JPH0621631Y2 - 工具マガジン芯出し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、工具自動交換装置を備えた工作機械における
工具マガジン芯出し装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 工具自動交換装置を備えた立形工作機械では、主軸頭に
鉛直軸線回りに回転可能に軸承されている主軸と工具マ
ガジンとの間で、工具出し入れ位置に割出された工具ソ
ケットから工具を抜き取り、また所定の工具ソケットに
工具を納めるようになっている。従って、工具自動交換
装置と工具マガジンとは工具交換位置の芯出しを必要と
する。

この工具マガジンの芯出し装置としては、工具マガジン
本体を支持した架台をベッドに対して調整部材によって
位置調整可能に固定した構造である。

＜考案が解決しようとする課題＞ 上記従来の芯出し装置では、工具交換位置から遠く離れ
たところで調整部材を操作して架台を移動しているた
め、微調整になると作業者の熟練を要し、容易に芯出し
が得られなかった。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は上記従来の問題を解決するためになされたもの
で、その構成は、エンドレス周回して工具出し入れ位置
に割り出される多数の工具ソケットを備えた工具マガジ
ン本体をベッドに固定された架台に調整部材により工具
交換位置の芯出し調整可能に支持して成る工具マガジン
において、前記架台をベッド固定側の第１架台と前記工
具マガジンの支持側の第２架台とに分割し、この架台分
割部に前記第２架台を位置調整する微調整部材と第１、
２架台の固定手段とを設け、工具マガジン全体を前記第
２架台に支持したものである。

＜作用＞ 上記の構成により、第１架台をベッドに対し調整したう
えに、さらに第２架台の調整により工具交換位置の部分
のみを移動して微調整による工具マガジンの芯出しを行
うものである。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第１図
及び第２図は本考案の工具マガジン芯出し装置を備えた
立形工作機械を示すもので、ベッド10と、このベッド10
上で摺動するコラム11を有する。コラム11の側面には主
軸頭12が昇降可能に案内支持され、主軸を鉛直軸線上で
回転させながら前記主軸頭12を昇降動作させてテーブル
15上に載置した工作物（図示せず）の加工を行うように
なっている。

さらに、前記コラム11の側方には、主軸に装着される各
種工具Ｔを収納するための工具マガジン16が設置されて
いる。そしてこの工具マガジン16と主軸頭12との間に周
知の工具移送装置24と転送アーム13を有する工具交換装
置14が設置されている。

前記工具移送装置24は工具出し入れ位置P1と工具交換位
置P2との間を係合フォークにより工具の姿勢を水平状態
から鉛直状態に変更しながら移送し、また転送アーム13
は工具交換位置P2と主軸との間において工具の姿勢を鉛
直状態のまま移送するようになっている。尚25は工具移
送装置24の係合フォーク駆動用アクチュエータを示す。

前記工具マガジン16はベッド10に調整部分40によって工
作機械の前後方向（矢印Ａ方向）に移動調整可能に固定
された架台17に支持されている。

さらに詳しく説明すると、前記架台17はベッド固定側の
第１架台17aと、工具出し入れ位置P1側の第２架台17bと
の上下２つの架台に分割部18にて分割されている。そし
て第２架台17b側に駆動モータを内蔵したスプロケット
ホィール19が設けられている。

また第２架台17bにはチェーン支持ガイド22とガイドレ
ール23とが取り付けられ、このチェーン支持ガイド22と
ガイドレール23間に前記スプロケットホィール19によっ
て周回するエンドレスのチェーン21が走行するよう配置
されている。このチェーン21には一定のピッチで工具ソ
ケット20が着脱可能に保持され、割出し装置により工具
ソケット20が工具出し入れ位置P1に割出されるようにな
っている。

前記第１架台17aと第２架台17bとの分割部分18には第２
架台17bを調整する微調整部材28が設けられている。そ
の具体的構成を第３図及び第４図で説明する。

架台17の前記分割部18において、第１架台17aの上端に
第１ブラケット26を、また第２架台17bの下端に前記第
１ブラケット26に水平面対接する第２ブラケット27を設
ける。

前記第２ブラケット27の左右両側部に窓穴29が開設さ
れ、この窓穴29内に微調整部材28が配置されている。こ
の微調整部材28の構造は、方形のブロック30を前記窓穴
29内で周囲に間隙が形成されるよう第１ブラケット26上
に固設し、このブロック30の前後２辺に前後方向調整用
の第１微調整ねじ31a及び第２調整ねじ31bを、またブロ
ック30の側辺に左右方向調整用の第３微調整ねじ31cを
螺合し、その頭端を窓穴29に当接した構成である。

さらに、前記第１ブラケット26と第２ブラケット27との
固定手段を有している。この固定手段は第２ブラケット
27の４隅にバカ穴33を明け、これに固定ボルト32を貫通
して第１ブラケット26に螺合した構成である。

上記の構成による工具マガジン16の芯出し動作は、予め
第１架台17aを、その調整部材40によって調整する。こ
の場合、第２架台17bも第１架台17aと一体に移動して調
整される。さらに、例えば0.1mm以下のオーダでの微調
整を行う場合、先ず固定ボルト32の締付を緩め、前後方
向に微調整するときは、第１、２調整ねじ31a、31bの何
れか一方を短縮し、何れか他方を伸張する。マタ左右方
向に微調整するときは、左右２本の第３調整ねじ31の一
方を短縮し、他方を伸張する。これにより、工具マガジ
ン16を支持している第２架台17bのみが第１架台17a上で
移動し、微細な芯出しが得られ、この芯出し後に固定ボ
ルト32を締め付けることにより芯出し作業を完了する。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案によると、工具マガジンの架台をベ
ッド固定側と工具マガジン支持側とに分割し、この工具
マガジン支持側の架台をベッド固定側の架台に対して微
調整部材によって前後、左右方向に調整可能とした構成
であるため、工具交換位置への工具マガジンの芯出し
は、ベッド固定側の架台の調整部材による調整に加え
て、工具マガジンを支持している必要最小限の部分だけ
の架台を動かすことにより微調整が得られ、芯出し調整
が容易で作業性を向上し、かつ高精度な芯出しを行うこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は本考案装
置を具備した立形工作機械の一部正面図、第２図は同側
面図、第３図は本考案装置を示す要部断面正面図、第４
図は第３図IV-IV線断面図である。 10…ベッド、11…コラム、12…主軸頭、14…工具交換装
置、16…工具マガジン、17…架台、17a…第１架台、17b
…第２架台、18…分割部、26…第１ブラケット、27…第
２ブラケット、28…微調整部材、29…窓穴、30…ブロッ
ク、31a…第１調整ねじ、31b…第２調整ねじ、31c…第
３調整ねじ、32…固定ボルト、40…調整部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】エンドレス周回して工具出し入れ位置に割
   り出される多数の工具ソケットを備えた工具マガジン本
   体をベッドに固定された架台に調整部材により工具交換
   位置の芯出し調整可能に支持して成る工具マガジンにお
   いて、前記架台をベッド固定側の第１架台と前記工具マ
   ガジンの支持側の第２架台とに分割し、この架台分割部
   に前記第２架台を位置調整する微調整部材と第１、２架
   台の固定手段とを設け、工具マガジン全体を前記第２架
   台に支持したことを特徴とする工具マガジン芯出し装
   置。