JPH06214117A - ホログラム及びその貼着方法 - Google Patents

ホログラム及びその貼着方法

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JPH06214117A
JPH06214117A JP19130993A JP19130993A JPH06214117A JP H06214117 A JPH06214117 A JP H06214117A JP 19130993 A JP19130993 A JP 19130993A JP 19130993 A JP19130993 A JP 19130993A JP H06214117 A JPH06214117 A JP H06214117A
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JP
Japan
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hologram
substrate
photosensitive film
sticking
protective layer
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JP19130993A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Tarumi
浩幸 樽見
Osamu Koike
理 小池
Sadasuke Kimura
禎祐 木村
Toru Mizuno
透 水野
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的強度に優れ,湾曲した曲面ガラスにも
貼着,封入することができるホログラムコンバイナ及び
その貼着方法を提供すること。 【構成】 基板1と,該基板1の表面に設けたホログラ
ム感光膜3とよりなるホログラムコンバイナ10におい
て,基板1は可撓性を有する高分子材料よりなる。基板
1は,ポリカーボネート等の透明樹脂基板を用いる。ホ
ログラム感光膜3と基板1との接着性を向上させるた
め,両者の間に,可撓性中間層2を配設することが好ま
しい。貼着方法としては,予めホログラム感光膜3を基
板1に積層し,干渉縞を記録した後,接着剤を介して被
着基材に接着し,その後基板1をホログラム感光膜3か
ら剥離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車両等のフロン
トガラスに貼着または封入されて用いられるホログラム
コンバイナ及びその貼着方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、特開昭64−86110号公報に開
示されるようなベッドアップディスプレイがある。この
ヘッドアップディスプレイは、図19に示すように、車
両等のウィンドシールドガラス5に、ホログラム9を封
じ込み、運転情報をウィンドシールドガラス5前方に結
像させるものである。
【0003】そして、このヘッドアップディスプレイ
は、ホログラム9により、運転情報を表示した表示体7
1の立体像79をウィンドシールドガラス5の前方に遠
方拡大表示するものである。上記ヘッドアップディスプ
レイによれば、運転者6は前方視界を見ると同時に、運
転情報を目視することができる。
【0004】また、従来では、特開昭64−86110
号公報に記載されるように、ガラスからなる基板上にホ
ログラム感光膜を形成させた後に、露光及び現像を行う
ことにより、ガラス基板上に形成されたホログラムを得
ている。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら、従来は、ガラ
ス基板上にホログラムを形成する製法であるために、一
度ガラス基板上にホログラムを形成したならば、以下の
点によって、このホログラムを基板上より剥がすこと
は、非常に困難であった。 ホログラム自体が非常に薄いために、ホログラム単体
で維持させることは不可能であり、常に必ず基板が必要
である点。
【0006】基板自体がガラス等の変形しにくいもの
からなるため、ガラス等の変形しにくい基板から、変形
しにくい被着基板への転写は、非常に困難である点。そ
のため、従来では、例えばウィンドシールドガラス上に
ホログラムを設ける際には、直接ウィンドシールト上
に、直接、露光前のホログラム感光膜を形成し、ウィン
