JPH0621146Y2 - メタルタクトスイッチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、メタルタクトスイッチの改良に関するもので
ある。

（従来技術） 第６図は従来のメタルタクトスイッチの構造を示したも
のである。図示のように、従来のメタルタクトスイッチ
においては、絶縁樹脂製のスイッチハウジング１内の底
部１Ａに第１，第２の固定接点２，３が一部を鋏込んで
固設され、スイッチハウジング１内の底部１Ａ上には第
１の固定接点２のみに接触するようにしてメタルタクト
板４が載置されている。スイッチハウジング１の開口部
は金属製のカバー５が固定手段６にて固定されている。
カバー５の中央には貫通孔７が設けられ、該貫通孔７を
貫通してスイッチハウジング１内にはモールド成形のキ
ートップ８が挿入され、メタルタクト板８を押圧して第
２の固定接点３に接触させることができるようになって
いる。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、このようなメタルタクトスイッチにおい
ては、キートップ８を操作するとき、該キートップ８は
カバー５の貫通孔７内を上下し、このときキートップ８
の外周が削られて削り屑が発生し、この削り屑が固定接
点２，３側に落下し、メタルタクト板４との接触不良を
発生させる問題点があった。また、従来の構造では接点
部分は外気に通じているため、塵が侵入して接触不良を
ひき起こしたり、水分が侵入して接点２，３を錆させた
りする問題点があった。

また、従来例においてはキートップを必要以上に無制限
の力で押圧した時に、メタルタクト板４及び固定接点
２，３に直接的に強い力が掛かり、固定接点の摩滅又は
メタルタクト板のヘタリ現象が生じたりして長期に使用
できないと云う問題点も有している。

本考案の目的は、キートップの削り屑や外部の塵等が固
定接点側に浸入するのを防止できると共に、固定電極の
摩滅及びメタルタクト板のヘタリを防止できるメタルタ
クトスイッチを提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するため本考案は、スイッチハウジン
グ内の底部に第１，第２の固定接点が設けられ、前記底
部上にメタルタクト板が常時は一方の前記固定接点のみ
に接触するように設けられ、前記スイッチハウジングの
開口部はカバーで閉塞され、前記スイッチハウジング内
には前記メタルタクト板を押圧するためのキートップが
前記カバーの貫通口を摺動自在に貫通して設けられると
共に、前記メタルタクト板側と前記カバー及び前記キー
トップ側とを仕切る可撓性仕切部材が設けられているメ
タルタクトスイッチにおいて、前記キートップと可撓性
仕切部材との間にキートップのストロークを制限するス
トッパー板を介在させたことを特徴とする。

（作用） このように可撓性仕切部材を設けると、メタルタクト板
側とカバー及びキートップ側とが仕切られ、このためキ
ートップのけずり屑が落下したり、外部から水分が浸入
しても、メタルタクト板側には入らず、接触不良の原因
を排除できる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を第１図乃至第５図(A)及び(B)を
参照して詳細に説明する。なお、前述した第６図と同一
又は相当部分には同一符号をつけて示している。本実施
例のメタルタクトスイッチにおいては、スイッチハウジ
ング１内にメタルタクト板４側とカバー５及びキートッ
プ８側とを仕切るゴム製でベローズ状をした可撓性仕切
部材９が設けられている。該可撓性仕切部材９は、撓み
部９Ａの外周に分厚いフランジ部９Ｂが設けられ、且つ
撓み部９Ａの中央には、当該撓み部９Ａよりも分厚い押
圧部９Ｃが設けられた構造になっていて、フランジ部９
Ｂがスイッチハウジング１Ａの入口の段階溝１Ｂに嵌め
込み支持され、カバー５の押圧により気密に固定されて
いる。また、本実施例ではキートップ８のストロークを
制限するため、可撓性仕切部材９と、カバー５及びキー
トップ８との間にストッパー板１０が介在されている。
該ストッパー板１０は中心に貫通孔１０Ａがあけられて
いてキートップ８が貫通できるようになっている。該ス
トッパー板１０の周縁はカバー５の下で該カバー５の固
定手段６により共に固定されている。また、メタルタク
ト板４はその外周縁が第１の固定接点２から離間するよ
うに上向きに湾曲して折り返されているので、固定接点
２との接触面が下に凸の曲面となり、メタルタクト板４
が押圧されて変形した際にも滑らかに摺動して固定接点
２は摩耗しない。その結果固定接点２の削り屑による誤
動作も生じない。

