JPH06214095A - オフガス処理設備及びヨウ素吸着材とその製造方法 - Google Patents

オフガス処理設備及びヨウ素吸着材とその製造方法

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JPH06214095A
JPH06214095A JP5005919A JP591993A JPH06214095A JP H06214095 A JPH06214095 A JP H06214095A JP 5005919 A JP5005919 A JP 5005919A JP 591993 A JP591993 A JP 591993A JP H06214095 A JPH06214095 A JP H06214095A
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Kiyomi Funabashi
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    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/02Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by adsorption, e.g. preparative gas chromatography

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Abstract

(57)【要約】 【目的】オフガス処理設備及びヨウ素吸着材とその製法
において、NOX 等の非共存及び非常に高湿度という苛
酷条件下でもヨウ素を高効率で分離除去できるようにす
る。 【構成】オフガス処理設備の吸着塔17に2種類以上の
銀化合物を添着したヨウ素吸着材24を充填する。銀化
合物としては、易溶性の銀化合物と難溶性の銀化合物を
それぞれ少なくとも1種類ずつ用いる。例えば、ヨウ素
吸着材24の担体である活性アルミナ3の細孔4の内部
に、ポーラス(多孔性)な構造を持つ硝酸銀1と金属銀
2を積層状に添着する。この構造で吸着材として作用さ
せることにより、添着銀の剥離及び有機ヨウ素の除去効
率低下の両方を抑制できる。比較的多量の銀をヨウ素吸
着材に添着できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力施設から放出さ
れる排ガスから放射性ヨウ素を除去するオフガス処理設
備と、放射性ヨウ素を含むガス中から放射性ヨウ素を除
去するヨウ素吸着材及びその製造方法に係わり、特に、
原子力発電所、再処理工場、放射性同位元素取扱施設、
その他の原子力施設から発生するオフガスとしての排ガ
スから放射性ヨウ素を除去するオフガス処理設備と、そ
のオフガス処理設備に用いられるヨウ素吸着材及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のオフガス処理設備用のヨウ素吸着
材としては、特開昭54−4890号公報に記載のよう
に、ヨウ素吸着金属(銀)又はその化合物を担体に添着
させた吸着材において、その担体に多数の大細孔を形成
したもの、特開昭56−108532号公報記載のよう
に、その大細孔の表面に更に多数の小細孔を形成したも
のが知られている。
【0003】また、特開平2−68140号公報に記載
のように、ヨウ素吸着金属(銀)又はその銀塩を添着し
た担体を多孔質の疎水性高分子担体としたもの、特開昭
54−133299号公報に記載のように、銀化合物を
担体に添着させた吸着材において、その銀化合物の形を
変えて潮解性のない銀化合物としたものが知られてい
る。
【0004】上記公知技術は、いずれも、非常に高い湿
度の条件下においてヨウ素吸着材の除去性能が低下する
ことを課題とするものであり、特開昭54−4890号
公報及び特開昭56−108532号公報においては、
細孔のサイズを調整することにより非常に高い湿度の条
件下において細孔内での水分が凝縮を低減し、担持され
た銀(また銀化合物)の活性の低下を抑制している。特
開平2−68410号公報においては、吸着材の担体を
多孔質の疎水性高分子担体とすることにより、担体への
水分の付着を低減し、同様の目的を達成している。
【0005】また、特開昭54−133299号公報に
おいては、銀化合物である硝酸銀の潮解による体積膨脹
が細孔を埋めてしまい、吸着速度が低下させることに着
目し、潮解性のない銀化合物を用いることにより高湿度
条件下における潮解を抑制し、除去性能の低下を防止し
ている。
【0006】一方、Proc. 18th DOE Nuclear Airborne
Waste Management and Air Cleaning Conference, CONE
-840806, Vol. 2, pp.1343-1360(1984) に記載のよう
に、ヨウ素吸着金属(銀)またはその難溶性の化合物を
添着した吸着材は一部の有機ヨウ素(ヨウ化メチル)に
対して窒素酸化物(NOX )等が共存しない場合、除去
性能が低下することが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のヨウ素吸着材を
用いたオフガス処理設備では、通常の条件下においては
非常に優れた性能を発揮するが、一部の苛酷な条件下に
おいてはオフガス処理設備の機能が低下(吸着材のヨウ
素除去性能が低下)することが判明した。すなわち、上
記のように、ヨウ素吸着金属(銀)を添着した吸着材は
一部の有機ヨウ素(ヨウ化メチル)に対して窒素酸化物
(NOX )等が共存しない場合、除去性能が低下する。
また、今回、金属(銀)塩を添着した吸着材は非常に高
い湿度の条件下においては溶解、再結晶化して、後段側
にヨウ素を含んだ粉塵が移行してしまうことが明らかと
なった。上記公知技術のよう素吸着材ではNOX 等非共
存下でのヨウ化メチル除去性能の低下と高湿度条件下で
のヨウ素除去性能の低下の両方を防止することはできな
かった。
【0008】すなわち、上記特開昭54−4890号公
報、特開昭56−108532号公報及び特開平2−6
8410号公報において、金属(銀)塩を添着した吸着
材は非常に高い湿度の条件下においては溶解、再結晶化
して剥離してしまう。また、これら公知技術において易
溶性の金属(銀)塩を添着した吸着材及び特開昭54−
133299号公報に記載の潮解性のない銀化合物を添
着した吸着剤はNOX 等非共存下においてはヨウ化メチ
ルの除去性能が低下する。
【0009】従来、これらのNOX 等非共存下でのヨウ
化メチル除去及び高湿度条件下でのヨウ素除去について
は、その両方が実際に起こる確立は極めて低いケースと
して配慮する必要はなかった。しかしながら、最近は原
子力施設の一層の安全性、信頼性向上のため、そのよう
な苛酷条件下においてもオフガス処理設備の機能、すな
わちヨウ素吸着材の性能を確保する必要が生じてきた。
【0010】本発明の目的は、NOX 等非共存下及び高
湿度条件の両方の苛酷条件下においてもヨウ素を高効率
で分離除去できるオフガス処理設備と、そのオフガス処
