JPH06206961A - 縮合系樹脂粒子分散体の製造法 - Google Patents

縮合系樹脂粒子分散体の製造法

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JPH06206961A
JPH06206961A JP5001777A JP177793A JPH06206961A JP H06206961 A JPH06206961 A JP H06206961A JP 5001777 A JP5001777 A JP 5001777A JP 177793 A JP177793 A JP 177793A JP H06206961 A JPH06206961 A JP H06206961A
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JP
Japan
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dispersion
compound
polyol
aldehyde
hydroxyl group
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JP5001777A
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English (en)
Inventor
Jiyunichi Tayanagi
順一 田柳
Teruo Takakura
輝夫 高倉
Takao Doi
孝夫 土居
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃性のポリウレタンを製造できる原料とし
て使用でき、分散安定性が良好でしかも低粘度の縮合系
樹脂粒子分散体を提供する。 【構成】 アルデヒド類と縮合しうる化合物とアルデヒ
ド類またはそれらの初期縮合物を分散媒中で反応させ微
細な縮合系樹脂粒子を析出させてなる縮合系樹脂粒子分
散体の製造方法において、分散媒として、下記(1)式
で表されるブロックポリエーテル(a)、 R1 −O−R2 −O−R3 −X (1) R1 :炭素数1〜10のアルキル基もしくはアリール
基、 R2 ,R3 :ポリエーテルジオールの水酸基を除いた残
基、 X:−OH,−Z−R1 (Zはエーテル、エステル、も
しくはウレタン結合、R1 は上記と同意義)、および活
性水素化合物(b)の混合物を主成分として使用するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリウレタン製造用に適
した縮合系樹脂分散体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリウレタン原料用のポリオール
として、ポリマーポリオール或はグラフトポリオール等
と呼ばれるものが知られている。これは、ポリエーテル
ポリオールや不飽和ポリオール等のポリオールの分子鎖
に付加重合系の重合体がグラフトしているか、またはポ
リオール中に付加重合体やその他の重合体が単に分散し
ているものである。この種のポリマーポリオールの製法
としては、液状ポリオール中でアクリロニトリルやスチ
レン等のビニルモノマーを重合させる方法、予め製造し
たビニルポリマー等の重合体をポリオール中に単に分散
させる方法、或はこの分散させた重合体を次いでポリオ
ールにグラフトさせる方法等が知られている。このよう
な従来のポリマーポリオール中の重合体はほとんどの場
合ビニルポリマーであり、熱可塑性樹脂の一種である。
ビニルポリマー以外のポリマーとしては例外的に線状ポ
リエステル等が知られており、これをポリオール中に分
散させることによってポリマーポリオールが得られてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、アミノ樹脂初期
縮合物をポリウレタン原料用のポリオールとして使用す
ることは公知であった。この場合、アミノ樹脂初期縮合
物はメチロール基等のイソシアネート基と反応しうる水
酸基を有し、この初期縮合物とポリイソシアネート化合
物との反応によってポリウレタンフォーム等のポリウレ
