JPH06210800A - 制振性薄葉体 - Google Patents

制振性薄葉体

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JPH06210800A
JPH06210800A JP782893A JP782893A JPH06210800A JP H06210800 A JPH06210800 A JP H06210800A JP 782893 A JP782893 A JP 782893A JP 782893 A JP782893 A JP 782893A JP H06210800 A JPH06210800 A JP H06210800A
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崇 吉岡
Sumihisa Oda
純久 小田
Nobuyuki Tsuchiya
信之 土屋
Kazuchika Iino
和近 飯野
Kazuhito Yuzuriha
一仁 杠
Kenji Koshiishi
謙二 輿石
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐溶剤性及び耐熱性に優れた制振性薄葉体を
開発する。 【構成】 拘束層の少なくとも一方の面に感圧接着剤層
を有する制振性薄葉体において、該感圧接着剤層は単独
重合体のガラス転移点が−20℃以下の少なくとも一種の
アクリル系単量体(a) 及びラジカル重合性不飽和基のほ
かに少なくとも1個の官能性基を有する少なくとも一種
の単量体(b) 並びに必要に応じて該単量体(a) 及び(b)
以外の少なくとも一種の共単量体(c) 〔ここで、該単量
体(a) 相互の単量体反応性比及び該単量体(a) と該単量
体(b) 及び該共単量体(c) のそれぞれとの単量体反応性
比はいずれも0.25〜4.0 の範囲にあるものとする〕を共
重合してなるガラス転移点が−5℃以下のアクリル系共
重合体(A) であって、該共重合体の重量平均分子量が15
〜150 万で共重合体に含有される分子量10万以下の共重
合体含量が15重量%以下であるアクリル系共重合体(A)
を含んでなり、且つ、共重合体(A) はポリグリシジルア
ミン系化合物(B) により架橋してなる制振性薄葉体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動発生体に貼付し
て、振動や騒音を低減させるための制振性薄葉体に関
し、更に詳しくは、特定の単量体を共重合してなる特定
ガラス転移点以下のアクリル系共重合体で、且つ、該共
重合体中に含有される分子量10万以下の低分子量共重合
体成分の割合が特定量以下のアクリル系共重合体が、特
定の架橋剤により架橋されてなる感圧接着剤層を有する
耐溶剤性及び耐熱性に優れた制振性薄葉体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、鉄道、航空機などの乗
物、事務機器、情報機器、電気製品、建物の床、屋根、
階段、壁等の振動や騒音が問題となってきており、かか
る問題を解決するための対策として多くの制振材料が提
案されている。
【0003】このような制振材料としては、2枚の鋼板
の間に粘弾性を有する材料を積層した3層構造の複合型
制振鋼板や、金属箔などの拘束層の片面にアクリル系粘
着剤、ブチルゴム系粘着剤等を塗布した2層構造の制振
性シートなどが知られており、本発明は、後者の後加工
により容易に制振性を発揮させうる優れた制振性薄葉体
を提供せんとするものである。
【0004】このような2層構造の制振性シートに関し
ては、例えば、特開平1-69336号公報には、シート上の
感圧粘着性振動減衰組成物層(A) と、該層を接着拘束す
る拘束板(B) との2層構造からなり、上記(A) 層の(B)
板反対側表面に凹凸模様が付与されている制振粘着シー
トが開示されており、この(A) 層にはゴム系、アクリル
系またはゴム−アクリル系を使用することが推奨されて
いる。
【0005】しかしながら、この提案には、感圧粘着性
振動減衰組成物層(A) として特定の低分子量の共重合体
成分の含有量が特定量以下である特定のアクリル系共重
合体をポリグリシジルアミン化合物により架橋してなる
感圧接着剤層で構成されたものを用いることについては
なんら記載も示唆もされておらず、従ってこのような感
圧接着剤層を用いることによる特段の効果、すなわち、
極めて優れた制振性を有し、且つ、耐溶剤性や耐熱性に
優れているといった卓越した効果についてなど当然なが
ら全く開示されていない。その上、この提案のように、
(A) 層の(B) 板反対側表面に凹凸模様が付与されている
制振粘着シートは、製造が煩雑であると共に、得られる
制振粘着シートも、ロール状に巻き取るなど通常の感圧
接着テープ等のように扱うことが困難であり、貯蔵や輸
送にも問題がある。
【0006】また、特開昭63-69850号公報には、a)−40
℃以下のガラス転移点を有するエラストマー(A) 15〜70
重量%、b)−40〜40℃のガラス転移点を有するエラスト
マー(B) 、−40〜40℃の流動点もしくは軟化点を有する
粘着付与樹脂(C) および−40〜40℃の流動点を有する可
塑剤(D) の群から選択される少なくとも1種 15 〜70重
量%、並びに、c)60℃以上の軟化点を有する粘着付与樹
脂 (E) 15 〜70重量%、を含む制振材組成物が開示され
ている。
【0007】しかしながら上記第2の提案には、アクリ
ル系共重合体の使用についての記載は全く認められず、
また、この制振材組成物を用いて制振性シートを作成し
ても、感圧接着剤層の接着力、タック及び凝集力のバラ
ンスが必ずしも十分ではなく、特に高温における使用に
際しては貼付した制振性シートがずり落ちることがあ
り、また、例えばロール状に巻くなどした制振性シート
を下記など高温時に貯蔵した時、シートの端面から感圧
