JP3624460B2 - ホログラム部材 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は,自動車用ヘッドアップディスプレイ等に用いられる,ホログラム部材に関する。
【0002】
【従来技術】
自動車の運転において,速度などの表示を確認するためには,視線を外部環境から一旦インスツルパネル上の計器類に移さなければならない。この動作は,運転においては,必要不可欠であるが,非常に危険な行為でもある。また,頻繁な視線の移動は,運転者にかなりの疲労をもたらすといわれている。
そこで,近年,ホログラフィック光学素子を用いて,速度等の表示画像と外界の情報とを重ねて同時に確認できる,ヘッドアップディスプレイが提案されている。
【0003】
表示画像と外界の情報とは,ホログラムを利用したホログラフィックイメージコンバイナにより重ね合わされる。コンバイナは,特定の波長域λの光のみを効率よく反射し,特定波長域以外の光に対しては高い透過率を有する。そのため,コンバイナを見ると,コンバイナを通して認識される外部環境と,コンバイナにより反射されて認識される表示とが互いに重なりあう。
【0004】
自動車用のコンバイナとしては,例えば,ウインドシールドにホログラム部材を封入したものがある。その封入方法は,特願平6─45018号に示すごとく,支持部材の表面に親水コート膜を形成し,感光材を塗布してホログラム部材を得る。次いで,ホログラム部材に物体光と参照光とを照射して,感光材に像を記録し,現像する。次に,このホログラム部材の感光材の側を,接着層を介して,一方のウインドシールド部材に貼着し,支持部材を感光材から剥離する。その後,他方のウインドシールド部材により被覆する。
【0005】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来のホログラム部材においては,親水コート膜の接着力の制御が困難であった。即ち,親水コート膜の接着力を高くすると,支持部材を剥離する際に,感光材が破れてしまう場合がある。一方,親水コート膜の接着力を弱くすると,露光,現像等のホログラム形成工程において,感光材が支持部材から剥離するおそれがあり,作業性の低下を招くおそれがある。
【0006】
本発明はかかる従来の問題点に鑑み,支持部材から感光材を破損することなく容易に剥離することができ,かつ,ホログラムの形成工程における作業性に優れた,ホログラム部材を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】
本発明は,物体光と参照光とを照射して所望の像を記録することができる感光材と,該感光材を支持する支持部材とからなり,
上記支持部材の表面には,上記感光材における像を記録するべき記録領域以外の非記録領域に対面する部分に,上記感光材と密着可能な第1表面処理層が形成されており,
上記記録領域における感光材と支持部材との間の密着強度は,上記非記録領域における感光材と支持部材との間の密着強度よりも弱いことを特徴とするホログラム部材にある。
【0008】
本発明において,上記感光材は,所望の像を記録するべき記録領域と,それ以外の非記録領域とからなる。上記感光材の記録領域は,ホログラム形成後ホログラム部材から切り出した後に,ホログラムフィルムとして相手部材に貼着する部分である。一方,上記感光材の非記録領域は,ホログラム部材としてそのまま残し,廃棄する部分である。
【0009】
上記支持部材の表面には,感光材の非記録領域に対面する部分に,感光材と密着可能な強密着性の第1表面処理層が形成されている。
一方,上記支持部材の表面において,上記感光材の記録領域に対面する部分には,例えば,非記録領域よりも密着強度が弱い弱密着性の第2表面処理層が形成されている。また,支持部材と感光材との間の密着強度が,上記第1表面処理層と感光材との間の密着強度よりも弱い場合には,上記記録領域において,弱密着性の上記第2表面処理層を用いることなく,支持部材上に直接に感光材を形成してもよい。
【0010】
上記第1表面処理層,及び第2表面処理層は,例えば,1層又は2層以上の層より構成されている。即ち,記録領域には第2表面処理層だけを形成しておき,非記録領域には第1表面処理層だけを形成して,感光材と支持部材との間に,1層からなる,第1表面処理層及び第2表面処理層を設けることができる(図13参照)。また,ある部分(例えば,記録領域)については1層構成とし,他の部分(例えば,非記録領域)については2層構成とすることができる(図1,図14参照)。更に,第1表面処理層を1層又は2層以上とし,第2表面処理層を1層又は2層以上とすることもできる。
【0011】
例えば,上記第1,第2表面処理層の感光材に対する密着強度は,感光材が親水性か否かに着目して調整することができる。
即ち,感光材が強親水性であり,支持部材が弱親水性の場合には,非記録領域に対面する部分に強親水性の第1表面処理層を形成する。一方,記録領域と対面する部分には弱親水性の第2表面処理層を形成するか,又は支持部材の上に直接に感光材を形成する。この場合,非記録領域における感光材が,強親水性の第1表面処理層を介して,支持部材に強く密着する。一方,記録領域における感光材は,弱親水性の第2表面処理層を介して,支持部材に弱く密着する。
