JPH0784504A - ホログラム及びこれを用いたホログラムディスプレイ素子 - Google Patents

ホログラム及びこれを用いたホログラムディスプレイ素子

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JPH0784504A
JPH0784504A JP25262693A JP25262693A JPH0784504A JP H0784504 A JPH0784504 A JP H0784504A JP 25262693 A JP25262693 A JP 25262693A JP 25262693 A JP25262693 A JP 25262693A JP H0784504 A JPH0784504 A JP H0784504A
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JP
Japan
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film
hologram
flexible resin
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resin film
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Application number
JP25262693A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Kato
哲也 加藤
Toshiki Sawake
淑樹 佐分
Naoyuki Kawazoe
尚幸 川添
Yasuhiro Mizutani
泰弘 水谷
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/01Head-up displays
    • G02B27/0101Head-up displays characterised by optical features
    • G02B27/0103Head-up displays characterised by optical features comprising holographic elements

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄板状かつ軽量で,柔軟に形状を変形させる
ことができるホログラム,及びこれを用いたホログラム
ディスプレイ素子を提供すること。 【構成】 干渉縞が記録されたゼラチン膜2と,該ゼラ
チン膜を配設した可撓性樹脂フィルム1とからなる。可
撓性樹脂フィルムは,非晶質ポリオレフィン,ポリカー
ボネート,又はポリメチルメタアクリレート等を用いる
ことが好ましい。可撓性樹脂フィルムの表面における入
射光側は,無反射コート膜により被覆されていることが
好ましい。無反射コート膜は,ディッピング法,又は蒸
着法を用いて形成された,SiO2 超微粒子被膜,又は
MgF2 被膜である。ホログラムは,2枚のカバープレ
ートの間に配置され,その周縁部を超音波溶着すること
により封入される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,自動車のヘッドアップ
ディスプレイ装置等に利用される,ホログラム及びこれ
を用いたホログラムディスプレイ素子に関する。
【0002】
【従来技術】近年,自動車のウインドシールド前方にス
ピード等を表示させるヘッドアップディスプレイ装置が
注目されている。該ヘッドアップディスプレイ装置は,
例えば,図12に示すごとく,光源を有する表示器90
と,該表示器90から発する光30を回折・反射させる
ホログラムディスプレイ素子91と,該ホログラムディ
スプレイ素子91からの回折光31を反射させて観者9
5に表示像94を視認させるウインドシールド92とを
有する。上記ウインドシールド92には,上記回折光3
1を反射させる蒸着膜929が蒸着されている。
【0003】ホログラムディスプレイ素子91は,図1
3に示すごとく,ホログラム911と,該ホログラム9
11をその上下から挟持するカバーガラス913,91
4とからなる。カバーガラス914は,ホログラム91
1に耐水性を付与している。カバーガラス913は,そ
の表面に無反射処理が施されたガラスを用いることによ
り,表面反射ノイズの低減に寄与している。ホログラム
911は,干渉縞が記録されたゼラチン膜910と,該
