JPH06212029A - 包装用防湿材 - Google Patents

包装用防湿材

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JPH06212029A
JPH06212029A JP28494192A JP28494192A JPH06212029A JP H06212029 A JPH06212029 A JP H06212029A JP 28494192 A JP28494192 A JP 28494192A JP 28494192 A JP28494192 A JP 28494192A JP H06212029 A JPH06212029 A JP H06212029A
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JP28494192A
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Hideo Miura
秀雄 三浦
Yoshiaki Watanabe
吉明 渡邊
Etsuko Ito
恵津子 伊藤
Tomoyasu Muraki
朝康 村木
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Daikyo Seiko Kk
Sankyo Co Ltd
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Daikyo Seiko Kk
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な包装用防湿材を提供する。 【構成】 本発明は高吸水性樹脂とゴム類との混合物か
らなる包装用防湿材である。該高吸水性樹脂としては、
ポリビニルアルコールとポリアクリル酸との混合体、ポ
リアクリル酸金属塩架橋体、デンプン−アクリル酸グラ
フト共重合体アルカリ金属塩から選ばれる1以上が特に
好ましい。本発明防湿材は内容物汚染や損傷の心配がな
く、衛生性、吸湿性能、パッキング性に優れ、医薬品、
食料品、電化部品などの包装用に好適に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品、食料品、電子
部品などの包装用防湿材に関する。詳しくは、長期保存
される密閉包装容器の部材として優れた防湿機能を有す
る防湿材を提供する。
【0002】
【従来の技術】一般に医薬品、食料品、電子部品など
は、製造後の品質や機能の低下を防止するため、その包
装形態には密閉容器が広く使用されている。特に医薬品
においては、その変質の原因には、光、酸素、熱による
劣化のほか、水分による分解があり、又これらの複合作
用によることが多い。水分は自体が加水分解の原因とな
るばかりか、酸化を促進する作用があって、医薬品の品
質を損なう主因となっている。現在、医薬品の剤型が錠
剤、散剤などのものについては、ガラス製、プラスチッ
ク製および金属製容器によって、気密性、防湿性が保た
れている。例えば、通常の瓶包装用キャップはガラス等
からなる瓶口頂部と接触する部分に天然ゴムをライニン
グし、それを乾燥(熟成)したものをキャップ用パッキ
ング材として用いている。このようなパッキングは周知
のようにそれ自身吸湿機能を全く具備しておらず、外気
遮蔽機能のみを有している。天然ゴムライニング付キャ
ップには永久変形と温度作用等による戻しトルク値の増
加が認められ、この点が大きな欠点となる。そこで包装
容器内部の湿度の抑制の目的で、シリカゲル、アルミナ
ゲル、シリカアルミナゲル、各種ゼオライトなどの成形
加工品が防湿材として使用されている。例えば、固形医
薬品が高い防湿性を必要とする場合、通常ガラス瓶が用
いられているが、このようなケースでは、薬物自身が含
有する水分によって安定性が保証できない場合もあり、
瓶包装内に防湿材として乾燥剤を投入したり、キャップ
内に乾燥剤封入専用特殊パッキングを装着するなどの方
法が取られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の容器内
に乾燥剤を投入したり、乾燥剤封入専用特殊パッキング
装着キャップ等は、包装コストが非常に高いものとなる
上、キャップのトルク値管理もより厳密でなければなら
ない。また、上記した従来の防湿材は、脆い固形状で大
変割れやすく、粉末状となって内容物を汚染するほか、
容器への衝撃によって内容物に損傷を与える等の問題が
提起されている。このような防湿材の欠点である内容物
の汚染の防止のためにも、上記のように防湿材を別の容
器に入れるか、容器内に固定するなどの措置が取られて
いるが、前記したコスト高の欠点の他に、医薬品におい
ては衛生面で不充分であるという問題も残る。本発明は
このような諸欠点を克服し、高い防湿効果を有するとと
もにコストダウンも図れる新規な防湿材の提供を目的と
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、最近種々
の応用展開がなされてきている高吸水性樹脂に着目し、
ゴム類と各種の高吸水性樹脂を混合することによって得
られる混合物を防湿材として密閉容器のシール部材や容
器内に配置することにより十分な防湿効果が得られ、上
記課題の解決に非常に有効な手段となることを見出した
ことにより、本発明に達した。すなわち、本発明は高吸
水性樹脂とゴム類との混合物からなる包装用防湿材であ
る。本発明において、上記高吸水性樹脂が、ポリビニル
アルコールとポリアクリル酸との混合体、ポリアクリル
酸金属塩架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト共重合
体アルカリ金属塩から選ばれる1以上であるものを特に
好ましい実施態様として挙げることができる。
【0005】
【作用】本発明にいう高吸水性樹脂とは、「本質的に水
不溶性で、しかも自重の数十倍から数百倍に達する水を
吸水し得る能力を有する樹脂」と定義されるものであ
る。このような高吸水性樹脂はその原料の面から、デン
プン系、セルロース系、合成ポリマー系に分類される。
吸水能の点では合成ポリマー系が優れており、二種類以
上の基の複合体で構成され、相互にからみ合った網目に
よって高い保水能を持つことを特徴としている。本発明
者らは、この高吸水性樹脂とゴム類とからなる混合物が
反発弾性に富み、吸湿性の高い優れた特性を有すること
を見いだし本発明に至ったものであり、本発明品は一般
的な防湿材としての使用は勿論のこと、特に医薬品や食
料品等の衛生性も必要な用途においても優れた包装用防
湿材となる。
【0006】本発明に用いる高吸水性樹脂としては、ポ
リビニルアルコールとポリアクリル酸塩混合体(以下
「PVAM」と略す)、ビニルアルコール−アクリル酸
(塩)共重合体(以下「VAP」と略す)、ポリアクリ
ル酸金属塩架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト共重
合体アルカリ金属塩が、特に好ましいものとして挙げら
れる。
【0007】本発明に用いるゴム類としては、天然ゴム
(「NR」と略す。以下括弧内は略称を意味する)、ス
チレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム
(CR)、塩素化ポリエチレン(CPE)、エチレンプ
ロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレンプロピレンジ
エン共重合ゴム(EPDM)、クロロスルフォン化ポリ
エチレン(CSM)、塩素化ブチルゴム(CIIR)、
ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリルゴム(NB
R)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(B
R)、臭素化ブチルゴム(BIIR)が挙げられる。
【0008】本発明の防湿材組成物に用いるゴムとして
最も好ましいものは、ポリイソプレンゴムであり、その
理由は次の通りである。すなわち、組成物中の高吸水性
樹脂が吸湿する経路として、まずゴムの部分に吸湿し、
拡散した後高吸水性樹脂に到達することになる。つま
り、ゴムの水分の拡散係数が高いことが高吸水性の必要
条件になる。他方、パッキング材(シール性)とした場
合には、外部からの吸湿は、パッキング材の水分の拡散
速度(透湿度)によって定まる。このような容器内部の
吸湿量と外部からの吸湿量のバランスがとれている点
で、更にその衛生性が優れている点でポリイソプレンゴ
ムが最も好ましいからである。
【0009】本発明の高吸水性樹脂として最も好ましい
ものとしては、ビニルアルコールアクリル酸共重合体が
挙げられ、その理由は、組成物の成分として吸水能が自
重の500〜700倍と高いことと、粒度が10〜20
μmと小さいものが得易いためゴム中の均一分散が可能
であり、比表面積(単位重量当たりの表面積)が大きい
ために更に吸水能が高いからである。
【0010】本発明の防湿材は、ゴム類100重量部に
対し高吸水性樹脂10〜500重量部、好ましくは50
〜350重量部を混合してなるものである。この配合範
囲の限定理由は、後記する実施例14〜24の表8に示
すように、 1.ゴムへの高吸水性樹脂の添加量が10重量部未満の
場合、吸湿能が極めて低く、外部からの吸湿量が多くな
ることが予想されること、 2.高吸水性樹脂の添加量が500重量部を越えると、
ゴム弾性がなくなり、大変脆く、本発明のパッキング機
能(シール性)や干渉機能を示さなくなること、によ
る。
【0011】本発明の防湿材は前記のようにゴム類10
0重量部に対し高吸水性樹脂10〜500重量部からな
るが、更に一般的なゴム添加剤を混合することもでき
る。このような添加剤としては例えば、加硫剤、加硫促
進剤、加硫活性剤、劣化防止剤、補強剤、着色剤などが
ある。該加硫剤としては、硫黄、有機過酸化物、1,1
−ビス−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリ−メ
チルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−
ブチルペルオキシ)バレレート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ−
t−ブチルペルオキシジイソプロピルベンゼン、t−ブ
チルペルオキシベンゾエートなどがある。また該加硫促
進剤としては、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、1−オルソトリ
ルビグアニド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テ
トラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレン
チウラムテトラスルフィドなどが挙げられ、ゴム類10
0重量部に対しこれらの内1種又は数種を合計量で0.
