JPH05300014A - 周波数シンセサイザ - Google Patents

周波数シンセサイザ

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JPH05300014A
JPH05300014A JP4104786A JP10478692A JPH05300014A JP H05300014 A JPH05300014 A JP H05300014A JP 4104786 A JP4104786 A JP 4104786A JP 10478692 A JP10478692 A JP 10478692A JP H05300014 A JPH05300014 A JP H05300014A
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JP
Japan
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signal
frequency
differential phase
sawtooth
phase
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Pending
Application number
JP4104786A
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English (en)
Inventor
Junichi Nakagawa
准一 中川
Masaru Kokubo
優 小久保
Michiaki Kurosawa
迪彰 黒沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Priority to DE69315614T priority patent/DE69315614T2/de
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 位相情報を直流化する回路を不要とし、位相
情報の正規化処理をなくして正規化に伴う誤差を除き、
標本化周波数の非整数倍の周波数を正確に、高速で発生
する。 【構成】 電圧/電流制御発振器15の発振信号を繰返
し周波数fr1(fr1は、指示された周波数をfvとした
ときに、fv=N・fr1の関係にある)で、1周期あた
り、指示された発振周波数を決定するために設定される
N(Nは自然数)回標本化して位相情報を金属歯信号発
生部16から出力し、位相情報を、周期1/(mK
r1)(Kおよびmは自然数)毎に標本化して前後する
位相情報を比較して微分位相を求めて、求めた微分位相
をmK倍して微分位相情報を微分位相発生部17から出
力し、該微分位相情報と基準微分位相情報であるmNと
を微分位相比較器18で比較して微分位相差を求め、該
微分位相差を積分して位相誤差を求めることにより、発
振信号の周波数を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、位相同期ループを用
いた周波数シンセサイザおよびそれを用いた装置に関す
る。特に、通信周波数を高速に切り替えることが必要な
移動通信装置に適した周波数シンセサイザの手法と構成
法に関する。
【0002】
【従来の技術】周波数シンセサイザの構成法は、各種の
方法が知られており(参考文献:V.Manassewitsch,"Frequ
ency Synthesizers Theory and Design",pp.1-39,John
Wiley& Sons,New York,1976)、特に、集積回路の発達に
より位相同期ループを用いた構成法がよく用いられる。
多数の通信チャネルを有する移動通信装置では、電圧制
御発振器(以下、VCOと称する)、可変分周器および水
晶発振器を用いて位相同期ループを構成し、可変分周器
の分周数を選択して必要な通信チャネル周波数を発生さ
せる。VCOの出力信号を可変分周器で分周した信号
と、水晶発振器出力信号から生成した基準信号との位相
を位相比較器で比較し、アナログ値の比較結果をフィル
タにより積分した後に、VCOの周波数制御端子に印加
する。この位相比較結果には高調波成分などが含まれて
いるので、これらの成分を除くために上記フィルタの積
分時定数を大きくする必要がある。特に、フィルタを構
成するコンデンサの容量値が比較的大きくなる。このた
め、可変分周器の分周数を変えて通信チャネル周波数を
切り替えようとすると、コンデンサの充放電に時間を要
するので高速に周波数を切り替えることができないとい
う問題がある。
【0003】位相比較器出力をアナログ値で出力すると
上記の問題が生じるので、これを解決する周波数シンセ
サイザの構成法が提案されている(参考文献:梶原、中川
「高速周波数ホッピングが可能なPLLシンセサイ
ザ」、電子情報通信学会論文誌、B−II、Vol.J73-B-I
I、No.2、pp.95-102、1990年2月)。この提案方式をこ
こでは、数値位相比較直流化周波数シンセサイザ方式と
呼称する。該従来技術は、位相比較そのものを数値演算
処理により行ない、比較結果に含まれる高調波成分を単
純な演算によって除去することにより、フィルタを不要
とすることによって周波数切替時間の短縮化を図ってい
る。この周波数シンセサイザでは、周期Tを有する基準
信号の位相情報を周期T/K(Kは整数)毎に2π/Kず
つ増加させ、周期T毎にリセットする階段波形として位
相比較器に入力する。一方、VCOの出力信号は整数分
周数NのモジュロNカウンタにより分周され、カウンタ
の内容は、2π/Nで正規化された後、位相情報として
周期T/K毎に位相比較器に入力される。位相比較器に
入力された2つの位相情報が数値引算され、位相比較器
から出力される。この時、位相比較器に入力される2つ
の信号の周波数が一致していても両位相情報の初期位相
が一致していないと、位相比較器出力には±2πのジャ
ンプが生じる。位相補正器では、このジャンプの両側の
一方を2πシフトすることにより、位相比較値を直流化
する。この直流化操作では、位相比較器の出力Eに下式
の数学演算を行い、直流化位相誤差Eを求める。
【0004】E’=mod{(E+3π),2π}−π ここで、mod{A,B}はAをBで除した時の剰余を
示す。この直流化位相比較値をD/A変換器でアナログ
値に変換した後、VCOの周波数制御端子に印加する。
この時、VCO発振周波数fVは基準信号周波数をfr1
とすると、下式数1となる。
【0005】
【数1】fV=(N/K)・(K・fr1) (数1) このように、位相比較値を直流化しているので、フィル
タが不要となり、高速の周波数切替が可能となる。ま
た、Kが大きいほど、すなわち、標本化周波数K・fr1
が高いほど高速切り替えが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記既存の数値位相比
較直流化周波数シンセサイザにおいては、位相比較器の
出力を直流化する位相補正器の回路規模が大きいという
第1の問題がある。
【0007】また、数値位相比較直流化周波数シンセサ
イザの上記数1において、N/Kが整数でない場合、モ
ジュロNカウンタの内容を周期T/K毎に標本化する
と、N/Kの端数切捨てによる位相誤差が発生する。従
って、発生周波数が所定の周波数に完全に一致しないと
いう第2の問題がある。例えば、Kが8、Nが100
2、2πに相当する定数Aが1000とする。この場
合、モジュロNカウンタの標本化値Ci(i=1〜8)に、
定数A/Nを乗算して正規化した正規化位相値Vi、基
準信号位相値Riおよび位相誤差Hiは、表1のようにな
る。
【0008】
【表1】
【0009】基準信号位相値Riと正規化位相値Viとの
位相誤差Hiは、各標本化毎に零にはならず、また、位
相誤差Hiの一周期平均位相誤差も零にはならないとい
う状態が発生する。表1では、表示を簡単にするために
正規化位相値Viと位相誤差Hiとを小数点以下第2位で
打ち切って表示してあるが、上記の状態はそれらを無限
語長で表しても生じる問題である。従って、この方式の
周波数シンセサイザでは、N/Kが整数以外の時には正
確な周波数を発生できないという問題がある。
【0010】高周波信号を分周する場合、可変分周器の
前に周波数低減のために分周数Pのプリスケーラが挿入
される場合があるが、この時一般にPはKと等しくない
ために上記と同じ端数発生の問題がある。
【0011】また、上記既存の数値位相比較直流化周波
数シンセサイザにおいて、ディジタル処理が容易なよう
に一周期の位相2πの代わりにある定数Aを用い、モジ
ュロNカウンタの内容をA/Nで正規化する。一方、シ
ンセサイザが発生する周波数を変更するにはNを変化さ
せる。従って、一般にA/Nは非整数となる。定数Aを
かなり大きく設定してもNが1ずつ変化するような条件
では大部分のA/Nは非整数となる。このため、カウン
タの正規化位相情報に誤差が生じるために、正確な周波
数発生ができないという第3の問題がある。
【0012】本発明の第1の目的は、位相補正器が不要
で回路規模が削減できる周波数シンセサイザの構成法を
提供することである。
【0013】本発明の第2の目的は、N/K(K>1)が
整数でない場合でも正確な周波数発生ができ、かつ、高
速な周波数切り替えを可能とすることである。
【0014】本発明の第3の目的は、位相情報の正規化
処理を無くして正規化に伴う誤差を除き、正確で高速に
安定する周波数発生手法を提供することである。
【0015】本発明の他の目的は、プリスケーラ、特に
2モジュラス・プリスケーラを含んだ可変分周器を用い
た周波数シンセサイザ構成において、高速な周波数切り
替えを可能とすることである。
【0016】本発明の他の目的は、周波数シンセサイザ
の大部分または全部を半導体集積回路で実現することが
できる周波数シンセサイザを提供することである。
【0017】本発明の他の目的は、多数の通信チャネル
を有する移動通信装置において、そのチャネル間隔が10
kHz程度であっても1ミリ秒以下の周波数切り替え時間
が実現できる周波数シンセサイザを提供することであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記第1、第2および第
3の問題点を同時に解決する手法は以下のとおりであ
る。
【0019】電圧あるいは電流により発振周波数を制御
して発振信号を出力する電圧/電流制御発振器と、所定
の周波数の基準信号を出力する基準発振器とを有して位
相同期ループを構成して発振周波数を制御する周波数シ
