JPH0722944A - 周波数シンセサイザ - Google Patents

周波数シンセサイザ

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JPH0722944A
JPH0722944A JP5163597A JP16359793A JPH0722944A JP H0722944 A JPH0722944 A JP H0722944A JP 5163597 A JP5163597 A JP 5163597A JP 16359793 A JP16359793 A JP 16359793A JP H0722944 A JPH0722944 A JP H0722944A
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JP
Japan
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signal
phase
frequency
output
prescaler
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Application number
JP5163597A
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English (en)
Inventor
Takayasu Ito
隆康 伊藤
Yuichi Tazaki
祐一 田崎
Masaru Kokubo
優 小久保
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 数値データで位相比較情報を表現する周波数
シンセサイザにおいて、VCO側の位相情報を精度良く
形成する回路を実現する手段を提供する。 【構成】 VCO出力信号をプリスケーラによって分周
した信号の立上り及び立下り両エッジごとに、所定値増
加する階段波を形成する。一方、基準信号の位相情報と
して水晶発振器の立上りごとに所定値増加する階段波を
形成する。これらの位相情報の所定期間どうしの増加量
を比較し、積分器等で信号処理を施し位相誤差信号を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相同期ル−プを用い
た周波数シンセサイザに係り、特に、位相比較結果がデ
ィジタル数値データで出力される周波数シンセサイザに
関する。
【0002】
【従来の技術】周波数シンセサイザの構成法は、各種の
方法が知られており、特に集積回路の発達により位相同
期ループを用いた構成法がよく用いられる。多数の通信
チャネルを有する移動通信装置では、電圧制御発振器
(以下、VCOと称す。)と、可変分周器と、水晶発振
器とを用いて位相同期ループを構成し、可変分周器の分
周数を選択して必要な通信チャネル周波数を発生させ
る。位相同期ループを用いた周波数シンセサイザでは、
VCOの出力信号を可変分周器で分周した信号と、水晶
発振器出力から生成した基準信号との位相を位相比較器
で比較し、アナログ値の比較結果をフィルタにより積分
した後に、VCOの周波数制御端子に印加している。
【0003】また、発振周波数の高い周波数シンセサイ
ザを実現する方法として、2つの分周比(1/P,1/
(P+1):Pは整数)を持つ2モジュラスプリスケー
ラ(以下、プリスケーラと称す。)を用いて上記位相同
期ル−プの可変分周器を構成する方法が提案されてい
る。この方式を用いることにより、任意の分周回路が実
現できるので、位相比較を行う基準周波数を可変するこ
となく発振周波数の高い周波数シンセサイザを実現でき
る。この種の装置として関連するものは、柳沢編、「P
LL(位相同期ル−プ)応用回路」総合電子出版、pp11
8-pp121、1977年9月が挙げられる。
【0004】上記位相同期ル−プを用いた周波数シンセ
サイザでは、上記位相比較結果に高調波成分などが含ま
れているので、これらの成分を除くために上記フィルタ
の積分時定数を大きくする必要がある。特に、フィルタ
を構成するコンデンサの容量値が比較的大きくなる。一
方、周波数シンセサイザの用途として、多数の通信チャ
ネルを有する移動通信装置があり、通信チャネル周波数
を短時間で切替ることが必要になる。このため、可変分
周器の分周数を変えて通信チャネル周波数を切り替えよ
うとすると、コンデンサの充放電に時間を要するので高
速に周波数を切り替えることができないという問題があ
る。上記フィルタを構成するコンデンサの充放電に時間
を要するので、その実現に難があるという問題点があ
る。
【0005】これを解決する周波数シンセサイザの構成
法が提案されている(参考文献、梶原、中川「高速周波
数ホッピングが可能なPLLシンセサイザ」、電子情報
通信学会論文誌、B−IIvol.j73-B-II、No2、pp95-10
2、1990年2月)。この提案方式では位相比較そのものを
数値演算処理により行い、比較結果に含まれる高調波成
分を単純な演算によって除去することにより、上記フィ
ルタを不要とすることによって周波数切替時間の短縮化
を図るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記文献に示されてい
る周波数シンセサイザ(以下、これを数値位相比較直流
化周波数シンセサイザという)においては、位相比較器
の出力を直流化する位相補正器の回路規模が大きくなる
という問題がある。また、数値位相比較直流化周波数シ
ンセサイザでは、位相比較する際に、正規化による誤差
が発生する。
【0007】これらの問題点を解決する手段としては、
本件の出願人が先に出願している「特願平4−1047
86号」に示されている発明がある。当該先の出願は、
電圧あるいは電流により発振周波数を制御して発振信号
を出力する電圧/電流制御発振器と、所定の周波数の基
準信号を出力する基準発振器とを有して位相同期ループ
を構成して発振周波数を制御する周波数シンセサイザに
おける周波数制御方法であって、前記発振信号に基づい
て、繰返し周波数fr1(ただし、fr1は、指示された周
波数をfvとしたときに、fv=N・fr1の関係にある)
で、1周期あたり、指示された発振周波数を決定するた
めに設定されるN(ただし、Nは自然数)回標本化して
位相情報を出力し、位相情報を、周期1/(mKfr1
(ただし、Kおよびmは自然数)毎に標本化して前後す
る位相情報を比較して微分位相を求めて、求めた微分位
相をmK倍して微分位相情報を出力し、該微分位相情報
と基準微分位相情報であるmNとを比較して微分位相差
を求め、該微分位相差を積分して位相誤差を求めること
により、発振信号の周波数を制御する方法について述べ
ている。
【0008】上記先の出願においては、位相比較する際
に、位相情報の抽出を特定の周期で標本化して行ってい
る。この特定の周期を短くすると、量子化誤差を少なく
することができるが、周波数シンセサイザのクロックが
高速になるため、消費電力が増大する。また、基準信号
の位相情報とVCO出力信号の位相情報とは、非同期で
あり、位相情報の抽出時に、クロックの立上りのタイミ
ングが重なると、値が不安定になることがあり、誤差が
発生する。
【0009】本発明の目的は、位相比較で発生する誤差
を低減する周波数シンセサイザを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、電圧あるいは電流により発振周波数を制御して発振
信号を出力する電圧/電流制御発振器と、所定の周波数
の基準信号を出力する基準発振器とを有し、前記発振信
号の位相位置を示す位相情報と前記基準信号の位相位置
を示す位相情報とに基づいて位相差を検出し、位相同期
ループを構成して発振周波数を制御する周波数シンセサ
イザにおいて、前記基準発振器の基準信号を、周波数f
rに分周した場合の最大位相情報を値mKN(ただし、
m、KおよびNは自然数)として位相情報を抽出して出
力する基準信号位相発生手段と、前記電圧/電流制御発
振器の発振信号から位相情報を抽出して出力する発振信
号位相発生手段と、前記基準信号位相発生手段からの位
相情報と、前記発振信号位相発生手段からの位相情報と
の位相差を求めて当該位相差を出力する位相比較器と、
