JPH06207194A - ジュズダマ内胚乳から得られる中性脂質 - Google Patents
ジュズダマ内胚乳から得られる中性脂質Info
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Abstract
ma−jobi)内胚乳の中性脂質(NLEJ)であっ
て、グリセリドおよびアルキルアシルアセチンを含んで
成るNLEJの脂肪分解性の脂肪酸残基がアルキル脂肪
酸およびアルケニル脂肪酸を含んで成る中性脂質をジュ
ズダマ内胚乳から抽出し精製する方法、およびこの中性
脂肪を含む製薬組成物を提供する。 【構成】 有機溶媒による抽出、吸収剤による吸収およ
び脱色から成り、且つ 1)アルカリ化によるケン化 2)アセトンによる脱乳化 3)有機溶媒による抽出 を含む、NLEJの抽出および精製法を得る。
Description
性脂質、その抽出、精製および製薬組成物に関する。更
に詳細には、本発明はジュズダマの内胚乳から得られる
中性脂質、本脂質の内胚乳からの抽出および精製方法お
よびジュズダマの内胚乳から得た中性脂質の注射および
経口投与用の抗腫瘍エマルジョンに関する。
lacryma−jobiの乾燥内胚乳である。中国で
はこれを伝統的な薬および滋養物として数千年来使用し
てきた。1961年に、Tyunosin Ukita
およびAkio Tanimura(Ukitaら、C
hem Pharm.Dull.9(1):43,19
61)は、抗腫瘍成分としてジュズダマの内胚乳からの
coixenolideの抽出およびその抗腫瘍作用試
験の結果を報告した。彼らはcoixenolideの
式についてもC38H70O4として報告したが、この
製剤調製については触れなかった。これが、マウスのエ
ールリッヒ腹水腫瘍の成長を阻害することが報告され
た。coixenolideは、下記の段階に従い抽出
した:内胚乳の粉末−アセトンにより3回抽出−抽出物
−石油エーテルに溶解し、濾過し、濃縮−褐色シロップ
−石油エーテルに溶解指、石油エーテルによりシリカゲ
ルカラムを通過−溶離液−0.2N KOHを加え、酸
性成分を分離−中性油−アルミナカラムおよびシリカカ
ラムを通過−coixenolide。coixeno
lideは純粋な化合物として得られ、強い抗腫瘍作用
を示した。しかしその臨床的応用についての報告はな
い。その抽出および精製は2種類のカラムクロマトグラ
フィー(アルミナおよびシリカ)で行われるので、co
ixenolideの生産率は極めて低く、従って入手
には非常に費用がかかり、市販用製品は作られていな
い。
ュズダマの内胚乳から石油エーテルを使用して直接に未
加工の油を取り出し、静脈内用のエマルジョンを作り上
げた(Si Pei−Hai、ジュズダマの内胚乳の油
の抽出およびそのエマルジョンの調製、Zhejian
g Pharmacology,3(6):18−2
0、1986)。このジュズダマの内胚乳の油の抽出お
よび精製の段階は、下記の通りである:ジュズダマの内
胚乳の粉末−石油エーテルにより抽出(3回)−抽出物
−吸収、脱色および蒸発−ジュズダマの内胚乳の油状生
成物。この油は、相対的密度が0.9033から0.9
057(20℃)、屈折率が1.4670から1.47
08(20℃)、ヨウ素価が83から90、および酸価
が<36であった。この静脈内用のエマルジョンは、
(主成分として)前記の方法で抽出した油状生成物と2
種類の乳化剤であるスパンスおよびツイーンから成って
いた。その組成は、下記のとおりであった。 ジュズダマ内胚乳から得た油 10g スパンス−80 1g ツイーン−80 1.5g 注射用の水 適量を加え、総量を
100mlとする。
調製およびその体内分布を調査するためのみに使用され
た。この体内エマルジョンをヒトに臨床的に使用するに
は下記のような障害がある: 1.この主な成分であるジュズダマの内胚乳から得た油
状生成物は、純粋なものではないため、中国薬局方の要
件、例えばその酸価はちょうど36未満に統御されてい
る−に適合する程安全とは言えなかった。 2.ツイーンおよびスパンスは細胞膜を透過することが
でき、これらは分解−活性および毒性を有する。好適で
あったとしても等浸透性剤(isoosmoticu
m)を用いて、分解発生を防止する。実際には、殆どの
市販の静脈内用エマルジョン製剤のうち英国、ドイツ、
米国、フランス、中国および日本製のものは、スパンス
およびツイーンのような乳化剤を含まない。 3.上記の組成物は、等浸透性剤の本質的な成分を含ん
でおらず、従って妥当ではない。
脂質(NLEJ)を得るための抽出および精製方法を提
供することである。この方法は、単純な工程で、廉価な
ものと考えられるが、静脈内使用の要件に適合する標準
的な中性脂質である。本発明のもう一つの目的は、NL
EJを用いて、O/Wエマルジョンを調製し、抗腫瘍薬
としての製薬組成物を提供することである。
液体である。NLEJは、石油エーテル、エーテルおよ
びベンゾールに容易に溶解し、アセトンに溶解すること
ができ、メタノール、アルコールに僅かに溶解し、そし
て水に溶解することができない。油状生成物として試験
を行ったところ、NLEJは下記の物理化学的定数を示
した:酸価<0.20、ヨウ素価95.00から10
7.00、ケン化価185.00から195.00、相
対的密度0.915から0.918(20℃)、屈折率
1.470から1.475(20℃)。NLEJは、ト
リグリセリド(91.48±3.43%)、ジグリセリ
ド(1.47±0.63%)、モノグリセリド(5.7
5±3.19%)およびアキルアシルアセチン(1.0
±0.78%)を含む。脂肪分解性(lipoclas
tic)脂肪酸残基は、ヘキサデカン酸、オクトデカン
酸、オクタデカン酸およびオクタデカジエン酸を含む。
である: 有機溶媒による抽出:有機溶媒は、例えばアセトン、石
油エーテル、エーテル、アルコール、またはヘキサンで
ある。抽出方法は、例えばジュズダマの内胚乳の粉末を
通したパーコレーション、ろ過または滲出である。未加
工の油状生成物が、大量の異物、例えば遊離脂肪酸、色
素なとと共に抽出される。 吸収および脱色:一般的な吸収剤、例えば1%活性炭、
3%白色陶上、10%アルミナなど。未加工の抽出物を
吸収させると、黄色の油状生成物が得られる。 アルカリ化によるケン化: 適量のアルカリ性溶液(例
えばNaOHまたはKOH)を加えてケン化すると、エ
マルジョンが得られる。 アセトンによる脱乳化: 好量のアセトンを加えると、
エマルジョンが透明になる。 液−液抽出: 好量の第2の有機溶剤、例えば石油エー
