JPH06211590A - 単結晶体の製造方法およびその装置 - Google Patents

単結晶体の製造方法およびその装置

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JPH06211590A
JPH06211590A JP33993A JP33993A JPH06211590A JP H06211590 A JPH06211590 A JP H06211590A JP 33993 A JP33993 A JP 33993A JP 33993 A JP33993 A JP 33993A JP H06211590 A JPH06211590 A JP H06211590A
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清 小島
Shigeyoshi Takao
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Abstract

(57)【要約】 【目的】品質を維持しつつ構成部品の寿命を延ばす。 【構成】加熱チャンバ2aの底部に断熱材6を挟むよう
にして第1と第2のガス排出口23,24を設けるとと
もに、それらを切り換える切換弁27を設置する。そし
て、るつぼ3の位置が低いときには切換弁27を第1ガ
ス排出口23側にして、Arガスを加熱ヒータ4とるつ
ぼ3の間に流し、るつぼ3の位置が高いときには切換弁
27を第2ガス排出口24側に切り換えて、Arガスを
断熱材6と加熱チャンバ2a内壁の間に流す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体回路製造用の単
結晶基板の材料となる単結晶体の製造方法およびその装
置に関し、特に単結晶体の品質を確保しつつ同時に加熱
ヒータやるつぼ等の構成部品の寿命延長をも図りうるよ
うにしたものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造の分野においては、従来から
シリコン単結晶体の成長方法としてチョクラルスキー法
(CZ法)が一般的に使用されている。この方法を用い
た装置の一例としては、例えば図5および図6に示すよ
うな装置が例示できる。
【0003】これらの装置1a,1bは共に、主にシリ
コン溶融のための構造体が収容される加熱チャンバ2a
と引き上げられるシリコン結晶体Sを収納する引上げチ
ャンバ2bとからなるチャンバ2を有し、加熱チャンバ
2a内には、るつぼ3と、このるつぼ3の主に側面部を
取り囲むように配置された加熱ヒータ4とが設けられて
いる。るつぼ3には加熱ヒータ4によって溶融されるシ
リコンが収容される。このるつぼ3は、図示しない駆動
装置に回転軸5によって回転・昇降自在に支持され、結
晶引上げ中はこの駆動装置によって所定の速度で回転さ
れつつ液面低下分だけ上昇されるようになっている。通
常、るつぼ3は石英るつぼ3aとこれを保護する黒鉛製
るつぼ3bとで構成されている。また、加熱ヒータ4の
外周、つまり加熱チャンバ2a側には断熱材6が配置さ
れている。この断熱材6によって、加熱ヒータ4からの
熱が加熱チャンバ2a外部に逃げるのが防止される。
【0004】一方、引上げチャンバ2b内には、頂壁を
挿通して垂下された引上げワイヤ7が設けられ、この引
上げワイヤ7の下端には種結晶8を保持するチャック9
が設けられている。この引上げワイヤ7の上端側は、ワ
イヤ巻上機10に巻回されており、シリコン結晶体Sを
所定の速度で引き上げるようになっている。
【0005】チャンバ2内には、引上げチャンバ2bに
形成されたガス導入口11から例えばアルゴン(Ar)
ガス等の不活性ガスが導入され、図示しない真空ポンプ
で吸引されて加熱チャンバ2a内を流通してガス排出口
12a,12bから排気される。このようにチャンバ2
内にArガスを流通させるのは、加熱ヒータ4の加熱に
よるシリコンの溶融に伴ってチャンバ2内に発生するS
iOガスやCOガスをシリコン融液中に混入させないよ