前記位相差に基づいて信号処理を行なう信号処理部と、
前記信号処理部の出力信号を電圧あるいは電流に変換す
る変換器とを有し、前記発振信号位相発生手段は、前記
発振信号の位相情報として、前記発振信号を周波数fs
(ただし、fsは、電圧/電流制御発振器において発振
させたい発振信号の周波数をfvとしたときに、fv=
N×fs=N×fr/Kの関係にある)に分周した場合
の分周信号の最大位相情報を値mKNとし、当該分周し
た場合の一周期の間に、N×i回(ただし、iは自然
数)標本化した場合の位相情報を出力する。
【0011】前記発振信号位相発生手段は、前記発振信
号を周波数fsに分周した場合の一周期の間に、当該分
周信号の周期のP分の1の周期ごとにS回標本化し(た
だし、Sは自然数)、かつ、当該分周信号の周期の(P
+1)分の1の周期ごとに(M−S)回標本化し(ただ
し、Mは自然数であり、かつ、N=(P+1)S+P
(M−S)を満たす)、前記iを2として前記標本化回
数のそれぞれ2倍で標本化したときの位相情報を出力す
ることができる。
【0012】前記発振信号位相発生手段は、前記発振信
号を選択的にPもしくは(P+1)で分周し、分周した
信号を出力信号として出力する2モジュラス・プリスケ
ーラと、前記2モジュラス・プリスケーラの出力信号に
基づいて前記Sまでをカウントするスワローカウンタお
よび前記Mまでをカウントするメインカウンタを備える
パルススワロー式可変分周器と、前記標本化回数のそれ
ぞれ2倍で標本化するために、前記2モジュラス・プリ
スケーラの出力信号の立上りおよび立下りを検出する両
エッジ検出回路と、前記2モジュラス・プリスケーラに
おいて選択されたPもしくは(P+1)の分周数を検出
する選択検出回路と、前記両エッジ検出回路で検出した
立上りおよび立下りごとに、前記選択検出回路で検出し
た分周数に応じて、P/2もしくは(P/2+1)を選
択し、当該選択した値を累積して位相情報として出力
し、前記周波数frの1周期間ごとに、前記累積した値
をクリアする位相発生部とを備えることができる。
【0013】また、前記発振信号位相発生手段は、前記
発振信号を固定数C(ただし、Cは自然数)で分周し、
分周した信号を出力信号として出力するプリスケーラ
と、該プリスケーラの出力信号に基づいて、当該出力信
号を分周するために、可変分周数Nd(ただし、Nd
は、自然数であり、可変できる)までカウントするモジ
ュロNdカウンタと、前記プリスケーラの出力信号の立
上りおよび立下りを検出する両エッジ検出回路と、前記
両エッジ検出回路で検出した立上りおよび立下りごと
に、C/2の値を累積して位相情報として出力し、前記
周波数frの1周期間ごとに、前記累積した値をクリア
する位相発生部とを備えることができる。
【0014】前記基準信号位相発生手段は、位相情報の
代わりに、前記基準信号の微分位相を求めて出力し、前
記発振信号位相発生手段は、位相情報の代わりに、前記
発振信号の微分位相を求めて出力し、前記位相比較器
は、位相差を出力する代わりに、前記基準信号位相発生
手段による微分位相と前記発振信号位相発生手段による
微分位相との差を微分位相差として求め、当該微分位相
差を積分して位相誤差を求めて前記信号処理部に出力す
る積分器をさらに有することができる。
【0015】さらに、前記両エッジ検出回路、前記選択
検出回路および前記位相発生部を、複数群有し、前記2
モジュラスプリスケーラの出力信号を、前記群に対応し
てそれぞれ所定値ずつ遅延させた信号を出力する遅延回
路と、前記複数群の各々の位相発生部からの位相情報を
平均化した信号を出力する平均化回路とをさらに有する
ようにしてもよい。
【0016】
【作用】基準発振器は、所定の周波数の基準信号を出力
する。基準信号位相発生手段は、前記基準発振器の基準
信号を、周波数frに分周した場合の最大位相情報を値
mKN(ただし、m、KおよびNは自然数)として位相
情報を抽出して出力する。
【0017】一方、電圧/電流制御発振器は、電圧ある
いは電流により発振周波数を制御して発振信号を出力す
る。発振信号位相発生手段は、前記電圧/電流制御発振
器の発振信号から位相情報を抽出して出力する。前記発
振信号位相発生手段は、前記発振信号の位相情報とし
て、前記発振信号を周波数fs(ただし、fsは、電圧
/電流制御発振器において発振させたい発振信号の周波
数をfvとしたときに、fv=N×fs=N×fr/K
の関係にある)に分周した場合の分周信号の最大位相情
報を値mKNとし、当該分周した場合の一周期の間に、
N×i回(ただし、iは自然数)標本化した場合の位相
情報を出力する。
【0018】位相比較器は、前記基準信号位相発生手段
からの位相情報と、前記発振信号位相発生手段からの位
相情報との位相差を求めて当該位相差を出力する。信号
処理部では、前記位相差に基づいて信号処理を行なう。
変換器は、前記信号処理部の出力信号を電圧あるいは電
流に変換する。前記変換器からの出力信号により電圧/
電流制御発振器の発振周波数を制御する。
【0019】この場合、基準信号位相発生手段は、基準
信号の位相情報として、上記基準発振器出力信号(周波
数fr0)を周波数frに分周した場合の最大位相情報
(2π)を値mKNとすることにより、特定の抽出間隔
で、等しい増加率の階段波を生成する。
【0020】他方、発振信号位相発生手段は、電圧/電
流制御発振器の出力信号の位相情報として、電圧/電流
制御発振器出力信号を、周波数fsに分周した場合の最
大位相情報(2π)を値mKNとすることにより、正規
化する際の誤差を小さくする。さらに、分周した場合の
一周期の間に、N×i回(ただし、iは自然数)標本化
することにより、標本化誤差を小さくする。
【0021】具体的には、前記発振信号位相発生手段
を、2モジュラス・プリスケーラ、パルススワロー式可
変分周器、両エッジ検出回路、選択検出回路および位相
発生部により構成する。この場合、2モジュラス・プリ
スケーラは、発振信号を選択的にPもしくは(P+1)
で分周し、分周した信号を出力信号として出力する。パ
ルススワロー式可変分周器のスワローカウンタは、前記
2モジュラス・プリスケーラの出力信号に基づいて前記
Sまでをカウントする。また、2モジュラス・プリスケ
ーラの出力信号に基づいてメインカウンタは、前記Mま
でをカウントする。両エッジ検出回路は、前記標本化回
数のそれぞれ2倍で標本化するために、前記2モジュラ
ス・プリスケーラの出力信号の立上りおよび立下りを検
出する。選択検出回路は、前記2モジュラス・プリスケ
ーラにおいて選択されたPもしくは(P+1)の分周数
を検出する。位相発生部は、前記両エッジ検出回路で検
出した立上りおよび立下りごとに、前記選択検出回路で
検出した分周数に応じて、P/2もしくは(P/2+
1)を選択し、当該選択した値を累積して位相情報とし
て出力し、前記周波数frの1周期間ごとに、前記累積
した値をクリアする。これにより、上記プリスケーラに
よって分周した信号の立上りおよび立ち下がりごとに、
標本化を行うことになるので、動作クロックの周波数を
高速にすることなく、標本化回数を上げることができ
る。
【0022】同様に、モジュロNdカウンタを備える場
合にもプリスケーラによって分周した信号の立上りおよ
び立ち下がりごとに、標本化を行うことができる。
【0023】また、これら2つの位相情報の増加分どう
しを位相比較器に入力し演算を行うことにより、この演
算結果は、2つの位相情報を微分して比較したことにな
る。したがって、この演算結果を、積分器で積分するこ
とにより、位相誤差信号を得る。この位相誤差信号をD
/A変換器でアナログ信号に変換した後、電圧/電流制
御発振器の周波数制御端子に印加して、位相同期ループ
を形成する。
【0024】以上のようにして形成したプリスケーラ分
周出力の立上りと立下りとの両エッジ毎に、抽出した位
相情報が電圧/電流制御発振器出力信号の位相情報とな
る。すなわち、基準信号の位相情報の値は、(スタート
時にゼロとした時)周期T後にはmNKになる。同様に
して、電圧/電流制御発振器の周波数が基準信号と一致
したとすると、電圧/電流制御発振器出力信号の位相情
報の周期T後の値を求めると、次のようになる。周期T
の期間に、分周数(P+1)の分周がS回、分周数Pの
分周が(M−S)回実現される。ここで、M、Sおよび
