JPH06201903A - レンズシートの製造方法 - Google Patents

レンズシートの製造方法

Info

Publication number
JPH06201903A
JPH06201903A JP22151292A JP22151292A JPH06201903A JP H06201903 A JPH06201903 A JP H06201903A JP 22151292 A JP22151292 A JP 22151292A JP 22151292 A JP22151292 A JP 22151292A JP H06201903 A JPH06201903 A JP H06201903A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
lens
lens mold
resin liquid
active energy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22151292A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Hamada
雅郎 濱田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP22151292A priority Critical patent/JPH06201903A/ja
Publication of JPH06201903A publication Critical patent/JPH06201903A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レンズ型のレンズパターンを精確に転写する
ことができ、気泡の発生や厚さ斑等のない優れたレンズ
シートを効率よく生産する表面に凹凸形状を有する樹脂
成型物を効率よく生産する。 【構成】 レンズパターンが形成されたレンズ型に第1
の活性エネルギー線硬化型樹脂をスリット幅1.5mm
以下のスリットノズルを用いて注入する第1の樹脂注入
工程と、平滑化装置によって前記樹脂の表面を平滑化す
る平滑化工程と、第2の活性エネルギー線硬化型樹脂を
注入する第2の樹脂注入工程と、前記第2の樹脂上に透
明基材を重ね合わせる積層工程と、活性エネルギー線を
照射して前記樹脂を硬化する硬化工程と、前記レンズ型
から前記樹脂を離型する離型工程とからなるレンズシー
トの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活性エネルギー線を利
用したレンズシートの製造方法に関するものであり、特
に、プロジェクションテレビやマイクロフィルムリーダ
ー等の画面として用いられる投写スクリーンに使用され
るフレネルレンズやレンチキュラーレンズの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】フレネルレンズやレンチキュラーレンズ
等のレンズシートを製造する方法としては、アクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン
樹脂等の透明樹脂材料を用いて、これらの樹脂を射出成
型する方法、樹脂板とレンズ型とを当接させ、これを加
熱加圧することによりレンズ型のレンズパターンを転写
する押圧成型法、樹脂板を直接切削加工するダイレクト
カット法等が知られている。
【0003】しかしながら、射出成型法においては大き
なサイズの成型物の成型は難しく、比較的小さなサイズ
の成型物の成型にしか使用できない。また、押圧成型法
では樹脂板および成型型の加熱冷却サイクルに長時間を
要するため、樹脂成型物の大量生産のためには多数の成
型型が必要となり、大型の樹脂成型物を製造するために
は生産装置に莫大な費用がかかる。そこで、最近では活
性エネルギー線硬化型樹脂をレンズ型内に注入した後、
活性エネルギー線を照射して該樹脂を硬化させる方法等
も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】活性エネルギー線硬化
型樹脂組成物を用いる方法は、成型時間を短縮でき生産
性が向上できるものの、レンズ型内へ樹脂組成物を注入
する際に泡等の巻き込み等の問題点を有しており、これ
を解決するためには、別途脱泡処理を行ったり、ゆっく
りと注入する等の方法を採用する必要があり、大量生産
には未だ十分なものではなかった。特に、同心円状のレ
ンズパターンを有するフレネルレンズを製造する場合に
は、同心円状というレンズ型のパターン形状によって溝
部に気泡が閉じこめられるために、気泡が発生し易く、
一旦発生した気泡は容易に除去できなく、気泡によるレ
ンズ欠陥をまねくという問題点を有していた。