ドシールドガラス上で直接露光させるという方法が考え
られた。
【0007】しかしながら、このような方法では、ホロ
グラムの露光する面積に比べてウィンドシールドガラス
が非常に大きなものであるため、ホログラムの露光する
装置が非常に大きくなってしまうという問題が生じてし
まう。本発明は、かかる問題点に鑑み、どのような場所
にも自由にホログラムを形成することのできるホログラ
ムの貼着方法およびホログラムを提供しようとするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、可撓性を有す
る高分子材料よりなる基板の一方の面上に、ホログラム
感光膜を形成し、前記基板上において、前記ホログラム
感光膜を露光しホログラムとなし、該ホログラムの前記
基板と接する面と対向する面を所望の被着基板に貼着さ
せるホログラムの貼着方法を提供するものである。
【0009】本発明において、基板は、可撓性を有する
高分子材料である。基板としては、ポリカーボネート、
ポリオレフィン、PMMA(ポリメチルメタクリレー
ト)等の透明樹脂板がある。基板の光学特性は、以下の
ようである。即ち、基板の屈折率は、ホログラム感光膜
と近似している。これにより、ホログラムコンバイナ
は、ノイズの少ないホログラムを記録することができ
る。また、屈折率は、1.44〜1.64が好ましい。
1.44未満或いは、1.64を越える場合には、基板
とホログラム感光膜との層界面で反射する反射光が、ノ
イズとして記録されるという問題がある。さらに好まし
くは、1.48〜1.60がよい。
【0010】基板の複屈折は、低く押さえることが好ま
しい。複屈折が高い場合には、干渉現象において、偏波
面の整合性及び保護の悪化を来すおそれがある。例え
ば、波長633nmにて測定した場合には70nm以下
であることが好ましい。また、基板の散乱の指標となる
ヘイズは小さく押さえ、光線透過率は大きいことが好ま
しい。ヘイズが大きく、光線透過率が小さい場合には、
基板側から入射した光が、十分な光量を保持してホログ
ラム感光膜に入射することが困難である。例えば、基板
の厚さが0.1mmの場合には、ヘイズは1%以下、光
線透過率は85%以上である。
【0011】基板の厚さは0.05mm〜0.4mmが
好ましい。0.05mm未満では取扱いが困難となるお
それがある。0.4mmを越える場合にはホログラムコ
ンバイナの可撓性が劣るおそれがある。ホログラム感光
膜としては、重クロム酸ゼラチン等がある。ホログラム
感光膜の屈折率は、例えば重クロム酸ゼラチンを用いる
場合には約1.54付近である。
【0012】また、ホログラム感光膜と基板との間に
は、可撓性中間層を配設する場合がある。これは、ホロ
グラム感光膜と基板との接着性を向上させるためであ
る。可撓性中間層の光学特性は、基板と近似しているこ
とが好ましい。可撓性中間層としては、スチレン─ブタ
ジエンラバー(SBR)等がある。可撓性中間層の厚さ
は0.005〜0.01mmが好ましい。0.005m
m未満の場合には、接着性が劣るおそれがあり、0.0
1mmを越える場合にはそれに見合う効果は得られな
い。
【0013】また、被着基材とホログラム感光膜との間
を接合する接着層の接着強度は、ホログラムと基板との
間の接着強度よりも大きいことが好ましい。上記接着剤
としては、スチレンブタジエンラバー、アクリル系接着
剤等が好ましい。また、基板とホログラム感光膜との間
に、接着性を向上させるための可撓性中間層を配設して
もよい。
【0014】
【作用及び効果】上述の如く、本発明では、可撓性を有
する高分子材料よりなる基板上に露光されたホログラム
を形成した後、このホログラムを被着基板に貼着するこ
とにより、ホログラムを基板より被着基板に転写させ
る。そのため、ホログラムの転写する際には、常にホロ
グラムは基板によって保持させることができるので、ホ
ログラムを破損することなく所望の箇所にホログラムを
形成することができる。
【0015】また、基板が可撓性を有する高分子材料よ
り形成されているので、ホログラムを例えガラス等より
なる可撓性のない被着基板に設けようとした場合であっ
ても、この可撓性を有する高分子材料よりなる基板を湾
曲させることよって、容易にホログラムを基板から被着
基板に転写させることができる。
【0016】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例について、図1を用いて説明する。ホロ
