JP2006076812A - アルミニウム−セラミックス複合体及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム−セラミックス複合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
軽量で、半導体素子と熱膨張係数の差が小さく、且つ高い熱伝導性を有し、半導体素子搭載用基板材料として好適な薄肉の部材を提供する。
【解決手段】
炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムの群から選ばれる1種以上のセラミックス粉末に有機バインダー及び/又は無機バインダーを混合し、押し出し成形又はドクターブレード成形にて厚さ1.5mm以下のシート状の成形物を作製した後、800〜1200℃で10分〜2時間加熱処理して気孔率20〜60%のセラミックス多孔体とし、更に、前記セラミックス多孔体を550℃以上の温度で予熱した後、前記セラミックス多孔体の空隙部分に、溶融したアルミニウムを主成分とする金属を20MPa以上の圧力を加えて含浸させることにより、上記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルミニウム−セラミックス複合体及びその製造方法に関するものである。
近年、半導体素子の高速化や集積度の増加に伴い、半導体素子からの発熱量が増大する傾向にあり、この半導体素子から発生する熱を如何に効率的に除去するかが重要となってきている。この為、放熱部品に対しても、高い熱伝導率が要求されるようになってきており、熱伝導率が390W/mKの銅(Cu)が一般に用いられている。
半導体素子搭載用基板と半導体素子との間の界面には熱応力により歪みが発生するため、この歪みを小さくすることが併せて要求されている。この為、半導体素子搭載用基板の熱膨張率は、半導体素子の熱膨張率に近いことが要求されるようになってきている。例えば、半導体素子を構成する珪素(Si)の熱膨張係数は4.2×10-6/K、ガリウム砒素(GaAs)の熱膨張係数は6.5×10-6/Kであり、これらの熱膨張係数に近い値を有する材料の使用が望まれている。この様な比較的熱膨張係数の小さい放熱材料として、従来、タングステン(W)、モリブデン(Mo)やこれらの材料と銅(Cu)の複合材が用いられてきた(特許文献1)。
特開平6−13494号公報
半導体素子とパッケージとの電気的接合に、ワイヤーの代わりに半田ボールを用いる方法(フリップチップ方式)や、マザー基板への接合にピンの代わりに半田ボールを用いる方法(ボールグリッドアレイ方式)が採用されるようになってきている。これらの方式では、基板材が重いと、半田ボールが必要以上に潰れるという課題があり、前記の重金属系の材料を用いることが困難な場合がある。さらに、タングステンやモリブデンは比較的高価な材料であり、コスト面からも好ましくない。
この為、半導体素子搭載用基板材料としては、軽量で熱膨張係数が半導体素子に近く、且つ熱伝導率の高い材料が望まれている。さらに、半導体パッケージの構造も、半導体素子の集積度の増大に伴い、多様化、複雑化が進み、基板材料には、より薄い形状やより複雑な形状が求められている。
軽量で、熱膨張係数が小さく、且つ高熱伝導な材料として、近年、アルミニウム−セラミックス複合材料がその候補として研究されている。この様な複合材料の中で、特にアルミニウム−炭化珪素(Al−SiC)複合材料は、特性面、コスト面に優れ、半導体素子搭載用基板材料として、一部で使用され始めている。
アルミニウム−炭化珪素複合材料からなる半導体素子搭載用基板材料に関しては、例えば特許文献2に粉末冶金法による小型異形品及びその製造方法の記載がある。しかしながら、この製造方法で得られたアルミニウム−炭化珪素複合材料を半導体素子搭載用基板材料に用いる場合、薄肉の材料を均一に且つ精度良く形成することが難しく、製造コストの点においても課題があった。
特開平10−335538号公報
アルミニウム−炭化珪素複合材料の製造方法に関しては、特許文献3等に記載がある。本発明に係る半導体素子搭載用基板材料にこの材料を用いる場合、ダイヤモンド等の特殊工具を用いて機械加工を行う必要があり、製造コストが高くなるという課題がある。
米国特許第6250127号
本発明の目的は、軽量で、半導体素子と熱膨張係数の差が小さく、高い熱伝導性を有し、半導体素子搭載用基板材料として好適な薄肉の部材を安価に提供することである。
