JP2001021596A - 二値信号の比較装置及びこれを用いたpll回路 - Google Patents

二値信号の比較装置及びこれを用いたpll回路

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JP2001021596A JP11197609A JP19760999A JP2001021596A JP 2001021596 A JP2001021596 A JP 2001021596A JP 11197609 A JP11197609 A JP 11197609A JP 19760999 A JP19760999 A JP 19760999A JP 2001021596 A JP2001021596 A JP 2001021596A
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03DDEMODULATION OR TRANSFERENCE OF MODULATION FROM ONE CARRIER TO ANOTHER
    • H03D13/00Circuits for comparing the phase or frequency of two mutually-independent oscillations
    • H03D13/001Circuits for comparing the phase or frequency of two mutually-independent oscillations in which a pulse counter is used followed by a conversion into an analog signal

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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
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  • Measuring Frequencies, Analyzing Spectra (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ディジタル回路を中心とした簡単な構成により
周波数の異なる二つの入力信号の位相差を検出できる比
較装置を提供する。 【解決手段】第1の入力信号111の立ち上がりでリセ
ット信号を発生するリセット信号発生回路104と、こ
のリセット信号によりリセットされ、第2の入力信号1
12をカウントすることにより入力信号111,112
の周波数比に応じたディジタル値を出力するカウンタ1
05と、カウンタ105からの出力ディジタル値と入力
信号111,112に対して設定された周波数比設定値
116との誤差を検出する減算器107と、減算器10
7の出力を積分して入力信号111,112の位相差に
対応したディジタル値118を出力する積分器108と
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二値化された二つ
の入力信号の周波数や位相を比較する比較装置及びこれ
を位相比較器として用いたPLL回路に関する。
【0002】
【従来の技術】二値化された二つの入力信号の位相を比
較する位相比較器として、イクスクルーシブOR回路を
用いる手法は古くから知られている。すなわち、イクス
クルーシブOR回路の二つの入力に二値化された入力信
号をそれぞれ与えると、その出力に現れる二値の出力信
号のデューティが二つの入力信号の位相差に応じて変化
するため、これを積分器で平均化することにより、位相
差に応じたアナログ信号を取り出すことができる。
【0003】イクスクルーシブOR回路では二つの入力
信号の周波数が等しく、位相差が−π〜πの間のみでし
か位相差を検出することができず、周波数ステップ動作
時には正しく位相差を検出することはできない。従っ
て、イクスクルーシブOR回路を位相比較器に用い、検
出された位相差に基づいて電圧制御発振器の発振周波数
を制御するPLL(位相ロックループ)回路を構成した
場合には、初期引き込みに要する時間、いわゆるセトリ
ング時間が長くなってしまう。
【0004】一方、検出できる位相差の範囲を−2π〜
2πに拡大した位相比較器も知られている。この位相比
較器では、位相差が−2π〜2πの範囲を超えた場合は
出力される位相差の値が−2πまたは2πの値を保持す
るように動作するため、周波数ステップ動作時にも正常
な動作を期待できる。しかし、検出できる位相差の範囲
は拡大されたとはいえ−2π〜2πに制限されてしま
う。
【0005】また、上述した位相比較器を用いてPLL
回路を構成する場合は、いずれも位相比較器への二つの
入力信号の周波数をほぼ等しくするように構成する必要
があり、PLL回路の構成の自由度を著しく狭めること
になる。さらに、ループ内に分周器を挿入したPLL回
路を用いて所望の周波数を生成しようとする場合、出力
周波数が基準信号の周波数の整数倍に限定されてしま
う。
【0006】特開平5−300014号には、位相差が
−2π〜2πの範囲を超える場合にも適用可能な位相比
較器が開示されている。しかし、この位相比較器では構
成要素として鋸歯状波の基準信号発生器や基準信号の微
分位相発生器などの複雑なアナログ的回路要素を必要と
するため、回路規模が非常に大きなものとなってしま
い、コストが増大するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の位相比較器では周波数の異なる二つの入力信号の位相
差を検出することができず、また特にPLL回路を構成
する場合は、位相比較器への二つの入力信号の周波数を
ほぼ等しくするように構成する必要があるため、PLL
回路の構成の自由度が著しく狭められ、さらにPLL回
路の出力周波数の自由度も低いという問題点があった。
【0008】また、二つの入力信号の位相差が−2π〜
2πの範囲を超え周波数が異なる場合にも適用可能に構
成した位相比較器では、回路規模が大きく高価なものと
なってしまうという問題点があった。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、ディジタル回路を中心とした簡単な回路
構成で、周波数の異なる二つの入力信号の周波数比を検
出でき、さらに該周波数比と周波数比設定値との誤差、
そしてさらには周波数の異なる二つの入力信号の位相差
を検出可能とする比較装置及びこれを用いたPLL回を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る二値化された第1及び第2の入力信号
を比較する比較装置は以下のように構成される。
【0011】(1)本発明に係る第1の比較装置は、第
1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも
一方の変化点毎にカウンタをリセットし、該カウンタで
第2の入力信号をカウントすることにより、該カウンタ
から第1及び第2の入力信号の周波数比に応じたディジ
タル値を出力することを特徴とする。
【0012】この比較装置によれば、カウンタを主体と
した単純な構成で、第1及び第2の入力信号の周波数比
を精度よく求めることができる。
【0013】(2)本発明に係る第2の比較装置は、第
1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも
一方の変化点毎にリセットされ、第2の入力信号をカウ
ントすることにより第1及び第2の入力信号の周波数比
に応じたディジタル値を出力するカウンタと、このカウ
ンタから出力されるディジタル値と第1及び第2の入力
信号に対して設定された周波数比設定値を表すディジタ
ル値との誤差を検出する誤差検出手段とを有することを
特徴とする。
【0014】この比較装置では、第1の比較装置で得ら
れるディジタル値を用いて、簡単な構成で第1及び第2
の入力信号の周波数比の周波数比設定値に対する誤差を
精度よく求めることができる。
【0015】(3)本発明に係る第3の比較装置は、第
1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも
一方の変化点毎にリセットされ、第2の入力信号をカウ
ントすることにより第1及び第2の入力信号の周波数比
に応じたディジタル値を出力するカウンタと、このカウ
ンタから出力されるディジタル値と第1及び第2の入力
信号に対して設定された周波数比設定値を表すディジタ
ル値との誤差を検出する誤差検出手段と、この誤差検出
手段により検出された誤差を積分する積分手段とを有す
ることを特徴とする。
【0016】この比較装置では、第2の比較装置により
得られた第1及び第2の入力信号の周波数比の周波数比
設定値に対する誤差をさらに積分することによって、簡
単な構成で第1及び第2の入力信号の位相差を両信号の
周波数比がどのような値であっても検出することが可能
となる。
【0017】(4)本発明に係る第4の比較装置は、第
1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも
一方の変化点のタイミング毎にカ該カウンタで第2の入
力信号をカウントすることにより第1及び第2の入力信
号の周波数比に応じたディジタル値を生成すると共に、
該ディジタル値と第1及び第2の入力信号に対して設定
された周波数比設定値を表すディジタル値との誤差の積
分値に対応したディジタル値を該カウンタから出力する
ことを特徴とする。
【0018】この比較装置では、第1及び第2の入力信
号の周波数比の周波数比設定値に対する誤差を積分する
ことで、第1及び第2の入力信号の位相差を両信号の周
波数比がどのような値であっても検出することが可能と
なる。
【0019】しかも、カウンタの内部で第1及び第2の
入力信号の周波数比の周波数比設定値に対する誤差が検
出され、さらにこの誤差の積分が行われるので、別に積
分器を必要としないより簡単な回路構成とすることがで
きる。
【0020】(5)本発明に係る第5の比較装置は、第
1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも
一方の変化点のタイミング毎に第2の入力信号をカウン
トすることにより第1及び第2の入力信号の周波数比に
応じたディジタル値を生成すると共に、該ディジタル値
と第1及び第2の入力信号に対し設定された非整数の周
波数比設定値の整数部を示すディジタル値との誤差の積
分値に対応したディジタル値を出力するカウンタと、周
波数比設定値の小数部を示すディジタル値を積分する積
分手段と、カウンタから出力されるディジタル値と積分
手段により積分されたディジタル値との誤差を検出する
誤差検出手段とを有することを特徴とする。
【0021】この比較装置では、第1及び第2の入力信
号の周波数比の周波数比設定値に対する誤差を積分して
位相差を検出する際、第1及び第2の入力信号の周波数
比の周波数比設定値の整数部に対する誤差の積分はカウ
ンタで行われ、周波数比設定値の小数部に対する誤差の
積分はカウンタの外部で行われることによって、カウン
タの構成を複雑にすることなく、より簡単な構成で位相
誤差をより高精度に検出することができる。
【0022】(6)本発明に係る第6の比較装置は、第
1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも
一方の変化点毎にリセットされ、第2の入力信号をカウ
ントすることにより第1及び第2の入力信号の周波数比
に応じたディジタル値を出力するカウンタと、第1及び
第2の入力信号に対して設定された非整数の周波数比設
定値を表すディジタル値を平均的に該ディジタル値とな
るように構成された整数のディジタル値列に変換する変
換手段と、カウンタから出力されるディジタル値と変換
手段により変換されたディジタル値列との誤差を検出す
る誤差検出手段とを有することを特徴とする。
【0023】この比較装置によると、第1及び第2の入
力信号の周波数比が周波数比設定値に対し誤差を持たな
い場合の繰り返しパターンの発生を伴うことなく、周波
数比の誤差を精度よく検出することができる。
【0024】(7)本発明に係る第7の比較装置は、第
1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも
一方の変化点毎にリセットされ、第2の入力信号をカウ
ントすることにより第1及び第2の入力信号の周波数比
に応じたディジタル値を出力するカウンタと、第1及び
第2の入力信号に対して設定された非整数の周波数比設
定値を示すディジタル値を平均的な値が該ディジタル値
と一致するように構成された整数のディジタル値列に変
換する変換手段と、カウンタから出力されるディジタル
値と変換手段により変換されたディジタル値列との誤差
を検出する誤差検出手段と、この誤差検出手段により検
出された誤差を積分する積分手段とを有することを特徴
とする。
【0025】この比較装置においても、第1及び第2の
入力信号の周波数比がどのような値であっても、両信号
の位相比較を行うことが可能となる。
【0026】(8)本発明に係る第8の比較装置は、第
1及び第2の入力信号に対して設定された非整数の周波
数比設定値を表すディジタル値を平均的な値が該ディジ
タル値と一致するように構成された整数のディジタル値
列に変換する変換手段と、第1の入力信号の立ち上がり
及び立ち下がりの少なくとも一方の変化点のタイミング
毎に第2の入力信号をカウントすることにより第1及び
第2の入力信号の周波数比に応じたディジタル値を生成
すると共に、該ディジタル値と変換手段により変換され
たディジタル値列との誤差の積分値に対応したディジタ
ル値を出力するカウンタとを有することを特徴とする。
【0027】この比較装置では、カウンタにおいて第1
及び第2の入力信号の周波数比の周波数比設定値に対す
