JPH06215428A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH06215428A
JPH06215428A JP2327393A JP2327393A JPH06215428A JP H06215428 A JPH06215428 A JP H06215428A JP 2327393 A JP2327393 A JP 2327393A JP 2327393 A JP2327393 A JP 2327393A JP H06215428 A JPH06215428 A JP H06215428A
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layer
temperature
magnetic
magneto
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JP2327393A
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Inventor
Yasuo Shibata
恭夫 柴田
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オーバーライトのできる構成の簡単な光磁気
記録媒体を提供する。 【構成】 透明な基板1上に、重希土類金属と遷移金属
との非晶質合金による記録層Wと、重希土類金属と遷移
金属との非晶質合金による初期化層Iとを積層する際
に、前記の記憶層Wとして使用される磁性層のキュリー
温度と等しい補償温度を有する磁性層を初期化層Iとし
て用いて光磁気記録媒体を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁性材料における熱による磁気特性の変
化を利用して磁気記録媒体の磁性層に記録情報と対応し
た磁化の変化によって情報の記録を行なったり、前記し
た磁気記録媒体の磁性層に記録されていた記録情報と対
応した磁化の変化の状態をファラディ効果やカー効果な
どのような磁気に付随する光学効果を利用して読出すよ
うにした光磁気記録再生方式は、前記の磁性層として垂
直磁化膜を使用することにより高密度記録再生が可能な
ために、各種の光磁記記録媒体を使用した多くの方式が
提案されている。ところで、円盤状の光磁気記録媒体を
用いた光ディスクメモリは、記録再生装置に対する着脱
が可能で、かつ、書換えができる大量容ファイルとして
盛んに研究開発が行われており、商品化がなされている
例も見られるに至っているが、現状においては書換え可
能とはいっても書換え手段が単純ではなく、従来から広
く使用されている磁気記録媒体が着脱不能となされてい
る構成態様の所謂ハードディスク装置(例えば、ウイン
チェスター型磁気ディスク装置)に比べて使い勝手が悪
いという欠点があった。
【0003】それで、光磁気ディスクにおいて直接にオ
ーバーライトを実現できるようにするための各種の提案
が行なわれて来ているが、 (1)回転する光磁気ディスク
を一定の光強度の微小なスポットで照射するとともに、
記録バイアス磁界強度を記録の対象にされている情報信
号によって強度変調して光磁気ディスクにオーバーライ
トを行なう。 (2)例えば特開昭62ー175948号公
報、その他の文献に開示されているように重希土類金属
と遷移金属との非晶質合金により高保磁力と低キュリー
温度を有していて記録再生のための記録層として機能す
る磁性層と、重希土類金属と遷移金属との非晶質合金に
より低保磁力と高キュリー温度を有していて書込みの補
助を行なう補助層としての機能を有する磁性層とを備え
て構成された二層型の光磁気ディスクを用いてオーバー
ライトを行なう。 (3)例えば、特開昭63ー26810
3号公報、特開平1ー241051号公報、その他の文
献等に開示されているように、前記した二層型の光磁気
ディスクにおける重希土類金属と遷移金属との非晶質合
金による記録層や補助層などの他に、少なくとも初期化
層を備えて構成させた三層型、あるいは四層型の光磁気
ディスクを用いてオーバーライトを行なう。等が代表的
な既提案として知られている。
【0004】そして、前記した (1)の既提案は記録の対
象にされている情報信号によって磁界を発生させること
が必要とされるために、高密度記録に対しては高い周波
数で変化する高周波磁界を発生させなければならない
が、周知のように高周波で充分な強度の磁界を発生させ
ることは困難であるから、この (1)の光磁気オーバーラ
イト方式では情報の転送速度を大にすることは困難であ
り高密度記録再生を実現することが容易でないという点
が問題になる。前記した (1)の光磁気オーバーライト方
式における情報の転送速度を大にすることが困難である
という問題点は、(2),(3)に示した既提案の光磁気ディ
スクを使用すれば解消できる。しかし、前記した(2)の
二層型の光磁気ディスクは、補助層としての機能を有す
る磁性層の初期化のための外部磁界の印加手段と、記録
時に必要とされるバイアス磁界の印加手段との2つの外
部磁界が不可欠とされており、そのために装置が大型化
するという点が問題になる他、前記した(2)の二層型の
光磁気ディスク及び(3)の三層型の光磁気ディスクは、
