JPH06208265A - 画像形成装置及び故障診断方法 - Google Patents

画像形成装置及び故障診断方法

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JPH06208265A
JPH06208265A JP5003915A JP391593A JPH06208265A JP H06208265 A JPH06208265 A JP H06208265A JP 5003915 A JP5003915 A JP 5003915A JP 391593 A JP391593 A JP 391593A JP H06208265 A JPH06208265 A JP H06208265A
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JP
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failure
separation
state quantity
input
inference
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JP5003915A
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Atsushi Takeda
篤志 竹田
Tooru Kuzumi
徹 葛見
Yuji Kamiya
裕二 神谷
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】装置の使用状態を表す状態量を用いて、ファジ
ィ推論による故障箇所の推定を可能とし、故障の発生か
ら修復の時間を短縮する。 【構成】CPU101は、ROM103に格納されたフ
ァジィルール及びメンバーシップ関数と、状態量により
ファジィ推論を行うための制御プログラムにより故障原
因の推定を行う。A/D変換器102は情報検知部10
5より入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換す
る。情報検知部105には、温度センサ及び湿度センサ
(ともに不図示)が接続され、状態量の1つである混合
比が得られる。更に、情報検知部105には画像形成装
置本体を制御するCPUより分離差電流出力値、分離差
電流調整値が入力される。そして、混合比,分離差電流
出力値,分離差電流調整値を状態量として、ファジィ推
論により分離差電流調整不良,分離帯電器不良,転写材
不良の率を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各部の状態量に基づいて
ファジィ推論を行うことにより故障診断を行う画像形成
装置及び故障診断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置のポスト、転写、分離帯電
は各々、感光体上のトナー像に外部より電荷を付与し、
転写材にトナー像を転写し、転写材を感光体から剥離す
るための工程を受け持つ。特に高速機においては、これ
らの工程における調整値等は装置の性能を左右する重要
かつ微妙なものである。このため、感光体上のトナー特
性(=トナーの電荷量)、トナーの量(原稿の状態に依
存)、転写材の種類、転写材の含水状態、本体の搬送速
度、各帯電器の汚れや機械間差等の種々の要因を考慮
し、各帯電器の設定値を複雑な実験の繰り返しにより得
てきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に単一の
設定値で上記の要因のフレをカバーすることはできず、
サービス対応による出力レベルの切り替え、調整や、帯
電器等のメンテナンス、転写材のチェック等を必要とし
ていた。
【0004】しかしながら、転写、分離に係わる故障、
不具合がある場合、様々な原因が考えられ、原因判定に
はメンテナンス者に高度な知識と経験が必要とされ、装
置のダウンタイムの長時間化、さらには原因とは異なる
箇所の調整を行ってしまう可能性があった。
【0005】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、装置の使用状態を表す状態量を用いたファジ
ィ推論による故障箇所の推定を可能とし、故障の発生か
ら修復の時間を短縮する画像形成装置及び故障診断方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による画像形成装置は以下の構成を備える。
即ち、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であっ
て、当該画像形成装置において発生し得る故障の少なく
とも1つに関して、その原因を推定するための状態量を
入力する入力手段と、前記入力手段により入力された状
態量と推定すべき原因とを関係づける推論情報を記憶す
る記憶手段と、前記入力手段により入力された状態量
と、前記記憶手段により記憶されている推論情報とに基
づいて故障の原因を推論する推論手段と、を備える。
【0007】また、上記の目的を達成するための本発明
による故障診断方法は以下の工程を備えている。即ち、
記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の故障診断方
法であって、当該画像形成装置において発生し得る故障
の少なくとも1つに関してその原因を推定するための状
態量を入力する入力工程と、前記入力工程により入力さ
れた状態量と、前記入力工程により入力された状態量と
推定すべき原因とを関係づける推論情報とに基づいて故
障の原因を推論する推論工程と、を備える。
【0008】尚、本発明において故障とは、装置の耐久
劣化等により生じる故障や、分離差電流調整等の調整値
の設定不良による故障を含むものとする。
【0009】
【作用】上述の構成もしくは工程により、本画像形成装
置において発生し得る故障に関する状態量を入力し、こ
の状態量と、入力された状態量と推定すべき原因とを関
係づける推論情報とに基づいて推論処理を実行し、故障
の原因を推定する。
