JPH09185163A - 水溶性感光性樹脂組成物およびこれを用いたブラックマトリックスパターンの形成方法 - Google Patents

水溶性感光性樹脂組成物およびこれを用いたブラックマトリックスパターンの形成方法

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JPH09185163A
JPH09185163A JP35263395A JP35263395A JPH09185163A JP H09185163 A JPH09185163 A JP H09185163A JP 35263395 A JP35263395 A JP 35263395A JP 35263395 A JP35263395 A JP 35263395A JP H09185163 A JPH09185163 A JP H09185163A
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water
polymer
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photosensitive resin
soluble
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JP35263395A
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English (en)
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Shozo Miyazawa
祥三 宮澤
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特にカラーブラウン管などのブラックマトリ
ックスの製造に用いられるホトレジストとして、高感度
で、短い露光時間、少ない露光量で効率よく光硬化パタ
ーンを形成することができるとともに、ガラス基板との
密着性に優れ、薄膜でもパターン形成が可能であり、容
易に剥離可能な水溶性感光性樹脂組成物、およびこれを
用いたブラックマトリックスパターンの形成方法を提供
する。 【解決手段】 特定の構成単位を有する高分子化合物
と、直鎖に1,2−グリコール結合を有する水溶性ポリ
マーとを含有させて、水溶性感光性樹脂組成物とする。
そして、この水溶性感光性樹脂組成物を用いて光硬化パ
ターンを形成した後、光吸収性物質を全面に塗布、乾燥
後、前記光硬化パターンとその上の光吸収性物質を剥離
除去することによりブラックマトリックスパターンを形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にカラーディス
プレイ管、カラーブラウン管、その他種々のCRTの蛍
光面などに用いられるブラックマトリックスの製造に有
用な水溶性感光性樹脂組成物およびこれを用いたブラッ
クマトリックスパターンの形成方法に係り、さらに詳し
くは、高感度で、かつガラス基板との密着性に優れ、薄
膜でのパターン形成が可能であるとともに、容易に剥離
可能な水溶性感光性樹脂組成物、およびこれを用いたブ
ラックマトリックスパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーディスプレイ管またはカラーテレ
ビ等のカラーブラウン管の蛍光面に用いられるブラック
マトリックスは、通常、ガラスパネル内面に光吸収性物
質(例えば黒鉛など)からなるブラックマトリックスが
所定パターンにて形成され、このパターン部以外の部分
は多数の小さなホール(ブラックマトリックスホール)
あるいはストライプ(ブラックストライプ)をなす。そ
してこのブラックマトリックスホールあるいはストライ
プ内に通常、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3
原色蛍光体を充填して3原色蛍光体ドット(パターン)
を形成し、画像形成時には、電子銃から電子ビームを発
射し、このビームをシャドウマスクに形成された多数の
透孔を通過させ、上記蛍光体ドットを選択的に刺激する
ことにより発光させ、パネル上にカラー画像を形成する
ようになっている。
【0003】このようなシャドウマスク型カラーブラウ
ン管においては、ガラスパネル内面に形成された各蛍光
体ドットとシャドウマスクの透孔(電子ビーム通過孔)
の位置対応関係がずれると、電子ビームが目的とする蛍
光体に射突しなかったり、あるいは他の蛍光体に射突し
たりして、色再現性が低下してしまう。したがって、ブ
ラックマトリックスのパターン形成においては、上記シ
ャドウマスクの透孔と正確に対応する位置関係を保って
ブラックマトリックスホールあるいはストライプ部分が
ガラスパネル内面に形成される必要がある。そのため、
一般に、ブラックマトリックスパターンを形成する際に
用いる露光用マスクは、カラーブラウン管に用いられる
シャドウマスクそのものが用いられる。通常、このよう
なブラックマトリックスパターン形成においては、ま
ず、パネル内面に水溶性感光性樹脂組成物を塗布してホ
トレジスト層を形成し、シャドウマスクを介して上記ホ
トレジスト層の露光部分を光硬化させ、現像して非露光
部分を除去して光硬化パターンを形成した後、該光硬化
パターン上および露出基板上に全面に亘って光吸収性物
質を塗布、乾燥して黒色膜を形成する。次いで上記光硬
化パターンを剥離除去するとともに、該光硬化パターン
上の黒色膜も剥離除去して、シャドウマスクの透孔に対
応する位置にマトリックスホールあるいはストライプの
形成されたブラックマトリックスパターンを形成する。
そして、該マトリックスホールあるいはストライプ内
に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3原色蛍光
体のいずれかをそれぞれ充填して3原色蛍光体パターン
を形成することによって、蛍光面を作製している。
【0004】かかるブラックマトリックスパターン形成
に用いられる水溶性感光性樹脂組成物としては、従来よ
り、ポリビニルアルコール−重クロム酸塩系のもの、あ
るいは水溶性ポリマー−水溶性ビスアジド化合物系のも
のなどが使用されている。
【0005】しかしながら、ポリビニルアルコール−重
クロム酸塩系のものでは、感度変化が経時的に増大し、
