JPH07281029A - 光学部材及びその製造方法 - Google Patents

光学部材及びその製造方法

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JPH07281029A
JPH07281029A JP7053544A JP5354495A JPH07281029A JP H07281029 A JPH07281029 A JP H07281029A JP 7053544 A JP7053544 A JP 7053544A JP 5354495 A JP5354495 A JP 5354495A JP H07281029 A JPH07281029 A JP H07281029A
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JP
Japan
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adhesive
film
optical
optical member
optical sheet
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Application number
JP7053544A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Tarumi
浩幸 樽見
Sadasuke Kimura
禎祐 木村
Osamu Koike
理 小池
Kazumasa Kurokawa
和雅 黒川
Tetsuya Kato
哲也 加藤
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた光学特性を有する光学部材及びその製
造方法を提供すること。 【構成】 支持プレート31と,光学接着剤11を介し
て接着された光学シート2とよりなる。光学接着剤11
は発粘性接着剤である。発粘性接着剤は,紫外線硬化型
接着剤,エポキシ系接着剤,又は両者の混合体等であ
る。光学部材91の製造に当たっては,固定基材の表面
に,転写フィルムを介して光学シート2を形成する。光
学シート2の表面に発粘性の光学接着剤11を塗布し,
固定基材を剥離すると共に,光学シート2を光学接着剤
11を介して支持プレート31に貼着し,光学接着剤1
1を硬化させる。光学接着剤11は,硬化前に粘着性を
発現させる。転写フィルムの表面に塗布された親水コー
ト膜の塗布面に,接触角がθとなるよう感光剤を滴下す
ることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,例えば自動車用ヘッド
アップディスプレイ等に用いられる,光学部材及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】光学シートとして代表的なものに,ホログ
ラムフィルムがある。ホログラムフィルムは,感光剤を
高分子フィルムに塗布し,ホログラム干渉縞を形成する
ことにより得られる。ホログラムフィルムは,可撓性で
あるため,例えば,自動車のウインドシールドに封入さ
れて,ヘッドアップディスプレイとして用いられる。ホ
ログラムフィルムには,表示像の高品位が要求されるた
め,ホログラムフィルムを均一にガラスプレ−ト等に貼
着したいという要望がある。特に,自動車用ヘッドアッ
プディスプレイ等のように,自動車に搭載する場合に
は,かなりの耐熱性も要求される。
【0003】ホログラムフィルムをウインドシールド等
の支持プレートに接着する際には,光学接着剤が用いら
れる。上記光学接着剤としては,従来,例えば,粘りが
完全に硬化しない軟硬化型のアクリル系接着剤が用いら
れている。アクリル系接着剤は,スピンコ−トで薄く塗
布でき,粘着性もあって,ホログラムフィルムを支持プ
レ−トに均一に接着することができる。
【0004】また,光学シートとしては,上記ホログラ
ムフィルムのほかにも,ホログラム層,ホログラム板,
偏光フィルム,又は光反射防止フィルム,光反射フィル
ム,光一部反射一部透過フィルム,偏光板,光反射防止
板,光反射板,光一部反射一部透過板,偏光層,光反射
防止層,光一部反射一部透過層,回折格子フィルム,干
渉フィルタフィルム,及び色フィルタフィルム等があ
る。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記アクリル
系接着剤は,80℃以上の高温下では接着力が低下す
る。そのため,ホログラムフィルムと支持プレートとの
接着強度が低下し,ホログラムフィルムが熱収縮を起こ
し,光学特性が変化するおそれがある。また,ホログラ
ムフィルムの再生表示像に歪みやボケが生じ,再生像の
品位が低下することがある。特に,ホログラムフィルム
を自動車等のウインドシールドに封入する場合には,上
記ホログラムフィルムとウインドシールドとを高温で熱
圧着する必要があるため,ホログラムフィルムの熱収縮
は否めない。
【0006】そこで,光学接着剤としてエポキシ系接着
剤(例えば,セメダイン社製のEP−007,150
0)を用いることが考えられる。エポキシ系接着剤は,
高温下では硬化しないが,粘度が高いため,薄く均一な
膜厚の接着層を形成することが困難である。また,初期
粘着性がなく,ホログラムフィルムをガラスプレートに
均一に貼着することが困難である。更に,上記ホログラ
ムフィルムの他に,偏光フィルム,反射防止フィルム等
の光学シートを支持プレートに接着する場合にも,上記
ホログラムフィルムと同様の問題がある。
【0007】また,ホログラムフィルムは,感光剤を転
写フィルムに均一に塗布し,露光し,現像し,乾燥して
作製される。そのため,転写フィルムが感光剤との濡れ
性が悪いと,感光剤を均一な厚みに塗布することが困難
である。それ故,ホログラムフィルムの光学特性が低下
するおそれがある。
【0008】また,ホログラムフィルムの表面にガラス
プレートを圧着し,ホログラムフィルムを湿気から保護
する場合がある。この場合,上記圧着時に,ホログラム
フィルムが外気に触れて,光学特性が変化し,再生波長
の安定化を損なうおそれがある。
【0009】そこで,本発明はかかる従来の問題点に鑑
み,優れた光学特性を有する光学部材及びその製造方法
を提供しようとするものである。
【0010】
【課題の解決手段】本発明は,支持プレートと,該支持
プレートに光学接着剤を介して接着した光学シートとか
らなる光学部材であって,上記光学接着剤は,発粘性接
着剤であることを特徴とする光学部材にある。
【0011】本発明において,上記光学接着剤は,発粘
性接着剤を硬化させた硬化接着剤である。該発粘性接着
剤としては,例えば,紫外線硬化型接着剤,低温硬化型
エポキシ系接着剤,又は紫外線硬化型接着剤と低温硬化
型エポキシ系接着剤との混合体等があり,これらは後述
するごとき成分を有している。また,上記光学接着剤と
しては,エポキシ樹脂系接着剤(例えば,スリーボンド
社製の3103 3112,3013B),粘りが完全
に硬化し得るアクリル系接着剤,変性メタクリレート系
接着剤(例えば,ロックタイト社製のFMD−20
7),変性アクリレート系接着剤(例えば,ロックタイ
ト社製のLP−47),又はこれらの混合体等がある。
【0012】上記光学接着剤の膜厚は,1〜100μm
であることが好ましい。1μm未満の場合には,光学シ
ートと支持プレートとの接着強度が低下するおそれがあ
る。一方,100μmを超える場合には,光学シートと
支持プレートに沿って貼着することが困難である。
【0013】光学シートとしては,例えば,ホログラム
層,ホログラムフィルム,ホログラム板,偏光フィル
ム,光反射防止フィルム,光反射フィルム,光一部反射
一部透過フィルム,偏光板,光反射防止板,光反射板,