【0012】
逆に,感光材が弱親水性であり,支持部材が弱親水性の場合には,非記録領域に対面する部分に弱親水性の第1表面処理層を形成する。一方,記録領域と対面する部分には強親水性の第2表面処理層を形成する。この場合,非記録領域における感光材が,弱親水性の第1表面処理層を介して,支持部材に強く密着する。一方,記録領域における感光材は,強親水性の第2表面処理層を介して,支持部材に弱く密着する。
【0013】
また,上記第1,第2表面処理層の感光材に対する密着強度は,界面の結合力に着目して調整することもできる。
【0014】
上記第1,第2表面処理層とは,支持部材の表面を被覆する膜,又は支持部材の表面に化学的又は物理的処理を施して支持部材自体を加工することにより形成された層をいう。第1,第2表面処理層は,支持部材に対して強い接着性を有するものであることが好ましい。これにより,非記録領域において感光材と支持部材との密着強度が向上し,ホログラム部材を一体的に保持できる。
例えば,上記の強親水性の第1表面処理層がシリコン系材料の場合,上記の弱親水性の第2表面処理層としては,テフロン(フッ素系)材料を用いることができる。
【0015】
上記感光材としては,重クロム酸ゼラチン,銀塩,フォトポリマー等がある。この内,重クロム酸ゼラチン,銀塩は,比較的親水性の強い感光材である。フォトポリマーは,比較的親水性の弱い感光材である。
【0016】
上記支持部材としては,ガラス,ポリカーボネート樹脂,非晶性ポリオレフィン樹脂,メタクリル樹脂,ポリエステル樹脂,ポリアリレート樹脂,或いはエポキシ樹脂等を用いることができ,その形状は,板状,フィルム状等,任意である。
これらの中,ポリカーボネート樹脂,非晶性ポリオレフィン樹脂は,比較的親水性の弱いものである。一方,ガラスは,比較的親水性の強いものである。
【0017】
上記ホログラム部材は,例えば,以下のようにして使用することができる。
まず,上記ホログラム部材における上記感光材に対して,その記録領域に物体光と参照光とを照射して,これらを干渉させる。これにより,感光材の記録領域に像が記録される。次に,感光材を現像して,感光材の記録領域にホログラムを形成する。次に,上記ホログラム部材の感光材の側に,相手部材に接着するための接着層を形成する。
【0018】
次に,ホログラムを形成した記録領域におけるホログラム部材を切り出す。次に,当該切出部分の上記接着層の側を,自動車のフロントガラス等の相手部材の上に接着,固定する。その後,支持部材を感光材から剥離する。これにより,感光材の記録領域を相手部材に貼着することができる。
【0019】
【作用及び効果】
本発明のホログラム部材においては,支持部材の表面には,上記感光材における非記録領域に対面する部分に,上記感光材と密着可能な第1表面処理層が形成されている。第1表面処理層は,感光材を支持部材に密着,固定させている。
一方,記録領域における感光材は,上記第1表面処理層が形成されておらず,支持部材との密着性が弱い。そのため,感光材を相手部材に接着する際に,感光材を支持部材から容易に剥離することができる。また,剥離の際に感光材が損傷することもない。
【0020】
また,上記感光材は,その非記録領域において,密着可能な第1表面処理層により支持部材に密着,固定されている。そのため,本発明のホログラム部材は,感光材への像の記録,現像等といったホログラム形成工程において,取扱いやすく,作業性が高い。
【0021】
本発明によれば,支持部材から感光材を破損することなく容易に剥離することができ,かつ,ホログラムの形成工程における作業性に優れた,ホログラム部材を提供することができる。
【0022】
【実施例】
実施例1
本発明の実施例に係るホログラム部材について,図1〜図11を用いて説明する。
本例のホログラム部材は,図1,図2に示すごとく,所望の像が記録可能な感光材3と,感光材3を支持する支持部材9とからなる。支持部材9の表面には,感光材3における像を記録するべき記録領域32以外の非記録領域31に対面する部分に,感光材3と密着可能な第1表面処理層1が形成されている。
【0023】
また,上記支持部材9の表面には,感光材3の記録領域32に対面する部分に,非記録領域31よりも密着強度が弱い弱密着性の第2表面処理層2が形成されている。
記録領域32における感光材3と支持部材9との間の密着強度は,非記録領域31における感光材3と支持部材9との間の密着強度よりも弱い。
【0024】
上記ホログラム部材の記録領域32には,第1表面処理層1及び第2表面処理層2が重ねて形成されており,第2表面処理層2が感光材3と対面している。一方,ホログラム部材の非記録領域31には,第1表面処理層1が形成されている。
【0025】
感光材3は,親水性の高い重クロム酸ゼラチンを用いている。第1表面処理層1は,強親水性のシリコン系材料を用いている。第2表面処理層2は,弱親水性のシリコン系材料を用いている。支持部材9は,ポリカーボネート樹脂を用いている。
【0026】
次に,上記ホログラム部材の製造方法について説明する。
まず,図2に示すごとく,支持部材9の全表面に,印刷により,第1表面処理層1を形成する。
次に,上記支持部材9の表面における,感光材の記録領域に対面する部分に,印刷により,第2表面処理層2を形成する。
