JPH06202316A - 感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法並びに表示装置の製造方法並びに水溶性ポリビニルアルコール誘導体の製造方法 - Google Patents

感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法並びに表示装置の製造方法並びに水溶性ポリビニルアルコール誘導体の製造方法

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JPH06202316A
JPH06202316A JP5240807A JP24080793A JPH06202316A JP H06202316 A JPH06202316 A JP H06202316A JP 5240807 A JP5240807 A JP 5240807A JP 24080793 A JP24080793 A JP 24080793A JP H06202316 A JPH06202316 A JP H06202316A
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water
polyvinyl alcohol
photosensitive composition
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soluble
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JP5240807A
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Hajime Morishita
▲元▼ 森下
Tetsuo Suzuki
哲雄 鈴木
Nobuaki Hayashi
伸明 林
Masahito Ito
雅人 伊藤
Shoko Nishizawa
昌紘 西澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高感度で、かつ、水溶液が低粘度である感光性
組成物を提供すること。 【構成】アクロレインとポリビニルアルコールを水溶液
中で加熱して得た側鎖にアルデヒド基を持つ水溶性ポリ
ビニルアルコール誘導体(下記の式)と、 【化1】 重クロム酸アルカリ塩やアジド化合物等の水溶性光架橋
剤とからなる感光性組成物。カラーブラウン管等の表示
装置の蛍光面の製作に用いるに適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性ポリマーを含む
感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法並びに
そのような感光性組成物を用いたカラーブラウン管等の
表示装置の製造方法並びに水溶性ポリビニルアルコール
誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水溶性ポリマーと、重クロム酸アルカリ
塩(重クロム酸ナトリウム、カリウム、アンモニウム
塩)又はアジド化合物等の水溶性光架橋剤とからなる光
硬化型の感光性組成物は古くから知られており、写真平
版、写真凸版、ホトエッチング、スクリーン印刷製版、
カラーブラウン管等の表示装置の蛍光面の製作等に使用
されている。このような感光性組成物については、例え
ば、永松、乾著;感光性高分子第89頁〜第96頁(1
977)講談社に記載されている。
【0003】上記の感光性組成物を用いてブラックマト
リックス型カラーブラウン管の蛍光面を製造する方法を
説明する。ポリビニルアルコールと界面活性剤と重クロ
ム酸ナトリウムと青色発光蛍光体を水に混合してスラリ
ーとする。一方、カラーブラウン管フェースプレート内
面にブラックマトリックスを形成する。この上に上記ス
ラリーを回転塗布して塗膜を形成する。塗膜にシャドウ
マスクを介して紫外光を照射し、水で現像すると、露光
した部分は不溶化しているため、青色発光蛍光体ドット
が形成される。ついで、赤色発光蛍光体及び緑色発光蛍
光体について順次同様の方法でそれぞれの蛍光体ドット
を形成する。その後、フイルミング、アルミナイジン
グ、パネルベーキングの後、フェースプレート部とファ
ンネル部を合わせ、フリットベーキングし、電子銃を装
着してブラックマトリックス型カラーブラウン管を製造
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、カラ
ーブラウン管の大型化や高精細化の対応について十分な
配慮がされていなかった。カラーブラウン管が大型化す
ると、蛍光体ドットを製造する場合、露光面(塗膜面)