ンセサイザにおいて、前記基準発振器の基準信号から位
相情報を抽出し、微分位相を求めて出力する基準信号微
分位相発生手段と、前記電圧/電流制御発振器の発振信
号から位相情報を抽出し、微分位相を求めて出力する発
振信号微分位相発生手段と、前記基準信号微分位相発生
手段からの微分位相と、前記発振信号微分位相発生手段
からの微分位相との差を求めて該微分位相差を出力する
微分位相比較器と、前記微分位相差を積分して位相誤差
を求めて出力する積分器と、前記積分器の出力信号に信
号処理を行なう信号処理部と、前記信号処理部の出力信
号を電圧あるいは電流に変換する変換器とを有すること
により、上記課題を解決する。
【0020】前記発振信号微分位相発生手段は、前記電
圧/電流制御発振器の発振信号を標本化して位相情報を
抽出し、位相情報を鋸歯状波形にして繰返し発生する鋸
歯信号発生部と、前記鋸歯信号発生部の鋸歯状波形の位
相情報に基づいて、微分位相を求めて出力する鋸歯信号
微分位相発生部とを備える。
【0021】前記鋸歯信号発生部は、前記発振信号に基
づいて、繰返し周波数fr(ただし、frは任意の周波
数)で、1周期あたりH(ただし、Hは自然数)回標本
化して位相情報を鋸歯状波形にして鋸歯信号を出力し、
前記鋸歯信号微分位相発生部は、前記鋸歯信号発生部か
らの鋸歯信号の前後する位相情報を比較して微分位相を
求めて微分位相情報を出力し、前記基準信号微分位相発
生手段は、前記基準発振器の基準信号を標本化して位相
情報を抽出し、位相情報を鋸歯状波形にして繰返し発生
する鋸歯状基準信号発生部と、前記鋸歯状基準信号発生
部の鋸歯状波形の位相情報に基づいて、微分位相を求め
て出力する基準信号微分位相発生部とを備え、前記鋸歯
状基準信号発生部は、前記基準信号に基づいて、繰返し
周波数fr(ただし、frは任意の周波数)で、1周期あ
たりH回標本化して基準信号の位相情報を鋸歯状波形に
して鋸歯信号を出力し、前記基準信号微分位相発生部
は、前記鋸歯状基準信号発生部からの鋸歯信号の前後す
る位相情報を比較して微分位相を求めて微分位相情報を
出力する。また、前記鋸歯信号発生部は、前記発振信号
に基づいて、繰返し周波数fr1(ただし、fr1は、電圧
/電流制御発振器において発振させたい周波数をfv
したときに、fv=N・fr1の関係にある)で、1周期
あたり、前記電圧/電流制御発振器の発振信号の発振周
波数を決定するために設定されるN(ただし、Nは自然
数)回標本化して位相情報を鋸歯状波形にして鋸歯信号
を出力し、鋸歯信号微分位相発生部は、前記鋸歯信号発
生部からの鋸歯信号を周期1/(mKfr1)(ただし、
Kおよびmは自然数)毎に標本化して位相情報を抽出
し、前後する位相情報を比較して微分位相を求めて、求
めた微分位相をmK倍して微分位相情報を出力し、基準
信号微分位相発生部は、微分位相情報としてmNを出力
するようにしてもよい。この場合、前記鋸歯信号発生部
は、分周数Nの分周器を備え、分周器は、Nまでの計数
を繰返し、計数値を出力し、Nまで計数したときにはキ
ャリを出力し、前記鋸歯信号微分位相発生部は、前記分
周器からキャリが出力された場合は、それを補正した差
分を鋸歯信号微分位相情報として出力することができ
る。
【0022】さらに、前記鋸歯信号発生部は、前記発振
信号に基づいて、繰返し周波数fr1(ただし、fr1は、
電圧/電流制御発振器において発振させたい周波数をf
vとしたときに、fv=N・fr1の関係にある)で、1周
期あたり、前記電圧/電流制御発振器の発振信号の発振
周波数を決定するために設定されるN(ただし、Nは自
然数)回標本化し、最大位相情報C・N(ただし、Cは
自然数)の鋸歯状波形を有する鋸歯信号を出力し、鋸歯
信号微分位相発生部は、前記鋸歯信号発生部からの鋸歯
信号を周期1/(Kfr1)(ただし、Kは自然数)毎に
標本化して位相情報を抽出し、前後する位相情報を比較
して微分位相を求めて、求めた微分位相をK倍して微分
位相情報を出力し、基準信号微分位相発生部は、微分位
相情報としてCNを出力するようにしてもよい。
【0023】また、鋸歯信号発生部は、前記発振信号に
基づいて、繰返し周波数fr1(ただし、fr1は、電圧/
電流制御発振器において発振させたい周波数をfvとし
たときに、fv=N・fr1の関係にある)で、1周期あ
たり、前記電圧/電流制御発振器の発振信号の発振周波
数を決定するために設定されるN(ただし、Nは自然
数)回標本化し、最大位相情報mCN(ただし、Cおよ
びmは自然数)の鋸歯状波形を有する鋸歯信号を出力
し、鋸歯信号微分位相発生部は、前記鋸歯信号発生部か
らの鋸歯信号を周期1/(mKfr1)(ただし、Kは自
然数)毎に標本化して位相情報を抽出し、前後する位相
情報を比較して微分位相を求めて、求めた微分位相をm
K倍して微分位相情報を出力し、基準信号微分位相発生
部は、微分位相情報としてmCNを出力するようにして
もよい。
【0024】また、前記鋸歯信号発生部は、前記Cを分
周数とするプリスケーラとその出力を分周する可変分周
数Nd(ただし、Ndは自然数)のモジュロNdカウンタ
とを備える、総合分周数Nt=C・Ndを有するプリスケ
ーラ式可変分周器であり、前記基準信号微分位相発生部
は、微分位相情報として前記分周数Nt=CNdを出力
し、前記鋸歯信号微分位相発生部は、前記プリスケーラ
の出力信号をクロックとして、前記分周数Cを前記周波
数fr2の一周期間累積した値をK倍して微分位相情報と
して出力してもよい。
【0025】もしくは、前記鋸歯信号発生部は、分周数
P1=CP(ただし、Pは自然数)と分周数P2=C(P+
1)とを有する2モジュラス・プリスケーラと、可変分
周数Mのメイン・カウンタと、可変分周数Sのスワロー
・カウンタとを備えて、総合分周数Nt=P2・S+P1
・(M−S)=C(PM+S)≡C・Ndを有するパルスス
ワロー式可変分周器であり、前記基準信号微分位相発生
部は、微分位相情報として前記分周数Nt=CNdを出力
し、前記鋸歯信号微分位相発生部は、前記2モジュラス
・プリスケーラの出力信号をクロックとして、前記スワ
ロー・カウンタから前記2モジュラス・プリスケーラに
帰還される分周数選択信号に応じて前記分周数P1また
はP2を前記周波数fr2の一周期間累積した値をK倍し
て微分位相情報として出力することもできる。
【0026】また、前記鋸歯信号発生部は、前記Cを分
周数とする分周するプリスケーラであり、前記鋸歯信号
微分位相発生部は、可変ステップ数値Ns(ただし、Ns
は、Ns=C・N・fr1/fvで表される)を有する数値
制御発振器であり、前記数値制御発振器は、前記鋸歯信
号発生部の分周した信号をクロックとし、可変ステップ
数値Nsを累積して周期1/(Kfr1)(ただし、Kは
自然数)毎に標本化して微分位相を求めて、求めた微分
位相をK倍して微分位相情報を出力する。
【0027】さらに、前記鋸歯信号微分位相発生部は、
可変ステップ数値Ns(ただし、Nsは、Ns=C・N・
fr1/fvで表される)を有する数値制御発振器であ
り、前記数値制御発振器は、前記発振信号を直接クロッ
クとし、可変ステップ数値Nsを累積して周期1/(K
r1)(ただし、Kは自然数)毎に標本化して微分位相
を求めて、求めた微分位相をK倍して微分位相情報を出
力することができる。
【0028】前記信号処理部は、前記積分器からの出力
信号をフィルタリングする処理を施して出力することが
でき、前記積分器からの出力信号に初期値を加算する処
理を施して出力してもよい。
【0029】以上のように、本発明では、二つの信号の
微分位相情報を比較しているので、この手法により構成
した周波数シンセサイザを微分位相比較周波数シンセサ
イザと便宜上呼称する。
【0030】
【作用】基準発振器は、所定の周波数の基準信号を出力
し、基準信号微分位相発生手段は、該基準信号から位相
情報を抽出し、微分位相を求めて出力する。
【0031】また、電圧/電流制御発振器は、発振信号
を出力し、発振信号微分位相発生手段は、該発振信号か
ら位相情報を抽出し、微分位相を求めて出力する。
【0032】微分位相比較器は、前記基準信号微分位相
発生手段からの微分位相と、前記発振信号微分位相発生
手段からの微分位相との差を求めて該微分位相差を出力
する。 積分器は、前記微分位相差を積分して位相誤差
を求めて出力し、信号処理部は、フィルタリングする処
理を施して平均化したり、前記積分器からの出力信号に
初期値を加算する処理を施したりする。
【0033】変換器は、前記信号処理部の出力信号を電
圧あるいは電流に変換し、電圧/電流制御発振器に入力
することにより、発振信号の周波数を制御する。
【0034】前記発振信号微分位相発生手段は、鋸歯信
号発生部と鋸歯信号微分位相発生部とを備えて、鋸歯信
号発生部は、前記電圧/電流制御発振器の発振信号を標
本化して位相情報を抽出し、位相情報を鋸歯状波形にし
て繰返し発生し、鋸歯信号微分位相発生部は、前記鋸歯
信号発生部の鋸歯状波形の位相情報に基づいて、微分位
相を求めて出力する。
【0035】電圧/電流制御発振器の出力信号から鋸歯
状波形を有する鋸歯信号を発生する鋸歯信号発生部は、
例えば、可変分周数NのモジュロNカウンタを用いる。
この場合、鋸歯信号発生部は、電圧/電流制御発振器の
出力信号を分周している、モジュロNカウンタの内容を
出力することにより、繰返し周波数fr1で、1周期あた
り、前記電圧/電流制御発振器の発振信号の発振周波数
を決定するために設定されるN回標本化して位相情報を
鋸歯状波形にして鋸歯信号を出力する。鋸歯信号微分位
相発生部は、前記鋸歯信号発生部からの鋸歯信号を周期
1/(mKfr1)(ただし、Kおよびmは自然数)毎に
標本化して位相情報を抽出する。前後する位相情報を比
較して微分位相を求めて、求めた微分位相をmK倍して
微分位相情報を出力する。ここで、標本化値の差分はモ
ジュロNカウンタにキャリが出た時はキャリを含めた実
質的な差分とする。
【0036】一方、基準信号微分位相発生手段は、周期
1/(mKfr1)毎に上記分周数Nずつ増加する周期T
の数値制御発振器を想定し、その位相を基準信号の位相
情報とする。従って、基準信号微分位相情報は一定値、
上記分周数mNとなる。上記基準信号微分位相とVCO
側信号微分位相との差を無限積分した位相誤差情報によ
りVCOの周波数を制御する。
【0037】位相情報は、周知のように周期性を有して
いるが、それを微分した微分位相情報、すなわち、周波
数情報には周期性が無い。従って、本発明のように、基
準信号微分位相とVCO側信号微分位相との微分位相差
分を求める手法では、その微分位相差分に数値位相比較
直流化周波数シンセサイザに生ずるような位相誤差ジャ
