JPH06218939A - インクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 極めて簡単な構成で、インクジェット記録ヘ
ッドのインク吐出口面を清掃するブレードが、記録ヘッ
ドを離れる際におけるインク飛散を効果的に防止可能な
インクジェット記録装置を提供することを目的とする。 【構成】 清掃部材が複数枚の清掃ブレードを有し、こ
れらの複数枚の清掃ブレードを、その先端部近傍におい
て互いに連結部を介して連結するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、記録ヘッドのインク
吐出口面に付着するインク滴、塵埃、紙粉等を清掃ブレ
ードで拭き取ることによって、記録ヘッドのインク吐出
口面のクリーニングを行うインクジェット記録装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、インクジェット記録装置において
は、記録ヘッドのインク吐出口面に、インク滴、塵埃、
記録用紙の紙粉などが付着しやすく、記録ヘッドのイン
ク吐出口面にインク滴や塵埃等が付着すると、これらが
記録ヘッドの安定したインク吐出を妨げ、記録した画像
の画質低下を招くことになり易い。

【０００３】そこで、上記記録ヘッド１００のインク吐
出口面１０１に付着した付着物を除去するため、図７に
示すように、記録ヘッド１００のインク吐出口面１０１
を清掃するクリーニングブレード１０２を設け、記録ヘ
ッド１００が矢印方向に沿って移動する際に、クリーニ
ングブレード１０２によって記録ヘッド１００のインク
吐出口面１０１を清掃するように構成したインクジェッ
ト記録装置が既に提案されている。

【０００４】しかし、このインクジェット記録装置の場
合には、クリーニングブレード１０２が記録ヘッド１０
０のインク吐出口面１０１を清掃した後、このクリーニ
ングブレード１０２が記録ヘッド１００を離れる際に、
図７（ｃ）に示すように、クリーニングブレード１０２
の弾性変形に伴う反発力によって、クリーニングブレー
ド１０２の先端が記録ヘッド１００から離間する方向に
瞬間的に振られ、クリーニングブレード１０２に付着し
たインク滴や塵埃等を飛散させ、周囲を汚損するという
新たな問題点を有している。また、複数個の記録ヘッド
を用いたカラー用インクジェット記録装置では、ブレー
ドに付着したインク滴、塵埃、記録用紙の紙粉などが飛
散して、他の記録ヘッドに付着し、インク混色や装置内
の汚損を発生させるという問題点もある。

【０００５】そこで、上記クリーニングブレードが記録
ヘッドから離間する際の２次的な汚損を防止可能なイン
クジェット記録装置に関する技術としては、特開昭６２
−１０１４４７号公報、特開平１−１９５０４８号公
報、特開平３−１３６８５９号公報、特開平３−２３６
９６５号公報及び特開平３−２４０５５１号公報等に開
示されているように、種々のものが既に提案されてい
る。

【０００６】上記特開昭６２−１０１４４７号公報に係
るインクジェット記録装置は、インク液滴を吐出する記
録ヘッドのノズル面を清掃するブレードを有するインク
ジェット記録装置において、前記ブレードを複数枚設
け、これらブレードのヘッドに当接する長さをノズル面
に当接する順に変化させるように構成したことを特徴と
するものである。

【０００７】また、特開平１−１９５０４８号公報に係
るインクジェット記録装置は、記録ヘッドのインク吐出
口面を清掃するブレードを有するインクジェット記録装
置において、前記ブレードを傾斜させて装着するように
構成したものである。

【０００８】さらに、特開平３−１３６８５９号公報に
係るクリーニング機構を備えた液体噴射記録装置は、記
録ヘッドの液体噴射面に付着した付着物のクリーニング
機構を有し、記録ヘッドより液体を噴射して記録媒体上
に記録を行なう液体噴射記録装置において、上記クリー
ニング機構は、上記記録ヘッドとの相対移動で当接する
ことでクリーニングを行なうクリーニング部材と、該ク
リーニングによって上記記録ヘッドから除去されて該ク
リーニング部材に付着する液体を少なくとも上記記録ヘ
ッドとの相対移動による当接期間中に吸引する手段と、
を備えるように構成したものである。