タンが得られていた(特開昭53−16798号公報参
照)。さらにアミノ樹脂初期縮合物と通常のポリウレタ
ン原料用ポリオールを混合したポリオール混合物を用い
てポリウレタンフォームを製造することも公知であり
(特開昭52−153000号公報参照)、この場合ア
ミノ樹脂初期縮合物をポリオール中で製造することも公
知である(特開昭54−101848号公報参照)。こ
のアミノ樹脂初期縮合物を含むポリオールはポリマーポ
リオールの一種とは認めがたいものである。即ち、アミ
ノ樹脂初期縮合物はメチロール基等の水酸基を含む比較
的低分子量のポリオールの一種でありポリマーポリオー
ルにおけるポリオールと認めうるほどの高分子量ポリマ
ーではない。したがって、ポリマーポリオールの特徴で
あるポリウレタンフォームの高弾性化等の効果を発揮さ
せることが困難であるばかりでなくその用途も硬質ウレ
タンフォーム用の原料に限られるものであった。
【0004】さらに、架橋した高分子量の縮合系樹脂の
粉末を充填剤としてポリウレタンに充填することも知ら
れているが、この充填剤はポリオール中に安定的に分散
させることは困難であり、ポリマーポリオールのように
安定な分散液とすることはできなかった。勿論、この充
填剤は充填剤としての効果、即ち増量や難燃化剤として
の効果以上のポリウレタンの物性を改良する効果はなく
目的としているポリマーポリオールと代替しかつそれよ
りも更に新しい或はより向上した効果を発揮させること
は不可能であった。さらに特公昭57−14708号公
報ではポリヒドロキシ化合物中でアミノプラスト形成可
能な物質の縮合を行なわせ、アミノプラスト縮合物の分
散体を製造する方法が述べられているが、この方法で
は、ポリヒドロキシ化合物が、アミノプラスト出発物質
あるいはそれらの溶液(特に水溶液)と完全には相溶性
がなく、又アミノプラスト形成物質とも相溶性がないた
めに均一な反応制御が困難であり、樹脂粒子の完全に安
定な分散体は得ることはできず、又粒度の高いものしか
得られていない。またポリヒドロキシ化合物も水とある
程度相溶性を持つようにある濃度のエチレンオキシド連
鎖を含有するものに制限される傾向にある。また容易に
は沈降し難いアミノプラスト縮合物粒子を水及び/又は
有機溶媒を主成分とする分散媒中で生成させ、後にポリ
ヒドロキシ化合物で置換する方法もあるが(特開平2−
91116号公報)、この方法でもアミノプラスト縮合
物粒子の生成制御が困難な物質があり、高度な製造技術
が必要とされるものであった。
【0005】また、特開昭51−122153号公報に
は沈降性粒子を形成し、これをポリオール等に配合する
方法が記載されている。しかし、この場合は粒子径が大
きく、ポリオール中で沈降しやすい。このような縮合系
樹脂粒子の分散安定性を向上するには粒子径を小さくす
る必要があるが、一方で粒子径を小さくすると沈降し難
く、粒子のろ過分離等が困難になる問題があった。本発
明は、以上説明したポリウレタン原料としての従来の重
合体を含むポリオールにおける種々の問題点を解決し
て、難燃性のポリウレタンを製造できる原料として使用
でき、分散安定性が良好でしかも低粘度の縮合系樹脂分
散体を製造する新規な方法を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、アル
デヒド類と縮合しうる化合物とアルデヒド類またはそれ
らの初期縮合物を分散媒中で反応させ微細な縮合系樹脂
粒子を析出させてなる縮合系樹脂粒子分散体の製造法に
おいて、分散媒として、下記(1)式で表されるブロッ
クポリエーテル(a)、 R1 −O−R2 −O−R3 −X (1) R1 :炭素数1〜10のアルキル基もしくはアリール
基、 R2 ,R3 :ポリエーテルジオールの水酸基を除いた残
基、 X:−OH,−Z−R1 (Zはエーテル、エステル、も
しくはウレタン結合、R1 は上記と同意義)、および活
性水素化合物(b)の混合物を主成分として使用するこ
とを特徴とする縮合系樹脂粒子分散体の製造法を提供す
るものである。
【0007】本発明における活性水素化合物(b)とし
ては、例えば多価アルコール等のポリヒドロキシ化合物
やアミン類、リン酸等の活性水素含有化合物にアルキレ
