JPH06216761A - 奇数分周回路およびこれを用いたフェーズロックループ回路 - Google Patents

奇数分周回路およびこれを用いたフェーズロックループ回路

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JPH06216761A
JPH06216761A JP5004624A JP462493A JPH06216761A JP H06216761 A JPH06216761 A JP H06216761A JP 5004624 A JP5004624 A JP 5004624A JP 462493 A JP462493 A JP 462493A JP H06216761 A JPH06216761 A JP H06216761A
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msd
frequency
circuit
odd
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JP5004624A
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Shuichi Fujita
修一 藤田
Noboru Ishihara
昇 石原
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】デューティ1/2の分周出力を得る奇数分周回
路を提供する。 【構成】MSD−FFを用いた奇数分周回路において、
第1のクロックである例えば正相クロックCに同期する
分周出力を有する任意の段のMSD−FFの出力端子ま
たは入力端子に、第1のクロックとは逆位相の第2のク
ロックすなわち例えば逆相クロックCBに同期する分周
出力を出力するDラッチを付加し、該Dラッチを付加す
る上記端子における該Dラッチへの入力データと該Dラ
ッチからの出力データとの論理和出力を最終分周出力と
する構成を備えることとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デューティ1/2の分
周出力を得るのに好適な奇数分周回路と、奇数分周回路
のフェーズロックループ回路への適用技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来回路の構成を述べる前に、基本要素
回路であるDフリップフロップ(以下単にDラッチとい
う)およびマスタースレーブ型Dフリップフロップ(以
下単にMSD−FFという)についてその動作を簡単に
説明する。図5はDラッチのシンボルとその動作タイミ
ングダイヤグラムであり、Dはデータ入力端子、Cは正
相クロック入力端子、CBは逆相クロック入力端子、Q
は正転出力端子、QBは反転出力端子である。この動作
としては、逆相クロックCBが“1”(論理Hi)の時
に入力データDを取り込むと同時にそのデータは正転出
力Qに出力され(反転データは、反転出力QBに出
力)、CBが“0”(論理Lo)の時は入力を禁止する
と共に出力を保持する。すなわち正転出力Qは、逆相ク
ロックCBの立上り時の入力データDに応じて変化し、
次の逆相クロックCBの立上り時までデータを保持する
ことになる。なお実際のDラッチでは正相クロックCの
立上り時の入力データに応じて変化するものもあるが、
ここでは上記のようにCBの立上りに同期して出力が変
化するものと定義し、以降の説明におけるDラッチも同
様とする。
【0003】図6はMSD−FFのシンボルとその動作
タイミングダイヤグラムである。構成としては二つのD
ラッチ(D−FF)を縦続接続し前段をマスターD−F
F(MD−FF)、後段をスレーブD−FF(SD−F
F)と呼び、Dはデータ入力端子、Cは正相クロック入
力端子、CBは逆相クロック入力端子、MQはマスター
D−FFの正転出力端子、SQはスレーブD−FFの正
転出力端子、QはMSD−FFの正転出力端子(SQと
同じ)、QBは反転出力端子である。この動作として
は、逆相クロックCBが“1”の時に入力データDをマ
スターD−FFに取り込むと同時にそのデータはマスタ
ーD−FFの正転出力MQに出力されるが、この時スレ
ーブD−FFへの入力は禁止されており、スレーブD−
FFのデータSQは保持されている。次に正相クロック
Cが“1”になった時、マスターD−FFへの入力を禁