グラム素子10は、基板1と、該基板1の表面に設けた
ホログラム3と、基板1上へのホログラム3の形成を容
易にするため、基板1とホログラム3との接合を強固に
する可撓性中間層2からなる。
【0017】基板1は、可撓性を有する高分子材料より
なるポリカーボネートからなる。また、基板1の厚さ
は、0.1mmである。基板1の光学特性は、以下のよ
うである。基板1の屈折率は、ホログラム3と近似し
た、1.58とした。基板1の複屈折は、例えば、波長
633nmにて測定した場合には70nm以下である。
基板のヘイズは1%以下、光線透過率は85%以上であ
る。
【0018】ホログラム3としては、厚さ0.017m
mの重クロム酸ゼラチンを用いる。このホログラム3の
屈折率は、1.54である。また、ホログラム3と基板
1との間には、可撓性中間層2を配設している。可撓性
中間層2の光学特性は、基板1と近似している。具体的
には、可撓性中間層2としては、厚さ0.008mmの
スチレン─ブタジエンラバー(SBR)を用いる。
【0019】上記ホログラム素子10を作製するに当っ
ては、上記基板1の表面に上記可撓性中間層2を塗布
し、更にその上にホログラム感光膜を形成する。その
後、この基板1上に設けたホログラム感光膜を露光、現
像させることによって、所望の干渉縞を形成したホログ
ラム3を得た。実施例1においては、可撓性を有する基
板1の表面にホログラム3を設けている。そのため、機
械的強度に優れ、可撓性を有するホログラム素子10を
得ることができる。それ故、ホログラム素子10を、湾
曲したウィンドシールドガラスに容易に封入または貼着
させることができる。
【0020】また、基板1、可撓性中間層2及びホログ
ラム3との屈折率を近似させている。そのため、図1に
示すごとく、ホログラム感光膜の露光時においては、基
板1側から入射する例えば参照光である入射光40は、
基板1と可撓性中間層2との層界面12、及び可撓性中
間層2とホログラム感光膜との層界面23で、反射、散
乱することがなくかつ偏光方向が変化することなく、ホ
ログラム感光膜に入射させることができる。そのため、
入射光40は、ホログラム感光膜側から入射する例えば
物体光である光41とノイズなく良好に干渉を起こすこ
とができ、明瞭な干渉縞を有するホログラム3を形成さ
せることができる。
【0021】また、例え基板とホログラム感光膜との濡
れ性が悪く、基板上にホログラム感光膜が形成できなく
ても、基板とホログラム感光膜との間には、可撓性中間
層2を設けるので、ホログラム感光膜をどのような可撓
性の高分子膜よりなる基板上にでも形成することができ
る。 実施例2 実施例2においては、ホログラムの貼着方法について、
図2乃至図5を用いて説明する。
【0022】まず、可撓性を有する高分子材料よりなる
基板1に、直接、ホログラム感光膜を積層する。次い
で、上記ホログラム感光膜に、同様に参照光と物体光と
を用いて干渉縞を記録し撮影後、現像及び乾燥させるこ
とによって、ホログラム3としホログラム素子を得る。
次に、ホログラム3を形成しようとする所望の被着基板
である車両のウィンドシールドガラス5に、接着剤を塗
布し接着層4となす。
【0023】次いで、図2および図3に示すごとく、ホ
ログラム3の基板1と接する面と対向する面を接着層4
を介してウィンドシールドガラス5の表面に貼着させ
る。その後、図4に示すごとく、基板1を上方向に引っ
張り、基板1をホログラム3から剥離する。これによ
り、ウィンドシールドガラス5には接着層4を介してホ
ログラム3のみが貼着される。
【0024】このようにして、ホログラム3が基板1よ
り被着基板であるウィンドシールドガラス5に転写する
ことが容易にできるのである。尚、ウィンドシールドガ
ラス5とホログラム3との間を接合する接着層4の接着
強度は、ホログラム3と基板1との間のの接着強度より
も大きくしている。即ち、接着層4とウィンドシールド
ガラス5との接着強度及び接着層4とホログラム3との
接着強度は、共にホログラム3と基板1との接着強度よ
りも大きい。
【0025】実施例2の接着層4としては、スチレンブ
タジエンラバーを用いる。次に、本例の作用効果につい
て説明する。実施例2においては、予め可撓性の基板1
にホログラム感光膜3aを積層して干渉縞を記録し、ホ
ログラム3を基板1上に形成する。そのため、ホログラ
ム感光層への露光、現像が容易である。
【0026】また、露光、現像後にウィンドシールドガ
ラス5に貼着し、次いで、ホログラム3をウィンドシー