ンプは生じない。すなわち、位相誤差直流化回路が不要
であり、回路規模が数値位相比較直流化周波数シンセサ
イザに比べて小さくなる。すなわち、第1の問題が解決
される。
【0038】上記微分位相差分を積分したものが位相同
期ループで発生する位相誤差であり、一周期にわたる位
相誤差は基準信号側とVCO側の周波数が等しい場合に
一定値となる。このように位相誤差が一定のまま位相同
期ループが同期することが一次位相同期ループの特徴で
ある。従って、分周数Nを変えて新しい周波数に切替た
とき、位相誤差を零にする必要がないので、高速に新し
い位相同期状態になる。
【0039】基準信号微分位相情報として可変分周数N
を採用しているので、正規化処理を必要としないので、
第3の問題点に対する作用は明白である。
【0040】第2の問題点に対する作用を次に説明す
る。N/Kが非整数であるために、例えば、VCO側信
号微分位相である第1標本差分値で切捨てが生じたとす
ると、その切捨て誤差は第2標本差分値以降に切上げ誤
差として分配され、一周期Tにわたる平均で誤差は無く
なる。言い替えると、基準信号微分位相Nと上記第1標
本差分値との差分で正の誤差が生じたとすると、基準信
号微分位相Nと上記第2標本差分値以降との差分で負の
誤差を発生する。これら誤差を一周期にわたって積分す
ると零になる。すなわち、一周期にわたる位相誤差が零
であるということは、基準信号側とVCO側の周波数が
等しいことであり、正確な周波数発生が可能となる。以
上のことを具体的数値例によって説明する。K=8、N
=1002とすると、カウンタ標本化値Ci(i=1〜
8)、その標本化値増分Di、それをK倍した微分位相値
ΔVi、基準信号微分位相値ΔRiは表2のようになる。
【0041】
【表2】
【0042】両微分位相値の差である微分位相誤差ΔH
iを任意の一周期間積分した位相誤差は、上述の説明通
り、少なくとも一周期毎に零となる。
【0043】
【実施例】本発明の基本原理を示す実施例である微分位
相周波数シンセサイザのブロック図を図1に示す。図1
において、微分位相周波数シンセサイザ10は、基準発振
器11、鋸歯状波基準信号発生部12、基準信号微分位相発
生部13、クロック発生部14、電圧(あるいは、電流)制
御発振器15、鋸歯状波鋸歯信号発生部16、鋸歯信号微分
位相発生部17、微分位相比較器18、積分器19、信号処理
部20、電圧(あるいは、電流)変換部21およびインタフ
ェイス部22を有している。
【0044】クロック発生部14は、基準発振器11の出力
信号から周波数fr1を有する第一クロック、周波数fr1
のK(ただし、Kは自然数)倍の周波数fr2を有する第
二クロック、および構成各部の動作に必要な各種タイミ
ングクロックを発生し、構成要素各部(12)(13)(17)(18)
(19)(20)に必要なクロックを供給する。鋸歯状波基準信
号発生部12は、分周器、または数値制御発振器、または
分周器と数値制御発振器の組合せにより構成されてお
り、基準発振器11の出力信号から繰返し周波数fr1の鋸
歯状波形を有する基準信号を発生する。基準信号微分位
相発生部13は、周波数fr2毎に基準信号の微分位相情報
を発生する。鋸歯状波基準信号発生部12および基準信号
微分位相発生部13を合わせて、基準信号微分位相発生手
段とし、基準発振器11の基準信号から位相情報を抽出
し、微分位相を求めて出力するようにしてもよい。
【0045】鋸歯状波鋸歯信号発生部16は、分周器、ま
たは数値制御発振器、または分周器と数値制御発振器の
組合せにより構成されており、電圧(あるいは、電流)
制御発振器15の出力信号から繰返し周波数fr1の鋸歯状
波形を有する鋸歯信号を発生する。鋸歯信号微分位相発
生部17は、周波数fr2毎に鋸歯信号の微分位相情報を発
生する。鋸歯状波鋸歯信号発生部16および鋸歯信号微分
位相発生部17を合わせて、発振信号微分位相発生手段と
し、電圧制御発振器15の発振信号から位相情報を抽出
し、微分位相を求めて出力するようにしてもよい。
【0046】微分位相比較器18は、基準信号微分位相情
報と鋸歯信号微分位相情報との微分位相差分を求める。
積分器19は、その微分位相差分を積分することによって
基準信号と鋸歯信号との位相差分情報とする。信号処理
部20は、積分器19からの位相差分情報に対してフィルタ
リングしたり、初期値を加算するなどの信号処理を施
す。変換部21は、信号処理部20の出力信号を発振器15の
周波数制御に適した電圧または電流信号に変換し、発振
器15の周波数を制御する。インタフェイス部22は、例え
ば、上記分周器の分周数や上記初期値などをマイクロプ
ロセッサ(図示されていない)から受け取り、必要な構
成要素各部に送出する。マイクロプロセッサは、発振器
15の周波数を制御するために、電圧制御発振器の発振周
波数を決定するために設定される数値Nや、初期値など
をインタフェイス部22を介して指示できる。
【0047】基準信号微分位相発生手段と発振信号微分
位相発生手段とは、それぞれ基準信号と発振信号との微
分位相を出力すればよく、発振信号微分位相発生手段
は、発振信号に基づいて、繰返し周波数fr(ただし、
frは任意の周波数)で、1周期あたりH(ただし、H
は自然数)回標本化して位相情報を鋸歯状波形にして鋸
歯信号を出力し、鋸歯信号の前後する位相情報を比較し
て微分位相を求めて微分位相情報を出力し、前記基準信
号微分位相発生手段は、基準信号に基づいて、繰返し周
波数frで、1周期あたりH回標本化して基準信号の位
相情報を鋸歯状波形にして鋸歯信号を出力し、鋸歯信号
の前後する位相情報を比較して微分位相を求めて微分位
相情報を出力するようにしてもよい。このH回標本化す
るのを、N回標本化するようにしてもよい。また、発振
信号微分位相発生手段の鋸歯信号微分位相発生部は、前
記鋸歯信号を周期1/(mKfr1)(ただし、Kおよび
mは自然数)毎にさらに標本化して位相情報を抽出し、
前後する位相情報を比較して微分位相を求めて、求めた
微分位相情報をmK倍して出力し微分位相情報を出力
し、基準信号微分位相発生手段の基準信号微分位相発生
部は、微分位相としてmNを出力することもできる。ま
た、このとき、発振信号微分位相発生手段の鋸歯信号微
分位相発生部では、最大位相情報mCN(ただし、Cは
自然数)の鋸歯状波形を有する鋸歯信号を出力すること
のより、正規化による誤差を発生させないようにするこ
とができる。
【0048】本実施例では、基準信号と鋸歯信号との微
分位相差分すなわち周波数差を求めた後、積分すること
によって位相差分情報を得ているので、基準信号と鋸歯
信号との位相差分を直接求めた場合に発生する位相飛び
が発生しない。すなわち、本実施例で求めた位相差分情
報は必然的に直流化されており、直流化回路が不要で、
かつ位相同期ループの高速引込みが可能となる。
【0049】本実施例において、鋸歯状波鋸歯信号発生
部16が発生する鋸歯信号が周波数fr1の一周期T内に有
する最大値を基準信号微分位相情報とする。すなわち、
周波数fr2毎に上記最大値ずつ増加する周期Tの数値制
御発振器を想定し、その出力信号の微分位相を求めるこ
とと等価である。更に、この基準信号微分位相情報と周
波数fr2毎の鋸歯信号微分位相情報のK倍との差分を微
分位相差分とすることによって、正規化処理が不要とな
る。また、これによって鋸歯状波基準信号発生部12と基
準信号微分位相発生部13とが事実上不要となり、回路構
成が簡単になるという特徴がある。
【0050】本発明の詳細実施例である微分位相比較周
波数シンセサイザのブロック図を図2に示す。図2にお
いて、図1と類似機能を有する回路ブロックには同一の
符号を付している。微分位相比較周波数シンセサイザ10
は、基準発振器11、クロック発生部14、VCO15、モジ
ュロNカウンタ16(図1の鋸歯状波鋸歯信号発生部に対
応)、標本化微分位相発生部17(図1の鋸歯信号微分位
相発生部に対応)、微分位相比較器18、積分器19、信号
処理部20、D/A変換器21(図1の電圧変換器に対応)
およびインタフェイス部22を有している。
【0051】図2において、基準発振器11は、例えば、
水晶発振器であり、発振周波数fr0のクロック信号を線
S11上に出力する。クロック発生部14は、分周数Lを有
する分周器141と、分周数Kを有する分周器142と、各種
クロックを発生するタイミング発生器143とを有してい
る。クロック発生部14は、基準発振器11の出力信号を分
周器141でL分周して周波数fr2の第二クロックを発生
し、この第二クロックを分周器142でK分周して周波数
fr1の第一クロックを発生し、周波数fr0、fr1および
fr2の三つのクロックから他の回路ブロックの操作に必
要な各種クロック(T1〜T9)を発生する。周波数f
r2と同じ周波数を有する、クロックFr21、Fr22、Fr23、
Fr24、Fr25およびFr27と、周波数fr1と同じ周波数を有
する、クロックFr16、Fr17およびFr18とがタイミング発
生器14からそれぞれ線T1〜T9上に出力される。これらク
ロックの時間関係は後で図3を用いて説明する。
【0052】VCO15は、電圧制御信号により発振周波
数が制御される電圧制御発振器であり、D/A変換器21
の出力電圧によって制御される発振周波数fvoの信号を
線S15上に出力する。可変分周数N(ただし、Nは自然
数)を有するモジュロNカウンタ16は、VCO15の発振
周波数を計数し、1からNまで(または、Nから1ま
で)のカウント動作を繰り返す。VCO15の発振周波数
を変更するためには上記分周数Nを変更する。上記分周
数Nは、インタフェイス部22を通して、例えば、マイク
ロプロセッサ(図示されていない)から指定されて、モジ
ュロNカウンタ16にセットされる。標本化微分位相発生
部17は、モジュロNカウンタ16の計数内容を周期1/
(K・fr1)毎に標本化し、相隣合う標本化値の差分を
求め、その差分値に分周数Kを乗算してその乗算値を鋸
歯信号微分位相情報ΔVとしてバスB17上に出力する。
上記標本化差分値は、モジュロNカウンタ16からキャリ
が出力された時はキャリを含めた差分を取るものとす
る。
【0053】一方、基準信号微分位相情報ΔRとして
は、分周数Nそのものを採用する。
【0054】また、標本化微分位相発生部17は、周期1
/(mK・fr1)毎に標本化する場合には、相隣合う標
本化値の差分を求め、その差分値に分周数mKを乗算し
てその乗算値を鋸歯信号微分位相情報ΔVとしてバスB1
7上に出力し、基準信号微分位相情報ΔRとしては、分
周数mNとして差文を求めてもよい。
