JPH1115358A - ホログラム - Google Patents

ホログラム

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JPH1115358A
JPH1115358A JP9185879A JP18587997A JPH1115358A JP H1115358 A JPH1115358 A JP H1115358A JP 9185879 A JP9185879 A JP 9185879A JP 18587997 A JP18587997 A JP 18587997A JP H1115358 A JPH1115358 A JP H1115358A
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hologram
adhesive
hologram element
cover film
pressure
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JP9185879A
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Yasuhiro Mizutani
泰弘 水谷
Naoyuki Kawazoe
尚幸 川添
Hidekazu Hattori
秀和 服部
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Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/02Details of features involved during the holographic process; Replication of holograms without interference recording
    • G03H1/0252Laminate comprising a hologram layer
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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    • G03H2250/00Laminate comprising a hologram layer
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    • G03H2260/00Recording materials or recording processes
    • G03H2260/12Photopolymer

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿性,耐薬品性,耐溶剤性及び耐熱性に優
れ,かつ,変色を防止し,ホログラム特性を維持するこ
とができ,更にはホログラム素子の位置合わせ補正が容
易なホログラムを提供する。 【解決手段】 フォトポリマーからなるホログラム素子
3と,その表面を被覆するカバーフィルム22及びカバ
ープレート21とを有する。カバーフィルムとホログラ
ム素子との間,カバープレートとホログラム素子との間
は,粘着剤1により接合されている。粘着剤1の重量平
均分子量は,800,000〜1,300,000であ
ることが好ましく,また,粘着剤は,酸成分を吸収する
ように改質されていること,酸成分を吸着し得る官能基
を有することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,ホログラムに関し,特にホログ
ラム素子とカバーフィルムとの接着性に関する。
【0002】
【従来技術】従来,ホログラム素子の感光材料として
は,重クロム酸ゼラチン,フォトポリマーが用いられて
いた。重クロム酸ゼラチン製ホログラム素子は,高い回
折効率を有し再生像が明るい。しかし,湿気を吸収し易
く,これによりホログラム特性が変化するという問題が
あった。
【0003】また,フォトポリマー製ホログラム素子
は,耐湿性を有するが,その反面,耐溶剤性,耐薬品性
に劣るという問題がある。そのため,高温雰囲気,高温
高湿雰囲気での品質信頼性が不十分であった。
【0004】このように,従来から,ホログラム素子を
外部環境から保護することが必要であった。そこで,従
来,重クロム酸ゼラチン製ホログラム素子を用いる場合
には,ホログラム素子を保護する第1の手段として,ホ
ログラム素子表面をガラス製のプレートにより被覆する
こと,また第2の手段として,超低湿度(露点−20℃