【0005】このような気泡の発生を防止する方法とし
て特開平1−192529号公報に記載されているよう
に、低粘度の紫外線硬化型樹脂液(第1の樹脂液)をレ
ンズ型に塗布した後、比較的高粘度の紫外線硬化型樹脂
液(第2の樹脂液)を注入して、透明基材を重ね合わせ
て紫外線を照射して硬化させ脱型する方法が提案されて
いる。しかしながら、このような方法でも、数十cps
程度の粘度の低い樹脂液をレンズ型に塗布する場合に
は、よほど慎重に塗布を行わなければ気泡の発生はまぬ
がれず生産上のネックとなり、生産性の向上を図るため
の問題点となっていた。
【0006】また、特開平1−198521号公報に
は、レンズ型の端部に樹脂溜まりを形成して、予め湾曲
させた透明基板を重ね合わせながら樹脂液をレンズ型内
に押し広げていく方法が提案されている。しかし、この
ような方法においても、レンズ型としてフレネルレンズ
のような同心円状のパターンを有するものを使用する場
合には、一度発生した気泡はレンズ型の凸部と透明基材
との間で移動を疎外されるために、完全に気泡の発生を
防止することはできないものである。
【0007】さらに、特開平3−9301号公報には、
レンズ型に注入した第1の樹脂液中に発生した気泡を、
第2の樹脂液の注入を第1の樹脂液の注入方向と直角方
向に注入して、レンズ型内から押し出す方法が提案され
ている。しかし、この方法においても、注入方向に関係
なく上記特開平1−198521号公報と同様に、気泡
の押出を完全に行うことは困難である。そこで、本発明
の目的は、気泡等によるレンズ欠陥のない高品質のレン
ズシートを効率よく生産することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来
技術の有する問題点を鑑み、活性エネルギー線硬化型樹
脂を用いたレンズシートの製造方法について鋭意検討を
行った結果、本発明に到達したものである。すなわち、
本発明のレンズシートの製造方法は、レンズパターンが
形成されたレンズ型に第1の活性エネルギー線硬化型樹
脂をスリット幅1.5mm以下のスリッットノズルを用
いて注入する第1の樹脂注入工程と、第2の活性エネル
ギー線硬化型樹脂を注入する第2の樹脂注入工程と、前
記第2の樹脂上に透明基材を重ね合わせる積層工程と、
活性エネルギー線を照射して前記樹脂を硬化する硬化工
程と、前記レンズ型から前記樹脂を離型する離型工程と
からなることを特徴とするものである。
【0009】本発明のような多層構造のレンズ部を有す
るレンズシートにおいては、レンズ先端部を形成する樹
脂(第1の樹脂)として、レンズパターンの精確な転写
性、レンズ型に対する濡れ性、脱泡性等の特性が要求さ
れ、比較的粘度の低い樹脂液が使用される。しかし、こ
のように粘度の低い樹脂液を使用してレンズ型への注入
を行う場合には、粘度の高い樹脂液を使用する場合に比
べて注入時に気泡が発生しやすい。そこで、本発明にお
いては、底粘度の樹脂液をレンズ型に注入する第1の樹
脂注入工程で、特定のスリットノズルを用いることによ
って、気泡を発生することなく底粘度の樹脂液の注入を
行えるレンズシートの製造方法を提供するものである。
【0010】本発明において使用するスリットノズル1
は、図1に示したように、管状のノズル本体に一定間隔
3でスリット2を形成した構造のものであり、スリット
2のスリット幅が1.5mm以下であることが、気泡の
発生を防止するために重要である。樹脂液の注入におい
ては、スリット2から樹脂液がレンズ型に落下した後に
自重で展開する際に、落下した樹脂液が連続して均一な
液膜を形成することによって、気泡が発生することなく
樹脂液の注入を行うことができるものであり、このため
には一定間隔でスリット2を形成した構造であることが
必要である。また、スリット2のスリット幅が1.5m
mを超えると、スリットノズル1に樹脂液を供給する定
量ポンプを停止した際に、樹脂液がスリット2から漏れ
てレンズ型上に滴下され、それによって注入した樹脂液
中に気泡が発生するためである。好ましくは、スリット
幅3が0.25〜1mmの範囲である。
【0011】以下、本発明の製造方法を図面に従って詳
細に説明する。図2は、本発明の第1の活性エネルギー
線硬化型樹脂の注入工程を示す概略図であり、レンズパ
ターンが形成されたレンズ型4を水平に設置する。この
レンズ型4に、図1に示したスリットノズル1を用いて
活性エネルギー線硬化型樹脂液5を注入する。スリット
ノズル1への樹脂液5の供給は、樹脂液タンクに接続し
た定量ポンプ7を駆動して行う。
【0012】樹脂液の注入には、スリットノズル1をレ
ンズ型4の形状に沿って移動させながら注入することが
好ましい。例えば、図3に示したようなレンチキュラー