5〜3重量部添加することができる。
【0012】該加硫活性剤として亜鉛華、酸化マグネシ
ウム或いはステアリン酸をゴム類100重量部に対し
0.2〜5重量部添加することにより、加硫反応が促進
される。
【0013】また、ゴムの劣化防止剤として酸化防止
剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、
スチレン化フェノール、4,4′−チオビス(6─t−
ブチル−3−メチルフェノール),トリス(ノニルフェ
ニル)ホスホァイトなどをゴム類100重量部に対して
0.5〜3重量部を添加することにより、酸化によるゴ
ムの劣化を防ぐことができる。
【0014】該補強剤として、無水シリカ、含水シリ
カ、焼成クレー、炭酸マグネシウムなどをゴム類100
重量部に対し0.5〜20重量部添加することにより、
ゴムの強度を高めることができる。
【0015】該着色剤としては、例えば群青(ウルトラ
マリンブルー)、酸化チタン、レーキレッド、フタロシ
アニンブルー、シアニングリーンなどが挙げられ、ゴム
類100重量部に対し0.1〜5重量部を使用すること
によって配合物の色調を自由に調色できる。
【0016】上記したゴム類、高吸水性樹脂、さらにゴ
ム用添加剤は、所定量を配合し、オープンロール、イン
ターナルミキサー等の使用によって混合する。
【0017】ここで、本発明に至った経緯を詳細に説明
する。まず本発明者等は最も簡単な方法として既存の天
然ゴムライニング材に高吸水性樹脂を配合し、種々の機
能を具備させることを考えたが、この天然ゴムライニン
グ材そのものはアンモニア懸濁液(固形分:78%)と
して調整されている。図7に高吸水性樹脂の吸水量(m
l/g:縦軸)とpH(横軸)の関係を示したが、中性
近傍で最大の吸水量を示し、pHが大きくても(アルカ
リ領域にあっても)小さくても自重の数十倍の溶液を吸
収するため配合量の増大にともなって粘度も増大する。
従って天然ゴムコンパウンドアンモニア溶液に多量に配
合すると均一な混合が不可能となる〔文献:高分子学会
編,増田房義「高吸水性樹脂」p80(1988
年)〕。そこで本発明者らは直接ゴム中に高吸水性樹脂
を配合することを試み、以下に示す各種実験の結果、こ
のものが合目的的な防湿機能を有することを見いだし、
本発明に到達できた。
【0018】実験:素材として前記した理由から、ポリ
イソプレンゴム、ポリアクリル酸系高吸水性樹脂を代表
例として選び、下記の事項について検討した。 〔検討内容〕 1)基本特性 加硫特性 装置:JSRキュラストメーターIIF型(日合商事社
製) 吸湿特性 等温平衡吸湿曲線(25,30,40℃×湿度〔7水準〕) 吸湿速度 (25,30,40℃×75% R.H.) 試験法:デシケーター法 電子顕微鏡観察 素材並びに配合ゴム表面と断面観察 装置:日立S530型 膨潤度 吸湿に伴う膨潤度を測定 装置:富士写真フイルム(株)製膨潤膜厚計(FGR−
201型) 耐薬品性 試験法:JIS7114K「プラスチックの耐薬品性試
験方法」に準拠 力学特性:抗張力、伸張度、硬度、圧縮永久歪、永久
伸び、 ヒステリシス(配合比率並びに温度依存性:−20,23,
60,100 ℃) 装置:島津オートグラフ AG−百B(株)島津製作所
製 その他 2)包装品特性 包装品経時試験 試験条件 : 25,30,40℃×75%R.H. 試料 : 馬鈴薯澱粉(53%R.H.調湿品):5
g 包装形態 : ガラス瓶(JIS PS 5)×乾燥機能付パ
ッキング:2g 締めトルク値: 17kg・cm トルクメータ:小野測器製DR−105開栓トルク検出
器 馬鈴薯澱粉の等温平衡吸湿曲線測定:日本ベル(株)BEL
SORP18により測定 測定項目 : 重量変化、水分活性、戻しトルク Alピロー包装品の透湿度試験
【0019】使用した材料、配合は以下の通りである。 〔材料〕 ・ポリイソプレンゴム(IRと略記する):ニポールI
R2200(商品名)、cis含有量98%、ムーニー
粘度ML1+4(100℃)、日本ゼオン(株)製。 ・ポリアクリル酸系高吸水性樹脂:スミカゲルSP−5
20(商品名)、ビニルアルコール−アクリル酸共重合
体、平均粒径10〜20μm、住友化学工業(株)製。 〔配合〕 ・配合A:IR100重量部に対し上記の高吸水性樹脂
20重量部を添加。 ・配合B:IR100重量部に対し上記の高吸水性樹脂
50重量部を添加。 ・配合C:IR100重量部に対し上記の高吸水性樹脂
100重量部を添加。
【0020】〔基本特性検討結果〕 加硫特性 図8に、IRとIRに高吸水性樹脂を配合したもの(配
合B)の加硫特性について、応力(トルク:kg・c
m:縦軸)と時間(分:横軸)の関係を示した。加硫温
度条件は145℃とした。高吸水性樹脂を配合すると短
時間で応力が増大し、見掛け上、加硫が速く進行してい
るように見えるが、未配合品と比較すると応力に大きな
差はない。
【0021】吸湿特性 各種乾燥剤と高吸水性樹脂の等温平衡吸湿曲線:図9に
一般に汎用されている乾燥剤と高吸水性樹脂の吸湿量の
関係(等温吸湿曲線)を示した。縦軸は水分含量
(%)、横軸は相対湿度(%)を表す。シリカアルミナ
ゲル(図中)とシリカゲル(図中)はほぼ同様な吸
湿傾向を示しており、モレキュラシーブ(図中)は低
温度域における吸湿能が大きい。これらに比較して高吸
水性樹脂(図中)は低温度域における吸湿能はモレキ
ュラーシーブを除いた二者と同等ないしそれよりも劣る
が、約40%R.H.以降ではどの乾燥剤よりも吸湿能
は大きい。一般的に固形医薬品の水分活性値は、0.3
〜0.5程度の範囲内にあることから保有水分と透湿に
より入ってくる水分を除去ないしはコントロールするこ
とは、本樹脂を配合することにより十分可能である。配
合比を適当に変えることによって乾燥あるいは調湿機能
を付与することができる。
【0022】各種配合比における等温平衡吸湿曲線:図
10には25℃における高吸水性樹脂単体と種々の配合
比における吸湿挙動(等温吸湿曲線)を示した。縦軸、
横軸は図9と同じ意味を示す。当然のことながら混合比
が小さくなるに従って吸湿量は小さくなっていく。な
お、平衡吸湿量に温度依存性は見られなかった。ここに
示した種々の配合比における吸湿曲線は二次式で表現で
きることを確認した。これにより、内容物の水分活性値
を必要に応じた値に保持するために、配合比をどの程度
にすれば良いか、簡単に算出できる。また、予め設定し
た配合比で吸湿能をコントロールするために、配合品の
全体重量をコントロールすることができる。配合比や全
体重量を適宜選択することにより、乾燥あるいは調湿機
能を付与できるわけである。
【0023】吸湿速度:図11に配合Bで作成したパッ
キングのそれぞれの温度(25℃,30℃,40℃)に