以下)でホログラム素子を製造することが行われてい
た。
【0005】また,フォトポリマー製ホログラム素子を
用いる場合には,第1の手段として,ホログラム素子に
プレート表面からプレートを透過して湿気が侵入するこ
とによる水溶性溶剤のホログラム素子への移行を防止す
るために,プレート表面に無機層を設けること(特開昭
64−40882号公報)が提案されている。
【0006】また,第2の手段として,ホログラム素子
を接着剤を用いてプレートと貼り合わせることが提案さ
れている(特開平5−203812号公報)。かかる光
学用の接着剤には,ホログラム素子の性質を保持するた
め,特殊な材料が用いられている。かかる光学用の接着
剤としては,従来,例えば,可塑剤を含まない接着剤
(特開平6−56484号公報),多官能アクリレート
と重合開始剤とからなる接着剤(特開平3−15768
4号公報)が提案されている。
【0007】
【解決しようとする課題】しかし,上記従来のホログラ
ム素子保護手段においては,以下の問題があった。ま
ず,重クロム酸ゼラチン製ホログラム素子を用いる場合
の上記第1の手段では,ガラス製のプレートを用いるこ
とでホログラム素子の軽量化が妨げられ,また,形状が
平面等で設計自由度が小さいことより用途が限定されて
いた。第2の手段では,超低湿度下での製造は作業性を
悪化させる原因となっていた。
【0008】フォトポリマー製ホログラム素子を用いる
場合の上記第1の手段は,ホログラム素子がポリビニル
カルバゾール系に限定されており,それ以外のフォトポ
リマーを用いた場合には,溶剤,薬品等によってホログ
ラム特性の変化,ホログラム素子の変色をもたらし,耐
久性に劣るという問題がある。
【0009】また,第2の手段では,ホログラム素子の
接着の際に,接着剤の中に気泡が混入してホログラム素
子の光学特性を変化させるという問題があった。そこ
で,接着剤の中に消泡剤を添加するということが考えら
れる。しかし,比較的小さい気泡は吸収できるが,貼り
合わせ時に巻き込む比較的大きい気泡は吸収できない。
【0010】また,ホログラム素子に接着剤を塗布しプ
レートと貼り合わせた後に,接着剤が両者の間からはみ
出すことがある。そのため,はみ出した接着剤を拭き取
る等の処理が必要であった。また,ホログラム素子とプ
レートとの間に位置ずれが生じた場合には,そのまま接
着剤で貼り合わせると,ホログラム素子とプレートとは
接着剤により固定されて,後で位置合わせの補正をする
ことができない。
【0011】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,耐湿
性,耐薬品性,耐溶剤性及び耐熱性に優れ,かつ,変色
を防止し,ホログラム特性を維持することができ,更に
はホログラム素子の位置合わせ補正が容易な,ホログラ
ムを提供しようとするものである。
【0012】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,フォトポリマー
からなるホログラム素子と,該ホログラム素子の片面又
は両面を被覆するカバーフィルムとを有するホログラム
において,上記カバーフィルムとホログラム素子とは,
粘着剤により接合されていることを特徴とするホログラ
ムである。
【0013】本発明において最も注目すべきことは,ホ
ログラム素子とカバーフィルムとを粘着剤を用いて接合
したことである。粘着剤は,常態にて軟化状態であり,
流動性がなく,タック性(粘着性)を有する材料であ
る。粘着剤は,その粘着性によって,ホログラム素子と
カバーフィルムとを接合できる。
【0014】また,粘着剤は流動性がないため,粘着剤
がホログラム素子とカバーフィルムとの間で押圧力を受
けた場合にも,ホログラム素子とカバーフィルムとの間
から粘着剤がはみ出さすことはない。そのため,はみ出
した粘着剤の除去作業が不要となり,作業性が向上す
る。また,粘着剤は,常態で硬化しないため,ホログラ
ム素子がカバーフィルムに対して位置ずれが生じたまま
接合された場合にも,後でホログラム素子とカバーフィ
ルムとの位置合わせ補正が自由にできる。
【0015】請求項2の発明のように,上記粘着剤の重
量平均分子量(以下,分子量という。)は,800,0
00〜1,300,000であることが好ましい。これ
により,高温雰囲気又は高温高湿雰囲気においてホログ
ラム素子とカバーフィルムとの成分が粘着剤を通じて他
方側へ移行することを防止できる。即ち,上記分子量を
有する粘着剤は,ホログラム素子又はカバーフィルムの
中に含まれることがある成分,例えば可塑剤,オリゴマ
ー等を通過させずに,ホログラム素子又はカバーフィル