理設備に用いられるヨウ素吸着材及びその製造方法を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、原子力施設から放出される排ガスから放
射性ヨウ素を除去するオフガス処理設備において、担体
に少なくとも2種類の銀化合物を添着したヨウ素吸着材
を充填したことを特徴とするオフガス処理設備を提供す
る。
【0012】また、上記目的を達成するために、本発明
は、放射性ヨウ素を含むガス中から放射性ヨウ素を除去
するヨウ素吸着材において、担体に少なくとも2種類の
銀化合物を添着したことを特徴とするヨウ素吸着材を提
供する。
【0013】好ましくは、前記少なくとも2種類の銀化
合物が金属銀を含む全ての銀化合物である。
【0014】また、好ましくは、前記少なくとも2種類
の銀化合物の内、最も量の少ない銀化合物の割合が3重
量%以上であり、最も量の多い銀化合物の割合が97重
量%以下である。
【0015】また、好ましくは、前記少なくとも2種類
の銀化合物が硝酸銀と金属銀を含む。この場合、好まし
くは、前記硝酸銀の割合が3%〜97%であり、前記金
属銀の割合が97%〜3%であり、より好ましくは、前
記硝酸銀の割合が7%〜85%であり、前記金属銀の割
合が15%〜93%である。
【0016】前記少なくとも2種類の銀化合物が積層状
に添着されていてもよいし、均質に添着されていてもよ
い。
【0017】更に、上記目的を達成するために、本発明
は、放射性ヨウ素を含むガス中から放射性ヨウ素を除去
するヨウ素吸着材において、担体に少なくとも2種類の
銀化合物を添着し、これら少なくとも2種類の銀化合物
が易溶性の銀化合物と難溶性の銀化合物をそれぞれ少な
くとも1種類ずつ含むことを特徴とするヨウ素吸着材を
提供する。
【0018】好ましくは、前記易溶性の銀化合物は硝酸
銀、フッ化銀、塩素酸銀、過塩素酸銀、ヘキサフルオロ
リン酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀、テトラフル
オロホウ酸銀、酢酸銀、ジアンミン銀硫酸塩、ジシアノ
銀酸カリウムの中から選ばれる少なくとも1種類の銀化
合物である。
【0019】また、前記難溶性の銀化合物は金属銀、塩
化銀、臭化銀、臭素酸銀、ヨウ化銀、ヨウ素酸銀、酸化
銀、硫化銀、亜硫酸銀、硫酸銀、チオ硫酸銀、セレン化
銀、テルル化銀、アジ化銀、亜硝酸銀、雷酸銀、リン酸
銀、ピロリン酸銀、メタリン酸銀、亜ヒ酸銀、ヒ酸銀、
アセチレン化銀、炭酸銀、シアン化銀、イソシアン酸
銀、チオシアン酸銀、シュウ酸銀、クロム酸銀、二クロ
ム酸銀、メチル銀、フェニル銀の中から選ばれる少なく
とも1種類の銀化合物である。
【0020】また、好ましくは、前記少なくとも2種類
の銀化合物の中の銀の全量に対する前記易溶性の銀化合
物の中の銀の割合が1%〜95%であり、前記難溶性の
銀化合物の中の銀の割合が99%〜5%であり、より好
ましくは、前記少なくとも2種類の銀化合物の中の銀の
全量に対する前記易溶性の銀化合物の中の銀の割合が3
%〜75%であり、前記難溶性の銀化合物の中の銀の割
合が97%〜25%である。
【0021】前記易溶性の銀化合物と難溶性の銀化合物
は積層状に添着されていてもよいし、均質に添着されて
いてもよい。
【0022】また、上記目的を達成するために、本発明
は、担体の表面に少なくとも2種類の銀化合物を添着す
ることを特徴とするヨウ素吸着材の製造方法を提供す
る。
【0023】更に、上記目的を達成するために、本発明
は、担体の表面に一旦1種類の銀化合物を添着し、その
後その銀化合物の一部を他の銀化合物に変換することを
特徴とするヨウ素吸着材の製造方法を提供する。
【0024】また、上記目的を達成するために、本発明
は、担体の表面に一旦第1の種類の銀化合物を添着し、
その後その第1の種類の銀化合物を全て第2の種類の銀
化合物に変換し、更にその後、前記第1の種類の銀化合
物及び第3の種類の銀化合物の一方を添着することを特
徴とするヨウ素吸着材の製造方法を提供する。
【0025】好ましくは、前記変換の方法は、酸化、還
元、加熱、溶液浸漬、ガス接触の中から選ばれる少なく
とも一つの方法である。
【0026】また、上記目的を達成するため、本発明
は、原子力施設から放出される排ガスから放射性ヨウ素
を除去するオフガス処理設備において、担体にヨウ素吸
着金属とその塩の内の少なくとも2種類の化合物を添着
したヨウ素吸着材を充填する。更に、上記目的を達成す
るため、本発明は、放射性ヨウ素を含むガス中から放射
性ヨウ素を除去するヨウ素吸着材において、担体にヨウ
素吸着金属とその塩の内の少なくとも2種類の化合物を
添着したことを特徴とするヨウ素吸着材を提供する。
【0027】
【作用】ヨウ素吸着金属(銀)化合物、特に硝酸銀等の
易溶性銀化合物は、NOX 等非共存下において有機ヨウ
素、特にヨウ化メチルをオフガス中から効率的に除去す
るが、高湿度条件下では溶解し、吸着材から剥離する。
この溶解、剥離の現象は今回初めて明らかとなった。一
方、ヨウ素吸着金属(銀)や難溶性銀化合物は、高湿度
条件下において溶解せず、ヨウ素を効率的に除去する
が、NOX 等非共存下では有機ヨウ素、特にヨウ化メチ
ルの除去効率が低下する。本願発明者等は、硝酸銀等の
易溶性銀化合物と銀等の難溶性銀化合物の両方を担体に
添着してヨウ素吸着材とすることにより、2種類以上の
銀化合物の弱点を抑制し、高湿度でかつNOX 等の非共
存という苛酷条件下においても吸着材の性能を低下させ
ることなく、ヨウ素を吸着材に固定化できることを見出
した。しかも、硝酸銀添着吸着材の性能と金属銀添着吸
着材の性能の単純な加算ではなく、単純加算以上の効果
のあることを発見した。
【0028】本発明は以上の知見に基づいており、2種
類以上の銀化合物を添着したヨウ素吸着材は、上記いず
れの条件下においてもヨウ素を効率的に除去する。
【0029】また、本発明の効果は2種類以上の銀化合
物の位置関係に係わらず得られる。この場合、硝酸銀等
の易溶性銀化合物を表面に近い所へ、金属銀等の難溶性
銀化合物をアルミナ担体に近い所へ添着した吸着材にお
いて、硝酸銀等の易溶性銀化合物が表面近くにあるにも
係わらず剥離(溶解)しにくいのは、金属銀(難溶性銀
化合物)に対する添着(付着)力が強くなっているため
か、硝酸銀の層厚が比較的薄くファンデルワールス力が
強くなっているためと考えられる。また、逆に、硝酸銀
等の易溶性銀化合物をアルミナ担体に近い所へ、金属銀
等の難溶性銀化合物を表面に近い所へ添着した吸着材に
おいて、金属銀が表面近くにあるのにも係わらずNOX
非共存下でヨウ化メチルのDFが高いのは、2種類の銀
化合物がポーラス(多孔質)であり、ヨウ化メチルが容
易に硝酸銀の層まで浸入できるためと考えられる。
【0030】吸着材担体の表面に一旦1種類の銀化合物
を添着した後その銀化合物の一部を他の銀化合物に変換
すること、または吸着材担体の表面に一旦第1の種類の
銀化合物を添着した後その第1の種類の銀化合物を全て
第2の種類の銀化合物に変換し、さらにその後最初の第
1の種類あるいは第3の種類の銀化合物を添着すること
により、2種類以上の銀化合物を添着したヨウ素吸着材
を製造できる。
【0031】一旦添着した銀化合物は、酸化、還元、加
熱、溶液浸漬、ガス接触等の方法により他の銀化合物に