【0010】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
について説明する。
【0011】<実施例1>図1は本実施例における画像
形成装置の全体図である。15は原稿を載置する原稿台
ガラス、5は原稿を照射する照明ランプ(露光ラン
プ)、6a,6b,6cはそれぞれ原稿の反射光の光路
を変更する走査用反射ミラー(走査ミラー)、6eは合
焦および変倍機能を有するレンズ、6dは光路を変更す
る第4の反射ミラーである。1は感光ドラム、2は一次
帯電器、7は非画像域を除電するブランクランプ、8は
現像器、9は現像剤(トナー)担持体、10は転写帯電
器、11は分離帯電器、12は分離を補助する分離爪、
13はクリーニング装置、14は除電ランプである。2
6は上段カセット、27は下段カセット、28および2
9は給紙ローラ、25はレジストローラである。また、
17は画像記録された転写紙を定着側へ搬送する搬送ベ
ルト、18は搬送されてきた転写紙を熱定着させる定着
器である。
【0012】上述の感光ドラム1の表面は光導電体を用
いたシームレス感光体からなり、このドラム1は回転可
動に軸支され、複写開始キーの押下に応答して本図の矢
印の方向に回転を開始する。ついで、ドラム1の所定回
転制御および電位制御処理(前処理)が終了すると、原
稿台ガラス15上におかれた原稿16は、第1走査ミラ
ー6aと一体に構成された照明ランプ5により照明さ
れ、その原稿16の反射光は第1走査ミラー6a、第2
走査ミラー6b、第3走査ミラー6c、レンズ6e、お
よび第4走査ミラー6dを経てドラム1上に結像する。
【0013】ドラム1は一次帯電器2によりコロナ帯電
される。その後、照明ランプ5により原稿画像がスリッ
ト露光され、公知のカールソンプロセスでドラム1上に
静電潜像が形成される。次に、感光ドラム上の静電潜像
は、現像器8により現像され、トナー像として可視化さ
れ、そのトナー像が転写帯電器10より転写紙上に転写
された後、転写紙は分離帯電器11により感光ドラムか
ら剥離される。
【0014】すなわち、上段カセット26もしくは下段
カセット27内の転写紙Pは、給紙ローラ28もしくは
29により本体装置内に送られ、トナー像の先端と転写
紙の先端が一致される。その後、転写帯電器10とドラ
ム1との間を転写紙が通過し、続いて互いに圧接するヒ
ートローラ19と加圧ローラ20の間を通過しトナー像
は熱定着された後、本体外へ排出される。21はヒート
ローラ19への転写紙の巻き付きを防止する定着分離爪
である。
【0015】転写後のドラム1は、そのまま回転を続行
してクリーニング装置13によりその表面が清掃され、
ドラム1の残留電荷が除電ランプ14により除去され
る。22は転写紙の進行方向を変更させる偏向板で、転
写紙を本体外へ排出するか、排紙トレイ24へ誘導する
かを切り替えることが出来る。
【0016】図2は、本実施例の画像形成装置において
ファジィ推論を行う推論部の制御構成を表すブロック図
である。尚、本推論部は推論装置として画像形成装置に
接続する外部装置として提供するようにしてもよい。1
01はCPUで、後述するようにファジィ推論を行な
う。103はROMで、後述するファジィ規則及びメン
バーシップ関数を記憶するとともに、入力された状態量
によりファジィ推論を行うための制御プログラムを格納
する。104はRAMで、ファジィ推論を行なう際、作
業領域として用いるメモリである。102はアナログ信
号をデジタル信号に変換するA/D変換器である。A/
D変換器には、ファジィ推論に用いる各状態量の情報検
知部105が継っている。情報検知部105には、温度
センサ及び湿度センサ(ともに不図示)が接続され、状
態量の1つである混合比が得られる。ここで、混合比と
は空気1kg中に水が何グラム存在するかという絶対湿
度を表す。更に、情報検知部105には分離差電流出力
値、分離差電流調整値が入力される。尚、分離差電流出
力値、分離差電流調整値については後述する。
【0017】続いて本実施例1による故障率の推定方法
を説明する。実施例1では、転写紙の感光ドラムからの
分離不良の要因について推論を行う。即ち、分離不良の
原因の候補である各故障箇所の故障率を推論する。
【0018】周知の様にファジー推論は、入力する状態
量と出力する推論量(本例では故障率)の関係を表わす
ファジィルールを設定し、状態量、推論量をメンバーシ
ップ関数と呼ばれるファジィ集合で表わし、このファジ
ィルールとメンバーシップ関数をもとに、入力した状態
量に対して最も可能性の高い推論量を算出する方法であ
る。
【0019】実施例1では状態量として、混合比,
分離差電流出力値,分離差電流調整値、を用いる。分
離帯電器11には、AC電圧にDC電圧が重畳され、A
Cコロナ放電をさせている。重畳されたDC電圧による
AC電圧のオフセットにより、AC放電による正及び負
の電流の絶対値に差が生じ、これを分離差電流値と称す
る。また、分離差電流調整値とは、この分離差電流の値
を変化させるものである。更に、分離差電流出力値とは
画像形成装置本体のCPUからのコントロール信号であ
り、本実施例では分離帯電器11から出力した電流を検
知した信号ではない。また、分離不良の原因として本実
施例では、分離差電流調整不良,分離帯電器不良,
転写材不良を推論量とした。
【0020】図3〜図5は本実施例における入力状態量
のメンバーシップ関数を表す図である。図3は混合比の
メンバーシップ関数、図4は分離差電流出力値のメンバ
ーシップ関数、図5は分離差電流調整値のメンバーシッ
プ関数である。また、図6は、本実施例の推論量のメン
バーシップ関数であり、上述の分離差電流調整不良,
分離帯電器不良,転写材不良ともにメンバーシップ
関数は同一である。
【0021】例として、図4の分離差電流出力値のメン
バーシップ関数について説明する。横軸に分離差電流出
力値の値をとり、縦軸に適合度として0から1までの値
をとる。分離差電流出力値を大きく3つの集合L,M,
Hに分けてあり、各集合の内容は、 L(Low ) 分離差電流出力値が小さい(正の電
