JP3351739B2 - 水溶性ネガ型感光性組成物およびこれを用いたブラックマトリックスパターンの形成方法 - Google Patents

水溶性ネガ型感光性組成物およびこれを用いたブラックマトリックスパターンの形成方法

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、特にカラーブラ
ウン管の蛍光面などに用いられるブラックマトリックス
の製造に有用な水溶性ネガ型感光性組成物(以下、単に
「水溶性感光性組成物」と記す場合あり)およびこれを
用いたブラックマトリックスパターンの形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カラーテレビ等のカラーブラウン管の蛍
光面に用いられるブラックマトリックスは、通常、ガラ
スパネル内面に光吸収性物質(例えば黒鉛など)からな
るブラックマトリックスが所定パターンにて形成され、
このパターン部以外の部分は多数の小さなホール(ブラ
ックマトリックスホール)あるいはストライプ(ブラッ
クストライプ)をなす。そしてこのブラックマトリック
スホールあるいはストライプ内に通常、赤色(R)、緑
色(G)、青色(B)の3原色蛍光体を充填して3原色
蛍光体ドット(パターン)を形成し、画像形成時には、
電子銃から電子ビームを発射し、このビームをシャドウ
マスクに形成された多数の透孔を通過させ、上記蛍光体
ドットを選択的に刺激することにより発光させ、パネル
上にカラー画像を形成するようになっている。
【0003】このようなシャドウマスク型カラーブラウ
ン管においては、ガラスパネル内面に形成された各蛍光
体ドットとシャドウマスクの透孔(電子ビーム通過孔)
の位置対応関係がずれると、電子ビームが目的とする蛍
光体に射突しなかったり、あるいは他の蛍光体に射突し
たりして、色再現性が低下してしまう。したがって、ブ
ラックマトリックスのパターン形成においては、上記シ
ャドウマスクの透孔と正確に対応する位置関係を保って
ブラックマトリックスホールあるいはストライプ部分が
ガラスパネル内面に形成される必要がある。そのため、
一般に、ブラックマトリックスパターンを形成する際に
用いる露光用マスクは、カラーブラウン管に用いられる
シャドウマスクそのものが用いられる。
【0004】通常、このようなブラックマトリックスパ
ターン形成においては、まず、ガラス基板上に水溶性感
光性組成物を塗布してホトレジスト層を形成し、シャド
ウマスクを介して上記ホトレジスト層の露光部分を光硬
化させ、現像して非露光部分を除去して光硬化パターン
を形成した後、該光硬化パターン上および露出基板上に
全面に亘って光吸収性物質を塗布、乾燥して光吸収性物
質被膜(黒色膜)を形成する。次いで上記光硬化パター
ンを剥離除去するとともに、該光硬化パターン上の黒色
膜も剥離除去して、シャドウマスクの透孔に対応する位
置にマトリックスホールあるいはストライプの形成され
たブラックマトリックスパターンを形成する。そして、
該マトリックスホールあるいはストライプ内に、赤色
(R)、緑色(G)、青色(B)の3原色蛍光体のいず
れかをそれぞれ充填して3原色蛍光体パターンを形成す
ることによって、蛍光面を作製している。
【0005】かかるブラックマトリックスパターン形成
に用いられる水溶性感光性組成物としては、従来、ポリ
ビニルアルコール−重クロム酸塩系のもの、あるいは非
感光性高分子−感光性アジド基含有化合物系のものなど
が使用されている。
【0006】しかしながら、ポリビニルアルコール−重
クロム酸塩系のものでは、感度変化が経時的に増大し、
また解像性が悪く、さらに、露光停止後に暗反応による
架橋領域の増大を引き起こすという問題点がある。その
ため、3原色蛍光体パターンを順次形成するために3回
露光、現像、充填を行うと、ホトレジスト層に照射され
る光にパターン間どうしでの重複が生じ、本来ならば分
離されなければならないはずの隣接する他の色の蛍光体
パターンが連なってしまう、いわゆるドッキングと呼ば
れる現象が生じやすいという不具合がある。このような
不具合は、特に、マスクをホトレジスト層に接触させず
離隔させて露光を行うギャップ露光において大きな問題
