700℃の昇温速度は速い方
が好ましい。これは液相が焼結体内で均一に同時に生成
することが好ましいためである。また、液相が固化する
までの降温速度も結合相の移動を起こしにくくするため
に速い方が好ましい。降温速度は炉の熱容量や冷却構造
に左右されるものであり、例えば1700℃以下となる
までは毎分5℃以上の降温速度が好ましい。
【0016】また、一般に窒化アルミニウム焼結体を製
造する方法としてホットプレス法が知られている。これ
は窒化アルミニウム粉末単独または窒化アルミニウムと
焼結助剤との混合粉末をBNなどでライニングした黒鉛
容器内に充填し、不活性雰囲気下、高温、高圧で、緻密
な焼結体を得る方法である。このあと、機械加工で基板
状に加工され実用に供される。このホットプレスによる
焼結法は高価で量産性に乏しいため、工業的規模での生
産には不適である。また、ホットプレス法では結合相の
形状制御が難しく本発明の微構造を有する窒化アルミニ
ウム焼結体を得るのに適さない。
【0017】このようにして本発明の、任意の断面にお
いて、窒化アルミニウム粒子の平均粒子径が1μm以上
4μm以下であり、しかも窒化アルミニウム粒子間の三
重点における結合相の80%以上が正の曲率の形状で、
かつ孤立した状態であることを特徴とする窒化アルミニ
ウム焼結体を得る。ここで窒化アルミニウム粒子の平均
粒子径が1μm未満の場合には結合相の形状が正の曲率
を達成しにくく好ましくなく、一方、4μmを越える場
合には強度などの特性が低下するため好ましくない。
【0018】また、窒化アルミニウム粒子間の三重点に
おける結合相の80%以上が正の曲率の形状であること
が重要である。図1にこの形状について説明するための
概念図を示した。また、正の曲率の結合相の割合が80
%未満では窒化アルミニウム焼結体の強度が低く好まし
くないだけでなく、その窒化アルミニウム焼結体を用い
て製造される回路基板のヒートサイクル性などの信頼性
が低下するので好ましくない。さらに、三重点における
結合相は孤立した状態であることが重要である。孤立し
た状態とは三重点の結合相同士が窒化アルミニウム粒子
の稜線を介して実質的に連結していない状態を意味す
る。孤立していない場合には、窒化アルミニウム焼結体
の強度が低く好ましくないだけでなく、その窒化アルミ
ニウム焼結体を用いて製造される回路基板のヒートサイ
クル性などの信頼性が低下するので好ましくない。
【0019】ここで結晶粒径及び粒界の評価方法につい
て説明すると、結晶粒子径は任意の断面(破断面)の窒
化アルミニウム粒子の平均粒子径を測定する。ここで平
均粒子径はSEM(走査型電子顕微鏡)を用い倍率30
00倍以上の観察で観察される粒子の数とそれらの粒子
の占有面積の関係から円相当径として算出した。ここで
補正係数は1とした。なお、観察する粒子数は200個
以上となるようにし、観察画面端部で粒子が切れている
場合にはカウントせず、占有面積にも含めなかった。
【0020】粒界相、特に三重点の形状については、焼
結体試片を温度80℃の水酸化ナトリウム水溶液中に数
十分〜数時間浸漬して窒化アルミニウム焼結体中の窒化
アルミニウム粒子のみを振動を与えないようにして、注
意深く溶解除去した。結晶粒界が連結している場合は、
三次元網目状に取り出すことができ、また連結していな
いで三重点が孤立していると、溶解残留物は粒子状であ
る。その形状をSEMで観察し、正の曲率をもつもの
(かつ孤立した状態)の割合(P%とする)を評価す
る。この粒子状の残留物はその形状から上記破断面のS
EM観察で見られた三重点の結合相に対応していると判
断した。すなわち、破断面では三重点の結合相の形状を
立体的に把握することが容易でなく、かつ統計的データ
を取ることが難しいために溶解法による評価を適用した
ものである。なお、観察する結合相の個数は100個以
上とした。
【0021】つぎに本発明の窒化アルミニウム焼結体を
セラミックス基板として用いて回路基板を製造する方法
について説明する。回路基板を製造するために銅板など
の金属板を接合するわけであるが、これにも2つの方法
が考えられる。ひとつは、活性金属ろう材を用いた接合
法であり、他法はDBCによる方法である。
【0022】活性金属法による接合の場合は、セラミッ
クス基板表面にペースト状の活性金属ろう材を塗布した
後、金属板を接触配置するか、活性金属ろう箔を挟んで
金属板を接触配置するかして、真空中で接合処理する。