記録層として機能する磁性層と書込みの補助を行なう補
助層として機能する磁性層、その他の磁性層として、そ
れぞれ必要な磁気特性を有するものとして構成させるこ
とが困難であるという点が問題になる。
【0005】図4は前記した(2)の二層型の光磁気ディ
スクの記録再生動作の概略を説明するための図であり、
図4の(a)は記録再生系の一部の斜視図、図4の
(b)は二層型の光磁気ディスクの記録再生動作の説明
図、図4の(c)は情報の記録に当って変化されるレー
ザ光強度を示す図である。図4の(a),(b)におい
てDは二層型の光磁気ディスクであり、二層型の光磁気
ディスクDは図示されていない回転駆動機構によって矢
印a方向に回転されており、結像レンズLによって集光
されたレーザ光によって二層型の光磁気ディスクDの磁
性層の温度が上昇される。図4の(b)において二層型
の光磁気ディスクDにおける1は基板であり、また、2
は重希土類金属と遷移金属との非晶質合金により高保磁
力Hc1と低キュリー温度Tc1を有していて記録再生のた
めの記録層として機能する磁性層であり、さらに、3は
重希土類金属と遷移金属との非晶質合金により低保磁力
Hc2と高キュリー温度Tc2を有していて書込みの補助を
行なう補助層としての機能を有する磁性層であり、さら
にまたMiは初期化のための磁界Hiを発生する永久磁
石、Mwは情報の記録時に用いられるバイアス磁界Hw
を発生する永久磁石である。
【0006】前記した二層型の光磁気ディスクDの記録
層2の保磁力Hc1と、補助層3の保磁力Hc2と、永久磁
石Miによって発生される初期化のための磁界強度Hi
と、永久磁石Mwによって発生される記録時のバイアス
磁界の磁界強度Hwとの関係は図5の(b)に示されて
いるように、Hc1>Hi>Hc2>Hwの関係を有するよ
うにされており、また前記した二層型の光磁気ディスク
Dの記録層2のキュリー温度Tc1と、補助層3のキュリ
ー温度Tc2との関係は図5の(a),(b)に示されている
ように、Tc2>Tc1の関係を有するものとされている。
また、結像レンズLによって集光されたレーザ光で加熱
されるべき二層型の光磁気ディスクDの磁性層の温度
は、記録層に対して情報「1」を記録する際にはレーザ
光強度P1を有するレーザ光の照射により、記録層2の
キュリー温度Tc1と、補助層3のキュリー温度Tc2とに
対して、Tc2>Tp1>Tc1の関係に在る温度Tp1に加熱
され、また、記録層に対して情報「0」を記録する際に
はレーザ光強度Poを有するレーザ光の照射により、二
層型の光磁気ディスクDの磁性層の温度が、補助層3の
キュリー温度Tc2よりも高い温度Tpoにされる{図4の
(c)及び図5の(a)参照}。
【0007】図4の(a),(b)を参照して二層型の
光磁気ディスクに対するオーバライトの動作について説
明すると次のとおりである。図示されていない回転駆動
機構によって矢印a方向に回転されている二層型の光磁
気ディスクDにおける記録層2と、書込みの補助を行な
う補助層3とが、永久磁石Miによって発生されている
初期化磁界Hi中に入ると、室温における保磁力と初期
化磁界強度との関係が図5の(b)に示されているよう
にHc1>Hi>Hc2の関係にあるために、記録層2の磁
化の状態は前記した初期化磁界によっても変化すること
はないが、前記した初期化磁界Hiによって書込みの補
助を行なう補助層3の磁化の方向は初期化磁界Hiの方
向(図4においては図中で上向きの状態)に整列され
る。
【0008】レーザ光強度を図5の(a)中に示されて
いるP1として、記録層2のキュリー温度Tc1よりは高
く、補助層3のキュリー温度Tc2よりは低いTc2>Tp1
>Tc1の関係に在る温度Tp1となるように、前記した記
録層2と補助層3からなる磁性層を加熱すると、記録層
2のキュリー温度Hc1以上に加熱された記録層2は一た
ん磁化を失なうが、補助層3はキュリー温度Tc2に達し
ない温度までにしか加熱されないために、補助層3の磁
化の状態は初期化磁界Hiの方向(図4においては図中
で上向きの状態)に磁化された状態のままに保持されて
いる。前記した補助層3の磁化の状態は、永久磁石Mw
によって発生されたHc2>Hwの関係にあるバイアス磁
界Hwの印加によっても変化しない。光磁気ディスクの
回転に伴ってレーザ光が照射していた部分がレーザ光の
照射位置からずれて、記録層2の温度がそれのキュリー
温度Tc1以下に低下したときには、記録層2に補助層3
の磁化が転写されて、情報「1」を表わす上向きの磁化
が記録層2に記録されることになる。
【0009】次に記録層2に情報「0」を記録する場合
には、レーザ光強度を図5の(a)中に示されているP
oとして、記録層2のキュリー温度Tc1と、補助層3の
キュリー温度Tc2との何れよりも高いTpo>Tc2>Tc1
の関係に在る温度Tp2となるように、前記した記録層2
と補助層3からなる磁性層を加熱すると、記録層2と補
助層3との双方が、それらのキュリー温度Hc1,Hc2以
上に加熱されるために、記録層2と補助層3との双方が
一たん磁化を失なう。光磁気ディスクの回転に伴ってレ
ーザ光が照射していた部分がレーザ光の照射位置からず
れると、まず補助層3の温度がキュリー温度Tc2以下に
低下し、それにより補助層3がバイアス磁石Mwによっ