また解像性が悪く、さらに、露光停止後に暗反応による
架橋領域の増大を引き起こすという問題点がある。その
ため、3原色蛍光体パターンを順次形成するために3回
露光、現像、充填を行うと、ホトレジスト層に照射され
る光にパターン間どうしでの重複が生じ、本来ならば分
離されなければならないはずの隣接する他の色の蛍光体
パターンが連なってしまう、いわゆるドッキングと呼ば
れる現象が生じやすいという不具合がある。このような
不具合は、特に、マスクをホトレジスト層に接触させず
離隔させて露光を行うギャップ露光において大きな問題
となっていた。
【0006】このドッキング現象を回避するために、例
えば特開昭48−79970号公報では、水溶性ポリマ
ー−水溶性ビスアジド化合物系水溶性感光性樹脂組成物
の水溶性ポリマーとしてポリビニルピロリドンを用いた
方法が開示されている。すなわち、ポリビニルピロリド
ンを用いた場合、光照射積算値がある一定値以下のと
き、それによって生じる架橋がほとんど進行しないとい
う特性(「相反則不軌特性」)をもつため、ホトレジス
ト層の架橋度のプロフィルは、ビーム通過孔の中心に比
較的近い場所では傾斜が急であって、中心から離れるに
したがって架橋度が著しく低下する。そのためビーム通
過孔の外縁部付近における架橋度は、ドットを形成する
に必要な最低架橋度に達せず、生ずるドットの直径はビ
ーム通過孔の直径より小さくなり、ドッキングが生じな
い、というものである。しかしながらこの特開昭48−
79970号公報に開示されているような水溶性ポリマ
ー−水溶性ビスアジド化合物系のものは、解像性は優れ
るものの感度が低く、さらにガラス基板との密着性が悪
いため、水溶性のシランカップリング剤などの密着性向
上剤をある一定量以上添加しなければならず、また、ホ
トレジスト層をある膜厚以上に形成しないと現像時にパ
ターン流出が起こってしまうためホトレジスト層を薄膜
化することができないという製造効率および製造コスト
面での問題がある。さらに剥離時にホトレジスト層が完
全に除去されずに剥離残りが生じ、そのため次工程の蛍
光体形成において、蛍光体がこの剥離残りに付着し、混
色の原因となる等の問題がある。
【0007】このほかに、パターン形状および解像性に
優れたものとして、水溶性ポリマーに感光基を導入した
系のものも提案されているが、これは感度および安定性
において問題があり、実用化に至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであり、その課題は、特にカラーブ
ラウン管などのブラックマトリックスの製造に用いられ
るホトレジストとして、高感度で、短い露光時間、少な
い露光量で効率よく光硬化パターンを形成することがで
きるとともに、ガラス基板との密着性に優れ、薄膜でも
パターン形成が可能であり、容易に剥離可能な水溶性感
光性樹脂組成物、およびこれを用いたブラックマトリッ
クスパターンの形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意研究を重ねた結果、水溶性ポリマーと
して直鎖に1,2−グリコール結合を有するものを用
い、かつ感光性成分として特定の構成単位を有する高分
子化合物を用いて水溶性感光性樹脂組成物とすることに
より上記課題を解決することができるという知見を得、
これに基づいて本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち本発明は、下記の一般式(I)お
よび(II)
【0011】
【化4】 (式中、RはHまたはCH3 を表す)
【0012】
【化5】 (式中、XはNa、KまたはNH4 を表す)で表される
構成単位を有する高分子化合物と、直鎖に1,2−グリ
コール結合を有する水溶性ポリマーとを含有してなる水
溶性感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0013】また本発明は、基板上に上記水溶性感光性
樹脂組成物を用いて光硬化パターンを形成した後、光吸
収性物質を全面に塗布、乾燥後、前記光硬化パターンと
その上の光吸収性物質を剥離除去することによりブラッ
クマトリックスパターンを形成するブラックマトリック
スパターンの形成方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0015】(A)成分としての高分子化合物(ホトポ
リマー)は、上記一般式(I)、(II)(式中、R、
Xは上記で定義したとおり)で表される構成単位を有
し、例えば、ジアセトンアクリルアミドとモルホリノ基
を有するビニル単量体、好ましくは(メタ)アクリロイ
ルモルホリンとを公知の方法で共重合させて得られる水
溶性ポリマー(ベースポリマー)に、アジド化合物、好
ましくは4−アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸
およびその塩類から選ばれる少なくとも1種をアルドー
ル縮合反応により導入することによって得ることができ
る。
【0016】上記水溶性ポリマーは、ジアセトンアクリ
ルアミドと(メタ)アクリロイルモルホリンのみからな
るコポリマーが最も好ましいが、必要に応じて他のモノ
マーを含有することを妨げない。他のモノマーとして
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアクリ
ルアミド、ジエチルアクリルアミド、ビニルイミダゾー
ル、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N−ビニル
−2−ピロリドン等を挙げることができる。また、共重
合した後、加水分解反応させることによってアルコール
性水酸基を生じる酢酸ビニルも、上記他のモノマーに包
含される。これらは単独で用いてもよく、あるいは2種
以上を組み合わせて用いてもよい。また、これら他のモ
ノマーを含有させる場合、本願発明の効果を損なわない
範囲で用いることが必要であり、これら他のモノマーの
占める割合は高分子化合物(ホトポリマー)に対し10
モル%未満であることが望ましい。
【0017】上記ジアセトンアクリルアミドと(メタ)
アクリロイルモルホリンとの共重合反応割合は、ジアセ
トンアクリルアミド1モルに対し、(メタ)アクリロイ
ルモルホリン2〜6モルが好ましく、より好ましくは3
〜5モルである。(メタ)アクリロイルモルホリンの割