本発明者は、上記の目的を達する為に鋭意検討した結果、アルミニウム−セラミックス複合材料に関して、セラミックスの種類及び含有量を適正化し、その成形方法並びに成形後の強度発現の為の処理方法を開発し、薄肉のセラミックス多孔体を作製し得るとの知見を得た。次に、このセラミックス多孔体とアルミニウムを主成分とする金属(以下、アルミニウム合金という)を高圧下で複合化することにより、薄肉の複合体を安価に製造出来る技術を開発した。
すなわち、本発明は、気孔率20〜60%のセラミックス多孔体に、アルミニウム合金を含浸してなる平板状のアルミニウム−セラミックス複合体であって、板厚が1.5mm以下であり、両主面が0.01〜0.15mmのアルミニウム合金からなるアルミニウム層で被覆されてなることを特徴とする板状のアルミニウム−セラミックス複合体である。
また、本発明は、セラミックスが、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムの群から選ばれる1種以上であることを特徴とする該アルミニウム−セラミックス複合体であり、セラミックス多孔体が、気孔率30〜50%の窒化珪素多孔体であることを特徴とする該アルミニウム−セラミックス複合体である。
更に、本発明は、25℃から125℃の線膨張係数が10×10−6/K以下であり、25℃における熱伝導率が70W/mK以上であることを特徴とする該アルミニウム−セラミックス複合体である。
本願発明に係る製造方法は、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムの群から選ばれる1種以上のセラミックス粉末に有機バインダー及び/又は無機バインダーを混合し、押し出し成形又はドクターブレード成形にて厚さ1.5mm以下のシート状の成形物を作製した後、800〜1200℃で10分〜2時間加熱処理して気孔率20〜60%のセラミックス多孔体とし、更に、前記セラミックス多孔体を550℃以上の温度で予熱した後、前記セラミックス多孔体の空隙部分に、溶融したアルミニウム合金を20MPa以上の圧力を加えて含浸させることを特徴とするものである。
本発明によれば、軽量で、半導体素子と熱膨張係数の差が小さく、且つ高い熱伝導性を有し、半導体素子搭載用基板材料として好適な薄肉の部材を安価に提供することが出来る。
本発明に用いるセラミックス多孔体の気孔率は、20〜60%が好ましく、30〜50%がより好ましい。アルミニウム−セラミックス複合体の特性、特に線膨張係数は、用いるセラミックスの線膨張係数とその含有量により決まる。半導体素子搭載用基板材料として用いる場合、半導体素子との線膨張係数の差が大きくなると、半導体素子作動時の発熱により接合部に応力が発生し、部品が反る場合がある。この為、アルミニウム−セラミックス複合体の線膨張係数を小さくする為、気孔率の上限は60%が好ましく、50%がより好ましい。一方、気孔率が20%未満では、アルミニウム合金との複合化が難しく、複合化時に気孔が残留する等の弊害が生じ、その結果、熱伝導率が低下する場合がある。
本発明の複合材の金属成分は、アルミニウム合金である。アルミニウム合金は、密度が2.65g/cm程度と小さく、得られる複合体が軽量となり、半導体素子搭載用基板材料等として好適である。また、アルミニウム合金は、150〜240W/mKと熱伝導率が高く、得られる複合体の熱伝導率が高くなり好ましい。更に、アルミニウム合金は、融点が660℃以下と低温であり、セラミックと複合化する際のプロセスコストを低減できる点からも好ましい。
アルミニウム合金は、Siを0〜20質量%、Mgを0.5〜3質量%含むことが好ましい。その他の金属不純物に関しては、熱伝導率等の特性を極端に損なわなければ、1質量%未満含まれていてもよい。
本発明のアルミニウム−セラミックス複合体は、板厚が1.5mm以下であり、両主面が0.01〜0.15mmのアルミニウム合金からなるアルミニウム層で被覆されている。
本発明の複合体を半導体素子搭載用基板材料等として用いる場合、表面をめっき処理し、半導体素子と半田付けする場合がある。この場合、表面にセラミックスが露出していると、均一なめっき膜を形成することが出来ず、半田付け時にボイドとなって接合不良の原因となる場合がある。半導体素子と本発明に係る複合体を接着剤等で接合する場合にも、表面にセラミックスが露出していると、アルミニウム合金部分とセラミックス部分の密着性が異なり、接合が不均一になる場合がある。この為、少なくとも、0.01mm以上の表面アルミニウム層が必要となる。一方、アルミニウム合金層が0.15mmを超えて厚くなると、複合体の線膨張係数が大きくなり、半導体素子との線膨張係数の差が大きくなるという課題がある。本発明に係る表面アルミニウム層は、研磨して容易に鏡面を形成することも可能である。