光一部反射一部透過板,偏光層,光反射防止層,光一部
反射一部透過層,回折格子フィルム,干渉フィルタフィ
ルム,及び色フィルタフィルムのグループから選ばれた
もの等がある。
【0014】更に,上記光学シートの膜厚は,1μm〜
10mmであることが好ましい。上記光学シートとし
て,ホログラム層を使う場合の膜厚は,1〜100μm
であることが好ましい。ホログラム層の場合,1μm未
満の場合には,干渉縞が十分記録されず,ホログラムと
ならないおそれがある。一方,100μmを超える場合
には,均一なホログラムが困難である。特に,5〜30
μmが好ましい。
【0015】偏光層,未反射防止層,光一部反射一部透
過層等の薄膜層の膜厚は,ホログラム層と同等である。
また,ホログラムフィルムは,ホログラム層が基板フィ
ルムに接着しているものなので,基板フィルムが30μ
m〜300μm程度の場合には,ホログラムフィルムの
膜厚は31μm〜400μmであることが好ましい。ま
た,ホログラム板は,基板にホログラム層が接着してい
るものなので,基板が300μmから10mmであるか
ら,膜厚は301μmから10mmが好ましい。上記光
学シートは,例えば,自由自在にたわめることができる
可撓性を有する。
【0016】上記光学シートの表面は,表面接着剤を介
して被覆プレートにより被覆されていることが好まし
い。これにより,外気の湿気等の外部環境から光学シー
トを保護することができる。表面接着剤としては,特に
限定しないが,例えば,ポリビニールブチラール,ノー
トランド社製のNOA61等がある。上記支持プレー
ト,被覆プレートとしては,ガラス製,樹脂製等のもの
が用いられ,その形状は平板状,湾曲状等,様々な形状
である。
【0017】次に,上記光学部材を製造する第1の製造
方法としては,例えば,固定基材の表面に転写フィルム
を介して光学シートを形成し,該光学シートの表面に発
粘性接着剤を塗布し,上記固定基材を剥離すると共に,
上記光学シートを上記発粘性接着剤を介して支持プレー
トの表面に貼着し,上記発粘性接着剤を硬化させる光学
部材の製造方法であって,上記光学シートを支持プレー
トに貼着する以前において,上記発粘性接着剤に粘着性
を付与することを特徴とする光学部材の製造方法があ
る。
【0018】上記製造方法において最も注目すべきこと
は,発粘性接着剤に粘着性を発現させた状態で光学シー
トを支持プレートに貼着していること,及び貼着後に発
粘性接着剤を硬化させていることである。
【0019】上記発粘性接着剤に粘着性を付与する発粘
処理を行うに当たっては,例えば,上記発粘性接着剤を
加熱することにより行うか,或いは,上記発粘性接着剤
に紫外線を照射することにより行うことができる。
【0020】上記発粘処理によって,上記紫外線硬化型
接着剤の粘着性を,発粘処理の前に比べて,3倍以上高
めることが好ましい。これにより,従来に比べて十分で
容易に光学シートを固定基材に貼着することができる。
更に,上記紫外線硬化型接着剤の粘着性は,上記紫外線
硬化型接着剤の粘着性を,発粘処理の前に比べて,10
倍以上高めることが好ましい。これにより,確実且つ強
固に貼着することができる。
【0021】発粘性接着剤としては,例えば,紫外線硬
化型接着剤,低温硬化型エポキシ系接着剤,又は紫外線
硬化型接着剤と低温硬化型エポキシ系接着剤との混合
体,エポキシ樹脂系接着剤(例えば,スリーボンド社製
の3103 3112),粘りが完全に硬化し得るアク
リル系接着剤,変性メタクリレート系接着剤(例えば,
ロックタイト社製のFMD−207),変性アクリレー
ト系接着剤(例えば,ロックタイト社製のLP−4
7),又はこれらの混合体等がある。
【0022】紫外線硬化型接着剤は,100℃以下の低
温で硬化する熱硬化成分を含んでいることが好ましい。
これにより,加熱時間の短縮化を図ることができ,発粘
性接着剤に粘着性を迅速に付与することができる。
【0023】低温硬化型エポキシ系接着剤とは,100
℃以下の温度で硬化するエポキシ系接着剤をいう。低温
硬化型エポキシ系接着剤は,常温で硬化し,かつ短時間
で粘着性を発現する常温硬化型エポキシ系接着剤である
ことが好ましい。上記常温硬化型エポキシ系接着剤は,
粘度が高いものが多いため,印刷等により塗膜する。
【0024】また,低温硬化型エポキシ系接着剤は,多
種類にわたって存在している。例えば,常温で放置して
初期粘着性を短時間で発現し,支持プレートに貼着し
て,その後常温放置で硬化するものがある。また,加熱
(例えば80℃,10分〜30分)により初期粘着性を
付与し,貼着後更に低い温度で放置して(50℃,1時
間)で硬化するものがある。それ故,接着剤の性質に応
じて最適条件を選択する。このとき,光学シートの光学
特性に支障のない条件で行う。
【0025】紫外線硬化型接着剤と低温硬化型エポキシ
系接着剤との混合体としては,例えば,紫外線硬化型エ
ポキシ変成アクリル型接着剤と耐熱エポキシ系接着剤と
の混合体,紫外線硬化型エポキシ系接着剤と耐熱性エポ
キシ系接着剤との混合体,変性アクリル型接着剤と耐熱
性エポキシ系接着剤との混合体等を用いることができ
る。特に,この中,紫外線硬化型エポキシ変成アクリル
型接着剤と耐熱エポキシ系接着剤との混合体は,いずれ
もエポキシ系であるため,混合性が良い。
【0026】この混合体は,紫外線硬化型エポキシ変成
アクリル型接着剤と耐熱エポキシ系接着剤との混合比
(重量比)が2〜6:10であることが好ましい。紫外
線硬化型エポキシ変成アクリル型接着剤の混合比が2未
満の場合には。紫外線照射により初期粘着性が発現しに
くく,紫外線照射により硬化しにくくなるおそれがあ
る。一方,上記の混合比が6を越える場合には,紫外線
照射により発粘性接着剤がすぐに固化してしまい,初期
粘着性が発現されず,また耐熱性等も少し悪化する傾向
にある。
【0027】紫外線硬化型接着剤の中に紫外線触媒を含
む場合には,短時間の紫外線照射により粘着性を発現さ
せることができる。更に,貼着後,再度紫外線照射する
ことにより,完全硬化することができるため,加熱の必
要が一切なく,光学部材の製造工程を簡略化を図ること
ができる。
【0028】上記発粘性接着剤は,100℃以下の温度
で硬化する低温硬化型接着剤であることが好ましい。1
00℃を越える温度でなければ硬化しない高温硬化型接
着剤を用いる場合には,発粘性接着剤の硬化時に光学シ
ートが変形し,光学特性が低下するおそれがある。ま
た,上記発粘性接着剤は,更に,光学シートの優れた光
学特性を維持するために,80℃以下の温度で硬化する
低温硬化型の接着剤であることが好ましい。
【0029】更に,発粘性接着剤は,全く加熱すること
なく,常温で硬化する常温硬化型接着剤であることが好
ましい。該常温硬化型接着剤としては,上記紫外線硬化
型接着剤,可視光硬化型接着剤等がある。特に,上記発
粘性接着剤は,耐熱性を有する高耐熱接着剤であること
が好ましい。これにより,高温下でも光学シートが変形
することがなく,優れた光学特性を維持することができ
る。
【0030】高耐熱接着剤としては,例えば,エポキ
シ,アクリル,変性アクリレート等がある。更に,硬化
後加熱した時に変形しないものが良い。また,上記発粘
性接着剤は,硬化時の体積変化が少ないことが好まし
い。これにより,均質な光学特性を有する光学部材を作
製することができる。
【0031】発粘性接着剤を光学シートの表面に塗布す
るに当たっては,薄く均一な厚みに塗布することが好ま
しい。これにより,光学特性が優れ,かつバラツキの少
ない光学部材を作製することができる。上記塗布に当た
っては,光学接着剤が低粘度であればスピンコート法又
はバーコード法等により,また光学接着剤が高粘度であ
れば印刷法又は転写法等により行うことができる。
【0032】また,上記光学シートの周縁部に周縁接着