となっていた。
【0007】このドッキング現象を回避するために、例
えば特開昭48−79970号公報では、非感光性高分
子−感光性アジド基含有化合物系のものとして、ポリビ
ニルピロリドンと感光性ビスアジド化合物を含む水溶性
感光性組成物が開示されている。すなわち、ポリビニル
ピロリドンを用いた場合、光照射積算値がある一定値以
下のとき、それによって生じる架橋がほとんど進行しな
いという特性(「相反則不軌特性」)をもつため、ホト
レジスト層の架橋度のプロフィルは、ビーム通過孔の中
心に比較的近い場所では傾斜が急であって、中心から離
れるにしたがって架橋度が著しく低下する。そのためビ
ーム通過孔の外縁部付近における架橋度は、ドットを形
成するに必要な最低架橋度に達せず、生ずるドットの直
径はビーム通過孔の直径より小さくなり、ドッキングが
生じない、というものである。しかしながらこの特開昭
48−79970号公報に開示されているような水溶性
感光性組成物は、解像性は優れるものの感度が低く、さ
らにガラス基板との密着性が悪いため、水溶性のシラン
カップリング剤などの密着性向上剤をある一定量以上添
加しなければならない。しかしながら、シランカップリ
ング剤は水中で分解変質を起こしやすく、そのためガラ
ス基板との接着強度が経時的に変化したり、塗布液中に
異物を生成しやすく、塗布液の保存安定性が悪く、使用
寿命が著しく短いといった欠点を有する。さらに、剥離
時にホトレジスト層が完全に除去されずに剥離残りが生
じ、そのため次工程の蛍光体形成において、蛍光体がこ
の剥離残りに付着し、混色の原因となる等の問題があ
る。
【0008】これに対し本発明者らは、シランカップリ
ング剤の使用量を少なくしてもガラス基板との接着性が
良好な材料について開発した(特開平9−120159
号公報、特開平9−185164号公報、等)。これら
は非感光性高分子としてビニルピロリドン−ビニルイミ
ダゾールコポリマー(VP−VIコポリマー)を用いた
ものであり、高感度で、ガラス基板との密着性に優れ、
薄膜でのパターン形成が可能であるとともに、容易に剥
離可能でしかも剥離残りのないという効果を有してい
る。
【0009】このような状況にあって最近、さらなる高
感度化を図った水溶性感光性組成物が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特にカラー
ブラウン管などのブラックマトリックスの製造に用いら
れるホトレジストとして、きわめて高感度で、ガラス基
板との密着性に優れ、容易に剥離可能でしかも剥離残り
がなく、使用寿命の長い、保存安定性に優れた水溶性感
光性組成物、およびこれを用いたブラックマトリックス
パターンの形成方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、非感光性高分子
としてVP−VIコポリマーを用いた非感光性高分子−
感光性アジド基含有化合物系水溶性感光性組成物に、さ
らに有機・無機酸のアンモニウム塩を配合することによ
り上記課題を解決することができることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0012】 すなわち本発明は、(A)ビニルピロリ
ドン−ビニルイミダゾールコポリマー、(B)感光性ア
ジド基含有化合物、および(C)有機酸のアンモニウム
塩および塩化アンモニウムの中から選ばれる少なくとも
1種を含有してなる水溶性ネガ型感光性組成物に関す
る。
【0013】また本発明は、基板上に上記水溶性感光性
組成物を用いて光硬化パターンを形成した後、光吸収性
物質を全面に塗布、乾燥後、前記光硬化パターンと該パ
ターン上の光吸収性物質とを剥離除去することによりブ
ラックマトリックスパターンを形成するブラックマトリ
ックスパターンの形成方法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0015】(A)成分としてのビニルピロリドン−ビ
ニルイミダゾール(VP−VI)コポリマーは水溶性非
感光性高分子であり、K値が60〜100のものが好ま
しく、特には85〜95のものが好ましく用いられる。
ここでK値とは、分子量に依存する値であり、下記の数