ム内に滞溜させることができる。
【0016】そのため,粘着剤がこれらの成分を遮断
(バリア)して,一方側の成分が他方側に移行すること
を抑制する。従って,ホログラム素子及びカバーフィル
ムの中の成分が混ざり合うおそれはない。このため,ホ
ログラム素子のホログラム特性を維持することができ
る。また,粘着剤の分子量が低いほど分子間の架橋密度
が高くなるため,粘着剤のバリア性が粘着剤の分子量が
低いほど強くなる。
【0017】しかし,粘着剤の分子量が800,000
未満の場合には,粘着剤の移行成分のバリア性が高くな
る反面,粘着剤の粘着力が低下して,ホログラム素子と
カバーフィルムとの接合強度が低下し,高温高湿雰囲気
でのカバーフィルムの浮きの原因となりホログラムの耐
久性が低下するおそれがある。また,粘着剤の分子量が
1,300,000を超える場合には,粘着剤の架橋密
度が小さくなり,カバーフィルムの中の可塑剤,オリゴ
マー等の成分が粘着剤を透過しやすくなり,これらの成
分がホログラム素子に移行して,ホログラム特性の変
化,劣化をもたらす場合がある。
【0018】ここで,移行発生時のホログラム特性への
影響は,カバーフィルムからホログラム素子への移動が
大きいと,ホログラム素子が膨潤する。そのため,反射
型ホログラムの場合には,干渉縞のピッチが拡がること
により,再生波長が長波長側にシフトする。透過型ホロ
グラムの場合には,干渉縞の傾きが変化し,回折方向が
変化する。
【0019】逆に,ホログラム素子からカバーフィルム
への移行が大きいと,ホログラム素子が収縮する。その
ため,反射型ホログラムの場合には,再生波長が短波長
側にシフトする。透過型ホログラムの場合には,上記の
膨潤時とは反対側に回折方向が変化する。カバーフィル
ムとホログラム素子との成分移行による膨潤収率の方向
は,カバーフィルムの種類により決定される。
【0020】請求項3の発明のように,上記粘着剤は,
酸成分を吸収するように改質されていることが好まし
い。これにより,粘着剤が,カバーフィルムの中に含ま
れていることがある酸成分を吸収するため,酸成分の相
互移行を防止できる。このため,カバーフィルム内の酸
成分がホログラム素子の中に移行することを防止でき,
ホログラム素子の黄色等への変色を抑制できる。
【0021】具体的には,請求項4の発明のように,上
記粘着剤は,酸成分を吸着し得る官能基を有することが
好ましい。これにより,酸成分の移行を抑制でき,ホロ
グラム素子の変色を防止できる。
【0022】例えば,請求項5の発明のように,上記粘
着剤は,天然ゴム,ポリイソプレン,スチレン−ブタジ
エンゴム,ブチルゴム,ポリイソブチレン,ポリアクリ
ル酸ブチル,ポリアクリル酸−2−エチルヘキシル,ポ
リアクリル酸,シリコーンゴム,及びポリビニルブチル
エーテルのグループから選ばれる1種又は2種以上から
なることが好ましい。これにより,ホログラム素子とカ
バーフィルムとの成分移行をより一層効果的に防止でき
る。
【0023】請求項6の発明のように,上記カバーフィ
ルムは,ポリエチレンテレフタレート,トリアセチルセ
ルロース,アクリル,及びウレタンのグループから選ば
れる1種又は2種以上であることが好ましい。これによ
り,ホログラム素子を湿気から遮断できるとともに,ホ
ログラムの軽量化を実現できる。また,これらのカバー
フィルムは,ホログラム素子の特性,変色の原因となる
可塑剤,オリゴマー,酸等の成分を含むことが多い。本
発明においては,上記の粘着剤を用いることにより,こ
れらの成分がホログラム素子に移行することを抑制で
き,ホログラム特性の維持,及び変色を防止できる。
【0024】なお,カバーフィルムは,板状体,膜状体
でもよい。カバーフィルムにおけるホログラム素子との
対向面と反対側の表面には,上記粘着剤が所望箇所に付
与されていてもよい。これにより,上記ホログラムを支
持部材に対して位置補正可能に接合できる。
【0025】また,請求項7の発明のように,上記ホロ
グラムは,外光を透過し外景を観者に視認させると共に
表示情報を含んだ信号光を回折し回折光を観者に視認さ
せるホログラムコンバイナであることが好ましい。かか
るホログラムコンバイナは,反射型,透過型のいずれで
もよく,その用途としては例えば,自動車,電車等の車
両用のヘッドアップディスプレイ,接客用の窓口に使用
する表示装置等各種のものがある。
【0026】また,請求項8の発明のように,上記ホロ
グラムは,ホログラムスクリーンであることが好まし
い。具体的には,ホログラムスクリーンは,ホログラム
に散乱板(拡散板)を記録し,これに,結像機により特
定の光を照射することによってホログラムに表示像を結
