JPH0621891Y2 - 液体噴出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、液状、霧状、或いは泡状等として噴出させるた
めの、縦型ポンプ式の液体噴出容器に係る。

「従来の技術」 容器体に装着したシリンダ内から、ステム上端にノズル
付き押下げヘッドを嵌着した作動部材を上方付勢状態に
突出させ、容器体に対する作動部材の上下動で容器体内
液体をシリンダ内へ吸上げ、又該シリンダ内液体を作動
部材のノズルから噴出するように設けた液体噴出器は、
輸送時作動部材が邪魔となり、その包装が嵩ばるため
に、その作動部材を付勢に抗して押下げして、シリンダ
上端に付設した保持筒内面の雌ねじへ作動部材上部を着
脱自在に螺合したものが知られている。

「考案が解決しようとする課題」 作動部材を付勢に抗して押下げしてその上部をシリンダ
上端に付設した保持筒内面の雌ねじへ螺合したポンプ式
の従来液体噴出容器は、その作動部材の螺合を外して起
立させた状態で、上記シリンダ上端の保持筒内面と作動
部材のステム下部との間に、作動部材上部の雄ねじ螺合
用の間隙が形成されることとなる。従って該液体噴出容
器を風呂場等水或いは湯等が飛散し易い場所で使用する
と、雌ねじ孔を有する保持筒上面、或いはステム等に付
着した水等が上記雄ねじ螺合用の間隙内へ入り、又該間
隙は、液体噴出による容器体内液体減少による負圧化防
止のための外気供給路上にあるため、その外気供給路を
通って容器体内へ上記水が入り、容器体内液体と混合し
て液体を白濁化させる欠点があった。

本案は上記欠点を、保持筒上端から上方小径の逆スカー
ト状弾性筒を起立して、その上端を作動部材下方に設け
た大外径部分外面へ水密に圧接させることで除去するも
のであり、又その弾性筒の形成が容易でかつ作動部材上
下動の際に損傷されないよう、従来作動部材の上部外面
に設けていた雄ねじを保持筒外面へ移し、その雄ねじに
螺合させる雌ねじ筒を作動部材の押下げヘッドから垂設
したものである。

「課題を解決するための手段」 シリンダ上部に付設した外向きフランジ４を、容器体１
口頂面と容器体口頸部２に嵌合した装着筒６上端の内向
きフランジ７とで挾持させることで、シリンダ５を容器
体１内へ垂設し、かつ該シリンダ内へ、上端にノズル付
き押下げヘッド12を嵌着する作動部材13のステム10を付
勢に抗し押下げして、該押下げ状態で作動部材上部とシ
リンダ上端に付設した保持筒16とを着脱自在に螺合させ
た液体噴出容器において、上記保持筒16外面を雄ねじ15
に形成して該雄ねじに押下げヘッド12下面から垂下する
雌ねじ筒17を螺合させると共に保持筒16上端から上方小
径の逆スカート状弾性筒18を上方へ突出して、上記保持
筒16との螺合が外れて作動部材13がシリンダ５に対して
上限まで移動した状態で、上記弾性筒18上端がステム10
の下方に設けた大外径部分10a外面へ水密に圧接可能に
形成した。

「作用」 第２図が示すように作動部材13上昇状態で、保持筒16上
端から突出する上部小径の弾性筒18上端は、ステム10下
方の大外径部分10aの外面へ水密に弾性圧接しているた
め、保持筒16内面とステム10との間を通って水等が容器
体内へ入ることはない。

「実施例」 １は口頸部２を起立する容器体で、その口頂面上へはパ
ッキング３を介してシリンダ上部の外向きフランジ４が
載置させてあり、該載置によりシリンダ５は容器体内へ
垂設されている。

上記口頸部２外面へは装着筒６が螺合させてあり、該装
着筒上端の内向きフランジ７と上記容器体口頂面との間
でシリンダの外向きフランジ４を挾持している。シリン
ダ底部には吸込み弁８が設けられ、該吸込み弁から容器
体内底部まで吸上げパイプ９を垂設する。