合が6モルを超えると感光性が低下するおそれがあり、
一方、2モル未満では溶解性および相反則不軌特性が悪
くなるおそれがあり、好ましくないからである。
【0018】このようにして得られる水溶性ポリマー
は、重量平均分子量が10×104 〜50×104 であ
るのが好ましく、より好ましくは15×104 〜40×
104である。
【0019】この水溶性ポリマーに、4−アジドベンズ
アルデヒド−2−スルホン酸またはその水溶性塩類の少
なくとも1種をアルドール縮合反応により導入するが、
その導入量は、感光特性の点からジアセトンアクリルア
ミド100モル%に対し50〜100モル%が好まし
く、特に好ましくは80〜100モル%である。これは
ジアセトンアクリルアミドと(メタ)アクリロイルモル
ホリンとの共重合体に対するアジド基の付加割合(アジ
ド付加率)を示し、例えばアジド付加率が100%の場
合、高分子化合物(A)中には上記一般式(I)および
(II)で表される構成単位が含有され、アジド付加率
が100%に満たない場合は、その分さらに式(II
I)
【0020】
【化6】 で表される構成単位が含有されることとなる。
【0021】このようにして上記一般式(I)および
(II)で表される構成単位、場合によりさらに式(I
II)で表される構成単位を有する高分子化合物(ホト
ポリマー)を得ることができる。
【0022】なお、上述の他のモノマーとして酢酸ビニ
ルを用いた場合、ジアセトンアクリルアミド、(メタ)
アクリロイルモルホリン、および酢酸ビニルを共重合
し、アルカリにて酢酸基を加水分解することによって水
酸基含有水溶性ポリマーを合成することができる。この
水酸基含有水溶性ポリマーは、酸性水溶液中でアルデヒ
ド類をアセタール化反応により導入することによって、
耐水性に極めて優れたパターン形成が可能な水溶性ポリ
マーとなることから、好適に用いられる。
【0023】このようなアルデヒド類としては、例えば
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアル
デヒド、n−ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド等
の脂肪族系アルデヒド類;ベンズアルデヒド、ジアルキ
ルベンズアルデヒド、アルキルベンズアルデヒド、シン
ナミックアルデヒド等の芳香族系アルデヒド類;ピリジ
ンアルデヒド等の複素環系アルデヒド類等が挙げられ
る。これらアルデヒド類には、4−アジドベンズアルデ
ヒド−2−スルホン酸およびその塩類や、ホルミルスチ
リルピリジンおよびその4級化塩等も含まれる。これら
アルデヒド類は、単独で用いてもよく、また2種以上を
組み合わせて用いてもよい。実用上好ましく用いられる
ものはプロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、
クロトンアルデヒド等であり、中でもn−ブチルアルデ
ヒドが最も好適に用いられる。
【0024】このアルデヒド類によるアセタール化反応
は、水溶性ポリマーの全水酸基の15モル%以下をアセ
タール化することが好ましい。15モル%を超えると安
定性に優れた水溶性ポリマーを得るのが難しいからであ
る。
【0025】上記一般式(I)および(II)、場合に
よりさらに式(III)で表される構成単位を有する高
分子化合物(ホトポリマー)は高感度であり、10mJ
/cm2 の光量で露光した場合、グレースケール法(K
odak Photographic Step Ta
blet No.2を使用)で13〜20ステップを感
光することができる。なお、ホトポリマー中の水溶性モ
ノマー単位の割合、アジド化合物の導入量を適宜選択す
ることにより20ステップ以上の高感度化も可能である
が、一般に20ステップを超えると感度が高すぎるため
感光性組成物の保存安定性が悪くなり、取扱いが難しい
という問題が生じ、好ましくない。
【0026】(B)成分としての水溶性ポリマーは、直
鎖に1,2−グリコール結合を有するが、これらと相容
性をもち得る水溶性高分子物質の少なくとも1種をさら
に配合した混合物等も含み得る。
【0027】直鎖に1,2−グリコール結合を有する水
溶性ポリマーとしては、少なくともポリマー直鎖に1〜
8モル%の1,2−グリコール結合を有する構成単位を
含有していることが好ましい。これは、1モル%未満で
は本願で用いる剥離剤に対する溶解剥離性が十分に得ら
れない傾向があり、また、8モル%程度の含有量であれ
ば良好な剥離性を示すため、それより過剰に含有させる
必要は特にないためである。ここで「1,2−グリコー
ル結合を有する構成単位」とは、具体的には下記の化7
【0028】
【化7】 で表される構成単位をいう。
【0029】直鎖に1,2−グリコール結合を有する水
溶性ポリマーとして例えば、ポリビニルアルコール(P
VA)を挙げることができる。この場合、PVAは水溶
性を示せばよく、部分ケン化物でも完全ケン化物でも用
いることができる。また、ジアセトンアクリルアミド、
アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン
などにより変性させたものや側鎖にシリコン含有基を付
加させたものなど各種の変性PVAをも挙げることがで
き、これらは単独でも2種以上を組み合せて使用しても
よい。
【0030】中でも、重合度が300〜3000、特に
は500〜2500、ケン化度が70〜95モル%、特
には75〜88モル%のPVAが好ましい。これは、重
合度が300未満では感度が著しく低下する傾向にあ
り、一方、重合度が3000を超えると塗布液の粘性が
高くなり、ホトレジスト膜厚のコントロールが難しくな
る傾向にあるためである。また、ケン化度が95モル%
を超えると解像力が悪くなる傾向にあり、一方、70モ
ル%未満では塗布性が悪化し、ホトレジスト膜を均一に
形成するのが困難になる。
【0031】また、上記の相容性をもち得る水溶性高分
子物質としては、例えばカルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、ポリ−L−グルタミン酸
のナトリウム塩、ゼラチン、ポリアクリルアミド、ポリ
ビニルメチルエーテル、ポリビニルアセタール、ポリエ
チレンオキシド等の単独重合体、あるいはアクリルアミ
ド−ジアセトンアクリルアミド共重合体、アクリルアミ
ド−ビニルアルコール共重合体、マレイン酸−ビニルメ
