JP3659613B2 - ブラックマトリックスパターンの形成方法 - Google Patents

ブラックマトリックスパターンの形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はビニルピロリドン−ビニルイミダゾールコポリマーを含む水溶性感光性組成物を用いたブラックマトリックスパターンの形成方法に関する。本発明は、特にカラーブラウン管の蛍光面などに適用される。
【0002】
【従来の技術】
カラーテレビ等のカラーブラウン管の蛍光面に用いられるブラックマトリックスは、通常、ガラスパネル内面に光吸収性物質(例えば黒鉛など)からなるブラックマトリックスが所定パターンにて形成され、このパターン部以外の部分は多数の小さなホール(ブラックマトリックスホール)あるいはストライプ(ブラックストライプ)をなす。そしてこのブラックマトリックスホールあるいはストライプ内に通常、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3原色蛍光体を充填して3原色蛍光体ドット(パターン)を形成し、画像形成時には、電子銃から電子ビームを発射し、このビームをシャドウマスクに形成された多数の透孔を通過させ、上記蛍光体ドットを選択的に刺激することにより発光させ、パネル上にカラー画像を形成するようになっている。
【0003】
このようなシャドウマスク型カラーブラウン管においては、ガラスパネル内面に形成された各蛍光体ドットとシャドウマスクの透孔(電子ビーム通過孔)の位置対応関係がずれると、電子ビームが目的とする蛍光体に射突しなかったり、あるいは他の蛍光体に射突したりして、色再現性が低下してしまう。したがって、ブラックマトリックスのパターン形成においては、上記シャドウマスクの透孔と正確に対応する位置関係を保ってブラックマトリックスホールあるいはストライプ部分がガラスパネル内面に形成される必要がある。そのため、一般に、ブラックマトリックスパターンを形成する際に用いる露光用マスクは、カラーブラウン管に用いられるシャドウマスクそのものが用いられる。
【0004】
通常、このようなブラックマトリックスパターン形成においては、まず、ガラス基板上に水溶性感光性組成物を塗布してホトレジスト層を形成し、シャドウマスクを介して上記ホトレジスト層の露光部分を光硬化させ、現像して非露光部分を除去して光硬化パターンを形成した後、該光硬化パターン上および露出基板上に全面に亘って光吸収性物質を塗布、乾燥して光吸収性物質被膜(黒色膜)を形成する。次いで上記光硬化パターンを剥離除去するとともに、該光硬化パターン上の黒色膜も剥離除去して、シャドウマスクの透孔に対応する位置にマトリックスホールあるいはストライプの形成されたブラックマトリックスパターンを形成する。そして、該マトリックスホールあるいはストライプ内に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3原色蛍光体のいずれかをそれぞれ充填して3原色蛍光体パターンを形成することによって、蛍光面を作製している。
【0005】
かかるブラックマトリックスパターン形成に用いられる水溶性感光性組成物としては、解像性に優れる、ドッキング(隣接する他の色の蛍光体パターンが連なってしまう現象)が生じない等の理由から、非感光性高分子−感光性アジド基含有化合物系のものが好ましく用いられる。特に非感光性高分子としてビニルピロリドン−ビニルイミダゾールコポリマー(VP−VIコポリマー)を用いた水溶性感光性組成物は、高感度で、かつ容易に剥離可能でしかも剥離残りが少なく、さらにシランカップリング剤等の密着性向上剤の使用量を少なくしてもガラス基板との密着性に優れる、等の効果を有するものとして、本発明者らにより提案されている(特開平9−120159号公報、特開平9−185164号公報、等)。
【0006】
ところで、これら水溶性感光性組成物を用いた現像処理は従来、水スプレーなど、水現像により行っている。
【0007】
現像処理において、一般に現像時間が短いとガラス基板上にホトレジスト層の非露光部分が残りやすく、続く黒色膜の形成工程において黒色膜がムラになりやすいといった問題がある。また、非露光部分は特に光硬化パターンの縁に残りやすいため、これが解像性の低下の原因になるという問題がある。
【0008】
