JPH0796389A - アルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法 - Google Patents
アルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法Info
- Publication number
- JPH0796389A JPH0796389A JP24280793A JP24280793A JPH0796389A JP H0796389 A JPH0796389 A JP H0796389A JP 24280793 A JP24280793 A JP 24280793A JP 24280793 A JP24280793 A JP 24280793A JP H0796389 A JPH0796389 A JP H0796389A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tube
- alloy
- heat exchanger
- joining
- based alloy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Extrusion Of Metal (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 アルミ製熱交換器用複合チューブを用いる熱
交換器において、接合温度を低くし、長期にわたる信頼
性を確保すると共に、コスト低減を計る。 【構成】 冷間または熱間押出しにより成形したAlま
たはAl合金製チューブの表面の少なくとも一部に、半
田としてGe:0.1〜5wt%、Cu:0.1〜4wt
%、Sn:10〜70wt%、Al:0.5〜10wt%を
含有し、残部Znと不可避的不純物とからなるZn−S
n基合金を被覆したもので、被覆はZn−Sn基合金を
該Zn基合金の融点+30℃以上、410℃以下の温度
でフラックス、超音波またはこれらを併用した溶融めっ
きにより被覆する。
交換器において、接合温度を低くし、長期にわたる信頼
性を確保すると共に、コスト低減を計る。 【構成】 冷間または熱間押出しにより成形したAlま
たはAl合金製チューブの表面の少なくとも一部に、半
田としてGe:0.1〜5wt%、Cu:0.1〜4wt
%、Sn:10〜70wt%、Al:0.5〜10wt%を
含有し、残部Znと不可避的不純物とからなるZn−S
n基合金を被覆したもので、被覆はZn−Sn基合金を
該Zn基合金の融点+30℃以上、410℃以下の温度
でフラックス、超音波またはこれらを併用した溶融めっ
きにより被覆する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミ製熱交換器用複
合チューブとその製造方法に関するもので、特に冷間ま
たは熱間押し出しにより成形したAlまたはAl合金製
チューブを用いる熱交換器において、接合工程における
接合温度を低くし、更に接合部の耐蝕性を向上させ長期
にわたる信頼性を確保すると共に、コスト低減を図った
ものである。
合チューブとその製造方法に関するもので、特に冷間ま
たは熱間押し出しにより成形したAlまたはAl合金製
チューブを用いる熱交換器において、接合工程における
接合温度を低くし、更に接合部の耐蝕性を向上させ長期
にわたる信頼性を確保すると共に、コスト低減を図った
ものである。
【0002】
【従来の技術】アルミ製熱交換器は構造が複雑であるた
め、一般的にAl−Si系合金ろう材をクラッドしたブ
レージングシートを組立品の構成部品の一部に使用し、
芯材の融点直下である約600℃に昇温し、ノコロック
ろう付け法、真空ろう付け法等の炉中ろう付けを行い、
構成部品間を接合することにより組み立てられている。
例えばチューブに電縫管を用いる熱交換器においては、
チューブの穴あき腐蝕を防ぐために、チューブ材をブレ
ージングシートとしている。一方、冷間または熱間押出
しにより成形したチューブを用いる熱交換器において
は、チューブにブレージングシートを使用できないた
め、フィン材をブレージングシートとし、チューブの穴
あき腐蝕を防止する目的でチューブ表面にZnを溶射し
た後ろう付けをしている。
め、一般的にAl−Si系合金ろう材をクラッドしたブ
レージングシートを組立品の構成部品の一部に使用し、