チルエーテル共重合体等の共重合体を用いることができ
る。
【0032】本発明においては、上記必須構成成分の他
に、必要に応じて相容性のある各種添加剤、例えば着色
剤、可塑剤、界面活性剤、基板との密着性をさらに高め
るためのカップリング剤等を適宜、添加、配合させるこ
とができる。
【0033】本発明の水溶性感光性樹脂組成物におい
て、(B)水溶性ポリマーに対する(A)高分子化合物
(ホトポリマー)の配合割合は0.01〜0.50(重
量比)が好ましく、特には0.05〜0.25が好まし
い。この配合割合が0.50を超えると感度が高過ぎる
ことにより露光のコントロールが困難となり、一方、
0.01未満では感度不足で実用性がなくなる。
【0034】次に、本発明に係るブラックマトリックス
パターンの形成方法について説明する。
【0035】本発明のパターン形成方法によれば、上記
水溶性感光性樹脂組成物を用いて光硬化パターンを形成
した後、光吸収性物質を全面に塗布、乾燥後、前記光硬
化パターンとその上の光吸収性物質を剥離除去すること
によって、ブラックマトリックスパターンが形成され
る。
【0036】まず、上記水溶性感光性樹脂組成物を、例
えば1〜12重量%程度となるよう水に溶かしたものを
塗布液として用い、これをガラス基板上に塗布する。本
発明の水溶性感光性樹脂組成物は光架橋効率が高いた
め、ホトレジスト層膜厚が0.1〜0.5μm程度の薄
膜となるよう塗布量を少なくしても、露光後、現像時に
パターンくずれやパターン流れを起こすことなく光硬化
パターンの形成が可能となる。したがって製造コストの
低減化を図ることができる。なお、膜厚の制御は、例え
ばスピンナー塗布法を利用した場合、回転数を種々変え
ることにより行い得る。
【0037】次いで、この水溶性感光性樹脂組成物を塗
布、乾燥して得られたホトレジスト層にシャドウマスク
を介して露光する。露光は、紫外線、特に波長300〜
400nm付近の光を出力するUVランプが好適に用い
られ、その露光量は水溶性感光性樹脂組成物の組成に応
じて若干異なるが、1〜10mJ/cm2 程度が好まし
い。本発明の上記水溶性感光性樹脂組成物を用いること
により、ギャップ露光において、相反則不軌特性を示す
良好な光硬化パターンを得ることができる。その理由は
明確ではないものの、おおよそ以下のようであろうと考
えられている。
【0038】すなわち、ホトレジスト層の光硬化反応
は、該ホトレジスト層中に含まれるアジド基が露光によ
って励起してナイトレンを発生し、このナイトレンどう
し、あるいはナイトレンとポリマーが反応して架橋し、
光硬化を起こすとされている。しかしながらこのナイト
レンは、酸素や水の存在下においては、上記架橋反応と
酸素や水との非架橋反応とが共存し、その結果、架橋反
応が抑制される。モルホリノ基を含有してなるポリマー
は酸素透過性に優れるので、ギャップ露光においては、
空気中の酸素が効率よくホトレジスト層中に取り込ま
れ、ホトレジスト層中のナイトレンと反応して上記架橋
反応を抑制するため、高照度のビーム通過孔中心部分対
応箇所に対しては光硬化反応を起こす一方、低照度のビ
ーム通過孔周縁部分対応箇所では光硬化反応が抑制さ
れ、その結果、シャドウマスクの透孔(ビーム通過孔)
よりも小さいドットの光硬化パターンが得られる。その
ため、従来例のようなドッキング現象が生じることがな
い。しかし、その分、ホトレジスト層全体の感度も低下
するため、所望のドット径を得るためには照度を高くす
る必要があるが、本発明の上記一般式(I)および(I
I)で表される構成単位を有する高分子物質は、高感度
であるため、低照度条件下においても効率よく架橋反応
が進行する。また、従来は相反則不軌特性を示す水溶性
ポリマーと感光性化合物(アジド化合物)または感光性
ポリマー(アジドペンダントポリマー)とを混合してな
る感光性樹脂組成物が提案されていたが(特開平6−5
1509号公報、特開平7−72620号公報)、これ
らはホトレジスト層表面が十分に光硬化しない傾向にあ
り、現像時に膜減りを生じるといった問題があり、また
剥離性が劣る傾向にあった。これに対し、本願発明の感
光性樹脂組成物は非常に高感度であり、特に膜減りの抑
制、剥離性に大変優れる。なお、本発明の水溶性感光性
樹脂組成物をコンタクト露光(マスクをホトレジスト層
に接触させて行う露光)に用いた場合に、マスクパター
ンに忠実な光硬化パターンを形成できることはいうまで
もない。
【0039】次いで現像を行い、未露光部分を除去し、
ガラス基板上に光硬化パターンを形成する。現像は公知
の方法により行い得る。本発明では、薄膜でのホトレジ
スト層形成であっても、現像時のパターンくずれやパタ
ーン流れ等が起こらず、良好な光硬化パターンが得られ
る。
【0040】次いでこれを乾燥し、光吸収性物質含有液
を光硬化パターン上並びに露出基板上の全面に亘って塗
布して再び乾燥した後、前記光硬化パターンを剥離除去
するとともに、該光硬化パターン上に被着された光吸収
性物質も剥離除去することにより、ブラックマトリック
スパターンを形成する。光吸収性物質としては、特に限
定はなく、一般に使用される黒鉛が好適に用いられる。
上述の剥離除去は通常の剥離剤等を用いて行うことがで
きる。剥離剤としては、例えば次亜塩素酸、次亜塩素酸
ナトリウム等の次亜塩素酸塩、過酸化水素、ペルオキソ
硫酸、ペルオキソ硫酸カリウム等のペルオキソ硫酸塩、
過ヨウ素酸、過ヨウ素酸カリウム等の過ヨウ素酸塩のほ
か、過マンガン酸系、過塩素酸系等の酸性水溶液が用い
られる。本発明の水溶性感光性樹脂組成物はこれら一般
的に知られている剥離剤を用いて容易に剥離を行うこと
ができるが、特に過ヨウ素酸およびその水溶性塩類を含
む水溶液が溶解剥離性に優れるとともに、取り扱い性、
長期保存性にも優れ、好ましい。なお、上記水溶性塩類
としては、具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩等が挙げられる。
【0041】このようにして得られたブラックマトリッ
クスをカラーブラウン管に用いるときには、所要のブラ
ックマトリックスホールあるいはストライプ部分に赤、
青、緑の3原色蛍光体を充填し、このパネルを電子銃か
らの電子ビームをシャドウマスクの透孔を通過させて所
望の蛍光体に照射し、カラー画像を得る。本発明の水溶
性感光性樹脂組成物およびブラックマトリックスパター