接着剤がはみ出すことがある等の問題点があることが判
明した。
【0008】
【発明が解決すべき課題】本発明者らは、各種の振動発
生体に貼付するなどの後加工によって、振動や騒音を効
果的に低減させることができ、優れた制振性を発揮させ
ることのできる制振性薄葉体を得るために研究を行った
結果、制振性薄葉体の感圧接着剤層として、特定のガラ
ス転移点を有するアクリル系重合体または相互に特定の
単量体反応性比を有する単量体を共重合して得られる特
定のガラス転移点を有するアクリル系共重合体であっ
て、該共重合体中に含有される分子量10万以下の低分子
量共重合体成分の割合が特定量以下であり、且つ、該共
重合体が特定の架橋剤により架橋された感圧接着剤層を
使用することによって、 従来の制振性シートが有してい
た前記問題点を一挙に解決しうることを見出し、本発明
を完成するに至った。従って、本発明は耐溶剤性及び耐
熱性に優れた制振性薄葉体を開発することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、前記目
的は、拘束層の少なくとも一方の面に感圧接着剤層を有
する制振性薄葉体において、 該感圧接着剤層は単独重合
体のガラス転移点が−20℃以下の少なくとも一種のアク
リル系単量体(a) 及びラジカル重合性不飽和基のほかに
少なくとも1個の官能性基を有する少なくとも一種の単
量体(b) 、並びに、必要に応じて該単量体(a) 及び(b)
以外の共単量体(c) 〔ここで、該単量体(a) 相互の単量
体反応性比及び該単量体(a) と該単量体(b) 及び該共単
量体(c)との単量体反応性比はいずれも0.25〜4.0 の範
囲にあるものとする〕を共重合してなるガラス転移点が
−5℃以下のアクリル系共重合体であって、該共重合体
の重量平均分子量が15〜150 万で、共重合体中に含有さ
れる分子量10万以下の共重合体成分の割合が15重量%以
下であるアクリル系共重合体(A) を含んでなり、且つ、
共重合体(A) はポリグリシジルアミン系化合物(B) によ
り架橋してなるものである制振性薄葉体によって解決す
ることができる。
【0010】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の制振性薄葉体は、その拘束層の少なくとも一方の面
に感圧接着剤層を有するものであって、その感圧接着剤
層は先ずガラス転移点が−5℃以下のアクリル系共重合
体(A) を含有してなるものであり、共重合体(A) は、単
独重合体のガラス転移点が−20℃以下のアクリル系単量
体(a) 及びラジカル重合性不飽和基のほかに少なくとも
1個の官能性基を有する単量体(b) 、並びに、必要に応
じて単量体(a) 及び(b) 以外の共単量体(c) を共重合し
てなるものである。
【0011】上記のアクリル系単量体(a) としては、下
記一般式(1) 、
【0012】 CH2 =CH−COOR1 (I)
【0013】(式中、R1 は炭素数2〜18の直鎖もしく
は分枝アルキル基を示す)
【0014】で表わされるアクリル酸エステル単量体で
あって、その単独重合体のガラス転移点が−20℃以下で
ある単量体(a) を挙げることができる。このようなアク
リル系共重合体を用いると、得られる感圧接着剤層が好
適なタックを有するようになり、本発明の制振性薄葉体
における拘束層やその使用対象である振動発生体に対す
る接着力及び凝集力のバランス性に優れているので好ま
しい。
【0015】なお、上記アクリル系単量体(a) 及び単量
体(b) 、並びに、任意的な共単量体(c) の選択に当たっ
ては、単量体(a) 相互の単量体反応性比、並びに、単量
体(a)と単量体(b) 及び共単量体(c) との単量体反応性
比がいずれも0.25〜4.0 、好ましくは0.3 〜3.0 の範囲
にあることが必要である。これら単量体相互の単量体反
応性比が前記範囲の上限値を超えて大き過ぎてもまた小
さ過ぎても、耐熱性及び耐溶剤性が低下することがある
ので好ましくない。
【0016】前記アクリル系単量体(a) としては、その
1 が炭素数2〜18、好ましくは2〜12の直鎖もしくは
分枝アルキル基であるのがよい。このような基R1 の具
体例としては、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、
i-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、i-オクチル
基、2-エチルヘキシル基、i-ノニル基などを挙げること
ができ、単量体(a) の具体例としては、エチルアクリレ
ート、n-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレー
ト、i-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、
n-オクチルアクリレート、i-オクチルアクリレート、2-
エチルヘキシルアクリレート、i-ノニルアクリレート等
のアクリル酸エステル単量体を挙げることができる。
【0017】前記アクリル系単量体(a) の使用量は、前
記単量体(a) 、(b) 及び(c) の合計100 重量部当り、例
えば、50重量部以上、好ましくは63〜99.8重量部、特に
好ましくは80〜96.5重量部程度の量が好適である。アク
リル系単量体(a) をこの使用量範囲とすることにより、
タック、接着力及び凝集力の良好なバランスが達成でき
る。
【0018】また前記単量体(b) のラジカル重合性不飽
和基のほかに少なくとも1個の官能性基を有する単量体
としては、官能性基として、例えば、カルボキシル基、
アミド基もしくは置換アミド基、アミノ基もしくは置換
アミノ基、水酸基、エポキシ基、または、メルカプト基
などを有する単量体を挙げることができ、本発明におい
てはこれらの単量体(b) の中から1種またはそれ以上の
単量体を適宜選択して用いることができる。