レンズ型7へ注入を行う場合には、レンチキュラーレン
ズパターンの長手方向に沿ってスリットノズル1を移動
させ、図4に示したフレネルレンズ型8へ注入を行う場
合には、フレネルレンズパターンの同心円の円周方向に
沿ってスリットノズル1を回転移動させながら注入を行
うことが好ましい。このようなスリットノズル1の移動
は、注入する樹脂液5の粘度が60cps以上の場合に
は、樹脂液5がレンズ型4の凸部を越えて移動すること
が少ないため、樹脂液5がレンズ型4の凹部に落下する
際の巻き込みにようる気泡の発生が防止できるため特に
効果的である。
【0013】また、スリットノズル1からレンズ型4へ
吐出される樹脂液5の量は、スリットノズル1のスリッ
ト幅、スリットの長さおよびスリットノズル1の移動速
度を考慮して調整することが好ましい。すなわち、スリ
ットノズル1に形成したスリット幅をWcm、スリット
の長さをLcm、スリットノズル1の移動速度をVcm
/分とした場合には、樹脂液送液量U(cm3 /分)は
次の式1の範囲であることが好ましい。
【0014】
【数1】 0.1WLV≦U≦3WLV ・・・ (1) これは、樹脂液送液量Uが0.1WLVcm3 /分未満
であると、スリットノズル1からレンズ型4へ落下する
樹脂液5がスリットの片側に寄ってしまい、樹脂液5が
注入されない部分が発生するためであり、逆に3WLV
cm3 /分を超えると、注入される樹脂液5の注入量が
過剰となり生産性に劣るためである。
【0015】スリットノズル1の長さがレンズ型4の長
さよりも短い場合には、スリットノズル1を移動させる
とともに、レンズ型4を移動させて注入を行うことがで
きる。この場合の注入工程を示す概略図を図6に示し
た。レンズ型4に送り機構9を設置して、スリットノズ
ル1の移動方向と直角方向に移動できるようにする。こ
の送り機構9は、スリットノズル1の1回の移動注入が
終了した時点で、スリットノズル1の長さ分だけレンズ
型4を移動させて、次のスリットノズル1の移動注入を
行う。この動作をレンズ型4の長さ分だけ繰り返して、
レンズ型4全面に樹脂液5を均一に注入する。また、ス
リットノズル1に非接触式の探知センサー10を取付
け、レンズ型4の端部を感知した時点で樹脂液の送液を
停止させるシーケンスを組むことがこのましい。この場
合、スリットノズル1を移動させる代わりにレンズ型4
を縦横に移動させることもできる。
【0016】本発明で使用されるレンズ型4としては、
内面に適宜のレンズパターンを形成したものであり、ガ
ラス製、アルミニウム、黄銅、鋼等の金属製、シリコン
樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、フッ
ソ樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の合成樹脂製のもの
等が使用できる。また、このような材料に各種金属粉を
混合したものや、メッキを施したものであってもよい。
【0017】第1の樹脂注入工程を終えたレンズ型4
は、必要に応じて平滑化工程を行う。図6に示したよう
に、第1の樹脂液8が注入されたレンズ型4は、気体を
吹出す吹出ノズル11と気体および樹脂液を吸い込む吸
引ノズル12を設置した平滑化装置を通過させ、樹脂液
8がレンズ型4のレンズパターン凹部13のみに残留す
るように、余剰の樹脂液14を吸引する。平滑化装置
は、吹出しノズル11から吹出したエアーによって余剰
の樹脂液14を飛散させて平滑化を行うもので、飛散さ
せた余剰の樹脂液14を吸引ノズル12から吸引して、
微粒子状となった余剰の樹脂液14が飛散して平滑化さ
れた樹脂液の表面への付着を防止するものである。この
ような余剰の樹脂液14の飛散が許容される場合には、
吸引ノズル12は設置する必要はないが、余剰の樹脂液
14の飛散はレンズシートの厚さ斑の原因となるので吸
引ノズル12を併設することが好ましい。吹出ノズル1
1は、吹出す気体の広がりが少なく斑のない物が好まし
く、吹出用ファン15に接続して設置される。また、吸
引ノズル12は、幅5mm程度のスリットを有するもの
であり、吸引用ファン16に接続して設置される。
【0018】平滑化工程に次いで、必要に応じて第1の
硬化工程を行う。注入された第1の樹脂液8を平滑化し
たレンズ型4は、活性エネルギー線照射装置によって活
性エネルギー線を照射され、注入された第1の樹脂液8
は硬化または半硬化状態とされる。活性エネルギー線と
しては、電子線、イオン線等の粒子線、γ線、紫外線、
可視光線、赤外線等の電磁波線等が挙げられるが、硬化
速度や生産設備等の点から紫外線が好ましい。活性エネ
ルギー線照射装置としては、紫外線を照射する場合に
は、高圧水銀灯、ケミカルランプ、殺菌灯等の紫外線ラ