像させる。これにより,ホログラムスクリーンに表示さ
れた表示像を広い範囲から視認することができる。ホロ
グラムスクリーンは,建築用窓,ガラス戸,透明間仕切
板,ショーケース,乗り物用の窓に設けることができ
る。
【0027】例えば,請求項9の発明のように,上記ホ
ログラムは,ヘッドアップディスプレイ用ホログラムで
ある。上記ホログラムコンバイナ及び上記ホログラムス
クリーンもヘッドアップディスプレイとして用いること
ができる。粘着剤は,耐熱性,耐湿性,耐久性,耐候性
に優れているため,野外,車両等の過酷条件下であって
も,ホログラムの特性を維持するとともにホログラムの
変色を抑制できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるホログラムについて,図1
〜図8を用いて説明する。本例のホログラム7は,図1
に示すごとく,フォトポリマーからなるホログラム素子
3と,該ホログラム素子3の上面を被覆するカバーフィ
ルム21と,ホログラム素子3の下面を被覆するカバー
プレート22とからなる。ホログラム素子3とカバーフ
ィルム21,ホログラム素子3とカバープレート22と
の間は,分子量1000000のアクリル系樹脂からな
る粘着剤1により接合されている。
【0029】次に,ホログラムの製造方法について説明
する。まず,図2に示すごとく,ガラス基板5の上に,
乾燥後の膜厚が20〜40μmになるようにフォトポリ
マーをアプリケータ8を用いて塗布して,ホログラム素
子3を形成する。なお,他の方法としては,スピンコー
ト法,ディップ法,バーコート法等がある。
【0030】次いで,100℃前後の温度で30分間程
度熱処理を行うことにより,ホログラム素子3内の有機
溶媒を蒸発させ乾燥させる。次いで,図3に示すごと
く,製造工程での傷,ゴミの付着防止のため,TACフ
ィルム51をホログラム素子3の上にラミネートし撮影
用乾板6とする。撮影用乾板6の上に,反射防止膜65
を有するガラス板66を配置する。
【0031】次いで,図3に示すごとく,所望のレンズ
形状を記録したマスタホログラム61の片面に撮影用乾
板6のどちらか一方の面をシリコンオイルを介して密着
させ,撮影用乾板6の他方の面から,波長514nmの
アルゴンレーザー光を照射した。露光量は,10〜10
0mJ/cm2 とした。
【0032】入射光71と,入射光71が撮影用乾板6
を透過しマスタホログラム61で回折反射された回折光
72とを干渉させ,フォトポリマーの第1のモノマー重
合によって,撮影用乾板6のホログラム素子3に干渉縞
を記録し,反射型のリップマンホログラムを記録する。
【0033】反射型ホログラムの他の記録方法として
は,図3に示す平板状のマスタホログラム61の代わり
に,図4に示すごとく,一方面が凸(凹)形状の透明光
学部材62にアルミ蒸着等の反射膜63を設けた光学素
子を用いる方法もある。この場合には,入射光71と反
射膜63での反射光73との干渉により,ホログラム素
子3に干渉縞が記録される。凸(凹)形状の透明光学部
材62は,放物面,双曲面等の非球面の形状でも,球面
形状でもよい。更に,マスタホログラムや上記光学素子
を用いず,撮影用乾板の両面からアルゴンレーザー光を
照射する2光束撮影を行っても,干渉縞を記録できる。
【0034】次に,紫外線(1〜30J/cm2 )を照
射することにより,フォトポリマーの第2のモノマーが
重合し,これにより現像を行ってホログラム素子3にホ
ログラム特性を付与する。
【0035】次に,図5に示すごとく,ホログラム素子
3表面からTACフィルム51を剥離する。次いで,図
6に示すごとく,ホログラム素子3の表面に,分子量
1,000,000のアクリル系樹脂からなる粘着剤1
を介してカバーフィルム21を貼り合わせ,1×105
Pa以上の圧力を加える。カバーフィルム21として
は,反射防止膜211により表面が被覆されたTACフ
ィルムを用いる。
【0036】ホログラム素子3の貼り合わせ時に加える
圧力が1×105 Pa未満の場合には,貼り付け界面
に,10〜100μm程度のマイクロ気泡が混入するお
それがある。このマイクロ気泡は高温雰囲気中(100
℃前後)に放置すると膨張し,結合して数mm程度の気
泡に成長して,肉眼で見えるようになるため,ホログラ
ムの光学素子としての機能及び耐久性を大きく損なう原
因となる。
【0037】次に,ホログラムに熱エージング(約12
0℃,4時間)を行う。これは,ホログラムの回折特性
及び耐熱性を向上させるためである。
【0038】次いで,図7に示すごとく,ホログラム素
子3を貼り付けたカバーフィルム21をホログラム素子