剤を塗布することが好ましい。これにより,高温等によ
る光学シートの支持プレートからの剥離を防止すること
ができる。上記周縁接着剤としては,特に制限しない
が,一般的に紫外線硬化型エポキシ系接着剤,耐熱性エ
ポキシ系接着剤等を用いることができる。
【0033】上記固定基材の剥離は,一般に光学シート
の貼着の前に行われるが,光学シートの貼着の後に行っ
てもよい。上記発粘性接着剤を硬化させた後,上記光学
シートから転写フィルムを剥離することができる。
【0034】上記光学シートから転写フィルムを剥離し
た後,該光学シートの表面に,表面接着剤を介して被覆
プレートを積層し,圧着することもできる。また,上記
光学シートから転写フィルムを剥離した後,該光学シー
トの表面に,表面接着剤を介して被覆プレートを積層
し,接着してもよい。
【0035】転写フィルムとしては,例えばポリカーボ
ネート,非晶性ポリオレフィン,メタクリル樹脂,ポリ
エステル,ポリアリレート,透明エポキシ等の高分子フ
ィルム等を用いる。支持プレート,被覆プレートとして
は,ガラスプレート,樹脂プレート等を用い,その形状
は平面状又は湾曲した形状等をしている。
【0036】次に,本願にかかる光学部材の第2の製造
方法としては,転写フィルムの表面に親水コ−ト膜を塗
布し,該親水コ−ト膜の塗布面に感光剤を滴下して,該
感光剤と上記親水コ−ト膜の塗布面との接触角をθとな
し,上記感光剤を均一に塗布し,該感光剤にホログラム
干渉縞を形成してホログラム層を得た後,上記ホログラ
ム層を支持プレートに接着して光学部材を作製する方法
であって,滴下された感光剤と親水コート膜の塗布面と
の接触角θは,0.1°〜90°であることを特徴とす
る光学部材の製造方法がある。
【0037】滴下した感光剤と親水コート膜の塗布面と
の接触角θが,0.1°未満の場合,又は90°を超え
る場合には,感光剤を均一に塗布することが困難とな
る。また,感光剤より作製されたホログラム層と転写フ
ィルムとの接着強度を任意に制御することが困難とな
る。
【0038】滴下した感光剤と親水コート膜の塗布面と
の接触角θが,16°以上24°未満の比較的高い角度
の範囲内の場合には,転写フィルムをホログラムフィル
ムから容易に剥離することができる。この範囲の接触角
θは,例えば,上記親水コ−ト膜の膜厚を50オングス
トローム以上900オングストローム未満と薄くするこ
とにより得ることができる。
【0039】一方,上記接触角θが,0°〜16°の比
較的低い角度の範囲内の場合には,転写フィルムとホロ
グラムフィルムとの接着強度が高くなり,転写フィルム
の剥離ができない。この範囲の接触角θは,例えば,上
記親水コ−ト膜の膜厚を50オングストローム以下と薄
くすることにより得ることができる。
【0040】次に,本願にかかる光学部材の第3の製造
方法としては,支持プレートの表面にホログラム層を貼
着し,該ホログラム層の表面に表面接着剤を介して被覆
プレートを積層し,圧着する光学部材の製造方法であっ
て,上記圧着の前に,上記ホログラム層に加圧加熱処理
を行うことを特徴とする光学部材の製造方法がある。
【0041】上記ホログラム層の加圧加熱処理は,圧着
の前に行なわれる。圧着の前ならばいつでもよいが,特
にホログラム層に被覆プレートを積層する前に行なうこ
とが好ましい。かかる光学部材の製造方法としては,例
えば,支持プレートの表面にホログラム層を設け,該ホ
ログラム層に加圧加熱処理を行ない,前記ホログラム層
の表面に表面接着剤を介して被覆プレートを設けること
を特徴とする光学部材の製造方法がある。
【0042】加圧加熱処理は,1.0kg/cm2 以上
で,かつ80℃以上であることが好ましい。特に,上記
被覆プレートとしてのポリビニルブチラールを用いる場
合には,その圧着条件である10kg/cm2 以上で1
25℃以上であることが好ましい。10.0kg/cm
2 未満,又は125℃未満の場合には,圧着時にホログ
ラム特性が変化し,再生波長にバラツキが発生するおそ
れがある。
【0043】更に,加圧加熱処理は,1.0〜20.0
kg/cm2 であり,かつ80〜150℃であることが
好ましい。20.0kg/cm2 を超える場合,又は1
50℃を超える場合には,光学シートの光学特性が劣化
するおそれがある。
【0044】また,加圧加熱処理を大気(酸素など)の
影響の少ない状態で行うことが好ましい。具体的には,
加圧加熱処理を密閉状態で行うことが好ましい。これに
より,新しい酸素等がホログラム層と接触しないため,
ホログラム層の酸化及び黄色化等が起こりにくくなる。
それ故,優れたホログラム特性を有するホログラム層を
作製することができる。ホログラム層の表面は,表面接
着剤を介して被覆プレートにより被覆される。表面接着
剤としては,一般にポリビニールブチラール,ノートラ
ンド社製のNOA61等が用いられる。
【0045】次に,本願に係る光学部材の第4の製造方
法としては,固定基材の表面に紫外線硬化型接着剤を塗
布し,次いで,上記紫外線硬化型接着剤に粘性を生じさ
せる発粘処理を施し,その後,上記固定基材に上記紫外
線硬化型接着剤を介して光学シートを設けることを特徴
とする光学部材の製造方法がある。
【0046】上記発粘処理は,上記紫外線硬化型接着剤
を加熱することにより行なうことができる。また,上記
発粘処理は,上記紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射す
ることにより行なうこともできる。
【0047】上記固定基材に上記光学シートを設けた後
には,更に,紫外線硬化型接着剤を硬化させる硬化処理
を施すことができる。これにより,上記紫外線硬化型接
着剤が硬化して,光学シートを固定基材の表面に貼着す
ることができる。上記硬化処理は,上記紫外線硬化型接
着剤に紫外線を照射することにより行なうことができ
る。
【0048】上記発粘処理によって,上記紫外線硬化型
接着剤の粘着性を3倍以上高めることが好ましい。これ
により,従来に比べて十分で容易に光学シートを固定基
材に貼着することができる。更に,上記紫外線硬化型接
着剤の粘着性は,10倍以上高めることが好ましい。こ
れにより,確実且つ強固に貼着することができる。
【0049】また,上記紫外線硬化型接着剤を硬化させ
る硬化処理の後に,更に,上記光学シートを覆うように
上記固定基材の表面に,表面接着剤を介して被覆プレー
トを設けることが好ましい。これにより,外気の湿気等
の外部環境から光学シートを保護することができる。
【0050】上記光学シートは,例えば,自由自在に撓
めることが可能な可撓性を有するものを用いることがで
きる。上記紫外線硬化型接着剤,光学シート,支持プレ
ート,被覆プレート,表面接着剤は,例えば,上述した
ものを用いることができる。
【0051】
【作用及び効果】本発明の光学部材においては,光学シ
ートが,発粘性接着剤を介して,支持プレートに接着さ
れている。そのため,光学シートは支持プレートに確実
に固定される。それ故,光学シートは使用時に収縮及び
変形がない。更に,高温下でも熱収縮及び変形を起こす
ことがない。従って,後述するごとく,光学部材は,光
学特性に優れている。
【0052】また,本願にかかる,光学部材の第1の製
造方法においては,発粘性接着剤に粘着性を付与した
後,光学シートを支持プレートに貼着している。そのた
め,発粘性接着剤の粘着性により光学シートが支持プレ
ートに強固に密着される。更に,光学シートが支持プレ
ートに密着された状態で,発粘性接着剤を硬化してい
る。そのため,支持プレートの表面に光学シートを確実
に固定することができる。それ故,硬化時に光学シート
の収縮及び変形がなく,また光学シートの光学特性が変
化することもない。更に,高温下でも光学シートが熱収
縮及び変形を起こすことがない。従って,優れた光学特