次に,図1に示すごとく,上記支持部材9の全表面に,上記第1表面処理層1および第2表面処理層2の上に重ねて重クロム酸ゼラチンを塗布して,感光材3を形成する。これにより,上記ホログラム部材71を得る。
【0027】
上記ホログラム部材は,例えば,図3〜図11に示すごとく,露光,現像によりホログラムが形成された後,自動車のフロントガラスに封入される。
即ち,まず,ホログラム部材71における上記記録領域32上の感光材3にレーザー光を照射して,感光材3を露光する。
【0028】
感光材の露光は,図3に示す2光束露光光学系を用いて行う。即ち,クリプトンレーザ61から照射されたレーザー光51(波長647.1nm)のうちハーフミラー60を通過したレーザー光を,反射鏡66により反射させる。そして,対物レンズ63を透過させて参照光511とする。この参照光511を上記ホログラム部材71の感光材3の記録領域に,入射光θにより照射する。入射光θは,クリプトンレーザ61と反射鏡66との角度により調整する。
【0029】
また,上記と同一のレーザ光51をハーフミラー60を介してレンズ630を透過させて,その透過光52を直接に物体65に照射角度θ’により照射する。その物体光521と,上記参照光511とをホログラム部材71の感光材3の記録領域において干渉させる。照射角度θ’は,クリプトンレーザ61とハーフミラー60との角度により調整する。
【0030】
また,その他の露光法として,図4に示す1光束露光光学系を用いて,感光材を露光してもよい。この1光束露光法は,物体65に一方方向から光を照射して,その透過した光が物体65に照射される。そして,その物体65によって反射された物体光521と参照光511とを感光材において干渉させる方法である。その他は,上記2光束露光光学系と同様である。
【0031】
次に,ホログラム部材71を水洗して重クロム酸塩を洗い落とす。次に,上記のごとく像を記録した感光材3を,イソプロピルアルコールにより現像し,乾燥させる。これにより,感光材3の記録領域にホログラムを形成する。
次に,図5に示すごとく,感光材3の表面に,相手部材に接着するための発粘性の接着剤4を塗布する。この接着剤4は,ロックタイト社製のFMD−207である。
【0032】
次に,図6に示すごとく,記録領域32におけるホログラム部材71を切出部分712として切り出す。このとき,その他の非記録領域31におけるホログラム部材71は,残存部分711としてそのまま残し,廃棄する。
次いで,図7に示すごとく,切出部分712を,上記接着剤4の側を下に向けて,相手部材81に載置する。次に,図8に示すごとく,ローラ79により切出部分712を相手部材81に押しつけ,接着させる。
【0033】
次に,図9に示すごとく,感光材3の表面から,支持部材9,第1,第2表面処理層1,2を一緒に剥離する。これにより,感光材3が相手部材81に貼着される。尚,剥離の際,第1,第2表面処理層1,2の殆どは,支持部材9に追随して,感光材3の表面から剥離するが,支持部材9及び感光材3への密着強度のバランスにより,上記表面処理層の一部分が感光材3の表面に残る場合もある。
【0034】
次に,上記相手部材81上の感光材3の上に,図11に示すごとく,接着剤82を介して,被覆部材83を載置し,熱圧着して,相手部材81と被覆部材83との間に,感光材3を封止する。上記相手部材81と被覆プレート83は,自動車のフロントガラスである。接着剤82は,ポリビニルブチラールである。これにより,感光材3を封入したウインドシールド8が得られる。このウインドシールドは,ホログラフィックイメージコンバイナとして働く。
【0035】
次に,本例の作用効果について説明する。
本例のホログラム部材71においては,図1に示すごとく,支持部材9の表面に,感光材3における非記録領域31に対面する部分に,第1表面処理層1が形成されている。感光材3と第1表面処理層1とはいずれも強親水性であり,馴染みがよい。そのため,第1表面処理層1は,感光材3を支持部材9に密着,固定させている。
【0036】
一方,記録領域32に対面する部分には,感光材3と密着性の弱い第2表面処理層2が形成されている。第2表面処理層2は弱親水性であり,強親水性の感光材3と馴染みが悪い。そのため,非記録領域31における感光材3は,支持部材9に対する密着性が弱い。それ故,感光材3を相手部材81に接着した際に,感光材を支持部材から容易に剥離することができる。また,剥離の際に感光材3が損傷することもない。
【0037】
また,記録領域32に対面する部分は,第2表面処理層2が形成されている。そのため,支持部材9の感光材3に対する密着性の有無にかかわらず,支持部材9の材質を任意に選択することができる。
また,感光材3は,その非記録領域31において,密着可能な第1表面処理層1により支持部材9に密着,固定されている。そのため,本例のホログラム部材71は,感光材3への像の記録,現像等といったホログラム形成工程において,取扱いやすく,作業性が高い。
【0038】
実施例2
本例のホログラム部材においては,図12に示すごとく,支持部材9の表面に,感光材3の非記録領域31に対面する部分だけに,感光材3に対する密着性の強い第1表面処理層1を形成している。一方,感光材3の記録領域32に対面する部分には,支持部材9が直接に感光材3と接触している。
【0039】