て発生されているバイアス磁界Hw(図4においては図
中で下向きの状態)の方向に磁化される。次いで記録層
2の温度がそれのキュリー温度Tc1以下に低下したとき
には、記録層2に補助層3の磁化が転写されて、情報
「0」を表わす上向きの磁化が記録層2に記録されるこ
とになる。
【0010】前記した二層型の光磁気ディスクは、既述
のように補助層3の初期化のための外部磁界の印加手段
と、記録時に必要とされるバイアス磁界の印加手段との
2つの外部磁界が不可欠とされており、そのために装置
が大型化するという点が問題になったので、前記の点を
解決できる光磁気ディスクとして、補助層3の初期化の
ための永久磁石として機能する初期化層を少なくとも付
加したような構成の三層型、または四層型の光磁気ディ
スクが提案された。図6は記録再生のための記録層とし
て機能する磁性層と、書込みの補助を行なう補助層とし
ての機能を有する磁性層と、前記した記録層及び補助層
と初期化層として機能する磁性層との間の磁気的交換相
互作用を接断制御するスイッチ層として機能する磁性層
とからなる四層型の光磁気記録媒体における前記した各
磁性層の保磁力Hc1,Hc2,Hc3,Hc4と、キュリー温
度Tc1,Tc2,Tc3,Tc4との関係を示す図{図6の
(a)}と、記録再生系の一部の概略構成を示す図{図
6の(b)}である。
【0011】前記したように、記録層と補助層とスイッ
チ層と初期化層との四層の磁性層を備えた光磁気ディス
クにおいては、初期化層として他のどの磁性層よりも高
いキュリー温度Tc4を示す磁性層を使用して、記録層ま
たは補助層における磁化の反転直後における冷却過程に
おいて、初期化層からの磁気的交換相互作用または漏洩
磁界によって、補助層の磁化の方向を初期化層の磁化の
方向と一致させることができるようにしており、また、
四層型の光磁気ディスクでは補助層と初期化層との間に
設けたスイッチ層として、他のどの磁性層よりも低いキ
ュリー温度Tc3を示す磁性層を用いて、記録層と補助層
がレーザ光の照射によって磁化が反転する過程に、初期
化層からの磁気的な影響が遮断されるようにして、記録
層と補助層との磁化反転過程と初期化過程との干渉の防
止により直接重ね書きのC/Nの向上が期待される。初
期化層を備えた光磁気ディスクでは、図6の(b)に例
示されているように、情報の記録時に用いられるバイア
ス磁界Hwを発生する永久磁石Mwだけが必要で、初期
化のための磁界Hiを発生する永久磁石Miは不要とさ
れる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記のように四層型の
光磁気ディスクでは、二層型の光磁気ディスクにおいて
必要としていたような初期化用の永久磁石が不要とされ
るために、二層型の光磁気ディスクに比べて有利であ
り、またスイッチ層を備えていない三層型の光磁気ディ
スクに比べても、重ね書き動作がより一層確実となる点
において優れていると考えられる。しかしながら、前記
の四層型の光磁気ディスクは、4つの層を構成する各磁
性層が、それぞれ異なる所定の保磁力Hcと所定のキュ
リー温度とを示す磁性層となるように、組成、成分、膜
厚が定められた重希土類金属と遷移金属との非晶質合金
磁性層による4つの磁性層を積層して構成されているも
のであるから、各磁性層が積層された状態において各磁
性層が示す保磁力の保磁力Hcの値は、各層間に働く磁
気的交換相互作用の存在により、前記した各磁性層が単
独に存在している場合にそれぞれの磁性層が示す保磁力
の値とは異なったものになる。
【0013】そして、前記の各層間に働く磁気的交換相
互作用の存在によって各磁性層の保磁力の値に生じる変
化は、積層される各磁性層の組成、成分、膜厚や、成膜
過程に依存して変化するものであるために、四層型の光
磁気ディスククの全体として所望の特性を得ること自体
が困難であり、また、再現性に乏しいということが問題
になる。また、四層型の光磁気ディスクにおいては、ス
イッチ層自体の磁気的な影響や初期化層の磁気的な影響
が、補助層には及ぶようにしなければならないが、前記
のスイッチ層や初期化層からの磁気的な影響が、仮に記
録層にまで及んだ場合には重ね書きのC/Nが低下する
という問題が生じる。ところが、前記した4つの層は相
互に磁気的に強く結合して一体化している状態にあるか
ら、四層型の光磁気ディスクにおいて、スイッチ層自体
の磁気的な影響や初期化層の磁気的な影響が補助層には
及ぶが、記録層には及ばないようにする、というように
することは容易ではない。それで、前記のような諸問題
点のない光磁気ディスクの出現が望まれた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は重希土類金属と
遷移金属との非晶質合金による記録層と、重希土類金属
と遷移金属との非晶質合金による初期化層とを積層した
磁性層を備えている光磁気記録媒体において、記憶層と
して使用される磁性層のキュリー温度と等しい補償温度
を有する磁性層を初期化層として記録層に積層してなる
光磁気記録媒体を提供する。
【0015】
【作用】キュリー温度がTcwの重希土類金属と遷移金
属との非晶質合金磁性層による記録層と、前記した記録
層のキュリー温度Tcwに等しい補償温度Tcompi