Nには、以下に示す(数1)の関係がある。
【0025】
【数1】 N=(M−S)×P+S×(P+1) … (数1) また、電圧/電流制御発振器出力信号の位相情報の周期
T後の値は、mNKとなり、基準信号のそれと一致す
る。
【0026】また、上記プリスケーラの分周出力は、例
えば、ハイレベル期間の分周数はP/2、ローレベル期
間の分周数は、分周数PのときにはP/2、分周数(P
+1)のときには(1+P/2)となっている。したが
って、プリスケーラの立上り、立下りの両エッジで、そ
の時の分周数(P,あるいは1+P/2)をK倍した増
加分にて増加する階段波を生成することにより、電圧/
電流制御発振器出力信号の位相情報が得られる。このよ
うにして、前述の場合よりも増加分がほぼ1/2となる
電圧/電流制御発振器出力信号の位相情報を得ることが
できるので、電圧/電流制御発振器出力信号の位相情報
を数値に変換する時の量子化誤差を1/2にできる。
【0027】
【実施例】始めに図1を参照して微分位相周波数シンセ
サイザの基本原理を説明した後で、図2および図3を参
照して本発明の具体的な実施例を説明する。
【0028】本発明の基本原理を示す実施例である微分
位相周波数シンセサイザのブロック図を図1に示す。
【0029】図1において、微分位相周波数シンセサイ
ザは、基準発振器11、階段状波基準信号発生部12、
基準信号微分位相発生部13、クロック発生部14、電
圧(あるいは、電流)制御発振器15、階段信号発生部
16、階段信号微分位相発生部17、微分位相比較器1
8、積分器19、信号処理部20、電圧(あるいは、電
流)変換部21およびインタフェイス部22を有してい
る。
【0030】クロック発生部14は、基準発振器11の
出力信号から周波数fr1を有する第1クロック、周波
数fr1のK(ただし、Kは自然数)倍の周波数fr2
を有する第2クロック、および、構成各部の動作に必要
な各種タイミングクロックを発生し、構成要素各部1
2、13、17〜20に必要なクロックを供給する。階
段状波基準信号発生部12は、分周器、数値制御発振
器、または、分周器と数値制御発振器との組合せにより
構成されており、基準発振器11の出力信号から繰返し
周波数fr1の階段状波形を有する基準信号を発生す
る。基準信号微分位相発生部13は、周波数fr2毎に
基準信号の微分位相情報を発生する。階段状波基準信号
発生部12および基準信号微分位相発生部13を合わせ
て、基準信号微分位相発生手段とし、基準発振器11の
基準信号から位相情報を抽出し、微分位相を求めて出力
するようにしてもよい。
【0031】階段信号発生部16は、分周器、数値制御
発振器、または、分周器と数値制御発振器との組合せに
より構成されており、電圧(あるいは、電流)制御発振
器15の出力信号から繰返し周波数fr1の階段状波形
を有する階段信号を発生する。階段信号微分位相発生部
17は、周波数fr2毎に階段信号の微分位相情報を発
生する。階段信号発生部16および階段信号微分位相発
生部17を合わせて、発振信号微分位相発生手段とし、
電圧制御発振器15の発振信号から位相情報を抽出し、
微分位相を求めて出力するようにしてもよい。
【0032】微分位相比較器18は、基準信号微分位相
情報と階段信号微分位相情報との微分位相差分を求め
る。積分器19は、その微分位相差分を積分することに
よって基準信号と階段信号との位相差分情報とする。信
号処理部20は、積分器19からの位相差分情報に対し
てフィルタリングしたり、初期値を加算する等の信号処
理を施す。変換部21は、信号処理部20の出力信号を
発振器15の周波数制御に適した電圧または電流信号に
変換し、発振器15の周波数を制御する。インタフェイ
ス部22は、例えば、上記分周器の分周数や上記初期値
などを、例えばマイクロプロセッサ(図示せず)から受
け取り、必要な構成要素各部に送出する。マイクロプロ
セッサは、発振器15の周波数を制御するために、電圧
制御発振器の発振周波数を決定するために設定される数
値Nや、初期値などをインタフェイス部22を介して指
示できる。
【0033】本実施例では、基準信号と階段信号との微
分位相差分、すなわち、周波数差を求めた後、積分する
ことによって位相差分情報を得ているので、基準信号と
階段信号との位相差分を直接求めた場合に発生する位相
飛びが発生しない。すなわち、本実施例で求めた位相差
分情報は必然的に直流化されており、直流化回路が不要
で、かつ、位相同期ループの高速引込みが可能となる。
【0034】本実施例において、階段信号発生部16が
発生する階段信号が周波数fr1の一周期T内に有する
最大値を基準信号微分位相情報とする。すなわち、周波
数fr2毎に上記最大値ずつ増加する周期Tの数値制御
発振器を想定し、その出力信号の微分位相を求めること
と等価となる。更に、この基準信号微分位相情報と周波
数fr2毎の階段信号微分位相情報のK倍との差分を微
分位相差分とすることによって、正規化処理が不要とな
る。また、これによって階段状波基準信号発生部12と
基準信号微分位相発生部13が事実上不要となり、回路
構成が簡単になるという特徴がある。
【0035】以上のように構成することにより、上記階
段状波基準信号発生部12〜タイミング発生部14と、
階段信号発生部16〜信号処理部20との各ブロック
は、ディジタル信号で処理することができる。したがっ
て、信号処理部20の出力信号は数値データで表される
ことになる。この数値データ(位相差分情報)を、変換
部21で発振器15の周波数制御に適した電圧または電
流信号に変換し、発振器15の周波数を制御する。
【0036】次に、本発明の一実施例を、図2および図
3を参照して説明する。図2に、本実施例のブロック図
を示し、図3に、2モジュラスプリスケーラの動作タイ
ミングチャートを示す。
【0037】図2において、図1と同一個所および同等
部分には、同一符号を付している。図2に示すように、
周波数シンセサイザ30は、基準発振器11、クロック発生
部14、VCO15、2モジュラスプリスケーラ31(以
下、プリスケーラと称す。)、スワローカウンタ32
(以下、Sカウンタと称す。)、メインカウンタ33
(以下、Mカウンタと称す。)、選択信号形成回路3
4、両エッジ検出回路35、プリスケーラ微分位相発生
部37、微分位相比較器18、積分器19、信号処理部20お
よびD/A変換器21を有している。さらに、クロック発
生部14は、分周数Lを有する分周器141と、分周数
Kを有する分周器142と、各種クロックを発生するタ
イミング発生器143とを備えている。また、プリスケ
ーラ微分位相発生部37は、セレクタ371、加算器3
72、レジスタ373、フリップフロップ374および
乗算器375を備えている。
【0038】VCOの発振周波数が高い場合、2つの分
周数P1、P2を有する2モジュラスプリスケーラ31
と、分周数Mを有する可変分周Mカウンタ33と、分周
数Sを有する可変分周Sカウンタ32とから構成された
パルス・スワロー式可変分周器が一般に用いられる。こ
の時、VCO発振周波数fvoは基準第1クロック周波
数をfr1とすると、下記に示す数2のようになる。
【0039】
【数2】 fvo={P2・S+P1・(M−S)}・fr1≡N・fr1 (数2)
【0040】
【数3】 N=P2・S+P1・(M−S)=C(PM+S) (数3) ここで、P1とP2の関係は、
【0041】
【数4】 P1=C・P、 P2=C・(P+1) (数4) であり、Pは2のp乗または10のp乗、Cは、自然数
であり、Pに対応する2進数か10進数で示されるが、
1に設定されることが多い。発振周波数を変えるには少
なくとも分周数M、Sの一方を変えて行う。この実施例
ではP1=128,P2=129,C=1とする。
【0042】本実施例においては、分周数P1=CP(た
だし、Pは自然数)と分周数P2=C(P+1)とを有する
2モジュラス・プリスケーラと、可変分周数Mのメイン
・カウンタと、可変分周数Sのスワロー・カウンタとを
備えて、総合分周数Nt=P2・S+P1・(M−S)=C
(PM+S)≡C・Ndを有するパルススワロー式可変分
周器により、前述の図1に示す階段信号発生部16を構
成している。この場合、前記基準信号微分位相発生部1