芯材の融点直下である約600℃に昇温し、ノコロック
ろう付け法、真空ろう付け法等の炉中ろう付けを行い、
構成部品間を接合することにより組み立てられている。
例えばチューブに電縫管を用いる熱交換器においては、
チューブの穴あき腐蝕を防ぐために、チューブ材をブレ
ージングシートとしている。一方、冷間または熱間押出
しにより成形したチューブを用いる熱交換器において
は、チューブにブレージングシートを使用できないた
め、フィン材をブレージングシートとし、チューブの穴
あき腐蝕を防止する目的でチューブ表面にZnを溶射し
た後ろう付けをしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般にアルミ製熱交換
器は、ブレージングシートの形でAl−Si系合金ろう
材を用いてろう付けされるため接合温度が約600℃と
高く、更にこの温度はろう材以外の材料の融点に接近し
ているため、厳密な温度制御が不可欠である。また真空
あるいは不活性ガス雰囲気中に保持する必要があること
から、設備費、ランニングコストが高いという問題があ
る。
器は、ブレージングシートの形でAl−Si系合金ろう
材を用いてろう付けされるため接合温度が約600℃と
高く、更にこの温度はろう材以外の材料の融点に接近し
ているため、厳密な温度制御が不可欠である。また真空
あるいは不活性ガス雰囲気中に保持する必要があること
から、設備費、ランニングコストが高いという問題があ
る。
【0004】そこでブレージングシートの形でAl−S
i系合金ろう材を用いてろう付けすることに替えて、半
田付けによって接合する方法も考えられるが、例えば通
常の半田合金(Zn−Sn2元合金)を使用した場合、
接合温度は低くなるものの、接合界面から腐蝕が発生し
やすくなるという問題があった。この理由の詳細は不明
であるが、半田合金とAlとの接合界面にAlに比べ遙
に電位的に卑な層が生成するためであると考えられる。
i系合金ろう材を用いてろう付けすることに替えて、半
田付けによって接合する方法も考えられるが、例えば通
常の半田合金(Zn−Sn2元合金)を使用した場合、
接合温度は低くなるものの、接合界面から腐蝕が発生し
やすくなるという問題があった。この理由の詳細は不明
であるが、半田合金とAlとの接合界面にAlに比べ遙
に電位的に卑な層が生成するためであると考えられる。
【0005】本発明はこれに鑑み種々検討の結果、アル
ミ系材料との接合をより低温(具体的には、410℃以
下)で行え、コスト低減と長期にわたる信頼性を確保で
きるアルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法を
開発したものである。即ち本発明複合チューブは、冷間
または熱間押し出しにより成形したAlまたはAl合金
製チューブの表面の少なくとも一部に、半田としてG
e:0.1〜5wt%、Cu:0.1〜4wt%、S
n:10〜70wt%、Al:0.5〜10wt%を含
有し、残部Znと不可避的不純物とからなるZn−Sn
基合金を被覆したことを特徴とする。
ミ系材料との接合をより低温(具体的には、410℃以
下)で行え、コスト低減と長期にわたる信頼性を確保で
きるアルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法を
開発したものである。即ち本発明複合チューブは、冷間
または熱間押し出しにより成形したAlまたはAl合金
製チューブの表面の少なくとも一部に、半田としてG
e:0.1〜5wt%、Cu:0.1〜4wt%、S
n:10〜70wt%、Al:0.5〜10wt%を含
有し、残部Znと不可避的不純物とからなるZn−Sn
基合金を被覆したことを特徴とする。
【0006】本発明複合チューブの製造方法は、冷間ま
たは熱間押し出しにより成形したAlまたはAl合金製
チューブの表面の少なくとも一部に、半田としてGe:
0.1〜5wt%、Cu:0.1〜4wt%、Sn:1
0〜70wt%、Al:0.5〜10wt%を含有し、
残部Znと不可避的不純物とからなるZn−Sn基合金
を、該Zn−Sn基合金の融点+30℃以上、410℃
以下の温度で被覆することを特徴とし、Zn−Sn基合
金をフラックス、超音波またはこれらを併用する溶融メ
ッキにより被覆する。
たは熱間押し出しにより成形したAlまたはAl合金製
チューブの表面の少なくとも一部に、半田としてGe:
0.1〜5wt%、Cu:0.1〜4wt%、Sn:1
0〜70wt%、Al:0.5〜10wt%を含有し、
残部Znと不可避的不純物とからなるZn−Sn基合金
を、該Zn−Sn基合金の融点+30℃以上、410℃
以下の温度で被覆することを特徴とし、Zn−Sn基合
金をフラックス、超音波またはこれらを併用する溶融メ
ッキにより被覆する。
【0007】
【作用】本発明は上記の如く、冷間または熱間押出しに
より成形したAlまたはAl合金製チューブの表面の少
なくとも一部に、Zn−Sn基合金(半田合金)を被覆
した複合チューブを用いることによりチューブと熱的に
接合する必要のある部品として、ブレージングシートを
必要とせず、より低温での接合が可能となる。このため
例えばフィン材にJIS5000系(Al−Mg系)合
金等の比較的低い液相点を持つ高強度材料の使用も可能
であり、接合部品の薄肉化も可能となる。そしてチュー
ブ表面に半田として被覆したZn−Sn基合金が、チュ
ーブ材に対して犠牲陽極層として作用するため、チュー
ブの穴あき腐食を防止でき、長期にわたる信頼性を確保
することが可能となる。
より成形したAlまたはAl合金製チューブの表面の少
なくとも一部に、Zn−Sn基合金(半田合金)を被覆
した複合チューブを用いることによりチューブと熱的に
接合する必要のある部品として、ブレージングシートを
必要とせず、より低温での接合が可能となる。このため
例えばフィン材にJIS5000系(Al−Mg系)合
金等の比較的低い液相点を持つ高強度材料の使用も可能
であり、接合部品の薄肉化も可能となる。そしてチュー
ブ表面に半田として被覆したZn−Sn基合金が、チュ
ーブ材に対して犠牲陽極層として作用するため、チュー
ブの穴あき腐食を防止でき、長期にわたる信頼性を確保
することが可能となる。
【0008】半田として被覆するZn−Sn基合金とし
ては、Ge:0.1〜5wt%、Cu:0.1〜4wt
%、Sn:10〜70wt%、Al:0.5〜10wt
%を含有し、残部Znと不可避的不純物とからなるZn
−Sn基合金を用いる。
ては、Ge:0.1〜5wt%、Cu:0.1〜4wt
%、Sn:10〜70wt%、Al:0.5〜10wt
%を含有し、残部Znと不可避的不純物とからなるZn
−Sn基合金を用いる。
【0009】またチューブ表面へのZn−Sn基合金の
被覆法は、フラックスを用いる溶融めっき、或いは超音
波を併用する溶融めっき等が経済的にも有利である。ま
た処理するチューブにまずジンケート処理した後溶融め
っきしても良い。
被覆法は、フラックスを用いる溶融めっき、或いは超音
波を併用する溶融めっき等が経済的にも有利である。ま
た処理するチューブにまずジンケート処理した後溶融め
っきしても良い。
【0010】Zn−Sn基合金におけるGeの添加は半
田合金(Zn−Sn基合金)の耐蝕性を改善し、長期に
渡り健全な接合部を確保するためである。Geの添加量
を0.1〜5wt%としたのは、0.1wt%未満ではこ
れらの効果が不十分で耐蝕性の向上が不十分となり、ま
た5wt%を越えても耐蝕性の改善は認められず、また必
要以上のGeの添加はZn−Sn基合金のコストを上げ
ることになるからである。
田合金(Zn−Sn基合金)の耐蝕性を改善し、長期に
渡り健全な接合部を確保するためである。Geの添加量
を0.1〜5wt%としたのは、0.1wt%未満ではこ
れらの効果が不十分で耐蝕性の向上が不十分となり、ま
た5wt%を越えても耐蝕性の改善は認められず、また必
要以上のGeの添加はZn−Sn基合金のコストを上げ
ることになるからである。
【0011】Cuの添加は半田合金(Zn−Sn基合
金)と接合部品(チューブ、フィン等)との界面での腐
蝕を低減させ、短時間で接合部が剥離することを防ぐた
めである。Cuの添加量を0.1〜4wt%としたのは、
0.1wt%未満ではこれらの効果が不十分であって耐蝕
性の向上が不十分であって、また4wt%を越えても耐蝕
性の改善は認められず、また融点が上昇し、流動性、広
がり性が低下して接合作業性が悪くなるからである。
金)と接合部品(チューブ、フィン等)との界面での腐
蝕を低減させ、短時間で接合部が剥離することを防ぐた
めである。Cuの添加量を0.1〜4wt%としたのは、
0.1wt%未満ではこれらの効果が不十分であって耐蝕
性の向上が不十分であって、また4wt%を越えても耐蝕