テル、エーテルまたはヘキサンにより、抽出および沈降
を行い、主としてアセトン(酸性成分、水を含む)を含
む相を廃棄し、有機溶媒を蒸発させると、主として本発
明のNLEJから成る残渣が残る。 精製:アルカリ化、ケン化およびアセトンによる脱乳化
の間に、エマルジョンを熱水で洗浄する段階を加え、お
よび/または液−液抽出の後に、脱色および/または熱
水による洗浄の段階必要に応じて加える。その後、静脈
内使用の要件を満たす高純度のNLEJが得られる。
LEJを、乳化剤として大豆(または卵)のレシチン
を、そして十分な水を、製剤組成物の内容物として有す
る。これは、グリセロール、ソルビトールまたは数種類
の等浸透性剤(isoosmoticum)も含む。こ
れは、他の通常の抗腫瘍薬も含むことができる。乳化方
法には、ホモジナイゼーションおよび分散という2つの
通常の段階を含む。製薬組成物内のNLEJの含量は、
広範囲に変化させることができる。これは、O/W型エ
マルジョンである。100mlのエマルジョンでは、N
LEJは5から25gの間である。
活性を有する。特に後者は、肺癌、肝臓癌およびその他
の中期または末期の転移癌の治療薬に使用することがで
き得る。これは身体の免疫性を昂進し、多くの疾患から
身体を保護することができ、従って免疫不全性の疾患に
も用いることができる。NLEJエマルジョンと少量の
化学療法剤の併用により、抗腫瘍活性を強化し、化学療
法剤の毒性を減少することができる。
腫瘍活性の試験について、例9および例10で説明す
る。この製薬組成物の免疫性への影響、少量の化学療法
剤との併用による活性の昂進および化学療法剤によって
引き起こされる白血球の減少に対する保護効果について
は、各々例11、例12および例13で説明し、この製
薬組成物の臨床効果については、例14で説明する。
とする哺乳動物に投与する場合に腫瘍疾患の有効治療を
行うのに治療上十分な量、を投与した。本明細書におけ
る活性な化合物は、静脈内、動脈内または経口投与する
ことができる。
することができるようにするためのものである。これら
例は、本発明の範囲の制限と考えるべきではなく、単に
本発明の例示および典型例と考えるべきである。
出し、アセトンを蒸発したところ5kgの抽出物を得、
吸着および脱色し、5%熱アルカリ溶液として溶解した
NaOH152g(または相当する量のKOH)を添加
してアルカリケン化し、抽出物の酸価によって添加する
アルカリの重量を加減し、高温のアルカリを用いること
によりケン化をより迅速かつ完全にし、エマルジョンを
沈降させた後、分離し、エマルジョンが中性(pH6〜
7)になるまでエマルジョンを2〜3回洗浄し、1:1
(v/v)のアセトンを添加して脱乳化し、沈降後、ア
セトン相を十分量の石油エーテルで抽出し、沈降を行
い、アセトンを除去したところ、NLEJが石油エーテ
ル中に残留し、吸収剤を加えて色素および発熱物質を除
去し、濾過し、石油エーテルを蒸発させたところ、中性
の油状生成物が得られ、その後、熱蒸留水で真空下に
0.5時間煮沸し、中性のオイルを沈降し、100℃に
加熱して水を蒸発させ、吸収剤を再添加してろ過により
除去したところ、本発明の明るい黄色のNLEJ2kg
を得、これを包装し、160℃で2時間加熱して滅菌し
た後、静脈内および経口投与用エマルジョンを調製し
た。前記の吸着剤は活性炭、白色陶土アルミナなどであ
る。
2〜8に詳細に例示する。
00mlとする。 このエマルジョンは経口、静脈内または動脈内投与用の
エマルジョンであった。
00mlとする。 このエマルジョンは静脈内または動脈内投与用のエマル
ジョンであった。
100mlとする。 このエマルジョンは経口投与用のエマルジョンであっ
た。
00mlとする。 このエマルジョンは静脈内または動脈内投与用のエマル
ジョンであった。
00mlとする。 このエマルジョンは経口投与用のエマルジョンであっ
た。
00mlとする。 このエマルジョンは経口投与用のエマルジョンであっ
た。
00mlとする。 このエマルジョンは静脈内または動脈内投与用のエマル
ジョンであった。
に対するNLEJの阻害作用 方法 異なる濃度のNLEJ20μlを白血病細胞ラインを培
養した96ウェルのマイクロプレートに2個ずつ添加
し、対照のウェルにはpbs20μlを添加し、このと
き各ウェルの細胞数は9×105であり、NLEJの最
高濃度は100μlとし、細胞を5%CO2下にて37
℃で48時間培養し、細胞をコールターカウンターで計
数し、阻害率および腫瘍細胞のコロニー増殖を50%阻
害する薬物濃度(IC50)を計算した。 阻害率=((対照群の細胞数−処理群の細胞数)/(対
照群の細胞数−試験開始時の細胞数))×100% 結果 NLEJがイン・ビトロにおいて白血病P388および
L1210細胞に対し抗腫瘍活性を有することが明らか
になった。50μlを上回る投与量では殆ど全ての細胞
の増殖を阻害した。P388およびL1210細胞に対
するNLEJのIC50は、それぞれ15.2μl/m
lおよび28.8μl/mlであった。これらの相関係
数は、それぞれ0.9136および0.9454であっ
た(図1および表1)。
形成阻害試験 方法 0.15%トリプシンで消化して調製した対数増殖期の
結腸癌(M7609)細胞の懸濁液(2000/ml)
0.1mlを、直径4cmの円形の細胞容器に20%ウ
シ血清を含有するRPMI1640培地3.8mlに添
加して培養し、5%CO2下にて37℃で24時間培養
後に、異なる濃度のNLEJ 0.1mlを添加し、細
胞を更に9日間培養し、0.1%クリスタルバイオレッ
ト/アルコールで染色した後コロニーを計数し、コロニ
ー形成阻害率およびIC50を計算した。 結果 NLEJは結腸腫瘍M7609の細胞コロニーの形成を
顕著に阻害した。50μl/mlの濃度は全ての形成を
阻害した。結腸腫瘍M7609の細胞コロニーの形成に
対するNLEJのIC50は11.88μl/mlであ
った。この相関係数は0.9445であった(図2およ
び表1)。
ンの治療効果 (1)イン・ビボでの、ヒト肝細胞癌(QGY)の生長
に対するNLEJエマルジョンの治療効果 方法 活発に増殖中の肝細胞癌(QGY)を生理食塩水(1:
4)中でホモジナイズして懸濁液を調製し、各ヌードマ
ウスの腋下に懸濁液0.2mlを皮下接種し、接種の翌
日にヌードマウスを無作為に群分けし、NLEJエマル
ジョンの用量を25ml/kg、12.5ml/kgお
よび6.25ml/kgとし、このエマルジョンをヌー
ドマウスの尾に10日間毎日静脈内投与し、1群のマウ
スはシクロホスファミド(CTX)30mg/kgを7
日間毎日腹腔内投与し、対照群のヌードマウスにはNL