【0023】ここで、使用する活性金属ろう材は、半導
体部品組立時に使用するはんだの融点以上のものであれ
ば、特に限定されるものではないが、金属板として銅を
用いる場合には、銀−銅の共晶を利用した活性金属ろう
材が最も一般的である。活性金属種としては、Ti、Z
r、Hfが実績があり、好ましいといえる。勿論、接合
温度までに、元素状金属或いは、他金属との合金となっ
て、活性金属として作用するこれら、Ti、Zr,Hf
の化合物も使用できる。
【0024】セラミック基板に接合する金属板(回路
板、放熱板)について、その材質は、銅、ニッケル、ア
ルミニウム、モリブデン、タングステン等の金属もしく
は合金が用いられる。金属回路又は金属放熱板の厚さは
0.1〜2.0mmが通常使われている。
【0025】接合処理は、10-4torr以下の真空
中、ろう材の融点以上の温度で行われるが、一般的な条
件、すなわちろう材の融点の50℃程度上の温度を選択
するのが無難である。
【0026】目的形状の回路パターンを得る方法は、種
々知られている。フルエッチ法は、ベタ金属板の接合体
から化学エッチング等の方法で不要な金属板部分とろう
材を溶解除去して、目的形状のパターンとする方法であ
る。また、目的のパターンに合わせて接合したい部分に
のみ活性ろう材を配置し、予め、パターニングした金属
板を接合する搭載法や接合したい部分にのみ活性ろう材
を配置し、ベタ金属板を接合、化学エッチングで金属板
を溶解し目的形状とする方法などがある。さらに必要に
応じてメッキ等の処理を施して最終製品とする。
【0027】もうひとつの接合法であるDBCによる接
合の場合は、予め窒化アルミニウム基板の表面を、酸化
処理した後、タフピッチ銅などの、やや酸素を含む銅板
を窒化アルミニウム焼結体に接触配置し、1063〜1
080℃、微量の酸素を含む窒素気流中で接合処理され
る。
【0028】銅板の回路化は、接合時に最終形状の銅板
を使用するか、ベタ銅板を接合した後、エッチング処理
を施し、最終形状とする。また、必要に応じて、パター
ニング後、メッキ処理を施すこともある。
【0029】
【実施例】
実施例1〜5 粒径3.2μm以下の粉末からなり、平均粒径1.3μ
mの窒化アルミニウム粉末97重量部と焼結助剤として
平均粒径0.8μmの酸化イットリウム粉末3重量部の
合計100重量部に対し、有機結合剤としてポリビニル
ブチラール6重量部、可塑剤としてブチルフタレート3
重量部、分散剤としてグリセリントリオレート1重量部
及び溶剤としてキシレン60重量部をナイロンポットに
て24時間混合してスラリーを作製した。得られたスラ
リーを真空脱泡して粘度調整したのちドクターブレード
法によりPETフィルム上に広げ、風乾後、120℃で
3時間乾燥して所定の厚みをもつグリーンシートを60
mm×35mmの大きさに打ち抜き、25枚を重ねてタ
ングステンの重しを載せ、空気中500℃で1時間加熱
して有機物成分を除去した。このような25枚の積層体
を5つ用意し、真空中1000℃で1時間保持した後、
窒素雰囲気とし、昇温速度200℃/時間で昇温し、そ
れぞれ設定温度1850〜1870℃で1〜2時間の5
種の条件で焼成した。この際、1600℃までの降温速
度を毎分10℃とした。なお、積層体の各層の間には焼
結体の固着を防ぐために離型用BN粉末を塗布し、BN
製の焼成容器中で焼成した。得られた焼結体の表面をブ
ラスト処理した。焼結体の厚みは0.63mmであっ
た。
【0030】これらの焼結体をJIS規格に準じてスパ
ン30mmで3点曲げ強さを測定した。これらの結果を
表1に示す。曲げ試片の破断面をSEMで観察し結晶粒
子径を測定した。更に試片の一部をアルカリ溶解法で窒
化アルミニウムを除去した後3重点の曲率及び孤立の状
態を評価した。この結合相の構成成分をEDS(エネル
ギー分散型エックス線分光法)で分析したところ、イッ
トリウムとアルミニウムとを含むことが判明した。これ
らの評価は同一条件で製造した窒化アルミニウム焼結体
の一部を用いて行い、残りの窒化アルミニウム焼結体を
次の回路基板製造とその評価に用いた。
【0031】次に、これらの窒化アルミニウム焼結体を
用いて回路基板を作製し評価した方法について説明す
る。まず、銀、銅及びジルコニウムの各金属粉末を、銀
粉末75重量部、銅粉末25重量部にジルコニウム粉末
15重量部及びテルピネオ−ル15重量部と有機結合材
として予めトルエン溶液に溶解させたポリイソブチルメ
タアクリレ−トを1.5重量部加えてよく混練し、ろう
