JPH0620308A - 光情報記録媒体形成用ロール状スタンパーおよび光情報記録媒体用基板の製造方法 - Google Patents

光情報記録媒体形成用ロール状スタンパーおよび光情報記録媒体用基板の製造方法

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JPH0620308A
JPH0620308A JP4175703A JP17570392A JPH0620308A JP H0620308 A JPH0620308 A JP H0620308A JP 4175703 A JP4175703 A JP 4175703A JP 17570392 A JP17570392 A JP 17570392A JP H0620308 A JPH0620308 A JP H0620308A
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JP4175703A
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Hirofumi Kamitakahara
弘文 上高原
Toshiya Yuasa
俊哉 湯浅
Osamu Shikame
修 鹿目
Takashi Kai
丘 甲斐
Hitoshi Yoshino
斉 芳野
Naoki Kushida
直樹 串田
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性樹脂シート上に一対の成型用ロール
により凹凸状の信号を形成する成型用ロールにおいて、
フレキシブルスタンパーの固定具と固定具との隙間を金
属材、セラミック材または耐熱性プラスチック材からな
るフィラーを混入させたシリコーン樹脂で埋めることか
らなるスタンパーおよびそれを用いた基板の製法。 【効果】 隙間埋め材が陥没しないのでロール状スタン
パーの成型面に段差がなく、凹凸パターンの転写が良好
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光情報記録媒体の製造
方法に関し、詳しくは光学的に情報の記録・再生を行な
う光情報記録媒体の透明基板を製作するローラー・グル
ーブ成型法に用いるロール状スタンパーおよびそれを用
いた光情報記録媒体用基板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、各種情報の記録には、磁気テー
プ、磁気ディスク等の磁気材料、各種半導体メモリー等
が主として用いられてきた。このような磁気メモリー、
半導体メモリーは、情報の書き込みおよび読み出しが容
易に行なえるという利点はあるが、反面、情報の内容を
容易に書き換えたり高密度記録ができないという問題点
があった。
【0003】このような、問題点を解決するために、多
種多様の情報を効率よく取り扱う手段として、光記録媒
体により光学的情報記録方法が提案され、そのための光
学的情報記録担体、記録再生方法、記録再生装置が提案
されている。かかる情報記録担体としての光記録媒体
は、一般にレーザー光を用いて情報記録担体上の光記録
層の一部を揮散させるか、反射率の変化を生じさせる
か、あるいは変形を生じさせて、光学的な反射率や透過
率の差によって情報を記録し、あるいは再生を行なって
いる。この場合、光記録層は、情報を書き込み後、現像
処理などの必要がなく、「書いた後に直読する」ことの
できる、いわゆるDRAW(ダイレクト リード アフ
ター ライト)媒体であり、高密度記録が可能であり、
また追加書き込みも可能であることから、情報の記録・
保存媒体として有効である。
【0004】一般的な光記録媒体では、熱可塑性樹脂で
あるポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリル樹脂
を、トラックや情報に対応する凹凸パターンが記録され
ているスタンパーを用いて、その凹凸パターンを転写し
てグループを形成している。
【0005】情報記録媒体用基板にグループを形成する
方法としては、射出成型法、あるいは圧縮成型法で製造
されている。しかし、情報記録媒体用基板の仕様では、
基板の平面度および平滑度が光学的レベルで高いことが
要求されている。射出成型法、あるいは圧縮成型法にお
いては、反り、気泡の混入等の欠陥が発生しやすく、こ
のため光による情報検出を著しく阻害するので、温度、
圧力の制御や、型の精度、気泡の発生防止等に非常に困