EJのみを含有しない対応するエマルジョン(ブランク
エマルジョン)25ml/kgを10日間毎日、ヌード
マウスの尾に静脈内投与した。全てのヌードマウスの腫
瘍組織の検体を接種30日後に採取し、秤量した。 結果 NLEJの、25ml/kg、12.5ml/kgおよ
び6.25ml/kgの全用量で、ヒト肝細胞癌(QG
Y)に対し良好な治療効果、および良好な用量活性相関
が認められ、最高用量(25ml/kg)はCTX投与
とほぼ同程度の高い阻害率を示した(表2)。
(SPC)の増殖に対するNLEJエマルジョンの治療
効果 方法 活発に生長しているSPC腫瘍組織を2mmの小片に切
断し、各ヌードマウスの腋下に1片ずつ接種し、接種の
翌日にヌードマウスを無作為に群分けして投与し、NL
EJの用量は25ml/kg iv ×10(qd)と
し、1群のマウスにはダカルバジン(DTIC)を40
mg/kg iv ×10(qd)投与し、対照群のヌ
ードマウスにはブランクエマルジョンを25ml/kg
iv×10(qd)投与し、全てのヌードマウスの腫
瘍組織の検体を接種30日後に採取し、秤量した。 結果 25ml/kgの用量のNLEJは、ヒト小細胞肺癌に
対し良好な治療効果を示し、阻害率は62.35%であ
った(表3)。
の転移に対するNLEJエマルジョンの治療効果 方法 対数増殖期にあって生長している黒色腫B16組織を
0.15%トリプシンで消化し、その組織からRPMI
1640培地に2.5×105細胞/mlとなるように
懸濁したもの0.2mlをそれぞれのC57BL/6マ
ウスの尾へ静脈内注射し、接種3日後にマウスを無作為
に群分けし、異なる用量を投与し、接種21日後にマウ
スを殺し、マウスの肺に転移した黒色腫のコロニー数を
計数し、阻害率を計算して、肺における黒色腫の転移に
対するNLEJエマルジョンの異なる投与による異なる
効果を比較し、シクロホスファミド100mg/kg
(CTX)をNLEJエマルジョンと比較するために同
じ方法で投与した。 結果 黒色腫の転移に対する、異なる投与による異なる効果 (i)NLEJエマルジョンの用量(6.25ml/k
g、12.5ml/kg、および25ml/kg)およ
び投与(3日毎、4回、尾静脈内投与)の全ての組み合
わせから、黒色腫B16の転移に対する明らかな阻害効
果が示された(表4、図3)。
(6.25ml/kg、12.5ml/kg、および2
5ml/kg)および投与(毎日、7回、尾静脈内投
与)の全ての組み合わせからも、黒色腫B16の転移に
対する明らかな阻害効果が示された(表5、図4)。
用量(6.25ml/kg、12.5ml/kgおよび
25ml/kg)および投与(毎日、7回、腹腔内投
与)の全ての組み合わせからも、黒色腫B16の転移に
対する明らかな阻害効果が示された(表6、図5)。
マウス脾臓リンパ細胞の増殖の誘導 方法 脾臓細胞は、C57BL/6マウスから無菌的に得、細
胞密度をRPMI−1640培養液で1×107/ml
に調整し、細胞の入っている各ホールに培地100μ
l、薬物100μlおよびConA50μlを添加し、
但しここで言及した薬物とはNLEJエマルジョン(4
濃度)、レンチナニン(4濃度)、ブランクエマルジョ
ンおよび水であり、各処理を4回行い、細胞を5%CO
2下にて、37℃で48時間培養した後、3H−Tdr
をウェルに添加し(0.5μci/ウェル)、更に20
時間培養した後、細胞を集め、CPM値を液体シンチレ
ーションカウンターで測定した。 結果 NLEJおよびレンチナニンと培養した細胞では、とち
らも高いCPM値が認められ、すなわちNLEJおよび
レンチナニンは双方とも、イン・ビトロでマウス脾臓リ
ンパ細胞の増殖を誘導したことが表7からわかる。用量
とCPM値の間に相関関係も認められた。
ラルキラー細胞の活性に対するNLEJエマルジョンの
影響 方法 脾臓細胞を効果細胞としてC57BL/6マウスから無
菌的に得、細胞密度を1×106/mlに調整し、目的
細胞であるYAC−1細胞の密度を1×104に調整
し、2つの細胞懸濁液を1:1(v/v)に混合し、す
なわち効果細胞と目的細胞の比を1:100とし、3H
−Tdrをウェルに添加し(0.5μci/ウェル)、
細胞を5%CO2下にて37℃で48時間培養した後、
細胞を集め、CPM値を液体シンチレーションカウンタ
ーで測定し、特異的な阻害率(Pi)をナチュラルキラ
ー細胞の活性として示し、NLEJエマルジョンのPi
をレンチナニンのPiと比較し、ブランクエマルジョン
および培地を対照とした。 Pi=(1−(処理群のCPM値/対照群のCPM
値))×100% 結果 これらの結果は、NLEJがレンチナニンと同様に、イ
ン・ビトロでマウスのナチュラルキラー細胞の活性を刺
激することを示した(表8)。また、用量とCPM値の
間には負の相関関係が認められる。
ウスの脾臓リンパ細胞の増殖に対するNLEJエマルジ
ョンの効果 1×104の白血病細胞L1210を各マウスの腋下に
皮下接種し、接種の翌日にマウスを無作為に6群(10
マウス/群)に分け、この6つの処理群はNLEJ
6.25、12.5、25ml/kg、レンチナニン
10ml/kg、ブランクエマルジョンおよび生理食塩
水であり、7回毎日投与した後にマウスを殺し、マウス
から無菌的にに得た脾臓細胞懸濁液を1×107/ml
の細胞密度に調整し、細胞懸濁液100μlおよび培養
液100μlを各ウェルに添加し、これを3つのウェル
で繰り返し、5%CO2下にて37℃で48時間培養し
た後、3H−Tdr 0.5μci/ウェルを添加し、
更に20時間培養し、集めた細胞のCPM値を測定し対
照細胞と比較した。 結果 表9から、NLEJエマルジョンが白血病を有するマウ
スの脾臓リンパ細胞の増殖を促進することがわかる。さ
らに、マウス免疫性に対するNLEJエマルジョンの増
強は用量が増すほど増大した。レンチナニンの投与にお
いてマウス免疫性に対する昴進を認めた。
細胞の活性に対するNLEJエマルジョンの効果 方法 1×104個の白血病細胞L1210を各マウスの腋下
にに皮下接種し、接種の翌日にマウスを無作為に6群
(10マウス/群)に分け、この6つの投与群はNLE
J 6.25、12.5、25ml/kg、レンチナニ
ン 10ml/kg、ブランクエマルジョンおよび生理
食塩水であり、7回毎日投与した後にマウスを殺し、マ
ウスから無菌的に得た脾臓細胞懸濁液を1×106/m
lの細胞密度に調整し、この細胞懸濁液(効果細胞)1
00μlおよびYAC細胞(標的細胞、1×104の細
胞密度)100μl、および3H−Tdr 0.5μc
i/ウェルを各ウェルに添加し、これを3つのウェルで