さらに、光硬化パターンおよびその上の黒色膜の剥離除去においても、これらの剥離除去処理の時間が短いと、ガラス基板上に光硬化パターンが残り、蛍光体の混色を引き起こすといった問題を生じる。
【0009】
そのため、水を用いた従来の現像工程、およびそれに続く光硬化パターンと該パターン上の黒色膜の剥離除去工程にはある程度長時間を要さざるを得ず、それに伴い水使用量の増大、処理時間の増加などによる生産コストの上昇、製造効率の低下等の問題があった。
【0010】
したがって、ガラス基板との高い接着性を有するVP−VIコポリマーを含む感光性組成物を用いて、上記問題を生じることなく、光硬化パターンの現像処理時間の短縮化、該光硬化パターンとその上の黒色膜の剥離処理の効率化が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特に非感光性高分子としてVP−VIコポリマーを含む水溶性感光性組成物を用いて、光硬化パターンの現像処理時間の短縮化、該光硬化パターンとその上の黒色膜の剥離処理の効率化を図ったブラックマトリックスパターンの形成方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、非感光性高分子としてVP−VIコポリマーを用いた水溶性感光性組成物のガラス基板に対する高い接着性はVP−VIコポリマーのイミダゾール基のイオン化によるものと考えられ、このイオン化を抑制する効果をもつアルカリ性物質の水溶液を用いて現像処理を行うことにより上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち本発明は、(1)ビニルピロリドン−ビニルイミダゾールコポリマーと感光性成分とを含む水溶性感光性組成物を基板上に塗布、乾燥してホトレジスト層を形成する工程、(2)上記ホトレジスト層を選択的に露光する工程、(3)上記ホトレジスト層の非露光部を(a)アンモニア並びにその炭酸塩、ケイ酸塩およびホウ酸塩の中から選ばれる少なくとも1種、または(b)ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩、ケイ酸塩およびホウ酸塩の中から選ばれる少なくとも1種、を含むアルカリ性水溶液にて除去して光硬化パターンを形成する工程、(4)光硬化パターンの形成された基板上全面に光吸収性物質を塗布、乾燥して光吸収性物質被膜を形成する工程、(5)基板上の光硬化パターンと該パターン上の光吸収性物質被膜とを剥離除去する工程、からなるブラックマトリックスパターンの形成方法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0015】
本発明のブラックマトリックスパターンの形成方法に用いられる水溶性感光性組成物としては、ビニルピロリドン−ビニルイミダゾールコポリマー(VP−VIコポリマー)と感光性成分とを含むものが好ましく用いられる。
【0016】
ビニルピロリドン−ビニルイミダゾール(VP−VI)コポリマーは水溶性非感光性高分子であり、K値が60〜100のものが好ましく、特には85〜95のものが好ましく用いられる。ここでK値とは、分子量に依存する値であり、下記の数1
【0017】
【数1】
Figure 0003659613
【0018】
(式中、CはVP−VIコポリマー水溶液100mlに含まれる該VP−VIコポリマーのグラム数を示し;ηrは該VP−VIコポリマーの相対粘度を示す)で表される関係式を満足するものである。なお、上記数式において相対粘度(ηr)とは、溶媒に対する溶液の比粘度のことであり、ある濃度の溶液(ここでは上記VP−VIコポリマー1gを100mlの水に溶解した溶液)の粘度をη、その溶媒の粘度をηoとすると相対粘度(ηr)は、ηr=η/ηoにより求められる。K値が高すぎると、粘性が高くなりホトレジスト膜厚のコントロールが難しく、また剥離性も低下する傾向がみられる。一方、K値が低すぎると、光硬化性が低下し、所望の光硬化パターンを形成することが難しくなる。
【0019】
また、ビニルピロリドン(VP):ビニルイミダゾール(VI)=99.9:0.1〜10:90(モル%)程度のものが好ましく、特には95:5〜85:15(モル%)程度のものが好ましい。VPに対するVIの比が上記範囲より小さい場合は、ガラス基板に対する接着性の向上効果が十分に発現せず、一方、上記範囲を超えると剥離時にスカムを生じやすく、また解像性が劣化する傾向にあり好ましくない。