【0019】これら単量体の具体例としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸など、好
ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など
のカルボキシル基含有単量体;アクリルアミド、メタク
リルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロー
ルメタクリルアミド、N-n-ブトキシメチルアクリルアミ
ド、N-i-ブトキシメチルアクリルアミド、N,N-ジメチル
アクリルアミド、N-メチルアクリルアミドなど、好まし
くは、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド
基もしくは置換アミド基含有単量体;
【0020】アミノエチルアクリレート、N,N-ジメチル
アミノエチルアクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル
アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートなど、好
ましくは、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、
N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ
基もしくは置換アミノ基含有単量体;2-ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、
2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、アリルアルコール、メタリルアル
コールなど、好ましくは、2-ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタク
リレートなどの水酸基含有単量体;
【0021】グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルメ
タリルエーテルなど、好ましくはグリシジルメタクリレ
ートなどのエポキシ基含有単量体;ビニルメルカプタ
ン、アリルメルカプタンなどのメルカプト基含有単量体
などを例示することができる。これらの単量体(b) のう
ち、特にカルボキシ基含有単量体、アミノ基含有単量体
及び水酸基含有単量体の群から選ばれた少なくとも1種
の単量体を用いるのが好ましい。
【0022】前記単量体(b) の使用量は、前記単量体
(a) 〜(c) の合計100 重量部当り、例えば、25重量部以
下、好ましくは 0.2〜20重量部、特に好ましくは1〜10
重量部程度の量を例示できる。単量体(b) の使用量が前
記上限値以下であれば、形成される感圧接着剤層のタッ
クが過少となることもないので好ましく、一方、その使
用量が特に 0.5重量%以上となるようにすることにより
形成される感圧接着剤層の接着力及び凝集力の良好なバ
ランスが達成できるので好ましい。
【0023】更に、前記共単量体(c) としては、例え
ば、メチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、シク
ロヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレートなど
の前記アクリル系単量体(a) 以外のアクリル酸エステル
単量体;例えば、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、n-ブチルメタクリレート、i-ブチルメタクリ
レート、t-ブチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、n-オクチルメ
タクリレート、i-オクチルメタクリレート、2-エチルヘ
キシルメタクリレート、i-ノニルメタクリレート、n-ド
デシルメタクリレート、i-ドデシルメタクリレート、ス
テアリルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル単
量体;
【0024】例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」(商品名)な
ど飽和脂肪酸ビニルエステル単量体;例えば、ジブチル
マレート、ジブチルフマレート、ジブチルイタコネー
ト、ジオクチルマレート、ジオクチルフマレート、ジオ
クチルイタコネート等のα, β- 不飽和ジカルボン酸の
炭素数1〜18の直鎖もしくは分枝アルキルエステル;例
えば、スチレン、α- メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、エチルビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体;例
えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシア
ン化ビニル単量体;等を例示することができる。
【0025】上記共単量体(c) の使用量は、前記単量体
(a) 及び(b) の合計100 重量部当り、一般には50重量部
以下、好ましくは36.8重量部以下、特に好ましくは2〜
15重量部程度の量が好適である。共単量体(c) の使用
は、該共単量体の種類によっても変わり得るので一義的
には使用量はきめられないが、接着力と感圧接着性のバ
ランス及びこれらと凝集力とのバランスなどを所望に応
じて調節するのに役立つので、そのような目的に合致す
るように前記範囲量で適宜に選択することができる。こ
の共単量体(c) の使用量が前記範囲量の上限値以下であ
れば、感圧接着性が過少となることもなく、接着力と感
圧接着性の適切なバランスが維持されるので、共単量体
(c) を使用する場合には、前記範囲量で適当に選択利用
するのがよい。
【0026】本発明に用いられる前記のアクリル系共重