変換する。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。第1の実施例 本発明の第1の実施例として、本発明によるヨウ素吸着
材を使用したオフガス処理設備の構成について図2によ
り説明する。図2は本発明によるオフガス処理設備の典
型例を表した図である。
【0033】ヨウ素を含んだオフガス9は前処理部22
において適切な湿度まで水分を除去し、適切な濃度まで
共存する窒素酸化物(NOX )を除去し、適切な温度条
件に昇温された後、本発明に係わるヨウ素吸着材24を
充填した吸着塔17に導入される。前処理部22は、例
えば水分を除去するスクラバ10とミストセパレータ1
1、NOX を除去するクーラ13を備えたNOX スクラ
バ12、微粒子を除去する高性能微粒子(HEPA)フ
ィルタ15、及びオフガスを昇温するヒータ14、16
から構成される。ヨウ素吸着塔17で所定の濃度条件ま
でヨウ素を吸着除去したオフガスは、後処理設備23に
導入され、ガス温度を室温近傍まで冷却した後に、粉塵
等を除去して排ガスとして放出される。後処理設備23
は、例えば微粒子を除去するHEPAフィルタ18、ガ
スを冷却するクーラ19、及びガスを吸引してスタック
21に導入するブロア20から構成される。
【0034】前処理部における温度の設定条件は100
℃から160℃まで任意に設定し、湿度条件としては露
点10℃から50℃の範囲で調整する条件下で、除染係
数(DF)は環境保全上十分な値を確保することが可能
である。
【0035】しかしながら、温度が設定条件よりも降下
したり、露点が上昇した場合には、過剰の水分が吸着塔
17に導入される。従来のヨウ素吸着材を充填した吸着
塔では、このように多量の水分が導入された場合、ヨウ
素除去性能が低下する恐れがあることが明らかとなっ
た。すなわち、ヨウ素吸着材に添着した銀塩(硝酸銀
等)が溶解、再結晶化して、後段側にヨウ素を含んだ粉
塵が移行してしまうことが分かった。高湿度条件下にお
けるこのような粉塵移行の問題を解決するためには、銀
塩の代わりに金属銀を添着した吸着材を吸着塔に充填す
ることが有効であることも分かった。しかしこの場合に
は、ヨウ化メチルを含みかつNOX が共存しないガスを
処理した場合に、金属銀を添着した吸着材によるヨウ化
メチルの除去性能が低いため、オフガス処理設備の機能
が低下する。
【0036】本実施例のオフガス処理設備の吸着塔17
では、後述するように、2種類以上の銀化合物(金属銀
も化合物の1種と考える)を添着したヨウ素吸着材24
を用いることにより、以上の問題を解決した。すなわ
ち、本実施例のオフガス処理設備では、高湿度条件下に
おいてもまたはNOX 非共存下でヨウ化メチル含有ガス
を処理した場合においても、あるいは両方の条件下にお
いても、環境保全上十分な性能を確保することが可能で
ある。
【0037】したがって、本実施例によれば、オフガス
中のヨウ素を適切にかつ安全に除去できるオフガス処理
設備を提供することが可能となる。
【0038】また、本実施例によれば、ヨウ素吸着材2
4からの添着銀の剥離や粉塵の後段側への移行を抑制で
きるので、ヨウ素吸着材24や後段側粉塵除去フィルタ
18の交換頻度の不必要な増加を防止することが可能と
なる。
【0039】ヨウ素吸着材24の詳細を図1により説明
する。本実施例では、金属銀を約70%、硝酸銀を約3
0%、活性アルミナ上に添着している。
【0040】図1はヨウ素吸着材24の細孔部分を拡大
して摸式的に表わした図である。図1において、ヨウ素
吸着材24の担体である活性アルミナ3の細孔4の内部
に、ポーラス(多孔性)な構造を持つ硝酸銀1と金属銀
2が積層状に添着されており、この硝酸銀1と金属銀2
が協働してヨウ素吸着材として作用する。
【0041】硝酸銀1と金属銀2の添着の方法は、どの
ような方法でも構わないが、例えばまず硝酸銀を添着し
た後金属銀2に変換し、再度硝酸銀1を添着する方法が
考えられる。すなわち、例えば活性アルミナ担体3を硝
酸銀の溶液中に含浸した後乾燥させると硝酸銀がアルミ
ナの細孔に添着される。この添着硝酸銀を水素や一酸化
窒素(NO)等で還元するかあるいは450℃程度に加
熱すると、硝酸銀は金属銀に変化する(金属銀2の層の
形成)。次に金属銀2の添着した吸着材を再度硝酸銀の
溶液中に含浸した後乾燥させると、硝酸銀がアルミナの
細孔内の金属銀の表面に添着される(硝酸銀1の層の形
成)。このようにして、図1に摸式的に示すようなポー
ラス(多孔性)な構造を持つ硝酸銀1と金属銀2を添着
したヨウ素吸着材24が作成できる。
【0042】以上のような構成のヨウ素吸着材24の作
用を説明する。アルミナ細孔の径は50nmから200
0nmで、細孔内に添着された2種類の銀化合物(硝酸
銀:AgNO3 、金属銀:Ag)がヨウ素と反応し、吸
着材と接触したオフガス中から効果的にヨウ素を分離除
去する。この時の硝酸銀と最も一般的なヨウ素の化学形
態であるヨウ素分子(I2 )との反応は次式で表わすこ
とができる。
【0043】 6AgNO3 +3I2 →4AgI+2AgIO3 +6NO2 (1) 2AgNO3 +I2 →AgI+AgIO3 +NO2 +NO (2) 6AgNO3 +3I2 →2AgI+4AgIO3 +6NO (3) 上記の内、いずれの反応が支配的かはオフガス中のNO
とNO2 の組成比と濃度及び吸着温度に依存する。ヨウ
素がヨウ化メチル等の有機ヨウ素(R- I,Rはアルキ
ル基等の有機官能基)の場合は、次式によりヨウ素は吸
着材中の硝酸銀と反応する。
【0044】 AgNO3 +R- I→AgI+R- NO3 (4) 金属銀の場合、ヨウ素分子との反応は次式に従う。
【0045】 2Ag+I2 →2AgI (5) 金属銀と有機ヨウ素との反応は、通常オフガス中にヨウ
素とともに存在する酸素(O2 )、窒素酸化物(N
X ,X=1または2)、水分(H2 O)等が関与し、
次式となる。
【0046】 Ag+R- I+NOX +(1/x) O2 →AgI+R- ONO2 (6) 2Ag+2R- I+H2 O→2AgI+R- H+R- OH (7) なお、(6) 式と(7) 式との反応の発生割合は(6) 式が支
配的である。
【0047】以上の反応は、いずれも通常の条件下にお
いては矢印の方向に反応は進行し、また反応前後の銀化
合物は吸着材に保持されたままであるので、選択的にオ
フガス中のヨウ素を吸着材に固定化でき、オフガスから
ヨウ素を効率的に除去することができる。
【0048】一方、2種類の苛酷条件の反応について記
載する。まず、NOX が共存しない場合のヨウ化メチル
(R=CH3 )との反応であるが、金属銀の場合、(6)
式は次の反応式となる。
【0049】 Ag+CH3 - I→AgI+CH3 - (8) この場合、右辺のメチル基(CH3 - )は結合する相手
がないので非常に不安定であり、(8) 式の反応は矢印の
方向には進行しにくい。また、上記したように(6) 式と
(7) 式とでは(6) 式が支配的であり、仮に水分の共存化
であっても(7) 式の反応の発生割合は小さいので、ヨウ
化メチルの吸着量は僅かである。このため、NOX がオ
フガス中に共存しないという苛酷条件下では、金属銀に
よるヨウ化メチルのオフガス中からの除去効率は低下す
る。
【0050】水分が共存しない場合の金属銀とヨウ化メ