【0016】
【数1】 (式中、CはVP−VIコポリマー水溶液100mlに
含まれる該VP−VIコポリマーのグラム数を示し;η
rは該VP−VIコポリマーの相対粘度を示す)で表さ
れる関係式を満足するものである。なお、上記数式にお
いて相対粘度(ηr)とは、溶媒に対する溶液の比粘度
のことであり、ある濃度の溶液(ここでは上記VP−V
Iコポリマー1gを100mlの水に溶解した溶液)の
粘度をη、その溶媒の粘度をηoとすると相対粘度
(ηr)は、ηr=η/ηoにより求められる。K値が高
すぎると、粘性が高くなりホトレジスト膜厚のコントロ
ールが難しく、また剥離性も低下する傾向がみられる。
一方、K値が低すぎると、光硬化性が低下し、所望の光
硬化パターンを形成することが難しくなる。
【0017】また、ビニルピロリドン(VP):ビニル
イミダゾール(VI)=99.9:0.1〜10:90
(モル%)程度のものが好ましく、特には95:5〜8
5:15(モル%)程度のものが好ましい。VPに対す
るVIの比が上記範囲より小さい場合は、ガラス基板に
対する接着性の向上効果が十分に発現せず、一方、上記
範囲を超えると剥離時にスカムを生じやすく、また解像
性が劣化する傾向にあり好ましくない。
【0018】非感光性高分子としてVP−VIコポリマ
ーを配合することにより、本発明水溶性感光性組成物の
ガラス基板との接着性を向上させることができ、また、
このことからシランカップリング剤を用いる必要がなく
なり、塗布液の使用寿命、保存安定性を向上させること
ができる。
【0019】本発明では、上記VP−VIコポリマーの
ほかに、該VP−VIコポリマーと相容性をもち得る他
の非感光性高分子を1種または2種以上さらに配合して
もよい。その場合、VP−VIコポリマーを含む非感光
性高分子の合計量に対するVP−VIコポリマーの配合
量が5〜99重量%、特には40〜90重量%の範囲と
なるように添加するのが好ましい。VP−VIコポリマ
ーの配合量が少なすぎるとガラス基板との密着性の向上
効果、および十分な高感度化を図ることが難しい。
【0020】上記添加し得る非感光性高分子としては、
例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチル
セルロース、ポリ−L−グルタミン酸のナトリウム塩、
ゼラチン、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエー
テル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキシド等の単独
重合体、あるいはアクリルアミド−ジアセトンアクリル
アミド共重合体、アクリルアミド−ビニルアルコール共
重合体、マレイン酸−ビニルメチルエーテル共重合体等
の共重合体を挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。
【0021】なお、本発明において、上記「ビニルピロ
リドン」はN−ビニル−2−ピロリドンを意味し、また
「ビニルイミダゾール」は、N−ビニル体、2−ビニル
体、4−ビニル体などのすべての異性体を含むものであ
る。
【0022】(B)成分としての感光性アジド基含有化
合物としては、例えば、下記一般式(I)
【0023】
【化3】 (式中、XはNa、KまたはNH4を表す)で表される
4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン
酸塩、下記一般式(II)
【0024】
【化4】 (式中、XはNa、KまたはNH4を表す)で表される
ビス(4−アジド−2−スルホベンジリデン)アセトン
塩が好ましく用いられる。また、下記一般式(III)
【0025】
【化5】 (式中、XはNa、KまたはNH4を表す)で表される
構成単位を有する高分子化合物も好ましく用いられる。
【0026】本発明の水溶性感光性組成物では、上記し
た感光性アジド基含有化合物に限らず、水溶性であれば
どのような感光性アジド基含有化合物も用いることがで
きる。本発明において感光性アジド基含有化合物は、1
種だけを用いてもよく、あるいは2種以上を用いてもよ
い。