【0055】微分位相比較器18は、基準信号微分位相情
報ΔRから鋸歯信号微分位相情報ΔVを引算してその差
分を微分位相誤差ΔHとしてバスB18上に出力する。積
分器19は、微分位相比較器18からの微分位相誤差ΔHを
無限積分して位相誤差信号HをバスB19上に出力する。
信号処理部20は、位相誤差信号Hにフィルタリングなど
の信号処理を施して位相誤差信号θを生成し、その信号
θを後段のD/A変換器21の入力レンジ内に正規化し、
正規化信号θnに初期値θiを加算した後で、その加算値
を出力する。上記初期値θiは、分周数Nに対応した値
であり、インタフェイス部22を通してマイクロプロセッ
サから指定される。上記の正規化処理の値Wはあらかじ
め定められた値か、または、マイクロプロセッサから指
定された値とする。D/A変換器21は、信号処理部20か
らの出力ディジタルデータを対応するアナログ値に変換
する。VCO15は、電圧制御信号によって発振周波数が
制御されるので、D/A変換器21は、信号処理部20から
の出力データをアナログ電圧に変換し、この電圧をVC
O15の周波数制御端子に印加する。VCO15の代わり
に、電流制御型周波数可変発振器を用いた場合は、D/
A変換器21からは、アナログ電流を出力する。インタフ
ェース部22は、マイクロプロセッサから指定されたデ
ータおよびアドレスに基づいて、位相同期ループを構成
するブロックの各部に分周数や初期値などを指示する。
マイクロプロセッサやインタフェース部22について
は、従来技術を用いて構成することにより対応できる。
本実施例では、インタフェイス部22は、マイクロプロセ
ツサからの5本のインタフェイス線により分周数N、初
期値θi、タイマ値Tをマイクロプロセツサから受け取
って、対応するブロックへ与えている。なお、図2にお
いては、多桁の機能ブロックを1桁の機能ブロックによ
り簡易的に示す。
【0056】以上のブロック構成により位相同期ループ
が構成され、同期確立後のVCO15の発振周波数fvoは
分周数Nと基準信号周波数fr1の積となる。
【0057】以下に具体的な数値例をあげて、図2に示
す基本実施例の詳しい構成と動作とを説明する。例え
ば、基準発振器11の発振周波数fr0を12.8MHz、分周数
LとKとを両方共に25=32とすると、分周器141の出力
周波数fr2は400kHz、分周器142の出力周波数fr1は12.
5kHzとなる。VCO15の発振周波数fvoを100MHz程度と
すると、2進モジュロNカウンタ16の分周数Nは8,000
程度となり、これを2進数で表すとその桁数は13とな
る。インタフェイス部22内の分周数レジスタ223は、13
桁のバスBI1上に2進分周数Nを出力する。カウンタ16
は、クロック端子CKに入力されるVCO15からのクロッ
ク信号の周波数を計数する。カウンタ16のキャリ端子CA
とロード端子LDとが接続され、データ入力端子DTはバス
BI1に接続されており、出力端子OPからは計数内容が13
桁のバスB16上に出力される。例えば、カウンタ16がダ
ウンカウンタの場合、キャリ信号が、キャリ端子CAから
出力されるとロード端子LDに入力し、端子CKへのクロッ
ク信号に同期してバスBI1上の分周数Nがカウンタ16に
セットされる。カウンタ16は、分周数Nからクロック信
号に同期してダウンカウントを開始して計数内容が「1」
になるとキャリ信号を出力するという動作を繰り返す。
また、カウンタ16がアップカウンタの場合、キャリ信号
がキャリ端子CAから出力されるとロード端子LDに入力
し、端子CKへのクロック信号に同期して計数内容が「1」
にセットされる。カウンタ16は、1からクロック信号に
同期してアップカウントを開始して計数内容がバスBI1
上の分周数Nに一致するとキャリ信号を出力するという
動作を繰り返す。
【0058】標本化微分位相発生器17は、Dフリップ・
フロップ171、172および175、引算器173、加算器174、
乗算器176、RSフリップ・フロップ177およびセレクタ
178を有している。13桁のフリップ・フロップ171のD端
子には、カウンタ16の計数内容がバスB16を通して入力
され、この計数内容を標本化する。フリップ・フロップ
171では、D端子への入力信号がC端子に入力される線T
2上のクロックFr22により標本化され、Q端子から13桁
のバスB171へ出力される。13桁のフリップ・フロップ17
2では、バスB171からD端子へ入力された信号が、C端
子に入力される線T1上のクロックFr21により標本化さ
れ、Q端子から13桁のバスB172へ出力される。13桁の引
算器173は、バスB171上の信号とバスB172上の信号との
差を取り、14桁のバスB173に出力する。すなわち、引算
器173では、フリップ・フロップ171で標本化されたカウ
ンタの計数内容と、フリップ・フロップ172で標本化さ
れたカウンタの計数内容との差を求めることができる。
フリップ・フロップ172で標本化されたカウンタの計数
内容は、フリップ・フロップ171で1つ前に標本化され
たカウンタの計数内容である。バスB173の最上位桁は符
号ビットであり、引算器173は、符号情報を付して引き
算の結果を出力する。上記引算は、カウンタ16がアップ
カウンタの場合にはバスB171上の信号からバスB172上の
信号を引算し、カウンタ16がダウンカウンタの場合には
バスB172上の信号からバスB171上の信号を引算する。加
算器174は、カウンタ16からキャリが出力された時にバ
スB173上の信号を補正する。上記引算器173は、標本化
された計数内容の前後する計数値を引き算し、キャリが
出力された時には、カウンタ16の値がセットされ直さ
れ、フリップ・フロップ172で標本化されたカウンタの
計数内容は、キャリが出力される前の値であるために、
加算器174はキャリが出力された時に補正をする。RS
フリップ・フロップ177は、S端子に入力される線S16上
のカウンタ16のキャリCAによってセットされ、R端子に
入力される線T4上のクロックFr24によってリセットさ
れ、Q端子から線S177上に選択信号SNを出力する。13桁
のセレクタ178は、S端子に入力される選択信号SNが
「0」のときはA端子に入力される13桁の「0」をY端子よ
り出力し、選択信号SNが「1」のときはB端子に入力され
るバスBI1上の分周数NをY端子より出力する。そのY
端子からの出力信号は、バスB178を経て加算器174の下
位13桁に入力される。14桁の加算器174は、バスB173の
信号とB178上の信号とを加算して、加算結果をバスB174
に出力する。バスB174の桁数は、本実施例の場合、符号
ビットを含めて9桁程度で良い。なぜなら、引算器173
において引き算されるのは、前述のように、標本化され
たカウンタの計数内容の前後する値であり、キャリ出力
時には、加算器174で補正されるので9桁程度あればよ
い。また、微分位相比較器18で比較される二つの信号の
ビット数は、同程度であり、バスB174上の信号は、乗算
器176でK=25倍された後、微分位相比較器18に入力さ
れる。9桁のフリップ・フロップ175では、バスB174か
らD端子へ入力された信号がC端子に入力される線T3上
のクロックFr23により標本化され、Q端子から9桁のバ
スB175へ出力される。乗算器176は、バスB175上の信号
をK=25倍し、乗算結果を14桁のバスB17に出力する。
乗算器176の機能は、この実施例のようにK=25の場
合、バスB175上の信号を符号ビットを除いて上位へ5桁
シフトしてバスB17上に出力することにより実現でき
る。バスB17上の信号ΔV(鋸歯信号微分位相情報)
は、VCO15の微分位相に対応した情報を表している。
【0059】微分位相比較器18は、14桁の引算器181の
みを含み、基準信号微分位相情報ΔRに対応するバスBI
1上の分周数NからバスB17上の鋸歯信号微分位相情報Δ
Vを引算し、引算結果ΔHを14桁のバスB18に出力す
る。バスB18の最上位桁は、符号ビットであるが、実動
作時に符号ビットに続く上位桁の数桁が変化しない場合
はその部分の桁を省略することができる。
【0060】積分器19は、加算器191およびレジスタ192
を有する。バスB18上の微分位相誤差信号ΔHの符号ビ
ットと下位13桁のビットとが、19桁加算器191の一方の
入力端子の符号ビットと下位13桁のビットとに入力され
る。加算器191の出力信号は、19桁バスB191を経て19桁
のレジスタ192のD端子に入力される。レジスタ192では
D端子への入力信号がC端子に供給される線T4上のクロ
ックFr24によってQ端子に伝達され、19桁バスB19に出
力される。バスB19上の信号は、加算器191のもう1つの
入力端子に入力される。以上によって、微分位相誤差信
号ΔHは積分されて位相誤差信号Hとなる。レジスタ19
2は、R端子に入力される線SI1上のリセット信号によ
り、インタフェイス部に新しい分周数Nが入力される毎
にリセットされる。加算器191がオーバーフローする可
能性がある場合、オーバーフロー検出器を設け、オーバ
ーフロー検出器が加算器191の出力オーバーフローを検
出してレジスタ192をリセットしても良い。
【0061】信号処理器20は、加算器201、レジスタ20
2、割算器203、Dフリップ・フロップ204、セレクタ20
5、正規化器206、加算器207、セレクタ208およびDフリ
ップ・フロップ209を有している。バスB19上の位相誤差
信号Hの符号ビットと下位18桁のビットとは、24桁加算
器201の一方の入力端子の符号ビットと下位18桁のビッ
トとに入力される。加算器201の出力信号は、24桁バスB
201を経て24桁のレジスタ202のD端子に入力される。レ
ジスタ202では、D端子への入力信号がC端子に供給さ
れる線T5上のクロックFr25によってQ端子に伝達され、
24桁バスB202に出力される。バスB202上の信号は、加算
器201のもう1つの入力端子に入力される。割算器203
は、バスB202上の信号をK=32で割り、19桁のバスB203
に出力する。この割算機能は、バスB202上の信号を下位
側へ5桁シフトしてバスB203に乗せることによって実現
できる。バスB203上の信号は、フリップ・フロップ204
のD端子に入力される。19桁のフリップ・フロップ204
では、D端子入力信号がC端子に供給される線T7上のク
ロックFr16によってQ端子に伝達され、19桁のバスB204
に出力される。レジスタ202は、線T8上のクロックFr17
によってリセットされ、クロックFr25の周波数は、クロ
ックFr16およびFr17の周波数のK倍であるから、バスB2