【0020】
非感光性高分子としてVP−VIコポリマーを配合することにより、水溶性感光性組成物のガラス基板との接着性を向上させることができ、また、このことからシランカップリング剤を用いる必要がなくなり、塗布液の使用寿命、保存安定性を向上させることができる。
【0021】
上記VP−VIコポリマーのほかに、該VP−VIコポリマーと相容性をもち得る他の非感光性高分子を1種または2種以上さらに配合してもよい。その場合、VP−VIコポリマーを含む非感光性高分子の合計量に対するVP−VIコポリマーの配合量が5〜99重量%、特には40〜90重量%の範囲となるように添加するのが好ましい。VP−VIコポリマーの配合量が少なすぎるとガラス基板との密着性の向上効果、および十分な高感度化を図ることが難しい。
【0022】
上記添加し得る非感光性高分子としては、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリ−L−グルタミン酸のナトリウム塩、ゼラチン、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキシド等の単独重合体、あるいはアクリルアミド−ジアセトンアクリルアミド共重合体、アクリルアミド−ビニルアルコール共重合体、マレイン酸−ビニルメチルエーテル共重合体等の共重合体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
なお、上記「ビニルピロリドン」はN−ビニル−2−ピロリドンを意味し、また「ビニルイミダゾール」は、N−ビニル体、2−ビニル体、4−ビニル体などのすべての異性体を含むものである。
【0024】
感光性成分としては、特に限定されるものでないが、感光性アジド基含有化合物が好ましく用いられる。該感光性アジド基含有化合物としては、例えば、下記一般式(I)
【0025】
【化1】
Figure 0003659613
(式中、XはNa、KまたはNH4を表す)
で表される4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸塩、下記一般式(II)
【0026】
【化2】
Figure 0003659613
(式中、XはNa、KまたはNH4を表す)
で表されるビス(4−アジド−2−スルホベンジリデン)アセトン塩が好ましく用いられる。また、下記一般式(III)
【0027】
【化3】
Figure 0003659613
(式中、XはNa、KまたはNH4を表す)
で表される構成単位を有する高分子化合物も好ましく用いられる。
【0028】
本発明に用いられる水溶性感光性組成物においては、上記した感光性アジド基含有化合物に限らず、水溶性であればどのような感光性成分も用いることができる。本発明において感光性成分は、1種だけを用いてもよく、あるいは2種以上を用いてもよい。
【0029】
なお、上記以外の感光性成分として、シクロケトンとアジドベンズアルデヒドスルホン酸塩との縮合物類が挙げられるが、これらは水中で加水分解して変質しやすく、さらに一般式(I)、(II)のビスアジド化合物や一般式(III)の高分子化合物等に比べ、保存安定性の点で劣り、また高価で入手いにくいため、実用性に乏しい。
【0030】
感光性成分の配合量は、その組成によっても異なるが、VP−VIコポリマー、またはVP−VIコポリマーとその他の非感光性高分子との総重量に対して1〜20重量%が好ましく、より好ましくは5〜15重量%である。上記範囲より配合量を多くしてもあまり感度の向上がみられないのみならず、解像性の劣化、感光性成分の析出などの問題を生じるため、好ましくない
本発明に用いられる水溶性感光性組成物においては、上記成分の他に、必要に応じて相容性のある高分子や各種添加剤、例えば着色剤、感度向上剤、可塑剤、界面活性剤、基板との密着性をさらに高めるためのカップリング剤等を適宜、添加、配合させることができる。特に、相容性のある高分子として変性ポリビニルアルコールを配合することによって、ホトレジストパターンの剥離性を向上させることができる。これら変性ポリビニルアルコールは水溶性を示すものであればよく、部分ケン化物でも完全ケン化物でも用いることができる。なお変性ポリビニルアルコールとしては、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン等により変性させたものや側鎖にシリコーン含有基を付加させたものなど、各種の変性ポリビニルアルコールを使用することができる。これらは単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