うにして、シリコン結晶体Sの不純物汚染や有転位化を
防止するためである。図5に示す装置1aでは、ガス排
出口12aは、加熱チャンバ2aの底部の加熱ヒータ4
直下付近に設けられ(これをAタイプという)、また、
図6に示す装置1bでは、加熱チャンバ2aの底部の周
縁部と断熱材6直下位置との間にガス排出口12bが設
けられている(これをBタイプという)。したがって、
Aタイプの装置1aでは、図5中の矢印で示すように、
ガス導入口11から流入したArガスは、主にるつぼ3
と加熱ヒータ4の間および加熱ヒータ4と断熱材6の間
を通ってガス排出口12aから排気されるのに対して、
Bタイプの装置1bでは、図6中の矢印で示すように、
チャンバ2内に流入したArガスは、主に断熱材6と加
熱チャンバ2aの内壁との間を通ってガス排出口12b
から排気されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、ガス排出
口の形成位置については概略AタイプとBタイプの二つ
のタイプがあり、各タイプによってArガスの流れ方が
相違している。そして、各タイプには一長一短があっ
て、従来は、設計思想によってAタイプとBタイプのど
ちらか一方に選択固定されていた。
【0007】すなわち、Aタイプの場合には、ガス導入
口11から流入したArガスはるつぼ3の位置にかかわ
りなくそのままほぼストレートにるつぼ3や加熱ヒータ
4に沿って流下するので、ガス流はあまり乱れず、チャ
ンバ2内のSiOガスやCOガスを効率よく円滑に排気
することができるという長所を有する。この反面、ガス
流中のSiOガスは加熱ヒータ4やるつぼと3と接触す
るため、これら炭素で出来た部材3,4とSiOガスと
が反応して加熱ヒータ4等が損耗し、その寿命の低下を
もたらすという短所に加えて、ガス流が加熱ヒータ4の
近傍を通るため、加熱されて排気温度が高くなり、排気
管系のバルブやOリング等に損傷をもたらすおそれがあ
る。
【0008】これに対し、Bタイプの場合には、ガス導
入口11から流入したArガスは主に断熱材6とチャン
バ2a内壁との間を流下し、るつぼ3や加熱ヒータ4に
沿ってはほとんど流れないので、排気されるSiOガス
やCOガスは加熱ヒータ4やるつぼ3とあまり接触せ
ず、したがって加熱ヒータ4やるつぼ3の寿命が長いと
いう長所のほか、上述のようにガス流は主に断熱材6の
外側を流れ加熱ヒータ4によって直接加熱されることは
ないので、排気温度が比較的低く、そのため排気管系を
痛めるおそれも少ないという長所を有する。しかしこの
反面、図中の点線で示すようなガス流の乱れが存在し、
るつぼ3の上部近傍にArガスのほとんど流れないよど
みが生じ、このようなよどみではSiOガスやCOガス
が滞留するので、付着したSiO粉やCOガスが融液の
中に落下または侵入してシリコン結晶体Sの不純物汚染
や有転位化を引き起こすおそれがある。この短所は、断
熱材6に対してるつぼ3の位置が低くなるほど、ガス流
の乱れが大きくなってよどみが顕在化するので、顕著に
なる。
【0009】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、シリコン結晶体の不純物汚
染や有転位化を防止してその品質を維持するとともに、
加熱ヒータやるつぼの損耗ならびに排気管系の損傷をで
きるだけ防止して構成部品の寿命延長をも図ることがで
きる単結晶体の製造方法およびその装置を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、昇降自在のるつぼ内で溶融する融液に種結
晶を接触させ、この種結晶を不活性ガス雰囲気下で徐々
に引き上げることで単結晶を成長させる単結晶の製造方
法において、前記るつぼの位置が相対的に低いときには
前記るつぼおよびこの外周に配置された加熱ヒータに沿
って流下する不活性ガスの流れを形成し、前記るつぼの
位置が相対的に高いときには前記加熱ヒータの外周に配
置された断熱材とチャンバ内壁との間を流下する不活性
ガスの流れを形成することを特徴とする。