繰り返し、5%CO2下にて37℃で24時間培養した
後、集めた細胞のCPM値を測定し、特異的阻害率(P
i)をナチュラルキラー細胞の活性として示した。 Pi=(1−(投与群のCPM値/対照群のCPM
値))×100% 結果 表10は、白血病細胞を担持するマウスのナチュラルキ
ラー細胞の活性に対するNLEJエマルジョンおよびレ
ンチナニンの刺激を示し、マウス免疫性の昂進を示唆し
ている。
ンターロイキン−2の誘導に対するNLEJエマルジョ
ンの影響 方法 1×10−E4の白血病細胞L1210を各マウスの腋
の下に皮下接種し、接種の翌日にマウスを無作為に6群
(10マウス/群)に分け、この6つの投与群はNLE
J 6.25、12.5、25ml/kg、レンチナニ
ン 10ml/kg、ブランクエマルジョン、および生
理食塩水であり、7回毎日投与した後にマウスを殺し、
マウスから無菌的にに得た脾臓細胞懸濁液を1×107
/mlの細胞密度に調整し、ConA 5μg/mlを
念有する細胞懸濁液2mlとし、これを3つのウェルで
繰り返し、5%CO2下にて37℃で24時間培養した
後、上澄液を採取し、インターロイキン−2(IL−
2)の活性を、インターロイキン−2依存性細胞クロー
ンCTLLを用いて、3H−Tdrの取り込みを測定す
る方法により測定した。 結果 表11は、NLEJが全投与群で腫瘍を有するマウスの
インターロイキン−2の誘導を刺激したことを示してい
る。
作用活性に対するNLEJエマルジョンの効果 方法 スイスマウスを無作為に2群に分け、1群にはNLEJ
エマルジョンを腹腔内に7回毎日投与し、もう1群には
ブランクエマルジョンを同じ方法で投与し、最終投与後
に加水分解したラクトアルブミン0.5mlを腹腔内投
与し、翌日にニワトリの赤血球懸濁液(2%)1mlを
同じ方法で投与し、30分後にこのスイスマウスを頚椎
脱臼によって殺し、スイスマウスを仰向けに固定し、開
腹し、腹腔を生理食塩水2mlで1分間洗浄し、水1m
lを採取してガラス表面上に滴下し、湿度を保ちながら
37℃で30分間インキュベートした後、接着していな
い細胞を洗い落とし、乾燥後にアセトン:メタノール
1:1(v/v)で細胞をガラスに固定し、細胞を4%
ギムザーリン酸緩衝液で3分間染色し、蒸留水で洗浄し
て乾燥し、顕微鏡下で食細胞を計数し(100個以
上)、下記 食作用率=(赤血球を貧食している食細胞数/全食細胞
数)×100% 食作用指標=(貧食されている赤血球数/食細胞数)×
100% により、食作用率(PP)および食作用指標(PI)を
計算した。 結果 表12から、NLEJがマウス食細胞の食作用活性を促
進したことがわかる。
の抗腫瘍活性 (1)イン・ビボでの、Walaer癌肉腫(固形)W
256上の抗腫瘍の治療効果 方法 活発に増殖している腹水Walaer癌肉腫(固形)W
256組織を消化して細胞懸濁液とし、この細胞懸濁液
を1〜2×107/mlの細胞密度に調整し、この懸濁
液0.2mlを各ラットの腋の下の皮下に接種し、接種
の翌日にラットを無作為に群分けして投与し、NLEJ
エマルジョンの用量は、20ml/kg、10ml/k
g、5ml/kg iv×10(qd)、シクロホスフ
ァミドの用量は30mg/kg iv×7(qd)、1
0mg/kg iv×2(3日目および5日目)とし、
全投与群の腫瘍組織を採取して秤量し、接種後14日目
の腫瘍阻害率を計算した。 結果 NLEJエマルジョンの、腹水Walaer癌肉腫(固
体)W256に対する抗腫瘍の治療効果は、少量のシク
ロホスファミドを用いた化学療法によって昂進された
(表13)。
の治療効果 方法 活発に増殖する肉腫(S−180)組織を、生理食塩水
1:3(w/v)により細胞懸濁液に調整し、マウスを
接種および投与した翌日、無作為に群分けした。NLE
Jエマルジョンの用量は、25ml/kg iv×7
(qd)、シクロホスファミドの用量は、30mg/k
g ip×2(2日目および4日目)、mitoxan
trone(DHAD)の用量は、2mg/kg ip
×2(2日目および4日目)、マイトマイシンの用量
は、1.5mg/kg ip ×2(2日目および4日
目)であり、全投与群の腫瘍組織を、接種後14日目に
採取し、秤量し、腫瘍阻害率を計算した。 結果 結果はNLEJエマルジョンの肉腫に対する抗腫瘍の治
療効果が、少量のシクロホスファミド、DHADおよび
マイトマイシンにより促進されることを示した(表1
4)。
エマルジョンによる保護 80匹のスイスマウスを無作為に8群に分割し、シクロ
ホスファミド45mg/kg ip×3(2、6、およ
び10日目)、harringtonine(HRT
N)1mg/kg ip×3(2、6、および10日
目)を投与し、各薬剤の2群に、NLEJエマルジョン
を用量2.4ml/kgおよび6.25ml/kg i
v×7(毎日)、同じ回数で投与し、各投与の最初およ
び第4日目に各マウスの眼の角から血液を検体として採
取し、その血液中の白血球を計数した。 結果 表15および16は、NLEJエマルジョンがシクロホ
スファミド化学療法またはharringtonine
化学療法の引き起こす白血球の減少からマウスを保護す
ることができることを示している。
て、静脈または動脈に投与した。治療の詳細な方法は省
略する。 結果
の増殖への効果。
に関するNLEJの効果。
6)の転移に対するNLEJエマルジョンの治療効果
(3日毎)。
6)の転移に対するNLEJエマルジョンの治療効果
(iv、毎日)。
6)の転移に対するNLEJエマルジョンの治療効果
(ip、毎日)。
質
性脂質、その抽出、精製および製薬組成物に関する。更
に詳細には、本発明はジュズダマの内胚乳から得られる
中性脂質、本脂質の内胚乳からの抽出および精製方法お
よびジュズダマの内胚乳から得た中性脂質の注射および
経口投与用の抗腫瘍エマルジョンに関する。
lacryma−jobiの乾燥内胚乳である。中国で
はこれを伝統的な薬および滋養物として数千年来使用し
てきた。1961年に、Tyunosin Ukita
およびAkio Tanimura(Ukitaら、C
hem Pharm.Dul1.9(1):43,19
61)は、抗腫瘍成分としてジュズダマの内胚乳からの
coixenolideの抽出およびその抗腫瘍作用試
験の結果を報告した。彼らはcoixenolideの
式についてもC38H70O4として報告したが、この
製剤調製については触れなかった。これが、マウスのエ
ールリッヒ腹水腫瘍の成長を阻害することが報告され
た。coixenolideは、下記の段階に従い抽出
した:内胚乳の粉末−アセトンにより3回抽出−抽出物