チル(R=CH3 )との反応についても、(7) 式は(8)
式となる。すなわち、金属銀にとってNOX と水分が共
に共存しない場合が最も苛酷な条件となり、このような
条件下では金属銀によるヨウ化メチルのオフガス中から
の除去効率は著しく低下する。
【0051】金属銀以外の難溶性の銀化合物(後述)に
ついても上記(6) 〜(8) 式と同様の反応となり、難溶性
の銀化合物によるヨウ化メチルのオフガス中からの除去
効率も同様に低下する。
【0052】一方、硝酸銀及びそれ以外の易溶性の銀化
合物(後述)については、上記(4)式のように銀と結合
している塩基(硝酸根)が銀と分離し易くメチル基と結
合しやすいので、このような問題は生じない。
【0053】次に、第2の苛酷条件として非常に高湿度
の場合について考察する。非常に高湿度の条件下におけ
る吸着材の挙動は、今回初めて明らかとなったものであ
る。適度の水分は(7) 式に示すように、金属銀によるヨ
ウ化メチルの除去を促進するが、水滴が付着するような
高湿度の場合は、硝酸銀を吸着材の担体から剥離してし
まうことが判明した。これは、多量の水分が吸着材細孔
内に凝縮することにより、易溶性の銀化合物である硝酸
銀が溶解し、細孔外で再結晶化してしまうためである。
(再結晶化した後、あるいは再結晶化の途中で細孔外へ
出ることも考えられる。)この場合、(1) 式から(4) 式
の反応を起こす前に、硝酸銀が以下の反応を起こす。
【0054】 AgNO3 (i) →Ag+ +NO3 〜 (9) AgNO3 (i) →Ag+ +NO3 〜→AgNO3 (o) (10) ここで、AgNO3 (i) は吸着材中の硝酸銀を、AgN
3 (o) は吸着材から剥離した硝酸銀を示す。イオンと
して溶解した銀でも、剥離した硝酸銀でも(1) 式から
(4) 式と同様の反応によりヨウ素と結合し、ヨウ素をオ
フガスから除去できるが、ヨウ素を吸着材に固定化する
という目的は達成できなくなる。
【0055】硝酸銀以外の易溶性の銀化合物について
も、(9) 式及び(10)式と同様の反応を起こし、銀化合物
が担体から剥離してしまう。難溶性の銀化合物(金属銀
も含む)については、溶解しにくいためこのような問題
は生じない。
【0056】以上のように、金属銀等の難溶性銀化合物
を添着したヨウ素吸着材では、NOX 等の非共存という
苛酷条件下で有機ヨウ素、特にヨウ化メチルの除去効率
が低下する。また、硝酸銀等の易溶性銀化合物を添着し
たヨウ素吸着材では、非常に高湿度の苛酷条件下でヨウ
素の吸着材への固定化効率が低下することが今回明らか
となった。
【0057】本願発明者等は、硝酸銀(易溶性銀化合物
の代表)と金属銀(難溶性銀化合物の代表)の両方を担
体である活性アルミナに添着してヨウ素吸着材とするこ
とにより、上記高湿度とNOX の非共存の両方が起こり
得るような苛酷条件下においても吸着材の性能を低下さ
せることなく、ヨウ素を吸着材に固定化できることを見
出した。しかも、硝酸銀添着吸着材の性能と金属銀添着
吸着材の性能の単純な加算ではなく、単純加算以上の効
果のあることを発見した。
【0058】本実施例では、硝酸銀1と金属銀2の両方
を担体である活性アルミナ3に添着してヨウ素吸着材と
しており、本実施例は本発明の典型例である。本実施例
による効果を図3及び図4により説明する。図3はヨウ
素吸着材から剥離した銀(硝酸銀で換算)の吸着材全重
量に対する割合を縦軸に、吸着材に凝縮させた水分の量
を横軸にとった図である。また、図4はヨウ化メチル
(CH3 I)の除染係数(DF:吸着処理前のオフガス
中ヨウ素濃度/吸着処理後のオフガス中ヨウ素濃度)を
縦軸に、オフガス中NOX 濃度を横軸にとった図であ
る。比較した吸着材は、硝酸銀添着吸着材、金属銀添着
吸着材、本実施例による硝酸銀30%、金属銀70%を
添着した吸着材、及び本実施例とは硝酸銀と金属銀の上
下を逆にした吸着材、すなわち金属銀70%を表面側
に、硝酸銀30%をアルミナ担体側に添着した吸着材の
4種類である。銀の添着量はいずれも吸着材全量に対し
て24%である(5%以上であれば同様の結果を示
す)。
【0059】図中の点線は、点線より上の範囲が吸着材
として望ましいことを示すものである。図3及び図4よ
り、従来の硝酸銀添着吸着材あるいは金属銀添着吸着材
では、2種類の苛酷条件(図3:非常に高湿度の条件、
図4:NOX 等の非共存下の条件)において目標を同時
に満足することはできないことが分かる。一方、本実施
例による吸着材及び硝酸銀と金属銀の上下を逆にした吸
着材では、両方の苛酷条件下において目標を同時に満足
している。
【0060】また、図3及び図4の中の一点鎖線は硝酸
銀添着吸着材のデータ及び金属銀添着吸着材のデータを
それぞれ30%及び70%単純に加算した値を示してい
る。本実施例による吸着材及び硝酸銀と金属銀の上下を
逆にした吸着材のデータは、単純に加算した値以上の性
能を有しており、従来の知見からは単純に類推できな
い。また、図3のデータは今回初めて得られたものであ
る。
【0061】以上の検討結果より、本実施例では、NO
X 等の非共存という苛酷条件下では、少なくとも上記
(1) 〜(5) 式の反応が起こるものと推定され、(2) 式の
反応により有機ヨウ素の除去効率の低下が抑制される。
また、非常に高湿度の苛酷条件下では、金属銀の作用で
上記(9) 式及び(10)式の反応が抑制され硝酸銀の剥離が
抑制される結果、上記(1) 〜(7) 式の反応が起こるもの
と推定され、(9) 式及び(10)式の反応の抑制によりヨウ
素の吸着材への固定化効率の低下が抑制される。
【0062】したがって、本実施例によれば添着銀の剥
離及びヨウ化メチルの除去効率(DF)低下を同時に抑
制できる効果がある。この場合、硝酸銀が表面近くにあ
るにもかかわらず、剥離(溶解)しにくいのは、金属銀
(難溶性銀化合物)に対する添着(付着)力が強くなっ
ているためか、硝酸銀の層厚が比較的薄くファンデルワ
ールス力が強くなっているためと考えられる。
【0063】また、本実施例と逆に、硝酸銀をアルミナ
担体に近い所へ、金属銀を表面に近い所へ添着した吸着
材であっても、全く同じ効果がある。この場合、金属銀
が表面近くにあるのにも係わらず、NOX 非共存下でヨ
ウ化メチルのDFが高いのは、図1に示すように添着し
てある2種類の銀化合物がポーラス(多孔質)であり、
ヨウ化メチルが容易に硝酸銀の層まで浸入できるためと
考えられる。
【0064】次に、本発明の効果を得るための銀混合割
合について説明する。上記実施例においては、硝酸銀3
0%、金属銀約70%を担体である活性アルミナ上に添
着したヨウ素吸着材を例として記載したが、硝酸銀の割
合が3%〜97%、望ましくは7%〜85%、金属銀の
割合が97%〜3%、望ましくは93%〜15%の範囲
にそれぞれあれば同様の効果がある。
【0065】図5に本願発明者等が行った銀混合割合に
ついての試験結果を示す。図5において、横軸は添着し
た金属銀と硝酸銀の内の金属銀の割合をとり、縦軸はヨ
ウ化メチルの除染係数:DF(実線)と硝酸銀の剥離率
(点線)をとっている。この図より、本実施例によるヨ
ウ素吸着材中の銀の構成比率を決定することができる。
すなわち、ヨウ化メチルのDFとしては、20以上が目