(=Tcw)を有する重希土類金属と遷移金属との非晶質
合金磁性層による初期化層とにおける少なくとも初期化
層は、光磁気記録媒体の製作時に予め定められた方向の
磁界により垂直磁化されている。記録層に対する情報の
書込みは、情報書込み用のバイアス磁界Hwが印加され
ている部分における前記の両磁性層の温度をTcw=T
compiに上昇させうるようなレーザ光の照射と、情
報書込み用のバイアス磁界Hwが印加されている部分に
おける前記の両磁性層の温度をTcw=Tcompi<
Twi<初期化層のキュリー温度Tciの関係にある温
度Twiに上昇させうるようなレーザ光の照射とによっ
て行なう。
【0016】記録層に対する情報の書込みが、情報書込
み用のバイアス磁界Hwが印加されている部分における
前記の両磁性層の温度をTcw=Tcompiに上昇さ
せうるようなレーザ光の照射によって行なわれる場合
は、前記のレーザ光の照射によってレーザ光の照射位置
における前記の両磁性層の温度がTcw=Tcompi
とされる。それにより、レーザ光の照射位置における記
録層の温度はキュリー温度になるためにそれの磁化が消
失し、またレーザ光の照射位置における初期化層は補償
温度となるために初期化層外からは磁化が認められない
状態になる。前記の温度においても初期化層の保磁力は
情報書込み用のバイアス磁界Hwよりも大きいので、初
期化層の磁化の状態が情報書込み用のバイアス磁界Hw
によって影響を受けることはない。光記録媒体の回転に
より、レーザ光の照射位置からずれて前記の両磁性層の
温度がTcw=Tcompiよりも低下すると、記録層
が情報書込み用のバイアス磁界Hwによって磁化され
る。
【0017】記録層に対する情報の書込みが、情報書込
み用のバイアス磁界Hwが印加されている部分における
前記の両磁性層の温度をTcw=Tcompi<Twi
<初期化層のキュリー温度Tciの関係にある温度Tw
iに上昇させうるようなレーザ光の照射によって行なわ
れる場合は、前記のレーザ光の照射によってレーザ光の
照射位置における前記の両磁性層の温度がTcw=Tc
ompi<Twi<初期化層のキュリー温度Tciの関
係にある温度Twiとされる。それにより、レーザ光の
照射位置における記録層の温度はキュリー温度になるた
めにそれの磁化が消失し、またレーザ光の照射位置にお
ける初期化層は補償温度以上の温度となるために初期化
層は外部から磁化が認められる状態になる。そして、前
記の温度においても初期化層の保磁力は情報書込み用の
バイアス磁界Hwよりも大きいので、初期化層の磁化の
状態が情報書込み用のバイアス磁界Hwによって影響を
受けることはない。
【0018】光記録媒体の回転により、レーザ光の照射
位置からずれて前記の両磁性層の温度がTcw=Tco
mpi<Twi<初期化層のキュリー温度Tciの関係
にある温度Twiから低下して行き、前記の両磁性層の
温度がTcw=Tcompi以下に低下するまでの温度
範囲の間は、記録層の温度がキュリー温度以上の温度で
あるために、前記の温度範囲においては記録層には何の
磁化も生じない。一方、レーザ光の照射位置からずれて
前記の両磁性層の温度がTcw=Tcompi<Twi
<初期化層のキュリー温度Tciの関係にある温度Tw
iから低下して行き、前記の両磁性層の温度がTcw=
Tcompiに達した状態において、初期化層は外部か
ら磁化が認められない状態となり、前記の両磁性層の温
度がTcw=Tcompiよりも低下すると、初期化層
は外部から磁化が認められる状態となる。
【0019】前記の状態における記録層の位置は情報書
込み用のバイアス磁界Hwから外れているので、記録層
には情報書込み用のバイアス磁界Hwによって情報の書
込みが行なわれることはなく、記録層には初期化層との
磁気的交換相互作用によって初期化層の磁化が転写され
る。したがって、前記した両磁性層の磁気的特性と情報
書込み用のバイアス磁界Hwの極性との相対的な関係を
適当に設定しておくことにより、記録層に対して良好な
重ね書き動作を行なうことができる。
【0020】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の光磁気記
録媒体の具体的な内容を詳細に説明する。図1は本発明
の光磁気記録媒体に対する記録再生動作を説明するため
の記録再生部の概略構成を示すブロック図、図2及び図
3は本発明の光磁気記録媒体に対する重ね書きの動作を
説明するための図である。図1においてDは本発明の光
磁気記録媒体であり、この光磁気記録媒体(光磁気ディ
スク)Dは、例えば、ポリカーボネート樹脂製の基板1
上に、重希土類金属と遷移金属との非晶質合金による記
録層Wと、重希土類金属と遷移金属との非晶質合金によ
る初期化層Iとを、真空雰囲気中でそれぞれスパッタリ
ング法により、膜厚が500オングストローム〜100
0オングストロームの膜厚として積層して構成され、前
記のスパッタリング法による成膜の終了後に、ディスク
の全体を所定の方向に、例えば20KOeの強度の磁界
によって両磁性層(両磁性膜)を初期着磁する。図2及
び図3中では前記の初期着磁は下向きの方向で行なわれ
ているものとして例示されている。光磁気ディスクDは
図示されていない回転駆動機構によって、所定の回転数