3とともに引き上げ,これらをガラス基板5から剥離す
る。次いで,図8に示すごとく,耐熱アクリル板からな
るカバープレート22の表面にアクリル系樹脂(分子量
1,000,000)からなる粘着剤1を塗布し,その
表面に,上記ホログラム素子3を貼り合わせ,1×10
5 Pa以上の圧力を加える。これにより,図1に示すホ
ログラム7が得られる。
【0039】なお,上記カバープレート22は,あらか
じめ熱処理(100℃〜110℃,5時間)を行うこと
により,カバープレート22が吸収している水分を除去
しておく。熱処理を行わない場合には,100℃程度の
高温雰囲気にホログラムをさらした場合に,カバープレ
ート22が吸収している水分が蒸発し,カバープレート
22と粘着剤1との界面に水蒸気が滞留する場合があ
り,これにより,粘着剤1とカバープレート22との界
面に気泡が発生しカバーフィルム21が浮いてしまう。
上記のカバープレート22に熱処理をあらかじめ行うこ
とにより,かかるカバーフィルムの浮き状態を防止する
ことができる。また,カバープレート22に熱処理をす
ることにより,アニール効果がある。アクリル系樹脂か
らなるカバープレート22の場合には,熱変形温度が約
100℃から約115℃に上昇する。
【0040】得られたホログラム7を100℃の高温環
境下,65℃,95%の高温多湿環境下に,それぞれ1
000時間放置しても,ホログラムの再生波長シフトは
3nmであり,変色せず,そのため,回折効率の低下も
なかった。また,カバーフィルムの浮きもなかった。
【0041】実施形態例2 本例においては,図9に示すごとく,ホログラム素子の
干渉縞の記録時に,ポリエチレンテレフタレート製のP
ETフィルム52でホログラム素子3の片面を被覆し,
他の片面をガラス基板5に貼り付けた構成で行った。ホ
ログラム素子3は,実施形態例1と同様の材料であるフ
ォトポリマーを用いた。
【0042】即ち,上記ホログラム素子3は,その両面
がPETフィルムで被覆されたフィルム構成のものを使
用した。干渉縞の記録時には,ホログラム素子3の片面
のPETフィルムを剥離し,その片面に,ホログラム素
子3のタック性(粘着性)を利用して,ガラス基板5に
貼り付けることにより,撮影用乾板6を作製した。
【0043】撮影用乾板6の上に,反射防止膜65を有
するガラス板66を配置した。次に,撮影用乾板6の同
一方向からアルコンレーザ光75,76を入射させ,フ
ォトポリマーの第1のモノマーを重合させて,透過型フ
レネルホログラムを記録する。露光量は,10〜50m
J/cm2 とした。次に,紫外線(1〜30mJ/cm
2 )の照射によって,フォトポリマーの第2のモノマー
を重合させ,ホログラム素子の現像を行った。これによ
り。ホログラム素子3に干渉縞が形成され。回折特性が
付与された。
【0044】得られた透過型のホログラム素子は,その
後実施形態例1と同様にして,粘着剤によって,カバー
プレート及びカバーフィルムと貼り合せし,ホログラム
を作製した。ホログラム形成に用いた粘着剤は,実施形
態例1と同様に,分子量が1000000のアクリル系
樹脂を用いた。
【0045】得られた本例のホログラムを100℃の高
温環境下,65℃,95%の高温多湿環境下に,それぞ
れ1000時間放置しても,ホログラムの回折方向は±
1°以下であり,ホログラム素子の変色もなかった。ま
た,カバーフィルムの浮きも発生しなかった。
【0046】また,ホログラム素子の変色は,粘着剤が
酸成分を吸収するように改質されていなければ発生し,
特に透過型の場合には,変色にて回折効率が大きく低下
するため,粘着剤の改質は必要である。本例のホログラ
ムは,上記のごとくかかる回折効率の変化はなく,変色
もおこらなかった。。従って,優れたホログラム特性を
有していることがわかる。
【0047】実施形態例3 本例においては,図10に示すごとく,粘着剤の分子量
の変化がホログラムの高温時における耐久性(高温耐久
性)に与える影響を調べた。粘着剤の分子量は,50
0,000〜1,500,000の間で変化させた。そ
の他は,実施形態例1と同様にホログラムを製造した。
【0048】ホログラムを,100℃の高温環境下にお
き,再生波長の変化を経時的に測定した。その結果を図
10に示した。同図より知られるように,粘着剤の分子
量が1,300,000以下のホログラムは,200時
間以上放置しても再生波長は変化せず,優れた耐久性を
有することがわかる。
【0049】実施形態例4 本例においては,図11に示すごとく,粘着剤の分子量
の変化がホログラムの高温高湿時における耐久性(高温
高湿耐久性)に与える影響を調べた。粘着剤の分子量