止すると共にMQを保持し、スレーブD−FFに取り込
むと同時にそのデータはスレーブD−FFの正転出力S
Qに出力される。すなわちマスターD−FFの正転出力
MQは、逆相クロックCBの立上り時に入力データDに
応じて変化し、またスレーブD−FFの正転出力SQ
は、正相クロックCの立上り時にマスターD−FFの正
転出力MQに応じて変化する。従って、MSD−FFの
正転出力Qは、正相クロックCの立上り時の入力データ
Dに応じて変化し、次の正相クロックCの立上り時まで
そのデータを保持することになる。またCおよびCBの
デューティ、すなわち繰り返し周期に対する“1”の期
間の割合は、1/2を前提にしているが、これはマスタ
ーD−FFへのデータの取り込みとスレーブD−FFへ
のデータの取り込みに対する動作余裕を均等にするため
であり、動作速度が高くなればなるほどデューティは1
/2に近いことが要求される。なお実際のMSD−FF
では逆相クロックCBの立上り時の入力データDに応じ
て変化するものもあるが、ここでは上記のようにCの立
上りに同期して出力が変化するものと定義し、以降の説
明におけるMSD−FFも同様とする。
【0004】以上説明したようなDラッチおよびMSD
−FFの動作タイミングの定義に基づき、従来型奇数分
周回路の説明に移る。分周回路、特に2分周回路は多段
に接続することにより、2、4、8、16、32、6
4、128、…と2のN乗カウンタとしてよく用いられ
るが、一番用途の多いカウンタは10進カウンタであ
り、これを実現するには2のN乗カウンタだけでは実現
不可能であり、2進カウンタと5進カウンタが必要とな
る(「解析ディジタル回路」岡村 夫、CQ出版社、昭
和59年、153頁)。また自動車電話やテレビ受像機
などに用いるディジタル選局用の可変分周器では、例え
ば64分周と65分周を、あるいは128分周と129
分周を切り替えて使う必要がある(「日経エレクトロニ
クス」、1981.6.8.、199頁)。このような
用途においては、偶数分周だけでなく奇数分周機能が必
須である。従来の奇数分周回路の一般例としては図7に
示されるような、複数のMSD−FFからなるシフトレ
ジスタと一つのNORゲートから構成されていた(参考
文献としては例えば「ディジタルIC回路の設計」、湯
山俊夫著、CQ出版、1986、p.163)。すなわ
ちn分周回路(nは奇数)の場合、前記定義に基づいて
動作するMSD−FFが(n+1)/2個縦続接続され
ており、最終段すなわち(n+1)/2番目のMSD−
FF(D(n+1)/2)の正転出力Q(n+1)/2
と、その一段手前である(n−1)/2番目のMSD−
FF(D(n−1)/2)の正転出力Q(n−1)/2
とが否定論理和ゲートNORに入力され、当該ゲートの
出力Aが1番目のMSD−FF(D1)のデータ入力端
子に接続されるように構成されていた。またこれらのM
SD−FFを動作させるための正相クロックCおよび逆
相クロックCBは、各MSD−FFが前記定義に基づい
て動作するように接続されている。なお正転出力同士の
否定論理和をとる替りに、ド・モルガンの定理(参考文
献としては例えば「シリング/ビラブ トランジスタと
ICのための電子回路III ディジタル編 改定第2
版」、山中惣之助訳、マグロウヒルブック発行、昭和6
3年、p.500)によって、D(n+1)/2の反転
出力QB(n+1)/2とD(n−1)/2の反転出力
QB(n−1)/2との論理積をとり、その出力AをD
1の入力データとなるように構成しても同様の効果を得
ることは明らかであり、このように構成された従来例も
ある。この動作を図7のタイミングダイヤグラムを用い
て説明する。なお正相クロックCの上に示した1から
(n+1)までの数字は、動作を説明するために便宜的
につけたクロックの番号である。初めに全てのMSD−
FFの正転出力が“0”の状態を考えると、Q(n−
1)/2とQ(n+1)/2は共に“0”なのでNOR
の出力Aは“1”となっており、1番目の正相クロック
Cの立上りにおいて1番目のMSD−FF(D1)の正
転出力Q1は“1”となる。D1からD(n+1)/2
までのMSD−FFはシフトレジスタを構成しているの
で、以降正相クロックCの立上り毎にQ1出力のデータ
“1”がD2、D3、……、D(n−3)/2、D(n
−1)/2、D(n+1)/2へと伝搬して行く。(n
−1)/2番目のクロックの立上りで(n−1)/2番