安となり、より望ましくは500以上(目標)を達成し
たい。一方、銀化合物の剥離率としては、10%以下が
目安となり、望ましくは1%以下(目標)にしたい。図
5より、DF20及び500で硝酸銀の割合はそれぞれ
約3%及び約7%であり、剥離率10%及び1%で金属
銀の割合はそれぞれ約3%及び約15%である。したが
って、硝酸銀と金属銀の割合は片方が3%程度以上あれ
ば、目安としての性能を達成できることが分かる。ま
た、硝酸銀7%程度以上、金属銀15%以上あれば、目
標を達成できより望ましい。
【0066】以上より、硝酸銀の割合が3%〜97%、
望ましくは7%〜85%、金属銀の割合が97%〜3
%、望ましくは93%〜15%の範囲にそれぞれあれば
本発明の効果が得られる。また、これらの数値を当ては
めることにより、硝酸銀と金属銀の割合を性能の目安値
や目標値に対応させて決定することができる。
【0067】また、上記のデータでは、硝酸銀を表面近
傍に金属銀を担体近傍に添着した場合について示した
が、逆の場合についても図5に示すように同様の結果が
得られる。すなわち、図5において、実線及び点線の丸
印がそれぞれ硝酸銀を担体近傍に金属銀を表面近傍に添
着した場合のヨウ化メチルのDF及び剥離率であり、上
記の場合と同様のデータを示している。
【0068】なお、上記実施例では、担体として活性ア
ルミナを用いたが、担体としては活性アルミナではな
く、通常のアルミナ、シリカゲル、ゼオライト、モルデ
ナイト等の多孔質物質でも同様の効果がある。
【0069】また、本実施例では積層状(2層)に硝酸
銀と金属銀を添着したが、3層以上に交互に添着して
も、均質に添着しても(後述)、その他いかなる状態で
添着しても同じ効果がある。
【0070】第2の実施例 次に、本発明の第2の実施例を金属銀と硝酸銀以外の銀
化合物の組合せを添着したヨウ素吸着材について、図6
により説明する。
【0071】基本的な吸着材の構成は図1と同様であ
る。すなわち、添着する銀化合物以外の構成は図1と全
く同じであり、添着する銀化合物が図1と異なる。本実
施例では添着する銀化合物の種類を、水を含む溶液に対
する易溶性・難溶性の観点から2種類に分類する。すな
わち、易溶性の銀化合物を第1の分類とし、難溶性の銀
化合物を第2の分類とする。そして、第1の分類の銀化
合物の中から選択した一つの銀化合物5と、同様に第2
の分類の銀化合物の中から選択した一つの銀化合物6と
を担体に添着する。
【0072】第1の分類(易溶性)に属す銀化合物は硝
酸銀、フッ化銀、塩素酸銀、過塩素酸銀、ヘキサフルオ
ロリン酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀、テトラフ
ルオロホウ酸銀、酢酸銀、ジアンミン銀硫酸塩、ジシア
ノ銀酸カリウムである。
【0073】第2の分類(難溶性)に属す銀化合物は金
属銀、塩化銀、臭化銀、臭素酸銀、ヨウ化銀、ヨウ素酸
銀、酸化銀、硫化銀、亜硫酸銀、硫酸銀、チオ硫酸銀、
セレン化銀、テルル化銀、アジ化銀、亜硝酸銀、雷酸
銀、リン酸銀、ピロリン酸銀、メタリン酸銀、亜ヒ酸
銀、ヒ酸銀、アセチレン化銀、炭酸銀、シアン化銀、イ
ソシアン酸銀、チオシアン酸銀、シュウ酸銀、クロム酸
銀、二クロム酸銀、メチル銀、フェニル銀である。
【0074】まず、第2の分類(難溶性)に属す銀化合
物の溶液にアルミナ担体を浸漬し乾燥させると、この銀
化合物が担体に添着する(第2の分類に属す銀化合物6
の層の形成)。次に、第1の分類(易溶性)に属す銀化
合物の溶液にアルミナ担体を浸漬し乾燥させると、この
銀化合物が先に添着した銀化合物の層の上に添着する
(第1の分類に属す銀化合物5の層の形成)。このよう
にして、図6に模式的に示すようなヨウ素吸着材が作成
できる。この場合も、図示はしないが、銀化合物5,6
はポーラスとなる。
【0075】第1の分類(易溶性)に属す銀化合物のみ
を添着した吸着材、第2の分類(難溶性)に属す銀化合
物のみを添着した吸着材、及び両者を添着した本実施例
による吸着材によるヨウ素除去の原理は、第1の実施例
に示したものと同様である。すなわち、第2の分類(難
溶性)に属す銀化合物を添着したヨウ素吸着材では、N
X や水分等の非共存という苛酷条件下で有機ヨウ素、
特にヨウ化メチルの除去効率が低下する。また、第1の
分類(易溶性)に属す銀化合物を添着したヨウ素吸着材
では、非常に高湿度の苛酷条件下でヨウ素の吸着材への
固定化効率が低下することが今回明らかとなった。一
方、本実施例による吸着材では、第1の実施例に示した
吸着材と同様、どちらの苛酷条件下においても、また両
方が生ずる条件下においても吸着材の性能は低下するこ
とがないことが判明した。
【0076】以上のように、本実施例によれば添着銀の
剥離及びヨウ化メチルの除去効率(DF)低下を同時に
抑制できる効果がある。
【0077】次に、本発明の効果を得るための銀混合割
合について説明する。上記実施例においては、2種類の
添着銀の割合を特定しなかったが、上記2種類の銀化合
物の中の銀の全量に対する第1の分類(易溶性)の銀化
合物の中の銀の割合が1%〜95%、望ましくは3%〜
75%、第2の分類(難溶性)の銀化合物の中の銀の割
合が99%〜5%、望ましくは97%〜25%の範囲に
それぞれあれば同様の効果がある。以下、このことを説
明する。
【0078】第1の実施例と同様にヨウ素吸着材を調製
する場合、銀混合割合が重要な因子となる。図7に本願
発明者等が行った銀混合割合についての試験結果を示
す。図7において、横軸は添着した2種類の銀化合物、
Ag[1]とAg[2]の内のAg[1]の割合をと
り、縦軸はヨウ化メチルの除染係数:DF(実線)と硝
酸銀の剥離率(点線)をとっている。Ag[1]は難溶
性銀化合物の中の銀の量であり、Ag[2]は易溶性銀
化合物の中の銀の量である。図7は図5を一般化した図
と考えることができる。
【0079】この図より、本実施例によるヨウ素吸着材
中の銀の構成比率を決定することができる。すなわち、
ヨウ化メチルのDFとしては、20以上が目安となり、
より望ましくは500以上(目標)を達成したい。一
方、銀化合物の剥離率としては、10%以下が目安とな
り、望ましくは1%以下(目標)にしたい。DF20及
び500で易溶性銀化合物の銀の割合はそれぞれ約1%
及び約3%であり、剥離率10%及び1%で難溶性銀化
合物の銀の割合はそれぞれ約5%及び約25%である。
【0080】したがって、上記2種類の銀化合物の中の
銀の全量に対する第1の分類(易溶性)の銀化合物の中
の銀の割合が1%〜95%、望ましくは3%〜75%、
第2の分類(難溶性)の銀化合物の中の銀の割合が99
%〜5%、望ましくは97%〜25%の範囲にそれぞれ
あれば本発明の効果が得られる。また、これらの数値を
当てはめることにより、一般的な2種類の銀化合物の割
合を性能の目安値や目標値に対応させて決定することが
できる。
【0081】また、本実施例では第1の分類(易溶性)
に属す銀化合物を表面近傍に、第2の分類(難溶性)に
属す銀化合物を担体近傍に添着したが、第1の実施例と
同様にこの逆であっても全く同じ効果がある。また、上
記のデータでは、易溶性銀化合物を表面近傍に難溶性銀
化合物を担体近傍に添着した場合について示したが、逆
の場合についても図5の場合と同様に銀混合割合の目安