は,500,000〜1,500,000の間で変化さ
せた。その他は,実施形態例1と同様にホログラムを製
造した。
【0050】ホログラムを,65℃,95%RHの高温
高湿環境下におき,再生波長の変化を経時的に測定し
た。その結果を図11に示した。同図より知られるよう
に,粘着剤の分子量が1,300,000以下のホログ
ラムは,200時間以上放置しても再生波長は変化せ
ず,優れた耐久性を有することがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1のホログラムの断面図。
【図2】実施形態例1における,ホログラム素子の形成
方法を示す説明図。
【図3】実施形態例1における,ホログラム素子のホロ
グラム記録方法を示す説明図。
【図4】実施形態例1における,ホログラム素子の他の
ホログラム記録方法を示す説明図。
【図5】実施形態例1における,撮影用乾板からホログ
ラムを製造する方法を示す説明図。
【図6】図5に続く,ホログラムの製造方法を示す説明
図。
【図7】図6に続く,ホログラムの製造方法を示す説明
図。
【図8】図7に続く,ホログラムの製造方法を示す説明
図。
【図9】実施形態例2における,ホログラム素子の干渉
縞の記録方法を示す説明図。
【図10】実施形態例3における,ホログラムの高温耐
久試験の結果を示す線図。
【図11】実施形態例4における,ホログラムの高湿高
温耐久試験の結果を示す線図。
【符号の説明】
1...粘着剤, 21...カバーフィルム, 211...反射防止膜, 22...カバープレート, 3...ホログラム素子, 7...ホログラム,

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトポリマーからなるホログラム素子
    と,該ホログラム素子の片面又は両面を被覆するカバー
    フィルムとを有するホログラムにおいて,上記カバーフ
    ィルムとホログラム素子とは,粘着剤により接合されて
    いることを特徴とするホログラム。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記粘着剤の重量平
    均分子量は,800,000〜1,300,000であ
    ることを特徴とするホログラム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記粘着剤
    は,酸成分を吸収するように改質されていることを特徴
    とするホログラム。
  4. 【請求項4】 請求項3において,上記粘着剤は,酸成
    分を吸着し得る官能基を有することを特徴とするホログ
    ラム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,
    上記粘着剤は,天然ゴム,ポリイソプレン,スチレン−
    ブタジエンゴム,ブチルゴム,ポリイソブチレン,ポリ
    アクリル酸ブチル,ポリアクリル酸−2−エチルヘキシ
    ル,ポリアクリル酸,シリコーンゴム,及びポリビニル
    ブチルエーテルのグループから選ばれる1種又は2種以
    上からなることを特徴とするホログラム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項において,
    上記カバーフィルムは,ポリエチレンテレフタレート,
    トリアセチルセルロース,アクリル,及びウレタンのグ
    ループから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴
    とするホログラム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項において,
    上記ホログラムは,外光を透過し外景を観者に視認させ
    ると共に表示情報を含んだ信号光を回折し回折光を観者
    に視認させるホログラムコンバイナであることを特徴と
    するホログラム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項において,
    上記ホログラムは,ホログラムスクリーンであることを
    特徴とするホログラム。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項において,
    上記ホログラムは,ヘッドアップディスプレイ用ホログ
    ラムであることを特徴とするホログラム。
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