04上の信号は、バスB202上の位相誤差信号を周期1/f
r1にわたって平均化したものとなる。バスB204上の信号
は、セレクタ205のB端子に入力される。セレクタ206の
A端子には、バスB19上の位相誤差信号Hが直接入力さ
れる。19桁のセレクタ205は、S端子に印加される線SI2
上の選択信号STが「0」のときはA端子入力信号をY端子
から位相誤差信号θとして19桁バスB205に出力し、選択
信号STが「1」のときはB端子入力信号をY端子から位相
誤差信号θとして19桁バスB205に出力する。バスB18か
らバスB205までの信号処理は一種のディジタルフィルタ
処理である。従って、実施例以外の構成法でもよい。バ
スB205上の信号は、正規化器206に入力される。この正
規化器206の働きは、入力信号に対して四則演算を行
い、その出力信号をD/A変換器21の入力範囲値内に納
めたり、必要な分解能を得ることである。例えば、符号
ビットと下位2桁目から16桁目までを16桁バスB206に出
力する。バスB206の信号は、16桁加算器207の一方の入
力端子に入力される。加算器207の他方の入力端子に
は、16桁バスBI2から分周数Nに対応した適当な初期値
θiが入力される。加算器207は、加算結果を16桁バスB2
07上に出力する。セレクタ208のA入力端子には、線T6
上のクロックFr27が入力され、B入力端子にはT8上のク
ロックFr17が入力される。セレクタ208は、S端子に入
力される線SI2の選択信号STが「0」のときはA端子入力
信号をY端子から線S208上に出力し、選択信号STが「1」
のときはB端子入力信号をY端子から線S208上に出力す
る。16桁フリップ・フロップ209は、バスB207からD端
子に入力された信号を線S208からC端子に入力されたク
ロックによって再標本化してQ端子から16桁のバスB20
に出力する。
【0062】16桁D/A変換器21は、バスB20上の入力
ディジタル値に対応したアナログ電圧を線S21に出力す
る。この電圧は、VCO15の周波数制御端子に印加され
る。この電圧によりVCO15の周波数が変化し、微分位
相比較器18の出力を一周期1/fr1にわたって積分した
値が零になるように負帰還ループが構成される。位相同
期ループの同期引込み後のVCO15の発振周波数fvoは
次式で表される。
【0063】
【数2】fvo=N・fr1 (数2) インタフェイス部22は直列入力/並列出力レジスタ22
1、アドレスデコーダ222、分周数レジスタ223、初期値
レジスタ224、タイマレジスタ225およびタイマ226を有
している。マイクロプロセッサからは、クロックDCLK、
直列データDATA、2ビットのアドレスADR0・ADR1および
ラッチイネイブルLEの5つの信号が、線M1、M2、M3、M4
およびM5を介してインタフェイス部22にそれぞれ入力さ
れる。16桁の直列入力/並列出力レジスタ221は、直列
データDATAをクロックDCLK毎に取り込んで並列データと
してバスB221上に出力する。アドレスデコーダ222は、
アドレスADR0を下位ビット、ADR1を上位ビットとしてデ
コードし、アドレスが「0」のときにラッチイネイブルLE
を線S2221上に、アドレスが「1」のときにラッチイネイ
ブルLEを線S2222上に、アドレスが「2」のときにラッチ
イネイブルLEを線S2223上に、アドレスが「3」のときに
線M5上のラッチイネイブルLEをスタートイネイブルSEと
して線S2224上に出力する。13桁の分周数レジスタ223
は、バスB221上の並列データを線S2221上のラッチイネ
イブルLEにより取り込んで並列データに変換した後、線
S2224上のスタートイネイブルSEによってバスBI1上に出
力する。16桁の初期値レジスタ224は、バスB221上のデ
ータを線S2222上のラッチイネイブルLEにより取り込ん
で並列データに変換した後、線S2224上のスタートイネ
イブルSEによってバスBI2上に出力する。タイマレジス
タ225は、バスB221上のデータを線S2223上のラッチイネ
イブルLEにより取り込んでバスB225上に出力する。タイ
マ226は、線S2224上のスタートイネイブルSEによりリセ
ットされた後、線T9上のクロックFr18の計数を開始し、
その時、線SI2上に「0」の選択信号STを出力する。タイ
マ226の計数値がバスB225上のデータと一致すると、タ
イマ226は、計数を停止し、「1」の選択信号STをリセッ
トされるまで出力する。また、線S2224上のスタートイ
ネイブルSEは線SI1上にイニシャルリセットIRとして出
力される。
【0064】以下に、図2に示す実施例の動作を図3の
タイムチャートを用いて再度説明する。図3の図示がし
やすいように、数値例として、基準発振器11の発振周波
数fr0を6.4MHz、分周数L、KおよびNをそれぞれ8、
8、1002とする。これらから、分周器12の出力周波
数fr2は800kHz、分周器13の出力周波数fr1は100kHz、
VCO12の発振周波数fvoは100.2MHzとなる。この時、
N/K=1002/8=125.25となる。また、図3に示すタ
イムチャートは、図2に示す各回路部分の動作遅延時間
がほぼ零と仮定して図示してある。図3の(1)、(2)、
(3)は、それぞれ基準発振器11またはクロック発生部14
からの出力である、周波数fr0、fr2およびfr1の信号
を表している。図3には、周波数fr2の周期を基準にし
て一周期毎に周期スロット番号t0〜t13の記号を付して
示している。周波数fr2の一周期には、周波数fr0のパ
ルスが8個含まれているので、一周期毎に先頭のパルス
から順にパルス番号p1〜p8の符号を付している。図3の
(4)〜(9)は、タイミング発生器143からの出力信号で
ある、クロックFr21、Fr22、Fr23、Fr24、Fr25およびFr
27を示す。これらクロックの周波数は、fr2と等しく、
その正パルス幅は、fr0パルスの幅と等しいとする。ク
ロツクFr2XのXはfr0パルスのパルス番号の数字に等し
いX位置にパルスがあることを示す。図3の(10)〜(12)
は、クロックFr16、Fr17、Fr18を示す。これらクロック
の周波数はfr1と等しく、その正パルス幅はfr0パルス
の幅と等しいとする。図3では、クロックFr16、Fr17、
Fr18はスロット番号t3、t11にパルスがあり、クロツクF
r1XのXはfr0パルスのパルス番号の数字に等しいX位
置にパルスがあることを示す。以上のように、原則とし
て、回路ブロック番号(17〜20)が大きくなると、上記X
を大きくすることによってクロックの位相を順次遅らせ
て安定な動作を得ている。
【0065】図3の(13)〜(18)は、図1の位相同期ルー
プが同期しているときの各部の出力を波形または変化点
で示している。図3の(13)は、アップ・カウンタ16のキ
ャリ出力CAを示し、図3の(14)は、フリップ・フロップ
177のQ出力を示す。図3の(15)〜(18)は、それぞれフ
リップ・フロップ171、172、175およびレジスタ192のQ
出力の変化点を示したものである。フリップ・フロップ
171が、クロックFr22によってスロットt1〜t8でバスB16
上のカウンタ16の数値S1〜S8を標本化したと仮定する
と、その出力をクロックFr21によって標本化するフリッ
プ・フロップ172の出力は図3の(16)のようになる。図
3の(17)は、フリップ・フロップ171の出力からフリッ
プ・フロップ172の出力を引算器173で引いた値にキャリ
補正を加算器174で行なった値をクロックFr23によって
フリップ・フロップ175が標本化した数値D1〜D8を示
す。この例では、キャリ出力CAがスロットt4とt12で出
ているので、フリップ・フロップ177は、クロックFr24
でリセットされるまで「1」を出力する。この「1」出力の
間、セレクタ178からは、分周数N=1002が出力される
ので、スロットt4、t12におけるフリップ・フロップ175
の出力D4とD12とはキャリが補正された値となる。引算
器181の出力は、分周数N=1002からフリップ・フロッ
プ175の出力をK=8倍した値を引いた値となる。例え
ば、表2に示すΔHiのようになる。
【0066】
【表2】
【0067】レジスタ192は、引算器181の出力をクロッ
クFr25毎に積分した値を出力する。例えば、分周数Nが
900から1002に変化した直後には微分位相比較器18から
は大きな数値が出力されてVCO15の周波数は高くな
り、VCO15の周波数が高くなると微分位相比較器18か
らの出力値は小さくなっていく。これらの値は、レジス
タ192および加算器191で累積加算され、位相同期後は、
量子化誤差によってある値の前後で揺らぐ値となる。
【0068】図2に示す実施例において、分周数Nが新
しい値に設定されると、タイマ226の出力信号STは「0」
となり、セレクタ205は、A端子入力信号をY端子から
位相誤差信号θとして19桁バスB205に出力し、バスB19
上の位相誤差信号は、積分回路を経ずに信号処理器20か
ら出力される。これにより、D/A変換器21には高速に
次々と新しい誤差信号が供給されるので、VCO15の周
波数は急速に新しい分周数に対応した周波数に近づく。
タイマ226の出力信号STが「1」なると、バスB19上の誤差
信号は、信号処理器20において積分されて出力されるの
で、VCO15の周波数は比較的ゆっくりと最終周波数に
接近し、安定状態となる。以上の構成は、アナログフィ
ルタを含んでいないので、位相同期ループの引込みは本
質的に高速である。更に、信号処理器20のフィルタ構成
とその動作時間を位相同期ループ利得から解析的、実験
的に最適化することによって安定な高速同期引込みが可
能となる。
【0069】また、図2に示す実施例において、ある分
周数NでバスBI2上の初期値θiが零の場合に位相同期が
確立したときの正規化器206の出力値をθoとする。次
に、他の分周数から上記分周数Nに変更する時、初期値
θiとして上記の値θoそのまま、またはその近似値をN
と同時に設定することによって、一層高速に同期引込み
が可能となる。
【0070】図2に示す実施例において、可変分周器で
あるカウンタ16が分周数Cのプリスケーラと可変分周数
MのモジュロMカウンタとの従属接続で構成されている
場合、総合分周数NtはNt=C・Mとなる。基準信号微
分位相ΔRとしてMを採用する場合は、モジュロMカウ
ンタの相隣合う標本化値の差分を実施例通りK倍した値
を鋸歯信号微分位相ΔVとすることにより、本発明の目