る誤差を積分することで、第1及び第2の入力信号の周
波数比がどのような値であっても、両信号の位相比較を
行うことが可能であり、さらにカウンタの内部で第1及
び第2の入力信号の周波数比の周波数比設定値に対する
誤差が検出され、さらにこの誤差の積分が行われるの
で、別に積分器を設ける必要がなく、回路構成がより簡
単なものとなる。
【0028】(9)さらに、本発明によると第2、第
3、第4、第5、第6、第7及び第8のいずれかの比較
装置を位相比較器として含み、第1の入力信号として、
所定の周波数の基準信号を入力し、第2の入力信号とし
て、該位相比較器に基づいて制御される可変周波数発振
器の出力信号または該出力信号を分周した信号を入力す
ることを特徴とするPLL回路が提供される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の最も基本的な第1
の実施形態に係る比較装置を示している。この比較装置
は、第1の入力端子101からの二値化された第1の入
力信号111と、第2の入力端子102からの二値化さ
れた第2の入力信号112との周波数比に対応した出力
ディジタル値115を出力端子103から出力する装置
であり、リセット信号発生回路104とカウンタ105
から構成される。
【0030】次に、図2に示す信号波形図を用いて本実
施形態による比較装置の原理と動作を説明する。第1の
入力信号111、第2の入力信号112はそれぞれ図2
(a)(c)に示すように二値化された信号であり、こ
の例では両者の周波数は異なっている。リセット信号発
生回路104は、例えば微分回路により構成され、図2
(b)に示すように第1の入力信号111の立ち上がり
タイミングt1,t2,…を検出し、このタイミングt
1,t2,…でパルス信号をリセット信号114として
発生する。
【0031】リセット信号114は、カウンタ105の
リセット入力に与えられる。カウンタ105のクロック
入力には、第2の入力信号112が入力される。従っ
て、カウンタ105はリセット信号114が入力される
度にリセットされ、次に再びリセットされるまでの期間
にわたり第2の入力信号112をカウントする。リセッ
ト信号114は第1の入力信号111の周期T1毎に発
生されるから、カウンタ105から出力されるディジタ
ル値115は、第1の入力信号111の周期T1内に含
まれる第2の入力信号112の周期数、つまり第1の入
力信号111と第2の入力信号112の周波数比に対応
した値となる。このカウンタ105の出力ディジタル値
115は、出力端子103より出力される。
【0032】本実施形態の比較装置は、一見すると周波
数カウンタと類似している。しかしながら、周波数カウ
ンタは既知の長さのゲート信号の期間内にカウンタに入
力されるクロックの数をカウントするものである。これ
に対して、本実施形態の比較装置ではゲート信号に対応
する第1の入力信号111は、繰り返し入力される周期
信号であり、カウンタ105による第2の入力信号11
2のカウントは、第1の入力信号111の1周期毎に連
続して間断なく行われる点が周波数カウンタと本質的に
異なる。
【0033】ここで、本実施形態の構成において、第1
及び第2の入力信号111,112の周波数比が整数の
場合には、出力ディジタル値115は正確にこの周波数
比に対応した値を持つが、実際には周波数比が整数とな
らない場合があり、そのような場合には出力ディジタル
値115に誤差が生じると考えられる。しかし、本実施
形態の構成によると、この誤差は十分に低く抑えられ
る。
【0034】図2は、第1及び第2の入力信号111,
112の周波数比が整数でない場合を示している。tq
はカウンタ105で発生する丸め誤差であり、カウンタ
105が第1の入力信号111の周期内で第2の入力信
号112の数をカウントする場合に、第2に入力信号1
12の1周期以下の時間をカウントできないために発生
する誤差である。z-1は、第2の入力信号112をカウ
ンタ105のクロック入力とした場合のz変換における
1クロック遅延を表す。
【0035】第2の入力信号112の周期をT2とする
と、カウンタ105の出力ディジタル値115は、T1
/T2+(1−z-1)tqと表すことができる。ここ
で、この出力ディジタル値115においては、誤差成分
は(1−z-1)が乗じられた形で現れる。この項のDC
成分はz=1と置くことにより求まり、0となる。従っ
て、カウンタ105の出力ディジタル値115への丸め
誤差の影響は、DC成分では存在しない。すなわち、あ
る程度以上の長い時間でみると、つまり平均的にみる
と、カウンタ105の丸め誤差の影響は出力ディジタル
値115にほとんど現れず、出力ディジタル値115は
第1及び第2の入力信号111,112の周波数比を正
確に示す。
【0036】言い換えれば、第1の入力信号111の1
周期内でみると、カウンタ105の出力ディジタル値1
15にはカウンタ105での丸め誤差が現れるが、この
誤差分は第1の入力信号111の次の1周期内のカウン
タ105のカウント値に繰り入れられ、この丸め誤差が
次々と次の周期に繰り入れられて伝搬してゆくことによ
り、平均的にみると丸め誤差の影響は出力ディジタル値
115に現れなくなるのである。
【0037】図3に、出力ディジタル値115における
誤差成分の周波数スペクトルのシミュレーション結果を
示す。図3において、横軸は周波数、縦軸は雑音電力を
それぞれ表す。
【0038】ここで、第1及び第2の入力信号111,
112の周期比(周波数比の逆数)をT1/T2=1
0.5としている。第1及び第2の入力信号111,1
12の周波数が異なるために、第1の入力信号111の
1周期内では出力ディジタル値115に誤差が発生す
る。
【0039】通常、ランダムに発生する誤差であれば、
そのスペクトルは周波数によらず一定となる。しかし、
図3に示されるように周波数0付近での誤差分、つまり
誤差のDC成分は上述した原理で減衰するため、非常に
小さくなっている。
【0040】このように本実施形態の比較装置によれ
ば、第1及び第2の入力信号111,112の周波数比
を精度よく求めることができる。従って、この周波数比
から後に説明する実施形態で示すように、入力信号11
1,112の周波数が異なる場合でも、両者の位相差を
正確に検出することが可能となる。
【0041】図4に、カウンタ105の具体例を示す。
このカウンタ105ではJKフリップフロップ151,
152,153,154とANDゲート155,156
よりなる4ビットの同期カウンタが構成され、JKフリ
ップフロップ151,152,153,154のリセッ
ト端子には入力端子150に入力される図1のリセット
信号発生回路104からのリセット信号114、またク
ロック端子には第2の入力信号112がそれぞれ入力さ
れる。
【0042】同期カウンタの出力は、リセット信号11
4のタイミングで4ビットのラッチ157によりラッチ
され、このラッチ157の出力から第1の入力信号11