おける吸湿速度を示した。吸湿過程では明らかに温度依
存性が認められる。図11の縦軸は吸湿率(%)、横軸
は時間(h)を表す。
【0024】電子顕微鏡(SEM)観察 IR及び高吸水性樹脂配合ゴムについて、吸湿前後の表
面及び断面の組織を撮影した電子顕微鏡(SEM)写真
(いずれも500倍)を図12〜図15に示す。図12
の(a),(b)はIRの吸湿前の表面と断面を示す。
図13の(a),(b)はIRの75%R.H.雰囲気中吸
湿後の表面と断面を示す。図14の(a),(b)は配
合Bの吸湿前の表面と断面を示す。図15の(a),
(b)は配合Bの75%R.H.雰囲気中吸湿後の表面と断
面を示す。本発明の配合Bでは、吸湿により膨潤してい
ることが確認できた〔図15〕。配合Bにおいて吸湿前
には表面に凹凸はあるものの樹脂そのものが付着してい
るような状態ではない〔図14〕。一方、断面像では高
吸水性樹脂がゴム内部に均一に分散していることがわか
った〔図14〕。また、吸湿により樹脂が膨潤し表面に
析出してくることもなく〔図15〕、凹凸が激しくなる
程度であることを確認した。検討に用いた高吸水性樹脂
は不定形で平均粒子径が約20μm程度であることが確
認された。
【0025】吸湿による膨潤 電子顕微鏡観察結果から明らかなように、吸湿により膨
潤することが判明したので、相対湿度(%)と膨潤率
(%)の関係を検討し、図16に示した。膨潤率(%:
縦軸)は90分後の厚さ(L90)から加湿前の厚さ
(L)を引き、その値を加湿前の厚さで割った値の10
0分率、即ち数1で示される式とした。
【数1】 膨潤率(%)=〔(L90−L)/(L)×100〕 相対湿度(%:横軸)が高くなるに従い僅かに膨潤する
が、戻しトルク値安定性に悪影響はない。
【0026】耐薬品性 表1及び表2に、配合B(IR100重量部に対し高吸
水性樹脂50重量部)、天然コンパウンド、IRのみ、
の3種類の材料からそれぞれ作製したパッキングについ
て耐薬品性試験を行った結果を示す。JISの加硫ゴム
物理試験法の中に浸せき試験法があるが、試験液の薬品
が主に油類であるため、本実験ではあえて「JIS K
7114 プラスチックの耐薬品性試験方法」に準拠し
以下のように行なう。試験液として温度25℃に保った
No.1〜 No.20(いずれも重量%)各20mlを準備
し、当該試験液中に試験片(サイズ:10mm×30m
m×1mm)4枚を7日間浸漬した後、試験片及び試験
液の色調と、試験片の形状変化を観察し、重量増加率を
測定する。結果を表1及び表2示す。表1及び表2の結
果から、IRは高吸水性樹脂を配合されることによって
天然ゴムコンパウンドよりも耐薬品性は向上したことが
わかる。また、形状変化についてはIR,配合Bには認
められなかったが、天然ゴムコンパウンドは No.1〜 N
o.3、 No.6、 No.8、 No.12、 No.13および No.
16〜 No.20で形状変化した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】力学特性 図17の(a),(b)にIR,配合Bの各温度におけ
るヒステリシスループを、同図(c)に23℃における
IR,配合B,天然ゴムコンパウンドのヒステリシスル
ープを示す。(a)〜(c)において横軸は伸び(%)
縦軸は応力(kg/cm2 )を表す。図示のように、天
然ゴムコンパウンドのヒステリシスループではレジリエ
ンス(反発弾性ともいい、加硫ゴムが機械的なエネルギ
ーを受けたときに永久変形を受けず、その変形状態から
急速に回復して、エネルギーを外界に対してもどす性質
を言う)は小さい〔文献:高分子学会編,増田房義著
「高吸水性樹脂」p80(1988年4月)、高分子学
会編「高分子工学講座7」『ゴムの性質と加工』,地人
書館刊(昭和43年7月刊)〕。ポリイソプレンに高吸
水性樹脂を配合することによりレジリエンスは減少する
が天然ゴムほどではないことが判明した〔図17の
(c)〕。低温域における力学的特性は常温あるいは高
温域のそれと異なる〔図17の(a)及び(b)〕。さ
らに充填剤を含むと顕著に現れるものと推測される〔文
献:日本ゴム協会編「ゴム工業便覧 改定版」p706
(昭和37年10月刊)〕。なお、天然ゴムコンパウン
ドのレジリエンスは非常に小さく、試験後のサンプルは
白化現象を起こしており、明らかに永久変形を起こして
いた。IR、配合Bについては外観の変化はなかった。
またモジュラスではIRが配合Bのほぼ半分になってい
た。
【0030】表3にIR,配合A,配合B,天然ゴムコ
ンパウンドの種々の力学特性を示した。引張強度増加に
伴って伸びが低下するのが一般的であるが、IRに高吸
水性樹脂を配合することにより引張り強度が大きくなっ
ても伸びは変化しないという特異な現象が現れた。ま
た、耐圧縮性は向上し、永久歪は減少しており、通常の
無機充填剤とは反対の現象を示している。なお、天然ゴ
ムコンパウンドについては室温近傍のみの測定に留め
た。
【0031】
【表3】
【0032】その他(パッキング形状について) 図6のように透湿の影響を小さくするため瓶12の口頂
部と接触する部分をできるだけ薄くし、かつ、内容物の
水分除去効率を高めるため凹部を設け表面積を大きくし
た、本発明の防湿材からなる栓13を考案した。栓13
の天部のツバ部分は薄いがアルミキャップ14を巻き締
めるにより密着性は良好になることを確認した。
【0033】〔包装品特性検討結果〕 包装品経時試験 瓶包装品の経時試験に入る前にガラス瓶の透湿度を測定
し、外部からどの程度の水分が入り込むかを確認したと
ころ、25℃,一ヶ月で8mg程度になることが判明し
た。瓶包装品を温度25℃,30℃,40℃で相対湿度
はいずれも75%雰囲気中に放置し、経過期間(月:横
軸)におけるパッキングと馬鈴薯澱粉の重量変化(m
g:縦軸)の関係を、図18の(a),(b),(c)
に示す。経時期間の延長に従い、パッキングは重量増加
を示す、馬鈴薯澱粉は脱湿していくことがわかる。図1
8に示したように、温度によりパッキング、澱粉それぞ
れの吸脱湿量が違っているが、これは吸脱湿速度に温度
依存性があるためである。パッキングの吸湿速度は速
く、40℃×2ケ月で澱粉の水分は平衡となる。25,
30℃はこれ以降徐々に吸湿し、40℃とぼぼ同等な量
まで吸湿する。経時による戻しトルク値安定性は先の力
学特性のところでも触れたが高吸水性樹脂を適当量配合
することにより未配合品よりもバラツキは少なく、しか
も高い安定性を有しており、経時による増大は認められ
ていない。
【0034】〔包装品の経時期間と、開栓トルク値の関
係〕図19に25℃での開栓トルク値(km・cm)の
6カ月にわたる経時変化を示す。縦軸は開栓トルク値、
横軸は経時期間(月)を表す。IRと配合Bのトルク値