ンの形成方法の適用により、高コントラストで高鮮明な
カラー画像を得ることができる。
【0042】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれによってなんら限定されるものではない。
【0043】I.水溶性感光性樹脂組成物の製造 [製造実施例1]1−1.水溶性ポリマー(ベースポリマー)a溶液の合
アクリロイルモルホリン289g、ジアセトンアクリル
アミド131g、純水6.5kgをフラスコに仕込み、
窒素ガスでバブリングしながら加熱した。
【0044】温度が70℃になったところで窒素ガスの
流加を止め、重合開始剤として2,2’−アゾビス[2
−(2’−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩基
酸(「VA−044」;和光純薬(株)製)20gを添
加したところ、反応溶液は80℃まで昇温し、この温度
を維持しながら3時間反応を行った。その後室温(25
℃)まで冷却し、次いで80℃まで加熱して、ポリマー
を析出させた。このポリマーをデカンテーションにより
分離し、ここへ純水を加えて希釈し、固形分5重量%の
水溶性ポリマー(ベースポリマー)a溶液7.5kgを
得た。分析の結果、この水溶性ポリマーa溶液中のポリ
マーの平均分子量は27×104 (DMF法、ポリスチ
レン基準)であり、ジアセトンアクリルアミドの含有量
は25モル%であった。
【0045】1−2.ホトポリマーa’溶液の合成 上記ベースポリマーa溶液100gに4−アジドベンズ
アルデヒド−2−スルホン酸ナトリウム2.2gを溶解
添加し、次いで12%水酸化ナトリウム水溶液2mlを
添加し、室温(25℃)にて6時間反応を行った。その
後、希塩酸にて中和し、さらに純水で希釈し、固形分7
重量%のホトポリマーa’溶液を得た。
【0046】このホトポリマーa’溶液を、砂目立てし
たアルミニウム板上に回転塗布、乾燥し、膜厚0.5μ
mの乾燥被膜を形成した。これをグレースケール法にて
感度を測定した。すなわち、上記被膜上にグレースケー
ル(Kodak Photographic Step
Tablet No.2)を密着させ、超高圧水銀灯
にて10mJ/cm2 の紫外線量で露光し、次いで純水
のかけ流しによる現像を行った。メチルバイオレット水
溶液で染色後、水洗、乾燥したところ、16ステップま
でが光硬化し、良好な感度のホトポリマーであることが
わかった。
【0047】1−3.試料Aの調製 ポリビニルアルコール(PVA)粉末(重合度240
0、ケン化度88モル%、1,2−グリコール結合の含
有量3モル%)7gを純水100gに溶解した。これに
上記ホトポリマーa’溶液10gを添加溶解し、ホトポ
リマーa’/PVA=0.10(重量比)の試料Aを調
製した。
【0048】[製造実施例2]2−1.水溶性ポリマー(ベースポリマー)b溶液の合
アクリロイルモルホリンとジアセトンアクリルアミドの
仕込量を代えた以外は、製造実施例1−1と同様にし
て、平均分子量24×104 、ジアセトンアクリルアミ
ドの含有量16.7モル%の水溶性ポリマーb溶液を得
た。
【0049】2−2.ホトポリマーb’溶液の合成 ベースポリマーa溶液の代わりにベースポリマーb溶液
を用いた以外は、製造実施例1−2と同様にして、4−
アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウムの
付加率が90%、固形分7重量%のホトポリマーb’溶
液を得た。
【0050】2−3.試料Bの調製 ホトポリマーa’溶液の代わりにホトポリマーb’溶液
を用いた以外は、製造実施例1−3と同様にして、ホト
ポリマーb’/PVA=0.10(重量比)の試料Bを
調製した。
【0051】[製造実施例3]3−1.水溶性ポリマー(ベースポリマー)c溶液の合
アクリロイルモルホリンとジアセトンアクリルアミドの
仕込量を代えた以外は、製造実施例1−1と同様にし
て、平均分子量18×104 、ジアセトンアクリルアミ
ドの含有量33.3モル%の水溶性ポリマーc溶液を得
た。
【0052】3−2.ホトポリマーc’溶液の合成 ベースポリマーa溶液の代わりにベースポリマーc溶液
を用いた以外は、製造実施例1−2と同様にして、4−
アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウムの
付加率が90%、固形分7重量%のホトポリマーc’溶
液を得た。
【0053】3−3.試料Cの調製 ホトポリマーa’溶液の代わりにホトポリマーc’溶液
を用いた以外は、製造実施例1−3と同様にして、ホト
ポリマーc’/PVA=0.10(重量比)の試料Cを
調製した。
【0054】[製造実施例4]4−1.水溶性ポリマー(ベースポリマー)d溶液の合
アクリロイルモルホリンとジアセトンアクリルアミドの
仕込量を代えた以外は、製造実施例1−1と同様にし
て、平均分子量36×104 、ジアセトンアクリルアミ
ドの含有量14.3モル%の水溶性ポリマーd溶液を得
た。
【0055】4−2.ホトポリマーd’溶液の合成 ベースポリマーa溶液の代わりにベースポリマーd溶液
を用いた以外は、製造実施例1−2と同様にして、4−
アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウムの
付加率が90%、固形分7重量%のホトポリマーd’溶
液を得た。
【0056】4−3.試料Dの調製 ホトポリマーa’溶液の代わりにホトポリマーd’溶液
を用いた以外は、製造実施例1−3と同様にして、ホト
ポリマーd’/PVA=0.10(重量比)の試料Dを
調製した。
【0057】[製造比較例1]比較試料Vの調製 ポリビニルピロリドン(PVP)粉末(K値=90)7
gを純水100gに溶解した。これに4,4’−ジアジ
ドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸二ナトリウムを
0.7g添加溶解し、4,4’−ジアジドスチルベン−
2,2’−ジスルホン酸二ナトリウム/PVP=0.1
0(重量比)の比較試料Vを調製した。
【0058】[製造実施例5]PVA粉末(重合度24
00、ケン化度88モル%、1,2−グリコール結合の
含有量3モル%)7gを純水100gに溶解した。これ
に上記製造実施例1−2で得られたホトポリマーa’溶
液3gを添加溶解し、ホトポリマーa’/PVA=0.