目のMSD−FF(D(n−1)/2)の正転出力Q
(n−1)/2が“1”になると、ゲートNORの出力
Aは“0”となり、次の(n+1)/2番目のクロック
の立上りでD1の出力Q1が“0”となる。従ってQ1
が“1”を保持していたクロック期間としては(n−
1)/2となる。このQ1の(n−1)/2期間の
“1”状態が後段に伝搬し、(n−1)/2段目の出力
Q(n−1)/2は(n−1)/2番目のクロックの立
上りから(n−1)番目のクロックの立上りまで、また
最終段の出力Q(n+1)/2は(n+1)/2番目の
クロックの立上りからn番目のクロックの立上りまで、
すなわち(n−1)/2個のクロック期間“1”状態を
保持することになる。従ってQ(n−1)/2およびQ
(n+1)/2が共に“0”となるn番目のクロックの
立上りでAは“1”となり、次の(n+1)番目のクロ
ックの立上りでQ1は“1”となる。つまり各段のMS
D−FFはn期間のクロック入力に対して(n−1)/
2期間の“1”状態と(n+1)/2期間の“0”状態
を繰り返しながらn分周出力を得ることになる。
【0005】このように従来構成の奇数(n)分周回路
では、デューティが(n−1)/2nとなってしまい、
MSD−FFの説明でも述べたように理想的なデューテ
ィである1/2が得られないという欠点を有していた。
これは、例えばこのn分周された信号を他の論理回路に
使われているMSD−FFなどのクロックとして利用し
ようとした場合、マスターおよびスレーブへのデータ取
り込みの動作余裕が均等にならず、余裕の狭い方で最高
動作速度が律速されてしまうという重大な欠点となるか
らである。またMSD−FFのみならず他の論理ゲート
でも制御信号としてこの分周クロックを利用する場合、
正相クロックと逆相クロックのどちらを用いるかでそれ
ぞれの動作余裕に差が生じ、タイミング設計の自由度が
減少するという欠点を有していた。
【0006】さらに、後述の特に図4を用いた本発明の
説明に関連して詳述するように、奇数分周回路をフェー
ズロックループ(PLL)回路の分周に用いてその分周
出力とPLL回路への入力信号との位相比較をする場合
には、デューティの異なる信号間の位相比較をすること
になり、簡単かつ安定な回路構成をすることは難しい問
題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
奇数分周回路ではデューティ1/2の分周出力が得られ
ず、この分周出力を利用する論理ゲートの動作余裕度を
低下させてしまうという問題があった。またさらに、奇
数分周回路のPLL回路への適用については上記のよう
な回路構成上容易ではない問題があった。本発明は、こ
のような問題を解決し、デューティ1/2の分周出力を
得る奇数分周回路を提供することを目的とし、併せて、
奇数分周回路のPLL回路への適用手段を提供すること
をもう1つの目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の奇数分周回路では、例えば図1(a)に示
すように、MSD−FFを用いた奇数分周回路におい
て、第1のクロックである例えば正相クロックCに同期
する分周出力を有する任意の段のMSD−FFの出力端
子または入力端子に、第1のクロックとは逆位相の第2
のクロックすなわち例えば逆相クロックCBに同期する
分周出力を出力するDラッチを付加し(図1(a)では
最終段のMSD−FFにDラッチを付加した例を示
す)、該Dラッチを付加する上記端子(例えば図中のQ
(n+1)/2の出力の端子)における該Dラッチへの
入力データと該Dラッチからの出力(例えばQL出力)
データとの論理和出力を最終分周出力(例えばB端子出
力)とする構成を備えることとする。
【0009】あるいは同じ目的を達成するため、例えば
図2(a)に示すように、MSD−FFを用いた奇数分
周回路において、第1クロックの正相クロックCに同期
する分周出力を有する任意の段(同図では最終段の例を
示す)のMSD−FFの構成要素であるマスターD−F
FとスレーブD−FFとのそれぞれの出力(例えばMQ
(n+1)/2とQ(n+1)/2の出力)の論理和出
力を最終分周出力とする構成を備えるようにしてもよ
い。
【0010】またあるいは同じ目的を達成するため、例
えば図3(a)に示すように、MSD−FFを用いた奇
数分周回路において、第1クロックの正相クロックCに
同期する分周出力を有する任意の段(同図では最終段の
