JPH06206776A - 溶射用耐火粉末 - Google Patents
溶射用耐火粉末Info
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- JPH06206776A JPH06206776A JP3208982A JP20898291A JPH06206776A JP H06206776 A JPH06206776 A JP H06206776A JP 3208982 A JP3208982 A JP 3208982A JP 20898291 A JP20898291 A JP 20898291A JP H06206776 A JPH06206776 A JP H06206776A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 焼結マグネシアクリンカー、電融マグネシア
クリンカー、焼結スピネル、ドロマイトクリンカー、ラ
イムクリンカー、アルミナ、クロマイト、シャモットの
1種又はそれらの組合わせと、頁岩又は真珠岩を混合し
た耐火材料からなることを特徴とする溶射用耐火粉末。 【効果】 本発明は転炉等の補修材として使用した時、
従来のものに比較して付着性、接着性及び侵食量のいず
れの点においても格段に優れている。所望の耐火粉末を
安価に製造できる。
クリンカー、焼結スピネル、ドロマイトクリンカー、ラ
イムクリンカー、アルミナ、クロマイト、シャモットの
1種又はそれらの組合わせと、頁岩又は真珠岩を混合し
た耐火材料からなることを特徴とする溶射用耐火粉末。 【効果】 本発明は転炉等の補修材として使用した時、
従来のものに比較して付着性、接着性及び侵食量のいず
れの点においても格段に優れている。所望の耐火粉末を
安価に製造できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は転炉その他の窯炉の炉
壁補修材等として使用するのに適した溶射用耐火粉末に
関するものである。
壁補修材等として使用するのに適した溶射用耐火粉末に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】特公昭60−53273号公報には、M
gOを主成分とする粉末状の耐火材をフラックスと共に
火炎により溶射して炉壁に溶射層を形成する窯炉の火炎
射補修方法が開示されている。
gOを主成分とする粉末状の耐火材をフラックスと共に
火炎により溶射して炉壁に溶射層を形成する窯炉の火炎
射補修方法が開示されている。
【0003】特公昭63−53153号公報には、アル
ミニウム化合物とマグネシウム化合物を適当に調合して
1000〜1650℃で焼成した後に平均粒径30〜1
00μmに粉砕するスピネル質溶射材が開示されてい
る。
ミニウム化合物とマグネシウム化合物を適当に調合して
1000〜1650℃で焼成した後に平均粒径30〜1
00μmに粉砕するスピネル質溶射材が開示されてい
る。
【0004】特公昭61−10418号公報には、平均
粒径10μ以下の耐火材料からなる一次粒子を有機質バ
インダによって結合した平均粒径30〜500μmの二
次粒子を構成した組織からなる溶射材料が開示されてい
る。
粒径10μ以下の耐火材料からなる一次粒子を有機質バ
インダによって結合した平均粒径30〜500μmの二
次粒子を構成した組織からなる溶射材料が開示されてい
る。
【0005】また、特開昭61−186258号公報に
は、粒径200〜10μmに調整された高融点耐火材料
粉末の粒子表面を平均粒径10〜0.1μmの易焼結性
酸化物超微粉末で被覆した火炎溶射用耐火粉末が開示さ
れている。
は、粒径200〜10μmに調整された高融点耐火材料
粉末の粒子表面を平均粒径10〜0.1μmの易焼結性
酸化物超微粉末で被覆した火炎溶射用耐火粉末が開示さ
れている。
【0006】さらに、特開昭61−118131号公報
には、無機組成粉末を燃焼域で溶融して溶融粒子とし、
それらを冷却域で急速に冷却し、融着を防止して独立の
球状粒子にする粒子製造用燃焼炉装置が示されている。