流成分が多い) M(Middle) 分離差電流出力値が中くらい H(High) 分離差電流出力値が大きい(負の電
流成分が多い) の様になっている。
【0022】例えば、分離差電流出力値が−50μAの
場合、この値が集合Hに属する確率は0.5、集合Mに
属する確率は0.5,集合Lに属する確率は0である。
この場合、−50μAという分離差電流出力の値が「大
きい」か「中くらい」かの判断はどちらか一方に確定さ
れず、あいまいである。この様にメンバーシップ関数
は、分離差電流値が「小さい」「中くらい」「大きい」
のうちのどれにどれだけの割合で属するかを表わしたも
のである。図3,図5についても同様であるので、詳細
な説明は省略する。
【0023】図6のメンバーシップ関数の横軸は故障率
をとってある。分離不良に全く寄与していない場合を故
障率0%、全原因になっている場合を故障率100%と
してある。故障率は9つの集合に分けてあり、各集合の
内容は次の通りである。
【0024】 LL(Low Low ) 故障率がとて
も低い LM(Low Middle) 故障率が中く
らいの低い LH(Low High) 故障率が高め
の低い ML(Middle Low) 故障率が低め
の中くらい MM(Middle Middle ) 故障率が中く
らい MH(Middle High ) 故障率が高め
の中くらい HL(High Low) 故障率が低め
の高い HM(High Middle ) 故障率が高い HH(High High ) 故障率がとて
も高い 図7は実施例1のファジィルールを表す図である。これ
は3つの入力状態量である混合化,分離差電流調整値,
分離差電流出力値と出力推論量である分離差電流調整不
良,分離帯電器不良,転写材不良との関係を表わし、全
部で18個のルールがある。例えばルール9について言
えば、 if 混合比=L,and 分離差電流調整値=H,a
nd分離差電流出力値=H then 分離差電流調整不良=LL,and 分離帯
電器不良=HH,and 転写材不良=LH となる。
【0025】ファジィルールの設定は、次の様な経験則
に基づいている。混合比が低い場合、分離ラティチュー
ドは大きくなり、安定化する。従つて、転写材の不良の
確率は低く、分離差電流調整もかなり分離差電流値を小
さくなるよう調整しないかぎり、分離不良の確率は低
い。ところが、この様な状況で分離不良が発生するの
は、分離帯電器に異常がある確率が高いと考えられる。
特に、分離差電流出力値(コントローラ側の制御信号
値)が大きい場合、分離性能に有利な設定となっている
ため、帯電器の不良の確率がとても高いと考えられる。
逆に、混合比が高い場合、転写材の異常な吸湿による転
写材のいわゆるこしが弱くなり、分離不良が発生する確
率が高くなる。また、分離差電流値が小さいと分離不良
の発生確率が高くなるため、分離差電流の調整を低めに
すると、分離不良の原因となりうる。
【0026】図8は、図7のファジィルールにおけるル
ール8とルール9を用いてファジィ推論により故障率を
算出する方法を示したものである。ただし、図8では分
離差電流調整の故障率のみについて算出方法を示してあ
る。図9はファジィ推論の手順を表すフローチャートで
ある。以下に図8及び図9を用いてファジィ推論の手順
を説明する。
【0027】先ずステップS1において、推論を実行す
るための状態量を入力する。本例では、混合比=x、分
離差電流調整値=y、分離差電流出力値=zの場合を考
える。次に、ステップS2で前述の図3〜図5のメンバ
ーシップ関数を用いて、それぞれの集合に含まれる度合
いを求める。図7のルール8では、混合比のメンバーシ
ップ関数より、入力xはμxの度合いで集合Mに含ま
れ、分離差電流調整値のメンバーシップ関数より、入力
yはμyの度合いで集合Lに含まれ、分離差電流出力値
のメンバーシップ関数より、入力zはμzの度合いで集
合Hに含まれる。その後、ステップS3にて、μx,μ
y,μzの最少値をとり、その値がルール8の前件部が
充たされる度合いとする。本例ではμyが最小値であ
り、その値と、分離差電流調整の故障率のメンバーシッ
プ関数の集合LMとのmin演算をとると、斜線部Sで
示される台形となる。
【0028】次にステップS5において、全てのファジ
ィルールについて後件部の適合度を算出したか否かを判
断し、未処理のルールが有ればステップS2へ戻り上述
の処理を繰り返す。例えば、ルール9についても同様の
計算を行ない、斜線部Tで示される台形を得る。
【0029】次に、前ファジィルールについて後件部の
適合度が算出されたら、ステップS5からステップS6
へ進む。ステップS6では、Sの集合とTの集合の合成
集合をとり、斜線部Uで示す新たな集合を作成する。そ
して、ステップS7にて、この集合の重心を計算して得
られた値を、ファジィ推論により得られた潜像装置の故
障率と決定する。上述の推論処理の例では、ルール8と
ルール9のみを用いて計算したが、実際には図7に示し
た全てのルールを用いて同様の計算を行ない故障率を決
定する。
【0030】図10には、分離差電流調整値を−90、
分離差電流出力値を−250μAとしたときの混合比の
変化に対する分離差電流調整値の故障率(不良率)を示
した。前述した様に、分離差電流調整値が−90の場合
は、混合比が高くなるにつれて故障率が高くなることが
分かる。本実施例1では、混合比、分離差電流調整値、
分離差電流出力値を用いて、分離差電流調整不良、帯電
器不良、転写材不良を推論したが、潜像情報、現像情
報、転写情報、本体使用情報、等を含めて経験則により
ファジィルールを設定して推論を実行しても良い。
【0031】<実施例2>実施例2では、転写後、分離
帯電器により転写材に転写された現像像が、感光体側に
再度転写する再転写が発生した場合について、その故障
箇所の推定方法を説明する。実施例2においても、実施
例1と同様の画像形成装置及び推論部を有する。
【0032】更に、状態量、推論量とも実施例1と同じ
で、メンバーシップ関数も同じである。すなわち状態量
は、混合比、分離差電流調整値、分離差電流出力
値、である。また、推論量は、分離差電流調整不良、
分離帯電器不良、転写材不良である。また、ファジ