1の周期内に含まれる第2の入力信号112の周期数に
応じたディジタル値がカウンタ105の出力ディジタル
値115として得られる。このカウンタのカウント動作
はリセット信号114によるリセット後、直ちに再開さ
れるため、第1及び第2の入力信号111,112の周
波数比が整数をなさない場合は、図2を用いて説明した
原理に基づき、ラッチ157に保持される値のDC値は
正確な周波数比を示す。
【0043】このように本実施形態の比較装置によれ
ば、第1及び第2の入力信号111,112の周波数比
を精度よく求めることができる。なお、本実施形態では
リセット信号発生回路104が図2に示したように第1
の入力信号111の立ち上がりタイミングt1,t2,
…でリセット信号114を発生するものとしたが、第1
の入力信号111の立ち下がりタイミングでリセット信
号を発生してもよく、立ち上がり及び立ち下がりの両方
のタイミングでリセット信号を発生してもよい。
【0044】また、リセット信号発生回路104は必ず
しも必要ではなく、カウンタ105が第1の入力信号1
11の立ち上がりまたは立ち下がりエッジでリセットさ
れる構成となっていれば、リセット信号発生回路104
を省略することができる。この点は、以降の実施形態に
おいても同様である。
【0045】(第2の実施形態)図5は、本発明の第2
の実施形態に係る比較装置であり、第1の実施形態で説
明した図1の構成に加えて、第3の入力端子106が追
加され、さらにカウンタ105と出力端子103との間
に減算器107が挿入されている。
【0046】第3の入力端子106には、周波数比設定
値116が入力される。この周波数比設定値116は第
1及び第2の入力信号111,112の周波数比として
設定したい値を表すディジタル値であり、減算器107
ではカウンタ105の出力ディジタル値115から周波
数比設定値116が差し引かれ、この減算器107の出
力ディジタル値117が出力端子103へ導かれる。従
って、本実施形態によると、周波数比設定値116に対
する第1及び第2の入力信号111,112の周波数比
の誤差が求められる。
【0047】図6は、本実施形態におけるカウンタ10
5と減算器107の部分を具体的に示す図であり、カウ
ンタ105は図4と同じく4ビットの同期カウンタであ
る。このカウンタ105の終段に設けられた4ビットの
ラッチ157の出力ディジタル値115は、減算器10
7の加算入力に与えられ、減算器107の減算入力には
4ビットのディジタル値からなる周波数比設定値116
が入力される。減算器107では、これら出力ディジタ
ル値115と周波数設定値116との減算処理が行わ
れ、この減算結果が減算器107より5ビットの出力デ
ィジタル値117として出力される。
【0048】図4で説明したように、ラッチ157には
第1及び第2の入力信号111,112の周波数比のデ
ィジタル値が保持されるため、ラッチ157の出力ディ
ジタル値115から周波数比設定値116を差し引くこ
とにより、周波数比設定値116に対するディジタル値
115の誤差を示す出力ディジタル値117が得られ
る。
【0049】このように本実施形態の比較装置によれ
ば、第1及び第2の入力信号111,112の周波数比
の周波数比設定値116に対する誤差を精度よく求める
ことができる。
【0050】(第3の実施形態)図7は、本発明の第3
の実施形態に係る比較装置であり、図5の減算器107
の後段に積分器108が挿入された構成となっている。
第2の実施形態で説明したように、減算器107からは
第1及び第2の入力信号111,112の周波数比の周
波数比設定値116に対する誤差が出力されるので、こ
れを積分器108で積分することにより、第1及び第2
の入力信号111,112の周波数比設定値116分の
1の周波数における位相差の情報が得られる。
【0051】より詳細には、第1の入力信号111の周
波数をf1、第2の入力信号112の周波数をf2、周
波数比設定値116をmとすると、積分器108からは
第1の入力信号111の周波数をm倍したm×f1の信
号と、f2なる周波数の第2の入力信号112との位相
差を示すディジタル値118が得られる。ここで、特筆
すべきことはmは整数に限られるものではなく、小数で
あっても構わないという点である。従って、本実施形態
によると第1及び第2の入力信号111,112の周波
数比f1/f2がどのような値であっても、両信号11
1,112の位相比較を行うことが可能となる。
【0052】図8は、本実施形態におけるカウンタ10
5と減算器107及び積分器108の部分を具体的に示
す図であり、カウンタ105と減算器107は図6と同
様である。積分器108は加算器181とラッチ182
からなり、加算器181は減算器107からの出力値1
17と、ラッチ182に保持されていた加算器181の
前回の出力値を加算し、出力ディジタル値118として
減算器107の出力ディジタル値117を積分した値を
出力する。
【0053】このように本実施形態によれば、第1及び
第2の入力信号111,112の周波数比f1/f2の
周波数比設定値mに対する誤差を積分することで、周波
数m×f1の信号と周波数f2の信号との位相差を求め
ることができるので、第1及び第2の入力信号111,
112の位相差を両信号の周波数比f1/f2がどのよ
うな値であっても検出することが可能となる。
【0054】(第4の実施形態)図9に、本発明の第4
の実施形態に係る比較装置を示す。この比較装置は、入
力端子201からの二値化された第1の入力信号211
と第2の入力端子202からの二値化された第2の入力
信号212との位相差に対応した出力ディジタル値21
5を出力端子203から出力する装置であり、ロード信
号発生回路204とカウンタ205から構成される。
【0055】ロード信号発生回路204は、例えば微分
回路で構成されており、第1の入力信号211の立ち上
がりタイミングまたは立ち下がりタイミングあるいは立
ち上がり及び立ち下がりの両方のタイミングでロード信
号214を発生する。ロード信号214は、カウンタ2
05ロード端子に入力される。カウンタ205のクロッ
ク端子には、第2の入力信号212が入力される。カウ
ンタ205には、さらに第3の入力端子206から周波
数比設定値216が入力される。この周波数比設定値2
16は、第1及び第2の入力信号211,212の周波
数比として設定したい値を表すディジタル値である。
【0056】カウンタ205は、ロード信号214のタ
イミングに従って、第2の入力信号212をカウント
し、第1及び第2の入力信号211,212の周波数比
に応じたカウント値を生成すると共に、このカウント値
と周波数比設定値216との誤差の積分値を出力ディジ
タル値215として出力するように構成されている。こ
のカウンタ205からの出力ディジタル値215は、出
力端子203より出力される。
【0057】図10は、カウンタ205の具体例を示し
ている。このカウンタ205は、カウンタ回路251と