本発明のブラックマトリックスパターンの形成方法においては、まず上記水溶性感光性組成物を、例えば粘度20〜30cP/25℃程度となるよう水に溶解したものを塗布液として用い、これをガラス基板上に塗布した後、乾燥してホトレジスト層を形成する。
【0032】
次いで、このホトレジスト層にシャドウマスクを介して選択的に露光する。露光は、紫外線、特に波長300〜400nm付近の光を出力するUVランプが好適に用いられ、その露光量は水溶性感光性組成物の組成に応じて若干異なるが、0.5〜10mJ/cm2程度が好ましい。
【0033】
続いて、上記ホトレジスト層の非露光部をアルカリ性水溶液にて除去して基板上に光硬化パターンを形成する。現像処理液は水溶性のアルカリ性物質を含むものであれば特に制限されるものでないが、好ましくは取り扱い性に優れ、安価であり、排水処理が容易なことが望まれる。本発明ではアルカリ性物質として、アンモニア並びにその炭酸塩、ケイ酸塩およびホウ酸塩のほか、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩、ケイ酸塩およびホウ酸塩の中から選ばれる少なくとも1種が用いられる。なお、炭酸塩とは炭酸水素塩も含むものとする。これらの中でも特にアンモニア、炭酸ナトリウム、ホウ酸一水素二ナトリウム(Na2HBO3)、メタケイ酸ナトリウム等が好ましい。
【0034】
アルカリ性水溶液は、これらのアルカリ性物質を純水に溶解し、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%の濃度に調整したものを用いる。濃度が0.05重量%未満では非露光部分の除去効果が十分でなく、一方、5重量%を超えると光硬化パターンが剥離する場合があり好ましくない。
【0035】
なお、上記した以外のアルカリ性物質も用いることができるが、有機アミン類などは取り扱い性、作業環境上、および排水処理の点で問題があり、好ましくない。
【0036】
本発明では、従来水でホトレジスト層の現像を行っていたのに対し、アルカリ性水溶液で現像を行うことにより、従来に比べ現像処理時間の短縮化を図ることができる。本発明方法は、非露光部分の除去効果に優れるため、現像処理時間を短縮しても非露光部分が良好に除去され、続く光吸収性物質の塗布均一性を損なうことなく、また光吸収性物質被膜の塗布ムラを抑える効果にも優れる。
【0037】
続いて光硬化パターンの形成された基板上全面に光吸収性物質を塗布、乾燥して光吸収性物質被膜を形成する。光吸収性物質としては、特に限定はなく、一般に使用される黒鉛が好適に用いられる。塗布、乾燥は常法により行うことができる。
【0038】
次いで、基板上の光硬化パターンを剥離除去するとともに、該光硬化パターン上に被着された光吸収性物質被膜も剥離除去することにより、ブラックマトリックスパターンを形成する。
【0039】
上述の剥離除去は、剥離液に基板を浸漬し、その後水による洗浄処理により行われるが、水の代りに塩の水溶液により行うのが好ましい。この剥離除去工程での洗浄処理に用いる塩の水溶液は、中性ないし弱アルカリ性の水溶液であれば特に限定されるものではないが、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等を含むものが好ましく、特には炭酸アンモニウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの中から選ばれる少なくとも1種を含むものが光硬化パターンの剥離除去性に優れ好ましい。
【0040】
塩の水溶液は、これらの塩を純水に溶解し、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%の濃度に調整したものを用いる。濃度が0.05重量%未満では光硬化パターンの剥離除去効果が十分でなく、一方、5重量%を超えると非剥離部の黒鉛被膜が剥離する場合があり好ましくない。