ィルールは図11に示す通りである。
【0033】ファジィルールの設定は次の様な経験側に
基づいている。混合比が高い場合、再転写ラティチュー
ドは大きくなり、安定化する。従って転写材の不良の確
率は低く、分離差電流値を大きくなるよう調整しないか
ぎり、再転写の確率は低い。ところが、この様な状況で
再転写が発生するのは、分離帯電器11に異常がある確
率が高いと考えられる。特に、分離差電流出力値(コン
トローラ側の制御信号値)が小さい場合、再転写に有利
な設定となっているため分離帯電器11の不良の確率が
とても高いと考えられる。逆に、混合比が低い場合、転
写材の含水率が小さいため、再転写が発生する確率が高
くなる。また、分離差電流値が大きいと再転写の発生確
率が高くなるため、分離差電流の調整を高めにすると不
良の原因となる。
【0034】上述のファジィルールを用いて実施例1で
説明したファジィ推論を実行することで、再転写に関わ
る故障箇所の推定が可能となる。
【0035】<実施例3>実施例3では、濃度の高い画
像でのドラム軸方向の濃度ムラの原因として転写帯電器
10に関して不良である確率を推論する方法を説明す
る。実施例3においても、画像形成装置及び推論部の構
成は実施例1と同様であり、ここではその説明を省略す
る。
【0036】状態量としては、混合比、転写電流調
整値、累積複写回数を用いる。また、推論量として
は、転写電流調整不良、転写帯電器不良を用いる。
ここで、転写電流調整値は0を基準に正の値が大きくな
るにつれて、転写電流は大きくなり、負の値は逆に小さ
くなる。また累積複写回数は、転写帯電器10のメンテ
ナンスを実行してからの累積複写回数である。
【0037】混合比のメンバーシップ関数は実施例1,
2と同じである。転写電流調整値と累積複写回数のメン
バーシップ関数を、図12、図13にそれぞれ示す。図
12の転写電流調整値のメンバーシップ関数では、転写
帯電器10の転写電流調整値は−100から+100ま
での値をとり、L,M,Hの集合に含まれる度合いを表
す。図13の累積複写回数のメンバーシップ関数では、
横軸に累積複写回数をとり、L,M,Hの集合に含まれ
る度合いを表す。また、転写電流調整不良と転写帯電器
不良のメンバーシップ関数は図6に示したものと同一で
ある。図14は実施例3で用いるファジィルールであ
る。
【0038】ルールの設定は、次の様な経験則に基づい
ている。混合比が小さい場合、転写帯電器10の汚れ等
により放電ムラが発生しやすく、濃度の高い画像に対し
て部分的な転写不良となり、ドラム軸方向の濃度ムラと
なり得る。従つて、累積複写回数が多い場合、帯電器の
不良の確率が高くなる。また、累積複写回数が多くない
場合で、転写電流調整値が小さい場合は、転写電流調整
不良の確率が高くなる。
【0039】以上のようなメンバーシップ関数及びファ
ジィルールを用いて実施例1の如くファジィ推論を実行
することにより、転写不良に関する故障箇所、不具合箇
所の推定を行える。
【0040】以上説明した様に、上述の各実施例によれ
ば、転写・分離に係わる故障、不具合が発生し、かつそ
の原因が多数で故障箇所の判定が困難な場合において、
入力状態量をもとに故障と考えられる箇所の故障の確率
や、設定された調整値の不具合さがファジィ推論により
特定できる。従つてメンテナンスを行う場合、必ずしも
高度な知識と経験は要求されず、容易に的確な対応がと
れ、ひいては、装置のダウンタイムの短時間化が図られ
るという効果がある。
【0041】尚、本発明は、複数の機器から構成される
システムに適用しても1つの機器から成る装置に適用し
ても良い。また、本発明は、システム或は装置にプログ
ラムを供給することによって達成される場合にも適用で
きることはいうまでもない。
【0042】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の画像形
成装置及び故障診断方法によれば、装置の使用状態を表
す状態量を用いてファジィ推論を行うので、故障箇所の
推定を行うことが可能となり、故障等の発生から修復の
時間が短縮される。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における画像形成装置の全体図であ
る。
【図2】本実施例の画像形成装置においてファジィ推論
を行う推論部の制御構成を表すブロック図である。
【図3】入力状態量である混合比のメンバーシップ関数
を表す図である。
【図4】入力状態量である分離差電流出力値のメンバー
シップ関数を表す図である。
【図5】入力状態量である分離差電流調整値のメンバー
シップ関数を表す図である。
【図6】実施例1の推論量のメンバーシップ関数を表す
図である。
【図7】実施例1のファジイルールを表す図である。
【図8】ファジィ推論により故障率を算出する方法を説
明する図である。
【図9】ファジィ推論の手順を表すフローチャートであ
る。
【図10】分離差電流調整値を−90、分離差電流出力
値を−250μAとしたときの混合比の変化に対する分
離差電流調整値の故障率の推論結果を表す図である。
【図11】実施例2のファジィルールを表す図である。
【図12】実施例3の入力状態量である転写電流調整値
のメンバーシップ関数を表す図である。
【図13】実施例3の入力状態量である累積複写回数の
メンバーシップ関数を表す図である。
【図14】実施例3で用いるファジィルールを表す図で
ある。
【符号の説明】
1 感光体 2 一次帯電器 9 現像器 10 転写帯電器 11 分離帯電器 18 定着器 101 CPU
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 画像形成装置及び故障診断方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は装置内の故障診断を行う
画像形成装置及び故障診断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置のポスト、転写、分離帯電
は各々、感光体上のトナー像に外部より電荷を付与し、
転写材にトナー像を転写し、転写材を感光体から剥離す