支持部材9は,感光材3に対する密着性が弱い材質,例えば,弱親水性のポリカーボネート樹脂を用いている。感光材3は親水性の重クロム酸ゼラチンを,第1表面処理層1は親水性のシリコン系材料を用いている。
その他は,実施例1と同様である。
【0040】
本例においては,支持部材9の表面には,1種類の第1表面処理層1を形成すれば良いため,2種類の表面処理層を形成した実施例1のホログラム部材に比較して,容易にホログラム部材72を製造することができる。その他,本例においても,実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0041】
実施例3
本例のホログラム部材においては,図13に示すごとく,支持部材9の表面には,感光材3の非記録領域31に対面する部分だけに,感光材3に対する密着性の強い第1表面処理層1が形成されている。一方,感光材3の記録領域32に対面する部分には,感光材3に対する密着性の弱い第2表面処理層2が形成されている。
その他は,実施例1と同様である。
本例においては,感光材3と支持部材9との間の密着性を自由に制御することができるので作業性の点において,特に効果を発揮することができる。
その他,実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0042】
実施例4
本例のホログラム部材においては,図14に示すごとく,弱親水性のフォトポリマーを感光材35として用いている。そして,その非記録領域31に対面する支持部材9の表面には,弱親水性のシリコン系材料からなる第1表面処理層12が形成されている。一方,記録領域32に対面する支持部材9の表面には,強親水性のシリコン系材料からなる第2表面処理層21が形成されている。
【0043】
上記ホログラム部材74の製造方法について,説明する。
まず,支持部材9の全表面に,親水性の第2表面処理層21を形成する。次に,その支持部材9の表面における,感光材の非記録領域31に対面する部分に,弱親水性の第1表面処理層12を形成する。次に,上記支持部材9の全表面に,感光材35を形成する。これにより,上記ホログラム部材74を得る。
【0044】
上記ホログラム部材74は,露光処理の後,紫外線により感光材35の硬化処理を行い,オーブンの中で安定化させる。
このホログラム部材74は,記録領域32を切り出した後,相手部材に貼着する。
その他は,実施例1と同様である。
【0045】
本例のホログラム部材74においては,感光材35が弱親水性であり,その非記録領域31と対面する部分には弱親水性の第1表面処理層12を形成している。そのため,感光材35と支持部材9とは馴染みが良く,密着強度が強い。
【0046】
また,感光材3の記録領域32に対面する部分には,強親水性の第2表面処理層21が形成されている。そのため,記録領域32において,感光材3と第2表面処理層21とは馴染みが悪く,密着強度が弱い。それ故,記録領域32におけるホログラム部材74を切り出した後,感光材35の記録領域32を,支持部材9から容易に剥離することができる。また,剥離の際に感光材35が損傷することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のホログラム部材の断面図。
【図2】実施例1の,第1,第2表面処理層を形成した支持部材の斜視図。
【図3】実施例1の,2光束露光光学系による露光法を示す説明図。
【図4】実施例1の,1光束露光光学系による露光法を示す説明図。
【図5】実施例1の,接着剤を塗布したホログラム部材の断面図。
【図6】実施例1の,記録領域におけるホログラム部材を切り出す方法を示す説明図。
【図7】実施例1の,ホログラム部材の切出部分を相手部材に載置する方法を示す説明図。
【図8】実施例1の,切出部分を相手部材に接着させる方法を示す説明図。
【図9】実施例1の,感光材から支持部材を剥離する方法を示す説明図。
【図10】実施例1の,感光材を貼着した相手部材の説明図。
【図11】実施例1の,感光材を被覆部材により被覆する方法を示す説明図。
【図12】実施例2のホログラム部材の断面図。
【図13】実施例3のホログラム部材の断面図。
【図14】実施例4のホログラム部材の断面図。
【符号の説明】
1,12...第1表面処理層,
2,21...第2表面処理層,
3,35...感光材,
31...非記録領域,
32...記録領域,
4...接着剤,
71,72,73,74...ホログラム部材,
81...相手部材,
9...支持部材,
【産業上の利用分野】
本発明は,自動車用ヘッドアップディスプレイ等に用いられる,ホログラム部材に関する。
【0002】
【従来技術】
自動車の運転において,速度などの表示を確認するためには,視線を外部環境から一旦インスツルパネル上の計器類に移さなければならない。この動作は,運転においては,必要不可欠であるが,非常に危険な行為でもある。また,頻繁な視線の移動は,運転者にかなりの疲労をもたらすといわれている。
そこで,近年,ホログラフィック光学素子を用いて,速度等の表示画像と外界の情報とを重ねて同時に確認できる,ヘッドアップディスプレイが提案されている。
【0003】
