JPH06209873A - 気泡によるマッサージ、洗浄および香り効果を有するシャワーヘッドおよびシャワー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シャワーヘッドから噴出される水に、圧力差
により微細な気泡を混入させ、気泡水が身体に適度な刺
激を与えることによりマッサージ効果を得る。また、洗
浄料、液状せっけんや入浴剤などを混入させることによ
り洗浄効果を得る事ができ、香料や香水などを混入させ
ると香りも楽しめる。 【構成】 シャワーヘッドの散水部の手前の管路に、管
路断面積が水の流れ方向に次第に小さくなり、断面積が
最小となるスロート部を経て再び拡大する形状をしたベ
ンチュリ管状の管路を設け、そのスロート部またはスロ
ート部の直前または直後に空気吸入口を設ける。また、
吸入口に洗浄料、液体せっけん、入浴剤または香料など
を入れた容器を装着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、気泡によるマッサー
ジ、洗浄および香り効果を有するシャワーヘッドおよび
シャワー装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、散水部で空気を水に混入させ、気
泡水を噴出させる泡沫シャワーヘッドがあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】これは次のような問題
点があった。 （イ）マッサージ効果はあまり期待できなかった。 （ロ）流水に洗浄料などを混入させ身体を洗浄すること
ができなかった。 （ハ）流水に香りを混入させることができなかった。 （ニ）流水に入浴剤などを混入させることができなかっ
た。 （ホ）専用の散水部を必要とした。 本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的は散水部手前の管路で空気、洗浄料、液状
せっけん、入浴剤または香料などを圧力差を利用して流
水中に混入させ、シャワーヘッドまたはシャワー装置に
マッサージ、洗浄および香り効果を持たせることであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】浴槽内の湯に微細な気泡
を混入させると、気泡が破裂する際に発生するエネルギ
ーが身体に適度な刺激を与えてマッサージ効果があると
いわれ、気泡風呂などに一般的に利用されている。ま
た、温水に洗浄料などを加えて撹拌すると泡が発生しや
すくなることは周知である。一方、管路断面積が水の流
れ方向に次第に縮小し最小となるスロート部を経て再び
拡大する形状をした管路は、そのスロート部では流体の
流速が増し、即ち動圧が増加し、逆に静圧が減少する。
そのため、スロート部付近に穴をあければ、外気圧との
圧力差により穴から管路内に空気が流入する。この現象
はベルヌイの定理として知られベンチュリ管などに応用
されている。

【０００５】これらの効果に着目し上記課題を解決する
ため、本発明のシャワーヘッドは、散水部の手前の管路
に管路断面積が水の流れ方向に次第に縮小しスロート部
を経て再び拡大する形状をしたベンチュリ管状の管路を
設け、そのスロート部またはスロート部の直前または直
後の管路に空気を吸入するための吸入口を有することよ
りなるものである。

【０００６】さらに、洗浄料、液状せっけん、入浴剤、
香料または香水などを流水中に混入するため、これらを
入れた通気孔を有する容器を該シャワーヘッドの吸入口
に装着する。

【０００７】洗浄料、液状せっけん、入浴剤、香料また
は香水などはシャワー使用の際に容器に充填してもよい
が、あらかじめ容器に充填してあるものも使用できる。

【０００８】またデザインや重量増加などの点で容器を
シャワーヘッドに装着するのを避けたい場合には、ベン
チュリ管状の該管路をシャワーヘッドと分離して、シャ
ワーヘッドと水栓との間に設けると効果的である。この
場合、水栓金具のシャワーホース取り付け口に該管路を
装着してもよい。

【０００９】

【作用】管路内をシャワーヘッドの噴出口へ向かって流
れる水は管路のスロート部を通過する際、流速が増加し
て動圧が急激に高くなる、それに反し静圧は著しく減少
するため、外気圧との間に圧力差が生じ、この結果、吸
入口を通して管路に空気が吸引される。吸引された空気
は微細な気泡となって流水中に混入されて噴出口から気
泡水として噴出し、身体を適度に刺激してマッサージ効
果を与える。

【００１０】さらに、洗浄料、液状せっけん、入浴剤、
香料または香水などを入れた通気孔を有する容器を吸入
口に装着し、これら内容物を圧力差により管路内の流水
に混入させ噴出させることができる。

【００１１】

【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図２において、シャワーヘッドの散水部１の手前に管路
断面積が水に流れ方向に縮小しスロート部を経て再び拡
大する形状をした管路２を設け、そのスロート部３に吸
入口４をあけてホースを介してシャワーヘッドとシャワ
ー用混合水栓とを接続し、スロート部３の管径と該管路
入口の管路断面積最大部の管径との比を０．１、０．
２、０．３、０．４、０．５および０．６にして水を流
す。

