JPH06206753A - 水中不分離性コンクリート配合組成物およびコンクリート配合組成物用消泡剤 - Google Patents
水中不分離性コンクリート配合組成物およびコンクリート配合組成物用消泡剤Info
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Abstract
コントロールが容易で、しかも取り扱いコストの低い消
泡剤を用いた水中施工用の水中不分離性コンクリート配
合組成物およびこのようなコンクリート配合組成物のた
めの消泡剤を提供する。 【構成】 セメント結合材,骨材,減水剤を含むコンク
リート配合物に、ヒドロキシアルキルセルロース,ヒド
ロキシアルキルアルキルセルロースよりなる群から選ば
れる1種または2種以上の水溶性セルロースエーテルお
よび消泡剤としてアセチレングリコール誘導体を添加し
た。アセチレングリコール誘導体としては、2,4,
7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール
にエチレンオキサイドを付加した非イオン性界面活性剤
で、エチレンオキサイド付加モル数が1〜20のものが
好適である。
Description
ート配合組成物およびコンクリート配合組成物用消泡剤
に関する。さらに詳しくは、水中または水の多い所に打
設する水中施工用コンクリートであって、骨材,セメン
トなどの材料分離が少なく、空気量のコントロールが容
易な水中不分離性コンクリート組成物およびかかる水中
不分離性コンクリート組成物に好適なコンクリート配合
組成物用消泡剤に関する。
する際には、陸上で練り上げられたコンクリートをポン
プなどによって水中に導入し施工するいわゆる、水中施
工が一般的に行われている。水中施工においては、コン
クリートの水中落下および移動あるいは流水暴露などに
よって、セメントペースト分の流出が容易に生じるた
め、周囲の水質の汚染が引き起こされるばかりでなく、
コンクリートの組成がはなはだ不均一なものとなり、硬
化後の強度が低下するといった品質上の課題もあった。
したがって、コンクリートの水中施工は、種々のコンク
リート施工工事中でも特に配慮を必要とする難しい技術
とされていた。
離抵抗性を有する水中コンクリート配合組成物が開発さ
れ、橋梁の下部工などの水中施工に応用されている。こ
の技術は、水に溶解して適度な粘性を付与する増粘剤を
水中コンクリート配合組成物に添加することにより、材
料同士の粘結性を高めて骨材,セメント粒子の材料分離
を防止するものである。また、一般的には、より少ない
練り混ぜ水で流動性を付与するために減水剤が併用され
ている。
分離性コンクリートに使用される増粘剤である水溶性セ
ルロースエーテルは表面張力を下げる特性があり、この
ため、空気連行性があり、コンクリートに空気を連行す
る作用がある。水中不分離性コンクリートのように多量
の水溶性セルロースエーテルを使用する場合には、空気
連行によってもたらされるコンクリート強度の低下が顕
著となり好ましくない。
トロールすることが行われている。消泡剤としてはセメ
ント用あるいは石膏用消泡剤として用いられているもの
が使用可能である。例えば、プルロニック系消泡剤、ト
リブチルホスフェート、シリコーン系消泡剤などが用い
られている。
系消泡剤は消泡性能に劣り、多量に添加しないと空気量
のコントロールが困難である。一方、トリブチルホスフ
ェートは消泡性能に優れ、少量で空気量をコントロール
できる利点はあるが、増粘剤であるセルロースエーテル
とコンパウンド化した際、刺激臭があり、ハンドリング
に難点がある。また、トリブチルホスフェートは合成樹
脂の可塑剤の1種であり、これを用いたコンパウンドに
は包装材料として安価な塩化ビニルを使用できないとい
う欠点がある。
の添加量で空気量のコントロールが可能であり、また、
ハンドリングに優れた消泡剤は事実上無いに等しく、そ
のような消泡剤を添加した水中不分離性コンクリートの
実現が強く持たれていた。
料分離が起こりにくく、空気量のコントロールが容易
で、しかもコンパウンドとした時、刺激臭がなく、ハン
ドリングが容易で、取扱いコストの低い消泡剤を用いた
水中施工用の水中不分離性コンクリート配合組成物およ
びこのようなコンクリート配合組成物のための消泡剤を
提供することにある。
に優れ、しかもコンパウンド化した際のハンドリングに
優れた消泡剤を得るべく鋭意検討した結果、アセチレン
グリコール誘導体が極めて有効であることを見い出し、
本発明に想到した。
離性コンクリート配合組成物は、セメント結合材,骨
材,減水剤を含むコンクリート配合物に、ヒドロキシア
ルキルセルロース,ヒドロキシアルキルアルキルセルロ
ースよりなる群から選ばれる1種または2種以上の水溶
性セルロースエーテルおよび消泡剤としてアセチレング
リコール誘導体を添加したことを特徴とする。
請求項1の水中不分離性コンクリート配合組成物におい
て、アセチレングリコール誘導体が、2,4,7,9−
テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールにエチレ
ンオキサイドを付加した非イオン性界面活性剤で、エチ