本発明の複合体に用いられるセラミックスは、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムの群から選ばれることが好ましい。本発明のアルミニウム−セラミックス複合体は、その用途から高熱伝導性が要求される。アルミニウム−セラミックス複合体の熱伝導率は、セラミックス材料自体の熱伝導率と、アルミニウム合金との界面状態により決まる。この為、セラミックス材料としては、熱伝導率、アルミニウム合金との濡れ性、並びに密着性の点から、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムの群から選ばれることが好ましい。
炭化珪素及び窒化珪素は、粒子表面に非常に薄い酸化膜を形成し、アルミニウム合金との置換反応により、強固な結合を形成する為、好ましい。中でも、窒化珪素は、大気中で比較的低温で焼成しても表面の酸化層が融着を起こし、容易に多孔体が得られるという特徴があり、製造コストの面からも好ましい。更に、窒化珪素は、炭化珪素及び窒化アルミニウムより、材料自体の線膨張係数が小さい為、気孔率が大きくても得られる複合体の線膨張係数を小さくできるという特徴がある。
本発明のアルミニウム−セラミックス複合体は、25℃から125℃の線膨張係数が10×10−5/K以下が好ましい。線膨張係数が10×10−5/Kを超えると、Si等の半導体素子と接合して用いる場合、半導体素子との熱膨張の差が大きくなり、半導体素子の作動時に発生する熱により反りが発生し、放熱特性の低下や半田ボールとの接触不良を起こす場合がある。
本発明のアルミニウム−セラミックス複合体の熱伝導率は、25℃で70W/mK以上が好ましい。25℃での熱伝導率が70W/mK未満では、半導体素子搭載用基板材料として用いる場合、半導体素子作動時に発生する熱を十分に放熱することが出来ず、その結果、半導体素子の温度が上がって、半導体素子の誤作動の原因となったり、素子が破壊する場合がある。熱伝導率の上限は特に制約は無く、より高いことが好ましい。しかし、熱伝導率を向上させるには、セラミックス原料の高純度化や、高熱伝性導物質を使用する必要があり、目標値を高くし過ぎると、材料自体が高価になってしまうという課題がある。
本発明のアルミニウム−セラミックス複合体の製造方法は、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムの群から選ばれる1種以上のセラミックス粉末に有機バインダー及び/又は無機バインダーを添加し、押し出し成形又はドクターブレード成形にて厚さ1.5mm以下のシート状の成形物を作製した後、温度800〜1200℃で10分〜2時間加熱処理して気孔率20〜60%のセラミックス多孔体とし、更に、前記セラミックス多孔体を、550℃以上の温度にて予熱した後、セラミックス多孔体の空隙部分に、溶融したアルミニウム合金を20MPa以上の圧力を加えて含浸させることを特徴とする。
本発明に係るシート状の成形物は、薄肉であるため、メチルセルロース等の有機バインダー及び/又はシリカゾル等の無機バインダーを用いるのが一般的である。バインダーを用いないと、十分な成形体強度が得られず、その後の加熱処理又は複合化処理でセラミックス多孔体が割れる等の問題が発生する場合がある。無機バインダーは、加熱処理後にセラミックス多孔体中に酸化物の形態で残留し、熱伝導率等の特性に悪影響を及ぼす場合があり、添加量は、固形物量として0.2〜5.0質量%であることが好ましい。有機バインダーの使用量は、セラミックス多孔体の気孔率が20〜60%になる様、成形物の均一性が損なわれない範囲で適宜決められる。
原料であるセラミック粉末の粒度は、平均粒子径0.5〜200μmであることが好ましい。セラミックス粉末の平均粒子径が0.5粒μm未満であると、アルミニウム合金とセラミックス多孔体の界面が増加し、熱伝導率が低下する場合がある。一方、セラミックス粉末の平均粒子径が200μmを超えると、シート状成形物の強度低下や、アルミニウム−セラミックス複合体の強度低下が起きる場合がある。