安定性は良好であり、配合Bは締めトルク値に近い値を
示している。これは反発弾性と永久歪みのバランスがう
まく保たれた結果によると考えられる。また、閉栓トル
ク値と開栓トルク値の乖離巾が小さいということは、生
産時のトルク値の管理が容易になるという利点を有す
る。このことは最適配合量との関係が無視できないこと
を示すと思われる。なお、栓は人の手で充分に脱着でき
た。
【0035】アルミピロー包装の透湿性試験 一般に、アルミ積層ラミネートフィルムはピロー包装の
ような成型を行なうと、シール部分や折り曲げ部に微細
なアルミ切れを起こし、透湿度にバラツキが生じやす
い。図20に75%R.H.で25℃,30℃,40℃にお
けるAlピロー包装の透湿度曲線を示す。また、表4に
25℃,75%R.H.における透湿度、出現率(それぞれ
の範囲に入る値をヒストグラム表示したもの)、累積出
現率(該出現率を累積した値)を示す。
【0036】
【表4】
【0037】透湿により外部から入ってくる水分が、最
も多い場合を想定し、且つピロー包装内のPTPポケッ
トの透湿量も考慮にいれ、更に製剤の吸脱湿に伴うヒス
テリシスを考慮するという一連の手順を踏み、本発明の
防湿材をシート状に成型し、ピロー内に投入する量を考
慮に入れ、ゴムと高吸水性樹脂との最適配合比を決定す
る。これにより、従来一般的に利用されている想定重量
の乾燥剤を入れるだけの場合に較べ、コストロスを大幅
に低減することが可能となる。更に本発明では素材とし
てゴムを使用していることから、緩衝機能を併せて付与
することができる。
【0038】以上のように種々の検討により本発明の防
湿材が有効であることを確認でき、乾燥機能付パッキン
グを開発できた。また、本発明の防湿材は栓、パッキン
グのみならず、緩衝機能付乾燥剤、調湿材、その他防湿
材として広く利用できる。図1〜図6に本発明の防湿材
を使用した種々の実施態様を示す。図1は本発明の防湿
材を容器1の栓本体部分5に使用した例を示し、(a)
は包装内容物2を容器1に入れ、本発明の防湿材を栓本
体部分5に用いた栓で密閉し更にキャップ3で巻き締め
ている状態を示し、(b)は栓部分の拡大図であり、栓
は本体部分5とフランジ部分4とからなっている。図2
は本発明の他の実施態様である全体が本発明の防湿材か
らなる栓を容器に適用した例を示す図〔(a)〕及び、
栓の拡大図〔(b)〕を示す。図3は、本発明の更なる
実施態様である、リング状防湿材6と板状防湿材7を容
器8に適用した例を示す。9は包装内容物を示す。図4
は本発明の別の実施態様である円型板状防湿材10、図
5は直方体形状の防湿材11を示す。図6については、
すでに説明した通りである。
【0039】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 〔実施例1〜7および比較例1〜3〕塩素化ブチルゴム
〔商品名 HT1066,エリクソン化学社製、塩素含
有量1.1〜1.3重量%、粘度ML1+12(125℃)
26〜36〕100重量部に、酸化マグネシウム4重量
部、亜鉛華5重量部、硫黄2重量部、ジエチルジチオカ
ルバミン酸亜鉛1重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p
−クレゾール1重量部、ハードクレー100重量部をS
RIS3603に準拠してオープンロールで混合する。
これは図1及び図2に示す防湿材のフランジ部4の部分
に使用する混合物Dである。図1〜図7に示す本発明の
防湿材5の本体には本発明の混合物Eを用いる。混合物
Eはオープンロールに、塩素化ブチルゴム(上記と同
じ)100重量部、酸化マグネシウム4重量部、亜鉛華
5重量部、硫黄2重量部、ジエチルジチオカルバミン酸
亜鉛1重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル1重量部と表5に示すその他の配合剤と高吸水性樹脂
を規定量添加して、日本ゴム協会標準規格SRIS 3
604−1980記載の操作法に準拠して調製を行っ
た。混合物Eを、防湿材用金型に入れて温度170℃で
20分間加熱、加圧して試料防湿材を成形した。次にJ
IS5号ガラス瓶にMg(NO3)2 ・6H2 飽和水溶液
(湿度52〜56%)15mlを入れ、前記で成形した
ゴム防湿材試料を施栓し、キャップで密栓した。20℃
で60日間放置して吸湿率を測定し、結果を表5に示し
た。なお、吸湿率は下記の数2に示される式に従い計算
する。
【数2】吸湿率(%)=〔(W1 −W)/W〕×100 ただし W : 最初の防湿材の重量 W1 : 吸湿後の防湿材の重量
【0040】
【表5】
【0041】なお、表5中の注記1)〜6)のあるものは以
下の通りを意味する。 1)デンプン−アクリル酸グラフト共重合体アルカリ金属
塩(商品名 サンウット1M、三洋化成工業社製)、 2)酸化カルシウム(商品名 CML、近江化学工業社
製)、 3)酸化マグネシウム(商品名 キョーワ・マグ♯100 、
協和化学工業社製)、 4)塩化カルシウム 特級(和光純薬社製) 5)シリカゲル 特級(和光純薬社製) 6)モレキュラーシーブ(商品名 サイロイド 富士デビ
ソン社製)、
【0042】表5の結果より、塩素化ブチルゴム(Cl
−IIR)に高吸水性樹脂を添加混合した本発明の実施
例1〜5は、比較例1〜3の無機吸湿剤を100重量部
添加したものに比べて大きな吸湿率を示した。また、本
発明の実施例6,7の無機酸化物を併用した例において
も高い吸水性を示した。
【0043】〔実施例8〜13(ゴム類と高吸水性樹脂
の組合せ)及び比較例4〕ゴム類及び高吸水性樹脂の種
類、配合量、他の配合剤を表6に示すように変化させ
て、本発明の防湿材、実施例8〜13とした。また、各
実施例の防湿材を、JIS SRIS−3603の加工
手順に準拠してオープンロールで混合した後、150℃
で20分間加熱、加圧して試料の防湿材を成形した。J
IS5号ガラス瓶にNa2 CO3 ・6H2 O飽和水溶液
(湿度87〜92%)15mlを入れ、試料の防湿材を
施栓してスクリューキャップで密閉する。20℃で放置
し、経時の防湿材重量を測定し、実施例1〜7同様に吸
湿率として表7に示した。
【0044】表6中の注記7)〜19) のあるものは以下の
通りである。 7)天然ゴムペールクレープ1号:マレーシアラバー製、 8)EPDM:商品名 ビスタロン404,ML1+8
6,エリクソン化学社製、 9)CR:商品名 スカイプレンB5,ML1+4 100 ℃ 4
5 〜 53 、東洋曹達社製、 10)ポリノルボルネン:商品名 Norsorex15NA, 日
本ゼオン社製、 11)亜鉛華:商品名 三井1号亜鉛華,三井金属鉱山社
製、 12)硫黄:商品名 セイミサルファー60%,日本乾溜工