例を示す)のMSD−FFの入力(例えばQ(n−1)
/2の出力)と該MSD−FFの構成要素のマスターD
−FFの出力(例えばMQ(n+1)/2の出力)との
論理和出力を最終分周出力とする構成を備えるようにす
ることもできる。
【0011】また上記のもう1つの目的を達成するた
め、例えば図4(a)に示すようなPLL回路におい
て、入力信号の周波数fiのn(nは奇数)倍の周波数
を発振する電圧制御発振器VCOとその出力周波数を1
/nに分周して入力信号と位相を比較する位相比較器P
Cとの間に挿入する奇数分周回路として本発明の奇数分
周回路を用いればよい。この場合に本発明の奇数分周回
路とともに特に位相比較器として排他的論理和構成の位
相比較器を用いれば、簡単かつ安定なPLL回路の構成
ができる利点がある。
【0012】
【作用】前記したように、従来は正相クロックに同期す
るMSD−FFの出力により最終奇数分周回路出力を得
ていたから、その出力は1/2デューティの出力波形に
ならず、これより例えば出力期間(出力“1”の期間)
がクロックの1周期分短くならざるを得なかった。しか
し、本発明では、後述の各実施例の中で詳述するよう
に、正相クロックに同期する上記のMSD−FFの出力
波形と、例えばこのMSD−FF出力に付加したDラッ
チ出力のように、逆相クロックに同期するDラッチ出
力、すなわち上記の出力波形とクロックの半周期分の位
相差を有する同一波形のDラッチ出力波形とを論理和ゲ
ートに入力してその出力を最終分周出力とする。したが
って、最終分周出力としては論理和ゲートの各入力より
クロックの半周期分出力期間が長くなり、奇数分周回路
でありながらその分周出力としてはデューティ1/2の
最終分周出力を得ることが可能になる。本発明でDラッ
チを付加せず、正相クロックに同期する出力を与えるM
SD−FFの構成要素のマスターD−FFの出力を利用
する場合も、マスターD−FFの出力は逆相クロックに
同期する出力を与えるからこの場合も上記と同様の理由
によりデユーティ1/2の出力が得られるようになる。
したがって、PLL回路に奇数分周回路を用いる場合に
は、本発明の回路を用いることにより、従来の奇数分周
回路に僅かの変更を加えるのみで、PLL回路への入力
信号とPLL回路内の分周信号とが共に1/2デューテ
ィ信号としてその位相比較をすることになるので、位相
比較が従来より著しく容易になる。さらに、上記のよう
に1/2デューティ信号としてその位相比較ができるよ
うになったことにより、位相比較器として簡単な構成の
排他的論理和型の位相比較器を容易に利用することがで
きるようになり、これにより、構成が簡単でしかも比較
位相差に応じて感度の高い位相検出が可能となり、簡単
かつ安定なPLL回路としての効果的な回路構成が可能
になる。
【0013】
【実施例】(実施例1)図1は本発明による奇数(n)
分周回路の第1の実施例を説明する図であって、図1
(a)は第1の実施例の構成図、図1(b)は第1の実
施例の動作のタイミングダイヤグラムである。初めの例
として任意の段を最終段と考えて示したものである。す
なわちMSD−FFが(n+1)/2個縦続接続されて
おり、最終段すなわち(n+1)/2番目のMSD−F
F(D(n+1)/2)の正転出力Q(n+1)/2
と、その一段手前である(n−1)/2番目のMSD−
FF(D(n−1)/2)の正転出力Q(n−1)/2
とが否定論理和ゲートNORに入力され、当該NORゲ
ートの出力Aが1番目のMSD−FF(D1)のデータ
入力端子に接続されるとともに、最終段のMSD−FF
(D(n+1)/2)の正転出力Q(n+1)/2がD
ラッチ(L)のデータ入力端子に接続され、さらにDラ
ッチの出力QLと最終段MSD−FFの正転出力Q(n
+1)/2とが論理和ゲートORの二つの入力端子に接
続され、当該ORゲートの出力Bを最終的なn分周出力
として用いるように構成されている。この動作を図1の
タイミングダイヤグラムを用いて説明する。初段MSD
−FF(D1)から最終段MSD−FF(D(n+1)
/2)を経てNORに至る経路の動作は従来例の場合と
同様である。(n+1)/2番目の正相クロックCの立
上りにおいて、最終段MSD−FF(D(n+1)/
2)の正転出力Q(n+1)/2が“1”になると同時
に論理和ゲートORを経て最終出力Bも“1”になる。
一方DラッチLに入力されたQ(n+1)/2の情報
は、従来例のDラッチの説明で述べたように次の逆相ク