が光源から離れるため、露光面における照度が下がり、
露光に長時間要するという問題があった。また、カラー
ブラウン管を高精細化するためには、蛍光体ドット径を
より小さくする必要がある。このためには、回転光源の
径の大きさを小さくすることが必要となる。この結果、
露光面(塗膜面)の照度が下がり、露光にさらに長時間
要するという問題があった。
【0005】本願発明者等は、高感度の感光性組成物と
して、ホルミルアルケンとポリビニルアルコールとのア
セタール化反応によって得られるポリビニルアルコール
誘導体と重クロム酸アルカリ塩からなる高感度の感光性
組成物を提案した(特願平3−344352)。
【0006】しかしながらこの感光性組成物のベースポ
リマーの水溶液は高粘度であることが明らかになった。
水溶液が高粘度であると、これから調製して得た蛍光体
スラリーも高粘度である。このために、カラーブラウン
管のフェースプレート内面に回転塗布によって、膜厚の
均一な蛍光体スラリー塗布膜を形成することが難しくな
る。不均一な蛍光体スラリー塗布膜を用いると、露光、
現像後に形成する蛍光体ドットパターンの大きさが不均
一になるという問題があった。
【0007】本発明の第1の目的は、高感度で、かつ、
水溶液が低粘度である感光性組成物を提供することにあ
る。
【0008】本発明の第2の目的は、そのような感光性
組成物を用いたパターン形成方法を提供することにあ
る。
【0009】本発明の第3の目的は、そのような感光性
組成物を用いた表示装置の製造方法を提供することにあ
る。
【0010】本発明の第4の目的は、そのような感光性
組成物に用いるに適した水溶性ポリビニルアルコール誘
導体の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の感光性組成物は、側鎖にアルデヒド
基を持つ水溶性ポリビニルアルコール誘導体と水溶性光
架橋剤とから構成したものである。この水溶性ポリビニ
ルアルコール誘導体としては、アクロレインとポリビニ
ルアルコールとを水溶液中で縮合したポリマーを用いる
ことが好ましい。このポリマーは、下記の式の構造を持
つポリマーである。
【0012】
【化1】
【0013】なお、ポリビニルアルコールは、鹸化度が
100%でないもの、すなわち、酢酸基が残存するもの
が一般に市販されている。例えば、鹸化度が80〜90
%等のものが取り扱いやすい。本発明においても、この
ような酢酸基が残存するポリビニルアルコールを用いて
水溶性ポリビニルアルコール誘導体を製造してもよい。
つまり、水溶性ポリビニルアルコール誘導体の構造中
に、酢酸基が残存する部分があってもよい。また、感光
性組成物として、上記水溶性ポリビニルアルコール誘導
体を含んでいれば、さらに他の水溶性ポリマーを含んで
いてもよい。
【0014】また、水溶性ポリビニルアルコール誘導体
のアクロレインの縮合率は、ポリビニルアルコールのモ
ノマー単位に対し、0.5モル%以上であることが好ま
しく、その上限はポリマーが水溶性を保つ範囲であれば
よい。より好ましい縮合率は、1モル%から10モル%
の範囲である。なお、原料のアクロレインは、用いた量
の約1/2が反応する。そのため、原料の混合比は、ポ
リビニルアルコールのモノマー単位に対し、アクロレイ
ンを1モル%から20モル%の範囲とすることが好まし
い。
【0015】水溶性光架橋剤は、重クロム酸アルカリ塩
及びクロム酸アルカリ塩からなる群から選ばれた少なく
とも一種の塩又はアジド化合物を用いることが好まし
い。感光性組成物中の水溶性光架橋剤の量は、ポリビニ
ルアルコール誘導体に対し、1から50wt%であるこ
とが好ましく、5から30wt%であることがより好ま
しい。また、一般に感光性組成物は塗布性を向上させる
ために、界面活性剤等を加えることが多く、本発明の感
光性組成物も界面活性剤等を加えて差し支えない。
【0016】さらに、上記第2の目的を達成するため
に、本発明のパターン形成方法は、基板上に、上記記載
のいずれかの感光性組成物の塗膜を形成し、塗膜に所望
のパターンの露光を行い、現像により、塗膜を所望のパ
ターンにするようにしたものである。
【0017】さらに、上記第3の目的を達成するため
に、本発明の表示装置の製造方法は、上記記載のいずれ
かの感光性組成物と蛍光体粉末との水性懸濁液を製造
し、カラーブラウン管等の表示装置のフエースプレート
内面に、この水性懸濁液を塗布して塗膜を形成し、塗膜
に所望のパターンの露光を行い、現像により、塗膜を所
望のパターンにするようにしたものである。
【0018】このフエースプレート内面には、予めブラ
ックマトリックスを形成しておき、水性懸濁液の塗布
は、ブラックマトリックスの上に行うことが好ましい。
さらに、ブラックマトリックスの上に、現像時のカブリ