レンオキサイド付加モル数が1〜20であることを特徴
とする。
ート配合組成物用消泡剤は、2,4,7,9−テトラメ
チル−5−デシン−4,7−ジオールにエチレンオキサ
イドを付加した非イオン性界面活性剤で、エチレンオキ
サイド付加モル数が1〜20であるアセチレングリコー
ル誘導体からなることを特徴とする。
普通ポルトランドセメント以外に、高炉セメント,シリ
カセメント,フライアッシュセメントなどおよび高炉ス
ラグ,フライアッシュなどの無機質粉末の他さらに石
粉、シリカフュームなどポゾラン反応を有するものも含
まれ、これらから選ばれる1種または2種以上の組み合
わせで使用される。
粗骨材ともその種類に制限は受けず、あらゆるものを使
用することができる。粗骨材を使用しないセメントモル
タルのような場合にも本発明は有益である。
水剤のほか、高性能減水剤,AE減水剤などがあり、こ
れらの内では高性能減水剤が好ましい。この高性能減水
剤としては、高縮合トリアジン系化合物,メラミンスル
ホン酸塩のホルマリン縮合物,ポリカルボン酸塩系誘導
体,変性リグニンスルホン酸塩系化合物,アミノスルホ
ン酸系高分子化合物,ナフタレンスルホン酸塩のホルマ
リン縮合物、共役ジエンスルホン酸ナトリウムの(共)
重合体などが挙げられるが、これらの内では、高縮合ト
リアジン系化合物,メラミンスルホン酸塩のホルマリン
縮合物,ポリカルボン酸塩系誘導体,変性リグニンスル
ホン酸塩系化合物、共役ジエンスルホン酸ナトリウムの
(共)重合体が好ましい。これらの減水剤は、一般に、
セメント結合材に対して1〜5重量%、好ましくは1〜
3重量%使用される。
テルは、水中での材料分離を防止するために増粘剤とし
て使用され、非イオン性セルロースエーテルであるヒド
ロキシエチルセルロース(HEC),ヒドロキシプロピ
ルセルロース(HPC)などのヒドロキシアルキルセル
ロースを挙げることができる。また、ヒドロキシエチル
メチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルエチル
セルロース(HEEC)などのヒドロキシアルキルアル
キルセルロースを挙げることもできる。このような非イ
オン性水溶性セルロースエーテルの中でも、特に、HP
MC、HECが好ましい。粘度については、特に限定さ
れるものではないが、B型粘度計を用いて測定した1%
水溶液粘度が、500〜50,000cPであれば本発
明の目的を十分に達成することができる。
てはその種類、単位セメント量などによって異なるが、
練り混ぜ水に対して、0.1〜5重量%、好ましくは、
0.3〜2重量%添加すると材料分離抵抗性に優れた水
中不分離性コンクリートを得ることができる。
誘導体としては、下記の構造式(I)で示される2,
4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオ
ールにエチレンオキサイドを付加したものが好ましい。
なお、式中(m+n)=1〜20であるものが好適であ
る。
(m+n)は1〜20のものが好ましく、1未満の場合
には水への溶解性が小さく、消泡性能に劣る。また、付
加モル数が20を越えるものでは水への溶解性は大きい
がこのコンクリートの系では消泡性能に劣る。さらに好
ましくはエチレンオキサイドの付加モル数は2〜15で
ある。
誘導体の添加量は、使用されるセメント、骨材などの材
料、配合、水溶性セルロースエーテルの種類、量などお
よび要求される空気量によっても異なるが、10〜1,
000g/m3 である。
合組成物の代表例を示すと以下のようになる。 セメント結合材 300〜 500kg/m3 骨材 1650〜1900kg/m3 水 150〜 240kg/m3 非イオン性水溶性セルロースエーテル 1.0〜 4.0kg/m3 消泡剤 0.1〜 0.4kg/m3 減水剤 3〜 15 l/m3
ことができ、例えば、生コンプラントあるいは現場にお
いて、セメント結合材,骨材,減水剤および水に、水溶
性セルロースエーテルおよびアセチレングリコール誘導
体を添加し、攪拌混合することによって製造される。消
泡剤であるアセチレングリコール誘導体は水溶性セルロ
ースエーテルと先に混合しても、コンクリートに直接添
加しても使用できる。
るが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものでは
ない。
%、細骨材:638kg/m3 、粗骨材:967kg/
m3 からなる骨材に、セメント結合材:400kg/m
3 、水:220kg/m3 (水セメント比:55.0
%)と、以下に示す増粘剤,減水剤および消泡剤を加
え、55リットルパン式ミキサーを用いて、空練り1
分、本練り3分で練り混ぜたコンクリートについて、以
下に示す試験法に従って、スランプフロー,空気量,水
中分離度(懸濁物質量、pH)および圧縮強度の測定を
行い、その結果を表1に併記した。
重3.15、日本セメント社製) 2) 細骨材:信濃川産、川砂(吸水率1.92%、比
重2.60、FM2.82) 3) 粗骨材:新井市下濁川産、砕石(吸水率1.88
%、比重2.63、FM6.72) 4) 減水剤:レオビルドUC−150(ポゾリス物産
社製、高性能減水剤) 5) 増粘剤 ・ヒドロキシアルキルセルロース:ヒドロキシエチルセ