性の改善は認められず、また融点が上昇し、流動性、広
がり性が低下して接合作業性が悪くなるからである。
【0012】Alの添加は、溶融Zn及び溶融Snの酸
化を防止し、融点を下げて溶融めっき及び接合作業を容
易にすると共に、Alとの濡れ性を改善するためであ
る。しかしてAlの添加量を0.5〜10wt%と限定し
たのは、0.5wt%未満ではこれらの効果が不十分であ
り、10wt%を越えると融点が上昇し、Zn−Sn基合
金の広がり性を劣化させ、410℃以下の低温での接合
作業性を悪くするためである。特にAl量は2〜4wt%
が望ましく、この場合Zn−Sn基合金の融点が低く、
接合作業性が良い。
化を防止し、融点を下げて溶融めっき及び接合作業を容
易にすると共に、Alとの濡れ性を改善するためであ
る。しかしてAlの添加量を0.5〜10wt%と限定し
たのは、0.5wt%未満ではこれらの効果が不十分であ
り、10wt%を越えると融点が上昇し、Zn−Sn基合
金の広がり性を劣化させ、410℃以下の低温での接合
作業性を悪くするためである。特にAl量は2〜4wt%
が望ましく、この場合Zn−Sn基合金の融点が低く、
接合作業性が良い。
【0013】Snの添加はZn−Sn基合金の融点を低
下させ、かつ該合金の流動性を高めて、広がり性(Al
との濡れ性)、溶融めっき性及び接合性を改善するため
である。しかしてSnの添加量を10〜70wt%と限定
したのは、10wt%未満ではこれらの効果が不十分であ
って、410℃以下の接合温度ではアルミ系材料との健
全な接合部が得られなく、70wt%を越えると融点は更
に低下するものの、流動性の一層の改善は認められず、
また必要以上のSnの添加は半田合金のコストを上げる
ことになるからである。特にSnの添加量が50〜65
wt%であると、広がり性がよく、融点も低く望ましい。
下させ、かつ該合金の流動性を高めて、広がり性(Al
との濡れ性)、溶融めっき性及び接合性を改善するため
である。しかしてSnの添加量を10〜70wt%と限定
したのは、10wt%未満ではこれらの効果が不十分であ
って、410℃以下の接合温度ではアルミ系材料との健
全な接合部が得られなく、70wt%を越えると融点は更
に低下するものの、流動性の一層の改善は認められず、
また必要以上のSnの添加は半田合金のコストを上げる
ことになるからである。特にSnの添加量が50〜65
wt%であると、広がり性がよく、融点も低く望ましい。
【0014】またZn−Sn基合金をAl材に被覆処理
する際の温度をZn−Sn基合金の融点(液相点)+3
0℃以上、410℃以下としたのは次の理由による。被
覆温度がZn−Sn基合金の融点+30℃未満ではZn
−Sn基合金の広がり性が確保できず、健全な被覆がで
きにくいためである。また本発明におけるZn−Sn基
合金の融点は410℃以下であり、410℃を越える加
熱は必要以上の加熱であり、エネルギーコスト的にも不
利となるためである。
する際の温度をZn−Sn基合金の融点(液相点)+3
0℃以上、410℃以下としたのは次の理由による。被
覆温度がZn−Sn基合金の融点+30℃未満ではZn
−Sn基合金の広がり性が確保できず、健全な被覆がで
きにくいためである。また本発明におけるZn−Sn基
合金の融点は410℃以下であり、410℃を越える加
熱は必要以上の加熱であり、エネルギーコスト的にも不
利となるためである。
【0015】また本発明チューブを用いて他の熱交換器
用部品と組み合わせ、これらを上記Zn−Sn基合金に
より接合する際の温度は上記の被覆処理温度と同程度で
よい。
用部品と組み合わせ、これらを上記Zn−Sn基合金に
より接合する際の温度は上記の被覆処理温度と同程度で
よい。
【0016】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。JI
S1100(Al−0.12wt%Cu)合金を用いて冷
間または熱間押し出しにより多穴チューブを形成した
後、超音波を併用した溶融めっきにより表1、表2に示
す組成の半田合金を、該チューブ外側に約30〜40μ
mの厚さに被覆し、アルミ製熱交換器用複合チューブを
作製した。なおこの際の被覆温度は表1、表2中の接合
温度と同一の温度とした。
S1100(Al−0.12wt%Cu)合金を用いて冷
間または熱間押し出しにより多穴チューブを形成した
後、超音波を併用した溶融めっきにより表1、表2に示