合体のガラス転移点(以下、Tg と略記することがあ
る)は、−5℃以下であることが必要であり、−20℃以
下であることが好ましい。Tg がこの上限値を超えて高
すぎては、得られる感圧接着剤層のタックが不十分とな
り、振動発生体への貼着が困難となるので好ましくな
い。
【0027】また本発明に用いられるアクリル系共重合
体は、その中に含有される分子量10万以下の共重合体成
分の割合が15重量%以下であることが必要であり、10重
量%以下であることが好ましい。この共重合体成分の割
合が15重量%を超えると、得られる感圧接着剤層の耐熱
性及び耐溶剤性が低下する傾向にあるので好ましくな
い。
【0028】本発明に用いられるアクリル系共重合体
は、更に、その重量平均分子量(以下、Mw と略記する
ことがある)が、15〜150 万、特には25〜100 万である
のが好ましい。Mw の値がこの下限値以上であれば、得
られた感圧接着剤層の接着力及び凝集力が良好なバラン
スを有しているので好ましく、上限値以下であれば、感
圧接着剤層を形成時の感圧接着剤組成物溶液の塗工に際
して、この組成物溶液の固形分をあまり低下させなくて
も好適な塗工粘度が得られるので比較的短時間で乾燥硬
化させて感圧接着剤層を形成させることができ、揮散す
る有機溶媒量も多くなり過ぎることがないので、コスト
的にもまた環境衛生的にも好ましい。従って、アクリル
系共重合体のMw はこの範囲内で適宜選択するのが好ま
しい。なお、本発明でいう共重合体の「分子量」及び
「重量平均分子量」は、いずれも GPC法により測定した
値をいう。
【0029】なお本発明において、アクリル系共重合体
のガラス転移点(Tg )は以下の方法で測定した値をい
う。
【0030】ガラス転移点の測定:厚さ約0.05mmのアル
ミニウム箔製の、内径約5mm、深さ約5mmの円筒型のセ
ルに、アクリル系共重合体の約50重量%有機溶媒溶液試
料約10mgを秤取し、100 ℃で2時間乾燥したものを測定
試料とする。セイコー電子工業(株) 製「SSC-5000型」
示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter
)を用い、−150 ℃から昇温速度10℃/min で測定決
定する。
【0031】本発明に用いられるアクリル系共重合体の
重合方法は、特に限定されるものではなく、溶液重合、
乳化重合など公知の方法を採用できるが、得られる感圧
接着剤層の耐熱性及び耐溶剤性の優秀さ観点から溶液重
合の採用が好ましい。
【0032】溶液重合は、一般に、重合槽内に所定の有
機溶媒、単量体、重合開始剤、および、必要に応じて用
いる連鎖移動剤を仕込み、窒素気流中又は有機溶媒の還
流温度で、撹拌しながら数時間加熱反応させることによ
り行われる。この場合に有機溶媒、単量体、重合開始剤
及び/又は連鎖移動剤の少なくとも一部を逐次添加して
もよい。
【0033】前記の溶液重合に使用する有機溶媒として
は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、芳香族ナ
フサなどの芳香族炭化水素類;例えば、n-ヘキサン、n-
ヘプタン、n-オクタン、i-オクタン、n-デカン、ジペン
テン、石油スピリット、石油ナフサ、テレピン油などの
脂肪族系もしくは脂環族系炭化水素類;例えば、エチル
アセテート、n-ブチルアセテート、n-アミルアセテー
ト、3-メトキシブチルアセテート、メチルベンゾエー
ト、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテー
トなどのエステル類;
【0034】例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノ
ン、メチルシクロヘキサノンなどのケトン類;例えば、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブなどのグリコールエーテル類;例えば、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、i-プ
ロピルアルコール、n-ブチルアルコール、i-ブチルアル
コール、s-ブチルアルコール、t-ブチルアルコールなど
のアルコール類などを挙げることができる。これらの有
機溶媒はそれぞれ単独で、または、2種以上混合して用
いることができる。
【0035】これらの溶媒のうち、重合操作の容易性、
反応速度の速さ、感圧接着剤層形成に当たっての揮散の
容易さなどの観点から、沸点50〜150 ℃、特には、60〜
100℃の有機溶媒を用いるのが好ましく、殊に、n-ヘキ
サン、エチルアセテート、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルアルコール、n-プロピルアルコールなどの有
機溶媒を用いるのが特に好ましい。
【0036】前記重合開始剤としては、例えば、ベンゾ
イルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、カプロイ
ルパーオキシド、ジ-i- プロピルパーオキシジカーボネ
ート、ジ-2- エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、t-ブチルパーオキシビバレートなどの有機過酸化
物;例えば、2,2'- アゾビス-i- ブチロニトリル、2,2'
-アゾビス-2,4- ジメチルバレロニトリル、2,2'- アゾ
ビス-4- メトキシ-2,4- ジメチルバレロニトリルなどの
アゾ化合物などをそれぞれ単独または組み合わせて使用
することができる。重合開始剤の使用量には、特に限定
はないが、単量体の合計量100 重量部に対して、一般
に、約0.01〜1.0 重量部、好適には約0.02〜0.5 重量部
用いられる。
【0037】また、前記連鎖移動剤としては、例えば、
シアノ酢酸;アルキル基炭素数1〜8のシアノ酢酸アル