−石油エーテルに溶解し、濾過し、濃縮−褐色シロップ
−石油エーテルに溶解指、石油エーテルによりシリカゲ
ルカラムを通過−溶離液−0.2N KOHを加え、酸
性成分を分離−中性油−アルミナカラムおよびシリカカ
ラムを通過−coixenolide。coixeno
lideは純粋な化合物として得られ、強い抗腫瘍作用
を示した。しかしその臨床的応用についての報告はな
い。その抽出および精製は2種類のカラムクロマトグラ
フィー(アルミナおよびシリカ)で行われるので、co
ixenolideの生産率は極めて低く、従って入手
には非常に費用がかかり、市販用製品は作られていな
い。
ュズダマの内胚乳から石油エーテルを使用して直接に未
加工の油を取り出し、静脈内用のエマルジョンを作り上
げた(Si Pei−Hai、ジュズダマの内胚乳の油
の抽出およびそのエマルジョンの調製、Zhejian
g Pharmacology,3(6):18−2
0、1986)。このジュズダマの内胚乳の油の抽出お
よび精製の段階は、下記の通りである:ジュズダマの内
胚乳の粉末−石油エーテルにより抽出(3回)−抽出物
−吸収、脱色および蒸発−ジュズダマの内胚乳の油状生
成物。この油は、相対的密度が0.9033から0.9
057(20℃)、屈折率が1.4670から1.47
08(20℃)、ヨウ素価が83から90、および酸価
が<36であった。この静脈内用のエマルジョンは、
(主成分として)前記の方法で抽出した油状生成物と2
種類の乳化剤であるスパンスおよびツイーンから成って
いた。その組成は、下記のとおりであった。 ジュズダマ内胚乳から得た油 10g スパンス−80 1g ツイーン−80 1.5g 注射用の水 適量を加え、総量を
100mlとする。
調製およびその体内分布を調査するためのみに使用され
た。この体内エマルジョンをヒトに臨床的に使用するに
は下記のような障害がある: 1.この主な成分であるジュズダマの内胚乳から得た油
状生成物は、純粋なものではないため、中国薬局方の要
件、例えばその酸価はちょうど36未満に統御されてい
る−に適合する程安全とは言えなかった。 2.ツイーンおよびスパンスは細胞膜を透過することが
でき、これらは分解−活性および毒性を有する。好適で
あったとしても等浸透性剤(isoosmoticu
m)を用いて、分解発生を防止する。実際には、殆どの
市販の静脈内用エマルジョン製剤のうち英国、ドイツ、
米国、フランス、中国および日本製のものは、スパンス
およびツイーンのような乳化剤を含まない。 3.上記の組成物は、等浸透性剤の本質的な成分を含ん
でおらず、従って妥当ではない。
脂質(NLEJ)を得るための抽出および精製方法を提
供することである。この方法は、単純な工程で、廉価な
ものと考えられるが、静脈内使用の要件に適合する標準
的な中性脂質である。本発明のもう一つの目的は、NL
EJを用いて、O/Wエマルジョンを調製し、抗腫瘍薬
としての製薬組成物を提供することである。
液体である。NLEJは、石油エーテル、エーテルおよ
びベンゾールに容易に溶解し、アセトンに溶解すること
ができ、メタノール、アルコールに僅かに溶解し、そし
て水に溶解することができない。油状生成物として試験
を行ったところ、NLEJは下記の物理化学的定数を示
した:酸価<0.20、ヨウ素価95.00から10
7.00、ケン化価185.00から195.00、相
対的密度0.915から0.918(20℃)、屈折率
1.470から1.475(20℃)。NLEJは、ト
リグリセリド(91.48±3.43%)、ジグリセリ
ド(1.47±0.63%)、モノグリセリド(5.7
5±3.19%)およびアキルアシルアセチン(1.0
±0.78%)を含む。脂肪分解性(lipoclas
tic)脂肪酸残基は、ヘキサデカン酸、オクトデカン
酸、オクタデカン酸およびオクタデカジエン酸を含む。
である: 有機溶媒による抽出:有機溶媒は、例えばアセトン、石
油エーテル、エーテル、アルコール、またはヘキサンで
ある。抽出方法は、例えばジュズダマの内胚乳の粉末を
通したパーコレーション、ろ過または滲出である。未加
工の油状生成物が、大量の異物、例えば遊離脂肪酸、色
素などと共に抽出される。 吸収および脱色:一般的な吸収剤、例えば1%活性炭、
3%白色陶土、10%アルミナなど。未加工の抽出物を
吸収させると、黄色の油状生成物が得られる。 アルカリ化によるケン化: 適量のアルカリ性溶液(例
えばNaOHまたはKOH)を加えてケン化すると、エ
マルジョンが得られる。 アセトンによる脱乳化: 好量のアセトンを加えると、
エマルジョンが透明になる。 液−液抽出: 好量の第2の有機溶剤、例えば石油エー
テル、エーテルまたはヘキサンにより、抽出および沈降
を行い、主としてアセトン(酸性成分、水を含む)を含
む相を廃棄し、有機溶媒を蒸発させると、主として本発
明のNLEJから成る残渣が残る。 精製:アルカリ化、ケン化およびアセトンによる脱乳化
の間に、エマルジョンを熱水で洗浄する段階を加え、お
よび/または液−液抽出の後に、脱色および/または熱
水による洗浄の段階必要に応じて加える。その後、静脈
内使用の要件を満たす高純度のNLEJが得られる。
LEJを、乳化剤として大豆(または卵)のレシチン
を、そして十分な水を、製剤組成物の内容物として有す
る。これは、グリセロール、ソルビトールまたは数種類
の等浸透性剤(isoosmoticum)も含む。こ
れは、他の通常の抗腫瘍薬も含むことができる。乳化方
法には、ホモジナイゼーションおよび分散という2つの
通常の段階を含む。製薬組成物内のNLEJの含量は、
広範囲に変化させることができる。これは、O/W型エ
マルジョンである。100mlのエマルジョンでは、N
LEJは5から25gの間である。
活性を有する。特に後者は、肺癌、肝臓癌およびその他
の中期または末期の転移癌の治療薬に使用することがで
き得る。これは身体の免疫性を昂進し、多くの疾患から
身体を保護することができ、従って免疫不全性の疾患に
も用いることができる。NLEJエマルジョンと少量の
化学療法剤の併用により、抗腫瘍活性を強化し、化学療
法剤の毒性を減少することができる。
腫瘍活性の試験について、例9および例10で説明す
る。この製薬組成物の免疫性への影響、少量の化学療法
剤との併用による活性の昂進および化学療法剤によって
引き起こされる白血球の減少に対する保護効果について
は、各々例11、例12および例13で説明し、この製
薬組成物の臨床効果については、例14で説明する。
とする哺乳動物に投与する場合に腫瘍疾患の有効治療を
行うのに治療上十分な量、を投与した。本明細書におけ