3は、微分位相情報として前記分周数Nt=CNdを出力
して微分位相比較器18に入力する。前記階段信号微分
位相発生部17は、プリスケーラ微分位相発生部37で
構成し、前記2モジュラス・プリスケーラの出力信号を
入力する両エッジ検出回路35からの信号をクロックと
して、前記スワロー・カウンタから前記2モジュラス・
プリスケーラに帰還される分周数選択信号に基づく選択
信号形成回路34の選択信号に応じて前記分周数P/2
または1+P/2を前記周波数fr2の一周期間累積した
値をK倍して微分位相情報として出力する。
【0043】図2において、基準発振器11は、例え
ば、水晶発振器であり、発振周波数fr0のクロック信
号を出力する。クロック発生部14は、基準発振器11
の出力信号を分周器141で分周して周波数fr2を有
する第2クロックと、この第2クロックを分周器142
で分周して周波数fr1を有する第1クロックと、周波
数fr0,fr1,fr2の3つのクロックに基づいて
他の回路ブロックの操作に必要な各種クロックとを発生
する。VCO15は、電圧制御信号により発振周波数が
制御される電圧制御発振器であり、D/A変換器21の
出力電圧によって制御される発振周波数fvoの信号を
出力する。VCO15の出力信号は、プリスケーラ31
のCK端子に入力される(図3におけるIN信号)。プ
リスケーラ31は、分周数P1とP2とを有しており、
M端子に入力される信号(図3に示すM信号)により2
つの分周数の一方が選択される。プリスケーラ31は、
その選択された分周数でCK端子入力信号を分周して分
周クロックを出力する。この分周クロックは、Sカウン
タ32とMカウンタ33のCK端子に入力される。例え
ば、図2において、fvo=1GHz程度、fr0=1
2.8MHz、L=32、K=16とすると、上記(数
2)におけるNは40,000程度となる。P1=12
8であるので、この場合、Sカウンタ32、Mカウンタ
33のビット数は、それぞれ7,9ビットとなる。分周
数Nの下位7桁(S)はSカウンタ32に、その上位9
桁(M)はMカウンタ33にDT端子から入力される。
Sカウンタ32は、分周数Sを計数し終わるまでCA端
子から出力する分周数選択信号MDによってプリスケー
ラ31の分周数をP2に設定し、その間、Mカウンタ3
3も同時に計数を行っている。Sカウンタ32の計数が
終了すると、分周数選択信号MDによってプリスケーラ
31の分周数はP1が選択され、その後Mカウンタ33
のみが計数を続行する。Mカウンタ33が、分周数Mの
計数を終了すると、CA端子から出力するキャリ信号に
よりSカウンタ32およびMカウンタ33にそれぞれ分
周数S,Mを再度DT端子から入力すると共に、プリス
ケーラ31の分周数はP2が選択されてSカウンタ3
2、Mカウンタ33は新たに計数を開始する。
【0044】選択信号形成回路34は、プリスケーラ3
1の分周数選択信号に基づいて、プリスケーラ31の分
周クロックの立上りおよび立下りにあわせてプリスケー
ラ31の分周がP1か、P2かを判別する信号を出力す
る。また、両エッジ検出回路35は、プリスケーラ31
の分周クロックの立上りと立下りとの両エッジを検出
し、検出信号を、プリスケーラ微分位相発生部37のフ
リップフロップ373のC端子にクロックとして入力す
る。
【0045】つぎに、プリスケーラ31の動作を図3を
参照して詳述する。プリスケーラ31は、分周数P1が
選択されている期間では、プリスケーラ31に入力され
るVCO15からの信号(IN信号)の立上りをP1/
2だけ計数したときにプリスケーラ31の出力信号(O
UT信号)が、立上る(もしくは立下る)。さらに、I
N信号の立上りをP1/2だけ計数して立下る(もしく
は立上る)。すなわち、プリスケーラ31のOUT信号
の1周期は、IN信号の1周期のP1倍に等しい。よっ
て、IN信号のP1分周が実現される。次に、分周数P
2が選択されている期間では、プリスケーラ31は、I
N信号の立上りをP1/2だけ計数してOUT信号が、
例えば立上る。さらに、IN信号の立上りを(1+P1
/2)だけ計数して立下る。すなわち、プリスケーラ3
1のOUT信号の1周期は、IN信号の1周期のP2倍
に等しい。よって、IN信号のP2分周が実現される。
【0046】以上の信号を利用して、プリスケーラ微分
位相発生部37によりVCO15の出力信号の微分位相
情報を形成する。7桁セレクタ371のA入力端子に
は、分周数P1/2、B入力端子には分周数(1+P1
/2)、S端子には選択信号形成回路34の出力信号が
入力される。選択信号形成回路34は、プリスケーラ3
1の分周数選択信号に基づいて、プリスケーラ31の分
周クロックの立上りおよび立下りからプリスケーラ31
の分周がP1/2か、(1+P1/2)かを判別する信
号を出力する。したがって、セレクタ371のY出力端
子からは、プリスケーラ31のP1/2、(1+P1/
2)分周に対応した分周数が出力される。セレクタ37
1の出力信号は、13桁加算器372の下位7桁に入力
される。加算器372の加算出力は、13桁レジスタ3
73のD入力端子に入力される。レジスタ373のD入
力端子信号は、C端子に入力される両エッジ検出回路3
5の出力信号によってQ端子に伝達され、出力される。
このレジスタ373のQ出力信号は、加算器372のも
う1つの入力端子に入力される。また、レジスタ373
のQ出力信号は、13桁フリップフロップ374のD端
子に入力され、C端子に入力されるクロックFr21に
よってQ端子に伝達され、出力される。このクロックF
r21がフリップフロップ374に入力された後、レジ
スタ373はR端子に入力されるクロックFr22によ
ってリセットされる。この結果、フリップフロップ37
4の出力信号は、プリスケーラ31の分周クロックの立
上りおよび立下りによって、周期1/fr2の間累積し
た値となる。
【0047】この値をスタート時にゼロとした時に、周
期1/fr1の間累積した値は(数2)からわかるよう
にmNKとなる。プリスケーラ微分位相発生部37の階
段信号位相情報ΔVは微分位相比較器18に供給され
る。また、微分位相比較器18に供給される基準信号微
分位相ΔRは、(数3)のNとする。この値をスタート
時にゼロとした時に、周期1/fr1の間累積した値は
mNKとなる。よって、以上のようにして形成した、プ
リスケーラ31の分周出力の立上りおよび立下り両エッ
ジ毎に上記の増加分にて増加した階段波はVCO出力信
号の位相情報と一致する。
【0048】本実施例では、プリスケーラ31の分周ク
ロックの周波数は8MHz弱であり、周波数fr2は4
00kHzであるので、加算器372とレジスタ373
の桁数は13桁となる。乗算器375はフリップフロッ
プ374の出力信号にK=24を乗算し、乗算結果を1
8桁で出力する。乗算器375の機能はフリップフロッ
プ374の出力信号を上位へ4桁シフトして出力するこ
とにより実現できる。
【0049】次に、本実施例の具体的な回路図を用いて
詳述する。図4は、図1における階段信号発生部16と
階段信号微分位相発生部17との具体的な回路図を示
す。図5は、図4中のタイミング形成回路40の回路図
を示し、図6は、微分位相比較器18の具体的な回路図
を示す。また、図7は、図4および図5に示す各部のタ
イミングチャートを示す。
【0050】図4において、図2と同一部分および同等
個所には同一符号を付してある。図4において、38
は、プリスケーラ31の出力信号取り込み回路であっ
て、プリスケーラ31の出力信号を取り込み微分位相情
報を出力する、図2における両エッジ検出回路35およ
びプリスケーラ微分位相発生部37の回路である。39
は、2逓倍回路であり、基準発振器11の出力信号を2
逓倍にする。40は、タイミング形成回路であり、プリ
スケーラ31の分周数情報を出力する。図5にタイミン
グ形成回路40の詳細な回路を示す。41〜44はDフ
リップフロップ45および46は7ビットのDフリップ
フロップであり、下位1ビットと上位1ビットとを入力
することにより、65(=1000001)、64(=
1000000)または0(=0000000)をラッ
チする。47は8ビット加算器、48および49はAN
Dゲート、50はNANDゲート、51および52はO
Rゲートである。また、図5において、53〜59はD