ロックCBの立上りにおいてDラッチの出力QLに現れ
る。つまり(n+1)/2番目のクロック周期の1/2
の時点でQLは“1”になる。最終段MSD−FFまで
の動作は従来例と同様なので、Q(n+1)/2はn番
目の正相クロックCの立上りにおいて“0”になり、こ
の情報は1/2周期後ろへシフトしてQLはn番目の逆
相クロックCBの立上りにおいて“0”になる。QLは
論理和ゲートORの一方の入力となるが、この時点で他
方の入力であるQ(n+1)/2はすでに“0”になっ
ているので、最終出力Bもn番目の逆相クロックCBの
立上りにおいて“0”となる。従ってBが“1”状態を
保持している期間は(n+1)/2番目の正相クロック
Cの立上りからn番目の逆相クロックCBの立上りまで
となりその長さは(n+1/2)−(n+1)/2=n
/2であるから、デューティ1/2のn分周信号が得ら
れることになる。以上は最終段のMSD−FFにDラッ
チを付加した場合について説明したが、次にこれを拡張
して任意の段の場合について述べる。図1の動作タイミ
ングダイヤグラムからもわかるように、初段のMSD−
FFから最終段のMSD−FFを通り否定論理和ゲート
NORを介して初段のMSD−FFへ戻るループにおい
て、どの段のMSD−FFの正転出力も全て同じデュー
ティ、すなわち(n−1)/(2n)を有しており、D
ラッチLおよび論理和ゲートORをどの段に付加しても
前記ループの動作に影響は与えない。従ってLおよびO
Rをループ内の任意の段のMSD−FFに付加しても同
様の動作を行うことになり、最終分周出力Bは1/2が
得られることになる。
【0014】(実施例2)図2は本発明による奇数
(n)分周回路の第2の実施例を説明する図であって、
図2(a)は第2の実施例の構成図、図2(b)は第2
の実施例の動作タイミングダイヤグラムである。従来構
成の奇数分周回路における任意の段のMSD−FFのマ
スターD−FF(MD−FF)の正転出力MQと同じ段
のスレーブD−FF(SD−FF)の正転出力SQとが
論理和ゲートORの2つの入力端子に接続され、当該ゲ
ートORの出力Bを最終分周出力として用いるように構
成されている。この動作を図2の動作タイミングダイヤ
グラムを用いて説明する。この場合も第1の実施例と同
様なので、任意の段として最終段の場合についてのみ述
べる。MSD−FFは従来回路構成の説明でも述べたよ
うに、2つのDラッチを縦続接続して前段をマスターD
−FF(MD−FF)、後段をスレーブD−FF(SD
−FF)として用いており、MD−FFの正転出力MQ
は逆相クロックCBの立上り時に入力データに応じて変
化し、またSD−FFの正転出力SQは正相クロックC
の立上り時にMD−FFの正転出力MQに応じて変化す
る。従ってタイミングダイヤグラムからわかるように、
最終段MSD−FFのマスターD−FF正転出力MQ
(n+1)/2は(n−1)/2番目の逆相クロックC
Bの立上りで“1”となり、スレーブD−FF正転出力
Q(n+1)/2はn番目の正相クロックCの立上りで
“0”となるので、両出力の論理和Bのデューティとし
ては1/2となる。
【0015】(実施例3)図3は本発明による奇数
(n)分周回路の第3の実施例を説明する図であって、
図3(a)は第3の実施例の構成図、図3(b)は第3
の実施例の動作タイミングダイヤグラムである。従来構
成の奇数分周回路における任意の段のMSD−FFのマ
スターD−FF(MD−FF)の正転出力MQと前段の
MSD−FFのスレーブD−FF(SD−FF)の正転
出力SQとが論理和ゲートORの2つの入力端子に接続
され、当該ゲートORの出力Bを最終分周出力として用
いるように構成されている。この動作を図3の動作タイ
ミングダイヤグラムを用いて説明する。第2の実施例の
動作とほぼ同様であるが、最終段前段のMSD−FF
(D(n−1)/2)のスレーブD−FF正転出力Q
(n−1)/2は(n−1)/2番目の正相クロックC
の立上りで“1”となり、最終段のMSD−FF(D
(n+1)/2)のマスターD−FF正転出力MQ(n
+1)/2は(n−1)番目の逆相クロックCBの立上
り時に“0”となるので両出力の論理和Bのデューティ
としては1/2となる。
【0016】(実施例4)図4は本発明による奇数
(n)分周回路の適用例を説明する図で、図4(a)は
PLL構成図であり、周波数fiを有する入力信号Vi
のn倍の周波数を発振できる電圧制御発振器VCOと、
