JPH06210489A - アルミ製熱交換器とその製造方法 - Google Patents
アルミ製熱交換器とその製造方法Info
- Publication number
- JPH06210489A JPH06210489A JP420293A JP420293A JPH06210489A JP H06210489 A JPH06210489 A JP H06210489A JP 420293 A JP420293 A JP 420293A JP 420293 A JP420293 A JP 420293A JP H06210489 A JPH06210489 A JP H06210489A
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- JP
- Japan
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- heat exchanger
- aluminum heat
- joining
- alloy
- based alloy
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 アルミ製熱交換器の熱的に接合する必要のあ
る部位の少なくとも一部を、Ｓｎ：１０wt％を超え、７
０wt％以下、Ａｌ：２〜１０wt％を含有し、残部Ｚｎか
らなるＺｎ基合金を用いて接合したもので、Ｚｎ基合金
の融点＋３０℃以上、４１０℃以下の温度で接合する。 【効果】 アルミ製熱交換器のろう付け工程における接
合温度を低くし、長期にわたる信頼性を確保すると共
に、コスト低減を計ることができる。
る部位の少なくとも一部を、Ｓｎ：１０wt％を超え、７
０wt％以下、Ａｌ：２〜１０wt％を含有し、残部Ｚｎか
らなるＺｎ基合金を用いて接合したもので、Ｚｎ基合金
の融点＋３０℃以上、４１０℃以下の温度で接合する。 【効果】 アルミ製熱交換器のろう付け工程における接
合温度を低くし、長期にわたる信頼性を確保すると共
に、コスト低減を計ることができる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミ製熱交換器とそ
の製造方法に関するもので、特にアルミ製熱交換器のろ
う付け工程における接合温度を低くし、長期にわたる信
頼性を確保すると共に、コスト低減を図ったものであ
る。
の製造方法に関するもので、特にアルミ製熱交換器のろ
う付け工程における接合温度を低くし、長期にわたる信
頼性を確保すると共に、コスト低減を図ったものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】アルミ又はアルミ合金製の熱交換器は構
造が複雑であるため、一般的にＡｌ−Ｓｉ系合金ろう材
をクラッドしたブレージングシートを組立品の構成部品
の一部に使用し、心材の融点直下である約６００℃に昇
温し、ノコロックろう付け法、真空ろう付け法等の炉中
ろう付け法により、構成部品同士を接合することにより
組み立てられている。
造が複雑であるため、一般的にＡｌ−Ｓｉ系合金ろう材
をクラッドしたブレージングシートを組立品の構成部品
の一部に使用し、心材の融点直下である約６００℃に昇
温し、ノコロックろう付け法、真空ろう付け法等の炉中
ろう付け法により、構成部品同士を接合することにより
組み立てられている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、アルミ
製熱交換器は、ブレージングシートの形でＡｌ−Ｓｉ系
合金ろう材を用いてろう付けされるため、接合温度が約
６００℃と高く、ろう材以外の材料の融点に近接してい
るため、厳密な温度制御が不可欠であり、また真空、あ
るいは不活性ガス雰囲気に保持する必要があることか
ら、設備費、ランニングコストが高いという問題があ
る。また皮材に使用されるろう材の融点により、心材に
使用される材料も制約を受けている。更にクラッド材を
使用するため、これらの屑の転回による再利用が実質的
にできないという問題がある。
製熱交換器は、ブレージングシートの形でＡｌ−Ｓｉ系
合金ろう材を用いてろう付けされるため、接合温度が約
６００℃と高く、ろう材以外の材料の融点に近接してい
るため、厳密な温度制御が不可欠であり、また真空、あ
るいは不活性ガス雰囲気に保持する必要があることか
ら、設備費、ランニングコストが高いという問題があ
る。また皮材に使用されるろう材の融点により、心材に