性を有する光学部材を作製することができる。
【0053】次に,本願にかかる,光学部材の第2の製
造方法においては,感光剤を塗布する前に,転写フィル
ムの表面に親水コ−ト膜を塗布し,その後感光剤を塗布
している。そのため,親水コ−ト膜と感光剤とが馴染ん
で,親水コ−ト膜の表面に感光剤を均一に塗布すること
ができる。従って,ホログラム特性に優れた光学部材を
作製することができる。
【0054】また,親水コ−ト膜の表面に感光剤を滴下
し,一定の範囲の角度をもって付着させている。そのた
め,ホログラム層と転写フィルムとの接着強度を適宜制
御することができる。例えば,感光剤と親水コ−ト膜の
塗布面との接触角θが比較的小さい場合には,転写フィ
ルムにホログラム層が強く接着され,剥離しにくくな
る。逆に,感光剤と親水コ−ト膜の塗布面との接触角θ
が比較的大きい場合には,転写フィルムとホログラム層
との接着強度は低く,剥離し易くなる。
【0055】次に,本願にかかる,光学部材の第3の製
造方法においては,ホログラム層の表面に被覆プレート
を圧着する以前に,加圧加熱処理をおこなっている。そ
のため,ホログラム層の再生波長のバラツキが少なくな
り,波長の安定化を図ることができる。
【0056】また,光学部材の製造工程中において,上
記の加圧加熱処理により,ホログラム層に過酷な条件を
経験させている。そのため,ホログラム層と被覆プレー
トとを圧着する際にも,ホログラム特性の変化を抑制す
ることができる。更に,使用中におけるホログラム特性
の変化を抑制し,光学部材の耐久性を向上させることが
できる。
【0057】次に,本願にかかる,光学部材の第4の製
造方法においては,固定基材に,粘性を有する紫外線硬
化型接着剤を介して光学シートを設けている。そのた
め,この接着剤の粘着性により,光学シートが固定基材
に強固に密着される。更に,この密着状態において,紫
外線硬化型接着剤を硬化している。そのため,上記第1
の製造方法と同様に,優れた光学特性を有する光学部材
を作製することができる。
【0058】以上のごとく,本発明によれば,光学特性
に優れた光学部材及びその製造方法を提供することがで
きる。
【0059】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例に係る光学部材について,図1〜図7を
用いて説明する。本例の光学部材は,自動車用ヘッドア
ップディスプレイに用いられるホログラム部材である。
上記光学部材91は,図1に示すごとく,支持プレート
31と,該支持プレート31に光学接着剤11を介して
貼着した光学シート2とからなる。光学接着剤11は,
発粘性接着剤である。また,光学シート2の表面には,
表面接着剤19を介して被覆プレート39が貼着されて
いる。
【0060】光学シート2は,ホログラム干渉縞が形成
されたホログラム層である。支持プレート31,被覆プ
レート39は,ガラス製の自動車用ウインドシールドで
ある。光学接着剤11は,変性アクリレート接着剤(ロ
ックタイト社製のFMD−207),変性メタクリレー
ト接着剤,エポキシ系接着剤,アクリル系接着剤,又は
これらの混合体等の紫外線硬化型接着剤である。表面接
着剤19は,ポリビニールブチラールである。
【0061】光学シート2の膜厚は20μm,光学接着
剤11の膜厚は10〜20μmである。光学シート2と
光学接着剤11との合計膜厚は,ウインドシールドとし
ての支持プレート31と被覆プレート39との間に封入
するために,30〜40μmが好ましい。
【0062】次に,本例の光学部材の製造方法につい
て,図2〜図7を用いて説明する。まず,図2に示すご
とく,固定基材36の表面に転写フィルム37を形成す
る。次いで,転写フィルム37の表面に感光剤を均一に
塗布し,露光し,現像して,ホログラム干渉縞を有する
光学シート2を形成する。次いで,光学シート2の表面
に,光学接着剤11を均一に塗布する。塗布方法は,光
学接着剤11が均一かつ薄膜化できれば,特に限定しな
いが,例えば,スピンコート法(1000〜2000r
pm)により行うことができる。光学接着剤11の膜厚
は5〜20μmである。
【0063】次に,光学接着剤11を80℃,5〜10
分間加熱して,初期粘着性を発現させる。尚,80℃で
光学シート2に影響がある等の場合には,50℃,20
〜30分間で,光学接着剤11の初期粘着性を発現させ
る。逆にもっと高温でも影響がない場合には,100
℃,2〜3分間程度で,初期粘着性を発現させればよ
い。次いで,光学シート2を転写フィルム37及び光学
接着剤11とともに,固定基材36から剥離する。
【0064】次に,図3に示すごとく,光学シート2を
光学接着剤11を介して支持プレート31に貼着する。
その際,図4に示すごとく,ローラー8を用いて,支持
プレート31に光学シート2を十分に押し付け,均一に
貼着する。次いで,紫外線照射して,光学接着剤11を
完全に硬化する。紫外線照射方向は特に限定しない。紫
外線照射量は,500〜3000mJ/cm2 である。
【0065】次に,図5に示すごとく,転写フィルム3
7を光学シート2から剥離する。これにより,図6に示
すごとく,光学シート2の支持プレート31への貼着が
完了する。次に,光学シート2に加熱処理を行い,脱水
する。次いで,図7に示すごとく,光学シート2の表面
に,表面接着剤19を介して,被覆プレート39を積層
し,圧着する。これにより,図1に示した光学部材91
が得られる。
【0066】上記光学部材91は,図1に示すごとく,
被表示像に関する入射光70を,光学シート2で回折反
射させて再生光71とし,該再生光71によって,被表
示像を視認するよう構成されている。
【0067】次に,本例の作用効果について説明する。
本例の光学部材の製造方法においては,図3に示すごと
く,光学接着剤11に粘着性を付与した状態で,光学シ
ート2を支持プレート31に貼着している。そのため,
光学接着剤11の粘着性により光学シート2が支持プレ
ート31に強固に密着される。
【0068】また,光学シート2が支持プレート31に
密着された状態で,粘着状態にある光学接着剤11を硬
化している。そのため,支持プレート31の表面に光学
シート2を確実に固定することができる。それ故,硬化
時に光学シート2が収縮,変形することなく,また光学
シート2の光学特性が変化することもない。 更に,光
学接着剤11は,圧着時の10.0kg/cm2 ,12
5℃程度の温度環境でも,熱変形しない。従って,優れ
た光学特性を有する光学部材91を作製することができ
る。
【0069】また,加熱処理の後に,図7に示すごと
く,支持プレート31と被覆プレート39の間に,光学
シート2を封入している。そのため,外気から光学シー
ト2を保護することができる。その結果,光学部材91
は,鮮明な表示像を再生することができ,優れたホログ
ラム特性を発揮することができる。また,光学部材91
の寿命も長い。
【0070】また,本例においては,支持プレート31
及び被覆プレート39が自動車のウインドシールドであ
り,光学接着剤11を用いて光学シート2が両プレート
の間に封入される。ウインドシールドは,自動車用合わ
せガラスの安全基準を上回る高品質が要求される。しか
し,本例の光学接着剤11は接着性が良く,無色,透明
で,膜厚は1μm〜20μmである。そのため,本例の
光学部材は,上記安全基準の一つである接着性,透視
性,薄膜化に優れ,表示像の歪みもない。また,耐衝撃
試験,耐貫通試験も満足する結果が得られ,要求品質以
上の優れた品質結果が得られた。
【0071】実施例2 本例の光学部材92は,図8に示すごとく,光学シート
21として,薄層状の選択反射層を用いている。この光
学シート21の厚みは,約20μmである。光学シート
21は,光学接着剤11を介して支持プレート31に貼