的を達成することができる。しかし、基準信号微分位相
ΔRとしてNtを採用する場合は、モジュロMカウンタ
の相隣合う標本化値の差分をC・K倍した値を鋸歯信号
微分位相ΔVとすることにより、本発明の目的を達成す
ることができる。
【0071】なお図2に示す実施例において、基準発振
器、VCOおよびD/A変換器を除く各パートは、汎用
のECLやCMOSやTTLロジックICを用いて容易
に構成できる。あるいは、部分的に信号処理プロセッサ
などを用いてソフトウェアによる信号処理によって本実
施例の機能を実現可能なことも明らかである。また、最
近の半導体技術を用いることにより、基準発振器および
VCOの構成要素である共振素子を除く全ての構成要素
をモノリシック基板上に1チップ集積化できることも明
らかである。
【0072】図4は、可変分周器側に2モジュラス・プ
リスケーラを用いた場合の実施例を示している。VCO
の発振周波数が高い場合、2つの分周数P1、P2を有す
る2モジュラス・プリスケーラと、分周数Mを有する可
変分周メイン・カウンタと、分周数Sを有する可変分周
スワロー・カウンタとから構成されたパルス・スワロー
式可変分周器が一般に用いられる(参考文献:V.Manassew
itsch,"Frequency Synthesizers Theory and Design",p
p.355-362,John Wiley & Sons,New York,1976)。この
時、VCO発振周波数fvoは基準第一クロック周波数を
fr1とすると、下記数3となる。
【0073】
【数3】 fvo={P2・S+P1・(M−S)}・fr1≡N・fr1 (数3)
【0074】
【数4】 N=P2・S+P1・(M−S)=C(PM+S) (数4) ここで、P1とP2の関係は、
【0075】
【数5】 P1=C・P、 P2=C・(P+1) (数5) であり、Pは2のp乗または10のp乗、CはPに対応し
て2進数か10進数であるが1に設定されることが多
い。発振周波数を変えるには少なくとも分周数M、Sの
一方を変えて行なう。この実施例では、P1=128、P2
=129、C=1とする。
【0076】周波数シンセサイザ30は、基準発振器11、
クロック発生部14、VCO15、2モジュラス・プリスケ
ーラ31、スワロー・カウンタ32、メイン・カウンタ33、
標本化微分位相発生部17、微分位相比較器18、積分器1
9、信号処理部20およびD/A変換器21を有している。
図4に示す実施例において、図2に示す実施例と同じ機
能を果たす部分についてはビット幅が異なっても同じ記
号を付している。また、基準発振器11とクロック発生部
14とが発生する各種クロックの周波数は、図2と同じと
する。VCO15の出力信号は、プリスケーラ31のCK端子
に入力される。プリスケーラ31は、分周数P1とP2とを
有しており、M端子に入力される信号により2つの分周
数の一方が選択される。プリスケーラ31は、その選択さ
れた分周数でCK端子入力信号を分周して分周クロックCP
を線S31上に出力する。線S31上の分周クロックCPは、ス
ワローカウンタ32とメインカウンタ33とのCK端子に入力
される。例えば、図4において、fvo=1GHz程度、fr
0=12.8MHz、L=32、K=32とすると、上記数3のNは
80,000程度となる。P1=128であるのでこの場合、カウ
ンタ32、33のビット数はそれぞれ7、10ビットとなる。
バスBI1上の分周数Nの下位7桁(S)はスワローカウン
タ32に、その上位10桁(M)はメインカウンタ33にDT端子
から入力される。カウンタ32は、分周数Sを計数し終わ
るまでCA端子から線S32上に出力する分周数選択信号MD
によってプリスケーラ31の分周数をP2に設定し、その
間カウンタ33も同時に計数を行なっている。カウンタ32
の計数が終了すると、線S32上の選択信号MDによってプ
リスケーラ31の分周数は、P1が選択され、その後カウ
ンタ33のみが計数を続行する。カウンタ33が、分周数M
の計数を終了すると、CA端子から線S33上に出力するキ
ャリ信号によりカウンタ32、33にそれぞれ分周数S、M
を再度DT端子から入力する。それと共に、プリスケーラ
31の分周数はP2が選択されてカウンタ32および33は新
たに計数を開始する。カウンタ32の計数内容は、端子Q0
〜Q6からバスB32に出力される。カウンタ33の計数内容
は、端子Q0〜Q9からバスB31に出力される。バスB16上で
は、バスB32上のデータは下位桁、バスB33上のデータは
上位桁として17ビットデータに統合され、標本化微分位
相発生器17内の17桁のDフリップ・フロップ171のD端子
に入力される。線S33上のキャリ信号は、フリップ・フ
ロップ177のS端子に入力され、選択信号SNを生成す
る。今述べた可変分周器を除いて、周波数シンセサイザ
30の構成要素は図2に示す実施例の構成要素と同じであ
る。但し、図2より分周数Nのビット数が4ビット増加
しているので、回路ブロック17〜19内の多ビット回路要
素、回路ブロック20内の回路要素201〜205および各バス
のビット数が4ビット増えている。D/A変換器21のビ
ット数は、応用システムに応じて定められ、この例では
19ビットである。なお、基準信号微分位相ΔRとして数
4のNを用いた場合は、標本化微分位相発生器17内の乗
算器176における定数はCKである。基準信号微分位相
ΔRとして数4から導いたN/Cを用いた場合は、標本
化微分位相発生器17内の乗算器176における定数はKで
ある。この周波数シンセサイザ30の本発明に係る基本動
作は、カウンタ32、33の内容が標本化微分位相発生器17
によって標本化されることを除いて、図2に示す実施例
と同様である。従って、本発明の目的を達成することが
できる。
【0077】図5は、可変分周器側に2モジュラス・プ
リスケーラを用いた場合の他の実施例を示している。周
波数シンセサイザ30は、基準発振器11、クロック発生部
14、VCO15、2モジュラス・プリスケーラ31、スワロ
ー・カウンタ32、メイン・カウンタ33、プリスケーラ微
分位相発生部37、微分位相比較器18、積分器19、信号処
理部20およびD/A変換器21を有している。全体の構成
は、図4に示す実施例における標本化微分位相発生部17
に代わって、プリスケーラ微分位相発生部37を用いる以
外、図4に示す構成と同一である。また、基準発振器11
とクロック発生部14とが発生する各種クロックの周波数
は図2と同じとする。プリスケーラ微分位相発生部37
は、セレクタ371、加算器372、レジスタ373、フリップ
・フロップ374および乗算器375を有している。8桁セレ
クタ371のA入力端子には分周数P1、B入力端子には分
周数P2、S端子には分周数選択信号MDがそれぞれ入力
される。セレクタ371のY出力端子からは、分周数選択
信号MDが選択する2モジュラス・プリスケーラの分周数
に対応した分周数が8桁バスB371上に出力される。バス
B371上の信号は13桁加算器372の下位8桁に入力され
る。加算器372の加算出力は、13桁のバスB372を経て13
桁レジスタ373のD入力端子に入力される。レジスタ373
のD入力端子信号は、C端子に入力される線S31上のク
ロックCPによってQ端子に伝達され、13桁バスB373に出
力される。バスB373上の信号は加算器372のもう一つの
入力端子に入力される。また、バスB373上の信号は、13
桁フリップ・フロップ374のD端子に入力され、C端子
に入力される線T1上のクロックFr21によってQ端子に伝
達され、13桁バスB374に出力される。このクロックFr21
がフリップ・フロップ374に入力された後、セレクタ373
は、R端子に入力される線T2上のクロックFr22によって
リセットされる。この結果、バスB374上の信号は、バス
B371上の信号をクロックCPによって周期1/fr2間累積
した値となる。本実施例では、クロックCPの周波数は8M
Hz弱であり、周波数fr2は400kHzであるので、加算器37
2とレジスタ373の桁数は13桁となる。乗算器375はバスB
374上の信号にK=25を乗算し、乗算結果を18桁バスB3
7に出力する。乗算器375の機能はバスB374上の上位へ5
桁シフトしてバスB37に出力することにより実現でき
る。バスB37上の鋸歯信号微分位相情報ΔVは微分位相
比較器に供給される。
【0078】この実施例では、基準信号微分位相ΔRと
して数4に示すNを用いる。セレクタ371のA端子、B
端子に入力されるP1、P2の代わりに、それぞれP1/
C、P2/Cを用いた場合は、基準信号微分位相ΔRと
して数4から導いたN/Cを用いるか、乗算器375にお
ける乗数をCKとする。
【0079】図5に示すプリスケーラ微分位相発生部37
の効果は、図4に示す実施例中の標本化微分位相発生部
17と比較して回路規模が少ないことである。すなわち、
図4に示す実施例中の標本化微分位相発生部17において
標本化差分を採った後、キャリ補正する部分が、図5に
示す実施例では、加算器372とレジスタ373からなる累算
器のみで構成されており、かつ、回路ビット数が減って
いる。この結果、LSI回路の回路規模低減と消費電流
の低減の効果がある。
【0080】以上の図2、図4および図5に示す実施例
において、VCO15の発振周波数fvoと基準第一クロッ
クの周波数fr1との関係は、 fvo=(N/K)・K・fr1 (数5) となる。このN/Kは一般に非整数となるが、標本化に
よる切捨て誤差は位相の差分、すなわち、微分位相を求
めることによって累積されない。この結果、微分位相比
較器18の出力を任意の一周期1/fr1にわたって積分し
た積分器19の出力は、表2に示すように零となる。すな
わち、本発明の第2の目的を達成することができる。
【0081】図6は、図1に示す鋸歯状波鋸歯信号発生
部16として可変ステップ数値Nsを有する数値制御発振
器を用いた場合の実施例である。周波数シンセサイザ40
は、基準発振器11、クロック発生部14、VCO15、プリ
スケーラ41、数値制御発振器微分位相発生部47、微分位
相比較器18、積分器19、信号処理部20およびD/A変換
器21を有している。同実施例は、プリスケーラ41と数値
制御発振器微分位相発生部47とを除いて図2の実施例と
同じ構成とする。また、基準発振器11とクロック発生部
14が発生する各種クロックの周波数は図2と同じとす
る。分周数Cを有するプリスケーラ41は、周波数fvoを
有するVCO15の出力信号を分周して、分周クロックCP
を線S41上に出力する。
【0082】数値制御発振器は、ステップ数値Nsを分