VCO出力Voの周波数foを1/nにするn分周回路
DIVと、入力信号ViおよびDIV出力Vdの位相差
を検出する排他的論理和構成の位相比較器PCと、PC
出力Vpから高周波成分と雑音を除去し平均直流電圧V
lを得るループフィルタLPFとからなるフェーズロッ
クループ回路PLLにおいて、前記第1の実施例から第
3の実施例に記載の奇数分周回路が、VCOとPCの間
に挿入されるように構成されている。このようなPLL
回路に用いられる位相比較器にはアナログ型のダブルバ
ランスミキサや、ディジタル型の排他的論理和方式およ
びエッジトリガ方式がある(参考文献としては例えば
「実験を通して学ぶPLLの設計と実用回路」、 HO
WARD M.BERLIN著、宮田慶一・禿節史共訳、マイテック
発行、昭和62年12月、p.19)。これらの中で排
他的論理和方式位相比較器は最も簡単な構成であるが、
図4(b)の排他的論理和による位相比較動作に示すよ
うにDIVからの分周クロックVdのデューティが1/
2でないと、立ち上がり部での位相差に比べて立ち下が
り部での位相差が小さくなり、平均直流電圧Vlの低下
すなわちループ利得の低下を引き起こすと共に、図4
(c)の入出力特性に示すように傾きが零すなち変換利
得が零となってフェーズロック動作の不安定化を招くた
め、二つの入力のデューティは1/2である必要があ
る。従って前記第1の実施例から第3の実施例に述べた
ようなデューティ1/2の奇数分周回路を用いれば、構
成が簡単で安定動作が可能なPLL回路を実現すること
ができる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の奇数分周
回路により、デューティ1/2の奇数分周信号を得るこ
とが可能となる。これによりこのn分周された信号を論
理回路に使われているMSD−FFなどのクロックとし
て利用しようとした場合、マスターおよびスレーブへの
データ取り込みの動作余裕が均等となり、従来構成のよ
うに余裕の狭い方で最高動作速度が律速されてしまうと
いう欠点が解消される。またMSD−FFのみならず他
の論理ゲートでも制御信号としてこの分周クロックを利
用する場合、正相クロックと逆相クロックのどちらを用
いてもそれぞれの動作余裕が等しいという利点を有して
おり、さらに正相クロックの立上りで“1”になるタイ
プと逆相クロックの立上りで“1”になるタイプの両者
が実現できる。またPLL回路において、本奇数分周回
路を使用すれば、位相検出部に構成の簡単な排他的論理
和型位相比較器を用いることができ、PLL回路全体の
簡単化、動作の安定化が可能となる。以上のように本発
明によるデューティ1/2の奇数分周回路は、高速で動
作余裕も広く、タイミング設計自由度の大きな論理回路
実現に対し多大な貢献を果たすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による奇数(n)分周回路の第1の実施
例図。
【図2】本発明による奇数(n)分周回路の第2の実施
例図。
【図3】本発明による奇数(n)分周回路の第3の実施
例図。
【図4】本発明による奇数(n)分周回路の適用例を説
明する図。
【図5】Dラッチのシンボルと動作タイミングダイヤグ
ラム。
【図6】MSD−FFのシンボルと動作タイミングダイ
ヤグラム。
【図7】従来型奇数(n)分周回路と動作タイミングダ
イヤグラム。
【符号の説明】
D…データ入力端子 C…正相クロック
入力端子 CB…逆相クロック入力端子 Q…正転出力端
子 QB…反転出力端子 D−FF…Dフリップ
フロップ MSD−FF…マスタースレーブ型Dフリップフロップ MD−FF…マスターD−FF SD−FF…スレーブ
D−FF MQ…マスターD−FFの正転出力端子 SQ…スレーブD−FFの正転出力端子 D1〜D(n+1)/2…MSD−FF Q1〜Q(n+1)/2…MSD−FFの正転出力 Q1B〜QB(n+1)/2…MSD−FFの逆転出力 NOR…否定論理和ゲート A…否定論理和
ゲートの出力端子 B…最終出力端子 L…Dラッチ QL…Dラッチの正転出力 QBL…Dラッ
チの逆転出力 OR…論理和ゲート VCO…電圧制
御発振器 Vi…入力信号 fi…入力信号
の周波数 Vo…VCO出力信号 fo…VCO出
力信号の周波数 DIV…n分周回路 Vd…DIV出
力信号 PC…位相比較器 LPF…ループ
フィルタ PLL…フェーズロックループ回路