には、無機組成粉末を燃焼域で溶融して溶融粒子とし、
それらを冷却域で急速に冷却し、融着を防止して独立の
球状粒子にする粒子製造用燃焼炉装置が示されている。
【0007】従来、窯炉用の炉壁補修材として使用され
る耐火粉末は、アルミナ、クロム、マグネシア等を主成
分にして溶融性を高め、作業性や接着性を改善するため
に耐火材料を加熱処理して造粒化し、比表面積を拡大し
たり、転炉スラグや鉄粉を添加したり、あるいは耐火材
料表面への低融物の被覆等の処理を施してきた。
る耐火粉末は、アルミナ、クロム、マグネシア等を主成
分にして溶融性を高め、作業性や接着性を改善するため
に耐火材料を加熱処理して造粒化し、比表面積を拡大し
たり、転炉スラグや鉄粉を添加したり、あるいは耐火材
料表面への低融物の被覆等の処理を施してきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
造粒化や耐火材料表面への被覆等の処理は、溶射材料の
製造コストの増加を招く欠点がある。
造粒化や耐火材料表面への被覆等の処理は、溶射材料の
製造コストの増加を招く欠点がある。
【0009】そこで、本発明は、容易かつ安価に製造で
き、しかも耐食性に優れた溶射用耐火粉末を提供するこ
とを目的としている。
き、しかも耐食性に優れた溶射用耐火粉末を提供するこ
とを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、焼結マグネシ
アクリンカー、電融マグネシアクリンカー、焼結スピネ
ル、ドロマイトクリンカー、ライムクリンカー、アルミ
ナ、クロマイト、シャモットの1種又はそれらの組合わ
せと、頁岩又は真珠岩を混合した耐火材料からなること
を特徴とする溶射用耐火粉末を要旨としている。
アクリンカー、電融マグネシアクリンカー、焼結スピネ
ル、ドロマイトクリンカー、ライムクリンカー、アルミ
ナ、クロマイト、シャモットの1種又はそれらの組合わ
せと、頁岩又は真珠岩を混合した耐火材料からなること
を特徴とする溶射用耐火粉末を要旨としている。
【0011】頁岩又は真珠岩の粒度範囲は好ましくは5
00〜25μmに調整する。
00〜25μmに調整する。
【0012】
【作用】本発明においては、焼結マグネシアクリンカ
ー、電融マグネシアクリンカー、焼結スピネル、ドロマ
イトクリンカー、ライムクリンカー、アルミナ、クロマ
イト、シャモットの1種又はそれらの組合せを耐火原料
として使用し、しかも、頁岩又は真珠岩を混合している
ので、後述する頁岩又は真珠岩の特異な熱膨張曲線がそ
のような耐火原料に相乗的に作用して、溶射用耐火粉末
として良好な結果をもたらす。
ー、電融マグネシアクリンカー、焼結スピネル、ドロマ
イトクリンカー、ライムクリンカー、アルミナ、クロマ
イト、シャモットの1種又はそれらの組合せを耐火原料
として使用し、しかも、頁岩又は真珠岩を混合している
ので、後述する頁岩又は真珠岩の特異な熱膨張曲線がそ
のような耐火原料に相乗的に作用して、溶射用耐火粉末
として良好な結果をもたらす。
【0013】本発明は、頁岩又は真珠岩の熱的特性を巧
みに利用したものであり、炉壁煉瓦への接着性や溶融層
の緻密化を向上させるものである。骨材原料と頁岩又は
真珠岩を混合した溶射材料は、火炎中を通過するときに
火炎により頁岩又は真珠岩の異常膨脹が始まり、比表面
積が拡大し、溶融性に富む状態となる。その結果、比表
面積が小さく溶着性に欠ける炉壁に骨材を容易に付着さ
せることが可能となる。すなわち、造粒化等の前処理に
よって比表面積を拡大したものを溶射するのではなく、
異常膨脹で全面に広がった頁岩又は真珠岩の溶融面に骨
材粒子を溶着させて付着性を向上させるのである。
みに利用したものであり、炉壁煉瓦への接着性や溶融層
の緻密化を向上させるものである。骨材原料と頁岩又は
真珠岩を混合した溶射材料は、火炎中を通過するときに
火炎により頁岩又は真珠岩の異常膨脹が始まり、比表面
積が拡大し、溶融性に富む状態となる。その結果、比表
面積が小さく溶着性に欠ける炉壁に骨材を容易に付着さ