周クロックCPによって一周期1/fr1間累積する動作を
繰り返す。この累積最大値をNとすると、ステップ数値
Nsは数6によって与えられる。
【0083】
【数6】 Ns=N/[(fvo/C)(1/fr1)] (数6) 従って、VCO15の発振周波数fvoを変えるには、上記
Nを一定としてステップ数値Nsを変化する。ここで、
周波数fvoは1GHz、分周数Cは64、周波数fr1は12.5kH
zとすると、数6に示す分母の値は1250となる。例え
ば、N=1250×220とすると、Ns=220となる。この
数値制御発振器の累積内容を周波数K・fr1毎に標本化
して、図2に示す実施例における標本化微分位相発生部
17と等価な回路によって微分位相を求めることができ
る。しかし、図6に示す実施例は、図5に示す実施例の
プリスケーラ微分位相発生部37と類似の数値制御発振器
微分位相発生部47によって微分位相を求める。
【0084】数値制御発振器微分位相発生部47は、加算
器471、レジスタ472、フリップ・フロップ473および乗
算器474を有している。インタフェイス部22からのバスB
I1上の20桁の数値Nsは26桁加算器471の下位20桁に入力
される。加算器471の加算出力は26桁のバスB471を経て
レジスタ472のD入力端子に入力される。26桁レジスタ4
72のD入力端子信号は、C端子に入力される線S41上の
クロックCPによってQ端子に伝達され、26桁バスB472に
出力される。バスB472上の信号は、加算器471のもう一
つの入力端子に入力される。また、バスB472上の信号
は、26桁フリップ・フロップ473のD端子に入力され、
C端子に入力される線T1上のクロックFr21によって
Q端子に伝達され、26桁バスB473に出力される。この
クロックFr21がフリップ・フロップ473に入力された
後、セレクタ472は、R端子に入力される線T2上のクロ
ックFr22によってリセットされる。この結果、バスB473
上の信号は、クロックCPによって数値Nsを周期1/fr
2間累積した値となる。本実施例では、クロックCPの周
波数は16MHz弱であり、周波数fr2は400kHzであるの
で、加算器471とレジスタ472の桁数は26桁となる。乗算
器474は、バスB473上の信号にK=25を乗算し、乗算結
果を31桁バスB47に出力する。乗算器474の機能は、バス
B473上の上位へ5桁シフトしてバスB47に出力すること
により実現できる。バスB47上の鋸歯信号微分位相情報
ΔVは微分位相比較器に供給される。
【0085】この実施例では、基準信号微分位相ΔRと
して数4から導いたN=1250×220を用いる。基準信号
微分位相ΔRとしてN/K=1250×215を用いる場合
は、上記実施例の乗算器474を省略することができる。
また、微分位相比較器18から出力される比較結果が、あ
る応用システムにおいて、例えば、上位5ビットが変化
しない場合、この上位5ビットを省略することができ
る。更に、そのシステムで許容される量子化誤差に基づ
くシンセサイザの周波数揺らぎに応じて下位ビットの何
ビットかを省略することができる。これらの結果、この
実施例では、例えば、バスB18のビット数を20桁とし
た。
【0086】図6に示す実施例では、たとえC=1、す
なわち、プリスケーラ41がバイパスされた場合でも、周
波数fvoがn・fr1(ただし、nは自然数)の各種値を
とると、数6よりステップ数値Nsは一般に非整数とな
り、有限語長では表せない。すなわち、本発明の第3の
目的を達成することができない。しかし、図6に示す実
施例が本発明の第1および第2の目的を達成できること
は、図2、図4および図5に示す実施例と同じである。
【0087】以上の実施例における構成要素回路のビッ
ト数、例えば、カウンタとD/A変換器とのビット数は
本発明による周波数シンセサイザを適用するシステムに
依存して決定すべきものであり、実施例のビット数は一
例にすぎない。また、実施例における演算は2進数演算
で行なっているが、任意の数を底とする演算においても
本発明が有効なことは明らかである。また、本発明の理
念を逸脱しない範囲で、各部回路の構成を変更できるこ
とも明らかである。
【0088】つぎに、通信装置に本発明による周波数シ
ンセサイザを用いた場合の構成図を図5に示す。
【0089】図7に示す通信装置50は、前述の周波数
シンセサイザ30と、周波数シンセサイザ30からの発
振信号をもとにして情報を送信する送信部501と、周
波数シンセサイザ30からの発振信号をもとにして情報
を受信する受信部502と、前記送受信部との情報の授
受および周波数シンセサイザを制御するための装置制御
部503とを備える。また、送信および受信に使用する
アンテナ505と、送信信号と受信信号とを分波するた
めの分波器504とをさらに備える。装置制御部503
は、前述のマイクロプロセッサを含み、周波数シンセサ
イザに対して発振周波数を変更するための分周数Nや初
期値θiを与えることができる。また、装置制御部50
3は、必要に応じて送信部501および受信部502の
制御をすることができ、また、マン・マシンインタフェ
イスを含む。送信部501および受信部502は、それ
ぞれ、周波数シンセサイザ30からの発振信号に従っ
て、送受信することができる。
【0090】本発明による周波数シンセサイザは、高速
な周波数切替が必要な移動通信装置に適している。本発
明によれば、高速周波数切替が可能となり、周波数切替
が遅い周波数シンセサイザを2台並列に設けて交互に動
作させて高速化を図った装置よりも、小型の装置を実現
できる効果がある。
【0091】また、本発明による周波数シンセサイザ
を、測定装置などの各種装置に適用できることは自明で
ある。
【0092】さらに、本発明によれば、周波数シンセサ
イザの大部分がディジタル回路であり、全LSI化、ま
たは、VCOを除いた部分のLSI化が可能である。従
って、小型の周波数シンセサイザ、またはそれを適用し
た小型の装置を実現できる効果がある。
【0093】
【発明の効果】本発明の二つの信号の微分位相を比較す
る位相同期ループ構成手法によれば、二つの信号の位相
を直接比較した場合に位相誤差信号に生ずる2πの位相
ジャンプが無くなるために、回路規模を小さくできる効
果がある。また、非同期標本化による量子化誤差も微分
位相を採ることにより累積されずに基準信号の一周期間
にわたる平均値は零となるので、正確で安定な周波数を
発生する周波数シンセサイザを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本概念を示す実施例である周波数シ
ンセサイザの構成ブロック図。
【図2】本発明の一実施例である2進カウンタを用いた
周波数シンセサイザの回路ブロック図。
【図3】図2の実施例における動作を説明する波形図。
【図4】本発明の他の実施例である2モジュラス・プリ
スケーラを用いた周波数シンセサイザの部分回路ブロッ
ク図。
【図5】本発明の他の実施例である2モジュラス・プリ
スケーラを用いた周波数シンセサイザの部分回路ブロッ
ク図。
【図6】本発明の他の実施例である数値制御発振器を用
いた周波数シンセサイザの部分回路ブロック図。
【図7】移動通信装置に本発明による周波数シンセサイ
ザを用いた場合の構成ブロック図。
【符号の説明】
10・30・40…周波数シンセサイザ、11…基準発振器、13
…基準信号微分位相発生部、14…タイミング発生部、15
…電圧制御発振器、16…鋸歯状波鋸歯信号発生部/可変
分周器、17…鋸歯信号微分位相発生部/標本化微分位相
発生部、18…微分位相比較器、19…積分器、20…信号処
理部、31…2モジュラス・プリスケーラ、32…スワロー
・カウンタ、33…メイン・カウンタ、41…プリスケー
ラ、171・172・175・204・209・374・473…Dフリップ
・フロップ、192・202・373・472…レジスタ、174・191
・201・207・372・471…加算器、173・181…引き算器、
176・375・474…乗算器、203…割算器、178・205・208
・371…セレクタ、177…RSフリップ・フロップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9182−5J H03L 7/08 C

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電圧あるいは電流により発振周波数を制御
    して発振信号を出力する電圧/電流制御発振器と、所定
    の周波数の基準信号を出力する基準発振器とを有して位
    相同期ループを構成して発振周波数を制御する周波数シ
    ンセサイザにおいて、 前記基準発振器の基準信号から位相情報を抽出し、微分
    位相を求めて出力する基準信号微分位相発生手段と、前
    記電圧/電流制御発振器の発振信号から位相情報を抽出
    し、微分位相を求めて出力する発振信号微分位相発生手
    段と、前記基準信号微分位相発生手段からの微分位相
    と、前記発振信号微分位相発生手段からの微分位相との
    差を求めて該微分位相差を出力する微分位相比較器と、
    前記微分位相差を積分して位相誤差を求めて出力する積
    分器と、前記積分器の出力信号に信号処理を行なう信号
    処理部と、前記信号処理部の出力信号を電圧あるいは電
    流に変換する変換器とを有することを特徴とする周波数
    シンセサイザ。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記発振信号微分位相
    発生手段は、前記電圧/電流制御発振器の発振信号を標
    本化して位相情報を抽出し、位相情報を鋸歯状波形にし
    て繰返し発生する鋸歯信号発生部と、前記鋸歯信号発生
    部の鋸歯状波形の位相情報に基づいて、微分位相を求め
    て出力する鋸歯信号微分位相発生部とを備えることを特
    徴とする周波数シンセサイザ。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記鋸歯信号発生部
    は、前記発振信号に基づいて、繰返し周波数fr(ただ
    し、frは任意の周波数)で、1周期あたりH(ただ
    し、Hは自然数)回標本化して位相情報を鋸歯状波形に
    して鋸歯信号を出力し、 前記鋸歯信号微分位相発生部は、前記鋸歯信号発生部か
    らの鋸歯信号の前後する位相情報を比較して微分位相を
    求めて微分位相情報を出力し、 前記基準信号微分位相発生手段は、前記基準発振器の基