【0041】
また、剥離除去条件としては、常温で行ってもよく、加熱して行ってもよい。
【0042】
なお、上記剥離液としては通常の剥離液が挙げられ、例えば次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩;過酸化水素;ペルオキソ硫酸、ペルオキソ硫酸カリウム等のペルオキソ硫酸塩;過ヨウ素酸、過ヨウ素酸カリウム等の過ヨウ素酸塩のほか、チオ尿素、過マンガン酸系、スルファミン酸系等の酸性水溶液が用いられ、特にスルファミン酸系のものが好ましい。剥離剤は1種または2種以上を用いることができる。
【0043】
このようにして得られたブラックマトリックスをカラーブラウン管に用いるときには、ブラックマトリックスホールあるいはストライプ部分に赤、青、緑の3原色蛍光体を充填し、このパネルを電子銃からの電子ビームをシャドウマスクの透孔を通過させて所望の蛍光体に照射し、カラー画像を得る。本発明のパターンの形成方法の適用により、フリンジやスカム等のないブラックマトリックスパターンを効率よく形成することができ、もって、製造効率よく、廉価に高コントラストで高鮮明なカラー画像を得ることができる。
【0044】
【実施例】
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。
【0045】
(試料の調製)
VP−VIコポリマー(VP:VI=90:10(モル%比)、K値=94)2g、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸二ナトリウム(一般式(I)で表される化合物。XがNa)0.2g(VP−VIコポリマーに対して10重量%)ノニオン系界面活性剤(「LT−221」;日本油脂(株)製)0.06gを純水に溶解し、全重量が100gになるように調製し、これを試料とした。
【0046】
(実施例1)
(1)ホトレジスト層の形成
上記調製例で得た試料を、脱脂および乾燥済みのガラス基板上にスピンナーを用いて回転塗布し、振り切りしつつ温風をあてて乾燥した。
【0047】
次いで基板を取り出し、50℃にて送風乾燥を行い、ホトレジスト層(膜厚0.8μm)を形成した。
【0048】
(2)露光
上記ホトレジスト層上に、55μmのスリット、250μmピッチのドットパターンの透孔を有するクロムマスク(シャドウマスク)を介して、マスク−ホトレジスト層間距離(ギャップ)6mm、ランプ−マスク間距離300mmの露光ディメンションにて、波長350nm付近の光を出力する超高圧水銀灯によりマスク通し照度0.07mW/cm2の光量で10秒間点光源露光を行った(露光量0.7mJ/cm2)。基板温度は40℃であった。
【0049】
(3)現像
次いで、スピンナーを用いて常温(25℃)にて0.2重量%アンモニア水溶液による噴霧式現像を20秒間行い、その後、振り切りし、温風乾燥して、基板上に光硬化パターンを得た。
【0050】
(4)黒鉛膜の形成
上記の光硬化パターンが形成されたガラス基板上に、該光硬化パターン上並びに露出基板上の全面に亘って黒鉛スラリー(「ヒタゾルGA−66M」;日立粉末冶金(株)製)の2倍希釈液(水で希釈したもの)を回転塗布し、振り切りし、温風乾燥して黒鉛被膜を形成した。
【0051】
黒鉛被膜の塗布均一性と光沢の評価を目視により行った。なお、塗布均一性と光沢の評価は、アルカリ脱脂、乾燥を行ったガラス基板上に上記の黒鉛スラリーによる黒鉛被膜を形成したものを基準として、これとの比較により行った。結果を表1に示す。なお非露光部分の除去は良好であった。
【0052】
(実施例2〜4、比較例1〜3)
実施例1において、現像工程において現像処理液、現像処理時間をそれぞれ表1に示す処理液、処理時間に代えた以外は、実施例1と同様にして黒鉛被膜を形成し、その塗布均一性と光沢の評価を行った。結果を表1に示す。なお、実施例2〜4において非露光部分の除去は良好であった。比較例1、2においては、塗布ムラが発生し、非露光部分の除去が十分に行われていなかったものと考えられる。また比較例3から、純水による現像では、実施例1〜4の3倍(60秒)の処理時間が必要であることが確認され、このことから作業効率が劣る結果となった。
【0053】
【表1】
Figure 0003659613
(実施例5)
(5)ブラックマトリックスパターンの形成