表示画像と外界の情報とは,ホログラムを利用したホログラフィックイメージコンバイナにより重ね合わされる。コンバイナは,特定の波長域λの光のみを効率よく反射し,特定波長域以外の光に対しては高い透過率を有する。そのため,コンバイナを見ると,コンバイナを通して認識される外部環境と,コンバイナにより反射されて認識される表示とが互いに重なりあう。
【0004】
自動車用のコンバイナとしては,例えば,ウインドシールドにホログラム部材を封入したものがある。その封入方法は,特願平6─45018号に示すごとく,支持部材の表面に親水コート膜を形成し,感光材を塗布してホログラム部材を得る。次いで,ホログラム部材に物体光と参照光とを照射して,感光材に像を記録し,現像する。次に,このホログラム部材の感光材の側を,接着層を介して,一方のウインドシールド部材に貼着し,支持部材を感光材から剥離する。その後,他方のウインドシールド部材により被覆する。
【0005】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来のホログラム部材においては,親水コート膜の接着力の制御が困難であった。即ち,親水コート膜の接着力を高くすると,支持部材を剥離する際に,感光材が破れてしまう場合がある。一方,親水コート膜の接着力を弱くすると,露光,現像等のホログラム形成工程において,感光材が支持部材から剥離するおそれがあり,作業性の低下を招くおそれがある。
【0006】
本発明はかかる従来の問題点に鑑み,支持部材から感光材を破損することなく容易に剥離することができ,かつ,ホログラムの形成工程における作業性に優れた,ホログラム部材を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】
本発明は,物体光と参照光とを照射して所望の像を記録することができる感光材と,該感光材を支持する支持部材とからなり,
上記支持部材の表面には,上記感光材における像を記録するべき記録領域以外の非記録領域に対面する部分に,上記感光材と密着可能な第1表面処理層が形成されており,
上記記録領域における感光材と支持部材との間の密着強度は,上記非記録領域における感光材と支持部材との間の密着強度よりも弱いことを特徴とするホログラム部材にある。
【0008】
本発明において,上記感光材は,所望の像を記録するべき記録領域と,それ以外の非記録領域とからなる。上記感光材の記録領域は,ホログラム形成後ホログラム部材から切り出した後に,ホログラムフィルムとして相手部材に貼着する部分である。一方,上記感光材の非記録領域は,ホログラム部材としてそのまま残し,廃棄する部分である。
【0009】
上記支持部材の表面には,感光材の非記録領域に対面する部分に,感光材と密着可能な強密着性の第1表面処理層が形成されている。
一方,上記支持部材の表面において,上記感光材の記録領域に対面する部分には,例えば,非記録領域よりも密着強度が弱い弱密着性の第2表面処理層が形成されている。また,支持部材と感光材との間の密着強度が,上記第1表面処理層と感光材との間の密着強度よりも弱い場合には,上記記録領域において,弱密着性の上記第2表面処理層を用いることなく,支持部材上に直接に感光材を形成してもよい。
【0010】
上記第1表面処理層,及び第2表面処理層は,例えば,1層又は2層以上の層より構成されている。即ち,記録領域には第2表面処理層だけを形成しておき,非記録領域には第1表面処理層だけを形成して,感光材と支持部材との間に,1層からなる,第1表面処理層及び第2表面処理層を設けることができる(図13参照)。また,ある部分(例えば,記録領域)については1層構成とし,他の部分(例えば,非記録領域)については2層構成とすることができる(図1,図14参照)。更に,第1表面処理層を1層又は2層以上とし,第2表面処理層を1層又は2層以上とすることもできる。
【0011】
例えば,上記第1,第2表面処理層の感光材に対する密着強度は,感光材が親水性か否かに着目して調整することができる。
即ち,感光材が強親水性であり,支持部材が弱親水性の場合には,非記録領域に対面する部分に強親水性の第1表面処理層を形成する。一方,記録領域と対面する部分には弱親水性の第2表面処理層を形成するか,又は支持部材の上に直接に感光材を形成する。この場合,非記録領域における感光材が,強親水性の第1表面処理層を介して,支持部材に強く密着する。一方,記録領域における感光材は,弱親水性の第2表面処理層を介して,支持部材に弱く密着する。
【0012】
逆に,感光材が弱親水性であり,支持部材が弱親水性の場合には,非記録領域に対面する部分に弱親水性の第1表面処理層を形成する。一方,記録領域と対面する部分には強親水性の第2表面処理層を形成する。この場合,非記録領域における感光材が,弱親水性の第1表面処理層を介して,支持部材に強く密着する。一方,記録領域における感光材は,強親水性の第2表面処理層を介して,支持部材に弱く密着する。
【0013】
また,上記第1,第2表面処理層の感光材に対する密着強度は,界面の結合力に着目して調整することもできる。
【0014】
上記第1,第2表面処理層とは,支持部材の表面を被覆する膜,又は支持部材の表面に化学的又は物理的処理を施して支持部材自体を加工することにより形成された層をいう。第1,第2表面処理層は,支持部材に対して強い接着性を有するものであることが好ましい。これにより,非記録領域において感光材と支持部材との密着強度が向上し,ホログラム部材を一体的に保持できる。