着されている。光学接着材11は,実施例1と同様の紫
外線硬化型接着剤であり,その膜厚は,5〜20μmで
ある。支持プレート31はガラス製である。本例の光学
部材92は,光学シート21が薄く,微妙な膜厚制御が
要求されるが,光学接着剤11は耐熱性にも優れている
ため,高温下においても収縮をひきおこさず,光学特性
の変化はない。
【0072】実施例3 本例の光学部材93は,図9に示すごとく,光学シート
2の周縁部に周縁接着剤15が塗布されている。上記光
学部材93のその他の構成は,実施例1と同様である。
【0073】以下,上記光学部材の製造方法について,
図10〜図19を用いて詳説する。まず,図10に示す
ごとく,露光部材36の表面に転写フィルム37を形成
し,更に転写フィルム37の表面にホログラム干渉縞を
有する光学シート2を形成する。次いで,光学シート2
をカバーガラス33と共に80℃のオーブン内に別々に
立てかけて,10分間加熱する。次に,光学シート2が
外気に触れないようにカバーガラス33を光学シート2
の表面に密着させて取り出す。次いで,窒素雰囲気に1
0分程度放置し,室温まで温度を下げる。このときの露
点は−5℃以下にする。
【0074】次に,光学シート2からカバーガラス33
を取り除き,光学シート2をスピナーに設置する。次い
で,光学シート2の表面全体に,約5gの光学接着剤を
滴下する。次いで,回転数2000rpmで回転させ
て,紫外線硬化型の光学接着剤を均一な厚みに塗布す
る。
【0075】次に,図11に示すごとく,光学接着剤1
2の表面を上にして水平に保ちながら,80℃のオーブ
ン内に7分間入れる。次に,窒素雰囲気にて室温まで温
度を下げる。このときの露点は−5℃以下にする。次
に,図12に示すごとく,カッターの刃80を用いて,
光学シート2をその外周に沿って露光部材32から剥が
す。
【0076】次に,図13に示すごとく,光学接着剤1
2を介して光学シート2を貼着する。次いで,ローラー
8を用いて四方から一定方向に10回程度押し付ける。
次に,このまま高圧水銀灯下に放置し,光学接着剤12
を硬化させる。このときの高圧水銀灯のエネルギー量は
600mJ/cm2 以下とする。次に,紫外線硬化後,
図14に示すごとく,転写フィルム37を光学シート2
から剥離する。このときも,転写フィルム37の周縁部
にカッターの刃を入れてはがすと容易である。
【0077】次に,図15,図16に示すごとく,ヘラ
等を用いて,光学シート2の周縁部の全周囲にわたっ
て,周縁接着剤15を幅W3mm程度に塗布する。周縁
接着剤15は,エポキシ系のスリーボンド社製3102
を用いる。次いで,図17に示すごとく,周縁接着剤1
5の塗布面をヘラ82により平坦にする。次いで,この
まま高圧水銀灯下に放置し,周縁接着剤15を硬化させ
る。このときの高圧水銀灯のエネルギー量は2400m
J/cm2 とする。照射強度は,500mW/cm2
下とする。
【0078】次に,図18に示すごとく,光学シート2
を貼着した支持プレート31と,相手プレート39とを
オーブン内に10分間放置し,加熱する。次いで,光学
シート2が外気と接触しないように,相手プレート39
を光学シート2の表面に密着させて取り出す。次に,窒
素雰囲気にて室温まで下げる。このときの露点は−5℃
以下にする。
【0079】次に,図19に示すごとく,光学シート2
と相手プレート39とを表面接着剤19を用いて積層
し,仮圧着を行う。表面接着剤19はポリビニールブチ
ラールである。次に,これらをオーブンの中に入れて,
135℃程度で本圧着を行う。これにより,図9に示し
た光学部材93が得られる。
【0080】本例においては,光学シート2の周縁部に
周縁接着剤15を塗布している。そのため,光学シート
2が製造工程中に,その周縁部から剥離することがな
い。そのため,より確実に,光学シート2を支持プレー
ト31に貼着することができる。また,光学シート2を
外気から保護することができる。その他は,実施例1と
同様の効果を得ることができる。
【0081】実施例4 本例の光学部材は,光学接着材として,表1に示す熱硬
化型(試料1,2)又は紫外線硬化型(試料3〜7)の
接着剤を用いている。その他は,実施例3と同様であ
る。同表中のいずれの接着剤を用いても,実施例3と同
様の効果を得ることが出来た。
【0082】
【表1】
【0083】実施例5 本例においては,図20に示すごとく,転写フィルム3
7の表面に,親水コート膜5を介して感光剤20を塗布
するに当たり,滴下された感光剤20と親水コート膜5
の塗布面との接触角をθとしている。次に,図21に示
すごとく,感光剤20を均一に塗布し,露光して,ホロ
グラム層となし,その後図32に示す光学部材94を作
製する。該光学部材94は,支持プレート31と,該支
持プレート31に光学接着剤13を介して貼着されたホ
ログラム層22とよりなる。
【0084】図20に示すごとく,親水コート膜5の塗
布面と感光剤20との接触角θは,16°〜24°であ
る。親水コート膜5はシリコン系親水コート膜である。
親水コート膜5の膜厚は,50〜900オングストロー
ムである。転写フィルム37は,ポリカーボネートであ
る。感光剤20は重クロム酸ゼラチン等である。
【0085】以下,図20〜図31を用いて,これを詳
説する。まず,図22〜図25に示すごとく,転写フィ
ルム37の表面に,親水コート膜を均一に塗布する。上
記塗布方法としては,例えば,スプレー法,ディッピン
グ法,ギャップ法,スピンコータ法等,いずれも方法を
用いてもよい。
【0086】スプレー法は,回転軸62により順送りさ
れる転写フィルム37の表面に,スプレー61を用い
て,液状の親水剤50を連続的に吹きかける方法である
(図22)。ディッピング法は,回転軸62により順送
りされる転写フィルム37を,液状の親水剤50の中に
浸漬し,ゆっくり転写フィルム37を巻き上げることに
より連続塗布をする方法である(図23)。
【0087】ギャップ法は,回転軸62により,転写フ
ィルム37を液状の親水剤50の中を通過させ,余分な
親水剤50をギャップ63により除去して,連続塗布を
行う方法である(図24)。スピンコータ法は,回転台
64の上に転写フィルム37を敷設し,転写フィルム3
7の表面に親水剤50を滴下し,その後台64を回転さ
せて,均一な親水コート膜を作製する方法である(図2
5)。
【0088】次に,図20に示すごとく,均一な膜厚の
親水コート膜5の塗布面に,メスピペットにより感光剤
20を滴下する。このときの感光剤20と親水コート膜
5の塗布面との接触角θは16°〜24°である。
【0089】次に,バーコード法により,図21に示す
ごとく,感光剤20を均一な膜厚に塗布する。上記バー
コード法は,図26,図27に示すごとく,親水コート
膜5の上に,感光剤20を垂らし,次に,この感光剤2
0を,先端が三角形状になったガラス製のへら89の一
辺891を用いて広げる。これにより,図21に示すご
とく,親水コート膜5上に,感光剤20が均一に塗布さ
れる。
【0090】次に,前記図21に示した親水コート膜5
上の感光剤20を露光し,ホログラム干渉縞を形成し
て,図28に示すごとく,ホログラム層22を得る。次
いで,図29に示すごとく,ホログラム層22の表面
に,光学接着剤13を均一な膜厚に塗布する。光学接着
剤13は,ロックタイト社製FMD−207である。
【0091】尚,上記光学接着剤13としては,特に限
定はしないが,前述した発粘性接着剤を用い,貼着前に
粘着性を発現させて,貼着後に硬化させることが好まし
い。これにより,支持プレート31とホログラム層22
との接着強度が高くなり,ホログラム特性が向上する。
【0092】次に,図30に示すごとく,ホログラム層
22を光学接着剤13を介して,支持プレート31に貼