ンプが使用できる。
【0019】第1の硬化工程で照射される活性エネルギ
ー線は、照射量が320〜390nmの積算照射量で1
0〜1000mJ/cm2 であることが好ましい。これ
は、照射量が10mJ/cm2 未満では、樹脂の硬化反
応が進行せず、第2の樹脂の注入による厚さ斑や気泡発
生の原因となるためである。逆に、照射量が1000m
J/cm2 を超えると、第2の樹脂との密着性が低下し
たり、第2の樹脂注入後の活性エネルギー線の照射によ
って着色するおそれがあるためである。この範囲の照射
量で活性エネルギー線を照射することによって、第1の
樹脂の内面のみを硬化あるいは半硬化状態とすることが
できるため、第2の樹脂との密着性に優れ、その界面も
光学的に均一なものにできる。
【0020】なお、上記のような第1の硬化工程は必要
に応じて施せばよいが、第1の樹脂を硬化または半硬化
させないで第2の樹脂を注入する場合には、第1の樹脂
が第2の樹脂に押される形で移動して、第1の樹脂と第
2の樹脂との間にレンズ型の形状に起因する気泡が発生
するおそれがあり、この気泡がレンズシート中に残存下
場合にはレンズ欠陥となるので、第1の硬化工程を施し
た後に第2の樹脂を注入することが好ましい。
【0021】第1の樹脂注入工程後のレンズ型4には、
第2の樹脂注入工程を行う。図7に、第2の樹脂注入工
程の概略図を示した。第2の活性エネルギー線硬化型樹
脂液17の注入は、ロールコーター18等の定厚塗布装
置を用いて第1の樹脂層8上に一定の厚さで注入する。
なお、ロールコーター18の代わりに、シルクスクリー
ン印刷機等の他の定厚塗布装置を使用してもよいし、第
1の樹脂液の注入と同様にスリットノズルやスリットノ
ズルを用いて注入してもよい。また、第2の樹脂液17
として比較的粘度の高いものを使用する場合には、レン
ズ型1端部の第1の樹脂層8上に第2の樹脂液17の樹
脂溜まりを形成して、その上に透明基材19を介して加
圧ロールで展延しながら塗布することもできる。さら
に、予め第2の樹脂17を塗布した透明基材19を用意
して、これを第1の樹脂層8上に重ね合わせることもで
きる。また、第2の樹脂液17として比較的低粘度のも
のを注入する場合には、第1の樹脂注入後に行う同様な
平滑化工程を施してもよい。
【0022】第2の樹脂17を注入したレンズ型4に
は、図8に概略を示したように透明基材19を重ね合わ
せる。レンズ型4の端部20に透明基材19の端部21
を合致させ、ロール22を用いて重ね合わせていく。こ
の場合、余剰の樹脂液は、ロール22の進行方向あるい
は周辺部からオーバーフローさせ、レンズ型4の下方に
設置した余剰の樹脂液受23から回収し、脱泡、濾過等
の処理を施した後に再度注入に使用することができる。
透明基材19は、ロール22に沿わせるように配置して
重ね合わせることが好ましい。また、使用するロール2
2は、直径250mm以下程度の大きさが好ましい。透
明基材19がロール22から離れて配置されたり、ロー
ル22の直径が250mmを超える大きさのものを使用
した場合には、第2の樹脂液17の表面に生じた凸部と
透明基材17が、ロール22による透明基材19と樹脂
液17との本来の重ね合わせ位置から外れた位置で接触
して重ね合わされ、透明基材19と樹脂液17との間に
気泡が発生するおそれがあるためである。
【0023】本発明で使用される透明基材19しては、
厚さならびに材料については特に限定されるものではな
いが、着色や濁り等によって光線透過率が低下するもの
は好ましくない。使用できる材料としては、プラスチッ
クやガラス等が挙げられ、具体的にはアクリル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン
樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂あるいはこれら樹脂
のコポリマーやポリマーアロイ等が挙げられる。透明基
材19の厚さは、活性エネルギー線の透過性や取扱い性
等の観点から3mm以下であることが好ましい。特に、
フレネルレンズやレンチキュラーレンズ等の投写スクリ
ーン用のレンズ等に使用される場合には、多重像や虹色
の色斑等の光学特性を考慮すると1mm以下であること
が好ましい。
【0024】透明基材2を重ね合わせた後、透明基材1
9の上方から活性エネルギー線を照射して樹脂液を硬化
させる。この硬化工程においては、活性エネルギー線の
照射量は、樹脂液が完全に硬化するに十分な量であり、
使用する活性エネルギー線硬化型樹脂の種類によって適
宜決定される。樹脂の硬化終了後、透明基材19の端部
を保持してレンズ型4から脱型して、レンズシートを得
る。
【0025】本発明で使用される活性エネルギー線硬化