例えば,上記の強親水性の第1表面処理層がシリコン系材料の場合,上記の弱親水性の第2表面処理層としては,テフロン(フッ素系)材料を用いることができる。
【0015】
上記感光材としては,重クロム酸ゼラチン,銀塩,フォトポリマー等がある。この内,重クロム酸ゼラチン,銀塩は,比較的親水性の強い感光材である。フォトポリマーは,比較的親水性の弱い感光材である。
【0016】
上記支持部材としては,ガラス,ポリカーボネート樹脂,非晶性ポリオレフィン樹脂,メタクリル樹脂,ポリエステル樹脂,ポリアリレート樹脂,或いはエポキシ樹脂等を用いることができ,その形状は,板状,フィルム状等,任意である。
これらの中,ポリカーボネート樹脂,非晶性ポリオレフィン樹脂は,比較的親水性の弱いものである。一方,ガラスは,比較的親水性の強いものである。
【0017】
上記ホログラム部材は,例えば,以下のようにして使用することができる。
まず,上記ホログラム部材における上記感光材に対して,その記録領域に物体光と参照光とを照射して,これらを干渉させる。これにより,感光材の記録領域に像が記録される。次に,感光材を現像して,感光材の記録領域にホログラムを形成する。次に,上記ホログラム部材の感光材の側に,相手部材に接着するための接着層を形成する。
【0018】
次に,ホログラムを形成した記録領域におけるホログラム部材を切り出す。次に,当該切出部分の上記接着層の側を,自動車のフロントガラス等の相手部材の上に接着,固定する。その後,支持部材を感光材から剥離する。これにより,感光材の記録領域を相手部材に貼着することができる。
【0019】
【作用及び効果】
本発明のホログラム部材においては,支持部材の表面には,上記感光材における非記録領域に対面する部分に,上記感光材と密着可能な第1表面処理層が形成されている。第1表面処理層は,感光材を支持部材に密着,固定させている。
一方,記録領域における感光材は,上記第1表面処理層が形成されておらず,支持部材との密着性が弱い。そのため,感光材を相手部材に接着する際に,感光材を支持部材から容易に剥離することができる。また,剥離の際に感光材が損傷することもない。
【0020】
また,上記感光材は,その非記録領域において,密着可能な第1表面処理層により支持部材に密着,固定されている。そのため,本発明のホログラム部材は,感光材への像の記録,現像等といったホログラム形成工程において,取扱いやすく,作業性が高い。
【0021】
本発明によれば,支持部材から感光材を破損することなく容易に剥離することができ,かつ,ホログラムの形成工程における作業性に優れた,ホログラム部材を提供することができる。
【0022】
【実施例】
実施例1
本発明の実施例に係るホログラム部材について,図1〜図11を用いて説明する。
本例のホログラム部材は,図1,図2に示すごとく,所望の像が記録可能な感光材3と,感光材3を支持する支持部材9とからなる。支持部材9の表面には,感光材3における像を記録するべき記録領域32以外の非記録領域31に対面する部分に,感光材3と密着可能な第1表面処理層1が形成されている。
【0023】
また,上記支持部材9の表面には,感光材3の記録領域32に対面する部分に,非記録領域31よりも密着強度が弱い弱密着性の第2表面処理層2が形成されている。
記録領域32における感光材3と支持部材9との間の密着強度は,非記録領域31における感光材3と支持部材9との間の密着強度よりも弱い。
【0024】
上記ホログラム部材の記録領域32には,第1表面処理層1及び第2表面処理層2が重ねて形成されており,第2表面処理層2が感光材3と対面している。一方,ホログラム部材の非記録領域31には,第1表面処理層1が形成されている。
【0025】
感光材3は,親水性の高い重クロム酸ゼラチンを用いている。第1表面処理層1は,強親水性のシリコン系材料を用いている。第2表面処理層2は,弱親水性のシリコン系材料を用いている。支持部材9は,ポリカーボネート樹脂を用いている。
【0026】
次に,上記ホログラム部材の製造方法について説明する。
まず,図2に示すごとく,支持部材9の全表面に,印刷により,第1表面処理層1を形成する。
次に,上記支持部材9の表面における,感光材の記録領域に対面する部分に,印刷により,第2表面処理層2を形成する。
次に,図1に示すごとく,上記支持部材9の全表面に,上記第1表面処理層1および第2表面処理層2の上に重ねて重クロム酸ゼラチンを塗布して,感光材3を形成する。これにより,上記ホログラム部材71を得る。
【0027】
上記ホログラム部材は,例えば,図3〜図11に示すごとく,露光,現像によりホログラムが形成された後,自動車のフロントガラスに封入される。
即ち,まず,ホログラム部材71における上記記録領域32上の感光材3にレーザー光を照射して,感光材3を露光する。
【0028】
感光材の露光は,図3に示す2光束露光光学系を用いて行う。即ち,クリプトンレーザ61から照射されたレーザー光51(波長647.1nm)のうちハーフミラー60を通過したレーザー光を,反射鏡66により反射させる。そして,対物レンズ63を透過させて参照光511とする。この参照光511を上記ホログラム部材71の感光材3の記録領域に,入射光θにより照射する。入射光θは,クリプトンレーザ61と反射鏡66との角度により調整する。