す組成の半田合金を、該チューブ外側に約30〜40μ
mの厚さに被覆し、アルミ製熱交換器用複合チューブを
作製した。なおこの際の被覆温度は表1、表2中の接合
温度と同一の温度とした。
【0017】このチューブを蛇行状に曲げ、その間にコ
ルゲート加工を施したJIS3003(Al−0.15
wt%Cu−1.1wt%Mn)合金からなるフィン材を挟
み、表1に示す接合温度で接合し、図1に示すコンデン
サ(サーペンタイン型コンデンサ)を組み立てた。図1
において(1)は多穴チューブ、(2)はフィン材を示
す。従来例として、フィンにブレージングシート(芯材
はJIS3003合金、皮材はJIS4045(Al−
10wt%Si)合金ろう材)を使用する従来法により同
様のコンデンサを組み立て、600℃に加熱して接合し
た。
ルゲート加工を施したJIS3003(Al−0.15
wt%Cu−1.1wt%Mn)合金からなるフィン材を挟
み、表1に示す接合温度で接合し、図1に示すコンデン
サ(サーペンタイン型コンデンサ)を組み立てた。図1
において(1)は多穴チューブ、(2)はフィン材を示
す。従来例として、フィンにブレージングシート(芯材
はJIS3003合金、皮材はJIS4045(Al−
10wt%Si)合金ろう材)を使用する従来法により同
様のコンデンサを組み立て、600℃に加熱して接合し
た。
【0018】これらのコンデンサについて、フィンとチ
ューブとの接合状態を目視にて調べ、その結果を表1、
表2に示した。また、コンデンサより接合部分の一部を
切り出し、樹脂に埋め込み研磨した後、接合部断面にお
けるフィレット形状を顕微鏡にて観察し、半田合金のA
lとの濡れ具合を調べ、その結果を表1、表2に併記し
た。
ューブとの接合状態を目視にて調べ、その結果を表1、
表2に示した。また、コンデンサより接合部分の一部を
切り出し、樹脂に埋め込み研磨した後、接合部断面にお
けるフィレット形状を顕微鏡にて観察し、半田合金のA
lとの濡れ具合を調べ、その結果を表1、表2に併記し
た。
【0019】次にこれらのコンデンサを十分に水洗浄し
フラックスを除去した後、塩水噴霧試験(JIS Z3
271)を300時間行った。試験後接合部分を切り出
し、樹脂に埋め込み、研磨後接合部の断面を顕微鏡観察
した。その観察結果を表1、表2に併記する。
フラックスを除去した後、塩水噴霧試験(JIS Z3
271)を300時間行った。試験後接合部分を切り出
し、樹脂に埋め込み、研磨後接合部の断面を顕微鏡観察
した。その観察結果を表1、表2に併記する。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】 *1 A:接合状態良好 B:部分的に接合 C:接合
不可 *2 A:連続的に良好なフィレットを形成 B:部分的に良好なフィレットを形成(一部不完全) C:フィレットの形成が不完全(十分な半田合金の盛り
上がりが見られない) D:フィレットが全く形成されていない *3 A:接合界面で腐食が殆ど発生していない B:接合界面で腐食が多少発生している C:接合部剥離 D:接合不可のため腐食試験中止
不可 *2 A:連続的に良好なフィレットを形成 B:部分的に良好なフィレットを形成(一部不完全) C:フィレットの形成が不完全(十分な半田合金の盛り
上がりが見られない) D:フィレットが全く形成されていない *3 A:接合界面で腐食が殆ど発生していない B:接合界面で腐食が多少発生している C:接合部剥離 D:接合不可のため腐食試験中止
【0022】本発明例No1〜15によれば、従来例の
ろう付けに比べ、約200℃低い(410℃以下の)接
合温度で、フィレット形状が良好で健全な接合部分を得
ることができる。また接合部分の耐蝕性も良好である。
ろう付けに比べ、約200℃低い(410℃以下の)接
合温度で、フィレット形状が良好で健全な接合部分を得
ることができる。また接合部分の耐蝕性も良好である。
【0023】一方本発明における半田合金(Zn−Sn
基合金)の組成の範囲外である比較例No16〜19は
410℃以下での接合では良好な接合状態が得られなか
った。またCu量やGe量が少ないNo20、21は、
腐蝕試験において、腐蝕しやすかった。
基合金)の組成の範囲外である比較例No16〜19は
410℃以下での接合では良好な接合状態が得られなか
った。またCu量やGe量が少ないNo20、21は、