業社製、 13)ジ−t-ブチル−p-クレゾール:商品名 アンテージ
BHT,川口化学工業社製、 14)ビニルアルコールとアクリル酸(塩)共重合体:商
品名 スミカゲルSP−520,住友化学工業社製、 15)ポリアクリル酸金属架橋体:商品名 アクアリッ
ク,日本触媒化学工業社製、 16)ラウリン酸ソルビタンエステル:商品名 リケアー
ルL−250,理研ビタミン社製、 17)オレイン酸モノグリセリド:商品名 リケアールO
L−200, 理研ビタミン社製、 18)酸化マグネシウム:商品名 キョーワマグ♯10
0,協和化学工業社製、 19)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル:商品
名 N−400,三洋化成工業社製、
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】表7の結果から明らかなように、天然ゴ
ム、EPDM、CR、ポリノルボルネンにおいても、高
吸水性樹脂混合物は、比較例4の天然ゴムに無機吸湿剤
(モレキュラーシーブ)を混合したものに比べて高い吸
湿率を示した。
【0048】〔実施例14〜24〕本発明の防湿材にお
けるゴム類に対する高吸水性樹脂の添加量を種々に変え
て、配合比率の最適範囲を検討した。表8に示すように
ゴム類としてポリイソプレンゴム(ニポールIR220
0)100重量部に、高吸水性樹脂としてスミカゲルS
P520を5〜600重量部、酸化チタン2重量部、酸
化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル(川口化学工業(株)製、アンテージBHT、商品
名)0.3重量部、加硫剤として1、1−ビス−t−ブ
チルペルオキシ−3,3,5−トリ−メチルシクロヘキ
サン(日本油脂(株)製、パーヘキサ3M、商品名)
1.5重量部を配合し、得られた試料について硬度〔J
IS A(度)〕、吸水率(%)を調べ、得られた結果
を表8に併せて示した。表8の結果から、本発明におい
てはゴム類100重量部に対し、高吸水性樹脂を10〜
500重量部、より好ましくは30〜350重量部配合
することが望ましいと判る。
【0049】
【表8】
【0050】〔実施例25〕本発明の防湿材を図3のよ
うなアルミ缶包装、あるいは図4,図5に示すような円
板または板状(直方体状)としてアルミピロー包装体内
に封入することにより、乾燥剤として適用し、吸湿能力
を調べた。本発明による乾燥剤を11.3% R.H.、医
薬品を33.0% R.H.の雰囲気に放置し、次いで両者
を密閉系(すなわち図3のアルミ缶包装、あるいは図
4,図5に示すような形態の乾燥材としたアルミピロー
包装)で包装し、25℃で1500時間保持したときの
医薬品から本発明による乾燥材への水分移動量ならびに
水分活性(平衡値)を調べた。乾燥剤(防湿材)は1
g、5g、10gの3種、医薬品は100錠、500錠
とし、各組合せについて30体の試料を測定し、測定値
は統計学的に処理して平均値を求めた結果を表9に示
す。本発明品が充分な吸湿能力を有していることがわか
る。
【0051】
【表9】
【0052】
【発明の効果】本発明は、ゴム類に高吸水性樹脂を分散
混合することによって、従来の無機系吸湿剤の欠点であ
った本体の破損等による内容物の汚染や包装容器への衝
撃による内容物の損傷などの問題を解決した新規な防湿
材であり、Alピロー包装品などに適用しても包装内で
の損傷防止、緩衝機能付与が可能になった。更に、本発
明の防湿材は大きな反発弾性を有するので、これを利用
した気密用パッキングの機能を備えた防湿材として使用
することにより、容器の防湿材の組み立て工程の生産性
向上とコストダウンに多大の効果が得られた。即ち、高
吸水性樹脂をゴムに配合したことにより、閉栓トルク値
近辺でしかも安定した開栓トルク値を維持できるので、
本発明品は生産時のトルク値管理が容易である。また、
配合比とパッキング重量を任意に選択し、必要に応じた
吸湿能と調質機能を有するパッキングの生産が可能とな
った上、乾燥剤必要量を最適量に設定できるので、コス
トダウンが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防湿材からなる栓の一具体例を容器に
適用した状態及び栓部分を示す概略断面図である。
【図2】本発明の防湿材からなる栓の他の具体例を容器
に適用した状態及び栓部分を示す概略断面図である。
【図3】本発明の他の具体例であって、リング状防湿材
と板状防湿材を缶容器に適用した例を示す概略断面図で
ある。
【図4】本発明の他の具体例である円型板状防湿材の概
略説明図である。
【図5】本発明の他の具体例である直方体状の防湿材を
示す斜視図である。
【図6】本発明の他の具体例である、瓶口頂部との接触
部分を薄くし、容器内部の防湿材表面性を大きくした栓
を示す概略断面図である。
【図7】pHと高吸水性樹脂の吸水量(ml/g)の関
係を示すグラフ図である。
【図8】IRと本発明の配合Bの防湿材の加硫特性を比
較して示すグラフ図である。
【図9】各種乾燥剤と高吸水性樹脂の等温吸湿曲線を示
すグラフ図である。
【図10】高吸水性樹脂をイソプレンに配合した場合の
配合比と等温吸湿曲線の関係を示すグラフ図である。
【図11】本発明の防湿材を用いたパッキングの吸湿速
度を示すグラフ図である。
【図12】IRの吸湿前の表面及び断面の組織を示す図
面に代わる電子顕微鏡写真(500倍)である。
【図13】IRの吸湿後の表面及び断面の組織を示す図
面に代わる電子顕微鏡写真(500倍)である。
【図14】本発明の防湿材(配合B)の吸湿前の表面及
び断面の組織を示す図面に代わる電子顕微鏡写真(50
0倍)である。
【図15】本発明の防湿材(配合B)の吸湿後の表面及
び断面の組織を示す図面に代わる電子顕微鏡写真(50
0倍)である。
【図16】各相対湿度における本発明防湿材(配合B)
を用いたパッキングの膨潤率を示すグラフ図である。
【図17】IR、本発明防湿材(配合B)、天然ゴムコ
ンパウンドのヒステリシスループとレジリエンスを示す
グラフ図である。
【図18】本発明の防湿材を用いたパッキング使用の包
装品経時試験(25℃、30℃、40℃)の結果を示す
グラフ図である。
【図19】IR,天然ゴムコンパウンド、本発明の防湿
材(配合B)を各々用いたパッキングの開栓トルク値の
経時変化を示すグラフ図である。
【図20】Alピロー包装の透湿度(75%R.H.,温度
25℃,30℃,40℃)を示す図表である。
【符号の説明】