る活性な化合物は、静脈内、動脈内または経口投与する
ことができる。
することができるようにするためのものである。これら
例は、本発明の範囲の制限と考えるべきではなく、単に
本発明の例示および典型例と考えるべきである。
出し、アセトンを蒸発したところ5kgの抽出物を得、
吸着および脱色し、5%熱アルカリ溶液として溶解した
NaOH152g(または相当する量のKOH)を添加
してアルカリケン化し、抽出物の酸価によって添加する
アルカリの重量を加減し、高温のアルカリを用いること
によりケン化をより迅速かつ完全にし、エマルジョンを
沈降させた後、分離し、エマルジョンが中性(pH6〜
7)になるまでエマルジョンを2〜3回洗浄し、1:1
(v/v)のアセトンを添加して脱乳化し、沈降後、ア
セトン相を十分量の石油エーテルで抽出し、沈降を行
い、アセトンを除去したところ、NLEJが石油エーテ
ル中に残留し、吸収剤を加えて色素および発熱物質を除
去し、濾過し、石油エーテルを蒸発させたところ、中性
の油状生成物が得られ、その後、熱蒸留水で真空下に
0.5時間煮沸し、中性のオイルを沈降し、100℃に
加熱して水を蒸発させ、吸収剤を再添加してろ過により
除去したところ、本発明の明るい黄色のNLEJ2kg
を得、これを包装し、160℃で2時間加熱して滅菌し
た後、静脈内および経口投与用エマルジョンを調製し
た。前記の吸着剤は活性炭、白色陶土アルミナなどであ
る。
2〜8に詳細に例示する。
00mlとする。 このエマルジョンは経口、静脈内または動脈内投与用の
エマルジョンであった。
00mlとする。 このエマルジョンは静脈内または動脈内投与用のエマル
ジョンであった。
100mlとする。 このエマルジョンは経口投与用のエマルジョンであっ
た。
00mlとする。 このエマルジョンは静脈内または動脈内投与用のエマル
ジョンであった。
00mlとする。 このエマルジョンは経口投与用のエマルジョンであっ
た。
00mlとする。 このエマルジョンは経口投与用のエマルジョンであっ
た。
00mlとする。 このエマルジョンは静脈内または動脈内投与用のエマル
ジョンであった。
に対するNLEJの阻害作用 方法 異なる濃度のNLEJ20μlを白血病細胞ラインを培
養した96ウェルのマイクロプレートに2個ずつ添加
し、対照のウェルにはpbs20μlを添加し、このと
き各ウェルの細胞数は9×105であり、NLEJの最
高濃度は100μlとし、細胞を5%CO2下にて37
℃で48時間培養し、細胞をコールターカウンターで計
数し、阻害率および腫瘍細胞のコロニー増殖を50%阻
害する薬物濃度(IC50)を計算した。 阻害率=((対照群の細胞数−処理群の細胞数)/(対
照群の細胞数−試験開始時の細胞数))×100% 結果 NLEJがイン・ビトロにおいて白血病P388および
L1210細胞に対し抗腫瘍活性を有することが明らか
になった。50μlを上回る投与量では殆ど全ての細胞
の増殖を阻害した。P388およびL1210細胞に対
するNLEJのIC50は、それぞれ15.2μl/m
lおよび28.8μl/mlであった。これらの相関係
数は、それぞれ0.9136および0.9454であっ
た(図1および表1)。
形成阻害試験 方法 0.15%トリプシンで消化して調製した対数増殖期の
結腸癌(M7609)細胞の懸濁液(2000/ml)
0.1mlを、直径4cmの円形の細胞容器に20%ウ
シ血清を含有するRPMI1640培地3.8mlに添
加して培養し、5%CO2下にて37℃で24時間培養
後に、異なる濃度のNLEJ 0.1mlを添加し、細
胞を更に9日間培養し、0.1%クリスタルバイオレッ
ト/アルコールで染色した後コロニーを計数し、コロニ
ー形成阻害率およびIC50を計算した。 結果 NLEJは結腸腫瘍M7609の細胞コロニーの形成を
顕著に阻害した。50μl/mlの濃度は全ての形成を
阻害した。結腸腫瘍M7609の細胞コロニーの形成に
対するNLEJのIC50は11.88μl/mlであ
った。この相関係数は0.9445であった(図2およ
び表1)。
ンの治療効果 (1)イン・ビボでの、ヒト肝細胞癌(QGY)の生長
に対するNLEJエマルジョンの治療効果 方法 活発に増殖中の肝細胞癌(QGY)を生理食塩水(1:
4)中でホモジナイズして懸濁液を調製し、各ヌードマ
ウスの腋下に懸濁液0.2mlを皮下接種し、接種の翌
日にヌードマウスを無作為に群分けし、NLEJエマル
ジョンの用量を25ml/kg、12.5ml/kgお
よび6.25ml/kgとし、このエマルジョンをヌー
ドマウスの尾に10日間毎日静脈内投与し、1群のマウ
スはシクロホスファミド(CTX)30mg/kgを7
日間毎日腹腔内投与し、対照群のヌードマウスにはNL
EJのみを含有しない対応するエマルジョン(ブランク
エマルジョン)25ml/kgを10日間毎日、ヌード
マウスの尾に静脈内投与した。全てのヌードマウスの腫
瘍組織の検体を接種30日後に採取し、秤量した。 結果 NLEJの、25ml/kg、12.5ml/kgおよ
び6.25ml/kgの全用量で、ヒト肝細胞癌(QG
Y)に対し良好な治療効果、および良好な用量活性相関
が認められ、最高用量(25ml/kg)はCTX投与
とほぼ同程度の高い阻害率を示した(表2)。
(SPC)の増殖に対するNLEJエマルジョンの治療
効果 方法 活発に生長しているSPC腫瘍組織を2mmの小片に切
断し、各ヌードマウスの腋下に1片ずつ接種し、接種の
翌日にヌードマウスを無作為に群分けして投与し、NL
EJの用量は25ml/kg iv ×10(qd)と
し、1群のマウスにはダカルバジン(DTIC)を40
mg/kg iv ×10(qd)投与し、対照群のヌ
ードマウスにはブランクエマルジョンを25ml/kg
iv×10(qd)投与し、全てのヌードマウスの腫
瘍組織の検体を接種30日後に採取し、秤量した。 結果 25ml/kgの用量のNLEJは、ヒト小細胞肺癌に
対し良好な治療効果を示し、阻害率は62.35%であ
った(表3)。
の転移に対するNLEJエマルジョンの治療効果 方法 対数増殖期にあって生長している黒色腫B16組織を
0.15%トリプシンで消化し、その組織からRPMI
1640培地に2.5×105細胞/mlとなるように
懸濁したもの0.2mlをそれぞれのC57BL/6マ
ウスの尾へ静脈内注射し、接種3日後にマウスを無作為
に群分けし、異なる用量を投与し、接種21日後にマウ
スを殺し、マウスの肺に転移した黒色腫のコロニー数を
計数し、阻害率を計算して、肺における黒色腫の転移に
対するNLEJエマルジョンの異なる投与による異なる
効果を比較し、シクロホスファミド100mg/kg