や目標を得ることができる。
【0082】なお、本実施例でも、担体としてはアルミ
ナではなく、シリカゲル、ゼオライト、モルデナイト等
の多孔質物質でも同様の効果がある。
【0083】また、本実施例では積層状(2層)に第1
の分類(易溶性)に属す銀化合物及び第2の分類(難溶
性)に属す銀化合物を添着したが、3層以上に交互に添
着しても均質に添着しても、その他いかなる状態で添着
しても同じ効果がある。
【0084】第3の実施例 本発明の第3の実施例として、3種類の銀化合物を添着
したヨウ素吸着材について図8により説明する。
【0085】模式的に示した図8の構成は、まず金属銀
2をアルミナ担体3に添着し、次に酸化銀7を添着、最
後に硝酸銀1を添着している。添着の方法は種々ある
が、まず硝酸銀を添着して440℃以上に加熱して金属
銀に変換し、次に水酸化銀の溶液に浸漬後乾燥して酸化
銀を添着し、最後に硝酸銀溶液に浸漬後乾燥して硝酸銀
を添着することができる。このようにして、図8に模式
的に示すような構造のヨウ素吸着材を調製できる。
【0086】本実施例による吸着材のヨウ素固定化原理
は、第1の実施例に示したものと同様であり、金属銀と
酸化銀は非常に高湿度の苛酷条件下でヨウ素の吸着材へ
の固定化効率の低下を防止し、硝酸銀はNOX や水分等
の非共存条件下で有機ヨウ素の除去効率の低下を防止す
る。また、酸化銀は金属銀と硝酸銀の両方に対して親和
性を有しており、酸化銀を介在させることにより金属銀
と硝酸銀の結合をより強固にする。これらの3種類の銀
化合物を添着したヨウ素吸着材は、先の2種類の銀化合
物を用いた実施例のデータから類推して、第1の実施例
と同様に、それぞれの銀化合物を添着した吸着材の効果
を単純に加算した場合より大きな効果を発揮することは
明らかである。
【0087】以上、本実施例によれば、添着の操作が2
種類の銀化合物を添着する場合より余計に必要である
が、添着銀の剥離及び有機ヨウ素の除去効率低下を同時
に抑制できる効果がある。
【0088】上記実施例においては、3種類の添着銀の
割合を特定しなかったが、第2の実施例のデータから類
推して、第1の分類(易溶性)の銀化合物である硝酸銀
1の中の銀の割合が1%〜95%、望ましくは3%〜7
5%、第2の分類(難溶性)の銀化合物である金属銀2
又は酸化銀7の中の銀の割合が99%〜5%、望ましく
は97%〜25%の範囲にそれぞれあれば同様の効果が
ある。
【0089】また、また、最初に添着した銀化合物と最
後に添着した銀化合物が同じものであっても同様の効果
がある。さらに、担体としてはアルミナではなく、シリ
カゲル、ゼオライト、モルデナイト等の多孔質物質でも
同様の効果がある。
【0090】本実施例では、3種類の銀化合物を積層状
(3層)に添着したが、4層以上であっても、2種類以
上の銀化合物を交互に添着しても、均質に添着しても、
その他いかなる状態で添着しても同じ効果がある。
【0091】第4の実施例 本発明の第4の実施例として、均質に2種類の銀化合物
を添着したヨウ素吸着材について図9により説明する。
【0092】図9は均質に銀化合物を添着した吸着材の
表面部分断面を拡大して摸式的に示したものである。均
質混合物8は、2種類の銀化合物より構成されるが、マ
クロ的には均質な一つの層である。この吸着材の製法と
しては、混合銀溶液に担体を浸漬し、乾燥を急速に行う
方法がある。急速乾燥により、2種類の銀化合物はほぼ
同時に均質な状態で吸着材細孔内に添着できる。また、
多層に添着する場合において、少しずつ薄く2種類の層
を添着することにより、2種類の銀化合物の層をほぼ均
質に添着した吸着材が調製できる。
【0093】2種類の銀化合物を均質に添着した吸着材
においても、第1の実施例の層状に添着したものと同様
の効果がある。すなわち、高湿度条件下においては難溶
性の銀化合物が易溶性銀化合物の付着力あるいはファン
デルワールス力を強めるため溶解や剥離を抑制し、NO
X 非共存下においてはポーラス(多孔質)な添着銀化合
物の構造により易溶性銀化合物がヨウ化メチルのDFの
低下を抑制する。
【0094】以上の実施例においては、2種類の銀化合
物を均質に添着した吸着材の場合について述べたが、3
種類以上の銀化合物を均質に添着した吸着材についても
全く同様の効果がある。
【0095】第5の実施例 本発明の第5の実施例を製造方法に着眼し、図10によ
り説明する。図10は本発明によるヨウ素吸着材の製造
プロセスの7つの例を簡略化して示したものである。以
下、各製造プロセスについて簡単に個条書で説明する。
【0096】吸着材担体を硝酸銀溶液に浸漬して乾燥
し(以下以外は全て同じ)、その後添着硝酸銀の一部
を水素等で還元することにより、本発明によるヨウ素吸
着材を調製する。この場合、先に添着した硝酸銀の表層
部分が還元されて金属銀となる。
【0097】添着硝酸銀を短時間440℃以上で加熱
し、ヨウ素吸着材を調製する。この場合も、先に添着し
た硝酸銀の表層部分が還元されて金属銀となる。
【0098】添着硝酸銀を還元した後表面を部分酸化
する。この場合、先に硝酸銀が十分に還元されていれ
ば、金属銀(内部層)と酸化銀(表面層)の2成分系と
なるが、 還元が不十分の場合、硝酸銀(内部層)、金
属銀(中間層)及び酸化銀(表面 層)の3成分系とな
る。
【0099】添着硝酸銀を加熱又は還元して金属銀に
変換して、その後硝酸銀を添着する。この場合、加熱又
は還元が十分であれば金属銀(内部層)と硝酸銀(表面
層)の2層となるが、不十分であれば硝酸銀(内部
層)、金属銀(中間層)、硝酸銀(表面層)の3層とな
る。
【0100】添着硝酸銀を別の種類の銀溶液浸漬によ
り他の銀化合物に変換し、その後硝酸銀を添着する。
【0101】混合銀溶液に担体を浸漬し、徐々に乾燥
する。まず、析出しやすい難溶性の銀化合物が担体細孔
内に添着され、次に析出しにくい易溶性の銀化合物が難
溶性銀化合物の上に添着される。また、乾燥を急速に行
うことにより、銀化合物を均質に添着できる。
【0102】添着硝酸銀をガスと反応させて一部別の
銀化合物に変換する。
【0103】以上の他にも種々の方法及び種々方法の組
合せが考えられる。本実施例によれば、添着銀の剥離及
び有機ヨウ素の除去効率低下を同時に抑制できるヨウ素
吸着材を調製できる。
【0104】第6の実施例 本発明の第6の実施例として、本発明による銀以外の金
属の化合物を添着したヨウ素吸着材を使用したオフガス
処理設備の構成について図11により説明する。本実施
例では、銀以外の金属の代表例として銅について説明す
る。図11は図2と同様に本発明によるオフガス処理設
備の典型例を表した図である。
【0105】ヨウ素を含んだオフガス9は前処理部22
において適切な湿度まで水分を除去し、適切な濃度まで
共存する窒素酸化物(NOX )を除去し、適切な温度条
件に昇温された後、本発明に係わるヨウ素吸着材24A
を充填した吸着塔17に導入される。前処理部22は、
例えば水分を除去するスクラバ10とミストセパレータ
11、NOX を除去するクーラ13を備えたNOX スク
ラバ12、微粒子を除去する高性能微粒子(HEPA)
フィルタ15、及びオフガスを昇温するヒータ14、1
6から構成される。ヨウ素吸着塔17で所定の濃度条件