03(重量比)の試料Eを調製した。
【0059】[製造実施例6]PVA粉末(重合度24
00、ケン化度88モル%、1,2−グリコール結合の
含有量3モル%)7gを純水100gに溶解した。これ
に上記製造実施例1−2で得られたホトポリマーa’溶
液20gを添加溶解し、ホトポリマーa’/PVA=
0.20(重量比)の試料Fを調製した。
【0060】[製造実施例7]PVA粉末(重合度24
00、ケン化度88モル%、1,2−グリコール結合の
含有量3モル%)7gを純水100gに溶解した。これ
に上記製造実施例1−2で得られたホトポリマーa’溶
液40gを添加溶解し、ホトポリマーa’/PVA=
0.40(重量比)の試料Gを調製した。
【0061】[製造実施例8]変性PVA(「R−11
30」;クラレ(株)製)7gを純水100gに溶解し
た。これに上記製造実施例1−2で得られたホトポリマ
ーa’溶液10gを添加溶解し、ホトポリマーa’/P
VA=0.10(重量比)の試料Hを調製した。
【0062】[製造実施例9]9−1.水溶性ポリマー(ベースポリマー)e溶液の合
アクリロイルモルホリンとジアセトンアクリルアミドの
仕込量を代えた以外は、製造実施例1−1と同様にし
て、水溶性ポリマー(ベースポリマー)e溶液を得た。
分析の結果、この水溶性ポリマーe溶液中のポリマーの
平均分子量は15×104 (DMF法、ポリスチレン基
準)であり、ジアセトンアクリルアミドの含有量は50
モル%であった。
【0063】9−2.ホトポリマーe’溶液の合成 ベースポリマーa溶液の代わりにベースポリマーe溶液
を用いた以外は、製造実施例1−2と同様にして、4−
アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウムの
付加率が90%、固形分7重量%のホトポリマーe’溶
液を得た。
【0064】9−3.試料Iの調製 ホトポリマーa’溶液の代わりにホトポリマーe’溶液
を用いた以外は、製造実施例1−3と同様にして、ホト
ポリマーe’/PVA=0.10(重量比)の試料Iを
調製した。
【0065】[製造実施例10]10−1.水溶性ポリマー(ベースポリマー)f溶液の
合成 アクリロイルモルホリンとジアセトンアクリルアミドの
仕込量を代えた以外は、製造実施例1−1と同様にし
て、水溶性ポリマー(ベースポリマー)f溶液を得た。
分析の結果、この水溶性ポリマーf溶液中の平均分子量
は37×104 (DMF法、ポリスチレン基準)であ
り、ジアセトンアクリルアミドの含有量は10モル%で
あった。
【0066】10−2.ホトポリマーf’溶液の合成 ベースポリマーa溶液の代わりにベースポリマーf溶液
を用いた以外は、製造実施例1−2と同様にして、4−
アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウムの
付加率が90%、固形分7重量%のホトポリマーf’溶
液を得た。
【0067】10−3.試料Jの調製 ホトポリマーa’溶液の代わりにホトポリマーf’を用
いた以外は、製造実施例1−3と同様にして、ホトポリ
マーf’/PVA=0.10(重量比)試料Jを調製し
た。
【0068】[製造実施例11]11−1.ホトポリマーg’溶液の合成 4−アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウ
ムの添加量を代えた以外は、製造実施例1−2と同様に
して、4−アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナ
トリウムの付加率が30%、固形分7重量%のホトポリ
マーg’溶液を得た。
【0069】11−2.試料Kの調製 ホトポリマーa’溶液の代わりにホトポリマーg’溶液
を用いた以外は、製造実施例1−3と同様にして、ホト
ポリマーg’/PVA=0.10(重量比)の試料Kを
調製した。
【0070】[製造実施例12]12−1.水溶性ポリマー(ベースポリマー)h溶液の
合成 アクリロイルモルホリン284g、ジアセトンアクリル
アミド128g、ビニルイミダゾール7gをフラスコに
仕込み、窒素ガスでバブリングしながら加熱した。
【0071】温度が65℃になったところで窒素ガスの
流加を止め、重合開始剤として2,2’−アゾビス〔2
−(2’−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩基
酸(「VA−044」;和光純薬(株)製)20gを添
加したところ、反応溶液は75℃まで昇温し、この温度
を維持しながら3時間反応を行った。その後室温(25
℃)まで冷却し、次いで80℃まで加熱して、ポリマー
を析出させた。このポリマーをデカンテーションにより
分離し、ここへ純水を加えて希釈し、固形分5重量%の
水溶性ポリマー(ベースポリマー)h溶液7.5kgを
得た。分析の結果、この水溶性ポリマーh溶液中のポリ
マーの平均分子量は32×104 (DMF法、ポリスチ
レン基準)であり、ジアセトンアクリルアミドの含有量
は24モル%、アクリロイルモルホリンの含有量は73
モル%であった。
【0072】12−2.ホトポリマーh’溶液の合成 ベースポリマーa溶液の代わりにベースポリマーh溶液
を用いた以外は、製造実施例1−2と同様にして、4−
アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウムの
付加率が90%、固形分7重量%のホトポリマーh’溶
液を得た。
【0073】12−3.試料Lの調製 ホトポリマーa’溶液の代わりにホトポリマーh’溶液
を用いた以外は、製造実施例1−3と同様にして、ホト
ポリマーh’/PVA=0.10(重量比)の試料Lを
調製した。
【0074】[製造実施例13]PVA粉末(重合度2
50、ケン化度88モル%、1,2−グリコール結合の
含有量2モル%)を用いた以外は、製造実施例1−3と
同様にして、ホトポリマーa’/PVA=0.10(重
量比)の試料Mを調製した。
【0075】[製造比較例2]PVP粉末(K値=9
0)を用いた以外は、製造実施例1−3と同様にして、
ホトポリマーa’/PVP=0.10(重量比)の試料
Wを調製した。
【0076】[製造比較例3]3−1.水溶性ポリマー(ベースポリマー)i溶液の合
アクリルアミド234g、ジアセトンアクリルアミド1
86gをフラスコに仕込み、窒素ガスでバブリングしな
がら加熱した。
【0077】温度が50℃になったところで窒素ガスの
流加を止め、重合開始剤として2,2’−アゾビス〔2