キルエステル類;ブロモ酢酸;アルキル基炭素数1〜8
のブロモ酢酸エステル類;アントラセン、フェナントレ
ン、フルオレン、9-フェニルフルオレンなどの芳香族化
合物類;p-ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロ
ベンゼン、p-ニトロ安息香酸、p-ニトロフェノール、p-
ニトロトルエンなどの芳香族ニトロ化合物類;ベンゾキ
ノン、2,3,5,6-テトラメチル-p- ベンゾキノンなどのベ
ンゾキノン誘導体類;トリブチルボランなどのボラン誘
導体;
【0038】四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2-テトラ
ブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレ
ン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、3-ク
ロロ-1- プロペンなどのハロゲン化炭化水素類;クロラ
ール、フラルデヒドなどのアルデヒド類;炭素数1〜18
のアルキルメルカプタン類;チオフェノール、トルエン
メルカプタンなどの芳香族メルカプタン類;メルカプト
酢酸;メルカプト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステ
ル類;炭素数1〜12のヒドロキルアルキルメルカプタン
類;ビネン、ターピノレンなどのテルペン類などを挙げ
ることができる。
【0039】上記連鎖移動剤を用いる場合の使用量には
特に限定はないが、単量体の合計100重量部当たり、約
0.005〜3.0 重量部であるのが好ましい。重合温度は、
一般に約30〜180 ℃、好ましくは約60〜120 ℃の範囲が
良い。
【0040】前記のとおり本発明に用いられるアクリル
系共重合体(A) は、その中における分子量10万以下の共
重合体成分の割合を15重量%以下にする必要があるが、
このようなアクリル系共重合体(A)を得る方法として
は、例えば、溶液重合により得られた共重合体溶液に、
該共重合体の貧溶媒を添加して可溶部分である低分子量
共重合体成分を除去する、所謂再沈法などを挙げること
ができる。
【0041】かくして得られる本発明に好適に用いられ
る共重合体溶液は、通常、前記アクリル系共重合体を20
〜90重量%、好ましくは25〜60重量%程度含有するもの
である。
【0042】本発明の制振性薄葉体における感圧接着剤
層は、凝集力、耐熱性及び耐溶剤性を向上させるため
に、ポリグリシジルアミン系化合物(B) により架橋され
てなるものである。
【0043】前記ポリグリシジルアミン系化合物(B) と
しては、例えば、N,N-ジグリシジルアニリン、N,N-ジグ
リシジルトルイジン、m-N,N-ジグリシジルアミノフェニ
ルグリシジルエーテル、p-N,N-ジグリシジルアミノフェ
ニルグリシジルエーテル、N,N,N',N'-テトラグリシジル
-4,4'-メチレンビスベンゼンアミン、トリグリシジルイ
ソシアヌレート、N,N,N',N'-テトラグリシジルエチレン
ジアミン、N,N,N',N'-テトラグリシジルジアミノジフェ
ニルメタン、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレン
ジアミン、N,N,N',N',N'- ペンタグリシジルジエチレン
トリアミン、1,3 −ビス(N,N-ジクリシジルアミノメチ
ル)シクロヘキサンなどを挙げることができる。
【0044】前記ポリグリシジルアミン系化合物(B) の
使用量は、前記アクリル系共重合体(A) の合計量100 重
量部に対して、一般に、0.05〜5重量部、好ましくは0.
1 〜2重量部程度である。架橋剤の使用量がこの上限値
以下であれば用いられる感圧接着剤組成物のポットライ
フが長いので好ましく、また下限値以上であれば優れた
凝集力、耐熱性及び耐溶剤性を有する感圧接着剤層が得
られるので好ましい。
【0045】本発明の制振性薄葉体における感圧接着剤
層は、前記のポリグリシジルアミン系化合物(B) の他
に、必要に応じて架橋剤として有機多価イソシアネート
化合物、有機多価エポキシ化合物、アミノ系樹脂、金属
架橋剤等を併用することができる。
【0046】上記の有機多価イソシアネート化合物とし
ては、例えば、p-フェニレンジイソシアネート、4,4'-
ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トルイレンジ
イソシアネート、2,6-トルイレンジイソシアネート、キ
シレンジイソシアネート、ナフタレン-1,5- ジイソシア
ネートなどの芳香族多価イソシアネート;例えば、ペン
タメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、水添4,4'- ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、水添2,4-トルイレンジイソシアネート、
水添2,6-トルイレンジイソシアネート、水添キシレンジ
イソシアネートなどの脂肪族もしくは脂環族多価イソシ
アネート;
【0047】これら芳香族多価イソシアネートまたは脂
肪族もしくは脂環族多価イソシアネートの三量体;これ
ら芳香族多価イソシアネートまたは脂肪族もしくは脂環
族多価イソシアネートと、ペンタエリスリトール、トリ
メチロールプロパン、グリセロールなどの多価アルコー
ルとの反応生成物であるウレタンプレポリマー類;これ
らの多価イソシアネート類またはウレタンプレポリマー
類をフェノール、オキシム類などで封鎖したブロック化
イソシアネート類などが例示できる。
【0048】前記有機多価エポキシ化合物としては、例
えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹
脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのビスフ
ェノール型エポキシ樹脂を例示することができる。また
これらの他に、例えば、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノ
ボラック型エポキシ樹脂;例えば、ポリアルキレンポリ
オール(ネオペンチルグリコール、グリセロールなど)
ポリグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル系エポ
キシ樹脂;
【0049】例えば、テトラグリシジルジアミノジフェ
ニルメタン、トリグリシジル-p- アミノフェノール、ト
リグリシジル-m- アミノフェノール、テトラグリシジル
-m- キシレンジアミンなどのグリシジルアミン系エポキ
シ樹脂;例えば、ジグリシジルフタレート、ジグリシジ
ルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルテトラヒドロ
フタレートなどのグリシジルエステル系エポキシ樹脂;
例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4-エポキ
シシクロヘキシルメチル(3,4- エポキシシクロヘキサ
ン) カルボキシレート、ビス(3,4- エポキシ-6- メチル
シクロヘキシルメチル) アジペートなどの環状脂肪族型
エポキシ樹脂;例えば、トリグリシジルイソシアヌレー
ト、グリシジルグリシドオキシアルキルヒダントインな
どの複素還式エポキシ樹脂などが例示でき、
【0050】さらに、前記エポキシ樹脂のハロゲン化
物;前記エポキシ樹脂に多塩基酸またはポリエステルポ
リカルボン酸を反応して得られるエポキシ基含有樹脂;
ポリエステルポリカルボン酸のポリグリシジルエステ
ル;ポリエステルポリオールのポリグリシジルエーテル
などの各種エポキシ樹脂を例示することができる。
【0051】前記アミノ樹脂としては、メラミン樹脂、
グアナミン樹脂、ユリア樹脂、メラミン- ユリア共縮合
樹脂、メラミン- フェノール共縮合樹脂などが例示で
き、更に、前記金属架橋剤としては、例えば、アルミニ
ウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリ-i
- プロピレート、アルミニウムトリ-s- ブチレート、チ
タニウムテトラ-i- プロピレート、チタニウムテトラ-2
- エチルへキシレート、アンチモンブチレート、ジルコ
ニウム-s- ブチレート、ジルコニウムジエトキシ-t- ブ
チレート、ハフニウム-t- ブチレート、エチルアセトア
セテートアルミニウムジ-i- プロピレート、トリエタノ
ールアミンチタニウムジ-i- プロピレート、チタニウム
ラクテートのアンモニウム塩、テトラオクチレングリコ
ールチタネート、ポリアルキルチタネート、ポリチタニ
ウムアシレート(チタニウムテトラブチレートの重合
物、 チタニウムオレエートの重合物)などが例示でき
る。
【0052】これら架橋剤の併用量は、前記アクリル系
共重合体(A) の合計量100 重量部に対して、一般に、0
〜10重量部程度、好ましくは0〜5重量部である。
【0053】本発明の制振性薄葉体における感圧接着剤
層は、さらに必要に応じて、例えば、クマロン・インデ
ン樹脂、テルペン・フェノール樹脂、p-t-ブチルフェノ
ール・アセチレン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド
樹脂、テルペン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹
脂、石油系炭化水素樹脂、水素添加炭化水素樹脂、ロジ
ン誘導体、テレピン系樹脂などの粘着付与性樹脂などを
添加することができる。これらの樹脂の添加量は、前記
アクリル系共重合体(A) 成分の合計100 重量部に対し
て、例えば0〜10重量部程度であるのがよい。
【0054】本発明の感圧接着剤層には、前記した成分
のほかに、適宜必要に応じて、例えば、ジオクチルフタ
レートなどのフタル酸エステル系、トリクレジルホスフ
ェートなどのリン酸エステル系、プロセスオイルなどの
可塑剤;例えば、酸化チタン、カーボンブラック、フタ
ロシアニンブルーなどの有機または無機の着色剤;例え
ば、クレー、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、水酸化
アルミニウム、ガラス粉末などの無機質充填剤;紫外線
吸収剤;防腐剤などの公知の添加物を添加してもよい。
【0055】本発明に用いられる感圧接着剤層形成用の
感圧接着剤組成物は、前記のごとく、好ましくは、例え
ばエチルアセテートなどの沸点60〜120 ℃の有機溶媒中
で、溶液重合により得られた共重合体溶液に、該共重合
体の貧溶媒を添加して可溶部分である分子量10万以下の
低分子量共重合体成分を抽出して精製し、その含有量が
15重量%以下のアクリル系共重合体溶液とし、これにポ
リグリシジルアミン系化合物(B) を加え、さらに必要に
応じて、粘着付与性樹脂、可塑剤、着色剤、無機質充填
剤等を加えて混合することにより製造することができ
る。
【0056】本発明の制振性薄葉体は、上記のような感
圧接着剤組成物を、その用途に応じて選択した適宜の拘
束層の少なくとも一方の面に、例えばロールコーター、
ナイフコーターなどの一般に公知の方法に従って直接塗
布し、乾燥し、必要に応じて加熱若しくは室温放置して
架橋させた後、形成された感圧接着剤層上に離型材を載
置し、必要に応じて巻き取り、または、切断するといっ
た方法により作成することができる。また、感圧接着剤
組成物を離型材上に同様な方法により塗布し、乾燥した
後、拘束層と貼り合わせることもできる。感圧接着剤層
の厚さは、一般に約10〜200 μm 、好ましくは約20〜15
0 μm 程度であるのがよい。
【0057】前記拘束層としては、例えば、鉄、鋼、ア