ゼラチン膜910の表面に貼着した基板ガラス912と
よりなる。
【0004】ホログラム911は,シール材97によ
り,カバーガラス913,914の間に封入し,固定さ
れている。ゼラチン膜910の外周には,図13,図1
4に示すごとく,シール巾Sを設け,シール材97によ
りゼラチン膜910を密封している。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記ホログラ
ムディスプレイ素子91においては,上記カバーガラス
は硬質材料であり,柔軟に形状を変形させることができ
ない。そのため,図13に示すごとく,上記ホログラム
ディスプレイ素子91を被貼着体99に貼着する場合,
被貼着体99の形状に沿わせることができない。また,
その取扱にも注意を要する。
【0006】また,ホログラム911に耐水性を付与す
るために,そのゼラチン面側をカバーガラス914によ
り封止している。そのため,ホログラムディスプレイ素
子91は,厚く,かさばり,重いという欠点がある。本
発明はかかる従来の問題点に鑑み,薄板状かつ軽量で,
柔軟に形状を変形させることができるホログラム,及び
これを用いたホログラムディスプレイ素子を提供しよう
とするものである。
【0007】
【課題の解決手段】本発明は,干渉縞が記録された回折
格子膜と,該回折格子膜を配設した可撓性樹脂フィルム
とからなることを特徴とするホログラムにある。
【0008】本発明において,可撓性樹脂フィルムは,
回折格子膜の表面,例えば片面又は両面に貼着してい
る。上記可撓性樹脂フィルムは,非晶質ポリオレフィ
ン,ポリカーボネート,ポリメチルメタアクリレート,
及びPFA(パーフルオロアルコキシポリエチレン)の
グループから選ばれた樹脂であることが好ましい。
【0009】その中,特に,非晶質ポリオレフィンであ
ることが好ましい。該非晶質ポリオレフィンフィルム
は,ポリオレフィンを非晶質化し,透明化したフィルム
である。即ち,元来,例えば,ポリエチレン,ポリプロ
ピレン等のポリオレフィンは,耐水性,撥水性に優れる
が,結晶質であり,不透明な材質である。本発明におい
ては,ポリオレフィンにおけるメチル基やエチル基等の
分岐鎖を多くすることにした。これにより,上記分岐鎖
による立体障害を増加し,分子間力を弱めることによ
り,非晶質化に成功し,透明で適切な屈折率を有するフ
ィルムとしている。
【0010】上記可撓性樹脂フィルムの表面における入
射光側は,再生画像のノイズ防止のため,無反射コート
膜により被覆されていることが好ましい。上記無反射コ
ート膜は,回折格子膜を形成する前に,予め可撓性樹脂
フィルムの表面に形成しておくことができる。また,回
折格子膜を形成した後,いずれの製造工程においても形
成することができる。
【0011】上記無反射コート膜は,SiO2 超微粒子
被膜,又はMgF2 被膜等であり,例えば,ディッピン
グ法,又は蒸着法を用いて形成される。上記SiO2
微粒子被膜は,光の反射を低減させる作用を有する。S
iO2超微粒子は粒径10〜150nmである。粒径が
10nm未満の場合には,屈折率変化層が薄すぎて効果
が小さくなるおそれがある。また,150nmを越える
場合には,段階的屈折率変化がラフになりすぎて効果が
小さくなるおそれがある。更に,SiO2 超微粒子の粒
径としては,100〜150nmが最も好ましい。
【0012】上記MgF2 被膜は,例えば,真空蒸着方
法により形成される。また,ホログラムの光入射側と反
対側は,黒色フィルムの散乱防止膜により被覆すること
が好ましい。上記回折格子膜は,ゼラチン膜,フォトポ
リマー膜,又はフォトレジスト膜等からなり,干渉縞が
記録されている。
【0013】上記ホログラムは,例えば,ウインドシー
ルドに貼着される。ウインドシールドの部材が2層構造
をとる場合には,該部材の間に封入することができる。
この場合,ウインドシールドの表面における少なくとも
入射光側は,再生画像のノイズ防止のため,無反射コー
ト膜により被覆されていることが好ましい。
【0014】上記ホログラムを用いたホログラムディス
プレイ素子としては,ホログラムと,該ホログラムを配
設したカバープレートとからなるホログラムディスプレ
イ素子であって,上記ホログラムは,干渉縞が記録され
た回折格子膜と,該回折格子膜を配設した可撓性樹脂フ
ィルムとからなることを特徴とするホログラムディスプ
レイ素子がある。
【0015】上記ホログラムは,上記カバープレートの
間に封入されるか,又はシール材により上記カバープレ