【００１２】このような条件下で、混合水栓で摂氏４０
度程度に温度調節した湯を通したところ、吸入口４より
空気が吸引されスロート部３で湯に混入されて、気泡水
となり散水部１の噴出口より勢い良く噴出した。この微
細な気泡を含む湯を身体に浴びせると気泡水は身体に適
度な刺激を与えマッサージ効果が認められた。

【００１３】この際、スロート部３の下流の管路の拡大
は比較的緩やかな流線形であるほうがエネルギー損失が
少なく、噴出力が大きくなる。水圧に余裕があれば、図
７に示すような急激な管路の拡大の方がエネルギー損失
は大きいがその反面、渦による攪拌効果は大きく、気泡
は細かく均一に分散される。

【００１４】吸入口４はスロート部３の直前または直後
に設けても効果が認められた。

【００１５】吸入口４の数を複数にする場合は、シャワ
ーヘッド表面から直接複数の穴をあけてもよいが、図
５、６のようにスロート部付近を二重構造にしてシャワ
ーヘッド表面の吸入口４を１カ所にしてスロート部に複
数の吸入口４を設けることもできる。

【００１６】また、吸入口４に開閉用コックを取り付け
れば吸入口４の開閉ができ、通常水と気泡水の２通りの
使い分けができる。

【００１７】気泡は管路内で流水に混入され、かつ流水
のエネルギー損失も少ないため、通常使用されているシ
ャワーヘッドの散水部であれば、その形状に拘わらず使
用できる。つまり、専用の散水部を必要としない。

【００１８】気泡水は飛沫となって跳ね返りにくいた
め、該シャワーヘッドは台所の水栓の吐水口として使用
しても、水滴の飛散防止効果が認められる。

【００１９】噴出口を浴槽の中に入れておけば気泡風呂
の気泡発生源となる。

【００２０】図３は三方コック５を介して容器６を装着
した場合であり、三方コック５の一方の口に洗浄料９と
してボディーシャンプーをいれた通気孔１０を有するプ
ラスチック容器６を装着し、一方の口は空気導入口７と
し、残りの口を吸入口４に装着する。容器６の素材とし
ては、プラスチック、アルミニウム、ステンレスなど腐
食しにくいものが好ましく、通気孔１０は使用の際に内
容物が漏出しにくい箇所であればよく、その数は複数で
もよい。

【００２１】図４は三方コック５の切り替えレバー８の
操作により容器６と吸入口４を接続した状態であり、こ
の時ボディーシャンプー９は外気と水との圧力差により
吸入口４から吸入されて管路内で湯と効果的に撹拌され
て泡を発生し、噴出口から噴出し身体を洗浄した。空気
導入口７と吸入口４を接続すると、微細な気泡を含む湯
に切り替えることができ、吸入口４を容器６および空気
導入口７と接続しなければ、気泡を含まない通常水を噴
出できた。

【００２２】容器６は直接吸入口４に装着して使用して
もよい。

【００２３】また容器６に液状の薬用入浴剤や入浴液な
どの内容物９を入れた場合も同様に流水中に効果的に混
入された。入浴剤は粉体状のものも混入可能であるが、
湿気による吸入口４への付着などもあり、液状のものが
好ましい。

【００２４】さらに、容器６に香料または香水などの内
容物９を入れたものを装着すれば、香りを含んだ気泡水
を噴出させることができた。この場合、香料として乾燥
ハーブやペレット状に成型した固形香料を使用すると、
香りは空気に同伴され流水中に気泡として混入されるた
め、液状のものと比較して消耗量が少なく長時間使用で
きた。勿論、液状のものを使用しても十分な香り効果を
得る事ができた。

【００２５】洗浄料、液体せっけん、入浴剤または香料
などの内容物９はシャワーを使用するたびに容器６に充
填してもよいが、あらかじめ容器６に充填したカートリ
ッジを使用のつど該シャワーヘッドに装着して使用して
もよく、この場合、容器６への充填の手間が省けた。容
器６は使い捨てとなるので、素材はプラスチックやアル
ミニウムなどの安価で腐食しにくいものが好ましい。