るための工程を受け持つ。特に高速機においては、これ
らの工程における調整値等は装置の性能を左右する重要
かつ微妙なものである。このため、感光体上のトナー特
性(=トナーの電荷量)、トナーの量(原稿の状態に依
存)、転写材の種類、転写材の含水状態、本体の搬送速
度、各帯電器の汚れや機械間差等の種々の要因を考慮
し、各帯電器の設定値を複雑な実験の繰り返しにより得
てきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に単一の
設定値で上記の要因のフレをカバーすることはできず、
サービス対応による出力レベルの切り替え、調整や、帯
電器等のメンテナンス、転写材のチェック等を必要とし
ていた。
【0004】しかしながら、転写、分離に係わる故障、
不具合がある場合、様々な原因が考えられ、原因判定に
はメンテナンス者に高度な知識と経験が必要とされ、装
置のダウンタイムの長時間化、さらには原因とは異なる
箇所の調整を行ってしまう可能性があった。
【0005】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、装置の使用状態を表す状態量を用いたファジ
ィ推論による故障箇所の推定を可能とし、故障の発生か
ら修復の時間を短縮する画像形成装置及び故障診断方法
を提供することを目的とする。
【0006】又、本発明の他の目的は、特に転写分離不
良に関る状態量を用いて、転写分離不良の原因をファジ
ィ推論することが可能な画像形成装置及び診断方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による画像形成装置は以下の構成を備える。
即ち、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であっ
て、当該画像形成装置において発生し得る故障の少なく
とも1つに関して、その原因を推定するための状態量を
入力する入力手段と、前記入力手段により入力された状
態量と推定すべき原因とを関係づける推論情報を記憶す
る記憶手段と、前記入力手段により入力された状態量
と、前記記憶手段により記憶されている推論情報とに基
づいて故障の原因を推論する推論手段と、を備える。
【0008】また、上記の目的を達成するための本発明
による故障診断方法は以下の工程を備えている。即ち、
記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の故障診断方
法であって、当該画像形成装置において発生し得る故障
の少なくとも1つに関してその原因を推定するための状
態量を入力する入力工程と、前記入力工程により入力さ
れた状態量と、前記入力工程により入力された状態量と
推定すべき原因とを関係づける推論情報とに基づいて故
障の原因を推論する推論工程と、を備える。
【0009】尚、本発明において故障とは、装置の耐久
劣化等により生じる故障や、分離差電流調整等の調整値
の設定不良による故障を含むものとする。
【0010】
【作用】上述の構成もしくは工程により、本画像形成装
置において発生し得る故障に関する状態量を入力し、こ
の状態量と、入力された状態量と推定すべき原因とを関
係づける推論情報とに基づいて推論処理を実行し、故障
の原因を推定する。
【0011】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
について説明する。
【0012】<実施例1>図1は本実施例における画像
形成装置の全体図である。15は原稿を載置する原稿台
ガラス、5は原稿を照射する照明ランプ(露光ラン
プ)、6a,6b,6cはそれぞれ原稿の反射光の光路
を変更する走査用反射ミラー(走査ミラー)、6eは合
焦および変倍機能を有するレンズ、6dは光路を変更す
る第4の反射ミラーである。1は感光ドラム、2は一次
帯電器、7は非画像域を除電するブランクランプ、8は
現像器、9は現像剤(トナー)担持体、10は転写帯電
器、11は分離帯電器、12は分離を補助する分離爪、
13はクリーニング装置、14は除電ランプである。2
6は上段カセット、27は下段カセット、28および2
9は給紙ローラ、25はレジストローラである。また、
17は画像記録された転写紙を定着側へ搬送する搬送ベ
ルト、18は搬送されてきた転写紙を熱定着させる定着
器である。
【0013】上述の感光ドラム1の表面は光導電体を用
いたシームレス感光体からなり、このドラム1は回転可
動に軸支され、複写開始キーの押下に応答して本図の矢
印の方向に回転を開始する。ついで、ドラム1の所定回
転制御および電位制御処理(前処理)が終了すると、原
稿台ガラス15上におかれた原稿16は、第1走査ミラ
ー6aと一体に構成された照明ランプ5により照明さ
れ、その原稿16の反射光は第1走査ミラー6a、第2
走査ミラー6b、第3走査ミラー6c、レンズ6e、お
よび第4走査ミラー6dを経てドラム1上に結像する。
【0014】ドラム1は一次帯電器2によりコロナ帯電
される。その後、照明ランプ5により原稿画像がスリッ
ト露光され、公知のカールソンプロセスでドラム1上に
静電潜像が形成される。次に、感光ドラム上の静電潜像
は、現像器8により現像され、トナー像として可視化さ
れ、そのトナー像が転写帯電器10より転写紙上に転写
された後、転写紙は分離帯電器11により感光ドラムか
ら剥離される。
【0015】すなわち、上段カセット26もしくは下段
カセット27内の転写紙Pは、給紙ローラ28もしくは
29により本体装置内に送られ、トナー像の先端と転写
紙の先端が一致される。その後、転写帯電器10とドラ
ム1との間を転写紙が通過し、続いて互いに圧接するヒ
ートローラ19と加圧ローラ20の間を通過しトナー像
は熱定着された後、本体外へ排出される。21はヒート
ローラ19への転写紙の巻き付きを防止する定着分離爪
である。
【0016】転写後のドラム1は、そのまま回転を続行
してクリーニング装置13によりその表面が清掃され、
ドラム1の残留電荷が除電ランプ14により除去され
る。22は転写紙の進行方向を変更させる偏向板で、転
写紙を本体外へ排出するか、排紙トレイ24へ誘導する