【0011】また、チャンバ内に融液を収容するるつぼ
とこのるつぼの外周に配置され前記るつぼを加熱する加
熱ヒータとを有し、前記チャンバの上部に設けられた不
活性ガス導入口から流入する不活性ガスを前記るつぼ方
向に流下させつつ、前記るつぼ内の融液から単結晶体を
引き上げ成長させる単結晶体の製造装置において、前記
加熱ヒータの外周にこの加熱ヒータからの熱を遮断する
断熱材を配置するとともに、前記チャンバの下部に前記
断熱材を挟んで内側と外側にそれぞれ第1と第2の不活
性ガス排出口を設け、これら第1と第2の不活性ガス排
出口を切り換える切換手段を有することを特徴とする。
【0012】
【作用】上記のようなプロセスで製造されると、るつぼ
の位置が相対的に低く、したがって不活性ガス流の乱れ
が生じやすいときには、チャンバ内に導入された不活性
ガスはほぼストレートにるつぼや加熱ヒータに沿って流
下することになり、不活性ガス流の乱れは生じないの
で、排気の効率が上ってSiOガスやCOガスの排気が
円滑になされて、品質が確保される。また、るつぼの位
置が相対的に高く、したがって不活性ガス流の乱れがそ
もそも生じにくいときには、不活性ガスは断熱材とチャ
ンバ内壁との間を流下することになるので、SiOガス
やCOガスとるつぼや加熱ヒータとの接触が回避され加
熱ヒータ等の損耗の度合いが減少するほか、加熱ヒータ
により直接加熱されることもなくなって排気温度が低下
する。したがって、全体として設備の劣化が遅くなり寿
命が延びる。
【0013】また、上記のような構成にすると、切換手
段により第1不活性ガス排出口と第2不活性ガス排出口
を切り換えることによって、るつぼの相対位置に応じて
不活性ガスの流れを最適状態にすることができるように
なる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例による単結晶体の製造
装置の概略構成図、図2は同実施例の制御装置の動作フ
ローチャート、図3は同実施例によるるつぼ位置が低い
ときのガス流状態を示す図、図4は同じく同実施例によ
るるつぼ位置が高いときのガス流状態を示す図である。
なお、図5および図6の部材と共通の部材には同一の符
号を付してある。
【0015】この単結晶体の製造装置20は、シリコン
を溶融するための部材や結晶化したシリコンを引き上げ
る機構などを有しており、シリコン溶融のための部材は
加熱チャンバ2a内に収容され、シリコン単結晶を引き
上げる機構は、この加熱チャンバ2aから分離機構13
によって分離可能とされた引上げチャンバ2b内外に設
けられている。
【0016】加熱チャンバ2a内には、溶融しているシ
リコンを収容するるつぼ3が設けられ、このるつぼ3は
駆動装置21に回転軸5によって回転・昇降自在に支持
されている。駆動装置21は、シリコン単結晶Sの引上
げに伴う液面低下を補償すべくるつぼ3を液面低下分だ
け上昇させ、また、シリコン融液の攪拌を行うためにる
つぼ3を常時所定の回転数で回転させる。回転軸5は加
熱チャンバ2aを貫通しているが、チャンバ2内外の気
密を保持し、またきわめて悪い温度条件の下での使用と
なるために、図示しない特殊なベアリングで保持されて
いる。るつぼ3は、従来と同様に石英るつぼ3aとこれ
を保護する黒鉛製るつぼ3bとから構成されている。
【0017】るつぼ3の側壁部分には、シリコンを溶融
させる加熱ヒータ4がその周囲を取り囲むように配置さ
れている。この加熱ヒータ4の外側には、この加熱ヒー
タ4からの熱が加熱チャンバ2aに直接輻射されるのを
防止する断熱材6がその周囲を取り囲むように設けられ
ている。この断熱材6は環状の支持部22に取り付けら
れている。この支持部22は熱抵抗率の非常に大きな材
料で作られ、この支持部22によって、断熱材6の下を
Arガスが径方向に流れるのを完全に遮断している。そ
の結果、後述するようにどちらのガス排出口に切り換え
られようとも、チャンバ2内のガス流の乱れをそれぞれ
の最小限に抑えることができる。
【0018】引上げチャンバ2bには、一端がワイヤ巻