実施例1において作成した黒鉛被膜が形成されたガラス基板を、18%スルファミン酸水溶液に、常温(25℃)で1分間浸漬した後、水洗し、0.5重量%炭酸アンモニウム水溶液の高圧スプレーを上記の黒鉛被膜に吹き付けることにより、光硬化パターンおよび該パターン上の黒鉛被膜を除去してブラックマトリックスパターンを得た。
【0054】
得られたブラックマトリックスパターンについて、下記基準によりスカム(黒鉛被膜の再付着)、フリンジの発生について評価した。結果を表2に示す。なお、光硬化パターンの剥離残りはみられず解像性は良好なものであった。
【0055】
[スカム評価]
◎: スカムが全く確認されない
○: スカム数が非常に少ない
×: スカムが著しく発生した
【0056】
[フリンジ評価]
◎: フリンジの発生は全く確認されなかった
○: フリンジの程度が非常に小さく、ほとんどフリンジの発生は抑えられていた
△: フリンジの程度がやや大きい
×: フリンジの程度が非常に大きい
【0057】
(実施例6〜23)
実施例5において用いた0.5重量%炭酸アンモニウム水溶液を下記表2に示す洗浄処理液に代えた以外は、実施例5と同様にしてブラックマトリックスパターンを得た。得られたブラックマトリックスパターンについて、上記基準によりスカム、フリンジの発生について評価した。結果を表2に示す。なお、光硬化パターンの剥離残りはみられず解像性は良好なものであった。
【0058】
(比較例4)
実施例5において用いた0.5重量%炭酸アンモニウム水溶液を純水に代えた以外は、実施例5と同様にしてブラックマトリックスパターンを得た。得られたブラックマトリックスパターンについて、上記基準によりスカム、フリンジの発生について評価した。結果を表2に示す。なお、光硬化パターンの剥離残りがみられ、解像性の劣るものであった。
【0059】
【表2】
Figure 0003659613
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、特に非感光性高分子としてVP−VIコポリマーを含む水溶性感光性組成物を用いて、塗布均一性を損なうことなく光硬化パターンの現像処理時間の短縮化を図ることができるとともに、該方法により形成された光硬化パターンを用いて、該光硬化パターンとその上の黒色膜の剥離処理を行うことにより、スカムやフリンジのない、解像性に優れたブラックマトリックスパターンを製造効率よく形成することができる。
【0061】
したがって本発明方法を用いてブラックマトリックスを製造することにより、高感度で解像度の高い、鮮明なカラー画像を廉価にかつ製造効率よく得ることが可能となる。

Claims (3)

  1. (1)ビニルピロリドン−ビニルイミダゾールコポリマーと感光性成分とを含む水溶性感光性組成物を基板上に塗布、乾燥してホトレジスト層を形成する工程、
    (2)上記ホトレジスト層を選択的に露光する工程、
    (3)上記ホトレジスト層の非露光部を(a)アンモニア並びにその炭酸塩、ケイ酸塩およびホウ酸塩の中から選ばれる少なくとも1種、または(b)ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩、ケイ酸塩およびホウ酸塩の中から選ばれる少なくとも1種、を含むアルカリ性水溶液にて除去して光硬化パターンを形成する工程、
    (4)光硬化パターンの形成された基板上全面に光吸収性物質を塗布、乾燥して光吸収性物質被膜を形成する工程、
    (5)基板上の光硬化パターンと該パターン上の光吸収性物質被膜とを剥離除去する工程、
    からなるブラックマトリックスパターンの形成方法。
  2. 上記(5)工程における光硬化パターンと該パターン上の光吸収性物質被膜との剥離除去を、剥離液に基板を浸漬後、塩の水溶液を用いた洗浄処理により行う、請求項1記載のブラックマトリックスパターンの形成方法。
  3. 上記(5)工程に用いる塩の水溶液が、炭酸アンモニウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムの中から選ばれる少なくとも1種を含むものである、請求項2記載のブラックマトリックスパターンの形成方法。
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