−(2’−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩基
酸(「VA−044」;和光純薬(株)製)40gを添
加したところ、反応溶液は65℃まで昇温し、この温度
を維持しながら4時間反応を行った。その後室温(25
℃)まで冷却し、固形分7重量%の水溶性ポリマー(ベ
ースポリマー)i溶液7kgを得た。分析の結果、この
水溶性ポリマーi溶液中のポリマーの平均分子量は40
×104 (DMF法、ポリスチレン基準)であり、ジア
セトンアクリルアミドの含有量は25モル%であった。
【0078】3−2.ホトポリマーi’溶液の合成 ベースポリマーa溶液の代わりにベースポリマーi溶液
を用いた以外は、製造実施例1−2と同様にして、4−
アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウムの
付加率が90%、固形分7重量%のホトポリマーi’溶
液を得た。
【0079】3−3.比較試料Xの調製 ホトポリマーa’溶液の代わりにホトポリマーi’溶液
を用いた以外は、製造実施例1−3と同様にして、ホト
ポリマーi’/PVA=0.10(重量比)の比較試料
Xを調製した。
【0080】[製造比較例4]4−1.水溶性ポリマーj溶液の合成 アクリロイルモルホリン21.8g、ジアセトンアクリ
ルアミド26.2g、アクリルアミド25.9gおよび
イオン交換水930gをフラスコに仕込み、窒素ガスで
バブリングしながら加熱した。
【0081】温度が58℃になったところで窒素ガスの
流加を止め、重合開始剤として10%2,2’−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)塩酸塩水溶液10mlを添
加した。その後、反応溶液を68℃まで昇温し、この温
度を維持しながら6時間反応を行った。その後、ポリマ
ーをデカンテーションにより分離し、ここへ純水を加え
て希釈し、固形分7重量%の水溶性ポリマーj溶液を得
た。分析の結果、この水溶性ポリマーj溶液中のポリマ
ーの平均分子量は100×105 (DMF法、ポリスチ
レン基準)であり、ジアセトンアクリルアミドの含有量
は23モル%、アクリロイルモルホリンの含有量は23
モル%であった。
【0082】4−2.比較試料Yの調製 上記水溶性ポリマーj溶液100gに4,4’−ジアジ
ドスチルベン−2,2’−スルホン酸二ナトリウム塩
0.7gを添加溶解し、4,4’−ジアジドスチルベン
−2,2’−スルホン酸二ナトリウム塩/水溶性ポリマ
ー=0.10(重量比)の比較試料Yを得た。
【0083】[製造比較例5]5−1.比較試料Zの調製 PVA粉末(重合度2400、ケン化度88モル%、
1,2−グリコール結合の含有量3モル%)7gを純水
100gに溶解した。これに4,4’−ジアジドスチル
ベン−2,2’−スルホン酸二ナトリウム塩0.7gを
添加溶解し、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’
−スルホン酸二ナトリウム塩/PVA=0.10(重量
比)の比較試料Zを調製した。
【0084】II.ブラックマトリックスパターンの形
成 [実施例1]上記製造実施例1で得られた試料A50
g、純水50g、シランカップリング剤(「KBM60
3」:信越シリコン(株)製)の10%エタノール溶液
1ml、ノニオン系界面活性剤(「LT−221」;日
本油脂(株)製)の10%水溶液1mlを混合して、塗
布液を調製した。
【0085】洗浄したガラス板(125φmm)を基板
として用い、この基板上に上記組成からなる塗布液を回
転塗布し、50℃にて15分間乾燥を行い、ホトレジス
ト層(膜厚1.0μmおよび0.2μm)を形成した。
【0086】このホトレジスト層上に、ギャップ10m
mにて、所定のドットパターンの透孔を有するシャドウ
マスクを介して、波長350nm付近の光を出力する超
高圧水銀灯にて照度0.10mW/cm2 の光量で25
秒間点光源露光を行った。
【0087】露光後、水現象して未露光部分を除去した
後、50℃にて10分間熱風乾燥して光硬化パターンを
得た。
【0088】この光硬化パターンが形成されたガラス基
板上に、該光硬化パターン上並びに露出基板上の全面に
亘って黒鉛スラリー(「ヒタゾルGA−66M」;日立
粉末冶金(株)製)の2倍希釈液(水で希釈したもの)
を150rpmにて回転塗布し、50℃にて15分間乾
燥を行った。
【0089】次いでこれを25℃の1%過ヨウ素酸ナト
リウム水溶液中に1分間浸漬した後、5kg/cm2
の水で洗い流したところ、フリンジがなく、シャドウマ
スクの透孔と対応する位置にホールが形成されたブラッ
クマトリックスパターンを得た。このブラックマトリッ
クスホールの寸法を計測した結果(感度の評価)、ホト
レジストの剥離性の評価およびフリンジ形状の評価を表
1に示す。
【0090】なお、表1において、感度の評価は、上記
製造比較例1で得られた比較試料Vを用いて25秒間露
光後、水現像を行ったときのブラックマトリックスホー
ル寸法径(直径)を基準(1.00)とし、その相対値
で示している。
【0091】また、剥離性およびフリンジ形状の評価は
以下のようにして行った。
【0092】[剥離性]蛍光体スラリーを塗布し、未乾
燥のまま洗浄、除去し、乾燥した後、蛍光体発光波長域
の紫外線を放射するブラックライトでホール内の残留蛍
光体による発光の有無、および目視によるホトレジスト
層の剥離残りを調べた。 (評価) ◎: 剥離残りなし ○: ごく薄く剥離残りあり。蛍光体の付着なし △: やや濃く剥離残りあり。一部に蛍光体の付着あり ×: 完全に剥離残りあり。全体に蛍光体の付着あり。
【0093】[フリンジ形状]マトリックスホールのザ
ラつきの程度を示す。ザラつきがなく滑らかである方が
よい。 (評価) ◎: ザラつきなし ○: 細かいザラつきがパターンの一部にみられる ×: 大きいザラつきがパターンのほぼ全体にみられ
る。
【0094】[実施例2〜13、比較例1〜5]試料A
の代わりにそれぞれ試料B〜M、比較試料V〜Zを用い
た以外は、実施例1と同様にして塗布液を調製した。
【0095】この塗布液を用いて、上記実施例1と同様
にしてブラックマトリックスのパターンを形成した。こ
のブラックマトリックスホールの寸法を計測した結果、
およびホトレジストの剥離性の評価およびフリンジの評
価を表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の水溶性感
光性樹脂組成物は、膜減りがほとんど生じず、膜厚0.