上機10に取り付けられ、この引上げチャンバ2bの頂
壁を挿通して垂れ下げられた引上げワイヤ7が設けら
れ、この引上げワイヤ7の下端には、種結晶8を保持す
るチャック9が取り付けられている。ワイヤ巻上機10
は種結晶8の下端側に徐々に成長するシリコン単結晶体
Sをその成長速度等に従って引き上げ、同時に、るつぼ
3の回転方向とは反対に常時回転させる。
【0019】チャンバ2内には、前述のように、加熱ヒ
ータ4の加熱によるシリコンの溶融に伴ってチャンバ2
内に発生するSiOガスやCOガスをシリコン融液内に
混入させないようにするためにArガスを流通させる
が、そのために、引上げチャンバ2bには、Arガスを
チャンバ2内に導入するための不活性ガス導入口として
のガス導入口11が形成され、また、本実施例では、加
熱チャンバ2aの底部に、支持部22を基準にしてその
内側と外側にそれぞれ第1不活性ガス排出口としての第
1ガス排出口23および第2不活性ガス排出口としての
第2ガス排出口24が形成されている。第1ガス排出口
23と第2ガス排出口24はそれぞれ従来のAタイプと
Bタイプの各ガス排出口に対応するものである。第1ガ
ス排出口23と第2ガス排出口24はそれぞれ分岐管2
5,26に接続され、これら分岐管25,26は切換手
段としての切換弁27を介して本管28に接続されてい
る。本管28には、排気されるガス流の圧力を調節する
圧力制御弁29と、真空ポンプ30とが設けられてい
る。排気管31はこの本管28と分岐管25,26とで
構成されている。したがって、ガス導入口11からチャ
ンバ2内に導入されたArガスは、真空ポンプ30によ
り引かれて加熱チャンバ2a内を流通し、切換弁27の
位置に応じて第1ガス排出口23または第2ガス排出口
24から排出され、排気管31を通って外に排気され
る。
【0020】さらに、本実施例では、装置20を自動制
御するべく制御装置32が設けられている。この制御装
置32には、駆動装置21、切換弁27、圧力制御弁2
9、真空ポンプ30などが接続されているほか、制御に
必要な各種センサが接続されている。この制御装置32
は、各種センサからの信号を演算処理して、駆動装置2
1、切換弁27、圧力制御弁29、真空ポンプ30など
を総合的に制御する。その中で、切換弁27の制御に関
しては、制御装置32は、るつぼ3の断熱材6に対する
相対位置に応じて切換弁27を第1ガス排出口23側ま
たは第2ガス排出口24側に切り換える。具体的には、
後述するように、るつぼ3の位置が「低い」ときには第
1ガス排出口23と排気管31とを連通させ、るつぼ3
の位置が「高い」ときには第2ガス排出口24と排気管
31とを連通させるような制御を行っている。というの
は、るつぼ3の位置が相対的に低いときには、ガス流の
乱れが発生しやすく品質の点で問題が生じやすいので、
チャンバ2内に発生するSiOガスやCOガスを円滑に
排出して品質を確保するという点を重視すべきであっ
て、かかる観点からは、従来のAタイプの場合のように
Arガスをるつぼ3と加熱ヒータ4との間に流すのがC
Oガス等の円滑な排出の点で好ましい。これに対し、る
つぼ3の位置が相対的に高いときには、あまりガス流の
乱れは発生せず、品質不良の原因となるArガスのよど
みが生じにくいので、たとえ従来のBタイプの場合のよ
うにArガスを断熱材6と加熱チャンバ2a内壁との間
に流したとしても一定レベル以上の品質を維持すること
は可能である。そこで、このときには、むしろ、上記の
場合に犠牲にされていた加熱ヒータ4やるつぼ3の寿命
の低下および排気温度の高温化という問題を改善するべ
く、従来のBタイプのようなArガスの流れ方が加熱ヒ
ータ4やるつぼ3の寿命延長および排気温度の低温化の
点で好ましいからである。
【0021】本実施例においては、るつぼ3の位置の
「高い」または「低い」は、石英るつぼ3aの上端が断
熱材6の上端より上にある場合を「高い」、そうでない
場合を「低い」と定義している。また、るつぼ3の位置
は、駆動装置21内のモータに取り付けられたエンコー