【０００９】また、特開平３−２３６９６５号公報に係
るインクジェット記録装置は、記録ヘッドの吐出口面と
該吐出口面の周囲に形成された記録ヘッドの記録紙に対
向する対向面とを共に拭く清掃ブレードが設けられたイ
ンクジェット記録装置において、前記対向面の周囲に隣
接して前記対向面とほぼ同一平面を形成するようにイン
ク吸収体のインク吸収面を配設するように構成したもの
である。

【００１０】また更に、特開平３−２４０５５１号公報
に係るインクジェット記録ヘッドは、ブレードで拭き取
ることによって吐出口面をクリーニングするインクジェ
ット記録ヘッドにおいて、吐出口面を拭き取った後のブ
レード先端が接触する位置にインク吸収体を配設するよ
うに構成したものである。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
の場合には、次のような問題点を有している。すなわ
ち、上記特開昭６２−１０１４４７号公報に係るインク
ジェット記録装置の場合には、ブレードを複数枚設け、
これらブレードのヘッドに当接する長さをノズル面に当
接する順に変化させるように構成したものであるが、各
ブレードが記録ヘッドから離れるときに、ブレードの反
発力が発生し、やはりインク飛散を防止することができ
ないという問題点を有している。

【００１２】また、特開平１−１９５０４８号公報に係
るインクジェット記録装置の場合には、ブレードを傾斜
させて装着するように構成したものであるが、この場合
はブレードが記録ヘッドを徐々に離れていくが、最後の
ときインク飛散となるような反発力を発生させてしまう
という問題点を有している。

【００１３】さらに、特開平３−１３６８５９号公報、
特開平３−２３６９６５号公報及び特開平３−２４０５
５１号公報に開示されたインクジェット記録装置等の場
合には、インク吸収体とポンプを連動させたり、インク
吸収体を配置し、かつ交換できる構造にしたり、やはり
インク吸収体を配置するように構成したものであるが、
これらの場合には、構成が複雑で装置が大型化し、しか
もコスト高を招くという問題点を有している。

【００１４】そこで、この発明は、上記従来技術の問題
点を解決するためになされたもので、その目的とすると
ころは、極めて簡単な構成で、インクジェット記録ヘッ
ドのインク吐出口面を清掃するブレードが、記録ヘッド
を離れる際におけるインク飛散を効果的に防止可能なイ
ンクジェット記録装置を提供することにある。

【００１５】

【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
画像情報に応じてインク吐出口からインク滴を吐出し
て、記録媒体上に画像の記録を行う記録ヘッドと、この
記録ヘッドのインク吐出口面を清掃する清掃部材とを備
えたインクジェット記録装置において、上記清掃部材が
複数枚の清掃ブレードを有し、これらの複数枚の清掃ブ
レードを、その先端部近傍において互いに連結部を介し
て連結するように構成されている。

【００１６】上記清掃手段としては、例えば、清掃ブレ
ードを２枚備えたものが用いられるが、これに限定され
るものではなく、清掃ブレードの枚数としては、３枚以
上であっても良いことは勿論である。

【００１７】

【作用】この発明においては、清掃部材が複数枚の清掃
ブレードを有し、これらの複数枚の清掃ブレードを、そ
の先端部近傍において互いに連結部を介して連結するよ
うに構成されているので、上記複数枚の清掃ブレードに
よって記録ヘッドのインク吐出口面を清掃する際に、１
枚目の清掃ブレードが記録ヘッドのインク吐出口面から
離れる場合でも、当該ブレードに連結部を介して連結さ
れた他の清掃ブレードが記録ヘッドのインク吐出口面に
まだ接触しているため、記録ヘッドのインク吐出口面か
ら離れる清掃ブレードが、弾性力によって元の状態に復
帰する力が抑制され、当該インク吐出口面から離れる清
掃ブレードによってインク等が飛散されるのが防止され
る。また、最後の清掃ブレードが記録ヘッドのインク吐
出口面から離れる場合でも、当該ブレードは連結部を介
して他の清掃ブレードに連結されており、他の清掃ブレ
ードは、記録ヘッドのインク吐出口面から離れてある程
度元の状態に既に復帰しているため、最後の清掃ブレー
ドが記録ヘッドのインク吐出口面から離れる際に、弾性
力によって元の状態に復帰する力が抑制され、当該イン
ク吐出口面から離れる最後の清掃ブレードによってイン
ク等が飛散されるのも防止される。