ラッチ252及び減算器253により構成され、カウン
タ回路251のロード端子にはロード信号214が入力
され、クロック端子には第2の入力信号212が入力さ
れる。カウンタ回路251の出力ディジタル値215
は、出力端子203に導かれると共に、ロード信号21
4のタイミングでラッチ252により保持される。ラッ
チ252からの出力ディジタル値は周波数比設定値21
6と共に減算器253に入力され、減算器253で両者
の誤差が求められる。この誤差はロード信号214のタ
イミングでカウンタ回路251にロードされる。
【0058】すなわち、カウンタ回路251は第1の入
力信号211の立ち上がりタイミングで生成されるロー
ド信号214のタイミングに従い減算器253の出力が
ロードされると、第2の入力信号212のカウントを開
始し、第1の入力信号211の周期内に含まれる第2の
入力信号212の周期数に応じたディジタル値、つまり
第1及び第2の入力信号211,212の周波数比が求
められ、これがラッチ252によりロード信号214の
タイミングでラッチされる。カウンタ回路251のカウ
ント動作はロード信号214によるロード後、直ちに再
開されるため、第1及び第2の入力信号111,112
の周波数比が整数をなさない場合は、図2を用いて説明
した原理に基づき、ラッチ252に保持される値のDC
値は正確な周波数比を示す。
【0059】こうしてラッチ252に保持された周波数
比と周波数比設定値216との誤差が減算器253で求
められ、これがロード信号214のタイミングでカウン
タ回路251に再びロードされる。このような動作が繰
り返されることにより、カウンタ回路251からは第1
及び第2の入力信号211,212の周波数比と周波数
比設定値216との誤差を積分した出力ディジタル値2
15が出力される。
【0060】このように本実施形態によれば、カウンタ
205において第1及び第2の入力信号211,212
の周波数比f1/f2の周波数比設定値mに対する誤差
を積分することで、周波数m×f1の信号と周波数f2
の信号との位相差を求めることができるので、第1及び
第2の入力信号211,212の位相差を両信号の周波
数比f1/f2がどのような値であっても検出すること
が可能となる。
【0061】また、本実施形態ではカウンタ205の内
部で第1及び第2の入力信号211,212の周波数比
f1/f2の周波数比設定値mに対する誤差が検出さ
れ、さらにこの誤差の積分が行われるので、第3の実施
形態のように別に積分器を設ける必要がなく、回路構成
をより簡単にすることができる。
【0062】なお、本実施形態においてロード信号発生
回路204は必ずしも必要ではなく、カウンタ205が
第1の入力信号211の立ち上がりまたは立ち下がりエ
ッジでロードされる構成となっていれば、ロード信号発
生回路204を省略することができる。この点は、以降
の実施形態においても同様である。
【0063】(第5の実施形態)図11は、本発明の第
5の実施形態に係る比較装置であり、第4の実施形態の
図7の構成に加えて第4の入力端子207、積分器20
8及び減算器209が追加されている。
【0064】本実施形態は、第1及び第2の入力信号2
11,212の周波数比設定値として非整数の値、つま
り小数を含む値を与えることができるようにした例であ
り、第3の入力端子206には周波数比設定値の整数部
216、第4の入力端子207には周波数比設定値の小
数部217がそれぞれ与えられる。従って、本実施形態
ではカウンタ205においては第1及び第2の入力信号
211,212の周波数比の周波数比設定値の整数部2
16に対する誤差が積分されることになり、この積分値
に対応した出力ディジタル値215がカウンタ205か
ら出力される。
【0065】一方、周波数比設定値の小数部217は積
分器208により積分され、この積分器208からの出
力ディジタル値218が減算器209においてカウンタ
205の出力ディジタル値215から差し引かれ、両者
の誤差が検出されることにより、第1及び第2の入力信
号211,212の位相差を示すディジタル値219が
出力端子203へ出力される。
【0066】このように本実施形態の比較装置によれ
ば、第1及び第2の入力信号211,212の周波数比
の周波数比設定値に対する誤差を積分して位相差を検出
する際、第1及び第2の入力信号211,212の周波
数比の周波数比設定値の整数部216に対する誤差の積
分はカウンタ205で行い、周波数比設定値の小数部2
17に対する誤差の積分はカウンタ205の外部で行う
ことにより、位相誤差をより高精度に検出することがで
きる。
【0067】すなわち、原理的には図9に示した第4の
実施形態の構成によっても周波数比設定値216として
非整数の値を与えることは可能であるが、カウンタ20
5の構成が図10とは異なった複雑なものになってしま
うのに対して、本実施形態によればカウンタ205の構
成を複雑にすることなく、第1及び第2の入力信号21
1,212の周波数比の非整数の周波数比設定値に対す
る誤差を積分して高精度に位相差を検出することが可能
となる。
【0068】(第6の実施形態)図12は、本発明の第
6の実施形態に係る比較装置であり、第2の実施形態の
図5に示した構成に加えて、第3の入力端子106と減
算器107との間に変換回路109を挿入したものであ
る。第3の入力端子106からは非整数、つまり小数を
含んだ周波数比設定値116が入力される。変換回路1
09は、この非整数の周波数比設定値116を平均的に
周波数比設定値116となるように構成された整数のデ
ィジタル値列(整数値列)119に変換する。
【0069】すなわち、変換回路109では非整数の周
波数比設定値116がその小数部で示される比率で複数
の整数値を繰り返す整数値列119に変換される。例え
ば周波数比設定値116が“2.5”であるとすると、
変換回路109から出力される整数値列119は、 2,3,2,3,2,3,… となる。また、周波数比設定値116が“5.1”の場
合は、 5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,5,5,
5,5,5,5,5,5,5,6,5,5,… となる。
【0070】一方、カウンタ105の出力ディジタル値
115は、第1及び第2の入力信号111,112の周
波数比が1:5.1の場合、 5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,5,5,
5,5,5,5,5,5,5,6,5,5,… となる。このとき、周波数比設定値116が“5.1”
の場合、減算器107の出力ディジタル値117は、 0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,
0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,… となり、第1及び第2の入力信号111,112の周波
数比が周波数比設定値116と一致する場合は、常に