使用される材料も制約を受けている。更にクラッド材を
使用するため、これらの屑の転回による再利用が実質的
にできないという問題がある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み種々
検討の結果、アルミ系材料の接合をより低温（具体的に
は、４１０℃以下）で行え、コスト低減と長期にわたる
信頼性を確保できるアルミ製熱交換器とその製造方法を
開発したものである。
検討の結果、アルミ系材料の接合をより低温（具体的に
は、４１０℃以下）で行え、コスト低減と長期にわたる
信頼性を確保できるアルミ製熱交換器とその製造方法を
開発したものである。
【０００５】本発明アルミ製熱交換器は、アルミ製熱交
換器の熱的に接合する必要のある部位の少なくとも一部
をＳｎ：１０wt％を超え、７０wt％以下、Ａｌ：２〜１
０wt％を含有し、残部ＺｎからなるＺｎ基合金を用いて
接合したことを特徴とする。
換器の熱的に接合する必要のある部位の少なくとも一部
をＳｎ：１０wt％を超え、７０wt％以下、Ａｌ：２〜１
０wt％を含有し、残部ＺｎからなるＺｎ基合金を用いて
接合したことを特徴とする。
【０００６】また本発明アルミ製熱交換器の製造方法
は、アルミ製熱交換器の熱的に接合する必要のある部位
の少なくとも一部をＳｎ：１０wt％を超え、７０wt％以
下、Ａｌ：２〜１０wt％を含有し、残部ＺｎからなるＺ
ｎ基合金を用いて、該Ｚｎ基合金の融点＋３０℃以上、
４１０℃以下の温度で接合することを特徴とする。
は、アルミ製熱交換器の熱的に接合する必要のある部位
の少なくとも一部をＳｎ：１０wt％を超え、７０wt％以
下、Ａｌ：２〜１０wt％を含有し、残部ＺｎからなるＺ
ｎ基合金を用いて、該Ｚｎ基合金の融点＋３０℃以上、
４１０℃以下の温度で接合することを特徴とする。
【０００７】
【作用】本発明は上記の如く、アルミ又はアルミ合金か
らなる熱交換器において、半田又はろう材を用いて熱的
に接合する必要のある部位の少なくとも一部を、Ｓｎ：
１０wt％を超え、７０wt％以下、Ａｌ：２〜１０wt％を
含有し、残部ＺｎからなるＺｎ基合金を用いて接合する
ことにより、ブレージングシートを必要とせず、より低
温での接合が可能となる。そのため、ＪＩＳ５０００系
の比較的低い液相点を持つ高強度Ａｌ−Ｍｇ系合金材料
の使用も可能であり、さらに接合部品の薄肉化も可能と
なる。また接合時の形状に成形加工した後に被覆して接
合できるため、合わせ材を使用していた時の様な屑転回
が困難で、実質的にできないという問題も解消され、薄
肉化ともあいまってコストの低減も図れる。
らなる熱交換器において、半田又はろう材を用いて熱的
に接合する必要のある部位の少なくとも一部を、Ｓｎ：
１０wt％を超え、７０wt％以下、Ａｌ：２〜１０wt％を
含有し、残部ＺｎからなるＺｎ基合金を用いて接合する
ことにより、ブレージングシートを必要とせず、より低
温での接合が可能となる。そのため、ＪＩＳ５０００系
の比較的低い液相点を持つ高強度Ａｌ−Ｍｇ系合金材料
の使用も可能であり、さらに接合部品の薄肉化も可能と
なる。また接合時の形状に成形加工した後に被覆して接
合できるため、合わせ材を使用していた時の様な屑転回
が困難で、実質的にできないという問題も解消され、薄
肉化ともあいまってコストの低減も図れる。
【０００８】本発明において接合に用いるＺｎ基合金の
適用は、接合部位や部材に被覆して用いるのが良好であ
る。そしてこの被覆法としては、フラックスを用いる溶
融めっき、あるいは超音波を併用する溶融めっき等が経
済的にも有利である。また被処理材をジンケート処理し
た後溶融めっきしても良い。
適用は、接合部位や部材に被覆して用いるのが良好であ
る。そしてこの被覆法としては、フラックスを用いる溶
融めっき、あるいは超音波を併用する溶融めっき等が経
済的にも有利である。また被処理材をジンケート処理し
た後溶融めっきしても良い。
【０００９】Ｚｎ基合金におけるＳｎの添加はＺｎ基合
金の融点を低下させ、かつ該合金の流動性を高めて、広
がり性（Ａｌとの濡れ性）、溶融めっき性及び接合性を
改善するためである。しかしてＳｎの添加量を１０wt％
を超え、７０wt％以下と限定したのは、１０wt％以下で
はこれらの効果が不十分であって、４１０℃以下の接合
温度ではアルミ系材料との健全な接合部が得られなく、
７０wt％を越えると融点は更に低下するものの、流動性
の一層の改善は認められず、又必要以上のＳｎの添加は
接合用合金（半田）のコストを上げることになるからで