【0029】
また,上記と同一のレーザ光51をハーフミラー60を介してレンズ630を透過させて,その透過光52を直接に物体65に照射角度θ’により照射する。その物体光521と,上記参照光511とをホログラム部材71の感光材3の記録領域において干渉させる。照射角度θ’は,クリプトンレーザ61とハーフミラー60との角度により調整する。
【0030】
また,その他の露光法として,図4に示す1光束露光光学系を用いて,感光材を露光してもよい。この1光束露光法は,物体65に一方方向から光を照射して,その透過した光が物体65に照射される。そして,その物体65によって反射された物体光521と参照光511とを感光材において干渉させる方法である。その他は,上記2光束露光光学系と同様である。
【0031】
次に,ホログラム部材71を水洗して重クロム酸塩を洗い落とす。次に,上記のごとく像を記録した感光材3を,イソプロピルアルコールにより現像し,乾燥させる。これにより,感光材3の記録領域にホログラムを形成する。
次に,図5に示すごとく,感光材3の表面に,相手部材に接着するための発粘性の接着剤4を塗布する。この接着剤4は,ロックタイト社製のFMD−207である。
【0032】
次に,図6に示すごとく,記録領域32におけるホログラム部材71を切出部分712として切り出す。このとき,その他の非記録領域31におけるホログラム部材71は,残存部分711としてそのまま残し,廃棄する。
次いで,図7に示すごとく,切出部分712を,上記接着剤4の側を下に向けて,相手部材81に載置する。次に,図8に示すごとく,ローラ79により切出部分712を相手部材81に押しつけ,接着させる。
【0033】
次に,図9に示すごとく,感光材3の表面から,支持部材9,第1,第2表面処理層1,2を一緒に剥離する。これにより,感光材3が相手部材81に貼着される。尚,剥離の際,第1,第2表面処理層1,2の殆どは,支持部材9に追随して,感光材3の表面から剥離するが,支持部材9及び感光材3への密着強度のバランスにより,上記表面処理層の一部分が感光材3の表面に残る場合もある。
【0034】
次に,上記相手部材81上の感光材3の上に,図11に示すごとく,接着剤82を介して,被覆部材83を載置し,熱圧着して,相手部材81と被覆部材83との間に,感光材3を封止する。上記相手部材81と被覆プレート83は,自動車のフロントガラスである。接着剤82は,ポリビニルブチラールである。これにより,感光材3を封入したウインドシールド8が得られる。このウインドシールドは,ホログラフィックイメージコンバイナとして働く。
【0035】
次に,本例の作用効果について説明する。
本例のホログラム部材71においては,図1に示すごとく,支持部材9の表面に,感光材3における非記録領域31に対面する部分に,第1表面処理層1が形成されている。感光材3と第1表面処理層1とはいずれも強親水性であり,馴染みがよい。そのため,第1表面処理層1は,感光材3を支持部材9に密着,固定させている。
【0036】
一方,記録領域32に対面する部分には,感光材3と密着性の弱い第2表面処理層2が形成されている。第2表面処理層2は弱親水性であり,強親水性の感光材3と馴染みが悪い。そのため,非記録領域31における感光材3は,支持部材9に対する密着性が弱い。それ故,感光材3を相手部材81に接着した際に,感光材を支持部材から容易に剥離することができる。また,剥離の際に感光材3が損傷することもない。
【0037】
また,記録領域32に対面する部分は,第2表面処理層2が形成されている。そのため,支持部材9の感光材3に対する密着性の有無にかかわらず,支持部材9の材質を任意に選択することができる。
また,感光材3は,その非記録領域31において,密着可能な第1表面処理層1により支持部材9に密着,固定されている。そのため,本例のホログラム部材71は,感光材3への像の記録,現像等といったホログラム形成工程において,取扱いやすく,作業性が高い。
【0038】
実施例2
本例のホログラム部材においては,図12に示すごとく,支持部材9の表面に,感光材3の非記録領域31に対面する部分だけに,感光材3に対する密着性の強い第1表面処理層1を形成している。一方,感光材3の記録領域32に対面する部分には,支持部材9が直接に感光材3と接触している。
【0039】
支持部材9は,感光材3に対する密着性が弱い材質,例えば,弱親水性のポリカーボネート樹脂を用いている。感光材3は親水性の重クロム酸ゼラチンを,第1表面処理層1は親水性のシリコン系材料を用いている。
その他は,実施例1と同様である。
【0040】
本例においては,支持部材9の表面には,1種類の第1表面処理層1を形成すれば良いため,2種類の表面処理層を形成した実施例1のホログラム部材に比較して,容易にホログラム部材72を製造することができる。その他,本例においても,実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0041】
実施例3
本例のホログラム部材においては,図13に示すごとく,支持部材9の表面には,感光材3の非記録領域31に対面する部分だけに,感光材3に対する密着性の強い第1表面処理層1が形成されている。一方,感光材3の記録領域32に対面する部分には,感光材3に対する密着性の弱い第2表面処理層2が形成されている。