かを切り替えることが出来る。
【0017】図2は、本実施例の画像形成装置において
ファジィ推論を行う推論部の制御構成を表すブロック図
である。尚、本推論部は推論装置として画像形成装置に
接続する外部装置として提供するようにしてもよい。1
01はCPUで、後述するようにファジィ推論を行な
う。103はROMで、後述するファジィ規則及びメン
バーシップ関数を記憶するとともに、入力された状態量
によりファジィ推論を行うための制御プログラムを格納
する。104はRAMで、ファジィ推論を行なう際、作
業領域として用いるメモリである。102はアナログ信
号をデジタル信号に変換するA/D変換器である。A/
D変換器には、ファジィ推論に用いる各状態量の情報検
知部105が継っている。情報検知部105には、温度
センサ105−1及び湿度センサ105−2が接続さ
れ、状態量の1つである混合比が得られる。ここで、混
合比とは空気1kg中に水分が何グラム存在するかとい
う絶対湿度を表す。更に、情報検知部105には分離差
電流出力値、分離差電流調整値が入力される。尚、分離
差電流出力値、分離差電流調整値については後述する。
【0018】続いて本実施例1による故障率の推定方法
を説明する。実施例1では、転写紙の感光ドラムからの
分離不良の要因について推論を行う。即ち、分離不良の
原因の候補である各故障箇所の故障率を推論する。
【0019】周知の様にファジー推論は、入力する状態
量と出力する推論量(本例では故障率)の関係を表わす
ファジィルールを設定し、状態量、推論量をメンバーシ
ップ関数と呼ばれるファジィ集合で表わし、このファジ
ィルールとメンバーシップ関数をもとに、入力した状態
量に対して最も可能性の高い推論量を算出する方法であ
る。
【0020】実施例1では状態量として、混合比,
分離差電流出力値,分離差電流調整値、を用いる。分
離帯電器11には、AC電圧にDC電圧が重畳され、A
Cコロナ放電をさせている。重畳されたDC電圧による
AC電圧のオフセットにより、ACコロナ放電による正
及び負の電流の絶対値に差が生じ、これを分離差電流値
と称する。また、分離差電流調整値とは、この分離差電
流の値を変化させるものである。更に、分離差電流出力
値とは画像形成装置本体のCPUからのコントロール信
号である。また、分離不良の原因として本実施例では、
分離差電流調整不良,分離帯電器不良,転写材不
良が考えられ、これらを推論量とした。
【0021】図3〜図5は本実施例における入力状態量
のメンバーシップ関数を表す図である。図3は混合比の
メンバーシップ関数、図4は分離差電流出力値のメンバ
ーシップ関数、図5は分離差電流調整値のメンバーシッ
プ関数である。また、図6は、本実施例の推論量のメン
バーシップ関数であり、上述の分離差電流調整不良,
分離帯電器不良,転写材不良ともにメンバーシップ
関数は同一である。
【0022】例として、図4の分離差電流出力値のメン
バーシップ関数について説明する。横軸に分離差電流出
力値の値をとり、縦軸に適合度として0から1までの値
をとる。分離差電流出力値を大きく3つの集合L,M,
Hに分けてあり、各集合の内容は、 L(Low ) 分離差電流出力値が小さい(正の電
流成分が多い) M(Middle) 分離差電流出力値が中くらい H(High) 分離差電流出力値が大きい(負の電
流成分が多い) の様になっている。
【0023】例えば、分離差電流出力値が−50μAの
場合、この値が集合Hに属する確率は0.5、集合Mに
属する確率は0.5,集合Lに属する確率は0である。
この場合、−50μAという分離差電流出力の値が「大
きい」か「中くらい」かの判断はどちらか一方に確定さ
れず、あいまいである。この様にメンバーシップ関数
は、分離差電流値が「小さい」「中くらい」「大きい」
のうちのどれにどれだけの割合で属するかを表わしたも
のである。図3,図5についても同様であるので、詳細
な説明は省略する。
【0024】図6のメンバーシップ関数の横軸は故障率
をとってある。故障が分離不良に全く寄与していない場
合を故障率0%、故障が分離不良の全原因になっている
場合を故障率100%としてある。故障率は9つの集合
に分けてあり、各集合の内容は次の通りである。
【0025】 LL(Low Low ) 故障率がとて
も低い LM(Low Middle) 故障率が中く
らいの低い LH(Low High) 故障率が高め
の低い ML(Middle Low) 故障率が低め
の中くらい MM(Middle Middle ) 故障率が中く
らい MH(Middle High ) 故障率が高め
の中くらい HL(High Low) 故障率が低め
の高い HM(High Middle ) 故障率が高い HH(High High ) 故障率がとて
も高い 図7は実施例1のファジィルールを表す図である。これ
は3つの入力状態量である混合化,分離差電流調整値,
分離差電流出力値と出力推論量である分離差電流調整不
良,分離帯電器不良,転写材不良との関係を表わし、全
部で18個のルールがある。例えばルール9について言
えば、 if 混合比=L,and 分離差電流調整値=H,a
nd分離差電流出力値=H then 分離差電流調整不良=LL,and 分離帯
電器不良=HH,and 転写材不良=LH となる。
【0026】ファジィルールの設定は、次の様な経験則
に基づいている。混合比が低い場合、分離ラティチュー
ドは大きくなり、安定化する。従つて、転写材の不良の
確率は低く、分離差電流調整もかなり分離差電流値を小
さくなるよう調整しないかぎり、分離不良の確率は低
い。ところが、この様な状況で分離不良が発生する原因
は、分離帯電器に異常がある確率が高いと考えられる。
特に、分離差電流出力値(コントローラ側の制御信号
値)が大きい場合、分離性能に有利な設定となっている
ため、帯電器の不良の確率がとても高いと考えられる。
逆に、混合比が高い場合、転写材の異常な吸湿による転
写材のこしが弱くなり、分離不良が発生する確率が高く
なる。また、分離差電流値が小さいと分離不良の発生確
率が高くなるため、分離差電流の調整を低めにすると、
分離不良の原因となりうる。