フリップフロップ、61および62はセット優先RSフ
リップフロップ、65〜71はANDゲート、72はイ
ンバータである。図6において、80〜87はインバー
タ、91〜108は加算器である。
【0051】2逓倍回路39は、上記基準発振器11の
出力信号(以下、基準信号と称す。図7において(a)
と示す)を2逓倍する。2逓倍後の信号を図7(b)に
示す。この2逓倍信号をDフリップフロップ41および
42のクロック端子に入力し、D端子に入力されるプリ
スケーラ31の出力信号PSCO(図7(c))をラッ
チする。図7(d)にFF41のQ出力を示す。図7
(e)にFF42のQ出力を示す。このDフリップフロ
ップ41、42の出力信号をプリスケーラ出力信号とし
て、以降の信号処理を施す。このようにして、非同期信
号である基準信号とプリスケーラ31の出力信号の同期
化が実現できる。
【0052】Dフリップフロップ41の出力信号、すな
わち、基準信号に同期したプリスケーラ31の出力信号
の立上りおよび立下りの両エッジを検出するために、D
フリップフロップ42において、Dフリップフロップ4
1の出力信号をラッチする。すなわち、Dフリップフロ
ップ41のQ出力がハイレベル、Dフリップフロップ4
2のQ出力がローレベルであれば、Dフリップフロップ
41のQ出力の立上りが検出できる。このDフリップフ
ロップ41のQ出力の立上りを検出した時にハイレベル
になる信号をANDゲート48の出力に得る(図7
(g)にANDゲート48の出力信号を示す)。AND
ゲート48の入力端子に丸印が記してあるが、これは入
力される信号を反転することを意味している。同様にし
て、ANDゲート49の出力は、Dフリップフロップ4
1のQ出力の立下りを検出した時にハイレベルになる
(図7(f)にANDゲート49の出力信号を示す)。
このDフリップフロップ41のQ出力の立上りおよび立
下りを、プリスケーラ31の分周数と対応させて検出す
ることによりP1/2と(1+P1/2)の選択が可能
になる。この実施例では、プリスケーラ31が(P2=
P1+1=129)分周を行っている時(図7における
(l)に、プリスケーラ31の分周数の移り変わりを示
す)において、プリスケーラの分周出力PSCOがハイ
レベルの期間(図7(c)におけるハイレベルの期間)
は、(1+P1/2=65)の分周が実現されている場
合を示す。それ以外の場合は(P1/2=64)分周が
実現されている。タイミング形成回路40からプリスケ
ーラ31の分周数情報がNANDゲート50に入力され
る。この実施例では、P1(=128)分周のときに、
タイミング形成回路40からハイレベル信号が出力され
る。これにより、PSCOの立上りが検出され、129
分周を実現しているときだけ、NANDゲート50の出
力信号はハイレベルになる。すなわち、7ビットのDフ
リップフロップ46は2進数表示の65(=10000
01)を基準信号の立上りに同期してラッチする(図7
(j))。
【0053】また、立上りが検出されP1分周を実現し
ているときは、7ビットのDフリップフロップ46は2
進数表示の64(=1000000)を基準信号の立上
りに同期してラッチする。立上りが検出されない場合
は、7ビットのDフリップフロップ46は2進数表示の
0(=0000000)を基準信号の立上りに同期して
ラッチする。ここで、基準信号の立上りに同期して所定
値(64、65、あるいは0)をラッチするために、D
フリップフロップ43とORゲート51とを設けている
(図7(i)にORゲート51の出力信号を示す)。
【0054】同様にして、Dフリップフロップ41のQ
出力の立下りを検出した時には、プリスケーラ31の分
周数にかかわらず、7ビットのDフリップフロップ45
は2進数表示の64(=1000000)を基準信号の
立上りに同期してラッチする(図7(k)に、Dフリッ
プフロップ45のQ出力を示す)。立下りが検出されな
い場合は、7ビットのDフリップフロップ45は2進数
表示の0(=0000000)を基準信号の立上りに同
期してラッチする。ここでも同様に、基準信号の立上り
に同期して所定値(64あるいは0)をラッチするため
に、Dフリップフロップ44とORゲート52とを設け
ている(図7(h))。
【0055】上記7ビットDフリップフロップ45およ
び46の出力信号を、8ビット加算器47で加算するこ
とにより、プリスケーラ31の立上りおよび立下り両エ
ッジで所定値増加する信号(図7(m))が得られる。
【0056】この8ビット加算器47の出力信号にK=
4を乗算し、図6に示す微分位相比較器18に入力す
る。すなわち、8ビット加算器47の出力信号の小数点
位置を右に4ビットシフトした数を微分位相比較器18
に入力する。また、微分位相比較器18の他方には、基
準信号の立上りごとにN/Lだけ増加する階段波形を入
力する。この実施例では、L=25であるので、全分周
数Nを2進数表示したときに、その小数点位置を5ビッ
ト左にシフトした数を考慮すれば良い。以上の微分位相
比較器18に入力される信号の小数点位置を一致させた
差分が、微分位相である。
【0057】本実施例では、図6に示すように、8ビッ
ト加算器47の出力信号をインバータ80〜87によ
り、すべて反転して、上記全分周数Nの2進数表示した
ものと加算器91〜108により加算し、さらにキャリ
ー入力をハイレベルとすることにより実現する。このよ
うにして、本実施例では、基準信号の立上りごとに微分
位相を求められるので、精度の良い微分位相比較器18
が実現できる。
【0058】次に、図5に示すタイミング形成回路につ
いて説明する。タイミング形成回路は、プリスケーラ3
1の分周信号が、P1=128であるかまたはP2=1
29であるかのモード判定信号を、プリスケーラ31の
出力信号取り込み回路38のPPU1に同期して出力す
るPOUT1と、Sカウンタ32およびMカウンタ33
のプリセット信号FV1と、プリスケーラ31の分周数
(128または129)の選択信号MODE1と、Sカ
ウンタ32の入力クロックSCK1とを生成して出力す
る。
【0059】まず、プリスケーラ31の(P+1)分周
が終了したならば、Sカウンタ32の終了信号に相当す
る信号(SCA)がDフリップフロップ54のD端子に
入力される。したがって、Sカウンタが終了した((P
+1)分周が終了した)ならば、RSフリップフロップ
62がセットされ、そのQ出力はハイレベルに反転す
る。そのQ出力をDフリップフロップ55で基準信号の
2逓倍信号(SCLK)の立上りに同期してラッチす
る。よってDフリップフロップ55のQ出力は、基準信
号に同期して、ハイレベルに反転する。さらに、このD
フリップフロップ55のQ出力信号を、Dフリップフロ
ップ59でラッチし、プリスケーラ31のPまたは(P
+1)分周の判定信号(POUT1)を得る。このDフ
リップフロップ59のクロック入力には、インバータ7
2を介して図4に示すDフリップフロップ41のQ出力
の立上り検出信号(PPU1)が入力されるので、その
PPU1信号の立下りエッジに同期して、上記POUT
1信号が確定する。
【0060】同時に、ANDゲート71によりPPU1
信号のDフリップフロップ58への入力を停止する。よ
って、Dフリップフロップ58のQ出力から出力されて
いたSカウンタ32の入力クロックが停止され、Sカウ
ンタ32の動作が停止される。また、SCA信号でRS
フリップフロップ61がセットされ、そのQ出力は、ハ
イレベルに反転する。このRSフリップフロップ61の
Q出力をDフリップフロップ57で、プリスケーラ31
の出力信号(PSCO)の立下りに同期してラッチする
ことにより、プリスケーラ31の分周数選択信号(MO
DE1)を得る。よって、プリスケーラ31はP分周を
開始する。このP分周は、Mカウンタ33での計数が終
了するまでつづけられる。次に、P分周が終了したなら
ば、Mカウンタ33の終了信号に相当する信号(MC
A)がDフリップフロップ53のD端子に入力される。
したがって、Mカウンタが終了した(P分周が終了し
た)ならば、RSフリップフロップ61および62がリ
セットされ、それらのQ出力はローレベルに反転する。
RSフリップフロップ61のQ出力をDフリップフロッ
プ57でPSCO信号の立下りに同期してラッチするこ