で駆動回転されるのであり、結像レンズLによって集光
されたレーザ光によって光磁気ディスクDの磁性層の温
度が上昇できるようにされている。また、Mwは情報の
記録時に用いられるバイアス磁界Hwを発生する永久磁
石である。
【0021】前記した光磁気ディスクDにおける記憶層
Wとして用いられる磁性層と、初期化層Iとして使用さ
れる磁性層とは、記憶層Wとして用いられる磁性層にお
けるキュリー温度Tcwと、初期化層Iとして使用され
る磁性層における補償温度Tcompiとが等しいもの
となるような組成のものとされている。図2及び図3の
それぞれの上方部分には、本発明の光磁気ディスクDを
構成する記録層Wと、初期化層Iとの磁気特性とが示さ
れているが、図2及び図3中に示されている曲線Wは温
度に対する記録層Wの保磁力の変化特性曲線であり、ま
た曲線Iは温度に対する初期化層Iの保磁力の変化特性
曲線である。図2中に示されている光磁気ディスクDの
構成に用いられている記録層Wは、補償温度Tcomp
wが室温よりも高い温度であるような磁気特性を有する
ものである場合を示し、また、図3中に示されている光
磁気ディスクDの構成に用いられている記録層Wは、補
償温度が室温よりも低い温度であるような磁気特性を有
するものである場合を示している。
【0022】前記した初期化層Iは、Tbが30原子
%、Feが40原子%、Coが30原子%の組成の重希
土類金属と遷移金属との非晶質合金による磁性層であ
り、その補償温度Tcompiは摂氏123度、キュリ
ー温度Tciは摂氏220度である。また、図2中に示
されている補償温度Tcompwが室温よりも高い温度
(摂氏50度)であるような磁気特性を有する記録層W
は、例えばTb23Fe77の組成の重希土類金属と遷移金
属との非晶質合金による磁性層であり、そのキュリー温
度Tcwは摂氏123度である。さらに、図3中に示さ
れている補償温度が室温よりも低い温度であるような磁
気特性を有する記録層Wは、例えばTb21Fe79の組成
の重希土類金属と遷移金属との非晶質合金による磁性層
であり、そのキュリー温度Tcwは摂氏123度であ
る。
【0023】次に、補償温度Tcompwが室温よりも
高い温度であるような磁気特性を有する記録層Wを使用
して光磁気ディスクDを構成してある場合の記録動作
(情報の書込み動作)について図2を参照して説明する
と次のとおりである。回転駆動機構によって所定の回転
数で光磁気ディスクDを駆動回転させ、書込むべき情報
によって強度変調されているレーザ光を、光磁気ディス
クDにおける情報の記録時に用いられるバイアス磁界H
wが印加されている領域に照射する。前記した光磁気デ
ィスクDにおける記録層Wと初期化層Iとは、製作時に
光磁気ディスクの全体に対して行なわれた初期着磁動作
によって、予め定められた方向の磁界により垂直磁化
(図示の例では下向きの磁化)されている。この状態に
おける光磁気ディスクDの磁性層は、図2の(A)にお
ける白抜き矢印に示されているような磁化の状態にされ
ている。なお、図中の実線矢印は遷移金属の原子磁気モ
ーメント(以下、スピンと記載する)を示し、また点線
矢印は重希土類金属のスピンをそれぞれ示している。
【0024】前記の光磁気ディスクDに対する情報の書
込みに使用されるレーザ光は、情報書込み用のバイアス
磁界Hwが印加されている部分における記録層Wと初期
化層Iとの両磁性層の温度をTcw=Tcompiに上
昇させうるような光強度Plと、情報書込み用のバイア
ス磁界Hwが印加されている部分における前記の両磁性
層の温度ををTcw=Tcompi<Twi<初期化層
のキュリー温度Tciの関係にある温度Twiに上昇さ
せうるような光強度Phとに、書込み情報と対応して強
度変調される。
【0025】まず、記録層Wに対する情報の書込みが、
情報書込み用のバイアス磁界Hwが印加されている部分
における前記の両磁性層の温度をTcw=Tcompi
に上昇させうるような光強度Plのレーザ光の照射によ
って行なわれる場合は、前記の光強度Plのレーザ光の
照射によって、レーザ光の照射位置における前記の両磁
性層の温度がTcw=Tcompiとされる。この状態
における光磁気ディスクDの磁性層の磁化の状態を図2
の(B)に示す。すなわち、前記のように光強度Plの
レーザ光が照射されることにより、レーザ光の照射位置
における記録層Wの温度は、キュリー温度Tcwになる
ためにそれの磁化が消失し、また、レーザ光の照射位置
における初期化層Iは補償温度Tcompiとなるため
に、初期化層Iの外部からは磁化が認められない状態に
なる。初期化層Iの保磁力は補償温度Tcompiにお
いても情報書込み用のバイアス磁界Hwよりも大きいの
で、初期化層Iの磁化の状態が情報書込み用のバイアス
磁界Hwによって影響を受けることはない。
【0026】光記録媒体の回転によりレーザ光の照射位
置が移動して、前記の両磁性層の温度がTcw=Tco
mpiよりも低下すると、記録層Wは情報書込み用のバ
イアス磁界Hwによって、図2の(C)に示されているよ
うに磁化された状態になる。記録層Wの温度が、さらに
低下して行って記録層Wの補償温度Tcompwに達す
ると、記録層Wにおける遷移金属のスピンと重希土類金
属のスピンとが同じ大きさになるために、記録層Wの磁