ンオキシドを付加したポリエーテルポリオール、環状エ
ーテル重合体からなるポリエーテルポリオールを用い、
特に、ブロックポリエーテル(a)が活性水素を有する
場合には、該ブロックポリエーテル(a)とは異なるも
のを用いる。具体的には、グリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビ
トール、デキストロース、シュークロース、その他の多
価アルコール、ジエタノールアミン、ビスフェノール
A、フェノール−ホルムアルデヒド縮合物、その他の多
価フェノール、エチレンジアミン、ジアミノジフェニル
メタン、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピ
クロルヒドリンその他のアルキレンオキシド、さらには
スチレンオキシドやグリシジルエーテルなどのエポキシ
ドを付加したポリエーテルポリオールや、テトラヒドロ
フラン重合体などのポリエーテルポリオールがある。こ
れらは2種以上併用することもできる。好ましいポリエ
ーテルポリオールはOH基1個当りの分子量100〜5
000のポリエーテルポリオールであり、水酸基数2〜
8のポリエーテルポリオールが好ましい。
【0008】本発明におけるブロックポリエーテル
(a)は、式(1)に表されるような構造を有するもの
を用いる。この中で、R2 およびR3 は水酸基1個当り
の分子量が活性水素化合物(b)の活性水素基1個当り
の分子量より100以上、特に300以上大きいこと
が、生成縮合系樹脂粒子の分散安定性の面で好ましい。
また、R2 もしくはR3 が、ポリエチレングリコールか
ら水酸基を除いた残基であり、ポリエチレングリコール
から水酸基を除いた残基のブロックポリエーテル(a)
中の含有量が10〜80重量%であることが、やはり分
散安定性の面で好ましい。ブロックポリエーテル(a)
のXは、水酸基もしくはこの水酸基の反応性を利用した
任意の置換基を導入することができるが、反応の容易さ
から、水酸基そのまま、もしくはエーテル置換反応によ
るエーテル化、酸ハライドによるエステル化、イソシア
ネートによるウレタン化などが好ましい。本発明の生成
縮合系樹脂の分散体から得られるポリウレタンの物性面
を考慮すると、特に水酸基であることが好ましい。
【0009】本発明に係わる縮合系樹脂の形成原料の1
つはアルデヒド類である。アルデヒド類としては脂肪
族、脂環族、芳香族、複素環アルデヒド化合物、その他
のアルデヒド類やこれらの縮合体やアルデヒド類を発生
しうる化合物などの誘導体を単独で又は併用して使用で
きる。好ましいアルデヒド類は低級脂肪族アルデヒド、
特に好ましくは炭素数4以下の脂肪族アルデヒド及びそ
の誘導体であり、例えば、ホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、
イソブチルアルデヒド、パラホルムアルデヒド、パラア
セトアルデヒド等があり、好ましくはホルムアルデヒド
である。これらアルデヒド類は溶媒に溶解して使用する
こともでき、特に好ましい溶媒は水であるが、これに限
定されるものではない。本発明においてはホルムアルデ
ヒドの水溶液すなわちホルマリンを使用することが特に
好ましい。
【0010】縮合系樹脂の他の形成原料はアルデヒド類
と縮合して固体の縮合系樹脂を形成しうる化合物(以下
アルデヒド縮合性化合物という)であり、これはアルデ
ヒド類と反応しうる位置(以下、反応部位という)を基
本的には2つ必要とする。反応部位は芳香族における水
素が結合した酸素原子、またはアミノ基もしくはアミド
基などにおける水素が結合した窒素原子が代表的なもの
である。芳香族の反応部位としては特に、水酸基やアミ
ノ基が結合した芳香族のオルト位またはパラ位が好まし
く、この反応部位を2以上有する。つまりこの部位に置
換基を有しないものが適当であり、アミノ基やアミド基
を有する化合物としては基本的にはそれらの基を2以上
有するポリアミン化合物が適当である。したがってアル
デヒド縮合性化合物としてはフェノール類、芳香族アミ
ン類等の芳香族系化合物と、尿素、グアニジン化合物そ
の他のポリアミン化合物が好ましい。これらのアルデヒ