型樹脂としては、取扱い性や硬化性等の点で、多価アク
リレートおよび/または多価メタクリレート(以下、多
価(メタ)アクリレートと記載)、モノアクリレートお
よび/またはモノメタクリレート(以下、モノ(メタ)
アクリレートと記載)、および活性エネルギー線による
光重合開始剤を主成分とすものが好ましい。代表的な多
価(メタ)アクリレートとしては、ポリオールポリ(メ
タ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレ
ート、エポキシポリ(メタ)アクリレート、ウレタンポ
リ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単
独あるいは2種以上の混合物として使用される。また、
モノ(メタ)アクリレートとしては、モノアルコールの
モノ(メタ)アクリル酸エステル、ポリオールのモノ
(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられるが、後者の
場合には、遊離の水酸基の影響であると思われるが、金
属型との離型性が悪くなるので金属型を使用する場合に
は多量に使用しないほうがよい。また、(メタ)アクリ
ル酸およびその金属塩についても、高い極性を有してい
ることから、金属型を使用する場合には多量に使用しな
いほうがよい。
【0026】また、本発明においては、第1の活性エネ
ルギー線硬化型樹脂と、その上に注入する第2の活性エ
ネルギー線硬化型樹脂とを使用するが、これら第1の樹
脂と第2の樹脂とは同一組成のものでも、異なる組成の
ものであってもよい。同一組成の場合でも、粘度等の物
性の異なるものを使用することもできる。例えば、第1
の樹脂としては、レンズ型のレンズパーターンの再現性
のよい樹脂を、第2の樹脂としては、透明基材との密着
性のよい樹脂を使用することができる。
【0027】第1の樹脂としては、硬化後の透明性が高
く、粘度が数十cps程度と低いものが好ましく、さら
に好ましくは10〜80cpsの粘度のものである。こ
れは、注入時の粘度が100cpsを超える樹脂液を使
用した場合には、注入ノズル通過時のキャビテーション
等の原因によって、気泡が発生する可能性が高くなるた
めである。また、粘度の高い樹脂液を使用する場合で
も、予め樹脂液を加熱して注入時の粘度を数十cps程
度にすることが好ましい。さらに、樹脂液は、予め十分
に脱泡しておくとともに、液中のごみ等をフィルターで
濾過して使用することが好ましい。使用する第1の樹脂
としては、特に、空気存在下での硬化性が劣り、第2の
樹脂組との密着性を向上させることがでることから、メ
タクリレート成分を主成分としたものが好ましい。
【0028】
【実施例】以下、図9〜図11に基づいて、本発明の実
施例を具体的に説明する。 実施例1 図9に示したように、厚さ3mmの1200mm×80
0mmの大きさの黄銅製の板にフレネルレンズパターン
を形成したレンズ型4を用意した。このレンズ型4を架
台に載置した。スリットノズル1としては、長さ350
mm、直径20mm、内径10mm、肉厚5mmのSU
S304のステンレス製管に幅R0.75mmのスリッ
ト2を切削したものを使用した。このスリットノズル4
には、第1の紫外線硬化型樹脂液を供給するためのギア
ポンプ5を、ラインフィルター24を介して接続し、樹
脂液タンクから樹脂液8を供給する。レンズ型4から5
mmの間隔をおいて、スリットノズル4をレンズ型4の
進行方向と直角に50cm/分の速度で移動させなが
ら、150cm3 /分の注入速度で第1の樹脂液8をレ
ンズ型4に注入した。スリットノズル1が、レンズ型4
を横断して1回目の注入が終了したら、レンズ型4を3
00mm移動させて2回目の注入を行った。同様の手順
で4回の注入を行い、レンズ型4全面に第1の樹脂液8
を注入した。
【0029】第1の紫外線硬化型樹脂の組成は次の通り
であり、室温での粘度は40cpsであった。 <樹脂組成> ファンクリルFA−321M 50重量% (日立化成社製、エチレンオキシド変性 ビスフェノールAジメタクリレート) ダイヤビーム4117 10重量% (三菱レイヨン社製、ビスフェノールA 系アクリレート) ダイヤビーム2106 40重量% (三菱レイヨン社製、テトラヒドロフル フリルアクリレート) ダロキュアー5117 1.5重量% (メルクジャパン社製、2−ヒドロキシ (上記樹脂の和に対して) −2−メチル−1−フェニルプロパン −1−オン) 次いで、図10に示したように、レンズ型4の幅とほぼ
等しい長さのスリット状にエアーを吹出す吹出ノズル1
1と吸引ノズル12とを設置した平滑化装置を準備し
た。吹出ノズル11として、エアノズル(キクチ社製、
DN−300型Daicoエアノズル)を4本設置し