着し,ローラ8により十分に密着させる。次に,図31
に示すごとく,転写フィルム37を親水コート膜5と共
に剥離する。これにより,図32に示す上記光学部材9
4が得られる。その後,実施例1と同様に,ホログラム
層の表面に相手プレートを圧着することができる。
【0093】次に,本例の作用効果について説明する。
本例においては,図20に示すごとく,感光剤20を塗
布する前に,転写フィルム37の表面に親水コート膜5
を形成し,その後感光剤20を塗布している。そのた
め,親水コート膜5と感光剤20とが馴染んで,親水コ
ート膜5の塗布面に感光剤20を均一に塗布することが
できる。従って,ホログラム特性に優れた光学部材94
を作製することができる。
【0094】また,親水コート膜5の塗布面に感光剤2
0を滴下し,上記の範囲の接触角θをもって付着させて
いる。そのため,ホログラム層22と転写フィルム37
との接着強度が高く,転写フィルム37の剥離を防止す
ることができる。
【0095】尚,図33に示すごとく,転写フィルム3
7の表面に直接,感光剤29を塗布した場合には,感光
剤29が不均一になり,ホログラム特性が劣化した。
【0096】実施例6 本例は,親水コート膜の塗布面と感光剤との接触角θ
と,接着強度との関係を調べた。その結果を表2に示
す。同表より,接触角が16°〜24°の場合には,ホ
ログラム層と転写フィルムとの接着強度が弱く,転写フ
ィルムの剥離が可能であった。一方,接触角が10°程
度の場合には,ホログラム層と転写フィルムとの接着強
度が強く,転写フィルムの剥離は不可能であった。接触
角が90°の場合には,感光剤を親水コート膜の表面に
均一に塗布することができなかった。
【0097】また,接触角θが24°の場合には,親水
コート膜5は約900オングストロームであった。接触
角θが16°の場合には,親水コート膜5は約50オン
グストロームであった。
【0098】このことから,接触角が16°〜24°の
範囲にある場合には,転写フィルムの剥離が容易であ
り,一方,接触角が0.1°〜16°の範囲にある場合
には,転写フィルムの剥離が困難であることがわかる。
また,接触角が24°以下の範囲内にある場合には,感
光剤を均一な膜厚に塗布することができることがわか
る。
【0099】また,接触角θが24°よりも大きい場合
にも,感光剤は,転写フィルムに塗布することはでき
る。しかし,その接着力は弱いために,塗布された感光
剤は,例えば,感光剤の現像工程等の際に,時折,容易
に剥がれてしまうという問題が生じる。
【0100】
【表2】
【0101】実施例7 本例の光学部材の製造方法においては,図34に示すご
とく,光学シートとしてのホログラム層22の表面に相
手プレートを圧着する前に,加圧加熱処理を行った。即
ち,ホログラム層22は,光学接着剤11により支持プ
レート31の表面に貼着されている。
【0102】加圧加熱処理は,ホログラム層22の表面
にガラスプレート38を積層し,支持プレート31とガ
ラスプレート38との両側から14kg/cm2 で加圧
しつつ,130℃の加熱を60分間行った。その後,ガ
ラスプレート38を取り除き,表面接着剤19を用いて
被覆プレート39に圧着し(図7参照),光学部材を作
製した。
【0103】次に,本例の作用効果について説明する。
本例の光学部材の製造方法においては,ホログラム層2
2の圧着前に,上記の加圧加熱処理を行い,ホログラム
層22に過酷な条件を体験させている。そのため,ホロ
グラム層22と被覆プレートとを圧着する際にも,ホロ
グラム特性の変化を抑制し,光学部材の耐久製を向上さ
せることができる。
【0104】実施例8 本例は,加圧加熱処理が与えるホログラム層の再生波長
への影響を測定した。測定は,加圧加熱処理を行う前の
ホログラム層の再生波長と,加圧加熱処理を行い圧着工
程の後のホログラム層の再生波長とを測定した。加圧加
熱処理は,14kg/cm2 ,130℃の条件である。
圧着の条件は,14kg/cm2 ,130℃である。ホ
ログラムフィルム,光学接着材,及び支持プレートは,
実施例7と同様である。その結果を図35に示した。
【0105】尚,比較のために,上記加圧加熱処理をす
ることなく,ホログラムフィルムを被覆プレートに圧着
した場合についても,同様に行った。その結果を図36
に示した。
【0106】図35より知られるように,圧着前と圧着
後では,ほとんど再生波長に変化はなく,また,圧着後
の波長のばらつきも少なかった。これに対し,図36よ
り知られるように,加圧加熱処理を行わなかった場合に
は,圧着後に,波長が短くなり,また波長のばらつきも
大きかった。このことから,圧着前に,加圧加熱処理を
行うことにより,圧着前後での再生波長の変化を防止
し,また圧着後の再生波長のばらつきも抑制することが
できることがわかる。
【0107】実施例9 本例の光学部材の製造方法においては,固定基材に設け
た光学シート上に紫外線硬化型樹脂を塗布した後の発粘
処理として,紫外線硬化型樹脂に対して,所定量の紫外
線を照射する。これにより,紫外線硬化型樹脂に所望の
粘性を発現させる。この点が,紫外線硬化型樹脂を加熱
することによって,その粘性を発現させる実施例1とは
異なる。
【0108】即ち,まず,支持プレートと紫外線硬化型
接着剤である変性アクリレート系接着剤(スリーボンド
社製 TB301313B)とをそれぞれ80℃まで加
熱した。これは,上記接着剤の粘度を960cp(25
℃において)より200cpまで低下させることによ
り,支持プレート上に塗布し易くするためである。
【0109】そして,スピナーを用いて支持プレート上
に,上記接着剤を均一に塗布する。このとき,支持プレ
ート上に16ccの上記接着剤を垂らして,2500r
pmで40secの速さでスピナーを回転させることに
より塗布を行なった。これにより,支持プレート上に厚
さ6〜7μmの接着剤を塗布した。
【0110】次に,本実施例の特徴部分である発粘処理
を行なう。発粘処理は,支持プレート上の紫外線硬化型
接着剤に10J/cm2 のエネルギーの紫外線を照射す
ることにより行なった。この照射によって,上記接着剤
は,0.3μ/25mmの粘着力から3μ/25mmの
粘着力まで粘性が高くなった。0.3μ/25mmの粘
着力は,上述した25℃における960cpに相当す
る。尚,粘着力は,JIS Z 0237に準ずる18
0℃剥離試験により測定したものである。
【0111】また,上記発粘処理を行なった接着剤の上
に,固定基材に設けられている光学シートであるホログ
ラムシートを貼りつけた。そして,再度,15J/cm
2 の紫外線を照射することによって,この接着剤を硬化
させ,支持プレート上に光学シートを貼着した。ここで
用いた紫外線照射装置は,27mW/cm2 の出力のも
のを用いた。上記の方法により,ガラス製の支持プレー
ト上に光学シートを容易に貼着することができた。
【0112】また,紫外線硬化型接着剤は,発粘処理を
する前の粘着力0.3μ/25mmに対して3倍以上の
粘着力があれば,従来に比べて十分でかつ容易に光学シ
ートを支持プレートに貼着することができることが,実
験により確認されている。これに対し,本実施例におい
ては,発粘処理によって,紫外線硬化型接着剤の粘度
が,無処理の場合の0.3μ/25mmの粘着力から,
3μ/25mmの粘着力にと,10倍高められた。この
ことから,本実施例によれば,確実且つ強固に光学シー
トを支持プレートに貼着させることができることがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の光学部材の説明図。
【図2】実施例1の光学部材の製造方法における,光学
接着剤が塗布された光学シートの説明図。
【図3】図2に続く,光学シートを支持プレートに貼着
する状態を示す説明図。