【００１８】

【実施例】以下にこの発明を図示の実施例に基づいて説
明する。

【００１９】図２はこの発明に係るインクジェット記録
装置の一実施例を示すものである。

【００２０】図２において、１はインクジェット記録ヘ
ッドを示すものであり、このインクジェット記録ヘッド
１は、主走査キャリッジ２に一体的に取り付けられてい
る。この主走査キャリッジ２は、主走査レール３上を矢
印方向に沿って図示しない駆動手段によって移動可能と
なっている。

【００２１】また、上記記録ヘッド１のクリーニング位
置には、図２に示すように、清掃ブレード部材４が配置
されている。この清掃ブレード部材４は、図１に示すよ
うに、先端部において互いに連結された２枚の清掃ブレ
ード５、６を備えており、これらの清掃ブレード５、６
は、いずれも同じ形状に形成されており、当該清掃ブレ
ード５、６としては、例えば、厚さ１〜２ｍｍのシリコ
ンゴムからなる平板状のブレードが用いられる。上記２
枚の清掃ブレード５、６は、その先端部近傍において連
結部７を介して互いに連結されている。この連結部７
は、清掃ブレード５、６の先端部近傍において、その先
端から所定距離Ｌだけ離れた位置に配置されている。ま
た、上記連結部７は、例えば、清掃ブレード５、６と同
じ材料によって射出成形等の手段で清掃ブレード５、６
と一体的に形成される。しかし、これに限定されるもの
ではなく、上記連結部７を清掃ブレード５、６と別に形
成し、２枚の清掃ブレード５、６を互いに連結するよう
に構成しても勿論よい。

【００２２】また、上記清掃ブレード５、６は、図１に
示すように、その基端部を挟持した状態でブレード保持
台８に取付られている。このブレード保持台８は、必要
に応じて記録ヘッド１と接離する方向にリトラクト可能
に設けられ、クリーニング時以外は、清掃ブレード５、
６が記録ヘッド１のインク吐出口面に接触しないように
構成しても良い。

【００２３】以上の構成において、この実施例に係るイ
ンクジェット記録装置の場合には、次のようにして、イ
ンクジェット記録ヘッドのインク吐出口面を清掃するブ
レードが、記録ヘッドを離れる際におけるインク飛散を
防止するようになっている。すなわち、上記インクジェ
ット記録装置においては、図２に示すように、記録ヘッ
ド１が取付られた主走査キャリッジ２を、図示しない駆
動手段によって記録位置へと移動させ、この記録ヘッド
１のインク吐出口から画像情報に応じてインク滴を吐出
することによって、図示しない記録媒体上に画像の記録
を行なうようになっている。

【００２４】そして、画像の記録動作が終了したとき、
あるいは画像記録動作中であっても必要時に、上記記録
ヘッド１が取付られた主走査キャリッジ２が、図３に示
すように、クリーニング位置へと移動される。

【００２５】このクリーニング位置においては、図３に
示すように、主走査キャリッジ２がＡからＢへと移動す
るとき、インクジェット記録ヘッド１のインク吐出口面
１ａと清掃ブレード５、６が接触を開始する。このと
き、清掃効果を高めるため、清掃ブレード５、６とイン
ク吐出口面１ａはオーバーラップ状態となるので、ブレ
ード５、６全体が湾曲した形状になる。そして、上記記
録ヘッド１のインク吐出口面１ａは、２枚の清掃ブレー
ド５、６によって相次いでインク滴や塵埃等が拭き取ら
れる。

【００２６】すなわち、上記主走査キャリッジ２が図３
のＢまで移動したときに、記録ヘッド１のインク吐出口
面１ａに付着しているインク滴、塵埃、記録用紙の紙粉
などが、清掃ブレード５、６の先端で掃き取られる。次
に、主走査キャリッジ２は、さらに移動して図３のＣの
位置になる。このとき、上記清掃ブレード５は、図４に
示すように、記録ヘッド１のインク吐出口面１ａから離
れ始めるが、この清掃ブレード５は、連結部７を介して
他方のブレード６と繋がっているため、清掃ブレード５
が記録ヘッド１のインク吐出口面１ａから離れた状態で
も、清掃ブレード５の弾性の反発力で瞬時に元の形に戻
るのが抑制され、清掃ブレード５のインクは飛散しない
程度の形状変化でインク吐出口面１ａから離れる。