て、これと対向する位置に吸引ノズル12を設置した。
これらノズル先端から5mm離れた位置を、レンズ型4
を2m/分の速度で移動させて、レンズ型4のレンズパ
ターン凹部13にのみ第1の樹脂液8が注入されている
ように平滑化を行った。なお、吹出ノズル11にはリン
グブロワー15を接続して、1200mmAqで空気を
送り込み、吸引ノズル12には真空掃除機16を接続し
て余剰の樹脂液14を吸引した。
【0030】平滑化を行った後、8本のケミカルランプ
を平行に配列した第1の紫外線照射装置中を、ケミカル
ランプとレンズ型4との間隔を100mmとして搬送速
度3m/分でレンズ型4を通過させ、第1の樹脂液が半
硬化状態となるように硬化させた。この時、320〜3
90nmの積算紫外線照射量は、150mJ/cm2
あった。
【0031】半硬化させた第1の樹脂層8上に、バンコ
ランスキージCB−60−A(メッシュ工業社製定量塗
布装置)を用いて、第1の樹脂液8と同一の第2の樹脂
液17をほぼ均一な厚さとなるように展延した。次い
で、図11に示したように、透明基材19として、レン
ズ型4とほぼ同一の大きさで、厚さ1mmのアクリル樹
脂製シート(三菱レイヨン社製アクリライト#000)
を、その端部がレンズ型4の端部に接するように設置し
て、ロール22に沿って配置するように保持しながらロ
ール22を降下させた。1m/分の速度でロール22
を、レンズ型4の一端部から他端部に向けて移動させ
て、透明基材19を第2の樹脂液17上に重ね合わせ
た。オーバーフローした余剰樹脂液は、レンズ型4の下
方に設置した樹脂液受23に回収した。そして、ロール
22が、レンズ型4の他端部まで移動した時点でロール
22を上昇させて、重ね合わせを終了した。ロール22
としては、直径150mmの金属ロールに、JISゴム
硬度40度のNBRシートを巻き付けたものを使用し
た。
【0032】透明基材19を重ね合わせたレンズ型4
を、80W/cmの照射強度6.4kWの紫外線ランプ
3本を配置した紫外線照射装置を用いて、紫外線を照射
して樹脂液を完全に硬化させた。硬化終了後、レンズ型
4から脱型して、フレネルレンズシートを得た。得られ
たフレネルレンズシートは、レンズ中への気泡の残存が
なく、厚さ斑もない均一な高品質のものであった。
【0033】比較例1 スリットノズル1として、長さ350mm、直径20m
m、内径10mm、肉厚5mmのSUS304のステン
レス製管にスリット幅2mmのスリット2を切削したも
のを使用した以外は、実施例1と同様の方法でフレネル
レンズシートを得た。得られたフレネルレンズシート
は、第1の樹脂注入工程で樹脂液の供給を停止した後
に、スリットから残留していた樹脂液が滴下して第1の
樹脂液中に気泡が発生し、これがフレネルレンズシート
に残りレンズ欠陥を生じていた。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上詳述した通りの構成からな
るものであるから、レンズ型のレンズパターンを精確に
転写することができ、気泡の発生や厚さ斑等のない優れ
たレンズシートを効率よく生産することができるもので
あり、特に投写スクリーン等に使用されるフレネルレン
ズあるいはレンチキュラーレンズ等に適したレンズシー
トを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するスリットノズルを示す概略図
である。
【図2】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図3】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図4】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図5】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図6】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図7】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図8】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図9】本発明の実施例の製造工程を示す概略図であ
る。
【図10】本発明の実施例の製造工程を示す概略図であ
る。