    準信号を標本化して位相情報を抽出し、位相情報を鋸歯
    状波形にして繰返し発生する鋸歯状基準信号発生部と、
    前記鋸歯状基準信号発生部の鋸歯状波形の位相情報に基
    づいて、微分位相を求めて出力する基準信号微分位相発
    生部とを備え、 前記鋸歯状基準信号発生部は、前記基準信号に基づい
    て、繰返し周波数frで、1周期あたりH回標本化して
    基準信号の位相情報を鋸歯状波形にして鋸歯信号を出力
    し、 前記基準信号微分位相発生部は、前記鋸歯状基準信号発
    生部からの鋸歯信号の前後する位相情報を比較して微分
    位相を求めて微分位相情報を出力することを特徴とする
    周波数シンセサイザ。
  4. 【請求項4】請求項2において、鋸歯信号発生部は、前
    記発振信号に基づいて、繰返し周波数fr1(ただし、f
    r1は、電圧/電流制御発振器において発振させたい周波
    数をfvとしたときに、fv=N・fr1の関係にある)
    で、1周期あたり、前記電圧/電流制御発振器の発振信
    号の発振周波数を決定するために設定されるN(ただ
    し、Nは自然数)回標本化して位相情報を鋸歯状波形に
    して鋸歯信号を出力し、 鋸歯信号微分位相発生部は、前記鋸歯信号発生部からの
    鋸歯信号を周期1/(mKfr1)(ただし、Kおよびm
    は自然数)毎に標本化して位相情報を抽出し、前後する
    位相情報を比較して微分位相を求めて、求めた微分位相
    をmK倍して微分位相情報を出力し、 基準信号微分位相発生部は、微分位相情報としてmNを
    出力することを特徴とする周波数シンセサイザ。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記鋸歯信号発生部
    は、分周数Nの分周器を備え、分周器は、Nまでの計数
    を繰返し、計数値を出力し、Nまで計数したときにはキ
    ャリを出力し、 前記鋸歯信号微分位相発生部は、前記分周器からキャリ
    が出力された場合は、それを補正した差分を鋸歯信号微
    分位相情報として出力することを特徴とする周波数シン
    セサイザ。
  6. 【請求項6】請求項2において、鋸歯信号発生部は、前
    記発振信号に基づいて、繰返し周波数fr1(ただし、f
    r1は、電圧/電流制御発振器において発振させたい周波
    数をfvとしたときに、fv=N・fr1の関係にある)
    で、1周期あたり、前記電圧/電流制御発振器の発振信
    号の発振周波数を決定するために設定されるN(ただ
    し、Nは自然数)回標本化し、最大位相情報CN(ただ
    し、Cは自然数)の鋸歯状波形を有する鋸歯信号を出力
    し、 鋸歯信号微分位相発生部は、前記鋸歯信号発生部からの
    鋸歯信号を周期1/(Kfr1)(ただし、Kは自然数)
    毎に標本化して位相情報を抽出し、前後する位相情報を
    比較して微分位相を求めて、求めた微分位相をK倍して
    微分位相情報を出力し、 基準信号微分位相発生部は、微分位相情報としてCNを
    出力することを特徴とする周波数シンセサイザ。
  7. 【請求項7】請求項2において、鋸歯信号発生部は、前
    記発振信号に基づいて、繰返し周波数fr1(ただし、f
    r1は、電圧/電流制御発振器において発振させたい周波
    数をfvとしたときに、fv=N・fr1の関係にある)
    で、1周期あたり、前記電圧/電流制御発振器の発振信
    号の発振周波数を決定するために設定されるN(ただ
    し、Nは自然数)回標本化し、最大位相情報mC・N
    (ただし、Cおよびmは自然数)の鋸歯状波形を有する
    鋸歯信号を出力し、 鋸歯信号微分位相発生部は、前記鋸歯信号発生部からの
    鋸歯信号を周期1/(mKfr1)(ただし、Kは自然
    数)毎に標本化して位相情報を抽出し、前後する位相情
    報を比較して微分位相を求めて、求めた微分位相をmK
    倍して微分位相情報を出力し、 基準信号微分位相発生部は、微分位相情報としてmCN
    を出力することを特徴とする周波数シンセサイザ。
  8. 【請求項8】請求項6において、前記鋸歯信号発生部
    は、前記Cを分周数とするプリスケーラとその出力を分
    周する可変分周数Nd(ただし、Ndは自然数)のモジュ
    ロNdカウンタとを備える、総合分周数Nt=C・Ndを
    有するプリスケーラ式可変分周器であり、 前記基準信号微分位相発生部は、微分位相情報として前
    記分周数Nt=CNdを出力し、 前記鋸歯信号微分位相発生部は、前記プリスケーラの出
    力信号をクロックとして、前記分周数Cを前記周波数f
    r2の一周期間累積した値をK倍して微分位相情報として
    出力することを特徴とする周波数シンセサイザ。
  9. 【請求項9】請求項6において、前記鋸歯信号発生部
    は、分周数P1=CP(ただし、Pは自然数)と分周数P2
    =C(P+1)とを有する2モジュラス・プリスケーラ
    と、可変分周数Mのメイン・カウンタと、可変分周数S
    のスワロー・カウンタとを備えて、総合分周数Nt=P2
    ・S+P1・(M−S)=C(PM+S)≡C・Ndを有する
    パルススワロー式可変分周器であり、 前記基準信号微分位相発生部は、微分位相情報として前
    記分周数Nt=CNdを出力し、 前記鋸歯信号微分位相発生部は、前記2モジュラス・プ
    リスケーラの出力信号をクロックとして、前記スワロー
    ・カウンタから前記2モジュラス・プリスケーラに帰還
    される分周数選択信号に応じて前記分周数P1またはP2
    を前記周波数fr2の一周期間累積した値をK倍して微分
    位相情報として出力することを特徴とする周波数シンセ
    サイザ。
  10. 【請求項10】請求項6において、前記鋸歯信号発生部
    は、前記Cを分周数とする分周するプリスケーラであ
    り、前記鋸歯信号微分位相発生部は、可変ステップ数値
    Ns(ただし、Nsは、Ns=C・N・fr1/fvで表され
    る)を有する数値制御発振器であり、前記数値制御発振
    器は、前記鋸歯信号発生部の分周した信号をクロックと
    し、可変ステップ数値Nsを累積して周期1/(K
    r1)(ただし、Kは自然数)毎に標本化して微分位相
    を求め、求めた微分位相をK倍して微分位相情報として
    出力することを特徴とする周波数シンセサイザ。
  11. 【請求項11】請求項6において、前記鋸歯信号微分位
    相発生部は、可変ステップ数値Ns(ただし、Nsは、N
    s=C・N・fr1/fvで表される)を有する数値制御発
    振器であり、前記数値制御発振器は、前記発振信号を直
    接クロックとし、可変ステップ数値Nsを累積して周期
    1/(Kfr1)(ただし、Kは自然数)毎に標本化して
    微分位相を求め、求めた微分位相をK倍して微分位相情
    報として出力することを特徴とする周波数シンセサイ
    ザ。
  12. 【請求項12】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10または11において、前記信号処理部は、
    前記積分器からの出力信号をフィルタリングする処理を
    施して出力することを特徴とする周波数シンセサイザ。
  13. 【請求項13】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10または11において、前記信号処理部は、
    前記積分器からの出力信号に初期値を加算する処理を施
    して出力することを特徴とする周波数シンセサイザ。
  14. 【請求項14】請求項12または13記載の周波数シン
    セサイザの少なくとも一部を内蔵することを特徴とする
    半導体集積回路。
  15. 【請求項15】指示された周波数の発振信号を出力する
    周波数シンセサイザと、周波数シンセサイザからの発振
    信号に基づいて情報を送信する送信部と、周波数シンセ
    サイザからの発振信号に基づいて情報を受信する受信部
    と、前記周波数シンセサイザ、前記送信部および前記受
    信部を制御する制御部とを備える通信装置において、 前記周波数シンセサイザは、前記発振信号に基づいて、
    繰返し周波数fr1(ただし、fr1は、指示された周波数
    をfvとしたときに、fv=N・fr1の関係にある)で、
    1周期あたり、指示された発振周波数を決定するために
    設定されるN(ただし、Nは自然数)回標本化して位相
    情報を出力し、位相情報を、周期1/(mKfr1)(た
    だし、Kおよびmは自然数)毎に標本化して前後する位
    相情報を比較して微分位相を求めて、求めた微分位相を
    mK倍して微分位相情報を出力し、該微分位相情報と基
    準微分位相であるmNとを比較して微分位相差を求め、
    該微分位相差を積分して位相誤差を求めることにより、
    発振信号の周波数を制御することを特徴とする通信装
    置。
  16. 【請求項16】電圧あるいは電流により発振周波数を制
    御して発振信号を出力する電圧/電流制御発振器と、所
    定の周波数の基準信号を出力する基準発振器とを有して
    位相同期ループを構成して発振周波数を制御する周波数
    シンセサイザにおける周波数制御方法であって、 前記発振信号に基づいて、繰返し周波数fr1(ただし、
    fr1は、指示された周波数をfvとしたときに、fv=N
    ・fr1の関係にある)で、1周期あたり、指示された発
    振周波数を決定するために設定されるN(ただし、Nは
    自然数)回標本化して位相情報を出力し、位相情報を、
    周期1/(mKfr1)(ただし、Kおよびmは自然数)
    毎に標本化して前後する位相情報を比較して微分位相を
    求めて、求めた微分位相をmK倍して微分位相情報を出
    力し、該微分位相情報と基準微分位相であるmNとを比
    較して微分位相差を求め、該微分位相差を積分して位相
    誤差を求めることにより、発振信号の周波数を制御する
    ことを特徴とする周波数シンセサイザにおける周波数制
    御方法。
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