せることが可能となる。すなわち、造粒化等の前処理に
よって比表面積を拡大したものを溶射するのではなく、
異常膨脹で全面に広がった頁岩又は真珠岩の溶融面に骨
材粒子を溶着させて付着性を向上させるのである。
【0014】
【実施例】本発明は、耐火原料として焼結マグネシアク
リンカー、電融マグネシアクリンカー、焼結スピネル、
ドロマイトクリンカー、ライムクリンカー、アルミナ、
クロマイト、シャモットの1種又はそれらの組合わせを
使用し、頁岩又は真珠岩を混合した耐火材料からなるこ
とを特徴とする溶射用耐火粉末である。
リンカー、電融マグネシアクリンカー、焼結スピネル、
ドロマイトクリンカー、ライムクリンカー、アルミナ、
クロマイト、シャモットの1種又はそれらの組合わせを
使用し、頁岩又は真珠岩を混合した耐火材料からなるこ
とを特徴とする溶射用耐火粉末である。
【0015】耐火原料は粒径を300〜25μmにする
のが好ましい。その理由は、300μmを超えると、粒
子表面が溶融性に欠けがちになり、接着性や緻密な溶着
層の形成が比較的困難となり、耐食性が低下するからで
ある。逆に粒径が25μm未満であると、溶射バーナ部
への詰まりや飛散が激しくなりすぎて、補修箇所への適
切な溶射の設定が困難となり、溶着層の形成が困難とな
り、流動性に劣るためにノズルからの噴出が脈動して溶
射体の密度が層の厚さ方向に不均一となることが多くな
るからである。
のが好ましい。その理由は、300μmを超えると、粒
子表面が溶融性に欠けがちになり、接着性や緻密な溶着
層の形成が比較的困難となり、耐食性が低下するからで
ある。逆に粒径が25μm未満であると、溶射バーナ部
への詰まりや飛散が激しくなりすぎて、補修箇所への適
切な溶射の設定が困難となり、溶着層の形成が困難とな
り、流動性に劣るためにノズルからの噴出が脈動して溶
射体の密度が層の厚さ方向に不均一となることが多くな
るからである。
【0016】耐火原料の添加量は60〜95重量%に限
定するのが好ましい。その理由は、耐火原料が60重量
%未満になると、耐食性が低下して所望の耐用条件が得
られず、逆に95重量%を越えると、溶着体の焼結性や
炉壁煉瓦への接着性を損ねる結果になりがちであるため
である。
定するのが好ましい。その理由は、耐火原料が60重量
%未満になると、耐食性が低下して所望の耐用条件が得
られず、逆に95重量%を越えると、溶着体の焼結性や
炉壁煉瓦への接着性を損ねる結果になりがちであるため
である。
【0017】耐火原料は窯炉条件や操業条件の変化に応
じて1種を使用したり、2種以上を組み合わせたりして
使用するのが望ましい。
じて1種を使用したり、2種以上を組み合わせたりして
使用するのが望ましい。
【0018】また、耐火原料は市販原料も添加可能であ
る。
る。
【0019】上記耐火原料に添加される頁岩又は真珠岩
は、比較的低融点の原料であり、例えば表1に示すよう
な組成を有する。この原料が炉壁耐火物への高い接着強
度と緻密な溶射層を形成するのに大きな役割を果たす。
頁岩又は真珠岩は、いずれも900〜1200℃の急加
熱により異常膨脹を起こす。
は、比較的低融点の原料であり、例えば表1に示すよう
な組成を有する。この原料が炉壁耐火物への高い接着強
度と緻密な溶射層を形成するのに大きな役割を果たす。
頁岩又は真珠岩は、いずれも900〜1200℃の急加
熱により異常膨脹を起こす。
【0020】真珠岩は火山を作る岩石の一種で、珪酸分
(SiO2)の多い酸性の岩石に属し、天然に産する一
種のガラスである。その化学成分は、産地によっても異
なるが、大体、珪酸分(SiO2)とアルミナ分(Al
2O3)の和が80%以上、アルカリ分(Na2O、K
2O)を多少含むほか、常に結晶水(H2O)を2〜5
%持っている。
(SiO2)の多い酸性の岩石に属し、天然に産する一
種のガラスである。その化学成分は、産地によっても異
なるが、大体、珪酸分(SiO2)とアルミナ分(Al
2O3)の和が80%以上、アルカリ分(Na2O、K
2O)を多少含むほか、常に結晶水(H2O)を2〜5
%持っている。