本発明に係る成形方法は、均一な厚みの薄板を成形するため、押し出し成形法又はドクターブレード法が好ましい。成形物は乾燥後に、有機バインダーを除去し、又は無機バインダーを結晶化してセラミックス多孔体とする為、温度800〜1200℃で10分〜2時間の加熱処理を行う。加熱処理温度が800℃未満では、有機バインダーの除去が不十分であったり、又は無機バインダーの結晶化が不十分な場合がある。一方、加熱処理温度が1200℃を超えると、セラミックス粒子の酸化が過度に進み、その結果、得られる複合体の熱伝導率が低下する場合があり、好ましくない。加熱処理時間は、10分未満では、有機バインダーの除去が不十分であったり、無機バインダーの結晶化が不十分な場合がある。一方、加熱処理時間が2時間を超えると、セラミックス粒子の酸化が過度に進み、その結果、得られる複合体の熱伝導率が低下する場合があり、好ましくない。
本発明では、セラミックス多孔体を離型剤を塗布した金属板に挟み、アルミニウム合金との複合化処理を行うのが一般的である。離型剤は、アルミニウム合金の溶湯と反応し難いものが適しており、アルミナコーティングやカーボン系の離型剤の使用が好ましい。また、アルミナコーティングとカーボン系離型剤の多層構造は更に好ましい。金属板としては、予熱段階での酸化が少なく、アルミニウム溶湯と反応しないものが適しており、ステンレス板等の使用が好ましい。
本発明では、セラミックス多孔体とアルミニウム合金を、高温・高圧下で複合化する溶湯鍛造法が好ましい。溶湯鍛造法は、複合化に際しセラミックス多孔体を予め予熱する必要があり、550℃以上の温度で予熱処理を行うことが好ましい。予熱温度が、550℃未満では、セラミックス多孔体の温度が低いため、アルミニウム合金との複合化が十分に行われず、その結果、気孔が残留して、熱伝導率等の特性が低下する場合がある。
アルミニウム合金とセラミックス多孔体の複合化に際しては、アルミニウム合金を融点以上の温度で溶融して用いるが、溶融温度はアルミニウム合金の融点より100〜300℃高い温度が好ましい。溶融温度が低いと、未含浸部分が発生する場合がある。一方、溶融温度が極端に高いと、アルミニウム合金中の成分が一部揮発し、組成が変化したり、アルミニウム合金自体が酸化して熱伝導率等の特性が低下する場合がある。
セラミックス多孔体とアルミニウム合金の複合化に際しては、20MPa以上の圧力で複合化処理を行うことが好ましい。複合化時の圧力が20MPa未満では、セラミックス粒子とアルミニウム合金との接合が不十分となり、熱伝導率、強度等の特性の低下が発生する場合がある。圧力の上限に関しては特に制約は無いが、製造時の装置が大型となり、且つ使用する金型強度等の制約もあり、製造コストが極端に高くならない範囲であることが好ましい。
表1に示すセラミックス粉末100質量部に対し、有機バインダーとしてセルロース系バインダー(信越化学工業社製商品名「メトローズ60SH−4000」)5質量部、シリカゾル(日産化学社製商品名「スノーテックス0」、固形分20質量%)5質量部及び水5質量部を配合しミキサーにより混合した。次いで、スクリュー式成形機によりシート(幅80mm厚さ0.8mm)を成形し、100℃で1時間乾燥した後、50×50mm形状に切断して成形物を得た。実験No.5は、セラミックス粉末として、平均粒子径が300μm、150μm、50μm、10μm、1μmの5種類の炭化珪素粉末をそれぞれ25質量部、25質量部、20質量部、20質量部、10質量部ずつ配合して用いた。実験No.12は、セルロース系バインダーのみ30質量部添加した。
得られた成形物を、アルミナのセッターで挟んで積層し、大気雰囲気中で表1に示す条件にて加熱処理を行った。尚、実験No.11については、加熱処理後のハンドリングで割れが生じ、その後の試験に供することが出来なかった。得られた多孔体の気孔率をアルキメデス法で測定した結果を表1に示す。
次に、得られたセラミックス多孔体30枚の各試料間を離型剤(日立粉末冶金社製商品名「ヒタゾルGA−242B」)を塗布した0.8mm厚のステンレス板及び0.9mm厚の鉄製のスペーサーで区切り、両端に12mm厚の鉄板を配した後、10mmφのボルトナットで固定して、一つのブロックを形成した。実験No.10は、1.3mm厚の鉄製スペーサーを用いた。得られたブロックを電気炉にて650℃に予備加熱し、予め加熱しておいた内寸250mmφ×300mmの空隙を有するプレス型内に載置した後、温度850℃に加熱溶融したアルミニウム合金(Si量:12質量%、Mg量:0.5質量%)の溶湯を流し込み、100MPaの圧力で10分間プレスして、セラミックス多孔体にアルミニウム合金を含浸させた。得られた複合体を含む金属塊を、室温まで冷却した後、湿式バンドソーにて切断して、アルミニウム−セラミックス複合体を離型した。