上記シリンダ５内へは、ステム10上端にノズル11付き押
下げヘッド12を嵌着した作動部材13の上記ステムが、ス
プリング14による上方付勢に抗して押込まれている。該
押込み状態保持のためにシリンダ５上端には、鍔状頂壁
の内外両周縁から内外筒を垂設し、かつその外筒外面を
雄ねじ15とした保持筒16を嵌着し、又その雄ねじに押下
げヘッド12下面から垂設した雌ねじ筒17を螺合させてい
る。又保持筒頂壁の内周部上面からは上方小径の逆スカ
ート状弾性筒18を上方で突出させている。尚ステム10下
端には筒状ピストン19が嵌着させてあり、ステム上端部
内へは吐出弁20を設け、シリンダ５に対する作動部材13
の上下動で、容器体内液体を吸上げ、ノズル11から噴出
可能に形成させてある。シリンダ内へはガイド21が内装
され、ステム10はガイド外面に嵌合されて上下動する。

上記逆スカート状の弾性筒18上端は、第２図が示すよう
に作動部材13が上限まで押上げられた状態で、ステム10
下方の大外径部分10a外面へ水密に圧接可能とする。ス
テム10上半部は、小外径部としているが、このようにす
ることで、作動部材上下動による液体噴出操作の際の上
記弾性筒上端とステム外面との摩擦抵抗を排除すると共
に、作動部材押下げ時に弾性筒上端を含む保持筒内面と
ステム10との間に外気供給路の一部としての隙間が形成
されるよう設けている。尚容器体内への置換用外気の供
給はシリンダ上部に穿設した透孔５ａを介して行われ、
該透孔は、作動部材上昇時において筒状ピストン１９が
閉塞して容器倒立時における液洩れを防止する。

「考案の効果」 本案は既述構成とするもので、作動部材上昇時に保持筒
16上端から起立する上方小径の逆スカート状弾性筒18上
端が、作動部材ステム10の下方に設けた大外径部分10a
外面へ水密に圧接するよう設けたから、従来のようにそ
のステムと保持筒16との間を通って水が容器体内へ入る
ことがなく、又その大外径部分10aはステム下部に設け
て該部分よりも上方ステム部分は小外径としたから、作
動部材上下動により容器体内液体をノズル11から噴出さ
せる際は、その小外径部分外方に弾性筒18上端を位置さ
せて行えばよく、よって大外径部分外面へ弾性筒18上端
を水密に圧接させたに拘らず、その摩擦抵抗によって上
記作動部材の操作が重くなることがない。更に従来作動
部材上部と保持筒内面とで行っていた螺合を、保持筒外
面に設けた雄ねじと作動部材の押下げヘッド12から垂下
する雌ねじ筒17とで行い、作動部材の上部外面へは雄ね
じを設けないから、上記弾性筒18がその雄ねじにより損
傷されることがなく、又その弾性筒の付設が容易とな
る。

【図面の簡単な説明】 第１図は本案容器の縦断面図、第２図は作動部材上昇時
における縦断面図である。 ５……シリンダ、６……装着筒 10……ステム、13……作動部材 16……保持筒、18……弾性筒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダ上部に付設した外向きフランジ４
   を、容器体１口頂面と容器体口頸部２に嵌合した装着筒
   ６上端の内向きフランジ７とで挾持させることで、シリ
   ンダ５を容器体１内へ垂設し、かつ該シリンダ内へ、上
   端にノズル付き押下げヘッド12を嵌着する作動部材13の
   ステム10を付勢に抗し押下げして、該押下げ状態で作動
   部材上部とシリンダ上端に付設した保持筒16とを着脱自
   在に螺合させた液体噴出容器において、上記保持筒16外
   面を雄ねじ15に形成して該雄ねじに押下げヘッド12下面
   から垂下する雌ねじ筒17を螺合させると共に保持筒16上
   端から上方小径の逆スカート状弾性筒18を上方へ突出し
   て、上記保持筒16との螺合が外れて作動部材13がシリン
   ダ５に対して上限まで移動した状態で、上記弾性筒18上
   端がステム10の下方に設けた大外径部分10a外面へ水密
   に圧接可能に形成したことを特徴とする液体噴出容器。