【0021】比重は2.3〜2.5で、常に真珠光沢が
あり、やや透明で一見淡い煙水晶のような色や、灰色を
呈しているものが多い。
あり、やや透明で一見淡い煙水晶のような色や、灰色を
呈しているものが多い。
【0022】また、原石を紛砕、焼成膨脹させたもの
は、パーライトと呼ばれ、断熱材関係や建築用材料関係
に広く使用されている。
は、パーライトと呼ばれ、断熱材関係や建築用材料関係
に広く使用されている。
【0023】焼成された真珠岩すなわちパーライトが急
激に加熱されると膨脹する理由は、原石に含まれている
水分や揮発性成分が加熱されることによって爆発的な逸
散を起こし、これに伴って内部に真空状の多数の気泡を
もつガラス質の軽石が作られるためである。
激に加熱されると膨脹する理由は、原石に含まれている
水分や揮発性成分が加熱されることによって爆発的な逸
散を起こし、これに伴って内部に真空状の多数の気泡を
もつガラス質の軽石が作られるためである。
【0024】頁岩は地表の岩石が風、流水、雨水の作用
のため砕砕され、微細な粘土粒となって海洋や湖底に堆
積し、さらに固結した堆積岩の一種で、地層として分布
することが多く、褐色ないし暗黒色を呈する。
のため砕砕され、微細な粘土粒となって海洋や湖底に堆
積し、さらに固結した堆積岩の一種で、地層として分布
することが多く、褐色ないし暗黒色を呈する。
【0025】化学成分は、産地によって異なるが、いず
れも加熱によって粘土がガラス化し、内部で発生したガ
スを包蔵している。そのガスが、頁岩中の有機物、硫化
物、酸化物に作用して、炭酸ガスや無水硫酸ガスなどが
発生することによって膨脹するといわれている。
れも加熱によって粘土がガラス化し、内部で発生したガ
スを包蔵している。そのガスが、頁岩中の有機物、硫化
物、酸化物に作用して、炭酸ガスや無水硫酸ガスなどが
発生することによって膨脹するといわれている。
【0026】このように真珠岩と頁岩は、比較的低融点
の原料であって、900〜1200℃の温度で原料の溶
融化に伴う異常膨脹の現象が見られる。
の原料であって、900〜1200℃の温度で原料の溶
融化に伴う異常膨脹の現象が見られる。
【0027】頁岩又は真珠岩の粒径は300〜25μm
に調整するのが最適である。300μmを超える粒径の
頁岩又は真珠岩を添加すると、高速火炎中を溶射粉末が
通過する時間が極めて短時間であるため、火炎中で瞬時
に溶融しがたく、そのため、接着性が低下したり、得ら
れる接着層が強度や耐食性を欠く場合がありうる。逆に
粒径が25μm未満であると、耐火原料のところでも説
明したように、良好な作業条件や溶着層の形成が困難に
なりがちである。
に調整するのが最適である。300μmを超える粒径の
頁岩又は真珠岩を添加すると、高速火炎中を溶射粉末が
通過する時間が極めて短時間であるため、火炎中で瞬時
に溶融しがたく、そのため、接着性が低下したり、得ら
れる接着層が強度や耐食性を欠く場合がありうる。逆に
粒径が25μm未満であると、耐火原料のところでも説
明したように、良好な作業条件や溶着層の形成が困難に
なりがちである。
【0028】このように、頁岩又は真珠岩は比較的低温
で分解及び溶融を起こし、溶射材の接着性を著しく向上
させる役割を果たす。
で分解及び溶融を起こし、溶射材の接着性を著しく向上
させる役割を果たす。
【0029】頁岩又は真珠岩の添加量は接着性や耐食性
の点から1〜40%が好ましい。添加量が1重量%未満
であると、付着性や耐食性が低下し、良好な溶着層の形
成が困難になりがちである。逆に頁岩又は真珠岩の添加
量が40重量%を超えると、付着性は良好であるが、接
着性や耐食性が劣ることが多くなり、補修材の量を増加
させる必要が生じ、原単位の悪化を招く。その範囲中で
も頁岩又は真珠岩の最適の添加量は付着性及び耐食性の
点から5〜25重量%が最も好ましい。
の点から1〜40%が好ましい。添加量が1重量%未満
であると、付着性や耐食性が低下し、良好な溶着層の形
成が困難になりがちである。逆に頁岩又は真珠岩の添加
量が40重量%を超えると、付着性は良好であるが、接