までヨウ素を吸着除去したオフガスは、後処理設備23
に導入され、ガス温度を室温近傍まで冷却した後に、粉
塵等を除去して排ガスとして放出される。後処理設備2
3は、例えば微粒子を除去するHEPAフィルタ18、
ガスを冷却するクーラ19、及びガスを吸引してスタッ
ク21に導入するブロア20から構成される。
【0106】前処理部における温度の設定条件は100
℃から160℃まで任意に設定し、湿度条件としては露
点10℃から50℃の範囲で調整する条件下で、除染係
数(DF)は環境保全上十分な値を確保することが可能
である。
【0107】しかしながら、温度が設定条件よりも降下
したり、露点が上昇した場合には、過剰の水分が吸着塔
17に導入される。従来のヨウ素吸着材を充填した吸着
塔では、このように多量の水分が導入された場合、ヨウ
素除去性能が低下する恐れがあることが明らかとなっ
た。すなわち、ヨウ素吸着材に添着した銅塩(硝酸銅
等)が溶解、再結晶化して、後段側にヨウ素を含んだ粉
塵が移行してしまうことが分かった。高湿度条件下にお
けるこのような粉塵移行の問題を解決するためには、銅
塩の代わりに金属銅を添着した吸着材を吸着塔に充填す
ることが有効であることも分かった。しかしこの場合に
は、ヨウ化メチルを含みかつNOX が共存しないガスを
処理した場合に、金属銅を添着した吸着材によるヨウ化
メチルの除去性能が低いため、オフガス処理設備の機能
が低下する。
【0108】本実施例のオフガス処理設備の吸着塔17
では、銀についての先の実施例と同様に、2種類以上の
銅化合物(金属銅も化合物の1種と考える)を添着した
ヨウ素吸着材24Aを用いることにより、以上の問題を
解決した。すなわち、本実施例のオフガス処理設備で
は、高湿度条件下においてもまたはNOX 非共存下でヨ
ウ化メチル含有ガスを処理した場合においても、あるい
は両方の条件下においても、環境保全上十分な性能を確
保することが可能である。
【0109】したがって、本実施例によれば、オフガス
中のヨウ素を適切にかつ安全に除去できるオフガス処理
設備を提供することが可能となる。
【0110】また、本実施例によれば、ヨウ素吸着材2
4Aからの添着銅の剥離や粉塵の後段側への移行を抑制
できるので、ヨウ素吸着材24Aや後段側粉塵除去フィ
ルタ18の交換頻度の不必要な増加を防止することが可
能となる。
【0111】なお、上記第6の実施例では、銅の場合に
ついて示したが、鉛、パラジウム等他のヨウ素吸着金属
についても、あるいは銀を含めたこれらの異種金属の組
合わせについても、本実施例と同様の効果がある。
【0112】
【発明の効果】本発明によれば、添着銀の剥離及びヨウ
化メチルの除去効率低下の両方を抑制できるヨウ素吸着
材を提供できる効果がある。また、銀の剥離を防止でき
るので、比較的多量の銀を吸着材に添着できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるオフガス処理設備
に用いられるヨウ素吸着材を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例によるオフガス処理設備
全体を示す図である。
【図3】ヨウ素吸着材に凝縮させた水分の量とヨウ素吸
着材から剥離した銀(硝酸銀で換算)の吸着材全重量に
対する割合との関係を示す図である。
【図4】オフガス中NOX濃度とヨウ化メチル(CH3
I)の除染係数(DF:吸着処理前のオフガス中ヨウ素
濃度/吸着処理後のオフガス中ヨウ素濃度)との関係を
示す図である。
【図5】添着した金属銀と硝酸銀の内の金属銀の割合と
ヨウ化メチルの除染係数:DF(実線)と硝酸銀の剥離
率(点線)との関係を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例によるヨウ素吸着材を示
す図である。
【図7】添着した2種類の銀化合物であるAg[1]と
Ag[2]の内のAg[1]の割合とヨウ化メチルの除
染係数:DF(実線)と硝酸銀の剥離率(点線)との関
係を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施例によるヨウ素吸着材を示
す図である。
【図9】本発明の第4の実施例によるヨウ素吸着材を示
す図である。
【図10】本発明のヨウ素吸着材の製造方法の実施例を
示す図である。
【図11】本発明の第6の実施例によるオフガス処理設
備全体を示す図である。
【符号の説明】
1:硝酸銀 2:金属銀 3:アルミナ担体 4:担体細孔 5:第1の分類(易溶性)に属す銀化合物 6:第2の分類(難溶性)に属す銀化合物 7:酸化銀 8:2種類の銀化合物の均質な混合物 9:オフガス 10:スクラバ 11:ミストセパレータ 12:NOX スクラバ 13:クーラ 14:ヒータ 15:高性能微粒子フィルタ 16:ヒータ 17:ヨウ素吸着塔 18:高性能微粒子フィルタ 19:クーラ 20:ブロア 21:スタック 22:前処理設備 23:後処理設備 24,24A:ヨウ素吸着材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 文雄 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 船橋 清美 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 三浦 襄 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子力施設から放出される排ガスから放
    射性ヨウ素を除去するオフガス処理設備において、担体
    に少なくとも2種類の銀化合物を添着したヨウ素吸着材
    を充填したことを特徴とするオフガス処理設備。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも2種類の銀化合物が硝酸
    銀を含むことを特徴とする請求項1記載のオフガス処理
    設備。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも2種類の銀化合物が金属
    銀を含むことを特徴とする請求項1記載のオフガス処理
    設備。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも2種類の銀化合物の内、
    最も量の少ない銀化合物の割合が3重量%以上であり、
    最も量の多い銀化合物の割合が97重量%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のオフガス処理設備。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも2種類の銀化合物が硝酸
    銀と金属銀を含むことを特徴とする請求項1記載のオフ
    ガス処理設備。
  6. 【請求項6】 前記硝酸銀の割合が3%〜97%であ
    り、前記金属銀の割合が97%〜3%であることを特徴
    とする請求項5記載のオフガス処理設備。
  7. 【請求項7】 前記硝酸銀の割合が7%〜85%であ
    り、前記金属銀の割合が93%〜15%であることを特
    徴とする請求項5記載のオフガス処理設備。