1 容器 2 包装内容物 3 キャップ 4 フランジ部 5 本発明の防湿材からなる栓本体 6 本発明の防湿材からなるリング状防湿材 7 本発明の防湿材からなる板状防湿材 8 容器 9 包装内容物 10 円板状の本発明防湿材 11 直方体状の本発明防湿材 12 容器 13 本発明の防湿材からなる栓 14 キャップ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】一般に医薬品、食料品、電子部品など
は、製造後の品質や機能の低下を防止するため、その包
装形態には密閉容器が広く使用されている。特に医薬品
においては、その変質の原因には、光、酸素、熱による
劣化のほか、水分による分解があり、又これらの複合作
用によることが多い。水分は自体が加水分解の原因とな
るばかりか、酸化などを促進する作用があって、医薬品
の品質を損なう主因となっている。現在、医薬品の剤
が錠剤、散剤などのものについては、ガラス製、プラス
チック製および金属製容器によって、気密性、防湿性が
保たれている。例えば、通常の瓶包装用キャップはガラ
ス等からなる瓶口頂部と接触する部分に天然ゴムをライ
ニングし、それを乾燥(熟成)したものをキャップ用パ
ッキング材として用いている。このようなパッキングは
周知のようにそれ自身吸湿機能を全く具備しておらず、
外気遮蔽機能のみを有している。天然ゴムライニング付
キャップには永久変形と温度作用等による戻しトルク値
の増加が認められ、この点が大きな欠点となる。そこで
包装容器内部の湿度の抑制の目的で、シリカゲル、シ
カアルミナゲル、各種ゼオライトなどが防湿材として使
用されている。例えば、固形医薬品が高い防湿性を必要
とする場合、通常ガラス瓶が用いられているが、このよ
うなケースでは、薬物自身が含有する水分によって安定
性が保証できない場合もあり、瓶包装内に防湿材として
乾燥剤を投入したり、キャップ内に乾燥剤封入専用特殊
パッキングを装着するなどの方法が取られている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の容器内
に乾燥剤を投入したり、乾燥剤封入専用特殊パッキング
装着キャップ等は、包装コストが非常に高いものとなる
上、キャップのトルク値管理もより厳密でなければなら
ない。また、上記した従来の防湿材は、脆い固形状又は
粒状で、容器への衝撃によって内容物に損傷を与える等
の問題が提起されている。このような防湿材の欠点であ
る内容物の汚染の防止のためにも、上記のように防湿材
を別の容器に入れるか、容器内に固定するなどの措置が
取られているが、前記したコスト高の欠点の他に、医薬
品においては衛生面で不充分であるという問題も残る。
本発明はこのような諸欠点を克服し、高い防湿効果を有
するとともにコストダウンも図れる新規な防湿材の提供
を目的とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明の防湿材組成物に用いるゴムとし
ましいものの例としては、ポリイソプレンゴム、天然
ゴム、ブタンジエンゴムなどがあり、その理由は次の通
りである。すなわち、組成物中の高吸水性樹脂が吸湿す
る経路として、まずゴムの部分に吸湿し、拡散した後高
吸水性樹脂に到達することになる。つまり、ゴムの水
分の拡散係数が高いことが高吸水性の必要条件になる。
他方、パッキング材(シール性)とした場合には、外部
からの吸湿は、パッキング材の水分の拡散速度(透湿
度)によって定まる。このような容器内部の吸湿量と外
部からの吸湿量のバランスがとれている点で、更にその
衛生性が優れている点で上記ゴム類が最も好ましいから
である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明の防湿材は、ゴム類100重量部に
対し高吸水性樹脂10〜350重量部、好ましくは50
250重量部を混合してなるものである。この配合範
囲の限定理由は、後記する実施例14〜24の表8に示
すように、 1.ゴムへの高吸水性樹脂の添加量が10重量部未満の
場合、吸湿能が極めて低こと、 2.高吸水性樹脂の添加量が350重量部を越えると、
ゴム弾性がなくなり、大変脆く、本発明のパッキング機
能(シール性)や緩衝機能を示さなくなること、によ
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本発明の防湿材は前記のようにゴム類10
0重量部に対し高吸水性樹脂10〜350重量部からな
るが、更に一般的なゴム添加剤を混合することもでき
る。このような添加剤としては例えば、加硫剤、加硫促
進剤、加硫活性剤、劣化防止剤、補強剤、着色剤などが
ある。該加硫剤としては、硫黄、有機過酸化物、1,1
−ビス−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリ−メ
チルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−
ブチルペルオキシ)バレレート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ−
t−ブチルペルオキシジイソプロピルペンゼン、t−ブ
チルペルオキシベンゾエートなどがある。また該加硫促
進剤としては、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、1−オルソトリ
ルビグアニド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テ
トラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレン
チウラムテトラスルフィドなどが挙げられ、ゴム類10
0重量部に対しこれらの内1種又は数種を合計量で0.
5〜3重量部添加することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、ゴムの劣化防止剤として酸化防止
剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、
スチレン化フェノール、4,4′−チオビス(6−t−
ブチル−3−メチルフェノール),トリス(ノニルフェ
ニル)ホスァイトなどをゴム類100重量部に対して
0.5〜3重量部を添加することにより、酸化によるゴ
ムの劣化を防ぐことができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】実験:素材として前記した理由から、ポリ
イソプレンゴム、ポリアクリル酸系高吸水性樹脂を代表
例として選び、下記の事項について検討した。 〔検討内容〕 1)基本特性 加硫特性 装置:JSRキュラストメーターIIF型(日合商事社
製) 吸湿特性 等温平衡吸湿曲線(25,30,40℃×湿度〔7水
準〕) 吸湿速度 (25,30,40℃×75%R.