着性や耐食性が劣ることが多くなり、補修材の量を増加
させる必要が生じ、原単位の悪化を招く。その範囲中で
も頁岩又は真珠岩の最適の添加量は付着性及び耐食性の
点から5〜25重量%が最も好ましい。
【0030】本発明をさらに具体的に示すために実施例
1〜5と比較例1〜3を説明する。実施例1〜5および
比較例1〜3の原料組成および試験結果は、表2に示す
とおりである。
1〜5と比較例1〜3を説明する。実施例1〜5および
比較例1〜3の原料組成および試験結果は、表2に示す
とおりである。
【0031】表2において、付着性とは、付着しなかっ
た材料を差し引いたものの割合である。接着性とは、接
着層と煉瓦(MgO−Cr2O3)とのせん断力を測定
したものである。耐食性とは、溶着層を回転侵食機にか
けて試験を行い、その侵食寸法を示したものである。
た材料を差し引いたものの割合である。接着性とは、接
着層と煉瓦(MgO−Cr2O3)とのせん断力を測定
したものである。耐食性とは、溶着層を回転侵食機にか
けて試験を行い、その侵食寸法を示したものである。
【0032】
【実施例1】原料は、焼結マグネシアクリンカーと、ド
ロマイトクリンカーと、真珠岩からなり、耐火原料とし
て添加するマグネシアクリンカーは68重量%であり、
ドロマイトクリンカーは30重量%である。真珠岩は2
重量%である。これらの原料を混合して溶射材料を得
た。この溶射材について付着性、接着性及び耐食性を試
験した。
ロマイトクリンカーと、真珠岩からなり、耐火原料とし
て添加するマグネシアクリンカーは68重量%であり、
ドロマイトクリンカーは30重量%である。真珠岩は2
重量%である。これらの原料を混合して溶射材料を得
た。この溶射材について付着性、接着性及び耐食性を試
験した。
【0033】実施例1の付着性は75重量%で、接着性
は4.2kgf/cm2で、侵食量は15mmであっ
た。
は4.2kgf/cm2で、侵食量は15mmであっ
た。
【0034】
【実施例2】塩基性骨材として焼結マグネシアクリンカ
ー45重量%とドロマイトクリンカー50重量%を添加
し、さらに真珠岩を5重量%添加し、それらを混合して
溶射材を得た。その溶射材の試験を行ったところ、付着
性は85重量%で、接着性は6.8kgf/cm2で、
侵食量は12mmであった。
ー45重量%とドロマイトクリンカー50重量%を添加
し、さらに真珠岩を5重量%添加し、それらを混合して
溶射材を得た。その溶射材の試験を行ったところ、付着
性は85重量%で、接着性は6.8kgf/cm2で、
侵食量は12mmであった。
【0035】
【実施例3】耐火原料としてアルミナ80重量%および
シャモット15重量%を添加し、さらに真珠岩を5重量
%添加し、それらを混合して溶射材を得た。その溶射材
の試験結果は、付着性が95重量%で、接着性が10.
2kgf/cm2で、侵食量は22mmであった。
シャモット15重量%を添加し、さらに真珠岩を5重量
%添加し、それらを混合して溶射材を得た。その溶射材
の試験結果は、付着性が95重量%で、接着性が10.
2kgf/cm2で、侵食量は22mmであった。
【0036】
【実施例4】耐火原料として焼結マグネシアクリンカー
75重量%と、真珠岩25重量%を添加し、それらを混
合して溶射材を得た。その試験結果は、付着性が97重
量%で、接着性が7.1kgf/cm2で、侵食量が1
8mmであった。
75重量%と、真珠岩25重量%を添加し、それらを混
合して溶射材を得た。その試験結果は、付着性が97重
量%で、接着性が7.1kgf/cm2で、侵食量が1
8mmであった。
【0037】
【実施例5】骨材として焼結マグネシアクリンカー60
重量%と、頁岩40重量%を添加して、それらを混合し
て溶射材料を得た。この溶射材料の試験結果は、付着性
が95重量%で、接着性が3.9kgf/cm2で、侵
食量は20mmであった。
重量%と、頁岩40重量%を添加して、それらを混合し
て溶射材料を得た。この溶射材料の試験結果は、付着性
が95重量%で、接着性が3.9kgf/cm2で、侵
食量は20mmであった。