アルミニウム−セラミックス複合体を、ダイヤモンド加工工具を用いて所定形状に加工し、密度、25℃での熱伝導率、25℃から125℃での線膨張係数、スパン30mmでの3点曲げ強度を測定した。また、各複合体をダイヤモンドカッターで切断し、倍率50倍の光学顕微鏡にて、板厚及び表面のアルミニウム層厚の測定を行った。結果を表2に示す。
(実験No.15)
平均粒子径3μmの窒化珪素粉末100質量部に対し、有機バインダーとしてセルロース系バインダー(信越化学工業社製商品名「メトローズ60SH−4000」)5質量部及び水10質量部を配合しミキサーにより混合した。次いで、スクリュー式成形機によりシート(幅80mm厚さ0.8mm)を成形し、100℃で1時間乾燥した後、50×50mm形状に切断して成形物を得た。得られた成形物を、アルミナのセッターで挟んで積層し、大気雰囲気中、温度1000℃で1時間の加熱処理を行った。得られた多孔体の気孔率をアルキメデス法で測定した結果は40%であった。
次に、実験例1と同様の手法にてアルミニウム−セラミックス複合体を作製した。得られた複合体の評価結果を表3に示す。
(実験No.16,17)
実験No.16は、平均粒子径10μmの炭化珪素粉末、実験No.17は、平均粒子径3μmの窒化珪素粉末100質量部に対し、有機バインダーとしてポリビニルブチラール6質量部、可塑剤としてブチルフタレート3質量部、分散剤としてグリセリントリオレート1質量部及び溶剤としてキシレン60質量部を配合し、ボールミルにて1時間混合した後、得られたスラリーを脱泡糟にかけ、粘度を15000CPSとした後、ドクターブレード装置によりシートを成形した。
このシートを50×50mm形状に切断して厚さ0.7mmの成形物を得た。得られた成形物を、アルミナ板に挟んで温度500℃で1時間の脱脂処理を行い脱脂体を作製し、次にこの脱脂体を、3倍に希釈したシリカゾルに浸漬して、温度100℃で1時間乾燥後、大気中、温度1000℃で1時間の加熱処理を行った。得られた多孔体の気孔率は、実験No.16が34%、実験No.17が37%であった。
次に、実施例1と同様の方法にてアルミニウム−セラミックス複合体を作製した。評価結果を表3に示す。
(実験No.18,19)
シート厚みを変更し、実験No.18は1.3mmのスペーサーを、実験No.19は1.5mmのスペーサーを用いたこと以外は、実験No.1と同様の方法で行った。なお、得られた多孔体の気孔率は、実験No.18及び実験No.19とも35%であった。評価結果を表3に示す。
Figure 2006076812
Figure 2006076812
Figure 2006076812

Claims (5)

  1. 気孔率20〜60%のセラミックス多孔体に、アルミニウムを主成分とする金属を含浸してなる平板状のアルミニウム−セラミックス複合体であって、板厚が1.5mm以下であり、両主面が0.01〜0.15mmのアルミニウム層で被覆されてなることを特徴とするアルミニウム−セラミックス複合体。
  2. セラミックスが、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムの群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム−セラミックス複合体。
  3. セラミックス多孔体が、気孔率30〜50%の窒化珪素多孔体であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム−セラミックス複合体。
  4. 25℃から125℃の線膨張係数が10×10−6/K以下であり、25℃における熱伝導率が70W/mK以上であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項記載のアルミニウム−セラミックス複合体。
  5. 炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムの群から選ばれる1種以上のセラミックス粉末に有機バインダー及び/又は無機バインダーを混合し、押し出し成形又はドクターブレード成形にて厚さ1.5mm以下のシート状の成形物を作製した後、800〜1200℃で10分〜2時間加熱処理して気孔率20〜60%のセラミックス多孔体とし、更に、前記セラミックス多孔体を550℃以上の温度で予熱した後、前記セラミックス多孔体の空隙部分に、溶融したアルミニウムを主成分とする金属を20MPa以上の圧力を加えて含浸させることを特徴とするアルミニウム−セラミックス複合体の製造方法。
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