とにより、プリスケーラ31の分周数選択信号(MOD
E1)を得る。また、RSフリップフロップ62のQ出
力がローレベルになることによりANDゲート71が開
き、Dフリップフロップ58からSカウンタ32の入力
クロック出力される。よって、(P+1)分周が再開さ
れることになる。また、Dフリップフロップ55および
59でRSフリップフロップ62のQ出力を、それぞれ
のタイミングでラッチして上記POUT1信号を得る。
また、Dフリップフロップ53の出力信号とPPU1信
号とをANDゲート66に入力し、ANDゲート66の
出力信号をDフリップフロップ56でSCLK信号の立
上りに同期してラッチすることにより、Sカウンタ32
およびMカウンタ33のプリセット信号(FV1)が得
られる。以上のようにして、(P+1)分周がS回、P
分周が(M−S)回が連続して実現される。
【0061】以上、プリスケーラ31を2モジュラスプ
リスケーラの場合について説明しているが、固定数Cを
分周数とするプリスケーラと、その出力を分周する可変
分周数NdのモジュロNdカウンタとから構成する場合
も、両エッジ検出回路を備えることにより同様に処理で
きる。すなわち、プリスケーラの分周クロックの立上り
および立下り毎に、上記分周数Cの1/2を周期1/f
r2の間累積した値をVCO側の微分位相とする。
【0062】次に、VCO出力信号の微分位相情報形成
時に、量子化誤差の増大する場合とその対策について説
明する。この量子化誤差が増大する場合は、図4におけ
るDフリップフロップ46のデータ入力の変化と、SL
CKクロックの入力がほぼ同時になるタイミングが周期
的に存在する場合である。すなわち、プリスケーラ31
の出力信号の立上りおよび立下りが、上記クロック入力
とほぼ一致する場合、そのクロック入力で確定するデー
タがクロック入力のわずかな変動により、例えば、立上
りを検出したり、しなかったりするので、そのデータか
ら形成する微分位相情報の誤差が増加してしまう。この
条件が満たされる条件は、VCOの発振周波数が基準信
号の周波数の整数倍になる場合である。この対策として
は、プリスケーラ31の出力信号取り込み回路を複数備
えることにより、わずかに遅延させた信号から再度分周
数判定を行い、複数の微分位相情報を平均化してVCO
の微分位相情報とすることにより、Dフリップフロップ
46の出力信号の確度を高め、その量子化誤差の低減を
図る。この対策について図8に示すブロック図を用いて
説明する。
【0063】図8において、図4と同一個所および同等
部分には同一符号を付してある。図8において、110
はプリスケーラ31の出力信号取り込み回路、111は
タイミング形成回路、112は加算器、113はインバ
ータである。
【0064】プリスケーラ31の出力信号取り込み回路
38とタイミング形成回路40とは前述の図4を参照し
て説明したようにVCO微分位相情報を形成する。同様
にして、プリスケーラ31の出力信号取り込み回路11
0とタイミング形成回路111とで、プリスケーラ31
の出力信号を、インバータ113で遅延した信号からV
CO微分位相情報を形成する。また、タイミング形成回
路111の出力信号により、プリスケーラ31の分周数
選択、Sカウンタ32、Mカウンタ33の制御を行う。
以上の2つの微分位相情報を加算器112で加算し、1
/2にすることにより、次段で微分位相比較を行うVC
Oの微分位相情報を得る。1/2の演算は、得られた数
値データ(2進数)の小数点を1桁左に移動させること
で実現できる。以上の説明では、2段のプリスケーラ3
1の出力信号取り込み回路、および、タイミング形成回
路で説明したが、プリスケーラ31の出力の遅延量、発
生する量子化誤差の大きさに応じて、その段数を決定す
れば良い。
【0065】上記実施例では、微分位相周波数シンセサ
イザに適用した例について説明したが、基準信号と階段
信号との微分位相を発生しないで、直接に両者の位相を
比較する数値位相比較直流化周波数シンセサイザにも上
記と同様にして適用できる。以下に簡単に説明する。図
9は、数値位相比較直流化シンセサイザに適用したブロ
ック図である。
【0066】図9において、図1と同一個所および同等
部分には同一符号を付してある。図9において、115
は数値位相比較直流化シンセサイザ、116は数値位相
比較器、117は信号処理部、118は階段信号発生部
である。
【0067】上記シンセサイザは、前述の参考文献で提
案されているものであり、位相比較そのものを数値演算
処理により行うものである。階段状波基準信号発生部1
2は、具体的には周期T(Tは位相比較周期)を有する
基準信号の位相情報を周期T/K(Kは整数)毎に2π
/Kずつ増加させ、周期Tごとにリセットする階段波形
を出力する。一方、階段信号発生部118は、前述と同
様に、プリスケーラの分周出力信号の立上りおよび立下
りの両エッジ毎に所定値づつ増加させて周期T後の累積
データを2πで正規化した後、位相情報として周期T/
K毎の階段波形を出力する。以上2つの信号の位相情報
を数値位相比較器116に入力し、数値引算を行い出力
する。この時、数値位相比較器116に入力される2つ
の信号の周波数が一致していても両位相情報の初期位相
が一致していないと、数値位相比較器116の出力には
±2πのジャンプが生じる。そこで、信号処理部117
でこのジャンプの両側の一方を2πシフトすることによ
り、位相比較値を直流化する。この直流化操作は、数値
位相比較器116の出力Eに下式(数5)の数学演算を
行い、直流化位相誤差を求める。
【0068】
【数5】 E’=mod{(E+3π),2π}−π … (数5) ここで、mod{A,B}はAをBで除した時の剰余を
示す。
【0069】更に、位相比較結果に含まれる高調波成分
を単純な演算によって除去することにより、LPFを不
要とできる。
【0070】次に、本発明の周波数シンセサイザの電圧
制御発振器15のループゲイン制御動作について説明す
る。図10は、ループゲイン制御部分のブロック図を示
す。
【0071】図10において、図1と同一部分および同
等個所には同一符号を付してある。119は、シフトレ
ジスタであり、信号処理部20からの制御信号を保持す
る。120は、ゲインシフトタイミング形成回路であ
り、シフトレジスタ119へのデータのラッチタイミン
グと、所定ビット数シフトのためのシフトパルスを供給
する。121は、タイマ回路であり、収束動作開始から
予め設定した時間を計測する。123は、差分回路であ
り、信号処理部20の出力データの連続するデータの差
分を検出する。122は、比較器であり、差分回路12
3で検出した差分値と所定値との大小を比較する。12
4はANDゲートである。
【0072】図10において、信号処理部20は、入力
される位相誤差信号に対して、フィルタリング等の処理
を行い、20ビット程度の制御データを出力する。この
出力信号をシフトレジスタ119を介して、電圧変換部
21に供給しVCO15の制御信号を得る。
【0073】一般に、位相同期ループのループゲイン
は、高い方がその収束動作を早くできる。また、VCO
15の発振周波数が所定周波数内にロックした場合は、
その高調波成分を除去するために、位相同期ループの帯
域を狭くする必要があり、そのためには、ループゲイン
を低くしないと発振してしまう。そこで、本発明の周波
数シンセサイザでは、所定周波数内にロックするまで
は、高いループゲインとし、所定周波数内にロックした
ならば、そのループゲインを低くするというループゲイ
ンの制御を行う。すなわち、シフトレジスタ119は、
この位相同期ループがロックするまでは、データのシフ
トは行わずにラッチ動作だけを行い、ロックしたときに
は、所定ビット数下位ビットの方にシフトすることによ
り、ループゲインの低減を図っている。例えば、シフト
レジスタ119に入力されたデータを所定ビット数(例
えば、2ビット)下位ビットの方にシフトすることによ
り、データに1/22=1/4を乗算したことになり、
ループゲインも1/4になる。この時、この位相同期ル
ープのロック検出は、上記信号処理部20から出力され
るデータの変動量を差分回路において観測すれば良い。
すなわち、この変動量が電圧変換部21で電圧に変換さ
れ、VCO15の発振周波数を変動させることになるか