防止と蛍光体ドットの接着性向上のためのプリコート液
を塗布して、薄膜を形成して後に、水性懸濁液の塗布を
行うことが好ましい。
【0019】さらに、上記第4の目的を達成するため
に、本発明の水溶性ポリビニルアルコール誘導体の製造
方法は、アクロレインとポリビニルアルコールとを水溶
液中で加熱し、縮合させるようにしたものである。この
方法により、側鎖にアルデヒド基を持つ水溶性ポリビニ
ルアルコール誘導体が得られる。この加熱は、40℃か
ら100℃の範囲の温度であることが好ましい。
【0020】製造した水溶性ポリビニルアルコール誘導
体は、前述した通り、前記の式の構造を持つポリマーで
ある。原料のポリビニルアルコールとしては、鹸化度が
100%でないものを用いることができ、そのため、水
溶性ポリビニルアルコール誘導体の構造中に、鹸化され
なかった酢酸基が残存する部分があってもよい。
【0021】
【作用】本発明に用いるポリビニルアルコール誘導体
は、その側鎖にアルデヒド基を持つ分子構造を有してい
るので、重クロム酸アルカリ塩、クロム酸アルカリ塩、
アジド化合物等の水溶性光架橋剤と混合することによっ
て、高感度特性を示す感光性組成物となる。
【0022】このポリマーは、ポリビニルアルコールと
アクロレインとの水溶液中での加熱処理によって容易に
生成する。この合成はマイクル型縮合の一つであると考
えられ、活性なポリビニルアルコールのヒドロキシル基
(‐OH)とα、β不飽和アルデヒド化合物であるアク
ロレインの共鳴構造に起因する活性化したβ位の炭素と
の縮合反応によって起こると考えられる。
【0023】このポリマーと、例えば、重クロム酸アル
カリ塩との感光性組成物から形成した膜に光が照射され
ると、6価のクロムが還元されて3価のクロムになり、
ポリマーのアルデヒド部が酸化される。生成した3価の
クロムと酸化したポリマーの間で配位結合が生じ、不溶
化が起こると考えられる。3価のクロムと配位結合が起
こりやすい基を持つポリマーを含む感光性組成物は、高
感度特性を示す。
【0024】また、このポリマーとアジド化合物との感
光性組成物から形成した膜に光が照射されると、アジド
化合物のアジド基(‐N3)が光分解し、ポリマーに結
合するが、それと共にアミン(‐NH2)に変化する割
合の方が多く、この生成したアミンとポリマー中のアル
デヒド基との間でシッフ塩基(‐CH=N‐)を生じて
架橋が起こり、不溶化の効率が向上すると考えられる。
このために、本発明の感光性組成物は高感度である。
【0025】なお、蛍光体を含む塗膜のパターンの形成
は、シャドウマスクを通過した中央が強く周辺が弱い光
の強度分布をもつプロファイルの露光が行われる。この
ために、径の小さいパターンを形成する場合は、ポリマ
ーが不溶化するのに必要な最小露光量に近い露光条件で
行うことになり、パターンの不溶化の硬化度が小さくな
る。また、径が小さいので、フェースプレートガラス面
との接触面積が小さくなる。これらのために、フェース
プレートガラス面と蛍光体ドットとの接着力が悪くな
り、蛍光体ドットが現像時に脱落し易くなる。
【0026】上記のアジド化合物を光架橋剤とする膜に
光が照射されると、アジド基が光分解し、膜が不溶化す
る。しかし、ガラス基板との接着性の向上には少しも関
与しない。そのために、露光によって不溶化した蛍光体
ドットは、現像時にフェースプレート内面から脱落し易
い。
【0027】そのため、フェースプレート内面にアジド
化合物と光架橋率の良い水溶性アルデヒドポリマー等を
含むプリコート塗膜を形成し、次に、蛍光体を含む感光
性組成物の膜を塗布する。このようにしてから、露光す
ると蛍光体ドットが光硬化すると同時に、プリコート中
に存在するポリマーとも光硬化するので、ドットは、プ
リコート塗膜を介して、フェースプレート内面と強く接
着することができる。このように、アジド化合物を光架
橋剤として使用した場合は、上記のプリコート塗膜を用
いることが好ましい。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。 〈実施例1〜3〉ポリビニルアルコール誘導体を以下の
ようにして合成した。10wt%のポリビニルアルコー
ル(株式会社クラレ製、商品名、クラレポバール22
4、重合度1700、鹸化度88%)の水溶液300g
に、変性度の異なるポリマーを合成するためにアクロレ
インの仕込み量をそれぞれ、0.96ml、1.9m
l、2.9mlに変えて混合した3種類の原料を準備
し、いずれも60℃で12時間加温処理した。上記アク
ロレインの仕込み量は、ポリビニルアルコールのモノマ
ー単位に対し、それぞれ2モル%、4モル%、8モル%
に相当する。放冷後、過剰のアセトン中に注入してポリ