難が伴い、また装置自体も大型化してしまうために、生
産コストのかかるものであった。さらに圧縮成型法にお
いては、枚葉処理であるために、後肯定が煩雑で生産性
が低かった。
【0006】プラスチック平板は、気泡の混入も少なく
平滑な板が容易に製造できるため、平板にスタンパーを
密着させて圧力を加え、凹凸パターンを転写する方法が
提案されている。しかしながら、この方法において板面
全体に均一な圧力をかけるには非常に大きな圧力を必要
としていた。
【0007】これを解決する方法として、特開平3−1
13751号には成型用ローラーと鏡面ローラーの間
に、Tダイから押出された溶融樹脂シートを通し、小さ
な圧力で成型用ローラーの凹凸パターンをシート表面に
転写するローラー・グルーブ成型法により情報記録媒体
用基板を製造する方法が開示されている。
【0008】ローラー・グルーブ成型法の成型用ロール
には、凹凸の施されているフレキシブルスタンパーの両
端に固定具を溶着し、さらに固定具とほぼ同形状の溝を
ロールに施し、この溝に固定具を挿入し、固定具の少な
くとも一方にテンションの掛かる機構を設け、フレキシ
ブルスタンパーをローラーに固定するロール状スタンパ
ーが用いられ、図4に示すように、フレキシブルスタン
パーの固定具と固定具の0.5〜3mmの隙間を、隙間
埋め材による埋めた後、図6に示されるローラー・グル
ーブ成型装置により、情報記録媒体用基板が製造されて
いる。上記の隙間埋め材には、(株)信越化学工業社の
シリコーン樹脂KE1204A(商品名)とシリコーン
樹脂KE1204B(商品名)を重量比1:1で混入
し、100℃で硬化させたものが用いられていた。
【0009】しかしながら、上記の従来例では、隙間埋
め材にシリコーン樹脂を用いていたために、次のような
欠点があった。 (1)ローラー・グルーブ成型法では、成型用ローラー
と鏡面ローラーの間に、Tダイから押出された溶融樹脂
を通し、小さな圧力で成型用ローラーの凹凸パターンを
転写するために、成型開始後、2〜3時間で溶融樹脂の
熱と圧力でシリコーン樹脂が0.5〜1mm陥没して、
その結果、ロール状スタンパーの成型面に段差が生じ
る。〈図4参照。〉 (2)ロール状スタンパーの成型面に段差が生じるため
に、情報記録媒体用基板シートに段差部分が成型され、
ロール・コーター等により記録層を連続的に塗布するこ
とが困難になる。 (3)情報記録媒体用基板シートに段差部分が成型さ
れ、それが離型する際に、Tダイから押出された溶融樹
脂が振動し、情報記録媒体の凹凸パターンの転写に悪影
響を及ぼす。 (4)シリコーン樹脂が断熱材料であるために、Tダイ
から押出された溶融樹脂の熱が固定具に蓄積し、固定具
部分近傍の温度がローラー温度よりも10〜20℃高い
温度で情報記録媒体用基板シートが成型され、固定具温
度とローラー温度を等しく制御することが不可能とな
る。
【0010】そのため、情報記録媒体用基板シートに熱
ムラのある状態で、情報記録媒体の凹凸パターンの転写
が行なわれ、複屈折が局所的に発生し易いといった欠点
を生じ、成型条件としては非常に不安定なものであっ
た。
【0011】
【発明を解決するための手段】本発明は、このような従
来技術に鑑みて成されたものであり、隙間埋め材である
シリコーン樹脂にフィラーを混入することにより、隙間
埋め材の硬度を増し、ロール状スタンパーの成型面に段
差の発生を防止し、さらに熱伝導度を高めることによっ
て、固定具温度とローラー温度をほぼ等しく制御するこ
とが可能となり、情報記録媒体用基板シートに熱ムラを
生じない状態で、情報記録媒体の凹凸パターンを転写で
きるようにしたものである。
【0012】すなわち、本発明の第1の発明は、情報記
録媒体のプリフォーマットに対応するパターンを表面に
有するフレキシブルスタンパーがロール基材表面に固定
されてなるロールスタンパーの周面に対する凹部に充填
材が充填されロールスタンパー周面が実質的に平滑化さ
れてなるロールスタンパーに於て該充填材が金属、セラ
ミック及び耐熱性樹脂から選ばれる少なくとも一つのフ
ィラーを含有させたシリコーン樹脂硬化物である事を特
徴とする光情報記録媒体形成用ロールスタンパーであ
る。
【0013】また、第2の発明は、情報記録媒体のプリ
フォーマットに対応するパターンを表面に有するフレキ
シブルスタンパーの両端部裏面に該スタンパーと一体と
なるように固定具が固着され、ロール基材の周面には該
固定具をそれぞれ嵌挿可能な複数の溝が該ロール機材の
軸方向と平行に形成されてなると共に、該固定具が溝に