ド類と反応しうる化合物は2種以上を組み合わせて使用
することもできる。また、これらとともに反応部位を1
つのみ有する化合物を併用することもできる。
【0011】上記芳香族系化合物のうちフェノール類と
しては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノー
ル、P−アルキルフェノール、P−フェニルフェノー
ル、ビスフェノールA、レゾルシン等が挙げられ、特に
好ましくはフェノールであり、芳香族アミンとしては例
えばアニリン、ジアミノベンゼン、P−アルキルアニリ
ン、N−置換アルキルアニリン、ジフェニルアミン、ジ
アミノジフェニルメタン、などがあり、フェノール系化
合物と同様に単独または2種以上を組み合わせて使用す
ることもできる。
【0012】芳香族アミンのアミノ基やアミド基はそれ
自身もまた反応部位であるので、次に示すジアミン系化
合物の1種と見なすことができる場合もあり、又芳香族
のアミノ基やアミド基以外の反応性部位は1つであって
もよい。特に好ましい芳香族系化合物としては上記の化
合物に限定される物ではなく、例えばベンゼンやキシレ
ンなどの芳香族炭化水素もその他の化合物も使用でき
る。更にフェノール類と芳香族アミン類を組み合わせて
使用することもでき、またそれらの少なくとも1つと更
に他の芳香族系化合物を組み合わせることもできる。
【0013】ポリアミン化合物としては、アミノ基やア
ミド基を基本的には2以上有する化合物、中でも2以上
のアミノ基を有する化合物が好ましく、例えば、尿素、
チオ尿素、N−アルキル置換尿素等の尿素類、メラミ
ン、N−アルキル置換メラミン等のメラミン化合物やベ
ンゾグアナミン、アセトグアナミン等のグアナミン化合
物で代表される2以上のアミノ基を有するS−トリアジ
ン類、グアニジン置換グアニジン、塩酸アミノグアニジ
ン、ジシアンジアミド等のグアニジン類が好ましく、こ
れらのうち特に好ましいものは尿素、メラミン、ベンゾ
グアナミンである。これらのポリアミン化合物は2種以
上の併用、例えば、尿素−チオ尿素、尿素−メラミン、
尿素−ベンゾグアナミン、尿素−メラミン−ベンゾグア
ナミン、メラミン−ジシアンジアミド等の組合せでも使
用できる。また、上記ポリアミン化合物と上記芳香族系
化合物を組み合わせて使用することもでき、このような
組合せとして例えばフェノール−尿素、フェノール−メ
ラミン、アニリン−尿素、アニリン−メラミン、フェノ
ール−アニリン−メラミン、フェノール−尿素−メラミ
ンその他の組合せが挙げられる。
【0014】さらにアルデヒド縮合性化合物として、上
記の外にケトン樹脂の原料として公知のケトン系化合物
も用い得る。また、以上説明したアルデヒド類との反応
部位を少なくとも2つ有する化合物は、反応部位が1つ
の化合物や、それ自身は部位を2つ以上有するような化
合物、例えばジアルカノールアミン、モノアルカノール
アミン、脂肪族系アミン等と併用することもできる。ま
た、本発明においては、アルデヒド縮合性化合物とアル
デヒド類の初期縮合物、例えばジメチロール尿素、ヘキ
サメチロールメラミン、ヘキサメトキシジメチルメラミ
ン等を形成原料として用いることもできる。
【0015】縮合系樹脂粒子を生成させるための反応に
おける、アルデヒド縮合性化合物とアルデヒド類の割合
は理論的に縮合系樹脂が生成する割合を含む割合である
限りに特に制限はない。たとえ、未反応のアルデヒド縮
合性化合物が残ってもその量が過大でない限り生成分散
体中に含まれてもよく、未反応アルデヒドは分散媒除去
時に除去できるからである。好ましくは、アルデヒド縮
合性化合物100重量部に対してアルデヒド類5〜50
0重量部、特に10〜200重量部使用される。
【0016】この反応で生成する縮合系樹脂は、従来か
らフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の縮合系
熱硬化性樹脂として公知のものの硬化物と類似または同
一であると考えられ、その生成反応も又同様であると考
えられる。アルデヒドとしてホルムアルデヒトを用いた
場合を例に取れば、アルデヒド縮合性化合物とホルムア
ルデヒトは反応初期段階においては付加縮合することに