ートの表面に貼着される。上記カバープレートとして
は,上記可撓性樹脂フィルム,樹脂板,金属板,ガラス
基板等がある。上記金属板をカバープレートとして用い
る場合には,ホログラムの光入射側と反対側に設けられ
る。上記シール材としては,屈折率の調整がとれ,加熱
の必要のない紫外線硬膜化型タイプのものを用いること
が好ましい。
【0016】また,ホログラムディスプレイ素子の表面
における光入射側には,前述した無反射コート膜を,そ
の反対側には散乱防止膜を形成することが好ましい。
尚,用途によっては,上記無反射コート膜又は/及び散
乱防止膜を必要としない場合もある。
【0017】上記ホログラムと上記カバープレートと
は,その周縁部が超音波溶着されていることが好まし
い。これにより,ホログラムとカバープレートとの周縁
部にシール巾を設ける必要がなく,最も簡単な構造とな
る。上記超音波溶着とは,上記カバープレート及びホロ
グラムの周縁部に,超音波を照射し,該周縁部のカバー
プレート及びホログラムを溶接することである。
【0018】
【作用及び効果】本発明のホログラムにおいては,回折
格子膜の表面に可撓性樹脂フィルムを貼着している。そ
のため,可撓性樹脂フィルムは,柔軟に形状を変形させ
ることができる。それ故,上記ホログラムは,湾曲した
被貼着体にも,その表面に沿わせて貼着することができ
る。また,その取扱も容易である。また,可撓性樹脂フ
ィルムは,耐水性があるため,ホログラムに耐水性を付
与することができる。
【0019】また,可撓性樹脂フィルムは,軽量で,衝
撃にも強い。そのため,従来のカバーガラスよりも厚み
を薄くすることができる。また,上記可撓性樹脂フィル
ムは,耐熱性にも優れている。そのため,過酷な使用に
も耐えることができる。また,更に,可撓性樹脂フィル
ムの表面に,ディップ法等により,十分な特性を有する
上記無反射コート膜を形成することもできる。本発明に
よれば,薄板状かつ軽量で,柔軟に形状を変形させるこ
とができるホログラム,及びこれを用いたホログラムデ
ィスプレイ素子を提供することができる。
【0020】
【実施例】
実施例1 本発明にかかるホログラムについて,図1〜図5を用い
て説明する。上記ホログラム10は,図1に示すごと
く,干渉縞が記録されたゼラチン膜2と,該ゼラチン膜
2を被覆する可撓性樹脂フィルム1とよりなる。上記可
撓性樹脂フィルム1としては,非晶質ポリオレフィンを
用いている。可撓性樹脂フィルム1の厚みは,50μm
〜1.0mmである。可撓性樹脂フィルム1は,屈折率
が1.51であり,ゼラチン膜2の屈折率に近似してい
る。そのため,撮影時や再生時にも界面散乱によるノイ
ズが少なく,ホログラム材料として最適である。ゼラチ
ン膜2は,干渉縞が記録された回折格子膜であって,そ
の膜厚は,10〜40μmである。
【0021】次に,本例のホログラム10の製造方法に
ついて説明する。まず,図2に示すごとく,可撓性樹脂
フィルム1の表面に親水膜19を施し,ゼラチン溶液が
はじかないようにする。親水膜19としては,屈折率が
ガラスに近く,親水性の大きいスチレンブタジエンラバ
ーを塗布し,薄膜としたものを用いることが好ましい。
【0022】次に,2〜15%の6価クロムと5〜20
%のゼラチンとを添加したゼラチン液を調製し,該ゼラ
チン溶液を上記可撓性樹脂フィルム1の親水膜側に塗布
する。次いで,20℃50%RHの環境下において15
〜80時間上記ゼラチン液を乾燥し,ゲル化させる。こ
れにより,図3に示すごとく,可撓性樹脂フィルム1の
表面にゼラチン膜2が形成された,ホログラム乾板18
を得る。
【0023】次に,図4に示すごとく,上記ホログラム
乾板18の両面に屈折率調整液39を塗布し,プリズム
37と凸レンズ38との間に挟持する。該凸レンズ38
の大気側の表面には,反射膜381が形成されている。
上記屈折率調整液39としては,一般にシリコンオイル
が用いられる。シリコンオイルの屈折率は,1.48〜
1.55である。
【0024】この状態で,プリズム37側からレーザ光
を入射光35として入射させる。入射後,屈折率が均一
であるため,入射光35は凸レンズ38側へ直線的に進
行し,反射膜381で反射される。この反射光36と入
射光35とは,互いに干渉する。そして,再度,角度を
変えて上記と同様に撮影する。これにより,ゼラチン膜
2に2色の干渉縞が記録される。
【0025】次に,ホログラム乾板をエタノールで満た
された1〜3個の液槽に,順に通過させて,表面に付着