ルドガラス5に接着維持させたまま、基板1のみを剥離
する。そのため、ホログラム3の基板1からウィンドシ
ールドガラス5への転写の際には、常にホログラム3を
基板に保持させることができるので、ホログラム3の破
損なく容易に転写を行うことができるばかりでなく、ウ
ィンドシールドガラス5の表面には、薄層のホログラム
3だけとすることが容易にできる。
【0027】また、ホログラム感光膜は、可撓性を有す
る高分子材料よりなる基板1上に設けたため、ホログラ
ム3及び基板1をウィンドシールドガラス5に接着した
際に、被着基材5の形状に合わせて自由に湾曲させるこ
とができる。従って、図5に示すごとく、ウィンドシー
ルドガラス5が湾曲した形状であっても、何ら支障なく
ホログラム3を貼着することができる。
【0028】上記実施例では、接着層4をウィンドシー
ルド5側に形成したが、ホログラム3のウィンドシール
ド5に対向する面に設けてもよい。その他、実施例1と
同様の効果を得ることができる。 実施例3 実施例3においては、図6に示すごとく、基板1とホロ
グラム3との間に、可撓性中間層2を配設している。こ
の可撓性中間層2は、光学特性がホログラムと近似して
いるスチレンブタジエンラバーを用いる。可撓性中間層
2は、ホログラム3に対するよりも基板1に対する接着
強度の方が弱い。
【0029】上記可撓性中間層2は、基板1とホログラ
ム3との接着性を向上させるために設けてある。そし
て、上記ホログラム感光膜に干渉縞を記録し、現像及び
乾燥を行いホログラム3とした後に、実施例2と同様の
接着層4を介して被着基材5に接着する。次いで、基板
1を上方向に引っ張ることにより、基板1が可撓性中間
層2から剥離する。それ故、ウィンドシールドガラス5
の表面には、ホログラム感光膜3と可撓性中間層2だけ
が残ることとなる。
【0030】その他は、実施例2と同様である。本例に
おいても、実施例2と同様の効果を得ることができる。 実施例4 実施例2によって得られたホログラム3が形成されたウ
ィンドシールドガラス5において、図7の如く、さらに
合わせガラス用の接着材であるポリ・ビニル・ブチラー
ル(PVB)よりなる接着層11を介して、別のガラス
板12を熱圧着させることによって、ホログラム3をウ
ィンドシールドガラスガラス5およびガラス12間の接
着層11中にホログラム3を封じ込んでもよい。
【0031】このホログラム3を封じ込めたウィンドシ
ールド13を図8に示す。このような構成とすることに
よって、ホログラム3が大気中に露出することがないの
で、大気雰囲気中の影響によるホログラム3の変形等が
なく良好なホログラム3を常に維持することができる。 実施例5 図8に示す構成によって、大気中の雰囲気からホログラ
ム3を保護することができた。しかしながら、図8に示
す構成では、PVBよりなる接着層11中にホログラム
3が封じ込められた構成としているため、接着剤層11
のPVB中に含有される水分により、ホログラム3の特
性が変化してしまうこと、PVBの表面凹凸によるホロ
グラムの歪みの発生が生じてしまう等の問題がある。
【0032】そこで、実施例5においては、そのような
問題を踏まえ、以下のとおりの構成とした。実施例5の
ガラスの重ね合わせよりなるウィンドシールド15の断
面図を図9に示す。図9に示す如く、実施例5において
は、接着層4を介してウィンドシールドガラス5上に設
けられたホログラム3の両面には、ホログラム3がPV
Bからの影響を防ぐための保護層である常温ガラスより
なる硬質保護層17aおよび17bが形成されている。
【0033】他の構成は実施例4と同一であり、同一部
材には、同一の符号を付した。以下ホログラム3が封じ
込められているウィンドシールド15の形成方法を詳細
に説明する。まずはじめに、可撓性を有する高分子材料
よりなる基板1上に、可撓性中間層2、硬質保護層17
aおよびホログラム感光膜を順次積層する。
【0034】ここで、可撓性中間層2は、具体的には、
ゼラチンやスチレン−ブタジエンラバー(SBR)より
なる。また、好ましくは、ガラスと高分子材料の屈折率
の中間の屈折率を有するものがよい。そして、この可撓
性中間層2は、基板1より硬質保護層17aが容易には
がれるようにするために設けられている。また、ホログ
ラム感光膜は、実施例1と同様、重クロム酸ゼラチンを
用いた。
【0035】次に、ホログラム感光膜をレーザー等によ
って露光、現像処理を行うことによって、所望の干渉縞