それぞれ嵌挿されてなり、該スタンパーがロール基材表
面に固定されてなるロールスタンパーの該固定具間の間
隙を含む、該ロールスタンパーの周面に対する凹部に充
填材が充填されてロールスタンパー周面が実質的に平滑
化されてなるロールスタンパーに於て該充填材が金属、
セラミック及び耐熱性樹脂から選ばれる少なくとも一つ
のフィラーを含有させたシリコーン樹脂硬化物であるこ
とを特徴とする光情報記録媒体形成用ロールスタンパー
である。
【0014】さらに第3の発明は、押出し法により得ら
れ、基板材料となる熱可塑性樹脂シート上に一対の成型
用ロールにより凹凸状の信号を形成する成型用ロールの
製法において、凹凸の施されているフレキシブルスタン
パーの両端に固定具を溶着し、さらに固定具とほぼ同形
状の溝をロールに施し、この溝に固定具を挿入し、固定
具の少なくとも一方にテンションを掛けてフレキシブル
スタンパーをローラーに固定した後、フレキシブルスタ
ンパーの固定具と固定具との隙間を、金属材、セラミッ
ク材または耐熱性のプラスチック材からなるフィラーを
混入させたシリコーン樹脂により埋めて硬化させた後、
不必要な凹凸を取り除き段差をなくしたことを特徴とす
る光情報記録媒体形成用ロール状スタンパーの製造方法
である。
【0015】さらに第4の発明は、押出し法により得ら
れ、基板材料となる熱可塑性樹脂シート上に一対の成型
用ロールにより凹凸状の信号を形成するローラー・グル
ーブ成型法において、上記の光情報記録媒体形成用ロー
ル状スタンパーを用いて成型することを特徴とする光情
報記録媒体用基板の製造方法である。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。図1およ
び2は、隙間埋め材に金属材、セラミック材または耐熱
性のプラスチック材からなるフィラーを混入したシリコ
ーン樹脂を用いた本発明の光情報記録媒体用ロール状ス
タンパーの概略断面図および隙間埋め部分の拡大断面図
である。図3および4は、隙間埋め材にシリコーン樹脂
を用いた従来のロール状スタンパーの概略断面図および
隙間埋め部分の拡大断面図である。図5は、電鋳法によ
るフレキシブルスタンパーの製造方法を示す工程説明図
であり、図6は、ローラー・グルーブ成型装置の模式的
断面図である。
【0017】図1および2において、3は、情報記録媒
体用基板の凹凸微細パターンに対応する凹凸の施されて
いるフレキシブルスタンパー、4はフレキシブルスタン
パーをローラーに固定するための固定具であり、1は金
属フィラー入りシリコーン樹脂からなる隙間埋め材であ
る。
【0018】3および4において、2は従来のシリコー
ン樹脂からなる隙間埋め材であり、図4の隙間埋め材2
は成型開始後陥没した状態を示している。
【0019】上記した隙間埋め材を構成するシリコーン
樹脂に混入される金属材としては鉛、鉄、銅、金、銀等
が挙げられ、セラミック材としてはAl23 ・Si
O,SiO2 ,SiC,ダイヤモンド,Si3 N,Ti
N,TiC,TiO等が挙げられ、また耐熱性のプラス
チック材としては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹
脂等の熱硬化性樹脂が好ましいものとして挙げられる。
これらのフィラーのシリコーン樹脂に対する混入量は、
通常20〜90重量%となる範囲であり、好ましくは3
5〜65重量%の範囲で混入される。また、シリコーン
樹脂としては、熱硬化性シリコーン樹脂の他に紫外線や
電子線の照射によって硬化するタイプのシリコーン樹脂
を用いることもできる。
【0020】図5は、フレキシブルスタンパーの製造方
法を示す工程説明図であり、同図において6は青板ガラ
ス等のガラス基板、7はガラス基板上にパターニングす
るためのフォトレジスト、7はフォトレジストに露光・
現像を行なうことで得られるトラッキング用溝、情報用
ピット等の凹凸の微細パターン、8はガラス基板上にト
ラッキング用溝、情報用ピット等の凹凸の微細パターン
を形成することによって得られるガラス原盤、9はガラ
ス原盤に金属膜を形成するための導電化膜、10は電鋳
法により導電化膜を形成したガラス原盤へ成膜される金
属膜、11は、導電化膜および、金属膜を一体として同
時にガラス原盤より剥離させることで得られるフレキシ
ブルスタンパーである。
【0021】図6は、RG装置の模式的断面図であり、
11は、PCペレット等のペレット状樹脂を溶融しなが
ら一定の速度で押出すための押出し機、12は、押出し