“0”が出力されることになる。ここで、従来の方法で
は周波数比設定値が非整数の場合、周波数比に誤差がな
くとも出力に繰り返しパターンが発生し、出力に雑音と
して現れるという問題があったが、本実施形態によれば
上記のように繰り返しパターンが発生することはなく、
このような問題が解決される。
【0071】次に、周波数比設定値116が“5.1”
で、第1及び第2の入力信号111,112の周波数比
が1:5.1より僅かに大きい場合には、カウンタ10
5からの出力ディジタル値115は、例えば 5,5,5,5,5,5,5,5,6,5,5,5,
5,5,5,5,5,6,5,5,5,5,… となり、減算器107の出力ディジタル値117は、 0,0,0,0,0,0,1,−1,0,0,0,0,
0,0,0,1,0,,−1,0,0,0,0,0,
0,1,0,0,−1,… となって、第1及び第2の入力信号111,112の周
波数比の周波数比設定値116に対する誤差を検出する
ことが可能となる。
【0072】第1及び第2の入力信号111,112の
周波数比の周波数比設定値116に対するこの誤差がさ
らにずれた場合は、カウンタ105からの出力ディジタ
ル値115は例えば 5,5,5,6,5,5,5,6,5,5,5,6,
5,5,5,6,5,5,5,6,… となり、減算器107の出力ディジタル値117は、 0,0,0,1,0,0,0,1,0,−1,0,1,
0,0,0,1,0,0,0,0,0,0,0,1,
0,0,0,1,… となって、同様に第1及び第2の入力信号111,11
2の周波数比の周波数比設定値116に対する誤差を検
出することが可能となる。
【0073】このように本実施形態によれば、第1及び
第2の入力信号111,112の周波数比が周波数比設
定値に対し誤差を持たない場合の繰り返しパターンの発
生を伴うことなく、周波数比の誤差を精度よく検出する
ことができる。
【0074】(第7の実施形態)図13は、本発明の第
7の実施形態に係る比較装置であり、図12の減算器1
07の後段に積分器108が挿入された構成となってい
る。第3の実施形態で説明したように、減算器107か
らは第1及び第2の入力信号111,112の周波数比
の周波数比設定値116に対する誤差が出力されるの
で、これを積分器108で積分することにより、第1及
び第2の入力信号111,112の周波数比設定値11
6分の1の周波数における位相差の情報が得られる。
【0075】より詳細には、第1の入力信号111の周
波数をf1、第2の入力信号112の周波数をf2、周
波数比設定値116をmとすると、積分器108からは
第1の入力信号111の周波数をm倍したm×f1の信
号とf2なる周波数の第2の入力信号112との位相差
を示すディジタル値118が得られる。ここで、特筆す
べきことはmは整数に限られるものではなく、小数であ
っても構わないという点である。従って、本実施形態に
よると第1及び第2の入力信号111,112の周波数
比f1/f2がどのような値であっても、両信号11
1,112の位相比較を行うことが可能となる。
【0076】(第8の実施形態)図14は、本発明の第
8の実施形態に係る比較装置であり、第4の実施形態の
図9に示した構成に加えて、第3の入力端子206とカ
ウンタ205との間に変換回路210を挿入したもので
ある。第3の入力端子206からは非整数、つまり小数
を含んだ周波数比設定値216が入力される。変換回路
210は、この非整数の周波数比設定値216を平均的
に周波数比設定値216となるように構成された整数の
ディジタル値列(整数値列)220に変換して、カウン
タ205に供給する。
【0077】第4の実施形態で説明したように、カウン
タ205はロード信号214のタイミングに従い第2の
入力信号212をカウントし、第1の入力信号211と
第2の入力信号212との周波数比に応じたカウント値
を生成すると共に、このカウント値と周波数比設定値2
20との誤差の積分値を出力ディジタル値215として
出力するように構成され、このカウンタ205からの出
力ディジタル値215が出力端子203より出力され
る。
【0078】このように本実施形態によれば、カウンタ
205において第1及び第2の入力信号211,212
の周波数比f1/f2の周波数比設定値mに対する誤差
を積分することで、周波数m×f1の信号と周波数f2
の信号との位相差を求めることができる。しかも、本実
施形態ではmは整数に限られるものではなく、小数であ
っても構わないため、第1及び第2の入力信号111,
112の周波数比f1/f2がどのような値であって
も、両信号111,112の位相比較を行うことが可能
となる。
【0079】さらに、本実施形態ではカウンタ205の
内部で第1及び第2の入力信号211,212の周波数
比f1/f2の周波数比設定値mに対する誤差が検出さ
れ、さらにこの誤差の積分が行われるので、第7の実施
形態のように別に積分器を設ける必要がなく、回路構成
をより簡単にすることができる。
【0080】(第9の実施形態)図15に、本発明の第
9の実施形態として、本発明による比較装置を位相比較
器として用いたPLL回路を示す。このPLL回路は、
位相比較器11、フィルタ12、可変周波数発振器であ
る電圧制御発振器(VCO)13及び分周器14から構
成される。
【0081】位相比較器11は、先の実施形態で説明し
た比較装置のうち位相差を検出する機能を有する例えば
図7、図9、図11、図13または図14のいずれかの
比較装置であり、第1の入力端子1には例えば図示しな
い基準発振器からの基準信号が第1の入力信号として入
力され、第2の入力端子2には分周器14からの出力が
第2の入力信号として入力される。また、第3の入力端
子4には先に説明した周波数比設定値が入力される。
【0082】位相比較器11からは、第1及び第2の入
力信号の周波数比の周波数比設定値に対する誤差を積分
した値、つまり第1及び第2の入力信号の位相差の信号
が出力される。この位相比較器11の出力信号は、フィ
ルタ(例えばローパスフィルタ)12により不要な成分
が除去された後、VCO13に制御信号として入力され
る。VCO13は、フィルタ12の出力信号により発振
周波数が制御される。VCO13の出力は、出力端子5
から外部へ送出されると共に、分周器14で分周された
後、位相比較器11に第2の入力信号として入力され
る。
【0083】本発明に基づく位相比較器11はディジタ
ル値を出力するため、フィルタ12がディジタルフィル
タであれば位相比較器11の出力をそのままフィルタ1
2に入力すればよいが、アナログフィルタを用いる場合
には、位相比較器11の出力信号をD/A変換器15に
よりアナログ信号に変換してからフィルタ12に入力す
ればよい。
【0084】また、フィルタ12がディジタルフィルタ
であり、かつVCO13がアナログVCO、すなわちア
ナログの制御電圧によって発振周波数が制御される可変
周波数発振器の場合には、フィルタ12の出力信号をD