が形成されたホログラム3とする。そして、このホログ
ラム3の上に硬質保護層17bをさらに塗布する。順次
積層したホログラム素子20を図10に示す。この時、
硬質保護層としては、SiO2 からなるガラス系である
常温〜約200℃程度で液体からガラスに硬化する常温
ガラスを用いる。
【0036】ここで、基板1及びホログラム3への硬質
保護層17aおよび17bの形成方法を述べる。基板1
またはホログラム3へ硬質保護層を形成する際には、図
11に示すスピンコータ装置22を用いたスピンコータ
法を用いる。これは、装置中央の円板上に基板1を載置
し、約800rpm〜1200rpmの一定の速度にて
円板23を回転させる。この回転の挙動を図12を用い
て説明する。即ち、回転開始1〜2秒で、円板23の回
転数を約800rpm〜1200rpmとし約40秒間
行う。その後、約5秒かけて回転を停止させる。
【0037】そして、この回転中の円板23上に硬質保
護層となる例えば常温ガラス液18を滴下し、基板1上
に均一に、例えば厚さ10μmの硬質保護層17aを形
成するのである。その後、図13の如く、例えば車両の
ウィンドシールドガラス5のホログラム3を転写したい
所望の箇所に、接着剤を塗布し接着層4を形成する。
【0038】この接着層4は、前述の可撓性中間層2に
よる基板1と硬質保護層17aとの接着力よりも大きい
接着力で、硬質保護層17bと被着基板5とを接着させ
る接着力を有する。このようにして、ホログラム素子2
0の硬質保護層17bと被着基板5とを接着層4を介し
て接着させる。
【0039】その後、図13に記載された矢印Aの如
く、基板1の一端より剥がすことによって、硬質保護層
17aおよび17bに挟まれたホログラム3を基板1よ
り被着基板5上に転写することができる。その後、実施
例4の同様の手順によって、図9に示すホログラム3を
封じ込めたウィンドシールド15を得ることができる。
【0040】実施例5においては、ホログラム3を単に
ガラス間の接着層11中に封じ込めるだけでなく、ホロ
グラム3自体にも硬質保護層17aおよび17bを設け
たので、PVB等の接着層11からのホログラム3への
水分移行を抑えることができる。さらには、接着層11
の熱収縮や表面凹凸等の影響からホログラム3を保護す
ることもできる。さらには、仮に接着層11の水分によ
って、ホログラム3が変形したとしても、ホログラム3
の形状が硬質保護層17によって維持されているため、
ホログラム3の変形を防止することができる。
【0041】さらにまた、実施例5においては、ホログ
ラム3の両面に硬質保護層17を設けたので、ホログラ
ム3の基板1から被着基板5への転写時におけるホログ
ラム3への水分等の進入を防ぐことができ、作業性及び
ホログラムの取扱いが大幅に向上させることができる。
実施例5においては、硬質保護層の厚さを10μmとし
たが、本発明はこれに限るものではなく、好ましくは
0.1〜20μmの厚さがよい。
【0042】即ち、0.1μm以下の厚さを有する硬質
保護層では、外部からの水分等の影響からホログラムを
十分保護することができず、また、20μm以上の場合
には、透過性が劣化し、ホログラムの表示自体の明瞭さ
を損なわせてしまうからである。上記実施例において
は、ホログラム3の両面に硬質保護層17を設けたが、
本発明はこれに限るものではない。
【0043】即ち、図14の如く、ホログラム3の片面
のみに硬質保護層17を設けてもよい。また、図15の
如く、ホログラム3の両面に硬質保護層17a、17b
を設けるだけでなく、さらにその側面にも硬質保護層2
4を設けてもよい。このような構成とすることによっ
て、ホログラム3の防水効果をより向上させることがで
きる。
【0044】さらに、図16(a)および(b)に示す
如く、被着基板5上に接着層4を介してホログラム3を
転写したのち、ホログラム3の全体を覆うように、硬質
保護層26を設けてもよい。尚、図16(a)は正面
図、図16(b)は上面図を示す。また、上記実施例に
おいては、基板1またはホログラム3への硬質保護層の
形成をスピンコータ法を用いて行ったが、本発明はこれ
に限るものでない。
【0045】即ち、図17に示すように、硬質保護膜と
なる液体である常温ガラス液28を満たした容器30に
硬質保護層を塗布する基板1または基板1に設けたホロ
グラム3を浸す。その後、毎分5〜20cmでゆっくり
一定の速度で引き上げて均一塗布し、硬質保護膜を形成
してもよい。この時、塗布しない面には、保護フィルム