機から押出された溶融樹脂を成型形状に近づけるTダ
イ、5はTダイから押出された溶融樹脂にトラッキング
用溝、情報用ピット等の凹凸の微細パターンを転写する
ためのロール状スタンパー、13は情報記録媒体用基板
の板厚調整および鏡面を調整するための鏡面ローラーで
あり、14はロール状スタンパーと鏡面ローラーの間に
Tダイから押出された溶融樹脂を通し、小さな圧力で成
型用ローラーの凹凸パターンを転写することで得られる
情報記録媒体用基板の連続シートである。
【0022】以下、実施例を示し、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0023】
【実施例】
実施例1 まず、図5のフレキシブルスタンパーの製造方法を示す
工程説明図に基づき、電鋳法によるフレキシブルスタン
パーの製造方法について述べる。
【0024】図5の工程(A)では、青板ガラス等のガ
ラス基板6にフォトレジスト7を形成する。フォトレジ
スト7はAz1370(商品名、社名:ヘキスト・ジャ
パン)を用い、ガラス基板6に滴下し、スピナーで30
00Åの膜厚に塗布する。その後、90℃・30min
の条件でプレベークを行なった。
【0025】次に、工程(B)において、レーザー露光
装置、Mirror Projector Mask
Aligner・MPA−1500(社名:キャノン)
等の露光装置を用い、複数個の情報記録媒体の所定パタ
ーン(ストライプ状)を露光し、現像液Az312MI
F(商品名、社名:ヘキスト・ジャパン)で現像するこ
とにより、トラッキング用溝、情報用ピット等の凹凸の
微細パターン7を形成し、光カード用のガラス原盤8を
製作する。
【0026】さらに工程(C)では、電鋳法により金属
膜を形成するための前処理として、スパッター装置、蒸
着装置、等の成膜装置を用い、導電化処理を行なう。膜
厚1000Å〜2000Åのニッケル膜をスパッター装
置により成膜することで、導電化膜9をガラス原盤8の
上に形成した。
【0027】次に工程(D)では、導電化膜9の施され
たガラス原盤8に、電鋳法により金属膜10を形成す
る。スルファミン酸ニッケル電鋳液中で、導電化膜9の
施されたガラス原盤8を20〜30rpmで回転させな
がら、通電電流の時間積分値150〜300AH(アン
ペア・アワー)の条件で100〜200μmのニッケル
金属を析出させ、金属膜10を形成した。
【0028】ここで使用した電鋳液は、以下の組成のも
のである。 スルファミン酸ニッケル・4水塩[Ni(NH2 SO32 ・4H2 O] 500g/l 硼酸[H3 BO3 ] 35〜38g/l ピット防止剤 2・5ml/l 次に、金属膜10を研磨し、最後に工程(E)におい
て、導電化膜9および金属膜10を一体として、同時に
ガラス原盤8より剥離させ、表面に付着しているフォト
レジストを除去し、レーザー切断することにより、ライ
ン・アンド・スペース:9・5μm/2・5μm、段
差:2500Å〜3000Åのストライプ状案内溝の形
成されたフレキシブルスタンパー3が得られた。
【0029】固定具との溶着工程では、YAGレーザー
溶着装置:JK701(ルモニクス社製)により下記に
示す条件で固定を行なった。
【0030】 オンタイム:5.0msec アシストガス:アルゴン 周波数:15Hz 出力:5.5J 80W 速度:200mm/min このようにして、固定具付きフレキシブルスタンパーが
完成した。このフレキシブルスタンパーを、予め、固定
具とほぼ同形状の溝を施してあるローラーに取り付け、
テンションを掛けながら固定することにより、ロール状
スタンパー5を作製した。
【0031】さらに、図1に示すように、フレキシブル
スタンパーの固定具と固定具の0.5〜3mmの隙間
を、金属フィラー入りシリコーン樹脂からなる隙間埋め
材で埋めた。金属フィラーとしては、アルミナ粉を用
い、シリコーン樹脂は、(株)信越化学工業社のシリコ
ーン樹脂KE1204A(商品名)とシリコーン樹脂K
E1204B(商品名)を重量比1:1で混合し、10
0℃で硬化させたものを用いた。シリコーン樹脂に対す
る金属フィラーの混入量は50%とした。
【0032】次に、このロール状スタンパー5を用い、
図6に示すRG装置によりローラー・グルーブ成型を試
みた。押出し機11のTダイ12からポリカーボネート
の溶融樹脂を280℃〜310℃の樹脂温度で押出し、
ロール状スタンパー5と鏡面ローラー13の間を通し、
小さな圧力でロール状スタンパー5の微細な凹凸パター