より、種々のメチロール基含有化合物を生成する。本発
明の形成原料の一つとする前記の初期縮合物はこの段階
のメチロール付加化合物に相当しているわけである。こ
の後、該メチロール基含有化合物が脱水縮合することに
より、メチロール基がメチレン基になり、縮合して三次
元的に架橋した溶媒に不溶不融の縮合系樹脂になると考
えられる。
【0017】本発明は、縮合反応を、基本的に終了させ
ておくことを特徴の一つとする方法である。本発明で得
られる縮合系樹脂微粒子の粒子系は0.01〜5μの範
囲が好ましく、特に好ましくは0.1〜2μの範囲内で
ある。これは、5μを越えるとポリオール等の含活性水
素化合物中で沈降しやすいためである。この縮合系樹脂
微粒子は静置した場合に少なくとも1カ月間、好ましく
は2カ月以上、実質的に沈降しないものであることが好
ましい。
【0018】以下に、この縮合性樹脂化合物を得る行程
を更に具体的に説明する。アルデヒド縮合性化合物とア
ルデヒド類は常温〜加温下及び/または加圧下に反応す
る。比較的に低温ではアルデヒド類が付加したメチロー
ル基含有化合物や低分子量縮合物が生成し易く、比較的
高温ではメチロール基等の脱水反応によるメチレン架橋
やジメチレンエーテル結合等が生成し易いと考えられて
いる。勿論、生成する化合物は反応温度のみに関係する
ものではなく、各種構成単位の仕込比や触媒等の添加剤
の存在pH等によって変化する。しかし反応温度のみを
考慮すれば、本発明に於て反応の前段では比較的低温
で、反応の後段では比較的高温で反応を行うことが好ま
しい。特に反応の後段の比較的高温はメチロール基等の
ヒドロキシアルキル基の縮合反応が起きるため必要であ
ることが多い。従って反応の前段では約80℃以下の温
度で、後段では前段よりも10℃以上高温でかつ約60
℃以上の温度で反応させることが好ましい。反応の後段
での上限温度は含活性水素化合物の分解や縮合系樹脂生
成反応以外の副反応が起こり難い温度であることが好ま
しく、例えば80℃〜200℃程度の温度が好ましい。
【0019】比較的低温で縮合反応を進行させるために
塩酸、酢酸のような酸、NaOH、トリエチルアミンの
ような塩基を触媒として用いることもできる。また縮合
系樹脂粒子の安定性を増すために、縮合反応時に界面活
性剤等の粒子分散安定剤を少量添加しておくことも効果
がある。さらにヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤、
分散安定剤、着色剤等の種々の添加剤の存在下に反応さ
せることもできる。ポリウレタンの原料として使用され
る含活性水素化合物が比較的多量の水を含むことは好ま
しくない。従って、本発明においてもアルデヒドの水溶
液などが使用されて系内に水が存在している場合には反
応終了後その水は除去される必要がある。通常は加熱あ
るいは減圧下で水を除去することができる。本発明の分
散体における縮合系樹脂の分散量は、縮合系樹脂が安定
に分散している限り特に制限はないが、過剰になると分
散安定性が低下し高粘度となる。通常の場合該分散体中
の縮合系樹脂微粒子の含有量は、好ましくは80重量%
以下、特に好ましくは50重量%以下である。下限は特
にないが、本発明の分散体のポリウレタン製造における
効果を発揮するためには、該分散体中に縮合系樹脂微粒
子が少なくとも2重量%、特に5重量%程度は存在する
ことが好ましい。
【0020】以上により得られる本発明の縮合系樹脂分
散体は好ましくは粒子径0.1〜5μの縮合系樹脂粒子
が分散した白色ないしは着色の半透明ないしは不透明な
粘性液体である。また、本分散体は静置状態で少なくと
も約1カ月間、特に少なくとも2カ月間分離を起こすこ
とがないものが好ましいが、勿論この時間に限定される
ものではない。本発明品がこのような分散安定性に優れ
る理由としては、縮合系樹脂微粒子の系が微細かつ均一
であるためと推定できる。前記のように本発明の分散体
においては縮合系樹脂は充分に縮合が進行したものであ
るため、メチロール基等の水酸基を含む官能基を殆ど有
していないので、分散体の水酸基価は最終分散媒である
含活性水素化合物のそれに比較して、大幅に高くなるこ
とはなく、縮合系樹脂の含有量に比例して含活性水素化