【図4】図3に続く,光学シートを支持プレートに貼着
する状態を示す説明図。
【図5】図4に続く,転写フィルムの剥離方法を示す説
明図。
【図6】図5に続く,支持プレートに接着された光学シ
ートの説明図。
【図7】図6に続く,圧着時の光学シートの説明図。
【図8】実施例2の光学部材の説明図。
【図9】実施例3の光学部材の説明図。
【図10】実施例3の光学部材の製造方法における,オ
ーブン中の固定基材とガラスプレートとの配置説明図。
【図11】図10に続く,オーブン中の固定基材の配置
説明図。
【図12】図11に続く,光学シートの剥離方法を示す
説明図。
【図13】図12に続く,光学シートの貼着方法を示す
説明図。
【図14】図13に続く,転写フィルムの剥離方法を説
明図。
【図15】図14に続く,周縁接着剤の塗布位置を示す
説明図。
【図16】図14に続く,光学シートの周縁部の説明
図。
【図17】図15,図16に続く,周縁接着剤の表面を
平滑にする方法を示す説明図。
【図18】図17に続く,オーブン中の支持プレート及
び被覆プレートの配置説明図。
【図19】図18に続く,圧着時の光学シートの断面
図。
【図20】実施例5の光学部材の製造方法において,滴
下された感光剤と親水コート膜の塗布面との接触角θの
説明図。
【図21】実施例5の,均一に塗布された感光剤の説明
図。
【図22】実施例5のスプレー法を示す説明図。
【図23】実施例5の,ディッピング法を示す説明図。
【図24】実施例5の,ギャップ法を示す説明図。
【図25】実施例5の,スピンコータ法を示す説明図。
【図26】実施例5の,バーコード法を示す説明図。
【図27】実施例5の,バーコード法において用いるへ
らの斜視図(a),及びその側面図(b)。
【図28】実施例5の,ホログラム層の説明図。
【図29】図28に続く,光学接着剤により被覆された
ホログラム層の説明図。
【図30】図29に続く,支持プレートに貼着されたホ
ログラム層の説明図。
【図31】図30に続く,転写フィルムの剥離方法を示
す説明図。
【図32】実施例5の,光学部材の説明図。
【図33】実施例5の,転写フィルムに直接塗布した感
光剤の説明図。
【図34】実施例7の,ホログラム層への加圧加熱処理
の方法を示す説明図。
【図35】実施例8の,加圧加熱処理を施した場合の,
圧着前後のホログラム層の再生波長を示す線図。
【図36】実施例8の,圧着前後のホログラム層の再生
波長を示す線図。
【符号の説明】
11,12,13...光学接着剤, 15...周縁接着剤, 19...表面接着剤, 2...光学シート, 20...感光剤, 22...ホログラム層, 31...支持プレート, 36...固定基材, 37...転写フィルム, 39...被覆プレート, 91,92,93,94...光学部材,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 27/02 A G03H 1/02 (72)発明者 黒川 和雅 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 加藤 哲也 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持プレートと,該支持プレートに光学
    接着剤を介して接着した光学シートとからなる光学部材
    であって,上記光学接着剤は,発粘性接着剤であること
    を特徴とする光学部材。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記発粘性接着剤
    は,紫外線硬化型接着剤,低温硬化型エポキシ系接着
    剤,又は紫外線硬化型接着剤と低温硬化型エポキシ系接
    着剤との混合体であることを特徴とする光学部材。
  3. 【請求項3】 請求項2において,上記紫外線硬化型接
    着剤は,紫外線硬化成分と,熱硬化成分とを有すること
    を特徴とする光学部材。
  4. 【請求項4】 請求項2において,上記紫外線硬化型接
    着剤と低温硬化型エポキシ系接着剤との混合体は,紫外
    線硬化型エポキシ変成アクリル型接着剤と耐熱エポキシ
    系接着剤との混合体であることを特徴とする光学部材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
    上記光学シートは,ホログラム層,ホログラムフィル
    ム,ホログラム板,偏光フィルム,光反射防止フィル
    ム,光反射フィルム,光一部反射一部透過フィルム,偏
    光板,光反射防止板,光反射板,光一部反射一部透過
    板,偏光層,光反射防止層,光一部反射一部透過層,回
    折格子フィルム,干渉フィルタフィルム,及び色フィル
    タフィルムのグループから選ばれたものであることを特
    徴とする光学部材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記発粘性接着剤は紫外線硬化型接着剤であり,上記光
    学シートはホログラム層であることを特徴とする光学部
    材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項において,
    上記光学シートの表面は,表面接着剤を介して被覆プレ
    ートにより被覆されていることを特徴とする光学部材。
  8. 【請求項8】 固定基材の表面に転写フィルムを介して
    光学シートを形成し,該光学シートの表面に発粘性接着
    剤を塗布し,上記固定基材を剥離すると共に,上記光学
    シートを上記発粘性接着剤を介して支持プレートの表面
    に貼着し,上記発粘性接着剤を硬化させる光学部材の製
    造方法であって,上記光学シートを支持プレートに貼着
    する以前において,上記発粘性接着剤に粘着性を付与す
    ることを特徴とする光学部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において,上記発粘性接着剤へ
    の粘着性付与は,上記の塗布後に上記発粘性接着剤を加
    熱することにより行うことを特徴とする光学部材の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項8において,上記発粘性接着剤
    への粘着性付与は,上記の塗布後に上記発粘性接着剤に
    紫外線を照射することにより行うことを特徴とする光学
    部材の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれか一項におい
    て,上記発粘性接着剤は,紫外線硬化型接着剤,低温硬
    化型エポキシ系接着剤,又は紫外線硬化型接着剤と低温
    硬化型エポキシ系接着剤との混合体であることを特徴と
    する光学部材の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11において,上記紫外線硬化
    型接着剤は,紫外線硬化成分と熱硬化成分とを有するこ
    とを特徴とする光学部材の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項11において,上記紫外線硬化
    型接着剤と低温硬化型エポキシ系接着剤との混合体は,
    紫外線硬化型エポキシ変成アクリル型接着剤と耐熱エポ
    キシ系接着剤との混合体であることを特徴とする光学部
    材の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項8〜13のいずれか一項におい
    て,上記光学シートは,ホログラム層,ホログラムフィ
    ルム,ホログラム板,偏光フィルム,光反射防止フィル