その他は,実施例1と同様である。
本例においては,感光材3と支持部材9との間の密着性を自由に制御することができるので作業性の点において,特に効果を発揮することができる。
その他,実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0042】
実施例4
本例のホログラム部材においては,図14に示すごとく,弱親水性のフォトポリマーを感光材35として用いている。そして,その非記録領域31に対面する支持部材9の表面には,弱親水性のシリコン系材料からなる第1表面処理層12が形成されている。一方,記録領域32に対面する支持部材9の表面には,強親水性のシリコン系材料からなる第2表面処理層21が形成されている。
【0043】
上記ホログラム部材74の製造方法について,説明する。
まず,支持部材9の全表面に,親水性の第2表面処理層21を形成する。次に,その支持部材9の表面における,感光材の非記録領域31に対面する部分に,弱親水性の第1表面処理層12を形成する。次に,上記支持部材9の全表面に,感光材35を形成する。これにより,上記ホログラム部材74を得る。
【0044】
上記ホログラム部材74は,露光処理の後,紫外線により感光材35の硬化処理を行い,オーブンの中で安定化させる。
このホログラム部材74は,記録領域32を切り出した後,相手部材に貼着する。
その他は,実施例1と同様である。
【0045】
本例のホログラム部材74においては,感光材35が弱親水性であり,その非記録領域31と対面する部分には弱親水性の第1表面処理層12を形成している。そのため,感光材35と支持部材9とは馴染みが良く,密着強度が強い。
【0046】
また,感光材3の記録領域32に対面する部分には,強親水性の第2表面処理層21が形成されている。そのため,記録領域32において,感光材3と第2表面処理層21とは馴染みが悪く,密着強度が弱い。それ故,記録領域32におけるホログラム部材74を切り出した後,感光材35の記録領域32を,支持部材9から容易に剥離することができる。また,剥離の際に感光材35が損傷することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のホログラム部材の断面図。
【図2】実施例1の,第1,第2表面処理層を形成した支持部材の斜視図。
【図3】実施例1の,2光束露光光学系による露光法を示す説明図。
【図4】実施例1の,1光束露光光学系による露光法を示す説明図。
【図5】実施例1の,接着剤を塗布したホログラム部材の断面図。
【図6】実施例1の,記録領域におけるホログラム部材を切り出す方法を示す説明図。
【図7】実施例1の,ホログラム部材の切出部分を相手部材に載置する方法を示す説明図。
【図8】実施例1の,切出部分を相手部材に接着させる方法を示す説明図。
【図9】実施例1の,感光材から支持部材を剥離する方法を示す説明図。
【図10】実施例1の,感光材を貼着した相手部材の説明図。
【図11】実施例1の,感光材を被覆部材により被覆する方法を示す説明図。
【図12】実施例2のホログラム部材の断面図。
【図13】実施例3のホログラム部材の断面図。
【図14】実施例4のホログラム部材の断面図。
【符号の説明】
1,12...第1表面処理層,
2,21...第2表面処理層,
3,35...感光材,
31...非記録領域,
32...記録領域,
4...接着剤,
71,72,73,74...ホログラム部材,
81...相手部材,
9...支持部材,
Claims (6)
- 物体光と参照光とを照射して所望の像を記録することができる感光材と,該感光材を支持する支持部材とからなり,
上記支持部材の表面には,上記感光材における像を記録するべき記録領域以外の非記録領域に対面する部分に,上記感光材と密着可能な第1表面処理層が形成されており,
上記記録領域における感光材と支持部材との間の密着強度は,上記非記録領域における感光材と支持部材との間の密着強度よりも弱いことを特徴とするホログラム部材。 - 請求項1において,上記支持部材の表面において,上記感光材の記録領域に対面する部分には,上記非記録領域に対面する部分よりも密着強度が弱い弱密着性の第2表面処理層が形成されていることを特徴とするホログラム部材。
- 請求項1又は2において,上記支持部材と感光材との間の密着強度は,上記第1表面処理層と感光材との間の密着強度よりも弱いことを特徴とするホログラム部材。
- 請求項1〜3のいずれか1項において,上記感光材は,重クロム酸ゼラチン,銀塩,或いはフォトポリマーのいずれかであることを特徴とするホログラム部材。
- 請求項1〜4のいずれか1項において,上記支持部材は,ガラス,ポリカーボネート樹脂,非晶性ポリオレフィン樹脂,メタクリル樹脂,ポリエステル樹脂,ポリアリレート樹脂,或いはエポキシ樹脂のいずれかであることを特徴とするホログラム部材。
- 請求項2〜5のいずれか1項において,上記第1表面処理層及び第2表面処理層は,1層或いは2層以上の層より構成されていることを特徴とするホログラム部材。
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