ある。
金の融点を低下させ、かつ該合金の流動性を高めて、広
がり性（Ａｌとの濡れ性）、溶融めっき性及び接合性を
改善するためである。しかしてＳｎの添加量を１０wt％
を超え、７０wt％以下と限定したのは、１０wt％以下で
はこれらの効果が不十分であって、４１０℃以下の接合
温度ではアルミ系材料との健全な接合部が得られなく、
７０wt％を越えると融点は更に低下するものの、流動性
の一層の改善は認められず、又必要以上のＳｎの添加は
接合用合金（半田）のコストを上げることになるからで
ある。
【００１０】Ａｌの添加は、溶融Ｚｎ及び溶融Ｓｎの酸
化を防止し、融点を下げて溶融めっき及び接合作業を容
易にすると共に、Ａｌとの濡れ性を改善するためであ
る。しかしてＡｌの添加量を２〜１０wt％と限定したの
は、２wt％未満ではこれらの効果が不十分であり、１０
wt％を越えると融点が上昇し、Ｚｎ基合金の広がり性を
劣化させ、４１０℃以下の低温での接合作業性を悪くす
るためである。
化を防止し、融点を下げて溶融めっき及び接合作業を容
易にすると共に、Ａｌとの濡れ性を改善するためであ
る。しかしてＡｌの添加量を２〜１０wt％と限定したの
は、２wt％未満ではこれらの効果が不十分であり、１０
wt％を越えると融点が上昇し、Ｚｎ基合金の広がり性を
劣化させ、４１０℃以下の低温での接合作業性を悪くす
るためである。
【００１１】またＺｎ基合金をＡｌ材に被覆処理する際
の温度をＺｎ基合金の融点（液相点）＋３０℃以上、４
１０℃以下としたのは次の理由による。被覆温度がＺｎ
基合金の融点＋３０℃未満ではＺｎ基合金の広がり性が
確保できず、健全な被覆ができにくいためである。また
本発明におけるＺｎ基合金の融点は４１０℃以下であ
り、４１０℃を越える加熱は必要以上の加熱であり、エ
ネルギーコスト的にも不利となるためである。
の温度をＺｎ基合金の融点（液相点）＋３０℃以上、４
１０℃以下としたのは次の理由による。被覆温度がＺｎ
基合金の融点＋３０℃未満ではＺｎ基合金の広がり性が
確保できず、健全な被覆ができにくいためである。また
本発明におけるＺｎ基合金の融点は４１０℃以下であ
り、４１０℃を越える加熱は必要以上の加熱であり、エ
ネルギーコスト的にも不利となるためである。
【００１２】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。ＪＩ
Ｓ１１００合金（Ａｌ−０．１２wt％Ｃｕ）を用いて押
出し加工により多穴チューブを形成し、該チューブの外
側に超音波を併用して表１に示す組成のＺｎ基合金を約
３０〜４０μｍの厚さで被覆し、図１に示すようにこの
多穴チューブ（１）を蛇状に曲げ、その間にコルゲート
加工を施したＪＩＳ３００３合金（Ａｌ−０．１２wt％
Ｃｕ−１．２wt％Ｍｎ）からなるフィン材（２）を挟
み、表１に示す温度で接合し、サーペンタイン型コンデ
ンサを組み立てた。比較として芯材にＪＩＳ３００３合
金を、皮材にＪＩＳ４０４５合金（Ａｌ−１０wt％Ｓ
ｉ）を用いた従来のブレージングシートをフィンとして
使用し、従来法により同様のサーペンタイン型コンデン
サを組立てた。
Ｓ１１００合金（Ａｌ−０．１２wt％Ｃｕ）を用いて押
出し加工により多穴チューブを形成し、該チューブの外
側に超音波を併用して表１に示す組成のＺｎ基合金を約
３０〜４０μｍの厚さで被覆し、図１に示すようにこの
多穴チューブ（１）を蛇状に曲げ、その間にコルゲート
加工を施したＪＩＳ３００３合金（Ａｌ−０．１２wt％
Ｃｕ−１．２wt％Ｍｎ）からなるフィン材（２）を挟
み、表１に示す温度で接合し、サーペンタイン型コンデ
ンサを組み立てた。比較として芯材にＪＩＳ３００３合
金を、皮材にＪＩＳ４０４５合金（Ａｌ−１０wt％Ｓ
ｉ）を用いた従来のブレージングシートをフィンとして
使用し、従来法により同様のサーペンタイン型コンデン
サを組立てた。
【００１３】これらのコンデンサについて、フィンとチ
ューブとの接合状態を目視にて調べ、その結果を表１に
示した。又、コンデンサより接合部分の一部を切り出
し、樹脂に埋め込み研磨した後、接合部断面におけるフ
ィレット形状を顕微鏡にて観察し、半田合金のＡｌとの
濡れ具合を調べ、その結果を表１に併記した。
ューブとの接合状態を目視にて調べ、その結果を表１に
示した。又、コンデンサより接合部分の一部を切り出
し、樹脂に埋め込み研磨した後、接合部断面におけるフ
ィレット形状を顕微鏡にて観察し、半田合金のＡｌとの
濡れ具合を調べ、その結果を表１に併記した。
【００１４】