化は記録層Wの外部からは認められない状態になる。記
録層Wの温度が記録層Wの補償温度Tcompwよりも
低下すると、記録層Wにおける遷移金属のスピンの大き
さと重希土類金属のスピンとの大きさの関係が、補償温
度Tcompwよりも高い温度における図2の(C)に
示されている磁化の状態に対して逆となる。そして、記
録層Wの温度が室温に迄低下すると記録層Wの磁化の状
態は図2の(D)に示されている状態になる。
【0027】次に、記録層に対する情報の書込みが、情
報書込み用のバイアス磁界Hwが印加されている部分に
おける前記の両磁性層の温度を、Tcw=Tcompi
<Twi<初期化層のキュリー温度Tciの関係にある
温度Twiに上昇させうるような光強度Phのレーザ光
の照射によって行なわれる場合は、前記の光強度Phの
レーザ光の照射によって、レーザ光の照射位置における
前記の両磁性層の温度がTcw=Tcompi<Twi
<初期化層のキュリー温度Tciの関係にある温度Tw
iとされる。それにより、レーザ光の照射位置における
記録層Wの温度はキュリー温度になるために、それの磁
化が消失し、またレーザ光の照射位置における初期化層
Iは補償温度Tcompi以上の温度となることによ
り、初期化層Iは外部から磁化が認められる状態にな
る。この状態は図2の(E)に示されている。前記の温
度においても初期化層Iの保磁力は情報書込み用のバイ
アス磁界Hwよりも大きいので、初期化層の磁化の状態
が情報書込み用のバイアス磁界Hwによって影響を受け
ることはない。
【0028】光記録媒体の回転によりレーザ光の照射位
置が移動して、前記の両磁性層の温度がTcw=Tco
mpi<Twi<初期化層のキュリー温度Tciの関係
にある温度Twiから、両磁性層の温度がTcw=Tc
ompi以下に低下するまでの温度範囲の間は、記録層
Wのキュリー温度Tcw以上の温度であるために、前記
の温度範囲では記録層Wには何の磁化も生じない。その
状態は図2の(F)に示されている。一方、レーザ光の
照射位置が移動して前記の両磁性層の温度がTcw=T
compi<Twi<初期化層のキュリー温度Tciの
関係にある温度Twiから低下して行き、前記の両磁性
層の温度が既述のTcw=Tcompiの温度に達した
状態では、初期化層Iにおける遷移金属のスピンと重希
土類金属のスピンとが同じ大きさになるために、初期化
層Iの磁化は初期化層Iの外部からは認められない状態
となるが、前記の両磁性層の温度がTcw=Tcomp
iよりも低下すると、初期化層Iの磁化は外部から認め
られる状態となる。
【0029】記録層Wの温度がキュリー温度Tcw以下
の温度になる記録層Wの位置では、情報書込み用のバイ
アス磁界Hwが記録層Wに印加されないので、情報書込
み用のバイアス磁界Hwによって記録層Wに情報の書込
みは行なわれず、記録層Wには初期化層Iとの磁気的交
換相互作用によって初期化層Iの磁化が転写されるため
に、記録層Wの磁化の状態は図2の(G)に示すような
ものになる。そして、記録層Wの温度がさらに低下して
行って記録層Wの補償温度Tcompwに達すると、記
録層Wにおける遷移金属のスピンと重希土類金属のスピ
ンとが同じ大きさになるために、記録層Wの磁化は記録
層Wの外からは認められない状態になる。次いで、記録
層Wの温度が記録層Wの補償温度Tcompwよりも低
下すると、記録層Wにおける遷移金属のスピンの大きさ
と重希土類金属のスピンとの大きさとの関係が、補償温
度Tcompwよりも高い温度における図2の(G)に
示されている記録層Wにおける遷移金属のスピンの大き
さと重希土類金属のスピンとの大きさとの関係とは逆に
なり、記録層Wの温度が室温に達した場合における記録
層Wの磁化の状態は図2の(H)に示されるものにな
る。
【0030】前述のように光磁気ディスクDにおける磁
性層に入射させたレーザ光の光強度がPlの場合におけ
る記憶層Wにおける書込み結果を示している図2の
(D)の記録層Wの磁化の状態と、光磁気ディスクDに
おける磁性層に入射させたレーザ光の光強度がPhの場
合における記憶層Wにおける書込み結果を示している図
2の(H)の記録層Wの磁化の状態とを比較してみる
と、記録層Wにおける磁化の向きは互に逆になっている
から、図2を参照して説明した補償温度Tcompwが
室温よりも高い温度であるような磁気特性を有する記録
層Wを使用して構成されている光磁気ディスクDに対し
て、光強度変調法によってオーバーライトを行なうこと
ができることは明らかである。
【0031】次に、補償温度Tcompwが室温よりも
低い温度であるような磁気特性を有する記録層Wを使用
して光磁気ディスクDを構成してある場合の記録動作
(情報の書込み動作)について図3を参照して説明する
と次のとおりである。回転駆動機構によって所定の回転
数で光磁気ディスクDを駆動回転させ、書込むべき情報
によって強度変調されているレーザ光を、光磁気ディス
クDにおける情報の記録時に用いられるバイアス磁界H
wが印加されている領域に照射する。前記した光磁気デ
ィスクDにおける記録層Wと初期化層Iとは、製作時に
光磁気ディスクの全体に対して行なわれた初期着磁動作
によって、予め定められた方向の磁界により垂直磁化
(図示の例では下向きの磁化)されている。この状態に