ルミニウム、ニッケル、クロム、コバルト、ステンレス
鋼、亜鉛処理鋼板、銅鍍金鋼板、銅、黄銅などの金属も
しくは金属合金の箔:例えば、ポリカーボネート、ポリ
スチレン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、
ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、石油系炭化水素樹
脂、クマロン系樹脂、ロジン誘導体、天然樹脂、天然ア
スファルトなどの軟化点60℃以上の熱可塑性樹脂フィル
ムもしくはシート;例えば、フェノール樹脂、メラミン
樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂シート;例え
ば、ガラス、セラミックなどの無機質シート;例えば、
厚紙、段ボールなどの紙などを例示することができる。
これらのうち、堅牢さや電磁波シールド性のよさなどの
理由から金属もしくは金属合金の箔、特にステンレス
鋼、銅、アルミニウム、銅鍍金鋼板などの箔の使用が好
ましい。
【0058】前記拘束層の厚さは、一般に約10〜200 μ
m 、好ましくは約25〜100 μm 程度であるのがよい。
【0059】なお、本発明において用いる「薄葉体」と
は、例えば、フィルム状、シート状、テープ状、ストリ
ップ状、リボン状、薄板状など、長さ及び/又は幅方向
の寸法に比較して厚さ方向の寸法が極めて小さいような
形状のものをいう。
【0060】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
更に詳しく説明するが、本発明の内容をこれらの実施例
に限定するものでないことはいうまでもない。なお、本
発明の制振性薄葉体の試験用感圧接着シートの作成方
法、タック、接着力、凝集力、耐熱性、耐溶剤性及び制
振性の測定方法は次のとおりである。
【0061】(1) 試験用感圧接着シートの作成方法 厚さ50μm のステンレス鋼箔の上に、感圧接着剤組成物
溶液を、乾燥時の感圧接着剤層の厚みが約100 μm とな
るように塗布し、100 ℃で10分間熱風循環式乾燥機にて
乾燥し、次いで生成した感圧接着剤層の上に離型材を載
置した後、20℃、65%RHの条件で7日間架橋させて試験
用感圧接着シートを得た。
【0062】(2) タックの測定 J.DOW 法に準じ、傾斜角30°の斜面に、前(1) 項で作
成した試験用感圧接着シート(試験片の長さ100mm )を
貼りつけ、該試験片の斜面上方100mm の位置より直径x/
32インチの大きさのスチールボールをころがし、試料上
で停止する最大径のボールの直径x で表示する。
【0063】(3) 接着力の測定 JIS R-6253に規定する#280の耐水研磨紙で磨いた SUS 3
04のステンレス鋼板に、前(1) 項で作成した試験用感圧
接着シートより切り出した試片を、JIS Z-0237の方法に
従って圧着し、1時間後、23℃、65%RH、剥離速度300m
m/min の条件下でその剥離強度(g/25mm) を測定する。
【0064】(4) 凝集力の測定 前(3) 項で用いたと同様のステンレス鋼板に、前(1) 項
で作成した試験用感圧接着シートより切り出した試片
を、その貼着面積が25×25mm2 になる様に貼り付け、2
kgローラーを1往復して圧着した。これを80℃の雰囲気
下で1kgの静荷重を試料にかけ、荷重が落下するまでの
時間を測定する。
【0065】(5) 耐熱性の測定 前(3) 項において試験片を所定の条件で圧着させた後、
23℃で1時間放置し、300 ℃に熱したホットプレート上
にて5秒間加熱する。次いで23℃にて30分間放置し、23
℃、65%RH、剥離速度300 mm/min の条件下でその剥離
強度(g /25mm) を測定する。
【0066】(6) 耐溶剤性の測定 前(1) 項で作成した試験用感圧接着シートより20mm×30
mm切り出した試験片を、厚さ50μのステンレス箔に前
(1) 項と同様の方法で貼付け、1時間後トリクロロエチ
レン50ml中にて1分間超音波洗浄を行う。溶けだした共
重合体の量を紫外線分光光度計にて測定し、以下の基準
により評価する。
【0067】○・・・・・・200ppm未満 △・・・・・・200ppm以上500ppm未満 ×・・・・・・500ppm以上
【0068】(7) 制振性の測定 前(1) 項で作成した試験用感圧接着シートを、厚さ 0.5
mmの亜鉛鉄板に貼り、これを試験片として、共振法によ
り、周波数200Hz における損失係数(η)を20℃、40℃
及び60℃の各温度で測定する。
【0069】参考例1 還流冷却管、温度計、撹拌機、逐次滴下装置を取付けた
セパラブルフラスコ中に、ブチルアクリレート(BA)90
重量部、アクリル酸(AA)10重量部、アゾビス-i- ブチ
ロニトリル(AIBN)0.3 重量部、エチルアセテート(EA
c )100 重量部を混合して混合物を調製した。そして、
初期仕込みとして、この混合物の25重量%をセパラブル
フラスコに入れ、攪拌しながら加熱し、内温80〜85℃還
流下で40分間重合を行った。次に内温を80〜85℃に保持
しながら、混合物の残量75重量%を約60分に亘り逐次滴
下した。更に 120分間還流温度に保った後、トルエン50
重量部を加えて希釈し、固形分約34重量%のアクリル系
共重合体溶液を得た。この溶液100 重量部にヘプタン30
0 重量部を加えて低分子量共重合体の一部を溶解させた
上澄み液を除去する抽出精製操作を5回繰り返した後、
再びトルエンを加えて希釈し、固形分30重量%、粘度90
00cps (B型回転粘度計、25℃、10RPM )のアクリル系
共重合体溶液を得た。この共重合体の平均重量平均分子
量Mw は72万、分子量10万以下の低分子量共重合体含量
は8重量%、Tg は−45℃であった。
【0070】参考例2 参考例1において、BA 90 重量部及びAA 10 重量部の代
わりに、BA 85 重量部及びAA15重量部用いた以外は、参