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03L 7/08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のマスタースレーブ型Dフリップフロ
    ップ(MSD−FFという)を縦続接続し、最終段のM
    SD−FFと該最終段の一段前段のMSD−FFの両正
    転出力の否定論理和出力を初段のMSD−FFに入力
    し、クロックと同期した分周出力を有する奇数分周回路
    において、 第1のクロックに同期する分周出力を有する任意の段の
    MSD−FFの出力端子または入力端子に、上記第1の
    クロックとは逆位相の第2のクロックに同期する分周出
    力を出力するDフリップフロップ(Dラッチという)を
    付加し、該Dラッチを付加する上記端子における該Dラ
    ッチへの入力データと該Dラッチからの出力データとの
    論理和出力を最終分周出力とする構成を備えることを特
    徴とする奇数分周回路。
  2. 【請求項2】複数のマスタースレーブ型Dフリップフロ
    ップ(MSD−FFという)を縦続接続し、最終段のM
    SD−FFと該最終段の一段前段のMSD−FFの両正
    転出力の否定論理和出力を初段のMSD−FFに入力
    し、クロックと同期した分周出力を有する奇数分周回路
    において、 第1のクロックに同期する分周出力を有する任意の段の
    MSD−FFの構成要素であるマスターD−FFとスレ
    ーブD−FFとのそれぞれの出力データの論理和出力を
    最終分周出力とする構成を備えることを特徴とする奇数
    分周回路。
  3. 【請求項3】複数のマスタースレーブ型Dフリップフロ
    ップ(MSD−FFという)を縦続接続し、最終段のM
    SD−FFと該最終段の一段前段のMSD−FFの両正
    転出力の否定論理和出力を初段のMSD−FFに入力
    し、クロックと同期した分周出力を有する奇数分周回路
    において、 第1のクロックに同期する分周出力を有する任意の段の
    MSD−FFへの入力データと、該MSD−FFの構成
    要素であるマスターD−FFからの出力データとの論理
    和出力を最終分周出力とする構成を備えることを特徴と
    する奇数分周回路。
  4. 【請求項4】入力信号の周波数のn(nは奇数)倍の周
    波数を発振する電圧制御発振器と、該電圧制御発振器出
    力周波数を1/nにするn分周回路と、該n分周回路出
    力と上記入力信号の位相差を検出する位相比較器と、該
    位相比較器出力から平均直流電圧を得て該平均直流電圧
    を上記電圧制御発振器に出力するループフィルタとを有
    するフェーズロックループ回路において、 上記電圧制御発振器と上記位相比較器の間に挿入するn
    分周回路として請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
    奇数分周回路を用いることを特徴とする奇数分周回路を
    用いたフェーズロックループ回路。
  5. 【請求項5】請求項4記載の奇数分周回路を用いたフェ
    ーズロックループ回路において、電圧制御発振器と位相
    比較器の間に挿入するn分周回路として請求項1乃至請
    求項3の何れかに記載の奇数分周回路を用い、かつ該奇
    数分周回路の分周出力と上記入力信号とを位相比較する
    排他的論理和構成の位相比較器を用いることを特徴とす
    る奇数分周回路を用いたフェーズロックループ回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015139103A (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 学校法人東海大学 可変分周器

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JP2015139103A (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 学校法人東海大学 可変分周器

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