している屈折率調整液を洗浄する。次いで,20℃の恒
温水槽にてクロム除去を行い,ゼラチン膜2を膨潤させ
る。次に,ゼラチン膜2を写真用硬膜定着液(コダック
社のラピッドフィクサ液)に10分間程度浸漬する。こ
れによりゼラチン膜2が硬膜化する。尚,上記写真用硬
膜定着液には,界面活性剤としてドライウェルを0.5
〜1.0%添加することにより,気泡の発生による局所
的な硬膜化を防止することが好ましい。
【0026】次に,上記ゼラチン膜2を水洗して,上記
写真用硬膜定着液,界面活性剤等を洗い流す。次いで,
イソプロピルアルコール(IPA)により,高速脱水す
る。即ち,上記ホログラム乾板を,IPA水溶液で満た
された2〜4つの液槽内に通過させる。この液槽は,順
にIPAの濃度が高くなり,最後の液槽は100%IP
Aにより満たされている。その後,上記ホログラム乾板
を150℃,4時間,熱エージングし,自動車搭載環境
下での使用時にも再生波長の変化がないようにする。こ
れにより,図1に示す本例のホログラム10が得られ
る。
【0027】次に,本例の作用効果について説明する。
本例のホログラム10においては,ゼラチン膜2の表面
に可撓性樹脂フィルム1を貼着している。可撓性樹脂フ
ィルム1としては,非晶質ポリオレフィンを用いてい
る。そのため,柔軟に形状を変形させることができる。
それ故,ホログラム10は,湾曲した被貼着体にも,そ
の表面に沿わせて貼着することができる。また,その取
扱も容易である。
【0028】また,可撓性樹脂フィルム1は,耐水性が
あるため,ホログラム10に耐水性を付与することがで
きる。また,可撓性樹脂フィルム1は,軽量で,衝撃に
も強い。そのため,従来のカバーガラスよりも厚みを薄
くすることができる。
【0029】実施例2 本例においては,上記可撓性樹脂フィルムの特性につい
て検討した。検討に当たって,可撓性樹脂フィルムとし
て,非晶質ポリオレフィン,ポリカーボネート(P
C),ポリメチルメタアクリレート(PMMA),パー
フルオロアルコキシポリエチレン(PFA)を選択し,
試料1〜試料4とした。そして,これらの材質について
ホログラム材料に必要とされる表1に示す各項目につい
て測定した。
【0030】表1より知られるように,上記各試料と
も,十分な曲げ弾性率,曲げ強さと適度な屈折率とを有
し,ホログラム材料として使用可能なものであった。そ
の中でも,特に非晶質ポリオレフィンは,吸水率が0.
01%以下と低いこと,屈折率がゼラチン膜に近いこ
と,及び熱変形温度も123℃とフィルム状のホログラ
ムディスプレイ素子には最適であること,及び軽量であ
ることから,最もホログラム材料として優れているもの
であることがわかった。
【0031】尚,PCは,屈折率が1.59であり,屈
折率が1.53以下のゼラチン膜と比べて大きく,撮影
時にノイズが写し込まれるおそれがある。PMMAは,
耐熱性が90℃と低く,過酷な使用環境下,例えば自動
車搭載用として使用することは困難である。PFAは,
比重が重く,また曲げ弾性率も他の試料と比べると劣っ
ている。
【0032】
【表1】
【0033】実施例3 本例においては,上記実施例1のホログラムを用いたホ
ログラムディスプレイ素子について説明する。上記ホロ
グラムディスプレイ素子100は,図5に示すごとく,
上記ホログラム10の両面にカバープレート11,12
を配設している。上記ホログラムディスプレイ素子10
0の大気と接する光入射側の表面は,無反射コート膜5
1により被覆されている。一方,その他方の大気と接す
る表面側は散乱防止膜52により被覆されている。
【0034】上記無反射コート膜51は,超微粒子Si
2 膜であり,SiO2 超微粒子の粒径は10〜150
nmである。上記散乱防止膜52としては,黒色フィル
ム等を用いる。上記カバープレート11,12として
は,可撓性樹脂フィルム,即ち,非晶質ポリオレフィン
を用いる。各カバープレートの厚みは,0.1〜1mm
である。
【0035】次に,上記ホログラムディスプレイ素子1
00の製造方法について説明する。まず,図6に示すご
とく,実施例1のホログラムを準備する。また,該ホロ
グラムと同形状のカバープレート11,12を準備す
る。カバープレート11の片面には無反射コート膜51
としての超微粒子SiO2膜を形成する。
【0036】上記SiO2 超微粒子被膜を形成するに当
たっては,例えば,SiO2 超微粒子をアルコキシド溶
液に分散させ,超微粒子溶液を得る。次いで可撓性樹脂
フィルムの表面に上記超微粒子溶液を塗布し,又は超微