【００２７】さらに、主走査キャリッジ２が移動して清
掃ブレード６も同じようにインク吐出口面１ａから離れ
るが、この清掃ブレード６も既にインク吐出口面１ａか
ら離れて元の形状に近い形状に復帰しているブレード５
と繋がっているため、清掃ブレード５と同じように瞬時
に元の形状に戻るのが抑制されている。よって、清掃ブ
レード６の弾性の反発力でインク飛散が発生することは
抑制されることになり、上記清掃ブレード５、６をイン
クジェット記録装置の記録ヘッド１を清掃するブレード
として用いた場合に、インク滴や塵埃等の飛散を効果的
に防止することができる。

【００２８】このように、清掃ブレード部材４が２枚の
清掃ブレード５、６を有し、これらの２枚の清掃ブレー
ド５、６を、その先端部近傍において互いに連結部７を
介して互いに連結するように構成されているので、上記
２枚の清掃ブレード５、６によって記録ヘッド１のイン
ク吐出口面１ａを清掃する際に、１枚目の清掃ブレード
５が記録ヘッド１のインク吐出口面１ａから離れる場合
でも、当該ブレード５に連結部７を介して連結された他
の清掃ブレード７が記録ヘッド１のインク吐出口面１ａ
にまだ接触しているため、記録ヘッド１のインク吐出口
面１ａから離れる清掃ブレード５が、弾性力によって元
の状態に復帰する力が抑制され、当該インク吐出口面１
ａから離れる清掃ブレード５によってインク等が飛散さ
れるのが防止される。

【００２９】また、２枚目の清掃ブレード６が記録ヘッ
ド１のインク吐出口面１ａから離れる場合でも、当該ブ
レード６は連結部７を介して他の清掃ブレード５に連結
されており、他の清掃ブレード５は、記録ヘッド１のイ
ンク吐出口面１ａから既に離れてある程度元の状態に復
帰しているため、２枚目の清掃ブレード６が記録ヘッド
１のインク吐出口面１ａから離れる際に、弾性力によっ
て元の状態に復帰する力が抑制され、当該インク吐出口
面１ａから離れる最後の清掃ブレード６によってインク
等が飛散されるのも防止される。

【００３０】図５及び図６はこの発明のそれぞれ他の実
施例を示すものであり、前記実施例と同一の部分には同
一の符号を付して説明すると、図５に示す実施例では、
連結部７が清掃ブレード５、６とは異なった材料で一体
的に形成されているとともに、この連結部７を形成する
材料は、清掃ブレード５、６の材料よりは弾性変形し易
いように弾性率が低い材料で形成されており、また、図
６に示す実施例では、清掃ブレード１０、１１、１２が
３枚設けられているとともに、これらの清掃ブレード１
０、１１、１２が連結部１３、１４を介して互いに一体
的に連結されている。

【００３１】その他の構成及び作用は、前記実施例と同
様であるので、その設営を省略する。

【００３２】

【発明の効果】この発明は以上の構成及び作用よりなる
もので、極めて簡単な構成で、インクジェット記録ヘッ
ドのインク吐出口面を清掃するブレードが、記録ヘッド
を離れる際におけるインク飛散を効果的に防止可能なイ
ンクジェット記録装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１はこの発明に係るインクジェット記録装
置の一実施例の清掃ブレード部材を示す構成図である。

【図２】 図２はこの発明に係るインクジェット記録装
置の一実施例を示す構成図である。

【図３】 図３（Ａ）〜（Ｄ）は動作をそれぞれ示す構
成図である。

【図４】 図４は清掃ブレードの変形状態を示す構成図
である。

【図５】 図５はこの発明の他の実施例を示す構成図で
ある。

【図６】 図６はこの発明の他の実施例を示す構成図で
ある。

【図７】 図７（Ａ）〜（Ｃ）は従来のインクジェット
記録装置の動作をそれぞれ示す斜視図である。

【符号の説明】

１ インクジェット記録ヘッド、２ 主走査キャリッ
ジ、４ 清掃ブレード部材、５、６ 清掃ブレード、７
連結部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像情報に応じてインク吐出口からイン
   ク滴を吐出して、記録媒体上に画像の記録を行う記録ヘ
   ッドと、この記録ヘッドのインク吐出口面を清掃する清
   掃部材とを備えたインクジェット記録装置において、上
   記清掃部材が複数枚の清掃ブレードを有し、これらの複
   数枚の清掃ブレードを、その先端部近傍において互いに
   連結部を介して連結したことをを特徴とするインクジェ
   ット記録装置。