腐蝕試験において、腐蝕しやすかった。
【0024】以上本発明をアルミ製コンデンサを例に説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、冷
間または熱間押し出しにより形成したチューブを用いる
AlまたはAl合金製熱交換器一般に適用できることは
言うまでもない。
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、冷
間または熱間押し出しにより形成したチューブを用いる
AlまたはAl合金製熱交換器一般に適用できることは
言うまでもない。
【0025】
【発明の効果】このように本発明によれば、従来のアル
ミ製熱交換器のろう付け工程よりも低い温度で接合がで
き、接合工程のランニングコストを低減することができ
ると共に、アルミニウムよりも電気的に卑であるZn−
Sn基合金がアルミ製熱交換器のチューブ材の表面を被
覆しているので、該Zn−Sn基合金が犠牲的作用を
し、該チューブ材の穴あき腐蝕の発生を抑制することが
できる等、熱交換器の長期信頼性を確保することができ
る。以上のように本発明は工業上顕著な効果を奏するも
のである。
ミ製熱交換器のろう付け工程よりも低い温度で接合がで
き、接合工程のランニングコストを低減することができ
ると共に、アルミニウムよりも電気的に卑であるZn−
Sn基合金がアルミ製熱交換器のチューブ材の表面を被
覆しているので、該Zn−Sn基合金が犠牲的作用を
し、該チューブ材の穴あき腐蝕の発生を抑制することが
できる等、熱交換器の長期信頼性を確保することができ
る。以上のように本発明は工業上顕著な効果を奏するも
のである。
【図1】サーペンタイン型コンデンサの一例を示す斜視
図である。
図である。
1 多穴チューブ 2 フィン材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 18/00
Claims (2)
- 【請求項1】 冷間または熱間押し出しにより成形した
AlまたはAl合金製チューブの表面の少なくとも一部
に、半田としてGe:0.1〜5wt%、Cu:0.1
〜4wt%、Sn:10〜70wt%、Al:0.5〜
10wt%を含有し、残部Znと不可避的不純物とから
なるZn−Sn基合金を被覆したことを特徴とするアル
ミ製熱交換器用複合チューブ。 - 【請求項2】 冷間または熱間押し出しにより成形した
AlまたはAl合金製チューブの表面の少なくとも一部
に、半田としてGe:0.1〜5wt%、Cu:0.1
〜4wt%、Sn:10〜70wt%、Al:0.5〜
10wt%を含有し、残部Znと不可避的不純物とから
なるZn−Sn基合金を、該Zn−Sn基合金の融点+
30℃以上、410℃以下の温度で被覆することを特徴
とするアルミ製熱交換器用複合チューブの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24280793A JPH0796389A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | アルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24280793A JPH0796389A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | アルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0796389A true JPH0796389A (ja) | 1995-04-11 |
Family
ID=17094583
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24280793A Pending JPH0796389A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | アルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0796389A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6659329B1 (en) * | 1999-04-16 | 2003-12-09 | Edison Welding Institute, Inc | Soldering alloy |