【0038】以上の実施例1〜5においては付着性、接
着性及び侵食量がすべて良好な結果であった。
着性及び侵食量がすべて良好な結果であった。
【0039】次に本発明の範囲外である比較例1〜3に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0040】
【比較例1】骨材として焼結マグネシアクリンカー70
重量%およびアルミナ粒子30重量%を混合して、溶射
材を得た。頁岩又は真珠岩の添加は全くなかった。この
ような溶射材について試験を行ったところ、試験結果
は、付着性が38重量%で、接着性が0.8kgf/c
m2で、侵食量が38mmであった。つまり、付着性と
接着性が悪かった。
重量%およびアルミナ粒子30重量%を混合して、溶射
材を得た。頁岩又は真珠岩の添加は全くなかった。この
ような溶射材について試験を行ったところ、試験結果
は、付着性が38重量%で、接着性が0.8kgf/c
m2で、侵食量が38mmであった。つまり、付着性と
接着性が悪かった。
【0041】
【比較例2】骨材として焼結マグネシアクリンカー55
重量%と、真珠岩を45重量%添加したうえ、それらを
混合して溶射材を得た。この溶射材の試験結果は、付着
性が93重量%で、高い特性が得られた。しかし、接着
性は2.3kgf/cm2であり、また、侵食量が43
mmであって、接着性と侵食量は本発明のいずれの実施
例1〜5よりも著しく劣る試験結果であった。
重量%と、真珠岩を45重量%添加したうえ、それらを
混合して溶射材を得た。この溶射材の試験結果は、付着
性が93重量%で、高い特性が得られた。しかし、接着
性は2.3kgf/cm2であり、また、侵食量が43
mmであって、接着性と侵食量は本発明のいずれの実施
例1〜5よりも著しく劣る試験結果であった。
【0042】
【比較例3】骨材としてのシャモット50重量%と、頁
岩を50重量%添加したうえ、それらを混合して溶射材
を得た。この溶射材の試験結果は前述の比較例2と同様
に付着性が優れていたが、接着性と耐食性が本発明の実
施例に比較して劣っていた。すなわち、比較例3の付着
性は95重量%で、接着性が1.8kgf/cm2で、
侵食量が68mmであった。
岩を50重量%添加したうえ、それらを混合して溶射材
を得た。この溶射材の試験結果は前述の比較例2と同様
に付着性が優れていたが、接着性と耐食性が本発明の実
施例に比較して劣っていた。すなわち、比較例3の付着
性は95重量%で、接着性が1.8kgf/cm2で、
侵食量が68mmであった。
【0043】
【実施例6】骨材として焼結マグネシアクリンカー75
重量%とドロマイトクリンカー15重量%を混合し、さ
らに真珠岩を10重量%添加し、それらを混合して溶射
用耐火粉末を得た。この溶射用耐火粉末を実際の転炉補
修部への補修材として使用し、溶射施工した。その耐用
時間を測定したところ、比較のため行った従来の溶射材
の補修部分に比べて約2倍の耐用性を得ることが判明し
た。
重量%とドロマイトクリンカー15重量%を混合し、さ
らに真珠岩を10重量%添加し、それらを混合して溶射
用耐火粉末を得た。この溶射用耐火粉末を実際の転炉補
修部への補修材として使用し、溶射施工した。その耐用
時間を測定したところ、比較のため行った従来の溶射材
の補修部分に比べて約2倍の耐用性を得ることが判明し
た。
【0044】また、事前に転炉の補修時と同じ条件で煉
瓦パネル部へ溶射吹き付けを行って溶着層の特性を調査
したところ、本発明の溶射材が従来の溶射材に比較して
溶着性、物理特性において極めて優れていることが判明
した。すなわち、本発明の溶着層は、見掛気孔率が0.
8〜1.4で、吸水率が0.2〜0.4%で、接着率が
96%であったのに対し、従来の溶射体は、見掛気孔率
が8〜12%で、吸水率が2〜2.5%で、接着率が9
3%であった。
瓦パネル部へ溶射吹き付けを行って溶着層の特性を調査
したところ、本発明の溶射材が従来の溶射材に比較して
溶着性、物理特性において極めて優れていることが判明
した。すなわち、本発明の溶着層は、見掛気孔率が0.