マーを析出させ、ろ別し、乾燥した。得られたポリビニ
ルアルコール誘導体は、分析の結果、それぞれ、1モル
%、2モル%、4モル%のアルデヒド基を持つモノマー
単位を含んでいた(以下、この値をアクロレイン変性度
という)。
【0029】上記の方法で得たポリマーと重クロム酸ナ
トリウムとを混合して下記の組成1の感光性組成物を調
製した。これをガラス板に0.5〜0.7μmの厚さに
回転塗布し、乾燥して塗膜とした。
【0030】 組成1 ポリビニルアルコール誘導体 2.0wt% 重クロム酸ナトリウム 0.2 水 残余 ポリビニルアルコール誘導体のアクロレイン変性度と感
度との関係を図1に示した。比較例として、原料のポリ
ビニルアルコールを用いた感光性組成物の感度をアクロ
レイン変性度0モル%の位置に示した。感度の評価は超
高圧水銀灯からの照度一定の紫外光を一定時間露光した
後、水で現像して膜が不溶化する最小の露光量を求めて
行った。図1から、感度はアクロレイン変性度が増加す
るほど良くなることが分かる。
【0031】なお、得られたポリビニルアルコール誘導
体の5wt%水溶液の粘度は、25℃において、アクロ
レイン変性度1モル%、2モル%、4モル%のものが、
それぞれ、155cp、164cp、165cpであっ
た。このように粘度が低いため、上記塗膜の膜厚は略均
一であった。
【0032】また、アクロレインの仕込み量を1.9m
lとした場合について、反応温度を40℃、80℃、1
00℃に変えて同様の合成を行った。得られたポリビニ
ルアルコール誘導体を用いた感光性組成物の特性は、上
記の仕込み量の同じものの特性とほぼ同じであった。こ
れらのポリマーの5wt%水溶液の粘度は、25℃にお
いて、いずれも160cpから165cpの範囲にあっ
た。
【0033】さらにまた、上記感光性組成物中の重クロ
ム酸ナトリウムに変えて、重クロム酸アンモニウムを用
いても、クロム酸ナトリウムを用いても、結果はほとん
ど同じであった。
【0034】〈実施例4〉アクロレイン変性度4モル%
のポリビニルアルコール誘導体に原料のポリビニルアル
コールを混合して、下記組成2の感光性組成物を調製
し、上記実施例と同様にしてその感度を評価した。
【0035】 組成2 アクロレイン変性度4モル%ポリビニルアルコール誘導体 1wt% ポリビニルアルコール 1 重クロム酸ナトリウム 0.14 水 残余 比較例のポリビニルアルコールのみをベースポリマーと
する感光性組成物の膜に比べて、不溶化に要する露光量
は約1/2であった。
【0036】〈実施例5〉アクロレイン変性度4モル%
ポリビニルアルコール誘導体と、光架橋剤のビスアジド
化合物として、4,4´−ビスアジドスチルベン−2,
2´−ジスルフォン酸ナトリウム塩と、接着促進剤とし
て、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメ
トキシシランとを混合して、下記組成3の感光性組成物
を調製し、これを上記実施例と同様にしてその感度を評
価した。
【0037】 組成3 アクロレイン変性度4モル%ポリビニルアルコール誘導体 2wt% 4,4´−ビスアジドスチルベン−2,2´−ジスルフォン酸ナトリウム塩 0.2 接着促進剤 0.02 水 残余 比較例のポリビニルアルコールをベースポリマーとする
感光性組成物の膜に比べて、不溶化に要する露光量は約
1/2であった。
【0038】〈実施例6〉ポリビニルアルコール誘導体
と重クロム酸ナトリウムからなる感光性組成物と緑色発
光蛍光体粉体を混合して、下記組成4のスラリーを調製
した。界面活性剤としてはポリオキシエチレンプロピレ
ンエーテルを用いた。
【0039】 組成4 緑色発光蛍光体粉体 30wt% アクロレイン変性度2モル%ポリビニルアルコール誘導体 3 重クロム酸ナトリウム 0.3 界面活性剤 0.03 水 残余 このスラリーを用いて、30インチカラーブラウン管を
製造する方法を説明する。図2(a)はカラーブラウン
管の模式的な概略断面図、図2(b)はそのフェースプ
レート部分の拡大断面図である。この30インチカラー
ブラウン管のフェースプレート1の内面に、通常の方法
でブラックマトリックス2を形成し、この上に、下記組
成5のプリコート液を塗布し、薄膜を形成した。プリコ
ート液の塗布は、ガラス面に蛍光体が直接被着し、現像
時にカブリを生じるのを防止することと、蛍光体ドット
の接着性向上のために通常行われている方法である。
【0040】 組成5 ポリスチレンエマルジョン 1.2wt% ポリビニルアルコール 0.15 コロイダルシルカ 0.2 水 残余 ついで、組成4のスラリーをこの上に塗布した。塗布膜
厚は、スクリーンウエイトで約30mg/cm2であ
る。シャドウマスクを装着し、超高圧水銀灯を光源と