ルロース(表中HECと示す)、 MS:2.0、1%水溶液粘度3.500cP(B型粘
度計) 実施例4,5で使用する。 ・ヒドロキシアルキルアルキルセルロース:ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース(表中HPMCと示す)、 DS:1.4、MS:0.20、1%水溶液粘度3,7
00cP(B型粘度計) 実施例4,5以外で使用する。 6) 消泡剤: ・アセチレングリコール誘導体:(表中AGと示す。日
信化学工業社製) サーフィノール104(エチレンオキサイド付加モル数
0)(比較例1) サーフィノール420(エチレンオキサイド付加モル数
1.5)(実施例1) サーフィノール440(エチレンオキサイド付加モル数
3.5)(実施例2,4) サーフィノール465(エチレンオキサイド付加モル数
10.0)(実施例3,5) サーフィノール485(エチレンオキサイド付加モル数
30.0)(比較例2) ・プルロニック系:プルロニックL−61(旭電化工業
社製)(比較例3) ・シリコーン系:KM−73(信越化学工業社製)(比
較例4) ・トリブチルフォスフェート(比較例5)
クリート設計施工指針(案)、コンクリートのスランプ
フロー試験方法(案)」に準じて、5分後の拡がりを測
定した。 2) 空気量:JIS A 1128(まだ固まらない
コンクリートの空気量の圧力による試験方法)に従って
行った。 3) 水中分離度:「土木学会、水中不分離性コンクリ
ート設計施工指針(案)、水中不分離コンクリートの水
中分離度試験方法(案)」に準じて行った。 4) 圧縮強度:水中作製および気中作製(材令28
日)「土木学会、水中不分離性コンクリート設計施工指
針(案)、水中不分離性コンクリートの圧縮強度試験用
水中作製供試体の作り方(案)」に準じて水中作製供試
体を作製し、同様に気中作製供試体を作製した。
消泡剤として本発明のアセチレングリコール誘導体を使
用しているため、空気量コントロールに優れ、少ない添
加量で空気量を4%以下とすることができる。また、従
来使用されている消泡剤であるプルロニック系、シリコ
ーン系、トリブチルホスフェートなどと同様に、流動
性、水中分離抵抗性、圧縮強度に悪影響を与えない。実
施例1,2,3は水溶性セルロースエーテルとしてHP
MCを用いた例であり、実施例4,5は水溶性セルロー
スエーテルとしてHECを用いた例である。HECは、
空気連行性がHPMCよりも少ないためアセチレングリ
コール誘導体の添加量はやや少ない。
てアセチレングリコール誘導体を用いているが、エチレ
ンオキサイドの付加モル数が好適ではなく、消泡性能に
劣る。すなわち、比較例1は、エチレンオキサイド付加
モル数が0の場合、比較例2は、付加モル数が30の場
合であり、双方共、実施例と比較して10倍以上添加し
ても空気量を下げることができない。比較例3〜5は従
来、使用されている消泡剤である。比較例3,4は、消
泡性能に劣り、実施例の10倍以上添加しても実施例よ
りも空気量が多く、空気量のコントロールが容易でな
い。比較例5はトリブチルホスフェートを用いた場合で
あり、消泡性能に優れるが、コンパウンド化した場合、
刺激臭があり、ハンドリングに難点がある。
泡効果およびハンドリングの双方において優れたものは
なかった。
セチレングリコール誘導体は、消泡性能に優れ、かつ、
コンパウンド化した場合もトリブチルホスフェートのよ
うな刺激臭がなく、さらに、トリブチルホスフェートと
異なり包装材料として安価な塩化ビニルを使用しても支
障がないという長所も備えている。
発明によれば、水中での材料分離が起こりにくく、空気
量のコントロールが容易で、取扱いコストの低い消泡剤
を用いた水中施工用の水中不分離性コンクリート配合組
成物およびこのようなコンクリート配合組成物のための
消泡剤が提供される。
Claims (3)
- 【請求項1】 セメント結合材,骨材,減水剤を含むコ
ンクリート配合物に、ヒドロキシアルキルセルロース,
ヒドロキシアルキルアルキルセルロースよりなる群から
選ばれる1種または2種以上の水溶性セルロースエーテ
ルおよび消泡剤としてアセチレングリコール誘導体を添
加したことを特徴とする水中不分離性コンクリート配合
組成物。 - 【請求項2】 アセチレングリコール誘導体が、2,
4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオ
ールにエチレンオキサイドを付加した非イオン性界面活
性剤で、エチレンオキサイド付加モル数が1〜20であ
ることを特徴とする請求項1の水中不分離性コンクリー
ト配合組成物。 - 【請求項3】 2,4,7,9−テトラメチル−5−デ
シン−4,7−ジオールにエチレンオキサイドを付加し
た非イオン性界面活性剤で、エチレンオキサイド付加モ
ル数が1〜20であるアセチレングリコール誘導体から
なることを特徴とするコンクリート配合組成物用消泡
剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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