ダ等の位置検出センサによって検知される。
【0022】次に、以上のように構成された本発明の装
置の作用と、この装置によって実現される本発明の方法
とを説明する。
【0023】まず、シリコン単結晶体を製造するにあた
って、分離機構により引上げチャンバ2bを加熱チャン
バ2aから分離し、るつぼ3に原料となるシリコン粗結
晶体と非常に微量の不純物を投入して、分離機構13に
より引上げチャンバ2bを加熱チャンバ2aに取り付け
る。この状態で加熱ヒータ2aを加熱してるつぼ3内の
シリコンが溶融されるのを待つ。このシリコンが溶融状
態となったら、ワイヤ巻上機10を作動させて引上げワ
イヤ7を下ろし、チャック9に取り付けられた種結晶8
がシリコン融液表面に接するようにする。この状態で、
種結晶8にシリコンの結晶が成長し始めると、今度はワ
イヤ巻上機10を所定の速度で引き上げて図1などに示
すようにシリコン結晶体Sを成長させていく。この過程
において、制御装置32は、るつぼ3の位置に応じて切
換弁27を第1ガス排出口23側または第2ガス排出口
24側に切り換えて、チャンバ2内を流通するArガス
の流れのルートを制御する。
【0024】すなわち、図2のフローチャートに示すよ
うに、制御装置32は、るつぼ3の位置を検知すべく図
示しない位置検出センサの信号を入力して(S1)、前
記定義に従ってるつぼ3の位置が「低い」かどうかを判
断する(S2)。
【0025】この判断の結果としてるつぼ3の位置が
「低い」とき(つまり石英るつぼ3aの上端が断熱材6
の上端より下にあるかまたは等しいとき)、具体的に
は、例えば、るつぼ3内のシリコンが溶融を始めた初期
溶融のときや、シリコン中の酸素含有量が低い低酸素材
を引き上げるときなどには、切換弁27を第1ガス排出
口23側に設定して、チャンバ2内のArガス流を第1
ガス排出口23から排気するようにする(S3)。この
とき、ガス導入口11から流入したArガスは、従来の
Aタイプの場合と同様、図3に示すように、るつぼ3と
加熱ヒータ4の間および加熱ヒータ4と断熱材6との間
を通って第1ガス排出口23から排出される。前述のよ
うに、このときの排気効率は高いので、チャンバ2内に
発生するSiOガスやCOガスを迅速かつ円滑にチャン
バ2の外に排気することができ、シリコン結晶体Sの不
純物汚染や有転位化を防止してすぐれた品質を確保する
ことができる。
【0026】これに対して、ステップ2の判断の結果と
してるつぼ3の位置が「高い」とき(つまり石英るつぼ
3aの上端が断熱材6の上端より高いとき)、具体的に
は、例えばシリコン単結晶体Sの成長が進みその引上げ
量が大きいときには、切換弁27を第2ガス排出口24
側に切り換えて、チャンバ2内のArガス流を第2ガス
排出口から排気するようにする(S4)。このような切
り換えが許容されうるのは、前述したように、るつぼ3
の位置が「高い」ときには、そもそも断熱材6との高さ
関係においてガス流が大きく乱れるおそれがなく一定レ
ベル以上の排気効率は達成されるので、品質の確保はな
されており、ことさらにこの点を重視する必要はないか
らである。このとき、ガス導入口11から流入したAr
ガスは、従来のBタイプの場合と同様、図4に示すよう
に、断熱材6と加熱チャンバ2a内壁との間を通って第
2ガス排出口24から排出される。したがって、前述の
ように、排気されるSiOガスやCOガスはるつぼ3や
加熱ヒータ4とあまり接触しないので、るつぼ3や加熱
ヒータ4の損耗が減少し、それらの寿命が延長されるほ
か、ガス流は加熱ヒータ4により直接加熱されることは
ないので、排気温度が低下して排気管系の損傷も減少
し、その寿命が向上する。
【0027】このように、るつぼ3の位置に応じてチャ
ンバ2内のガス流のルートを最適状態に制御するように
したので、従来のAタイプの装置1aとBタイプの装置
1bの各長所を積極的に享受できるようになり、品質の
維持を図りつつ、全体としてるつぼ3や加熱ヒータ4、
ならびに排気管31系の寿命を向上させることができ
る。