【0027】図8は、図7のファジィルールにおけるル
ール8とルール9を用いてファジィ推論により故障率を
算出する方法を示したものである。ただし、図8では分
離差電流調整の故障率のみについて算出方法を示してあ
る。図9はファジィ推論の手順を表すフローチャートで
ある。以下に図8及び図9を用いてファジィ推論の手順
を説明する。
【0028】先ずステップS1において、推論を実行す
るための状態量を入力する。本例では、混合比=x、分
離差電流調整値=y、分離差電流出力値=zの場合を考
える。次に、ステップS2で前述の図3〜図5のメンバ
ーシップ関数を用いて、それぞれの集合に含まれる度合
いを求める。図7のルール8では、混合比のメンバーシ
ップ関数より、入力xはμxの度合いで集合Mに含ま
れ、分離差電流調整値のメンバーシップ関数より、入力
yはμyの度合いで集合Lに含まれ、分離差電流出力値
のメンバーシップ関数より、入力zはμzの度合いで集
合Hに含まれる。その後、ステップS3にて、μx,μ
y,μzの最小値をとり、その値がルール8の前件部が
充たされる度合いとする。本例ではμyが最小値であ
り、その値と、分離差電流調整の故障率のメンバーシッ
プ関数の集合LMとのmin演算をとると、斜線部Sで
示される台形となる。
【0029】次にステップS5において、全てのファジ
ィルールについて後件部の適合度を算出したか否かを判
断し、未処理のルールが有ればステップS2へ戻り上述
の処理を繰り返す。例えば、ルール9についても同様の
計算を行ない、斜線部Tで示される台形を得る。
【0030】次に、前ファジィルールについて後件部の
適合度が算出されたら、ステップS5からステップS6
へ進む。ステップS6では、Sの集合とTの集合の合成
集合をとり、斜線部Uで示す新たな集合を作成する。そ
して、ステップS7にて、この集合の重心を計算して得
られた値を、ファジィ推論により得られた分離差電流調
整の故障率と決定する。上述の推論処理の例では、ルー
ル8とルール9のみを用いて計算したが、実際には図7
に示した全てのルールを用いて同様の計算を行ない故障
率を決定する。
【0031】図10には、分離差電流調整値を−90、
分離差電流出力値を−250μAとしたときの混合比の
変化に対する分離差電流調整値の故障率(不良率)を示
している。前述した様に、分離差電流調整値が−90の
場合は、混合比が高くなるにつれて故障率が高くなるこ
とが分かる。本実施例1では、混合比、分離差電流調整
値、分離差電流出力値を用いて、分離差電流調整不良、
帯電器不良、転写材不良を推論したが、潜像情報、現像
情報、転写情報、本体使用情報、等を含めて経験則によ
りファジィルールを設定して推論を実行しても良い。
【0032】<実施例2>実施例2では、転写後、分離
帯電器により転写材に転写された現像像が、感光体側に
再度転写する再転写が発生した場合について、その故障
箇所の推定方法を説明する。実施例2においても、実施
例1と同様の画像形成装置及び推論部を有する。
【0033】更に、状態量、推論量とも実施例1と同じ
で、メンバーシップ関数も同じである。すなわち状態量
は、混合比、分離差電流調整値、分離差電流出力
値、である。また、推論量は、分離差電流調整不良、
分離帯電器不良、転写材不良である。また、ファジ
ィルールは図11に示す通りである。
【0034】ファジィルールの設定は次の様な経験側に
基づいている。混合比が高い場合、再転写ラティチュー
ドは大きくなり、安定化する。従って転写材の不良の確
率は低く、分離差電流値を大きくなるよう調整しないか
ぎり、再転写の確率は低い。ところが、この様な状況で
再転写が発生する原因は、分離帯電器11に異常がある
確率が高いと考えられる。特に、分離差電流出力値(コ
ントローラ側の制御信号値)が小さい場合、再転写に有
利な設定となっているため分離帯電器11の不良の確率
がとても高いと考えられる。逆に、混合比が低い場合、
転写材の含水率が小さいため、再転写が発生する確率が
高くなる。また、分離差電流値が大きいと再転写の発生
確率が高くなるため、分離差電流の調整を高めにすると
不良の原因となる。
【0035】上述のファジィルールを用いて実施例1で
説明したファジィ推論を実行することで、再転写に関わ
る故障箇所の推定が可能となる。
【0036】<実施例3>実施例3では、濃度の高い画
像でのドラム軸方向の濃度ムラの原因として転写帯電器
10に関して不良である確率を推論する方法を説明す
る。実施例3においても、画像形成装置及び推論部の構
成は実施例1と同様であり、ここではその説明を省略す
る。
【0037】状態量としては、混合比、転写電流調
整値、累積複写回数を用いる。また、推論量として
は、転写電流調整不良、転写帯電器不良を用いる。
ここで、転写電流調整値は0を基準に正の値が大きくな
るにつれて、転写電流は大きくなり、負の値が大きくな
るにつれて転写電流は逆に小さくなる。また累積複写回
数は、転写帯電器10のメンテナンスを実行してからの
累積複写回数である。
【0038】混合比のメンバーシップ関数は実施例1,
2と同じである。転写電流調整値と累積複写回数のメン
バーシップ関数を、図12、図13にそれぞれ示す。図
12の転写電流調整値のメンバーシップ関数では、転写
帯電器10の転写電流調整値は−100から+100ま
での値をとり、L,M,Hの集合に含まれる度合いを示
している。図13の累積複写回数のメンバーシップ関数
では、横軸に累積複写回数をとり、L,M,Hの集合に
含まれる度合いを表す。また、転写電流調整不良と転写
帯電器不良のメンバーシップ関数は図6に示したものと
同一である。図14は実施例3で用いるファジィルール
である。
【0039】ルールの設定は、次の様な経験則に基づい
ている。混合比が小さい場合、転写帯電器10の汚れ等
により放電ムラが発生しやすく、濃度の高い画像に対し
て部分的な転写不良となり、ドラム軸方向の濃度ムラが
生じ易くなる。従つて、累積複写回数が多い場合、帯電
器の不良の確率が高くなる。また、累積複写回数が多く
ない場合で、転写電流調整値が小さい場合は、転写電流
調整不良の確率が高くなる。
【0040】以上のようなメンバーシップ関数及びファ