【0027】なお、上記以外の感光性アジド基含有化合
物として、シクロケトンとアジドベンズアルデヒドスル
ホン酸塩との縮合物類が挙げられるが、これらは水中で
加水分解して変質しやすく、さらに一般式(I)、(I
I)のビスアジド化合物や一般式(III)の高分子化
合物等に比べ、保存安定性の点で劣り、また高価で入手
いにくいため、実用性に乏しい。
【0028】(B)成分の配合量は、(A)成分、また
は(A)成分とその他の非感光性高分子との総重量に対
して1〜20重量%が好ましく、より好ましくは5〜1
5重量%である。上記範囲より配合量を多くしてもあま
り感度の向上がみられないのみならず、解像性の劣化、
(B)成分の析出などの問題を生じるため、好ましくな
い。
【0029】 (C)成分としては有機酸のアンモニウ
ム塩および塩化アンモニウムの中から選ばれる少なくと
も1種が用いられる。ここで有機酸のアンモニウム塩と
しては、例えば1〜3価カルボン酸とアンモニアとの塩
が挙げられる。具体的には酢酸、プロピオン酸、酒石
酸、クエン酸等のアンモニウム塩が例示され、中でもク
エン酸一水素アンモニウムは高感度化に優れ、特に好ま
しい。
【0030】 また、塩化アンモニウム高感度化に優
れ、特に好ましい。
【0031】(C)成分の配合量は、(A)成分、また
は(A)成分とその他の非感光性高分子との総重量に対
して0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは1
〜5重量%である。上記範囲より配合量が少ないと十分
な感度向上効果が得られず、好ましくない。
【0032】本発明においては、上記必須成分の他に、
必要に応じて相容性のある高分子や各種添加剤、例えば
着色剤、可塑剤、界面活性剤、基板との密着性をさらに
高めるためのカップリング剤等を適宜、添加、配合させ
ることができる。特に、相容性のある高分子として変性
ポリビニルアルコールを配合することによって、ホトレ
ジストパターンの剥離性を向上させることができる。こ
れら変性ポリビニルアルコールは水溶性を示すものであ
ればよく、部分ケン化物でも完全ケン化物でも用いるこ
とができる。なお変性ポリビニルアルコールとしては、
ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、
N−ビニル−2−ピロリドン等により変性させたものや
側鎖にシリコーン含有基を付加させたものなど、各種の
変性ポリビニルアルコールを使用することができる。こ
れらは単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0033】次に、本発明の水溶性感光性組成物を用い
て、本発明に係るブラックマトリックスパターンの形成
方法について説明する。
【0034】本発明のパターン形成方法によれば、上記
水溶性感光性組成物を用いて光硬化パターンを形成した
後、光吸収性物質を全面に塗布、乾燥後、前記光硬化パ
ターンと該パターン上の光吸収性物質とを選択的に剥離
除去することによって、ブラックマトリックスパターン
が形成される。
【0035】まず、上記水溶性感光性組成物を、例えば
粘度20〜30cP/25℃程度となるよう、水に溶解
したものを塗布液として用い、これをガラス基板上に塗
布する。
【0036】次いで、この水溶性感光性組成物を塗布、
乾燥して得られたホトレジスト層にシャドウマスクを介
して露光する。露光は、紫外線、特に波長300〜40
0nm付近の光を出力するUVランプが好適に用いら
れ、その露光量は水溶性感光性組成物の組成に応じて若
干異なるが、0.5〜10mJ/cm2程度が好まし
い。
【0037】次いで現像を行い、非露光部分を除去し、
ガラス基板上に光硬化パターンを形成する。現像は水現
像などの公知の方法により行い得る。
【0038】次いでこれを乾燥し、光吸収性物質含有液
を光硬化パターン上並びに露出基板上の全面に亘って塗
布して再び乾燥した後、前記光硬化パターンを剥離除去
するとともに、該光硬化パターン上に被着された光吸収
性物質も剥離除去することにより、ブラックマトリック
スパターンを形成する。光吸収性物質としては、特に限
定はなく、一般に使用される黒鉛が好適に用いられる。