おける光磁気ディスクDの磁性層は、図3の(A)にお
ける白抜き矢印に示されているような磁化の状態にされ
ている。なお、図中の実線矢印は遷移金属の原子磁気モ
ーメント(以下、スピンと記載する)を示し、また、点
線矢印は重希土類金属のスピンを示している。
【0032】前記の光磁気ディスクDに対する情報の書
込みに使用されるレーザ光は、情報書込み用のバイアス
磁界Hwが印加されている部分における記録層Wと初期
化層Iとの両磁性層の温度をTcw=Tcompiに上
昇させうるような光強度Plと、情報書込み用のバイア
ス磁界Hwが印加されている部分における前記の両磁性
層の温度ををTcw=Tcompi<Twi<初期化層
のキュリー温度Tciの関係にある温度Twiに上昇さ
せうるような光強度Phとに、書込み情報と対応して強
度変調される。
【0033】まず、記録層Wに対する情報の書込みが、
情報書込み用のバイアス磁界Hwが印加されている部分
における前記の両磁性層の温度をTcw=Tcompi
に上昇させうるような光強度Plのレーザ光の照射によ
って行なわれる場合は、前記の光強度Plのレーザ光の
照射によって、レーザ光の照射位置における前記の両磁
性層の温度がTcw=Tcompiとされる。この状態
における光磁気ディスクDの磁性層の磁化の状態を図3
の(B)に示す。すなわち、前記のように光強度Plの
レーザ光が照射されることにより、レーザ光の照射位置
における記録層Wの温度は、キュリー温度Tcwになる
ためにそれの磁化が消失し、また、レーザ光の照射位置
における初期化層Iは補償温度Tcompiとなるため
に、初期化層Iの外部からは磁化が認められない状態に
なる。初期化層Iの保磁力は補償温度Tcompiにお
いても情報書込み用のバイアス磁界Hwよりも大きいの
で、初期化層Iの磁化の状態が情報書込み用のバイアス
磁界Hwによって影響を受けることはない。
【0034】光記録媒体の回転によりレーザ光の照射位
置が移動して、前記の両磁性層の温度がTcw=Tco
mpiよりも低下すると、記録層Wは情報書込み用のバ
イアス磁界Hwによって、図3の(C)に示されているよ
うに磁化された状態になる。記録層Wの温度が、低下し
て室温に迄低下すると記録層Wの磁化の状態は図3の
(D)に示されている状態になる。
【0035】次に、記録層に対する情報の書込みが、情
報書込み用のバイアス磁界Hwが印加されている部分に
おける前記の両磁性層の温度を、Tcw=Tcompi
<Twi<初期化層のキュリー温度Tciの関係にある
温度Twiに上昇させうるような光強度Phのレーザ光
の照射によって行なわれる場合は、前記の光強度Phの
レーザ光の照射によって、レーザ光の照射位置における
前記の両磁性層の温度がTcw=Tcompi<Twi
<初期化層のキュリー温度Tciの関係にある温度Tw
iとされる。それにより、レーザ光の照射位置における
記録層Wの温度はキュリー温度になるために、それの磁
化が消失し、またレーザ光の照射位置における初期化層
Iは補償温度Tcompi以上の温度となることによ
り、初期化層Iは外部から磁化が認められる状態にな
る。この状態は図3の(E)に示されている。前記の温
度においても初期化層Iの保磁力は情報書込み用のバイ
アス磁界Hwよりも大きいので、初期化層の磁化の状態
が情報書込み用のバイアス磁界Hwによって影響を受け
ることはない。
【0036】光記録媒体の回転によりレーザ光の照射位
置が移動して、前記の両磁性層の温度がTcw=Tco
mpi<Twi<初期化層のキュリー温度Tciの関係
にある温度Twiから、両磁性層の温度がTcw=Tc
ompi以下に低下するまでの温度範囲の間は、記録層
Wのキュリー温度Tcw以上の温度であるために、前記
の温度範囲では記録層Wには何の磁化も生じない。その
状態は図3の(F)に示されている。一方、レーザ光の
照射位置が移動して前記の両磁性層の温度がTcw=T
compi<Twi<初期化層のキュリー温度Tciの
関係にある温度Twiから低下して行き、前記の両磁性
層の温度が既述のTcw=Tcompiの温度に達した
状態では、初期化層Iにおける遷移金属のスピンと重希
土類金属のスピンとが同じ大きさになるために、初期化
層Iの磁化は初期化層Iの外部からは認められない状態
となるが、前記の両磁性層の温度がTcw=Tcomp
iよりも低下すると、初期化層Iの磁化は外部から認め
られる状態となる。
【0037】記録層Wの温度がキュリー温度Tcw以下
の温度になる記録層Wの位置では、情報書込み用のバイ
アス磁界Hwが記録層Wに印加されないので、情報書込
み用のバイアス磁界Hwによって記録層Wに情報の書込
みは行なわれず、記録層Wには初期化層Iとの磁気的交
換相互作用によって初期化層Iの磁化が転写されるため
に、記録層Wの磁化の状態は図3の(G)に示すような
ものになる。そして、記録層Wの温度がさらに低下して
記録層Wの温度が室温に達した場合における記録層Wの
磁化の状態は図3の(H)に示されるものになる。
【0038】前述のように光磁気ディスクDにおける磁
性層に入射させたレーザ光の光強度がPlの場合におけ
る記憶層Wにおける書込み結果を示している図3の
(D)の記録層Wの磁化の状態と、光磁気ディスクDに
おける磁性層に入射させたレーザ光の光強度がPhの場