2μmの薄膜でも効率よく光硬化パターンを形成するこ
とができるので、材料コストの削減が期待できる。また
高感度であるため、短時間、少ない露光量でパターンを
形成することができスループットが向上する。さらに、
安価で、保存安定性、取扱い性に優れた剥離剤による剥
離性が良好で、ほとんど剥離残りを生じないため蛍光体
の付着による混色を防ぐことができる。したがって製造
コストの低減化、製造効率の向上を図ることができると
ともに、高品質な製品製造が可能となる。また、ギャッ
プ露光の場合でもドッキング現象が生ぜず、コンタクト
露光、ギャップ露光のいずれにおいても良好な光硬化パ
ターンを得ることができ、広範囲な適用が可能である。
したがって本発明の水溶性感光性樹脂組成物を用いてブ
ラックマトリックスを製造することにより、高感度で解
像度の高い、鮮明なカラー画像を得ることが可能とな
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/038 G03F 7/038 7/42 7/42 H01J 9/227 H01J 9/227 C D

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)および(II) 【化1】 (式中、RはHまたはCH3 を表す) 【化2】 (式中、XはNa、KまたはNH4 を表す)で表される
    構成単位を有する高分子化合物(A)と、直鎖に1,2
    −グリコール結合を有する水溶性ポリマー(B)とを含
    有してなる、水溶性感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 水溶性ポリマー(B)における1,2−
    グリコール結合を有する構成単位の含有量が1〜8モル
    %である、請求項1記載の水溶性感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 水溶性ポリマー(B)がポリビニルアル
    コールである、請求項1または2記載の水溶性感光性樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリビニルアルコールの重合度が300
    〜3000である、請求項3記載の水溶性感光性樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 ポリビニルアルコールの重合度が500
    〜2500である、請求項3記載の水溶性感光性樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】高分子化合物(A)がさらに下記の式(I
    II) 【化3】 で表される構成単位を含有してなる、請求項1〜5のい
    ずれかに記載の水溶性感光性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 高分子化合物(A)中、一般式(II)
    で表される構成単位と式(III)で表される構成単位
    との配合割合が10:0〜5:5(モル比)である、請
    求項6記載の水溶性感光性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 高分子化合物(A)中、一般式(II)
    で表される構成単位と式(III)で表される構成単位
    との配合割合が10:0〜8:2(モル比)である、請
    求項6記載の水溶性感光性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 高分子化合物(A)中、一般式(I
    I)、式(III)で表される構成単位の総和と一般式
    (I)で表される構成単位との配合割合が1:2〜1:
    6(モル比)である、請求項6〜8のいずれかに記載の
    水溶性感光性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 高分子化合物(A)中、一般式(I
    I)、式(III)で表される構成単位の総和と一般式
    (I)で表される構成単位との配合割合が1:3〜1:
    5(モル比)である、請求項6〜8のいずれかに記載の
    水溶性感光性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 水溶性ポリマー(B)に対する高分子
    化合物(A)の重量比が0.01〜0.50である、請
    求項1〜10のいずれかに記載の水溶性感光性樹脂組成
    物。
  12. 【請求項12】 水溶性ポリマー(B)に対する高分子
    化合物(A)の重量比が0.05〜0.25である、請
    求項1〜10のいずれかに記載の水溶性感光性樹脂組成
    物。
  13. 【請求項13】 基板上に請求項1〜12のいずれかに
    記載の水溶性感光性樹脂組成物を用いて光硬化パターン
    を形成した後、光吸収性物質を全面に塗布、乾燥後、前
    記光硬化パターンとその上の光吸収性物質を剥離除去す
    ることによりブラックマトリックスパターンを形成す
    る、ブラックマトリックスパターンの形成方法。
  14. 【請求項14】剥離剤が過ヨウ素酸またはその水溶性塩
    類の少なくとも1種を含有する水溶液である、請求項1
    3記載のブラックマトリックスパターンの形成方法。
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JP2004538034A (ja) * 2000-08-14 2004-12-24 コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼーション 生物医学的モールディング
JP2019094431A (ja) * 2017-11-22 2019-06-20 日本酢ビ・ポバール株式会社 ポリビニルアルコール樹脂及びその製造方法

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