H.) 試験法:デシケーター法 電子顕微鏡観察 素材並びに配合ゴム表面と断面観察 装置:日立S530型 膨潤度 吸湿に伴う膨潤度を測定 装置:富士写真フイルム(株)製膨潤膜厚計(FGR−
201型) 耐薬品性 試験法:JIS7114「プラスチックの耐薬品性試
験方法」に準拠 力学特性:抗張力、伸張度、硬度、圧縮永久歪、永久
伸び、ヒステリシス(配合比率並びに温度依存性:−2
0,23,60,100℃)装置:島津オートグラフ
AG−100B(株)島津製作所製 の他 2)包装品特性 包装品経時試験 試験条件 : 25,30,40℃×75%R.H. 試料 : 馬鈴薯澱粉(53%R.H.調湿
品):5g 包装形態 : ガラス瓶(JIS PS 5)×乾燥
機能付パッキング:2g 閉栓トルク値: 17k
g・cm トルクメータ:小野測器製DR−105トルク検出 定項目 : 重量変化、水分活性、戻しトルク Alピロー包装品の透湿度試験
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】吸湿特性 各種乾燥剤と高吸水性樹脂の等温平衡吸湿曲線:図9に
一般に汎用されている乾燥剤と高吸水性樹脂の吸湿量の
関係(等温吸湿曲線)を示した。縦軸は水分含量
(%)、横軸は相対湿度(%)を表す。シリカアルミナ
ゲル(図中)とシリカゲル(図中)はほぼ同様な吸
湿傾向を示しており、モレキュラシーブ(図中)は低
湿度域における吸湿能が大きい。これらに比較して高吸
水性樹脂(図中)は低湿度域における吸湿能はモレキ
ュラーシープを除いた二者と同等ないしそれよりも劣る
が、約40%R.H.以降ではどの乾燥剤よりも吸湿能
は大きい。一般的に固形医薬品の水分活性値は、0.3
〜0.5程度の範囲内にあることから保有水分と透湿に
より入ってくる水分を除去ないしはコントロールするこ
とは、本樹脂を配合することにより十分可能である。配
合比を適当に変えることによって乾燥あるいは調湿機能
を付与することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】吸湿による膨潤 電子顕微鏡観察結果から明らかなように、吸湿により膨
潤することが判明したので、相対湿度(%)と膨潤率
(%)の関係を検討し、図16に示した。膨潤率(%:
縦軸)は90分後の厚さ(L90)から加湿前の厚さ
(L)を引き、その値を加湿前の厚さで割った値の10
0分率、即ち数1で示される式とした。
【数1】 膨潤率(%)=〔(L90−L)/(L)〕×100 相対湿度(%:横軸)が高くなるに従い僅かに膨潤する
が、戻しトルク値安定性に悪影響はない。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】力学特性 図17の(a),(b)にIR,配合Bの各温度におけ
るヒステリシスループを、同図(c)に23℃における
IR,配合B,天然ゴムコンパウンドのヒステリシスル
ープを示す。(a)〜(c)において横軸は伸び(%)
縦軸は応力(kg/cm)を表す。図示のように、天
然ゴムコンパウンドのヒステリシスループではレジリエ
ンス(反発弾性ともいい、加硫ゴムが機械的なエネルギ
ーを受けたときに永久変形を受けず、その変形状態から
急速に回復して、エネルギーを外界に対してもどす性質
を言う)は小さい〔文献:高分子学会編「高分子工学講
座7」『ゴムの性質と加工』,地人書館刊(昭和43年
7月刊)〕。ポリイソプレンに高吸水性樹脂を配合する
ことによりレジリエンスは減少するが天然ゴムほどでは
ないことが判明した〔図17の(c)〕。低温域におけ
る力学的特性は常温あるいは高温域のそれと異なる〔図
17の(a)及び(b)〕。さらに充填剤を含むと顕著
に現れるものと推測される〔文献:日本ゴム協会編「ゴ
ム工業便覧改定版」p706(昭和37年10月
刊)〕。なお、天然ゴムコンパウンドのレジリエンスは
非常に小さく、試験後のサンプルは白化現象を起こして
おり、明らかに永久変形を起こしていた。IR、配合B
については外観の変化はなかった。またモジュラスでは
IRが配合Bのほぼ半分になっていた。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】その他(パッキング形状について) 図6のように透湿の影響を小さくするため瓶12の口頂
部と接触する部分をできるだけ薄くし、かつ、内容物の
水分除去効率を高めるため凹部を設け表面積を大きくし
た、本発明の防湿材からなる栓13を考案した。栓13
の天部のツバ部分は薄いが金属製のキャップ14を巻き
締めることにより密着性は良好になることを確認した。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】〔包装品特性検討結果〕 包装品経時試験 瓶包装品の経時試験に入る前にガラス瓶の透湿度を測定
し、外部からどの程度の水分が入り込むかを確認したと
ころ、25℃,一ヶ月で8mg程度になることが判明し
た。瓶包装品を温度25℃,30℃,40℃で相対湿度
はいずれも75%雰囲気中に放置し、経期間(月:横
軸)におけるパッキングと馬鈴薯澱粉の重量変化(m
g:縦軸)の関係を、図18の(a),(b),(c)
に示す。経時期間の延長に従い、パッキングは重量増加
を示、馬鈴薯澱粉は脱湿していくことがわかる。図1
8に示したように、温度によりパッキング、澱粉それぞ
れの吸脱湿量が違っているが、これは吸脱湿速度に温度
依存性があるためである。パッキングの吸湿速度は速
く、40℃×2ケ月で澱粉の水分は平衡となる。25,
30℃はこれ以降徐々に吸湿し、40℃とぼぼ同等な量
まで吸湿する。経時による戻しトルク値安定性は先の力
学特性のところでも触れたが高吸水性樹脂を適当量配合
することにより未配合品よりもバラツキは少なく、しか
も高い安定性を有しており、経時による増大は認められ
ていない。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】〔包装品の経時期間と、開栓トルク値の関
係〕図19に25℃での開栓トルク値(k・cm)の
6カ月にわたる経時変化を示す。縦軸は開栓トルク値、
横軸は経時期間(月)を表す。IRと配合Bのトルク値
安定性は良好であり、配合Bは締めトルク値に近い値を
示している。これは反発弾性と永久歪みのバランスがう
まく保たれた結果によると考えられる。また、閉栓トル
ク値と開栓トルク値の乖離巾が小さいということは、生
産時のトルク値の管理が容易になるという利点を有す
る。このことは最適配合量との関係が無視できないこと
を示すと思われる。なお、栓は人の手で充分に脱着でき
た。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】以上のように種々の検討により本発明の防
湿材が有効であることを確認でき、乾燥機能付パッキン
グを開発できた。また、本発明の防湿材は栓、パッキン
グのみならず、緩衝機能付乾燥剤、調湿材、防錆剤その
他防湿材として広く利用できる。図1〜図6に本発明の
防湿材を使用した種々の実施態様を示す。図1は本発明
の防湿材を容器1の栓本体部分5に使用した例を示し、
(a)は包装内容物2を容器1に入れ、本発明の防湿材
を栓本体部分5に用いた栓で密閉し更にキャップ3で巻
き締めている状態を示し、(b)は栓部分の拡大図であ
り、栓は本体部分5とフランジ部分4とからなってい
る。図2は本発明の他の実施態様である全体が本発明の
防湿材からなる栓を容器に適用した例を示す図
〔(a)〕及び、栓の拡大図〔(b)〕を示す。図3
は、本発明の更なる実施態様である、リング状防湿材6
と板状防湿材7を容器8に適用した例を示す。9は包装
内容物を示す。図4は本発明の別の実施態様である円型
板状防湿材10、図5は直方体形状の防湿材11を示
す。図6については、すでに説明した通りである。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 〔実施例1〜7および比較例1〜3〕塩素化ブチルゴム
〔商品名 HT1066,エリクソン化学社製、塩素含
有量1.1〜1.3重量%、粘度MLl+12(125
℃)26〜36〕100重量部に、酸化マグネシウム4
重量部、亜鉛華5重量部、硫黄2重量部、ジエチルジチ
オカルバミン酸亜鉛1重量部、2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール1重量部、ハードクレー100重量部
日本ゴム協会標準規格SRIS_3603−1980
に準拠してオープンロールで混合する。これは図1及び
図2に示す防湿材のフランジ部4の部分に使用する混合
物Dである。図1〜図7に示す本発明の防湿材5の本体
には本発明の混合物Eを用いる。混合物Eはオープンロ
ールに、塩素化ブチルゴム(上記と同じ)100重量
部、酸化マグネシウム4重量部、亜鉛華5重量部、硫黄
2重量部、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛1重量部、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1重量部と表
5に示すその他の配合剤と高吸水性樹脂を規定量添加し
て、日本ゴム協会標準規格SRIS 360−198
0記載の操作法に準拠して調製を行った。混合物Eを、
防湿材用金型に入れて温度170℃で20分間加熱、加
圧して試料防湿材を成形した。次にJIS5号ガラス瓶
にMg(NO・6H 飽和水溶液(湿度52〜
56%)15mlを入れ、前記で成形したゴム防湿材試
料を施栓し、キャップで密栓した。20℃、75%R.