    ム,光反射フィルム,光一部反射一部透過フィルム,偏
    光板,光反射防止板,光反射板,光一部反射一部透過
    板,偏光層,光反射防止層,光一部反射一部透過層,回
    折格子フィルム,干渉フィルタフィルム,及び色フィル
    タフィルムのグループから選ばれたものであることを特
    徴とする光学部材の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項8〜14のいずれか一項におい
    て,上記発粘性接着剤は紫外線硬化型接着剤であり,上
    記光学シートはホログラム層であることを特徴とする光
    学部材の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項8〜15のいずれか1項におい
    て,上記発粘性接着剤を硬化させた後,上記光学シート
    から転写フィルムを剥離することを特徴とする光学部材
    の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16において,上記光学シート
    から転写フィルムを剥離した後,該光学シートの表面
    に,表面接着剤を介して被覆プレートを積層し,圧着す
    ることを特徴とする光学部材の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項16において,上記光学シート
    から転写フィルムを剥離した後,該光学シートの表面
    に,表面接着剤を介して被覆プレートを積層し,接着す
    ることを特徴とする光学部材の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項8〜18のいずれか一項におい
    て,上記光学シートを支持プレートに貼着した後,上記
    光学シートの周縁部に周縁接着剤を塗布することを特徴
    とする光学部材の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項8〜19のいずれか一項におい
    て,上記光学シートの貼着は,上記転写フィルムを剥離
    した後に行うことを特徴とする光学部材の製造方法。
  21. 【請求項21】 転写フィルムの表面に親水コ−ト膜を
    塗布し,該親水コ−ト膜の塗布面に感光剤を滴下して,
    該感光剤と上記親水コ−ト膜の塗布面との接触角をθと
    なし,上記感光剤を均一に塗布し,該感光剤にホログラ
    ム干渉縞を形成してホログラム層を得た後,上記ホログ
    ラム層を支持プレートに接着して光学部材を作製する方
    法であって,滴下された感光剤と親水コート膜の塗布面
    との接触角θは,0.1°〜90°であることを特徴と
    する光学部材の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項20において,滴下された感光
    剤と親水コート膜の塗布面との接触角θは,16°〜2
    4°であることを特徴とする光学部材の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項22において,上記親水コ−ト
    膜の膜厚は,50〜900オングストロームであること
    を特徴とする光学部材の製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項21において,滴下された感光
    剤と親水コート膜の塗布面との接触角θは,0.1°〜
    16°であることを特徴とする光学部材の製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項24において,上記親水コ−ト
    膜の膜厚は,50オングストローム以下であることを特
    徴とする光学部材の製造方法。
  26. 【請求項26】 支持プレートの表面にホログラム層を
    貼着し,該ホログラム層の表面に表面接着剤を介して被
    覆プレートを積層し,圧着する光学部材の製造方法であ
    って,上記圧着の前に,上記ホログラム層に加圧加熱処
    理を行うことを特徴とする光学部材の製造方法。
  27. 【請求項27】 支持プレートの表面にホログラム層を
    設け,該ホログラム層に加圧加熱処理を行ない,前記ホ
    ログラム層の表面に表面接着剤を介して被覆プレートを
    設けることを特徴とする光学部材の製造方法。
  28. 【請求項28】 請求項26又は27において,上記加
    圧加熱処理は,1.0kg/cm2 以上で,かつ80℃
    以上であることを特徴とする光学部材の製造方法。
  29. 【請求項29】 固定基材の表面に紫外線硬化型接着剤
    を塗布し,次いで,上記紫外線硬化型接着剤に粘性を生
    じさせる発粘処理を施し,その後,上記固定基材に上記
    紫外線硬化型接着剤を介して光学シートを設けることを
    特徴とする光学部材の製造方法。
  30. 【請求項30】 請求項29において,上記発粘処理
    は,上記紫外線硬化型接着剤を加熱することにより行な
    うことを特徴とする光学部材の製造方法。
  31. 【請求項31】 請求項29において,上記発粘処理
    は,上記紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射することに
    より行なうことを特徴とする光学部材の製造方法。
  32. 【請求項32】 請求項29〜31のいずれか1項にお
    いて,上記固定基材に上記光学シートを設けた後に,更
    に,紫外線硬化型接着剤を硬化させる硬化処理を施すこ
    とを特徴とする光学部材の製造方法。
  33. 【請求項33】 請求項32において,上記硬化処理
    は,上記紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射することに
    より行なうことを特徴とする光学部材の製造方法。
  34. 【請求項34】 請求項29〜33のいずれか一項にお
    いて,上記発粘処理によって,上記紫外線硬化型接着剤
    の粘着性を3倍以上高めることを特徴とする光学部材の
    製造方法。
  35. 【請求項35】 請求項29〜33のいずれか一項にお
    いて,上記発粘処理によって,上記紫外線硬化型接着剤
    の粘着性を10倍以上高めることを特徴とする光学部材
    の製造方法。
  36. 【請求項36】 請求項29〜35のいずれか一項にお
    いて,上記光学シートは,ホログラム層,ホログラムフ
    ィルム,ホログラム板,偏光フィルム,光反射防止フィ
    ルム,光反射フィルム,光一部反射一部透過フィルム,
    偏光板,光反射防止板,光反射板,光一部反射一部透過
    板,偏光層,光反射防止層,光一部反射一部透過層,回
    折格子フィルム,干渉フィルタフィルム,及び色フィル
    タフィルムのグループから選ばれたものであることを特
    徴とする光学部材の製造方法。
  37. 【請求項37】 請求項29〜36のいずれか一項にお
    いて,上記光学シートは,可撓性を有することを特徴と
    する光学部材の製造方法。
  38. 【請求項38】 請求項32〜37のいずれか一項にお
    いて,上記紫外線硬化型接着剤を硬化させる硬化処理の
    後に,更に,上記光学シートを覆うように上記固定基材
    の表面に,表面接着剤を介して被覆プレートを設けるこ
    とを特徴とする光学部材の製造方法。
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