合における記憶層Wにおける書込み結果を示している図
3の(H)の記録層Wの磁化の状態とを比較してみる
と、記録層Wにおける磁化の向きは互に逆になっている
から、図3を参照して説明した補償温度Tcompwが
室温よりも高い温度であるような磁気特性を有する記録
層Wを使用して構成されている光磁気ディスクDに対し
て、光強度変調法によってオーバーライトを行なうこと
ができることは明らかである。
【0039】なお、記録層Wの室温における保磁力と、
初期化層Iの室温における保磁力とは、光磁気ディスク
Dの製作時における初期着磁の磁界強度よりも小で、か
つ、情報書込み用のバイアス磁界Hwの磁界強度よりも
大であればよい。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の光磁気記録媒体は、重希土類金属と遷
移金属との非晶質合金による記録層と、重希土類金属と
遷移金属との非晶質合金による初期化層とを、記憶層と
して使用される磁性層のキュリー温度と等しい補償温度
を有する磁性層を初期化層として使用して、前記の両磁
性層を積層するという、極めて簡単な手段によってオー
バーライトの可能な光磁気記録媒体を容易に提供できる
のであり、本発明によれば、オーバーライトを行なう場
合に、初期化層の初期化を行なうために永久磁石を備え
たり、初期化用の付加的な磁性層を備えたりしなければ
ならなかったという既述した従来の問題点を良好に解決
でき、極めて容易にオーバーライトを行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体に対する記録再生動作
を説明するための記録再生部の概略構成を示すブロック
図である。
【図2】本発明の光磁気記録媒体に対する重ね書きの動
作を説明するための図である。
【図3】本発明の光磁気記録媒体に対する重ね書きの動
作を説明するための図である。である。
【図4】従来の光磁気記録媒体に対する重ね書きの動作
を説明するための図である。
【図5】従来の光磁気記録媒体に対する重ね書きの動作
を説明するための図である。
【図6】従来の光磁気記録媒体に対する重ね書きの動作
を説明するための図である。
【符号の説明】
1…基板、2,W…記録層、3…補助層、I…初期化
層、D…光磁気記録媒体、

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重希土類金属と遷移金属との非晶質合金
    による記録層と、重希土類金属と遷移金属との非晶質合
    金による初期化層とを積層した磁性層を備えている光磁
    気記録媒体において、記憶層として使用される磁性層の
    キュリー温度と等しい補償温度を有する磁性層を初期化
    層として記録層に積層してなる光磁気記録媒体。
JP2327393A 1993-01-18 1993-01-18 光磁気記録媒体 Pending JPH06215428A (ja)

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JP2327393A JPH06215428A (ja) 1993-01-18 1993-01-18 光磁気記録媒体

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JP2327393A JPH06215428A (ja) 1993-01-18 1993-01-18 光磁気記録媒体

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JPH06215428A true JPH06215428A (ja) 1994-08-05

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ID=12106003

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JP2327393A Pending JPH06215428A (ja) 1993-01-18 1993-01-18 光磁気記録媒体

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JP (1) JPH06215428A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5903526A (en) * 1996-09-20 1999-05-11 Victor Company Of Japan, Ltd. Magneto-optical recording medium having multiple magnetic layers

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5903526A (en) * 1996-09-20 1999-05-11 Victor Company Of Japan, Ltd. Magneto-optical recording medium having multiple magnetic layers

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