  8. 【請求項8】 前記少なくとも2種類の銀化合物が易溶
    性の銀化合物と難溶性の銀化合物をそれぞれ少なくとも
    1種類ずつ含むことを特徴とする請求項1記載のオフガ
    ス処理設備。
  9. 【請求項9】 前記少なくとも2種類の銀化合物の中の
    銀の全量に対する前記易溶性の銀化合物の中の銀の割合
    が1%〜95%であり、前記難溶性の銀化合物の中の銀
    の割合が99%〜5%であることを特徴とする請求項8
    記載のオフガス処理設備。
  10. 【請求項10】 前記少なくとも2種類の銀化合物の中
    の銀の全量に対する前記易溶性の銀化合物の中の銀の割
    合が3%〜75%であり、前記難溶性の銀化合物の中の
    銀の割合が97%〜25%であることを特徴とする請求
    項8記載のオフガス処理設備。
  11. 【請求項11】 前記少なくとも2種類の銀化合物が積
    層状に添着されていることを特徴とする請求項1記載の
    オフガス処理設備。
  12. 【請求項12】 前記少なくとも2種類の銀化合物が均
    質に添着されていることを特徴とする請求項1記載のオ
    フガス処理設備。
  13. 【請求項13】 原子力施設から放出される排ガスから
    放射性ヨウ素を除去するオフガス処理設備において、担
    体にヨウ素吸着金属とその塩の内の少なくとも2種類の
    化合物を添着したヨウ素吸着材を充填したことを特徴と
    するオフガス処理設備。
  14. 【請求項14】 放射性ヨウ素を含むガス中から放射性
    ヨウ素を除去するヨウ素吸着材において、担体に少なく
    とも2種類の銀化合物を添着したことを特徴とするヨウ
    素吸着材。
  15. 【請求項15】 前記少なくとも2種類の銀化合物が金
    属銀を含む全ての銀化合物であることを特徴とする請求
    項14記載のヨウ素吸着材。
  16. 【請求項16】 前記少なくとも2種類の銀化合物が硝
    酸銀を含むことを特徴とする請求項14記載のヨウ素吸
    着材。
  17. 【請求項17】 前記少なくとも2種類の銀化合物が金
    属銀を含むことを特徴とする請求項14記載のヨウ素吸
    着材。
  18. 【請求項18】 前記少なくとも2種類の銀化合物の
    内、最も量の少ない銀化合物の割合が3重量%以上であ
    り、最も量の多い銀化合物の割合が97重量%以下であ
    ることを特徴とする請求項14記載のヨウ素吸着材。
  19. 【請求項19】 前記少なくとも2種類の銀化合物が硝
    酸銀と金属銀を含むことを特徴とする請求項14記載の
    ヨウ素吸着材。
  20. 【請求項20】 前記硝酸銀の割合が3%〜97%であ
    り、前記金属銀の割合が97%〜3%であることを特徴
    とする請求項19記載のヨウ素吸着材。
  21. 【請求項21】 前記硝酸銀の割合が7%〜85%であ
    り、前記金属銀の割合が15%〜93%であることを特
    徴とする請求項19記載のヨウ素吸着材。
  22. 【請求項22】 前記少なくとも2種類の銀化合物が積
    層状に添着されていることを特徴とする請求項14記載
    のヨウ素吸着材。
  23. 【請求項23】 前記少なくとも2種類の銀化合物が均
    質に添着されていることを特徴とする請求項14記載の
    ヨウ素吸着材。
  24. 【請求項24】 放射性ヨウ素を含むガス中から放射性
    ヨウ素を除去するヨウ素吸着材において、担体に少なく
    とも2種類の銀化合物を添着し、これら少なくとも2種
    類の銀化合物が易溶性の銀化合物と難溶性の銀化合物を
    それぞれ少なくとも1種類ずつ含むことを特徴とするヨ
    ウ素吸着材。
  25. 【請求項25】 前記易溶性の銀化合物が硝酸銀、フッ
    化銀、塩素酸銀、過塩素酸銀、ヘキサフルオロリン酸
    銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀、テトラフルオロホ
    ウ酸銀、酢酸銀、ジアンミン銀硫酸塩、ジシアノ銀酸カ
    リウムの中から選ばれる少なくとも1種類の銀化合物で
    あることを特徴とする請求項24記載のヨウ素吸着材。
  26. 【請求項26】 前記難溶性の銀化合物が金属銀、塩化
    銀、臭化銀、臭素酸銀、ヨウ化銀、ヨウ素酸銀、酸化
    銀、硫化銀、亜硫酸銀、硫酸銀、チオ硫酸銀、セレン化
    銀、テルル化銀、アジ化銀、亜硝酸銀、雷酸銀、リン酸
    銀、ピロリン酸銀、メタリン酸銀、亜ヒ酸銀、ヒ酸銀、
    アセチレン化銀、炭酸銀、シアン化銀、イソシアン酸
    銀、チオシアン酸銀、シュウ酸銀、クロム酸銀、二クロ
    ム酸銀、メチル銀、フェニル銀の中から選ばれる少なく
    とも1種類の銀化合物であることを特徴とする請求項2
    4記載のヨウ素吸着材。
  27. 【請求項27】 前記少なくとも2種類の銀化合物の中
    の銀の全量に対する前記易溶性の銀化合物の中の銀の割
    合が1%〜95%であり、前記難溶性の銀化合物の中の
    銀の割合が99%〜5%であることを特徴とする請求項
    24記載のヨウ素吸着材。
  28. 【請求項28】 前記少なくとも2種類の銀化合物の中
    の銀の全量に対する前記易溶性の銀化合物の中の銀の割
    合が3%〜75%であり、前記難溶性の銀化合物の中の
    銀の割合が97%〜25%であることを特徴とする請求
    項24記載のヨウ素吸着材。
  29. 【請求項29】 前記易溶性の銀化合物と難溶性の銀化
    合物が積層状に添着されていることを特徴とする請求項
    24記載のヨウ素吸着材。
  30. 【請求項30】 前記易溶性の銀化合物と難溶性の銀化
    合物が均質に添着されていることを特徴とする請求項2
    4記載のヨウ素吸着材。
  31. 【請求項31】 放射性ヨウ素を含むガス中から放射性
    ヨウ素を除去するヨウ素吸着材において、担体にヨウ素
    吸着金属とその塩の内の少なくとも2種類の化合物を添
    着したことを特徴とするヨウ素吸着材。
  32. 【請求項32】 担体の表面に少なくとも2種類の銀化
    合物を添着することを特徴とするヨウ素吸着材の製造方
    法。
  33. 【請求項33】 担体の表面に一旦1種類の銀化合物を
    添着し、その後その銀化合物の一部を他の銀化合物に変
    換することを特徴とするヨウ素吸着材の製造方法。
  34. 【請求項34】 担体の表面に一旦第1の種類の銀化合
    物を添着し、その後その第1の種類の銀化合物を全て第
    2の種類の銀化合物に変換し、更にその後、前記第1の
    種類の銀化合物及び第3の種類の銀化合物の一方を添着
    することを特徴とするヨウ素吸着材の製造方法。
  35. 【請求項35】 前記変換の方法が、酸化、還元、加
    熱、溶液浸漬、ガス接触の中から選ばれる少なくとも一
    つの方法であることを特徴とする請求項33または34
    記載のヨウ素吸着材の製造方法。
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