材ペ−ストを調整した。このろう材ペ−ストを窒化アル
ミニウム基板の両面にスクリ−ン印刷によって全面塗布
した。その際の乾燥後の塗布量は6〜8mg/cm2
した。
【0032】次に、ろう材ペ−ストを塗布した窒化アル
ミニウム基板の両面に銅板(厚み:回路用銅板0.3m
m、放熱用銅板0.15mm)を接触配置し炉に投入
し、1×10−4torrの真空下、温度900℃で3
0分加熱した後、2℃/min.の降温速度で冷却して
接合体を製造した。
【0033】次いで、この接合体の銅板上に紫外線硬化
タイプのエッチングレジストをスクリ−ン印刷法により
パターン印刷し、塩化第2銅溶液を用いて不要銅部分を
溶解除去し、さらにパターン外に残った不要ろう材や反
応生成物を、60℃、10%弗化アンモニウム溶液で溶
解除去した。この後、5%苛性ソ−ダ溶液でエッチング
レジストを剥離し、目的形状の回路基板を得た。これ
に、無電解Ni−Pメッキ処理を施し、銅回路部分に選
択的にメッキ膜を形成させた。
【0034】これらの回路基板のヒートサイクル試験を
実施した。ヒートサイクル試験は−40℃で30分間保
持し、+125℃で30分間加熱する加熱冷却操作を1
サイクルとしてJIS−C−0025温度変化試験法に
準じて300サイクル行った。試験後、回路間の窒化ア
ルミニウム基板に発生したクラックの有無を蛍光探傷検
査により観察することで行なった。クラックは発生率で
表1に示した。
【0035】比較例1から3は窒化アルミニウム粉末と
して5.3μm以下の粒子からなり、平均粒径2.4μ
mの粉末を96重量部と焼結助剤として平均粒径1.3
μmの酸化イットリウム粉末4重量部を用いたこと以外
は実施例1と同様にして成形し有機物成分を除去した。
得られた25枚の積層体を3つ用意して、それぞれ設定
温度1875〜1885℃で2〜3時間の3種の条件で
焼成した。この際1600℃までの降温速度を毎分2℃
とした。なお、積層体の各層の間には焼結体の固着を防
ぐために離型用BN粉末を塗布し、BN製の焼成容器中
で焼成した。得られた焼結体の表面をブラスト処理し
た。焼結体の厚みは0.63mmであった。以下実施例
同様の条件で焼結体と回路基板の評価を行った。これら
の結果を表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように平均粒径が4μm
以下であり、しかも窒化アルミニウム粒子間の三重点に
おける結合相の80%以上が正の曲率の形状である場合
には曲げ強度が高いことがわかる。さらに、これらの焼
結体を用いて作製した回路基板はヒートサイクル性に優
れ、耐久性が高いことがわかる。これに対して比較例に
示したように本発明の範囲外の焼結体では曲げ強度も低
く、それを用いて作製した回路基板の耐久性も低いこと
がわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明の窒化アルミニウム焼結体は特定
の微構造を有するため高強度であり、この焼結体を用い
て耐久性が高く、信頼性の高い回路基板を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化アルミニウム粒子間の三重点における結合
相の形状を示すもので、(a)は曲率が正の場合であ
り、(b)は曲率が負の場合を示す概念図である。
【符号の説明】
1:窒化アルミニウム粒子 2:曲率が正の三重点の結晶相 3:曲率が負の三重点の結晶相

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】任意の断面において、窒化アルミニウム粒
    子の平均結晶粒径が1μm以上4μm以下であり、しか
    も窒化アルミニウム結晶粒子間の三重点における結合相
    の80%以上が正の曲率の形状で、かつ孤立した状態で
    あることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体。
  2. 【請求項2】イットリウムとアルミニウムを結合相に含
    有する請求項1記載の窒化アルミニウム焼結体。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の窒化アルミニウム焼
    結体を用いてなることを特徴とする回路基板。
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