/A変換器16によりアナログ信号に変換してからVC
O13に入力すればよい。フィルタ12がディジタルフ
ィルタであり、またVCO13がディジタル値の制御信
号により発振周波数が制御されるような、いわゆるディ
ジタルVCO(数値制御発振器)の場合には、フィルタ
12の出力信号を直接VCO13に入力することができ
る。
【0085】また、フィルタ12に積分要素を含むもの
を用いた場合は、図5または図12に示した比較装置を
位相比較器11として用いることができるこのPLL回
路は、位相比較器11で検出される第1及び第2の入力
信号の位相差が零となるようにVCO13の発振周波数
が制御される。ここで、本発明では位相比較器11とし
て前述したように第1及び第2の入力信号の周波数が異
なっていても両者の位相差を検出できるものを用いてい
るため、従来のPLL回路のように基準信号(第1の入
力信号)と分周器14の出力信号(第2の入力信号)の
周波数を同一にする必要はない。このため、従来のPL
L回路と比較して設計の自由度を著しく高めることがで
きる。
【0086】VCO13の発振周波数、つまり出力端子
15から出力される出力信号の周波数foutは、第1
の入力信号である基準信号の周波数をf1、周波数比設
定値をM、分周器14の分周比をNとすると、 fout=M・N・f1 となる。一方、従来のPLL回路における出力信号の周
波数は、 fout=N・f1 となる。分周比Nは、通常の分周器では整数となるた
め、従来のPLL回路では出力信号の周波数は基準信号
の周波数f1の整数倍にしか選ぶことができなかった。
従って、分周比Nを変化させて発生可能な出力信号の周
波数間隔を狭くしようとする場合には、この周波数間隔
以下の周波数に基準信号の周波数を設定する必要があっ
た。しかし、PLL回路において基準信号の周波数を低
くすることは周波数切り替え時の過渡応答特性を劣化さ
せることになり、好ましくない。
【0087】これに対し、位相比較器11として本発明
による比較装置を用いると、周波数比設定値Mは前述し
たように非整数の値を選ぶことができるため、出力信号
の周波数を自由に設定することが可能であり、発生可能
な出力信号の周波数間隔を容易に狭くすることができ
る。
【0088】また、分周器14として非整数の分周比を
用いることも可能であるが、そのような分周器は構成が
複雑で高価となる上、分周器の出力パルス間隔が不規則
に変化するため、PLL回路の出力信号に悪影響を及ぼ
すことがあるが、本発明よる比較装置を位相比較器11
に用いると、分周器14は分周比が整数のもので十分で
あり、このような問題は生じない。
【0089】さらに、上述の説明から明らかなように、
周波数比設定値Mのみによっても出力信号の周波数を自
由に変えることもできるため、分周器14を省略した構
成とすることも可能であり、その場合にはさらにコスト
を削減することができる。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればカ
ウンタを主体とするディジタル回路を中心とした簡単な
回路構成で、周波数の異なる二つの入力信号の周波数比
を検出でき、さらに該周波数比と周波数比設定値との誤
差、そしてさらには周波数の異なる二つの入力信号の位
相差を検出可能とすることができる。
【0091】すなわち、従来の位相比較器では周波数の
異なる二つの入力信号の位相差を検出することができ
ず、また特にPLL回路を構成する場合は、位相比較器
への二つの入力信号の周波数をほぼ等しくするように構
成する必要があるため、PLL回路の構成の自由度が著
しく狭められ、さらにPLL回路の出力周波数の自由度
も低いという問題点があったが、本発明の比較装置をP
LL回路の位相比較器として用いれば、このような制約
がなくなり、PLL回路の設計自由度が大きく向上す
る。
【0092】また、従来の二つの入力信号の位相差が−
2π〜2πの範囲を超え周波数が異なる場合にも適用可
能に構成した位相比較器では、複雑なアナログ的回路要
素を必要とし、回路規模が大きく高価なものとなってし
まうという問題点があったのに対して、本発明の比較装
置はカウンタを主体とするディジタル回路を中心とした
簡単な回路構成であり、高性能化しつつ低コストで実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る比較装置の構成
を示すブロック図
【図2】同実施形態の動作を説明するための信号波形図
【図3】同実施形態における出力の誤差成分の周波数ス
ペクトルを示す図
【図4】図1におけるカウンタの具体的な構成例を示す
回路図
【図5】本発明の第2の実施形態に係る比較装置の構成
を示すブロック図
【図6】図5におけるカウンタ及び加算器の具体的な構
成例を示す回路図
【図7】本発明の第3の実施形態に係る比較装置の構成
を示すブロック図
【図8】図7におけるカウンタと加算器及び積分器の具
体的な構成例を示す回路図
【図9】本発明の第4の実施形態に係る比較装置の構成
を示すブロック図
【図10】図9におけるカウンタの具体的な構成例を示
す回路図
【図11】本発明の第5の実施形態に係る比較装置の構
成を示すブロック図
【図12】本発明の第6の実施形態に係る比較装置の構
成を示すブロック図
【図13】本発明の第7の実施形態に係る比較装置の構
成を示すブロック図
【図14】本発明の第8の実施形態に係る比較装置の構
成を示すブロック図
【図15】本発明に係る比較装置を位相比較器として用
いた本発明の第9の実施形態に係るPLL回路の構成を
示すブロック図
【符号の説明】
101…第1の入力信号の入力端子 102…第2の入力信号の入力端子 103…出力端子 104…リセット信号発生回路 105…カウンタ 106…周波数比設定値の入力端子 107…減算器 108…積分器 109…周波数比設定値変換回路 201…第1の入力信号の入力端子 202…第2に入力信号の入力端子 203…出力端子 204…ロード信号発生回路 205…カウンタ 206…周波数設定値の整数部の入力端子 207…周波数設定値の小数部の入力端子 208…積分器 209…加算器 210…積分器 11…位相比較器 12…フィルタ 13…VCO(可変周波数発振器) 14…分周器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03L 7/06 H03L 7/06 D 7/085 7/08 A Fターム(参考) 2G029 AA04 AB02 AC02 AC04 AD01 AF02 2G030 AA01 AC08 AD01 AD04 AG01 5J039 JJ07 JJ08 JJ09 JJ15 KK07 KK14 KK23 MM16 5J106 AA04 CC01 CC26 CC38 CC41 CC52 DD02 DD13 DD17 DD35 DD38 DD42 DD43 DD46 JJ02 KK08 LL02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二値化された第1及び第2の入力信号を比