32を設ける。この方法を採用することによって、例え
ば2〜5μm程のスピンコータ法よりも薄い厚さの硬質
保護層を得ることができる。
【0046】また、図18に示す治具34を用いてもよ
い。即ち、マイクロメータヘッド36および引っかき棒
38のギャップによって、膜厚を制御し均一の塗布を行
ってもよい。尚、40は、マイクロメータであり、この
マイクロメータ40により、マイクロメータヘッド36
の高さを調節することによって、硬質保護層の膜厚の調
節を行うことができる。
【0047】上記実施例においては、硬質保護層とし
て、ガラス系のものであるSiO2 やTiO2 のものが
仕様できるが、その他に樹脂系の例えば紫外線効果型の
樹脂系コート剤等を採用してもよい。また、上記実施例
では、接着層4をウィンドシールド5側に形成したが、
硬質保護層17bの被着基板5と対向する面に設けても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のホログラム素子の断面図。
【図2】実施例2のホログラムの貼着方法を示す説明
図。
【図3】図2に続く、貼着方法を示す説明図。
【図4】図3に続く、貼着方法を示す説明図。
【図5】実施例2において、湾曲した被着基材に貼着し
たホログラム素子の断面図。
【図6】実施例3のホログラムの貼着方法を示す説明
図。
【図7】実施例4のホログラムの貼着方法を示す説明
図。
【図8】実施例4のホログラムの貼着構造を示す説明
図。
【図9】実施例5のホログラムの貼着方法を示す説明
図。
【図10】実施例5のホログラムの貼着方法を示す説明
図。
【図11】スピンコーター装置を示す模式図。
【図12】スピンコーターの回転状態を示す特性図。
【図13】実施例5のホログラムの貼着構造を示す説明
図。
【図14】他の実施例としてのホログラムと硬質保護層
との構成を示す構成図。
【図15】他の実施例としてのホログラムと硬質保護層
との構成を示す構成図。
【図16】(a)および(b)は、他の実施例としての
ホログラムと硬質保護層との構成を示す構成図。
【図17】硬質保護層の形成方法を説明する説明図。
【図18】硬質保護層の形成するための装置を示す模式
図。
【図19】従来例におけるホログラムを用いたヘッドア
ップディスプレイの説明図。
【符号の説明】
1 基板、 2 可撓性中間層、 3 ホログラム、 4 接着剤、 5 被着基板、
フロントページの続き (72)発明者 水野 透 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有する高分子材料よりなる基板
    の一方の面上に、ホログラム感光膜を形成し、 前記基板上において、前記ホログラム感光膜を露光しホ
    ログラムとなし、 該ホログラムの前記基板と接する面と対向する面を所望
    の被着基板に貼着させることを特徴とするホログラムの
    貼着方法。
  2. 【請求項2】 ホログラム感光膜と基板との間に、可撓
    性中間層を配設したことを特徴とする請求項1記載のホ
    ログラムの貼着方法。
  3. 【請求項3】 前記被着基板と前記ホログラムとの間に
    は、接着層が介在されていることを特徴とする請求項1
    記載のホログラムの貼着方法。
  4. 【請求項4】 前記ホログラムを前記被着基板上に貼着
    した後には、高分子よりなる基板を前記ホログラムより
    取り除くことを特徴とする請求項1記載のホログラムの
    貼着方法。
  5. 【請求項5】 前記ホログラム感光膜は、重クロム酸ゼ
    ラチンからなることを特徴とする請求項1記載のホログ
    ラムの貼着方法。
  6. 【請求項6】 高分子材料よりなる前記基板は、ポリカ
    ーボネート、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレー
    トの少なくとも一種よりなることを特徴とする請求項5
    記載のホログラムの貼着方法。
  7. 【請求項7】 高分子材料よりなる前記基板の屈折率
    は、1.44〜1.64であり、かつ複屈折は、波長6
    33nmにて測定した場合において、70nm以下であ
    り、基板の厚さが0.1mmの場合おいて、ヘイズが1
    %以下、光線透過率が85%以下であることを特徴とす
    る請求項5記載のホログラムの貼着方法。
  8. 【請求項8】 前記基板の厚さは、0.05mm〜0.