上述の剥離除去は通常の剥離剤等を用いて行うことがで
きる。剥離剤としては、例えば次亜塩素酸、次亜塩素酸
ナトリウム等の次亜塩素酸塩;過酸化水素;ペルオキソ
硫酸、ペルオキソ硫酸カリウム等のペルオキソ硫酸塩;
過ヨウ素酸、過ヨウ素酸カリウム等の過ヨウ素酸塩のほ
か、チオ尿素、過マンガン酸系、スルファミン酸系等の
酸性水溶液が用いられ、特にスルファミン酸系のものが
好ましい。本発明の水溶性感光性組成物は、これら一般
的に知られている剥離剤を1種または2種以上用いて容
易に剥離を行うことができる。また、剥離条件として
は、常温で行ってもよく、加熱して行ってもよい。
【0039】このようにして得られたブラックマトリッ
クスをカラーブラウン管に用いるときには、ブラックマ
トリックスホールあるいはストライプ部分に赤、青、緑
の3原色蛍光体を充填し、このパネルを電子銃からの電
子ビームをシャドウマスクの透孔を通過させて所望の蛍
光体に照射し、カラー画像を得る。本発明の水溶性感光
性組成物およびブラックマトリックスパターンの形成方
法の適用により、高コントラストで高鮮明なカラー画像
を得ることができる。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれによってなんら限定されるものではない。
【0041】(調製例1) 試料1の調製 VP−VIコポリマー(VP:VI=90:10(モル
%比)、K値=94)を純水に溶解し、VP−VIコポ
リマーの3重量%水溶液((A)成分)を調製した。
【0042】上記水溶液200gに、(B)成分として
4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン
酸二ナトリウム(一般式(I)で表される化合物。Xが
Na)0.6g((A)成分に対して10重量%)を添
加、溶解し、溶解液1を得た。
【0043】この溶解液1の半分量に、(C)成分とし
て塩化アンモニウム0.09g((A)成分に対して3
重量%)を添加、溶解し、試料1を得た。
【0044】(調製例2〜4)調製例1において、
(B)成分および(C)成分を表1に示す化合物にそれ
ぞれ代えた以外は、調製例1と同様にして試料2〜4を
得た。
【0045】(比較調製例1〜2)調製例1において、
(B)成分および(C)成分を表1に示す化合物にそれ
ぞれ代えた以外は、調製例1と同様にして比較試料1〜
2を得た。
【0046】
【表1】
【0047】(実施例1) (1)ホトレジスト層の形成 上記調製例1で得た試料1を、脱脂および乾燥済みのガ
ラス基板上にスピンナーを用いて回転塗布し、振り切り
しつつ温風をあてて乾燥した。
【0048】次いで基板を取り出し、50℃にて送風乾
燥を行い、ホトレジスト層(膜厚0.8μm)を形成し
た。
【0049】(2)露光 上記ホトレジスト層上に、55μmのスリット、250
μmピッチのドットパターンの透孔を有するクロムマス
ク(シャドウマスク)を介して、マスク−ホトレジスト
層間距離(ギャップ)6mm、ランプ−マスク間距離3
00mmの露光ディメンションにて、波長350nm付
近の光を出力する超高圧水銀灯によりマスク通し照度
0.07mW/cm2の光量で10秒間点光源露光を行
った(露光量0.7mJ/cm2)。基板温度は40℃
であった。
【0050】(3)現像 次いで、スピンナーを用いて常温(25℃)にて純水に
よる噴霧式現像を30秒間行い、その後、振り切りし、
温風乾燥して、基板上に光硬化パターンを得た。
【0051】(4)ブラックマトリックスパターンの形
成 上記の光硬化パターンが形成されたガラス基板上に、該
光硬化パターン上並びに露出基板上の全面に亘って黒鉛
スラリー(「ヒタゾルGA−66M」;日立粉末冶金
(株)製)の2倍希釈液(水で希釈したもの)を回転塗
布し、振り切りし、温風乾燥して黒鉛膜を形成した。
【0052】次いでこれを17%スルファミン酸水溶液
中に、常温(25℃)で1分間浸漬した後、高圧の水ス
プレーを上記の黒鉛膜に吹き付けることにより、光硬化
パターンおよび光硬化パターン上の黒鉛膜を除去して、
ブラックマトリックスパターンを得た。
【0053】得られたブラックマトリックスパターンに
は光硬化パターンの剥離残り、スカムおよびフリンジの