し、蛍光体3の被着する位置を露光した。温水で2分ス
プレー現像し、蛍光体3のドットを形成した。ついで、
このプロセスを赤、青色発光の各蛍光体粉体について行
い、フェースプレートの内面に蛍光面を製造した。
【0041】以下、従来方法と同様にして、フイルミン
グの後、アルミナイジングによりアルミニウム膜4を形
成し、パネルベーキングを行い、シャドウマスク5を装
着し、フェースプレート1とファンネル部7を合わせ、
フリットベーキングし、電子銃6を装着してカラーブラ
ウン管を製造した。
【0042】以上の工程において、露光時間は、従来の
感光性組成物を用いた場合の約1/3であった。また、
上記感光性組成物中の重クロム酸ナトリウムに変えて、
重クロム酸アンモニウムを用いても、クロム酸ナトリウ
ムを用いても、結果はほとんど同じであった。
【0043】〈実施例7〉実施例6における組成4のス
ラリーのベースポリマーをポリビニルアルコール誘導体
とポリビニルアルコールとの混合物に変えた下記組成6
のスラリーを調製した。
【0044】 組成6 緑色発光蛍光体粉体 30wt% アクロレイン変性度4モル%ポリビニルアルコール誘導体 1.125 ポリビニルアルコール 1.125 重クロム酸ナトリウム 0.16 界面活性剤 0.02 水 残余 以下、実施例6と同様にして、組成5のプリコート液及
び組成6のスラリーを用いて、カラーブラウン管を製造
した。このときの露光時間は、従来の感光性組成物を用
いた場合の約1/2であった。
【0045】〈実施例8〉ポリビニルアルコール誘導体
とビスアジド化合物からなる感光性組成物と緑色発光蛍
光体粉体を混合して、下記組成7のスラリーを調製し
た。また、下記組成8のプリコート液を調製した。
【0046】 組成7 緑色発光蛍光体粉体 30wt% アクロレイン変性度4モル%ポリビニルアルコール誘導体 2.25 4,4´−ビスアジドスチルベン−2,2´−ジスルフォン酸ナトリウム塩 0.225 界面活性剤 0.02 水 残余 組成8 ポリスチレンエマルジョン 1.2wt% アクロレイン変性度4モル%ポリビニルアルコール誘導体 0.15 コロイダルシルカ 0.2 水 残余 以下、実施例6と同様にして、組成8のプリコート液及
び組成7のスラリーを用いて、カラーブラウン管を製造
した。このときの露光時間は、従来の感光性組成物を用
いた場合の約1/2であった。
【0047】なお、このプロセスにおいて、組成5のプ
リコート液を用いた場合には、接着力が悪く、現像時に
ドットが基板から剥離した。しかし、上記組成8のプリ
コート液を用いたとき、この組成8のプリコート液のポ
リビニルアルコール誘導体をポリアクリルアミド、ポリ
ビニルピロリドン若しくはアクリルアミド−ジアセトン
アクリルアミドコポリマーに変えたプリコート液を用い
たとき又はポリビニルアルコール誘導体とポリビニルピ
ロリドンを含むプリコート液を用いたときは、いずれも
良好に蛍光体ドットが形成できた。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、高感度で、かつ、水溶
液が低粘度である感光性組成物を得ることが出来る。ま
た、このような感光性組成物を用いて短時間の露光でパ
ターンを形成することができる。さらに、このような感
光性組成物を用い、均一な厚みの塗膜を形成することが
でき、さらに、短時間の露光で表示装置を製造できる。
さらにまた、このような感光性組成物に用いるに適した
水溶性ポリビニルアルコール誘導体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果を説明するためのアクロレイン変
性度(モル%)と感光性組成物の不溶化のための最小露
光量との関係を示す図。
【図2】本発明のカラーブラウン管の模式的な概略断面
図及びそのフェースプレート部分の拡大断面図。
【符号の説明】
1…フェースプレート 2…ブラックマトリックス 3…蛍光体 4…アルミニウム膜 5…シャドウマスク 6…電子銃 7…ファンネル部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 129/12 PFP 6904−4J G03F 7/004 503 7/038 7/04 7/30 7124−2H H01J 17/49 9376−5E (72)発明者 伊藤 雅人 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 西澤 昌紘 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖にアルデヒド基を持つ水溶性ポリビニ
    ルアルコール誘導体と水溶性光架橋剤とからなることを