合物の水酸基価より低下するので、分散体の水酸基価は
含活性水素化合物のそれの1.2倍以下、特に同等以下
が好ましい。ただし、アルデヒド縮合性化合物として、
フェノール系化合物等の水酸基含有化合物を用いた場合
等では、分散体の水酸基価が含活性水素化合物の水酸基
価より高くなることも有り得る。なお、公知のアミノ樹
脂初期縮合物含有ポリオールの場合、用いたポリオール
の水酸基価がアミノ樹脂初期縮合物のそれより高けれ
ば、分散体ポリオールの水酸基価は元のポリオールのそ
れより低くなるが、ジメチロール尿素やホリメチロール
メラミン等の水酸基価が約600以上と高いものをアミ
ノ樹脂初期縮合物の構成成分とする時には、これに低水
酸基価(即ち高分子量)のポリオールを用いて分散体と
したものは、該ポリオールの水酸基価より大幅に高い水
酸基価のものになる。
【0021】以上説明した製法で得られる本発明の縮合
系樹脂分散体はポリウレタン製造における主原料の含活
性水素化合物の一部または全部として使用するのに適し
たものである。また、比較的低分子量の含活性水素化合
物を含む本発明の縮合系樹脂分散体は、ポリウレタンの
副原料である架橋剤の一部または全部としても使用でき
る。従来のポリマーポリオールはポリウレタンの難燃性
をむしろ低下させていたのに対し、本発明の縮合系樹脂
はポリウレタンの難燃性を向上させる。特にフェノール
系化合物、尿素系化合物、メラミン系化合物あるいはグ
アナミン系化合物、グアナジン系化合物を主として使用
した本発明の縮合系樹脂分散体はポリウレタンの難燃性
向上に特に有効である。従って、本発明はまた縮合系樹
脂分散体の利用にも関するもので、有機イソシアネート
化合物と反応しうる活性水素基を2個以上含有する含活
性水素化合物及びポリイソシアネート化合物を原料とす
るポリウレタンを製造する方法において、該含活性水素
化合物の一部または全部として本発明の縮合系樹脂分散
体を用いることを特長とするポリウレタンの製造方法を
提供できるものである。ポリウレタンの基本原料とする
ポリオールとしては、一般的には水酸基1個当り分子量
が300〜3000の高分子量ポリオール、特に水酸基
1個当りの分子量が500〜3000で分子中の水酸基
数2〜8個のポリエーテルポリオールが用いられ、硬質
ポリウレタンフォーム用としては上記より低分子量のポ
リオールが用いられている。従って、本発明の縮合系樹
脂分散体をポリウレタンの原料の一部として使用する場
合、これと併用する他のポリオールとしては、上記した
従来使用されている高分子量ポリオールが適当である。
ポリウレタンの製造において、ポリオールとポリイソシ
アネート化合物の基本原料にさらに多価アルコール、ア
ルカノールアミン、ポリアミン等の2以上の活性水素を
含み、比較的低分子量の活性水素含有化合物からなる架
橋剤が使用される場合がある。前記縮合系樹脂分散体特
に低分子量ポリオールを使用して得られる縮合系樹脂分
散体はこの架橋剤の一部あるいは全部として使用するこ
とができる。
【0022】本発明におけるポリウレタンとしては、ポ
リウレタンフォームが最も適当である。前記本発明の縮
合系樹脂分散体は従来のポリマーポリオールと同様に使
用して性能の高いポリウレタンフォームを得ることがで
きる。ポリウレタンフォームの製造においては、発泡剤
の使用が通常必要である。発泡剤としては、水やトリク
ロロジフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、塩
化メチレンその他のハロゲン化炭化水素が使用される。
さらにポリウレタンフォームの製造において多くの場合
必要とされる成分は整泡剤である。整泡剤としては、ポ
リ(ジアルキルシラン)、ポリオキソアルキレン鎖含有
シランその他の有機ケイ素化合物が適当であるが、フッ
素系界面活性剤が使用できる場合もある。フォーム或は
非フォームのポリウレタンの製造においては通常触媒が
使用される。触媒としては種々の三級アミンその他のア
ミン系化合物や有機スズ系化合物等が単独または併用し
て使用される。その他のフォーム或は非フォームのポリ
ウレタンの原料として種々の添加剤、例えば安定剤、充