発生がみられず、シャドウマスクの透孔と対応する位置
にストライプが形成され、解像性が良好なものであっ
た。
【0054】(実施例2〜4)実施例1において、試料
1に代えて試料2〜4を用いた以外は、実施例1と同様
にしてブラックマトリックスパターンをそれぞれ得た。
【0055】得られた各ブラックマトリックスパターン
には、光硬化パターンの剥離残り、スカムおよびフリン
ジの発生がみられず、シャドウマスクの透孔と対応する
位置にストライプが形成され、解像性が良好なものであ
った。
【0056】(比較例1〜2)実施例1において、試料
1に代えて比較試料試料1〜2を用いた以外は、実施例
1と同様にしてブラックマトリックスパターンをそれぞ
れ得た。
【0057】得られた各ブラックマトリックスパターン
には、光硬化パターンの剥離残り、スカムおよびフリン
ジの発生がみられず、シャドウマスクの透孔と対応する
位置にホールが形成され、解像性が良好なものであっ
た。
【0058】なお、上記実施例1〜4、比較例1〜2に
つき、感度測定、保存安定性について以下の基準により
評価した。
【0059】[感度評価]実施例1〜4、および比較例
1〜2において形成されたブラックマトリックスパター
ンのストライプのサイズの比較により評価した。結果を
表2に示す。ストライプサイズが大きいほど高感度で好
ましい。
【0060】
【表2】
【0061】[保存安定性]調製された各試料(試料1
〜4、比較試料1〜2)を、窒素ガスにより密封した容
器内で1週間、室温(25℃)の暗所で保管した。
【0062】その結果、いずれも異物の発生等はみられ
ず、保存安定性の良好なものであった。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の水溶性感
光性組成物は、剥離性が良好で、ほとんど剥離残りが生
じないため蛍光体の付着による混色を防ぐことができ
る。また極めて高感度であるため、短時間、低照度での
露光量でパターンを形成することができスループットが
向上する。したがって製造コストの低減化、製造効率の
向上を図ることができるとともに、高品質な製品製造が
可能となる。さらに、異物を発生させやすいシランカッ
プリング剤等の添加剤を用いる必要がないことから調製
後の塗布液の保存安定性に優れ、もって使用寿命の長い
製品を提供することができる。本発明の水溶性感光性組
成物を用いてブラックマトリックスを製造することによ
り、極めて高感度で解像度の高い、鮮明なカラー画像を
得ることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/008 G03F 7/004 G03F 7/033 H01J 9/227 C08L 39/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ビニルピロリドン−ビニルイミダ
    ゾールコポリマー、(B)感光性アジド基含有化合物、
    および (C)有機酸のアンモニウム塩および塩化アンモニウム
    の中から選ばれる少なくとも1種を含有してなる水溶性
    ネガ型感光性組成物。
  2. 【請求項2】 (B)成分が、下記一般式(I)、(I
    I) 【化1】 (式中、XはNa、KまたはNH4を表す) 【化2】 (式中、XはNa、KまたはNH4を表す)で表される
    化合物の中から選ばれる少なくとも1種である、請求項
    1記載の水溶性ネガ型感光性組成物。
  3. 【請求項3】 (C)成分がクエン酸一水素アンモニウ
    ムである、請求項1または2記載の水溶性ネガ型感光性
    組成物。
  4. 【請求項4】 基板上に請求項1〜のいずれか1項に
    記載の水溶性ネガ型感光性組成物を用いて光硬化パター
    ンを形成した後、光吸収性物質を全面に塗布、乾燥後、
    前記光硬化パターンと該パターン上の光吸収性物質とを
    剥離除去することによりブラックマトリックスパターン
    を形成する、ブラックマトリックスパターンの形成方
    法。
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