粒子溶液中に浸漬して,均一な厚みに成膜化する。次い
で,これを乾燥し,120℃程度の低温で焼成する。こ
れにより,SiO2 超微粒子が可撓性樹脂フィルムの表
面に固着し,強固で,かつ十分な無反射特性を有する上
記SiO2 超微粒子被膜が形成される。
【0037】この方法によれば,成膜制御を正確に行う
ことにより,0.1%以下の低反射率の無反射コート膜
を形成することが可能であり,ノイズのない非常に高品
質のホログラムとすることができる。一方,カバープレ
ート12の片面には,散乱防止膜52を黒テープ等を貼
着することにより形成する。
【0038】次に,真空環境下において,上記ホログラ
ム10を上記カバープレート11,12の間に配置し,
密封する。このとき,無反射コート膜51及び散乱防止
膜52が外側になるようにする。次いで,ホログラム1
0及びカバープレート11,12の周縁部を真空中で超
音波溶着する。これにより図5に示すホログラムディス
プレイ素子100が得られる。
【0039】次に,本例の作用効果について説明する。
本例においては,ホログラム10の両面を可撓性を有す
るカバープレート11,12により被覆している。その
ため,ホログラムディスプレイ素子100は,柔軟に形
状を変形させることができる。
【0040】また,ホログラムディスプレイ素子100
は,ホログラム10及びカバープレート11,12の周
縁部を真空中で超音波溶着することにより形成されてい
る。そのため,従来のようにその周縁部にシール巾を設
ける必要がなく,最も簡単な構造となる。また,耐水性
シール材を用いていないため,薄板化とすることがで
き,また軽量化を図ることができる。
【0041】また,上記超音波溶着は,真空状態で行っ
ているため,各プレートの間に空気が混入することがな
い。そのため,ゼラチン膜2を空気に晒すことなく,カ
バープレート12により完全に密封することができる。
それ故,ゼラチン膜2のホログラム特性が変化すること
なく,長期間使用することができる。
【0042】また,上記無反射コート膜51は,従来よ
り用いられてきたガラスの貼り合わせ構造においても,
該貼合せガラスの表面に,貼着することができる。この
場合,各ガラスを張り合わせた後に,上記無反射コート
膜を後付けすることもできる。また,1又は2枚以上の
ガラス貼り合わせ構造に対しても,同様に用いることが
できる。
【0043】実施例4 本例においては,図7に示すごとく,ホログラム10の
ゼラチン膜2側を,耐水性シール材15を介在させて,
カバープレート11により被覆している。カバープレー
トの周縁部には,ゼラチン膜2の周縁部を削除して,シ
ール巾Sを設け,耐水性シール材15がゼラチン膜2を
完全に覆うようにしている。
【0044】上記耐水性シール材15としては,例え
ば,屈折率調整がとれ,加熱の必要のない,ノーランド
社製の紫外線硬化型タイプのものを用いることが好まし
い。この耐水性シール材15を用いることにより,特
に,簡単に低反射ノイズのホログラムディスプレイ素子
を作製することができる。上記カバープレート11の光
入射側には無反射コート膜51が形成されている。その
他方の大気と接するカバープレート1の表面側には,散
乱防止膜52が形成されている。その他は,実施例3と
同様である。
【0045】本例のホログラムディスプレイ素子100
においては,耐水性シール材15を用いているが,この
場合においても上記超音波溶着を行った場合と同様にゼ
ラチン膜2を封止することができる。尚,本例において
は,カバープレート11として可撓性樹脂フィルムを用
いているが,図8に示すごとく,金属よりなるカバープ
レート13を用いることもできる。この場合,例えば,
可撓性樹脂フィルム1の光入射側に無反射コート膜51
が後付けされる。
【0046】実施例5 本例のホログラムは,図9,図10に示すごとく,ウイ
ンドシールド92の中に封止されている。上記ウインド
シールド92は,内板ガラス921と外板ガラス922
との間に配設され,接着材を用いて一体的に固定されて
いる。
【0047】上記内板ガラス921の光入射側には,無
反射コート膜51が貼着してある。該無反射コート膜5
1は,上記両ガラス921,922を貼り合わせた後
に,ディップ法により後付けされる。また,予め貼り合
わせる前に,上記内板ガラス921の表面に形成してお
くこともできる。
【0048】また,より簡便な方法として,フィルム状
の無反射コート膜を上記耐水性シール材により貼着して
もよい。上記耐水性シール材としては,例えば,ノーラ