    較する比較装置において、 前記第1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少な
    くとも一方の変化点毎にカウンタをリセットし、該カウ
    ンタで前記第2の入力信号をカウントすることにより、
    該カウンタから前記第1及び第2の入力信号の周波数比
    に応じたディジタル値を出力することを特徴とする比較
    装置。
  2. 【請求項2】二値化された第1及び第2の入力信号を比
    較する比較装置において、 前記第1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少な
    くとも一方の変化点毎にリセットされ、前記第2の入力
    信号をカウントすることにより前記第1及び第2の入力
    信号の周波数比に応じたディジタル値を出力するカウン
    タと、 前記カウンタから出力されるディジタル値と前記第1及
    び第2の入力信号に対して設定された周波数比設定値を
    表すディジタル値との誤差を検出する誤差検出手段とを
    有することを特徴とする比較装置。
  3. 【請求項3】二値化された第1及び第2の入力信号を比
    較する比較装置において、 前記第1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少な
    くとも一方の変化点毎にリセットされ、前記第2の入力
    信号をカウントすることにより前記第1及び第2の入力
    信号の周波数比に応じたディジタル値を出力するカウン
    タと、 前記カウンタから出力されるディジタル値と前記第1及
    び第2の入力信号に対して設定された周波数比設定値を
    表すディジタル値との誤差を検出する誤差検出手段と、 前記誤差検出手段により検出された誤差を積分する積分
    手段とを有することを特徴とする比較装置。
  4. 【請求項4】二値化された第1及び第2の入力信号を比
    較する比較装置において、 前記第1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少な
    くとも一方の変化点のカウンタで前記第2の入力信号を
    カウントすることにより前記第1及び第2の入力信号の
    周波数比に応じたディジタル値を生成すると共に、該デ
    ィジタル値と前記第1及び第2の入力信号に対して設定
    された周波数比設定値を表すディジタル値との誤差の積
    分値に対応したディジタル値を該カウンタから出力する
    ことを特徴とする比較装置。
  5. 【請求項5】二値化された第1及び第2の入力信号を比
    較する比較装置において、 前記第1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少な
    くとも一方の変化点のタイミング毎に前記第2の入力信
    号をカウントすることにより前記第1及び第2の入力信
    号の周波数比に応じたディジタル値を生成すると共に、
    該ディジタル値と前記第1及び第2の入力信号に対し設
    定された非整数の周波数比設定値の整数部を示すディジ
    タル値との誤差の積分値に対応したディジタル値を出力
    するカウンタと、 前記周波数比設定値の小数部を示すディジタル値を積分
    する積分手段と、 前記カウンタから出力されるディジタル値と前記積分手
    段により積分されたディジタル値との誤差を検出する誤
    差検出手段とを有することを特徴とする比較装置。
  6. 【請求項6】二値化された第1及び第2の入力信号を比
    較する比較装置において、 前記第1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少な
    くとも一方の変化点毎にリセットされ、前記第2の入力
    信号をカウントすることにより前記第1及び第2の入力
    信号の周波数比に応じたディジタル値を出力するカウン
    タと、 前記第1及び第2の入力信号に対して設定された非整数
    の周波数比設定値を表すディジタル値を平均的に該ディ
    ジタル値となるように構成された整数のディジタル値列
    に変換する変換手段と、 前記カウンタから出力されるディジタル値と前記変換手
    段により変換されたディジタル値列との誤差を検出する
    誤差検出手段とを有することを特徴とする比較装置。
  7. 【請求項7】二値化された第1及び第2の入力信号を比
    較する比較装置において、 前記第1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少な
    くとも一方の変化点毎にリセットされ、前記第2の入力
    信号をカウントすることにより前記第1及び第2の入力
    信号の周波数比に応じたディジタル値を出力するカウン
    タと、 前記第1及び第2の入力信号に対して設定された非整数
    の周波数比設定値を示すディジタル値を平均的な値が該
    ディジタル値と一致するように構成された整数のディジ
    タル値列に変換する変換手段と、 前記カウンタから出力されるディジタル値と前記変換手
    段により変換されたディジタル値列との誤差を検出する
    誤差検出手段と、 前記誤差検出手段により検出された誤差を積分する積分
    手段とを有することを特徴とする比較装置。
  8. 【請求項8】二値化された第1及び第2の入力信号を比
    較する比較装置において、 前記第1及び第2の入力信号に対して設定された非整数
    の周波数比設定値を表すディジタル値を平均的な値が該
    ディジタル値と一致するように構成された整数のディジ
    タル値列に変換する変換手段と、 前記第1の入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの少な
    くとも一方の変化点のタイミング毎に前記第2の入力信
    号をカウントすることにより前記第1及び第2の入力信
    号の周波数比に応じたディジタル値を生成すると共に、
    該ディジタル値と前記変換手段により変換されたディジ
    タル値列との誤差の積分値に対応したディジタル値を出
    力するカウンタとを有することを特徴とする比較装置。
  9. 【請求項9】請求項2、3、4、5、6、7及び8のい
    ずれか1項に記載の比較装置を位相比較器として含み、
    前記第1の入力信号として、所定の周波数の基準信号を
    入力し、前記第2の入力信号として、該位相比較器に基
    づいて制御される可変周波数発振器の出力信号または該
    出力信号を分周した信号を入力することを特徴とするP
    LL回路。
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