で60日間放置して吸湿率を測定し、結果を表5に示
した。なお、吸湿率は下記の数2に示される式に従い計
算する。
【数2】吸湿率(%)=〔(W−W)/W〕×100 ただし W : 最初の防湿材の重量 W: 吸湿後の防湿材の重量
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】なお、表5中の注記1)〜6)のあるもの
は以下の通りを意味する。 1)デンプン−アクリル酸グラフト共重合体アルカリ金
属塩(商品名 サンウット1M、三洋化成工業社
製)、 2)酸化カルシウム(商品名 CML、近江化学工業社
製)、 3)酸化マグネシウム(商品名 キョーワ・マグ#10
0、協和化学工業社製)、 4)塩化カルシウム 特級(和光純薬社製) 5)シリカゲル 特級(和光純薬社製) 6)モレキュラーシープ(商品名 サイロイド 富士デ
ビソン社製)、
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】〔実施例8〜13(ゴム類と高吸水性樹脂
の組合せ)及び比較例4〕ゴム類及び高吸水性樹脂の種
類、配合量、他の配合剤を表6に示すように変化させ
て、本発明の防湿材、実施例8〜13とした。また、各
実施例の防湿材を、JIS SRIS−3603の加工
手順に準拠してオープンロールで混合した後、150℃
で20分間加熱、加圧して試料の防湿材を成形した。J
IS5号ガラス瓶にMg (NCO ・6HO飽
和水溶液(湿度5256%)15mlを入れ、試料の
防湿材を施栓してスクリューキャップで密閉する。20
、75%R.Hで放置し、経時の防湿材重量を測定
し、実施例1〜7同様に吸湿率として表7に示した。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】表6中の注記7)〜19)のあるものは以
下の通りである。 7)天然ゴムペールクレープ1号:マレーシアラバー
製、 8)EPDM:商品名 ビスタロン404,ML l+8
(100℃)26,エリクソ化学社製、 9)CR:商品名 スカイプレンB5,ML l+4(1
00℃)45〜53、東洋曹達社製、 10)ポリノルボルネン:商品名 Norsorex1
5NA,日本ゼオン社製、11)亜鉛華:商品名 三井
1号亜鉛華,三井金属鉱山社製、 12)硫黄:商品名 セイミサルファー60%,日本乾
溜工業社製、 13)ジ−t−ブチル−p−クレゾール:商品名 アン
テージBHT,川口化学工業社製、 14)ビニルアルコールとアクリル酸(塩)共重合体:
商品名 スミカゲルSP−520,住友化学工業社製、 15)ポリアクリル酸金属架橋体:商品名 アクアリッ
ク,日本触媒化学工業社製、 16)ラウリン酸ソルビタンエステル:商品名 リケ
ールL−250,理研ビタミン社製、 17)オレイン酸モノグリセリド:商品名 リケール
OL−200,理研ビタミン社製、 18)酸化マグネシウム:商品名 キョーワマグ#10
0,協和化学工業社製、 19)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル:商
品名 N−400,三洋化成工業社製、
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】〔実施例14〜24〕本発明の防湿材にお
けるゴム類に対する高吸水性樹脂の添加量を種々に変え
て、配合比率の最適範囲を検討した。表8に示すように
ゴム類としてポリイソプレンゴム(ニポールIR220
0)100重量部に、高吸水性樹脂としてスミカゲルS
P520を5〜600重量部、酸化チタン2重量部、酸
化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル(川口化学工業(株)製、アンテージBHT、商品
名)0.3重量部、加硫剤として1、1−ビス−t−ブ
チルペルオキシ−3,3,5−トリーメチルシクロヘキ
サン(日本油脂(株)製、パーヘキサ3M、商品名)
1.5重量部を配合し、得られた試料について硬度〔J
IS A(度)〕、吸水率(%)を調べ、得られた結果
を表8に併せて示した。表8の結果から、本発明におい
てはゴム類100重量部に対し、高吸水性樹脂を10〜
350重量部、より好ましくは50〜250重量部配合
することが望ましいと判る。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】〔実施例25〕本発明の防湿材を図3のよ
うな金属缶包装、あるいは図4,図5に示すような円板
または板状(直方体状)としてアルミピロー包装体内に
封入することにより、乾燥剤として適用し、吸湿能力を
調べた。本発明による乾燥剤を11.3% R.H.、
医薬品を33.0% R.H.の雰囲気に放置し、次い
で両者を密閉系(すなわち図3の金属缶包装、あるいは
図4,図5に示すような形態の乾燥材としたアルミピロ
ー包装)で包装し、25℃で1500時間保持したとき
の医薬品から本発明による乾燥材への水分移動量ならび
に水分活性(平衡値)を調べた。乾燥剤(防湿材)は1
g、5g、10gの3種、医薬品は100錠、500錠
とし、各組合せについて30体の試料を測定し、測定値
は統計学的に処理して平均値を求めた結果を表9に示
す。本発明品が充分な吸湿能力を有していることがわか
る。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】
【発明の効果】本発明は、ゴム類に高吸水性樹脂を分散
混合することによって、従来の無機系吸湿剤の欠点であ
った本体の破損等による内容物の汚染や包装容器への衝
撃による内容物の損傷などの問題を解決した新規な防湿
材であり、Alピロー包装品などに適用しても包装内で
の損傷防止、緩衝機能付与が可能になった。更に、本発
明の防湿材は大きな反発弾性を有するので、これを利用
した気密用パッキングの機能を備えた防湿材として使用
することにより、容器の防湿材の組み立て工程の生産性
向上とコストダウンに多大の効果が得られた。即ち、高
吸水性樹脂をゴムに配合したことにより、閉栓トルク値
近辺でしかも安定した開栓トルク値を維持できるので、
本発明品は生産時のトルク値管理が容易である。また、
配合比とパッキング重量を任意に選択し、必要に応じた
吸湿能と調湿機能を有するパッキングの生産が可能とな
った上、乾燥剤必要量を最適量に設定できるので、コス
トダウンが可能となった。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】本発明の他の具体例であって、リング状防湿材
と板状防湿材を金属缶容器に適用した例を示す概略断面
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 LSZ 7242−4J // F26B 5/16 9140−3L (72)発明者 村木 朝康 東京都墨田区墨田3−38−2 株式会社大 協ゴム精工内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高吸水性樹脂とゴム類との混合物からな
    る包装用防湿材。
  2. 【請求項2】 上記高吸水性樹脂が、ポリビニルアルコ
    ールとポリアクリル酸との混合体、ポリアクリル酸金属
    塩架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト共重合体アル
    カリ金属塩から選ばれる1以上であることを特徴とする
    請求項1記載の包装用防湿材。
JP28494192A 1992-10-01 1992-10-01 包装用防湿材 Pending JPH06212029A (ja)

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