ンド社製の紫外線硬化型タイプのものを用いることが好
ましい。上記ホログラム10は,実施例1と同様のもの
であり,干渉縞が記録されたゼラチン膜2と該ゼラチン
膜2を配設した可撓性樹脂フィルム1とよりなる。その
他は,実施例1と同様である。
【0049】上記ウインドシールド92を用いたヘッド
アップディスプレイ装置について,その例につき説明す
る。上記ヘッドアップディスプレイ装置は,図10に示
すごとく,光源を有する表示器90と,該表示器90か
ら発する光30を反射させる反射鏡93と,上記ホログ
ラム10を内板ガラス921と外板ガラス922との間
に封止したウインドシールド92とからなる。
【0050】該ホログラム10は,上記反射鏡93から
の反射光301を反射・回折させる。観者95は,この
回折光31を感知することにより,表示器90から映し
だされた表示像94を視認することができる。本例のホ
ログラム10は,可撓性を有している。そのため,湾曲
したウインドシールドの中にも封入することができる。
その他は,実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0051】実施例6 本例においては,図11,図12に示すごとく,ウイン
ドシールド92の表面に,耐水性シール材16を介して
ホログラム10を後付けしている。上記耐水性シール材
16としては,屈折率調整がとれ,加熱の必要のない,
ノーランド社製の紫外線硬化型タイプのものを用いる。
【0052】ホログラム10は,ゼラチン膜2と,該ゼ
ラチン膜2を配設した可撓性樹脂フィルム1と,該可撓
性樹脂フィルム1の光入射側の表面に貼着された無反射
コート膜51とを有している。上記ウインドシールド9
2は,実施例5と同様にして,ヘッドアップディスプレ
イ装置に用いることができる。その他は,実施例5と同
様である。
【0053】本例のホログラム10は,ウインドシール
ド92の表面に耐水性シール材16により後付けされた
ものである。そのため,簡易にかつ熱等の影響がなく,
高品位なホログラム特性を有するウインドシールド92
を作製することができる。また,大面積を有するウイン
ドシールド92の表面にも,上記のような簡易な方法に
より,ディップ法で非常に低反射の無反射コート膜51
を,形成することができる。また,上記耐水性シール材
16を用いることにより,非常い簡単にウインドシール
ド内にホログラムを封入した場合と同様の効果を実現す
ることができる。
【0054】また,表示像への影響もなく,封入時の熱
及び水分の影響もない。そのため,非常に有利に,低反
射ノイズで,高品質のホログラム付きウインドシールド
を作製することができる。このようなホログラムを後付
けする方法は,各種応用が考えられ,前述したように,
立体テレビや立体映画,立体アート等はもとより,自動
車の内側にも張り付けて,熱線反射用ホログラムとして
用いる等,様々な用途がある。その他,実施例5と同様
の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のホログラムの断面図。
【図2】実施例1における,親水膜を形成した可撓性樹
脂フィルムの断面図。
【図3】実施例1における,ホログラム乾板の断面図。
【図4】実施例1における,ホログラム乾板に干渉縞を
記録する方法を示す説明図。
【図5】実施例3のホログラムディスプレイ素子の断面
図。
【図6】実施例3のホログラムディスプレイ素子を製造
する方法を示す説明図。
【図7】実施例4のホログラムディスプレイ素子の断面
図。
【図8】実施例4の,他のホログラムディスプレイ素子
の断面図。
【図9】実施例5のウインドシールドの断面図。
【図10】実施例5の,ヘッドアップディスプレイ装置
の原理図。
【図11】実施例6のウインドシールドの断面図。
【図12】従来例のヘッドアップディスプレイ装置の原
理図。
【図13】従来例のホログラムディスプレイ素子の説明
図。
【図14】図13のA−A線矢視断面図。
【符号の説明】
1...可撓性樹脂フィルム, 10...ホログラム, 100...ホログラムディスプレイ素子, 11,12,13...カバープレート, 15,16...耐水性シール材, 2...ゼラチン膜, 51...無反射コート膜, 52...散乱防止膜, 92...ウインドシールド, S...シール巾,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 泰弘 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 干渉縞が記録された回折格子膜と,該回