考例1と同様にしてアクリル系共重合体溶液を得た。こ
の共重合体の組成及び単量体反応性比、得られた溶液の
外観、粘度及び固形分並びに、Mw 、低分子量共重合体
含量及びTg の値を表1に示す。
【0071】比較参考例1 参考例1において、抽出精製操作を行わなかった以外は
参考例1と同様にして、固形分約34重量%、粘度7000cp
s のアクリル系共重合体溶液を得た。この共重合体の組
成及び単量体反応性比、得られた溶液の外観、粘度及び
固形分並びにMw 、低分子量共重合体含量及びTg の値
を表1に示す。
【0072】比較参考例2 比較参考例1において、BA 90 重量部及びAA 10 重量部
の代わりに、2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)64重
量部、酢酸ビニル(VAc)33重量部及びAA3重量部を用い
た以外は参考例1と同様にして、固形分約35重量%及び
粘度5000cps のアクリル系共重合体溶液を得た。この共
重合体の組成及び単量体反応性比、得られた溶液の外
観、粘度及び固形分、並びに、Mw 、低分子量共重合体
含量及びTg の値を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】実施例1 参考例1で得られたアクリル系共重合体溶液 100重量部
(固形分約30重量部)に対し、ポリグリシジルアミン系
化合物「テトラッドC」〔商品名;三菱瓦斯化学(株)
製;1,3-ビス (N,N-ジグリシジルアミノメチル) シクロ
ヘキサン〕 0.1重量部(アクリル系共重合体 100重量部
に対して約0.33重量部)を攪拌混合して感圧接着剤組成
物溶液を得た。得られた組成物の組成、感圧接着剤物性
および制振性薄葉体としたときの制振性を測定し、その
結果を表2に示す。
【0075】実施例2 実施例1において、参考例1で得られたアクリル系共重
合体溶液 100重量部の代わりに、参考例2で得られたア
クリル系共重合体溶液 100重量部を用いた以外は実施例
1と同様にして感圧接着剤組成物溶液を調製した。得ら
れた組成物の組成、感圧接着剤物性および制振性薄葉体
としたときの制振性の測定結果を表2に示す。
【0076】比較例1 実施例1において、ポリグリシジルアミン系化合物「テ
トラッドC」 0.1重量部の代わりに、イソシアネート系
架橋剤「コロネートL」〔商品名;日本ポリウレタン
(株)製;トルイレンジイソシアネートとトリメチロー
ルプロパンとからなるウレタンプレポリマー〕 1.0重量
部(アクリル系共重合体 100重量部に対して約 2.5重量
部)を用いた以外は実施例1と同様にして感圧接着剤組
成物溶液を得た。得られた組成物の組成、感圧接着剤物
性および制振性薄葉体としたときの制振性の測定結果を
表2に示す。
【0077】比較例2及び3 実施例1において、参考例1で得られたアクリル系共重
合体溶液 100重量部の代わりに、比較参考例1または比
較参考例2で得られたアクリル系共重合体溶液100 重量
部を用いた以外は実施例1と同様にして感圧接着剤組成
物溶液を得た。得られた組成物の組成、感圧接着剤物性
および制振性薄葉体としたときの制振性の測定結果を表
2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】本発明の制振性薄葉体は、前記実施例の
結果からも明らかなように、例えば、自動車、鉄道車
両、航空機などの乗物、情報機器、電気製品、建物の
床、屋根、壁、階段などの振動発生体に貼付するだけで
容易に振動や騒音の発生を抑制することができ、且つ耐
溶剤性や耐熱性に優れた卓越した性能を有するものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16F 15/02 Q 9138−3J (72)発明者 土屋 信之 千葉県市川市高谷新町7−1 日新製鋼株 式会社鉄鋼研究所塗覆装研究部内 (72)発明者 飯野 和近 千葉県市川市高谷新町7−1 日新製鋼株 式会社鉄鋼研究所塗覆装研究部内 (72)発明者 杠 一仁 千葉県市川市高谷新町7−1 日新製鋼株 式会社鉄鋼研究所塗覆装研究部内 (72)発明者 輿石 謙二 千葉県市川市高谷新町7−1 日新製鋼株 式会社鉄鋼研究所塗覆装研究部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拘束層の少なくとも一方の面に感圧接着
    剤層を有する制振性薄葉体において、 該感圧接着剤層は
    単独重合体のガラス転移点が−20℃以下の少なくとも一
    種のアクリル系単量体(a) 及びラジカル重合性不飽和基
    のほかに少なくとも1個の官能性基を有する少なくとも
    一種の単量体(b) 、並びに、必要に応じて該単量体(a)
    及び(b) 以外の少なくとも一種の共単量体(c) 〔ここ
    で、該単量体(a) 相互の単量体反応性比及び該単量体
    (a) と該単量体(b) 及び該共単量体(c) のそれぞれとの
    単量体反応性比はいずれも0.25〜4.0 の範囲にあるもの
    とする〕を共重合してなるガラス転移点が−5℃以下の
    アクリル系共重合体](A)であって、該共重合体の重量平
    均分子量が15〜150 万で共重合体に含有される分子量10
    万以下の共重合体の割合が15重量%以下であるアクリル
    系共重合体(A) を含んでなり、且つ、該アクリル系共重
    合体(A) はポリグリシジルアミン系化合物(B)により架
    橋してなるものであることを特徴とする制振性薄葉体。
  2. 【請求項2】 上記感圧接着剤層の周波数200Hz におけ
    る損失係数が温度20〜60℃の範囲で0.04以上である請求
    項1に記載の制振性薄葉体。
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