ジィルールを用いて実施例1の如くファジィ推論を実行
することにより、転写不良に関する故障箇所、不具合箇
所の推定を行える。
【0041】以上説明した様に、上述の各実施例によれ
ば、転写・分離に係わる故障、不具合が発生し、かつそ
の原因が多数で故障箇所の判定が困難な場合において、
入力状態量をもとに故障と考えられる箇所の故障の確率
や、設定された調整値の不具合さがファジィ推論により
特定できる。従つてメンテナンスを行う場合、必ずしも
高度な知識と経験は要求されず、容易に的確な対応がと
れ、ひいては、装置のダウンタイムの短時間化が図られ
るという効果がある。
【0042】尚、本発明は、複数の機器から構成される
システムに適用しても1つの機器から成る装置に適用し
ても良い。また、本発明は、システム或は装置にプログ
ラムを供給することによって達成される場合にも適用で
きることはいうまでもない。
【0043】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の画像形
成装置及び故障診断方法によれば、装置の使用状態を表
す状態量を用いてファジィ推論を行うので、故障箇所の
推定を行うことが可能となり、故障等の発生から修復の
時間が短縮される。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における画像形成装置の全体図であ
る。
【図2】本実施例の画像形成装置においてファジィ推論
を行う推論部の制御構成を表すブロック図である。
【図3】入力状態量である混合比のメンバーシップ関数
を表す図である。
【図4】入力状態量である分離差電流出力値のメンバー
シップ関数を表す図である。
【図5】入力状態量である分離差電流調整値のメンバー
シップ関数を表す図である。
【図6】実施例1の推論量のメンバーシップ関数を表す
図である。
【図7】実施例1のファジイルールを表す図である。
【図8】ファジィ推論により故障率を算出する方法を説
明する図である。
【図9】ファジィ推論の手順を表すフローチャートであ
る。
【図10】分離差電流調整値を−90、分離差電流出力
値を−250μAとしたときの混合比の変化に対する分
離差電流調整値の故障率の推論結果を表す図である。
【図11】実施例2のファジィルールを表す図である。
【図12】実施例3の入力状態量である転写電流調整値
のメンバーシップ関数を表す図である。
【図13】実施例3の入力状態量である累積複写回数の
メンバーシップ関数を表す図である。
【図14】実施例3で用いるファジィルールを表す図で
ある。
【符号の説明】 1 感光体 2 一次帯電器 9 現像器 10 転写帯電器 11 分離帯電器 18 定着器 101 CPU
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体上に画像を形成する画像形成装
    置であって、 当該画像形成装置において発生し得る故障の少なくとも
    1つに関して、その原因を推定するための状態量を入力
    する入力手段と、 前記入力手段により入力された状態量と推定すべき原因
    とを関係づける推論情報を記憶する記憶手段と、 前記入力手段により入力された状態量と、前記記憶手段
    により記憶されている推論情報とに基づいて故障の原因
    を推論する推論手段と、 を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 感光体上に形成された潜像を現像して得
    られる可視像を転写材上に転写する転写工程と、該転写
    材を該感光体から分離する分離工程とを有する画像形成
    装置であって、 前記転写工程もしくは前記分離工程に関する故障を推論
    するための状態量を入力する入力手段と、 前記入力手段で扱う状態量と故障原因となり得る箇所の
    故障の確率を関係づける情報を記憶する記憶手段と、 前記入力手段により入力された状態量と、前記記憶手段
    により記憶された情報とに基づいて、故障原因となり得
    る箇所の故障の確率を算出して故障率を推論する推論手
    段と、 を備えることを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記故障が分離不良、再転写、濃度ムラ
    の少なくとも1つであることを特徴とする請求項2に記
    載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記状態量が雰囲気の温度、湿度、混合
    比または電流調整値、または電流出力値、または画像形
    成回数の少なくとも1つであることを特徴とする請求項
    2に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 記録媒体上に画像を形成する画像形成装
    置の故障診断方法であって、 当該画像形成装置において発生し得る故障の少なくとも
    1つに関してその原因を推定するための状態量を入力す
    る入力工程と、 前記入力工程により入力された状態量と、前記入力工程
    により入力された状態量と推定すべき原因とを関係づけ
    る推論情報とに基づいて故障の原因を推論する推論工程
    と、 を備えることを特徴とする故障診断方法。
  6. 【請求項6】 感光体上に形成された潜像を現像して得
    られる可視像を転写材上に転写する転写工程と、該転写
    材を該感光体から分離する分離工程とを有する画像形成
    装置の故障診断方法であって、 前記転写工程もしくは前記分離工程に関する故障原因を
    推論するための状態量を入力する入力工程と、 前記入力工程により入力された状態量と、前記入力工程
    で扱う状態量と故障原因となり得る箇所の故障の確率を
    関係づける推論情報とに基づいて、故障原因となり得る
    箇所の故障の確率を算出して故障率を推論する推論工程
    と、 を備えることを特徴とする故障診断方法。
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