    折格子膜を配設した可撓性樹脂フィルムとからなること
    を特徴とするホログラム。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記回折格子膜は,
    ゼラチン膜,フォトポリマー膜,及びフォトレジスト膜
    のグループから選ばれることを特徴とするホログラム。
  3. 【請求項3】 請求項1において,上記可撓性樹脂フィ
    ルムは,非晶質ポリオレフィン,ポリカーボネート,ポ
    リメチルメタアクリレート,及びPFA(パーフルオロ
    アルコキシポリエチレン)のグループから選ばれた樹脂
    であることを特徴とするホログラム。
  4. 【請求項4】 請求項1において,上記可撓性樹脂フィ
    ルムにおける入射光側は,無反射コート膜により被覆さ
    れていることを特徴とするホログラム。
  5. 【請求項5】 請求項4において,上記無反射コート膜
    は,ディッピング法,又は蒸着法を用いて形成されてい
    ることを特徴とするホログラム。
  6. 【請求項6】 請求項4において,上記無反射コート膜
    は,SiO2 超微粒子被膜,又はMgF2 被膜であるこ
    とを特徴とするホログラム。
  7. 【請求項7】 請求項1において,上記ホログラムはウ
    インドシールドに貼着されていることを特徴とするホロ
    グラム。
  8. 【請求項8】 ホログラムと,該ホログラムを配設した
    カバープレートとからなるホログラムディスプレイ素子
    であって,上記ホログラムは,干渉縞が記録された回折
    格子膜と,該回折格子膜を配設した可撓性樹脂フィルム
    とからなることを特徴とするホログラムディスプレイ素
    子。
  9. 【請求項9】 請求項8において,上記回折格子膜は,
    ゼラチン膜,フォトポリマー膜,及びフォトレジスト膜
    のグループから選ばれることを特徴とするホログラムデ
    ィスプレイ素子。
  10. 【請求項10】 請求項8において,上記可撓性樹脂フ
    ィルムは,非晶質ポリオレフィン,ポリカーボネート,
    ポリメチルメタアクリレート,及びPFA(パーフルオ
    ロアルコキシポリエチレン)のグループから選ばれた樹
    脂であることを特徴とするホログラムディスプレイ素
    子。
  11. 【請求項11】 請求項8において,上記ホログラムデ
    ィスプレイ素子における入射光側は,無反射コート膜に
    より被覆されていることを特徴とするホログラムディス
    プレイ素子。
  12. 【請求項12】 請求項11において,上記無反射コー
    ト膜は,ディッピング法,又は蒸着法を用いて形成され
    ていることを特徴とするホログラムディスプレイ素子。
  13. 【請求項13】 請求項11において,上記無反射コー
    ト膜は,SiO2 超微粒子被膜,又はMgF2 被膜であ
    ることを特徴とするホログラムディスプレイ素子。
  14. 【請求項14】 請求項8において,上記ホログラム
    は,2枚の上記カバープレートの間に封入されているこ
    とを特徴とするホログラムディスプレイ素子。
  15. 【請求項15】 請求項8において,上記カバープレー
    トと上記可撓性樹脂フィルムとは,その周縁部が超音波
    溶着されていることを特徴とするホログラムディスプレ
    イ素子。
JP25262693A 1991-10-09 1993-09-14 ホログラム及びこれを用いたホログラムディスプレイ素子 Pending JPH0784504A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6111670A (en) * 1996-12-20 2000-08-29 Denso Corporation Hologram device and method for producing the same
JP2009512906A (ja) * 2005-10-24 2009-03-26 アイティーティー マニュファクチャリング エンタープライジーズ, インコーポレイテッド 紫外スペクトル領域に最適化された体積位相ホログラフィック回折格子

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