(CTX)をNLEJエマルジョンと比較するために同
じ方法で投与した。 結果 黒色腫の転移に対する、異なる投与による異なる効果 (i)NLEJエマルジョンの用量(6.25ml/k
g、12.5ml/kg、および25ml/kg)およ
び投与(3日毎、4回、尾静脈内投与)の全ての組み合
わせから、黒色腫B16の転移に対する明らかな阻害効
果が示された(表4、図3)。
(6.25ml/kg、12.5ml/kg、および2
5ml/kg)および投与(毎日、7回、尾静脈内投
与)の全ての組み合わせからも、黒色腫B16の転移に
対する明らかな阻害効果が示された(表5、図4)。
用量(6.25ml/kg、12.5ml/kgおよび
25ml/kg)および投与(毎日、7回、腹腔内投
与)の全ての組み合わせからも、黒色腫B16の転移に
対する明らかな阻害効果が示された(表6、図5)。
マウス脾臓リンパ細胞の増殖の誘導 方法 脾臓細胞は、C57BL/6マウスから無菌的に得、細
胞密度をRPMI−1640培養液で1×107/ml
に調整し、細胞の入っている各ホールに培地100μ
l、薬物100μlおよびConA50μlを添加し、
但しここで言及した薬物とはNLEJエマルジョン(4
濃度)、レンチナニン(4濃度)、ブランクエマルジョ
ンおよび水であり、各処理を4回行い、細胞を5%CO
2下にて、37℃で48時間培養した後、3H−Tdr
をウェルに添加し(0.5μci/ウェル)、更に20
時間培養した後、細胞を集め、CPM値を液体シンチレ
ーションカウンターで測定した。 結果 NLEJおよびレンチナニンと培養した細胞では、どち
らも高いCPM値が認められ、すなわちNLEJおよび
レンチナニンは双方とも、イン・ビトロでマウス脾臓リ
ンパ細胞の増殖を誘導したことが表7からわかる。用量
とCPM値の間に相関関係も認められた。
ラルキラー細胞の活性に対するNLEJエマルジョンの
影響 方法 脾臓細胞を効果細胞としてC57BL/6マウスから無
菌的に得、細胞密度を1×106/mlに調整し、目的
細胞であるYAC−1細胞の密度を1×104に調整
し、2つの細胞懸濁液を1:1(v/v)に混合し、す
なわち効果細胞と目的細胞の比を1:100とし、3H
−Tdrをウェルに添加し(0.5μci/ウェル)、
細胞を5%CO2下にて37℃で48時間培養した後、
細胞を集め、CPM値を液体シンチレーションカウンタ
ーで測定し、特異的な阻害率(Pi)をナチュラルキラ
ー細胞の活性として示し、NLEJエマルジョンのPi
をレンチナニンのPiと比較し、ブランクエマルジョン
および培地を対照とした。 Pi=(1−(処理群のCPM値/対照群のCPM
値))×100% 結果 これらの結果は、NLEJがレンチナニンと同様に、イ
ン・ビトロでマウスのナチュラルキラー細胞の活性を刺
激することを示した(表8)。また、用量とCPM値の
間には負の相関関係が認められる。
スの脾臓リンパ細胞の増殖に対するNLEJエマルジョ
ンの効果 1×104の白血病細胞L1210を各マウスの腋下に
皮下接種し、接種の翌日にマウスを無作為に6群(10
マウス/群)に分け、この6つの処理群はNLEJ
6.25、12.5、25ml/kg、レンチナニン
10ml/kg、ブランクエマルジョンおよび生理食塩
水であり、7回毎日投与した後にマウスを殺し、マウス
から無菌的にに得た脾臓細胞懸濁液を1×107/ml
の細胞密度に調整し、細胞懸濁液100μlおよび培養
液100μlを各ウェルに添加し、これを3つのウェル
で繰り返し、5%CO2下にて37℃で48時間培養し
た後、3H−Tdr 0.5μci/ウェルを添加し、
更に20時間培養し、集めた細胞のCPM値を測定し対
照細胞と比較した。 結果 表9から、NLEJエマルジョンが白血病を有するマウ
スの脾臓リンパ細胞の増殖を促進することがわかる。さ
らに、マウス免疫性に対するNLEJエマルジョンの増
強は用量が増すほど増大した。レンチナニンの投与にお
いてマウス免疫性に対する昂進を認めた。
細胞の活性に対するNLEJエマルジョンの効果 方法 1×104個の白血病細胞L1210を各マウスの腋下
にに皮下接種し、接種の翌日にマウスを無作為に6群
(10マウス/群)に分け、この6つの投与群はNLE
J 6.25、12.5、25ml/kg、レンチナニ
ン 10ml/kg、ブランクエマルジョンおよび生理
食塩水であり、7回毎日投与した後にマウスを殺し、マ
ウスから無菌的に得た脾臓細胞懸濁液を1×106/m
lの細胞密度に調整し、この細胞懸濁液(効果細胞)1
00μlおよびYAC細胞(標的細胞、1×104の細
胞密度)100μl、および3H−Tdr 0.5μc
i/ウェルを各ウェルに添加し、これを3つのウェルで
繰り返し、5%CO2下にて37℃で24時間培養した
後、集めた細胞のCPM値を測定し、特異的阻害率(P
i)をナチュラルキラー細胞の活性として示した。 Pi=(1−(投与群のCPM値/対照群のCPM
値))×100% 結果 表10は、白血病細胞を担持するマウスのナチュラルキ
ラー細胞の活性に対するNLEJエマルジョンおよびレ
ンチナニンの刺激を示し、マウス免疫性の昂進を示唆し
ている。
ンターロイキン−2の誘導に対するNLEJエマルジョ
ンの影響 方法 1×10−E4の白血病細胞L1210を各マウスの腋
の下に皮下接種し、接種の翌日にマウスを無作為に6群
(10マウス/群)に分け、この6つの投与群はNLE
J 6.25、12.5、25ml/kg、レンチナニ
ン 10ml/kg、ブランクエマルジョン、および生
理食塩水であり、7回毎日投与した後にマウスを殺し、
マウスから無菌的にに得た脾臓細胞懸濁液を1×107
/mlの細胞密度に調整し、ConA 5μg/mlを
含有する細胞懸濁液2mlとし、これを3つのウェルで
繰り返し、5%CO2下にて37℃で24時間培養した
後、上澄液を採取し、インターロイキン−2(IL−
2)の活性を、インターロイキン−2依存性細胞クロー
ンCTLLを用いて、3H−Tdrの取り込みを測定す
る方法により測定した。 結果 表11は、NLEJが全投与群で腫瘍を有するマウスの
インターロイキン−2の誘導を刺激したことを示してい
る。
作用活性に対するNLEJエマルジョンの効果 方法 スイスマウスを無作為に2群に分け、1群にはNLEJ
エマルジョンを腹腔内に7回毎日投与し、もう1群には
ブランクエマルジョンを同じ方法で投与し、最終投与後
に加水分解したラクトアルブミン0.5mlを腹腔内投
与し、翌日にニワトリの赤血球懸濁液(2%)1mlを
同じ方法で投与し、30分後にこのスイスマウスを頚椎
脱臼によって殺し、スイスマウスを仰向けに固定し、開