WO2014203425A1 (ja) * | 2013-06-20 | 2014-12-24 | 三菱電機株式会社 | Zn系鉛フリーはんだおよび半導体パワーモジュール |
-
1993
- 1993-09-29 JP JP24280793A patent/JPH0796389A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6659329B1 (en) * | 1999-04-16 | 2003-12-09 | Edison Welding Institute, Inc | Soldering alloy |
WO2014203425A1 (ja) * | 2013-06-20 | 2014-12-24 | 三菱電機株式会社 | Zn系鉛フリーはんだおよび半導体パワーモジュール |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6913184B2 (en) | Alloy composition and method for low temperature fluxless brazing | |
KR100756752B1 (ko) | 브레이징 시트 제품 및 상기 브레이징 시트 제품을 이용하여 조립체를 제조하는 방법 | |
AU581323B2 (en) | Copper-zinc-manganese-nickel alloys | |
JP2004517734A (ja) | ろう付け用製品 | |
EP0587307A1 (en) | Aluminium alloys | |
JP3398203B2 (ja) | アルミニウム合金と銅の接合用ろう材およびこのろう材によって接合された複合材 | |
JPH0796386A (ja) | アルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法 | |
JP2001009569A (ja) | 金属部材の接合構造および接合方法 | |
JPH0796389A (ja) | アルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法 | |
JP2006509635A (ja) | クラッド層および鉄合金の被覆層を有するろう付けシート製品およびその製造方法 | |
JP2006503709A (ja) | ロウ付用製品およびその製造方法 | |
JPH0796364A (ja) | アルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法 | |
JPS6365437B2 (ja) | ||
JP4705452B2 (ja) | ロウ付性に優れる高強度アルミニウム合金、高強度アルミニウム合金シート、及び熱交換器 | |
JPH0688695A (ja) | アルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法 | |
JPH05245688A (ja) | アルミ製熱交換器とその製造方法 | |
JPH0796388A (ja) | アルミ製熱交換器とその製造方法 | |
JPH06226489A (ja) | 金属接合用材料とそれを用いた接合部品の接合方法 | |
JPH06256922A (ja) | アルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法 | |
JPH0796387A (ja) | Al接合用材料とそれを用いた接合部品の接合方法 | |
JP3164409B2 (ja) | アルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法 | |
JP3164413B2 (ja) | アルミ製熱交換器部品の接合用材料とその接合方法 | |
JP3909015B2 (ja) | ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け方法並びにろう付け製品 | |
JPH06210489A (ja) | アルミ製熱交換器とその製造方法 | |
JPH06207257A (ja) | アルミ製熱交換器用複合チューブとその製造方法 |