ンを転写したところ、成型開始後、4〜6時間経過して
も隙間埋め材が陥没せず、ロール状スタンパーの成型面
に段差が生じることはなかった。
【0033】さらに、熱伝導度も高まるために、固定具
温度とローラー温度をほぼ等しく制御することが可能と
なり、情報記録媒体用基板シートに熱ムラのない状態
で、情報記録媒体の凹凸パターンの転写を行なうことが
できた。
【0034】すなわち、機械的、熱的に安定な条件下で
ローラー・グルーブ成型により、良好な凹凸パターンを
転写した情報記録媒体用基板の連続シート14を製造で
きた。 実施例2 実施例1と同様にして、固定具付きスタンパーを完成さ
せた。このフレキシブルスタンパーを、予め、固定具と
ほぼ同形状の溝を施してあるローラーに取り付け、テン
ションを掛けながら固定することにより、ロール状スタ
ンパー5を作製した。
【0035】さらに、図1に示すように、フレキシブル
スタンパーの固定具と固定具の0.5〜3mmの隙間
を、セラミック・フィラー入りシリコーン樹脂からなる
隙間埋め材で埋めた。
【0036】セラミック・フィラーの粒形は、直径0.
1〜0.5mm程度のものを用い、(株)信越化学工業
社のシリコーン樹脂は、シリコーン樹脂KE1204A
(商品名)とシリコーン樹脂KE1204B(商品名)
を重量比1:1で混合し、100℃で硬化させたものを
用いた。シリコーン樹脂に対する金属フィラーの混入量
は50%とした。
【0037】次に、このロール状スタンパー5を用い、
図6に示すRG装置によりローラー・グルーブ成型を試
みた。押出し機11のTダイ12からポリカーボネート
の溶融樹脂を、280℃〜310℃の樹脂温度で押出
し、ロール状スタンパー5と鏡面ローラー13の間を通
し、小さな圧力でロール状スタンパー5の微細な凹凸パ
ターンを転写したところ、成型開始後、4〜6時間経過
しても隙間埋め材が陥没せず、ロール状スタンパーの成
型面に段差が生じることはなかった。
【0038】しかし、熱伝導度は高まらないために、固
定具温度とローラー温度を充分に等しく制御することが
できず、情報記録媒体用基板シートに若干熱ムラのある
状態で、情報記録媒体の凹凸パターンの転写が行なわれ
ていた。
【0039】しかしながら、機械的に安定な条件下でロ
ーラー・グルーブ成型により、良好な凹凸パターンを転
写した情報記録媒体用基板の連続シート14を製造でき
た。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、隙間埋
め材であるシリコーン樹脂に金属フィラーを混入するこ
とにより隙間埋め材の硬度を増し、さらに、熱伝導度を
高めることにより、固定具温度とローラー温度をほぼ等
しく制御することで機械的にかつ熱的に安定な条件下で
ローラー・グルーブ成型を行なうことが可能となった。
その結果、次のような、顕著な効果を奏することができ
る。 (1)成型開始後、4〜6時間経過しても隙間埋め材が
陥没せず、ロール状スタンパーの成型面に段差が生じる
ことはなかった。 (2)ロール状スタンパーの成型面に段差が生じないた
めに、情報記録媒体用基板シートは固定具の部分でも平
坦であり、ロール・コーター等により記録層を連続に塗
布することが容易になった。 (3)ロール状スタンパーの成型面に段差が生じないた
めに、機械的に安定であり、Tダイから押出された溶融
樹脂が振動せず、情報記録媒体の凹凸パターンの転写が
良好に行なうことができた。 (4)固定具温度とローラー温度をほぼ等しく制御する
ことが可能となり、情報記録媒体用基板シートに熱ムラ
のない状態で、情報記録媒体の凹凸パターンの転写を良
好に行なうことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】隙間埋め材にフィラー入りシリコーン樹脂を用
いた本発明のロール状スタンパーの概略断面図である。
【図2】図1の隙間埋め部分の拡大断面図である。
【図3】隙間埋め材にシリコーン樹脂を用いた、従来の
ロール状スタンパーの概略断面図である。
【図4】図3の隙間埋め部分の拡大断面図である。
【図5】電鋳法によるフレキシブルスタンパーの製造方
法を示す工程説明図である。