填剤、強化剤、着色剤、離型剤、架橋剤、鎖延長剤、難
燃剤を使用することができる。
【0023】ポリウレタンの他の基本原料はポリイソシ
アネート化合物である。ポリイソシアネート化合物とし
ては、少なくとも2個のイソシアネート基を有する芳香
族系、脂肪族系、脂環族系、複素環族系等の化合物を単
独または併用して使用でき、特に芳香族系のポリイソシ
アネート化合物の使用が好ましい。具体的なポリイソシ
アネート化合物を列記すれば、例えばトリレンジイソシ
アネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネー
ト、キシルレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート等がある。ポリイソシアネート化合
物はまた種々の方法或は化合物で変性した変性ポリイソ
シアネート化合物として使用することができ、更に種々
の化合物でブロックしたブロックイソシアネート化合物
として使用することもできる。これら原料を使用してポ
リウレタンを製造する方法は特に限定されるものではな
く、例えばワンショット法、プレポリマー法、RIM法
等の方法を用いることができる。本発明において分散安
定性が良好で、かつ低粘度な縮合系樹脂分散体が得られ
る作用機構は必ずしも明確ではないが、縮合系樹脂粒子
が微細で均一であることと、ポリオールとは基本的に反
応せずに独立に存在している粒子が多いためと推定でき
る。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、各例中の部は重量部を意味する。なお、本発明は
これらの実施例により限定されるものではない。 参考例1 n−ブタノールを開始剤とした分子量3000のポリオ
キシプロピレンモノオールにエチレンオキサイドを付加
し、分子量を4000としたポリオキシエチレンプロピ
レンモノオールを得た。
【0025】参考例2 分子量1000のポリオキシエチレンモノオールに、プ
ロピレンオキサイドを付加し分子量4000のポリオキ
シエチレンプロピレンモノオールを得た。
【0026】実施例1 メラミン50部、35%ホルムアルデヒド水溶液70
部、参考例1のブロックポリエーテル30部および分子
量3000のポリオキシエチレンプロピレントリオール
120部を反応器に仕込み、80℃に昇温し2時間攪拌
を続けた後、さらに100℃で2時間反応させた。系中
の水を100℃で除去して、白色の粘性な乳濁液を得
た。水酸基価は36.7、粘度は2100cp(25
℃)であった。このポリオール中の固体粒子は、2カ月
以上全くポリオールと分離することなく安定に分散して
いることが判った。
【0027】実施例2 実施例1で使用した参考例1のブロックポリエーテルの
代わりに、参考例2のブロックポリエーテルを使用し
て、実施例1と同様に反応させた。白色の粘性な乳濁液
が得され、水酸基価は37.8、粘度は2500cp
(25℃)であった。このポリオール中の固体粒子は、
2カ月以上全くポリオールと分離することなく安定に分
散していることが判った。
【0028】比較例1 実施例1のブロックポリエーテルを全く使用せず、分子
量3000のポリオキシプロピレントリオールを150
部用いる以外は、実施例1と同様に合成し、白色の粘性
な乳濁液を得たが、粒子径が大きく合成直後に一部沈澱
が観察され、分散安定性の非常に悪いものであった。
【0029】実施例3 尿素30部、ジシアンジアミド10部、35%ホルムア
ルデヒド水溶液80部、参考例1のブロックポリエーテ
ル24部および分子量3000のポリオキシプロピレン
トリオール96部を反応器に仕込み、80℃に昇温し2
時間攪拌を続けた後、さらに100℃で2時間反応させ
た。系中の水を100℃で除去して、白色の粘性な乳濁
液を得た。水酸基価は37.2、粘度は3000cp
(25℃)であった。このポリオール中の固体粒子は、
2カ月以上全くポリオールと分離することなく安定に分
散していることが判った。
【0030】比較例2 実施例3のブロックポリエーテルを全く使用せず、分子
量3000のポリオキシプロピレントリオールを120
部用いる以外は、実施例3と同様に合成し、白色の粘性