このようなメタルタクトスイッチは、キートップ８を押
すと、可撓性仕切部材９を介してメタルタクト板４が押
下され、第２の固定接点３に接触し、第１，第２の固定
接点２，３がメタルタクト板４で導通状態となる。この
とき、キートップ８とカバー５との接触により削り屑が
発生しても、或いは外部から塵や外気が浸入しても、可
撓性仕切部材９の存在により、これらはメタルタクト板
４側には入らず、接触不良の原因を排除できる。

また、ストッパー板１０を介在させたことにより、キー
トップ８を必要以上の無制限な力で押圧した時のストッ
パーとして働き、必要以上の強い押圧力がメタルタクト
板４、固定接点２，３及び可撓性仕切部材９に掛からな
いようにし、それによってメタルタクト板及び可撓性仕
切部材のヘタリ現象又は固定電極の摩滅等を防止でき
る。

（考案の効果） 以上説明したように本考案に係るメタルタクトスイッチ
においては、メタルタクト板側とカバー及びキートップ
側とを仕切る可撓性仕切部材を設けたので、キートップ
の削り屑が発生しても、或いは外部から塵や水分等が浸
入しても、これらを可撓性仕切部材で遮断してメタルタ
クト板側に入らないようにすることができ、接触不良の
原因を排除することができる。また、本考案は、可撓性
仕切部材には撓み部と、キートップから押圧を受けメタ
ルタクト板を押圧する押圧部とを備え、該押圧部を撓み
部よりも分厚くしてあることにより、撓み部を薄くして
良好な操作感を保持でき、しかも押圧部がキートップか
ら押圧を受けメタルタクト板を押圧する押圧動作を繰り
返し行っても分厚いのでこの部分の破損を確実に防止で
きるという効果を奏する。

更に、キートップと可撓性仕切部材との間にストッパー
板を介在させたことにより、キートップを必要以上の無
制限な力で押圧しても、前記ストッパー板によって押圧
ストロークが制限されているため、必要以上の強い押圧
力がメタルタクト板、可撓性仕切部材及び固定接点に掛
からなくなり、固定接点の摩滅又はメタルタクト板及び
可撓性仕切部材のヘタリ現象を防止し、メタルタクトス
イッチの信頼性を向上できると共に、使用寿命を大幅に
伸ばすことができると云う優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るメタルタクトスイッチの一実施例
を示す縦断面図、第２図(A)及び(B)は本実施例で使用し
ているキートップの縦断面図及び平面図、第３図(A)及
び(B)は本実施例で使用している可撓性仕切部材の縦断
面図及び平面図、第４図(A)及び(B)は本実施例で使用し
ているカバーの平面図及び縦断面図、第５図(A)及び(B)
は本実施例で使用しているストッパー板の平面図及び縦
断面図、第６図は従来のメタルタクトスイッチの縦断面
図である。 １……スイッチハウジング、１Ａ……底部、２，３……
第１、第２の固定接点、４……メタルタクト板、５……
カバー、７……貫通孔、８……キートップ、９……可撓
性仕切部材、９Ａ……撓み部、９Ｂ……フランジ部、９
Ｃ……押圧部。１０……ストッパー板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スイッチハウジング内の底部に第１，第２
   の固定接点が設けられ、前記底部上にメタルタクト板が
   常時は一方の前記固定接点のみに接触するように設けら
   れ、前記スイッチハウジングの開口部はカバーで閉塞さ
   れ、前記スイッチハウジング内には前記メタルタクト板
   を押圧するためのキートップが前記カバーの貫通口を摺
   動自在に貫通して設けられると共に、前記メタルタクト
   板側と前記カバー及び前記キートップ側とを仕切る可撓
   性仕切部材が設けられているメタルタクトスイッチにお
   いて、前記キートップと可撓性仕切部材との間にキート
   ップのストロークを制限するストッパー板を介在させた
   ことを特徴とするメタルタクトスイッチ。