腹し、腹腔を生理食塩水2mlで1分間洗浄し、水1m
lを採取してガラス表面上に滴下し、湿度を保ちながら
37℃で30分間インキュベートした後、接着していな
い細胞を洗い落とし、乾燥後にアセトン:メタノール
1:1(v/v)で細胞をガラスに固定し、細胞を4%
ギムザーリン酸緩衝液で3分間染色し、蒸留水で洗浄し
て乾燥し、顕微鏡下で食細胞を計数し(100個以
上)、下記 食作用率=(赤血球を貧食している食細胞数/全食細胞
数)×100% 食作用指標=(貧食されている赤血球数/食細胞数)×
100% により、食作用率(PP)および食作用指標(PI)を
計算した。 結果 表12から、NLEJがマウス食細胞の食作用活性を促
進したことがわかる。
の抗腫瘍活性 (1)イン・ビボでの、Walaer癌肉腫(固形)W
256上の抗腫瘍の治療効果 方法 活発に増殖している腹水Walaer癌肉腫(固形)W
256組織を消化して細胞懸濁液とし、この細胞懸濁液
を1〜2×107/mlの細胞密度に調整し、この懸濁
液0.2mlを各ラットの腋の下の皮下に接種し、接種
の翌日にラットを無作為に群分けして投与し、NLEJ
エマルジョンの用量は、20ml/kg、10ml/k
g、5ml/kg iv×10(qd)、シクロホスフ
ァミドの用量は30mg/kg iv×7(qd)、1
0mg/kg iv×2(3日目および5日目)とし、
全投与群の腫瘍組織を採取して秤量し、接種後14日目
の腫瘍阻害率を計算した。 結果 NLEJエマルジョンの、腹水Walaer癌肉腫(固
体)W256に対する抗腫瘍の治療効果は、少量のシク
ロホスファミドを用いた化学療法によって昂進された
(表13)。
の治療効果 方法 活発に増殖する肉腫(S−180)組織を、生理食塩水
1:3(w/v)により細胞懸濁液に調整し、マウスを
接種および投与した翌日、無作為に群分けした。NLE
Jエマルジョンの用量は、25ml/kg iv×7
(qd)、シクロホスファミドの用量は、30mg/k
g ip×2(2日目および4日目)、mitoxan
trone(DHAD)の用量は、2mg/kg ip
×2(2日目および4日目)、マイトマイシンの用量
は、1.5mg/kg ip ×2(2日目および4日
目)であり、全投与群の腫瘍組織を、接種後14日目に
採取し、秤量し、腫瘍阻害率を計算した。 結果 結果はNLEJエマルジョンの肉腫に対する抗腫瘍の治
療効果が、少量のシクロホスファミド、DHADおよび
マイトマイシンにより促進されることを示した(表1
4)。
エマルジョンによる保護 80匹のスイスマウスを無作為に8群に分割し、シクロ
ホスファミド45mg/kg ip×3(2、6、およ
び10日目)、harringtonine(HRT
N)1mg/kg ip×3(2、6、および10日
目)を投与し、各薬剤の2群に、NLEJエマルジョン
を用量2.4ml/kgおよび6.25ml/kg i
v×7(毎日)、同じ回数で投与し、各投与の最初およ
び第4日目に各マウスの眼の角から血液を検体として採
取し、その血液中の白血球を計数した。 結果 表15および16は、NLEJエマルジョンがシクロホ
スファミド化学療法またはharringtonine
化学療法の引き起こす白血球の減少からマウスを保護す
ることができることを示している。
て、静脈または動脈に投与した。治療の詳細な方法は省
略する。 結果
殖への効果。
するNLEJの効果。
転移に対するNLEJエマルジョンの治療効果(3日
毎)。
転移に対するNLEJエマルジョンの治療効果(iv、
毎日)。
転移に対するNLEJエマルジョンの治療効果(ip、
毎日)。
Claims (14)
- 【請求項1】グリセリドおよびアルキルアシルアセチン
を含んで成るジュズダマ内胚乳(NLEJ)の中性脂質
であって、NLEJの脂肪分解性の脂肪酸残基がアルキ
ル脂肪酸およびアルケニル脂肪酸を含んで成る、中性脂
質。 - 【請求項2】前記のグリセリドがトリグリセリド、ジグ
リセリドおよびモノグリセリドを含んで成る、請求項1
に記載のNLEJ。 - 【請求項3】前記のグリセリドが本質的にヘキサデカン
酸、オクトデカン酸、オクタデカン酸およびオクタデカ
ジエン酸の残基を含んで成る、請求項1に記載のNLE
J。 - 【請求項4】前記の中性脂質が下記の物理化学的指標:
酸価<0.20、ヨウ素価95.00から107.0
0、ケン化値185.00から195.00、相対密度
0.915から0.918(20℃)およびジオプトリ
ー1.470から1.475、(20℃)を有する、請
求項第1、2および3のいずれか1項に記載のNLE
J。 - 【請求項5】有機溶媒による抽出、吸収剤による吸収お
よび脱色から成り、且つ 1)アルカリ化によるケン化 2)アセトンによる脱乳化 3)有機溶媒による抽出をも含む、請求項1に記載のN
LEJの抽出および精製法。 - 【請求項6】前記のNLEJの抽出に用いる有機溶媒が
アセトンである、請求項5に記載の方法。 - 【請求項7】前記のNLEJの精製に使用するアルカリ
性ケン化が、NaOHまたはKOHのアルカリ剤を用い
た方法である、請求項5に記載の方法。 - 【請求項8】NLEJの精製に用いる抽出が石油エーテ
ルの有機溶媒を用いる方法である、請求項5に記載の方
法。 - 【請求項9】必要ならば、下記の段階: 1) アルカリ性ケン化および脱乳化の間にエマルジョ
ンを熱水で洗浄する段階、および/または 2) 有機溶媒によりNLEJを抽出した後に加える吸
収および脱色の段階、および/または 3) 有機溶媒によりNLEJを抽出した後に加える熱
水による洗浄の段階、も含む、請求項5に記載のNLE
Jの精製方法。 - 【請求項10】請求項1に記載のNLEJ、乳化剤およ
び蒸留水を含んで成る、抗腫瘍作用を有する製薬組成
物。 - 【請求項11】前記の組成物が、 NLEJ 有効量 乳化剤 適量 等浸透性剤 適量 蒸留水 適量 である、請求項10に記載の製薬組成物。
- 【請求項12】前記の組成物が、 NLEJ 5〜25g 大豆または卵のレシチン 0.3〜3.0g グリセロール 1.25〜6g 蒸留水 適量を加えて総量を100
mlとする である、請求項10に記載の製薬組成物。 - 【請求項13】前記の組成物が、 NLEJ 10 g 注射用大豆レシチン 1.5g 注射用グリセロール 2.5g 注射用水 適量を加えて総量を100m
lとする である、請求項10に記載の製薬組成物。 - 【請求項14】前記の組成物が他の抗腫瘍薬を含んで成
る、請求項10に記載の製薬組成物。
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