8〜1.4で、吸水率が0.2〜0.4%で、接着率が
96%であったのに対し、従来の溶射体は、見掛気孔率
が8〜12%で、吸水率が2〜2.5%で、接着率が9
3%であった。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は焼結マグネシアクリンカー、電融マグネシアクリンカ
ー、焼結スピネル、ドロマイトクリンカー、ライムクリ
ンカーアルミナ、クロマイト、シャモットの1種又はそ
れらの組合わせと、頁岩又は真珠岩を混合した耐火材料
からなることを特徴とする溶射用耐火粉末であるので、
転炉等の補修材として使用した時、従来のものに比較し
て付着性、接着性及び侵食量のいずれの点においても格
段に優れている。
は焼結マグネシアクリンカー、電融マグネシアクリンカ
ー、焼結スピネル、ドロマイトクリンカー、ライムクリ
ンカーアルミナ、クロマイト、シャモットの1種又はそ
れらの組合わせと、頁岩又は真珠岩を混合した耐火材料
からなることを特徴とする溶射用耐火粉末であるので、
転炉等の補修材として使用した時、従来のものに比較し
て付着性、接着性及び侵食量のいずれの点においても格
段に優れている。
【0046】また、本発明によれば、市販の一般原料を
使用できるため、従来のように加熱処理や造粒化処理等
の前処理を一切行う必要がなく、所望の耐火粉末を安価
に製造できる。
使用できるため、従来のように加熱処理や造粒化処理等
の前処理を一切行う必要がなく、所望の耐火粉末を安価
に製造できる。
【0047】溶射層の形成を既存原料と天然に産する比
較的低融点の原料の混合のみで可能にした。
較的低融点の原料の混合のみで可能にした。
【0048】さらに、本発明によれば、原料メーカから
産出する一般定型耐火物や不定形耐火物に使用不可能な
いわゆる不要粒度の原料も適切な材料として十分に利用
することが可能となる。その点でも製造コストの低減が
はかれる。
産出する一般定型耐火物や不定形耐火物に使用不可能な
いわゆる不要粒度の原料も適切な材料として十分に利用
することが可能となる。その点でも製造コストの低減が
はかれる。
【表1】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 忠 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝セ ラミックス株式会社刈谷製造所内 (72)発明者 八木 重器 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属工 業株式会社和歌山製鉄所内 (72)発明者 久保 吉一 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属工 業株式会社和歌山製鉄所内 (72)発明者 水口 篤盛 大阪府大阪市中央区北浜4−5−33 住友 金属工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 焼結マグネシアクリンカー、電融マグネ
シアクリンカー、焼結スピネル、ドロマイトクリンカ
ー、ライムクリンカー、アルミナ、クロマイト、シャモ
ットの1種又はそれらの組合わせと、頁岩又は真珠岩を
混合した耐火材料からなることを特徴とする溶射用耐火
粉末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3208982A JP2549035B2 (ja) | 1991-05-17 | 1991-05-17 | 溶射用耐火粉末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3208982A JP2549035B2 (ja) | 1991-05-17 | 1991-05-17 | 溶射用耐火粉末 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06206776A true JPH06206776A (ja) | 1994-07-26 |
JP2549035B2 JP2549035B2 (ja) | 1996-10-30 |
Family
ID=16565377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3208982A Expired - Lifetime JP2549035B2 (ja) | 1991-05-17 | 1991-05-17 | 溶射用耐火粉末 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2549035B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008200097A (ja) * | 2007-02-16 | 2008-09-04 | Aloka Co Ltd | 超音波診断装置およびデータ処理方法 |
JP2010111913A (ja) * | 2008-11-06 | 2010-05-20 | Nippon Steel Corp | 溶射材料とその製造方法、及び溶射施工体 |
CN110114324A (zh) * | 2017-01-27 | 2019-08-09 | 里弗雷克特里知识产权两合公司 | 制造不定形耐火陶瓷制品的配合料、制造不定形耐火陶瓷制品的方法以及由此制造的不定形耐火陶瓷制品 |
-
1991
- 1991-05-17 JP JP3208982A patent/JP2549035B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008200097A (ja) * | 2007-02-16 | 2008-09-04 | Aloka Co Ltd | 超音波診断装置およびデータ処理方法 |
JP2010111913A (ja) * | 2008-11-06 | 2010-05-20 | Nippon Steel Corp | 溶射材料とその製造方法、及び溶射施工体 |
CN110114324A (zh) * | 2017-01-27 | 2019-08-09 | 里弗雷克特里知识产权两合公司 | 制造不定形耐火陶瓷制品的配合料、制造不定形耐火陶瓷制品的方法以及由此制造的不定形耐火陶瓷制品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2549035B2 (ja) | 1996-10-30 |
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