【００２６】また保存中に内容物９が容器６から漏出し
ないよう、容器６の口１５や通気孔１０はプラスチック
フィルム、アルミ箔や粘着紙の貼付などにより密閉し、
使用の際に取り除くことが好ましい。容器６の口１５は
同様に、栓や蓋などで密閉してもよく、また図８のよう
に容器６の口１５を密閉し、密閉した箇所の肉厚を薄く
しておいて、装着する際にコック５の取り付け口の挿入
により貫通される構造にしたものでもよい。

【００２７】シャワー使用中の容器６の内部の圧力は外
気圧より低いため、内容物９は容器６から漏出すること
はなかった。

【００２８】さらに、図９のように管路２をシャワーヘ
ッドと分離し、シャワーヘッドと水栓との間に設けて前
記と同様の条件で空気や内容物９を流水中に混入させた
ところ、前記と同様に効果的に混入された。特に、管路
２を固定すると内容物９は定常的に一定の割合で流水中
に混入された。

【００２９】

【発明の効果】本発明は以上説明したとおり構成されて
おり、次に記載する効果を奏する。

【００３０】微細な気泡を含む水または湯による身体へ
のマッサージ効果がある。

【００３１】洗浄料、液体せっけんなどを水や湯に混入
させることができるため、前もって身体を石鹸などによ
り洗浄する必要がないし、シャワーで入浴剤も使える。

【００３２】シャワーを浴びながら香りを楽しめる。

【００３３】洗浄料、液体せっけん、入浴剤、香水や香
料などをあらかじめ容器に充填したカートリッジを使用
すれば、シャワー使用時の充填の手間が省ける。

【００３４】水滴の跳ね返りが少なくなる。

【００３５】専用の散水部を必要としない。

【００３６】大量の気泡を含む噴出水では、実水量は見
掛け水量より少ないので節水効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】シャワーヘッドの斜視図である。

【図２】シャワーヘッドの要部断面図である。

【図３】三方コックを介して容器と空気導入口を装着し
てなるシャワーヘッドの斜視図である。

【図４】三方コックを介して容器と空気導入口を装着し
てなるシャワーヘッドの容器と吸入口を接続した要部断
面図である。

【図５】スロート部を二重構造にし、複数の吸入口をあ
けたシャワーヘッドの要部断面図である。

【図６】スロート部を二重構造にし、複数の吸入口をあ
けたシャワーヘッドの吸入口でのＡ−Ａ断面図である。

【図７】スロート部下流の管路が急激に拡大するシャワ
ーヘッドの要部断面図である。

【図８】洗浄料、入浴剤または香料などの内容物があら
かじめ容器に充填されたカートリッジの要部断面図であ
る。

【図９】シャワーヘッドと水栓の間に該管路を設け吸入
口に容器を装着したシャワー装置の斜視図である。

【符号の説明】

１ 散水部 ２ 管路 ３ スロート部 ４ 吸入口 ５ 三方コック ６ 容器 ７ 空気導入口 ８ 切り替えレバー ９ 洗浄料、入浴剤または香料 １０ 通気孔 １１ シャワーヘッド １２ 水栓 １３ ホース １４ 粘着紙 １５ 容器の口 １６ 肉厚の薄い栓

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【手続補正書】

【提出日】平成５年３月１５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項１

【補正方法】変更

【補正内容】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００５

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００５】 これらの効果に着目し上記課題を解決す
るため、本発明のシャワーヘッドは、散水部の手前の管
路に管路断面積が水の流れ方向に縮小し、スロート部を
経て再び拡大する形状をした、好ましくはベンチュリ管
状の管路を設け、そのスロート部およびスロート部付近
の管路に空気を吸入するための吸入口を有することより
なるものである。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 散水部（１）の手前の管路に管路断面積
   が水の流れ方向に次第に縮小し、断面積が最小となるス
   ロート部（３）を経て流れ方向に再び断面積が拡大する
   形状をした管路（２）を有し、そのスロート部（３）ま
   たはスロート部（３）の直前または直後に吸入口（４）
   を設けたシャワーヘッド。
2. 【請求項２】 通気孔（１０）を有する容器（６）を吸
   入口（４）に装着してなる請求項１記載のシャワーヘッ
   ド。
3. 【請求項３】 洗浄料、液状せっけん、入浴剤、香料ま
   たは香水などの内容物（９）をあらかじめ請求項２記載
   の通気孔（１０）を有する容器（６）に充填してなるカ
   ートリッジ。
4. 【請求項４】 シャワーヘッドと水栓の間に請求項１記
   載の管路（２）を有し、その吸入口（４）に請求項２記
   載の容器（６）または請求項３記載のカートリッジを装
   着してなるシャワー装置。