    4mmであることを特徴とする請求項1記載のホロクラ
    ムの貼着方法。
  9. 【請求項9】 可撓性を有する高分子材料よりなる基板
    の一方面上に、ホログラム感光膜を形成、 前記基板上において、前記ホログラム感光膜を露光する
    ことによって、ホログラムとなし、 該ホログラムの前記基板と接する面に対向する面に保護
    層を形成し、 該保護層の前記ホログラムと接する面と対向する面を被
    着基板に貼着させることを特徴とするホログラムの貼着
    方法。
  10. 【請求項10】 前記基板と前記ホログラムとの間に
    は、可撓性中間層が介在されることを特徴とする請求項
    9記載のホログラムの貼着方法。
  11. 【請求項11】 前記ホログラムの前記保護層に接する
    面と対向する面に保護層が設けられていることを特徴と
    する請求項9記載のホログラムの貼着方法。
  12. 【請求項12】 前記ホログラムと前記保護層との側面
    には、保護層が形成されていることを特徴とする請求項
    9記載のホログラムの貼着方法。
  13. 【請求項13】 前記被着基板の前記ホログラムを貼着
    する箇所には、前記ホログラムを貼着させる接着層が形
    成されていることを特徴すとる請求項9記載のホログラ
    ムの貼着方法。
  14. 【請求項14】 可撓性を有する高分子材料よりなる基
    板の一方面上に、ホログラム感光膜を形成し、 前記基板上において、前記ホログラム感光膜を露光しホ
    ログラムとなし、 該ホログラムの前記基板と接する面と対向する面を所望
    の被着基板に貼着し、 前記被着基板上に設けられた前記ホログラムを覆うよう
    に、保護層を形成することを特徴とするホログラムの貼
    着方法。
  15. 【請求項15】 可撓性の高分子材料よりなる基板と、
    該基板によって保持されるホログラムとからなることを
    特徴とするホログラム。
  16. 【請求項16】 前記ホログラムは、重クロム酸ゼラチ
    ンよりなることを特徴とする請求項15記載のホログラ
    ム。
  17. 【請求項17】 高分子材料よりなる前記基板の屈折率
    は、1.44〜1.64であり、かつ複屈折は、波長6
    33nmにて測定した場合において、70nm以下であ
    り、基板の厚さが0.1mmの場合おいて、ヘイズが1
    %以下、光線透過率が85%以下であることを特徴とす
    る請求項16記載のホログラム。
  18. 【請求項18】 被着基板と、該被着基板上に接着層を
    介して設けられ、所望の干渉縞が形成されたホログラム
    と、該ホログラム上に設けられ前記ホログラムの形状変
    化を保護する保護層とからなることを特徴とするホログ
    ラム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012504777A (ja) * 2008-10-01 2012-02-23 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト 自己現像性ポリマーをベースとする体積ホログラフィックのための媒体
JP2012517610A (ja) * 2009-02-09 2012-08-02 オプタグリオ エス.アー.オ. マイクロレリーフ構造

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