ら、この周波数変動量を上記信号処理部20の出力デー
タから検出できる。この信号処理部20の出力データの
連続するデータの差分を差分回路123で検出し、その
差分値と変動量の所定値との大小を比較器122で比較
し、発振周波数の変動量の所定値との大小を検出する。
この変動量が所定値よりも大きければ、シフトレジスタ
119は単にラッチ動作を行うだけである。この変動量
が所定値よりも小さくなったならば、シフトレジスタ1
19は入力されたデータを所定ビット数下位ビットの方
にシフトする。ゲインシフトタイミング形成回路120
は、シフトレジスタ119へのデータのラッチタイミン
グと、所定ビット数シフトのためのシフトパルスを供給
する。タイマ回路121は、上記比較器122の誤判定
を防止するために、収束動作を開始してから所定時間経
過した後の、上記発振周波数の変動量の検出結果を有効
にするための回路である。したがって、タイマ回路12
3の出力信号と比較器の出力信号とをANDゲート12
4に入力して、両者がともにハイレベルになったとき
に、シフトレジスタ119のビットシフト動作を行うよ
うにゲインシフトパルスを形成する。このゲインシフト
タイミング形成回路120について、図11および図1
2を用いて詳述する。図11は、ゲインシフトタイミン
グ形成回路120の具体的な回路図、図12はその各部
動作タイミングチャートである。
【0074】図11において、図10と同一部分および
同等個所には同一符号を付してある。125は、タイマ
回路であり、収束動作開始から予め設定した時間を計測
する。126は、3ビットカウンタ、127は、RSフ
リップフロップ、128および129はANDゲート、
130および131はインバータである。
【0075】図11において、タイマ回路121と比較
器122との出力信号がともにハイレベルになるまで
は、ANDゲート128の出力は、図12における信号
bに示すように、ハイレベルにならない。また、AND
ゲート128の出力がハイレベルにならないと、基準ク
ロックが3ビットカウンタ126に入力されない。した
がって、ANDゲート129から、図12における信号
eに示すように、シフトパルスが出力されない。シフト
レジスタ119のラッチパルスは、図12における信号
dに示すように、前段の信号処理部20の出力データが
確定する毎に、インバータ131を介してラッチパルス
が入力される。同時に、このラッチパルスは、RSフリ
ップフロップ127のセット入力端子に入力され、その
Q出力はハイレベルになる。また、このラッチパルスは
3ビットカウンタ126のプリセット(PE)端子に入
力され、3ビットカウンタ126に初期値を設定する。
タイマ回路121と比較器122との出力信号がともに
ハイレベルになった(発振周波数の変動量が所定値以下
になった)ならば、ANDゲート128から基準クロッ
クが3ビットカウンタ126のクロック(CK)端子に
入力され、その計数動作を開始する。このカウンタ12
6が所定値計数した後に、キャリー信号(TC)を出力
する。そのTC信号がRSフリップフロップ127のリ
セット端子に入力され、RSフリップフロップ127の
Q出力はローレベルに反転する。したがって、所定数の
シフトパルスが、ANDゲート129からシフトレジス
タ119に入力される。また、RSフリップフロップの
Q出力が3ビットカウンタ126のクロック禁止(C
E)端子に入力され、TC信号が出力された後の、カウ
ンタ動作を停止する。以上のように、発振周波数の変動
量が所定値以下になったならば、シフトレジスタ119
で所定ビット数入力データをシフトしてループゲインを
低減することができる。タイマ回路125は、収束動作
スタート信号(図12における信号aに示す)から所定
時間の後には、更にシフトビット数を増加して、ループ
ゲインを低減するものである。本実施例では、ロック検
出後に3ビットのビットシフト、タイマ回路125の出
力信号(図12c)がハイレベルに反転した以降は4ビ
ットのビットシフトを実現している。本実施例では、上
述のように簡単な構成で、位相同期ループのループゲイ
ンの制御ができるという効果がある。
【0076】次に、通信装置に本発明による周波数シン
セサイザを用いた場合の通信装置の構成図を図13に示
す。
【0077】図13に示す通信装置138は、前述の周
波数シンセサイザ132と、周波数シンセサイザ132
からの発振信号をもとにして情報を送信する送信部13
3と、周波数シンセサイザ132からの発振信号をもと
にして情報を受信する受信部134と、前記送受信部と
の情報の授受および周波数シンセサイザを制御するため
の装置制御部135とを備える。また、送信および受信
に使用するアンテナ136と、送信信号と受信信号とを
分波するための分波器137とをさらに備える。この通
信装置138の送信部133は、周波数シンセサイザ1
32からの発振信号をもとにして情報を送信し、受信部
134は周波数シンセサイザ132からの発振信号をも
とにして情報を受信し、装置制御部135は上記送受信
部との情報の授受および周波数シンセサイザ132を制
御する。装置制御部135は、前述のマイクロプロセッ
サを含み、周波数シンセサイザ132に対して発振周波
数を変更するための分周数Nや、初期値Initを与え
ることができる。また、装置制御部135は、必要に応
じて送信部133および受信部134の制御をすること
ができ、また、マン・マシンインタフェイスを含む。
【0078】本発明によれば、高速周波数切替が可能に
なり、周波数切替が遅い周波数シンセサイザを2台並列
に設けて交互に動作させて高速化を図った装置よりも小
型の装置を実現できる効果がある。更に、本発明によれ
ば、周波数シンセサイザの大部分がディジタル回路であ
り、全LSI化、またはVCOを除いた部分のLSI化
が可能である。したがって、小型の周波数シンセサイ
ザ、または、それを適用した小型の装置を実現できる効
果がある。
【0079】本実施例によれば、位相比較情報が数値デ
ータで表現される、周波数シンセサイザにおいて、VC
O側信号をプリスケーラで分周した出力信号の立上り、
立下りの両エッジごとに所定値を累積していくことによ
りその位相情報を形成でき、更に、その所定値をP/2
程度に小さくできるので、その位相情報の量子化誤差も
小さくできるという効果がある。
【0080】
【発明の効果】VCO出力信号の位相情報を細かい周期
で精度良く得られるので、位相同期ループの量子化誤差
を低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を示す周波数シンセサイザの
ブロック図。
【図2】本発明のブロック図。
【図3】2モジュラスプリスケーラの動作タイミングチ
ャート。
【図4】本発明のデータ取込回路の具体的な回路図。
【図5】本発明のデータ取込回路のタイミング形成回路
の具体的な回路図。
【図6】本発明の微分位相比較器の具体的な回路図。
【図7】図4、図5の各部のタイミングチャート。
【図8】量子化誤差の増加を低減させる対策を実現する
ブロック図。
【図9】本発明を数値位相比較直流化シンセサイザに適
用したブロック図。
【図10】ループゲイン制御部分のブロック図。
【図11】ゲインシフトタイミング発生回路120の具
体的な回路図。
【図12】図11の各部動作タイミングチャート。
【図13】通信装置に本発明による周波数シンセサイザ
を用いた場合の構成図。
【符号の説明】
11…基準発振器、12…階段状波基準信号発生部、13…基
準信号微分位相発生部、14…クロック発生部、15…電圧
(あるいは、電流)制御発振器、16…階段信号発生部、
17…階段信号微分位相発生部、18…微分位相比較器、19
…積分器、20…信号処理部、21…電圧(あるいは、電
流)変換部、22…インタフェイス部、31…2モジュラス
プリスケーラ、32…スワローカウンタ、33…メインカウ
ンタ、34…選択信号形成回路、35…両エッジ検出回路、
371…セレクタ、372…加算器、373…レジスタ、374…フ
リップフロップ、375…乗算器。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電圧あるいは電流により発振周波数を制御
    して発振信号を出力する電圧/電流制御発振器と、所定