【図6】RG装置の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 フィラー入りシリコーン樹脂 2 シリコーン樹脂 3 フレキシブルスタンパー 4 固定具 5 ロール状スタンパー 6 ガラス基板 7 フォトレジスト 8 ガラス原盤 9 導電化膜 10 金属膜 11 押出し機 12 Tダイ 13 鏡面ローラー 14 情報記録媒体用基板の連続シート 15 成型面の段差部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲斐 丘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 芳野 斉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 串田 直樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録媒体のプリフォーマットに対応
    するパターンを表面に有するフレキシブルスタンパーが
    ロール基材表面に固定されてなるロールスタンパーの周
    面に対する凹部に充填材が充填されロールスタンパー周
    面が実質的に平滑化されてなるロールスタンパーに於て
    該充填材が金属、セラミック及び耐熱性樹脂から選ばれ
    る少なくとも一つのフィラーを含有させたシリコーン樹
    脂硬化物である事を特徴とする光情報記録媒体形成用ロ
    ールスタンパー。
  2. 【請求項2】 情報記録媒体のプリフォーマットに対応
    するパターンを表面に有するフレキシブルスタンパーの
    両端部裏面に該スタンパーと一体となるように固定具が
    固着され、ロール基材の周面には該固定具をそれぞれ嵌
    挿可能な複数の溝が該ロール機材の軸方向と平行に形成
    されてなると共に、該固定具が溝にそれぞれ嵌挿されて
    なり、該スタンパーがロール基材表面に固定されてなる
    ロールスタンパーの該固定具間の間隙を含む、該ロール
    スタンパーの周面に対する凹部に充填材が充填されてロ
    ールスタンパー周面が実質的に平滑化されてなるロール
    スタンパーに於て該充填材が金属、セラミック及び耐熱
    性樹脂から選ばれる少なくとも一つのフィラーを含有さ
    せたシリコーン樹脂硬化物であることを特徴とする光情
    報記録媒体形成用ロールスタンパー。
  3. 【請求項3】 押出し法により得られ、基板材料となる
    熱可塑性樹脂シート上に一対の成型用ロールにより凹凸
    状の信号を形成する成型用ロールの製法において、凹凸
    の施されているフレキシブルスタンパーの両端に固定具
    を溶着し、さらに固定具とほぼ同形状の溝をロールに施
    し、この溝に固定具を挿入し、固定具の少なくとも一方
    にテンションを掛けてフレキシブルスタンパーをローラ
    ーに固定した後、フレキシブルスタンパーの固定具と固
    定具との隙間を、金属材、セラミック材または耐熱性の
    プラスチック材からなるフィラーを混入させたシリコー
    ン樹脂により埋めて硬化させた後、不必要な凹凸を取り
    除き段差をなくしたことを特徴とする光情報記録媒体形
    成用ロール状スタンパーの製造方法。
  4. 【請求項4】 金属材を主材としてなるフィラーを混入
    させたことを特徴とする請求項3記載のロール状スタン
    パーの製造方法。
  5. 【請求項5】 押出し法により得られ、基板材料となる
    熱可塑性樹脂シート上に一対の成型用ロールにより凹凸
    状の信号を形成するローラー・グルーブ成型法におい
    て、請求項1記載の光情報記録媒体形成用ロール状スタ
    ンパーを用いて成型することを特徴とする光情報記録媒
    体用基板の製造方法。
JP4175703A 1992-07-02 1992-07-02 光情報記録媒体形成用ロール状スタンパーおよび光情報記録媒体用基板の製造方法 Pending JPH0620308A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010005866A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Toshiba Mach Co Ltd 転写ロール及び転写装置
US8083515B2 (en) 2007-05-31 2011-12-27 Hitachi Industrial Equipment Systems, Co., Ltd. Fine pattern mold
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