【0028】これを裏づけるために、本実施例の装置2
0および方法を使用したときの炭素濃度(固化率0.8
のとき)、加熱ヒータ4の寿命(抵抗率が5%変化する
までの時間)および排気温度(排気管の温度)を従来技
術(AタイプとBタイプ)と比較する実験を行った。そ
の結果は次の表1に示す通りである。
【0029】
【表1】
【0030】以上の結果からわかるように、本発明の装
置20を用いて本発明の方法を実施すると、炭素濃度の
低下、ヒータ寿命の延長、そして排気温度の低下といっ
た結果が得られるので、単結晶体の品質を維持しつつ同
時に装置の部品寿命を延ばすことができるようになる。
【0031】なお、本実施例では、切換弁27を自動制
御で切り換える構成を例示したが、これに限らず、状況
に応じて手動で切換弁27を操作するようにしてもよ
い。
【0032】また、本実施例では、るつぼ3の「高い」
「低い」を石英るつぼ3aの上端と断熱材6の上端との
関係で定義したが、これに限定されないことはもちろん
である。上述した効果が得られるようなタイミングであ
れば、その切り換え時期はどのような基準であってもよ
い。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、るつ
ぼの相対位置に応じてチャンバ内の不活性ガスの流れを
最適化したので、品質を維持しつつ装置の部品寿命を延
ばすことができる。
【0034】また、不活性ガス排出口を2系列設けて切
換弁で切り換えるようにしたので、チャンバ内の不活性
ガスの流れを自由に切り換えることができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による単結晶体の製造装置の
概略構成図である。
【図2】同実施例の制御装置の動作フローチャートであ
る。
【図3】同実施例によるるつぼ位置が低いときのガス流
の様子を示す図である。
【図4】同じくるつぼ位置が高いときのガス流の様子を
示す図である。
【図5】従来の装置の一例を示す概略構成図である。
【図6】従来の装置の他の一例を示す概略構成図であ
る。
【符号の説明】 2…チャンバ 2a…加熱チャンバ 2b…引上げチャンバ 3…るつぼ 4…加熱ヒータ 6…断熱材 8…種結晶 11…ガス導入口 22…支持部 23…第1ガス排出口(第1不活性ガス排出口) 24…第2ガス排出口(第2不活性ガス排出口) 27…切換弁(切換手段) 31…排気管 32…制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】昇降自在のるつぼ内で溶融する融液に種結
    晶を接触させ、この種結晶を不活性ガス雰囲気下で徐々
    に引き上げることで単結晶を成長させる単結晶の製造方
    法において、 前記るつぼの位置が相対的に低いときには、前記るつぼ
    およびこの外周に配置された加熱ヒータに沿って流下す
    る不活性ガスの流れを形成し、 前記るつぼの位置が相対的に高いときには、前記加熱ヒ
    ータの外周に配置された断熱材とチャンバ内壁との間を
    流下する不活性ガスの流れを形成することを特徴とする
    単結晶体の製造方法。
  2. 【請求項2】チャンバ内に融液を収容するるつぼとこの
    るつぼの外周に配置され前記るつぼを加熱する加熱ヒー
    タとを有し、前記チャンバの上部に設けられた不活性ガ
    ス導入口から流入する不活性ガスを前記るつぼ方向に流
    下させつつ、前記るつぼ内の融液から単結晶体を引き上
    げ成長させる単結晶体の製造装置において、 前記加熱ヒータの外周にこの加熱ヒータからの熱を遮断
    する断熱材を配置するとともに、前記チャンバの下部に
    前記断熱材を挟んで内側と外側にそれぞれ第1と第2の
    不活性ガス排出口を設け、これら第1と第2の不活性ガ
    ス排出口を切り換える切換手段を有することを特徴とす
    る単結晶体の製造装置。
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