な乳濁液を得たが、粒子径が大きく合成直後に一部沈澱
が観察され、分散安定性の非常に悪いものであった。
【0031】
【発明の効果】本発明の分散安定剤を用いることによ
り、従来縮合系樹脂を安定に分散させることが、困難で
あった系についても安定な分散体を得ることができるよ
うになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 65/32 NQJ 9167−4J

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルデヒド類と縮合しうる化合物とアル
    デヒド類またはそれらの初期縮合物を分散媒中で反応さ
    せ微細な縮合系樹脂粒子を析出させてなる縮合系樹脂粒
    子分散体の製造法において、分散媒として、下記(1)
    式で表されるブロックポリエーテル(a)、 R1 −O−R2 −O−R3 −X (1) R1 :炭素数1〜10のアルキル基もしくはアリール
    基、 R2 ,R3 :ポリエーテルジオールの水酸基を除いた残
    基、 X:−OH,−Z−R1 (Zはエーテル、エステル、も
    しくはウレタン結合、R1 は上記と同意義)、および活
    性水素化合物(b)の混合物を主成分として使用するこ
    とを特徴とする縮合系樹脂粒子分散体の製造法。
  2. 【請求項2】 活性水素化合物(b)が、水酸基数2〜
    8のポリエーテルポリオールであり、水酸基1個当りの
    分子量が100〜5000である請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 ブロックポリエーテル(a)のR2 ,R
    3 がポリエーテルジオールの水酸基を除いた残基であ
    り、R2 ,R3 の分子量の合計の半分が活性水素化合物
    (b)の活性水素基1個当りの分子量より100以上大
    きい請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ブロックポリエーテル(a)のR2 ,R
    3 のどちらかが、ポリエチレングリコールから水酸基を
    除いた残基であり、ポリエチレングリコールから水酸基
    を除いた残基のブロックポリエーテル(a)中の含有量
    が10〜80重量%である請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 活性水素化合物(b)100重量部に対
    するブロックポリエーテル(a)の使用量が、0.1〜
    20重量部である請求項1または3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 得られる縮合系樹脂分散体中の縮合系樹
    脂粒子の含有量が、5〜80重量%である請求項1また
    は3に記載の方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011118147A1 (ja) * 2010-03-25 2011-09-29 住友ベークライト株式会社 固形レゾール型フェノール樹脂およびその製造方法

Cited By (3)

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WO2011118147A1 (ja) * 2010-03-25 2011-09-29 住友ベークライト株式会社 固形レゾール型フェノール樹脂およびその製造方法
JPWO2011118147A1 (ja) * 2010-03-25 2013-07-04 住友ベークライト株式会社 固形レゾール型フェノール樹脂およびその製造方法
US8742056B2 (en) 2010-03-25 2014-06-03 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. Solid resol-type phenolic resin and method of manufacturing the same

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