    の周波数の基準信号を出力する基準発振器とを有し、前
    記発振信号の位相位置を示す位相情報と前記基準信号の
    位相位置を示す位相情報とに基づいて位相差を検出し、
    位相同期ループを構成して発振周波数を制御する周波数
    シンセサイザにおいて、 前記基準発振器の基準信号を、周波数frに分周した場
    合の最大位相情報を値mKN(ただし、m、KおよびN
    は自然数)として位相情報を抽出して出力する基準信号
    位相発生手段と、 前記電圧/電流制御発振器の発振信号から位相情報を抽
    出して出力する発振信号位相発生手段と、 前記基準信号位相発生手段からの位相情報と、前記発振
    信号位相発生手段からの位相情報との位相差を求めて当
    該位相差を出力する位相比較器と、 前記位相差に基づいて信号処理を行なう信号処理部と、 前記信号処理部の出力信号を電圧あるいは電流に変換す
    る変換器とを有し、 前記発振信号位相発生手段は、前記発振信号の位相情報
    として、前記発振信号を周波数fs(ただし、fsは、
    電圧/電流制御発振器において発振させたい発振信号の
    周波数をfvとしたときに、fv=N×fs=N×fr
    /Kの関係にある)に分周した場合の分周信号の最大位
    相情報を値mKNとし、当該分周した場合の一周期の間
    に、N×i回(ただし、iは自然数)標本化した場合の
    位相情報を出力することを特徴とする周波数シンセサイ
    ザ。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記発振信号位相発生
    手段は、 前記発振信号を周波数fsに分周した場合の一周期の間
    に、当該分周信号の周期のP分の1の周期ごとにS回標
    本化し(ただし、Sは自然数)、かつ、当該分周信号の
    周期の(P+1)分の1の周期ごとに(M−S)回標本
    化し(ただし、Mは自然数であり、かつ、N=(P+
    1)S+P(M−S)を満たす)、前記iを2として前
    記標本化回数のそれぞれ2倍で標本化したときの位相情
    報を出力することを特徴とする周波数シンセサイザ。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記発振信号位相発生
    手段は、 前記発振信号を選択的にPもしくは(P+1)で分周
    し、分周した信号を出力信号として出力する2モジュラ
    ス・プリスケーラと、 前記2モジュラス・プリスケーラの出力信号に基づいて
    前記Sまでをカウントするスワローカウンタおよび前記
    Mまでをカウントするメインカウンタを備えるパルスス
    ワロー式可変分周器と、 前記標本化回数のそれぞれ2倍で標本化するために、前
    記2モジュラス・プリスケーラの出力信号の立上りおよ
    び立下りを検出する両エッジ検出回路と、 前記2モジュラス・プリスケーラにおいて選択されたP
    もしくは(P+1)の分周数を検出する選択検出回路
    と、 前記両エッジ検出回路で検出した立上りおよび立下りご
    とに、前記選択検出回路で検出した分周数に応じて、P
    /2もしくは(P/2+1)を選択し、当該選択した値
    を累積して位相情報として出力し、前記周波数frの1
    周期間ごとに、前記累積した値をクリアする位相発生部
    とを備えることを特徴とする周波数シンセサイザ。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記発振信号位相発生
    手段は、 前記発振信号を固定数C(ただし、Cは自然数)で分周
    し、分周した信号を出力信号として出力するプリスケー
    ラと、 該プリスケーラの出力信号に基づいて、当該出力信号を
    分周するために、可変分周数Nd(ただし、Ndは、自
    然数であり、可変できる)までカウントするモジュロN
    dカウンタと、 前記プリスケーラの出力信号の立上りおよび立下りを検
    出する両エッジ検出回路と、 前記両エッジ検出回路で検出した立上りおよび立下りご
    とに、C/2の値を累積して位相情報として出力し、前
    記周波数frの1周期間ごとに、前記累積した値をクリ
    アする位相発生部とを備えることを特徴とする周波数シ
    ンセサイザ。
  5. 【請求項5】請求項1において、 前記基準信号位相発生手段は、位相情報の代わりに、前
    記基準信号の微分位相を求めて出力し、 前記発振信号位相発生手段は、位相情報の代わりに、前
    記発振信号の微分位相を求めて出力し、 前記位相比較器は、前記位相差を出力する代わりに、前
    記基準信号位相発生手段による微分位相と前記発振信号
    位相発生手段による微分位相との差を微分位相差として
    求め、 当該微分位相差を積分して位相誤差を求めて前記信号処
    理部に出力する積分器をさらに有することを特徴とする
    周波数シンセサイザ。
  6. 【請求項6】請求項3において、前記両エッジ検出回
    路、前記選択検出回路および前記位相発生部を、複数群
    有し、 前記2モジュラスプリスケーラの出力信号を、前記群に
    対応してそれぞれ所定値ずつ遅延させた信号を出力する
    遅延回路と、 前記複数群の各々の位相発生部からの位相情報を平均化
    した信号を出力する平均化回路とをさらに有する周波数
    シンセサイザ。
  7. 【請求項7】電圧あるいは電流により発振周波数を制御
    して発振信号を出力する電圧/電流制御発振器と、所定
    の周波数の基準信号を出力する基準発振器とを有し、前
    記発振信号の位相位置を示す位相情報と前記基準信号の
    位相位置を示す位相情報とに基づいて位相差を検出し、
    位相同期ループを構成して発振周波数を制御する周波数
    シンセサイザにおいて、 前記基準発振器の基準信号から位相情報を抽出して出力
    する基準信号位相発生手段と、 前記電圧/電流制御発振器の発振信号から位相情報を抽
    出して出力する発振信号位相発生手段と、 前記基準信号位相発生手段からの位相情報と、前記発振
    信号位相発生手段からの位相情報との位相差を求めて当
    該位相差を出力する位相比較器と、 前記位相差に基づいて信号処理を行なう信号処理部と、 前記信号処理部の出力信号を電圧あるいは電流に変換す
    る変換器とを有し、 前記発振信号位相発生手段は、 前記発振信号を選択的にPもしくは(P+1)で分周
    し、分周した信号を出力信号として出力する2モジュラ
    ス・プリスケーラと、 前記2モジュラス・プリスケーラの出力信号に基づいて
    前記Sまでをカウントするスワローカウンタおよび前記
    Mまでをカウントするメインカウンタを備えるパルスス
    ワロー式可変分周器と、 前記2モジュラス・プリスケーラの出力信号の立上りお
    よび立下りを検出する両エッジ検出回路と、 前記2モジュラス・プリスケーラにおいて選択されたP
    もしくは(P+1)の分周数を検出する選択検出回路
    と、 前記両エッジ検出回路で検出した立上りおよび立下りご
    とに、前記選択検出回路で検出した分周数に応じて、P
    /2もしくは(P/2+1)を選択し、当該選択した値
    を累積して位相情報として出力し、前記周波数frの1
    周期間ごとに、前記累積した値をクリアする位相発生部
    とを備えることを特徴とする周波数シンセサイザ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007522740A (ja) * 2004-02-12 2007-08-09 インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト サブμ技術に適したデジタル位相同期回路
CN114421980A (zh) * 2022-01-17 2022-04-29 福州大学 一种间歇式频率校准ook调制发射机电路及控制方法

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