    特徴とする感光性組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の感光性組成物において、上
    記水溶性ポリビニルアルコール誘導体は、アクロレイン
    とポリビニルアルコールとを水溶液中で縮合してなるポ
    リマーであることを特徴とする感光性組成物。
  3. 【請求項3】請求項2記載の感光性組成物において、上
    記水溶性ポリビニルアルコール誘導体のアクロレインの
    縮合率は、ポリビニルアルコールのモノマー単位に対
    し、0.5モル%以上であることを特徴とする感光性組
    成物。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれか一に記載の感光
    性組成物において、上記水溶性光架橋剤は、重クロム酸
    アルカリ塩及びクロム酸アルカリ塩からなる群から選ば
    れた少なくとも一種の塩又はアジド化合物であることを
    特徴とする感光性組成物。
  5. 【請求項5】基板上に、請求項1から4のいずれか一に
    記載の感光性組成物の塗膜を形成する工程、該塗膜に所
    望のパターンの露光を行う工程及び現像により、該塗膜
    を所望のパターンにする工程を有することを特徴とする
    パターン形成方法。
  6. 【請求項6】請求項1から4のいずれか一に記載の感光
    性組成物と蛍光体粉末との水性懸濁液を製造する工程、
    表示装置のフエースプレート内面に、該水性懸濁液を塗
    布して塗膜を形成する工程、該塗膜に所望のパターンの
    露光を行う工程及び現像により、該塗膜を所望のパター
    ンにする工程を有することを特徴とする表示装置の製造
    方法。
  7. 【請求項7】請求項6記載の表示装置の製造方法におい
    て、上記表示装置のフエースプレート内面は、ブラック
    マトリックスが形成されており、上記水性懸濁液の塗布
    は、ブラックマトリックスの上に行われることを特徴と
    する表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7記載の表示装置の製造方法におい
    て、上記ブラックマトリックスの上に、現像時のカブリ
    防止と蛍光体ドットの接着性向上のためのプリコート液
    を塗布して、薄膜を形成して後に、上記水性懸濁液の塗
    布を行うことを特徴とする表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8記載の表示装置の製造方法におい
    て、上記水溶性光架橋剤は、アジド化合物であり、上記
    プリコート液は、側鎖にアルデヒド基を持つ水溶性ポリ
    ビニルアルコール誘導体、ポリアクリルアミド、アクリ
    ルアミド−ジアセトンアクリルアミドコポリマー及びポ
    リビニルピロリドンからなる群から選ばれた少なくとも
    一種のポリマーを含むプリコート液であることを特徴と
    する表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項6から9のいずれか一に記載の表
    示装置の製造方法において、上記表示装置は、カラーブ
    ラウン管であることを特徴とする表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】アクロレインとポリビニルアルコールと
    を水溶液中で加熱し、縮合させることを特徴とする側鎖
    にアルデヒド基を持つ水溶性ポリビニルアルコール誘導
    体の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項11記載の水溶性ポリビニルアル
    コール誘導体の製造方法において、上記加熱は、40℃
    から100℃の範囲の温度であることを特徴とする水溶
    性ポリビニルアルコール誘導体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09235340A (ja) * 1996-02-22 1997-09-09 Degussa Ag アクロレイン放出性コポリマー、その製法、これを含有する殺生用の水含有系及び物質の保存法

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JPH09235340A (ja) * 1996-02-22 1997-09-09 Degussa Ag アクロレイン放出性コポリマー、その製法、これを含有する殺生用の水含有系及び物質の保存法

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