【表１】 ※１ Ａ：接合良好 Ｂ：部分的に接合 Ｃ：接合不可 ※２ Ａ：連続的に良好なフィレツトを形成 Ｂ：部分的に良好なフィレツトを形成 Ｃ：フィレツトの形成が不完全 （十分な接合用合金の盛り上がりが見られない） Ｄ：フィレツトを全く形成しない
【００１５】本発明例Ｎｏ１〜７によれば、Ａｌ−Ｓｉ
系合金ろう材を用いた従来例によるろう付けに比し、約
２００〜２５０℃低い（４１０℃以下の）温度で、フィ
レツト形状が良好で健全な接合部を得ることが出来る。
一方、Ｚｎ基合金の組成が本発明の範囲外である比較例
Ｎｏ８〜１０は、４１０℃以下の温度では接合が不可能
であるか、部分的にしか接合されていない。
系合金ろう材を用いた従来例によるろう付けに比し、約
２００〜２５０℃低い（４１０℃以下の）温度で、フィ
レツト形状が良好で健全な接合部を得ることが出来る。
一方、Ｚｎ基合金の組成が本発明の範囲外である比較例
Ｎｏ８〜１０は、４１０℃以下の温度では接合が不可能
であるか、部分的にしか接合されていない。
【００１６】以上本発明をアルミ製コンデンサを例に説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ア
ルミ製熱交換器一般に適用できるものであることは言う
までもない。
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ア
ルミ製熱交換器一般に適用できるものであることは言う
までもない。
【００１７】
【発明の効果】このように本発明によれば、アルミ製熱
交換器のろう付け工程における接合温度を低くすること
ができ、またＺｎ基合金がチューブ材に比し電気化学的
に卑であり、チューブ材に対し犠牲作用を有するため、
チューブ材の穴あき腐食に対する長期信頼性を確保する
ことができる等工業上顕著な効果を奏するものである。
交換器のろう付け工程における接合温度を低くすること
ができ、またＺｎ基合金がチューブ材に比し電気化学的
に卑であり、チューブ材に対し犠牲作用を有するため、
チューブ材の穴あき腐食に対する長期信頼性を確保する
ことができる等工業上顕著な効果を奏するものである。
【図１】サーペンタイン型コンデンサの一例を示す斜視
図である。
図である。
１ 多穴チューブ ２ フィン材
Claims (2)
- 【請求項１】 アルミ製熱交換器の熱的に接合する必要
のある部位の少なくとも一部を、Ｓｎ：１０wt％を超
え、７０wt％以下、Ａｌ：２〜１０wt％を含有し、残部
ＺｎからなるＺｎ基合金を用いて接合したことを特徴と
するアルミ製熱交換器。 - 【請求項２】 アルミ製熱交換器の熱的に接合する必要
のある部位の少なくとも一部を、Ｓｎ：１０wt％を超
え、７０wt％以下、Ａｌ：２〜１０wt％を含有し、残部
ＺｎからなるＺｎ基合金を用いて、該Ｚｎ基合金の融点
＋３０℃以上、４１０℃以下の温度で接合することを特
徴とするアルミ製熱交換器の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP420293A JPH06210489A (ja) | 1993-01-13 | 1993-01-13 | アルミ製熱交換器とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP420293A JPH06210489A (ja) | 1993-01-13 | 1993-01-13 | アルミ製熱交換器とその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06210489A true JPH06210489A (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=11578074
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP420293A Pending JPH06210489A (ja) | 1993-01-13 | 1993-01-13 | アルミ製熱交換器とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06210489A (ja) |
-
1993
- 1993-01-13 JP JP420293A patent/JPH06210489A/ja active Pending
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