【図11】本発明の実施例の製造工程を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 ・・・ スリットノズル 2 ・・・ ノズル穴 3 ・・・ ノズル穴ピッチ 4 ・・・ レンズ型 5 ・・・ 第1の活性エネルギー線硬化型樹脂 6 ・・・ 定量ポンプ(ギアポンプ) 7 ・・・ レンチキュラーレンズ型 8 ・・・ フレネルレンズ型 9 ・・・ 送り機構 10・・・ 探知センサー 11・・・ 吹出ノズル 12・・・ 吸引ノズル 13・・・ レンズパターン凹部 14・・・ 余剰の樹脂液 15・・・ 吹出ファン(リングブロワー 16・・・ 吸引ファン(真空掃除機 17・・・ 第2の活性エネルギー線硬化型樹脂 18・・・ ロールコーター 19・・・ 透明基材 20・・・ レンズ型端部 21・・・ 透明基材端部 22・・・ ロール 23・・・ 樹脂液受 24・・・ ラインフィルター

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズパターンが形成されたレンズ型に
    第1の活性エネルギー線硬化型樹脂をスリット幅1.5
    mm以下のスリットノズルを用いて注入する第1の樹脂
    注入工程と、第2の活性エネルギー線硬化型樹脂を注入
    する第2の樹脂注入工程と、前記第2の樹脂上に透明基
    材を重ね合わせる積層工程と、活性エネルギー線を照射
    して前記樹脂を硬化する硬化工程と、前記レンズ型から
    前記樹脂を離型する離型工程とからなることを特徴とす
    るレンズシートの製造方法。
JP22151292A 1992-08-20 1992-08-20 レンズシートの製造方法 Pending JPH06201903A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22151292A JPH06201903A (ja) 1992-08-20 1992-08-20 レンズシートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22151292A JPH06201903A (ja) 1992-08-20 1992-08-20 レンズシートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06201903A true JPH06201903A (ja) 1994-07-22

Family

ID=16767879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22151292A Pending JPH06201903A (ja) 1992-08-20 1992-08-20 レンズシートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06201903A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998023978A1 (fr) * 1996-11-27 1998-06-04 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Procede de fabrication de feuille de lentille et d'ecran de projection
JP2000167995A (ja) * 1998-12-01 2000-06-20 Nitto Jushi Kogyo Kk 合成樹脂成型品およびその製造方法
JP2001141993A (ja) * 1999-11-11 2001-05-25 Mitsubishi Electric Corp 赤外線光学系
WO2011148756A1 (ja) * 2010-05-27 2011-12-01 コニカミノルタオプト株式会社 ウェハレンズの製造方法
CN109834905A (zh) * 2017-11-26 2019-06-04 丹阳康斯特光学元件有限公司 一种脚踏式树脂单体液浇注装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998023978A1 (fr) * 1996-11-27 1998-06-04 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Procede de fabrication de feuille de lentille et d'ecran de projection
US6071443A (en) * 1996-11-27 2000-06-06 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Method of producing lens sheet and projection screen
KR100516922B1 (ko) * 1996-11-27 2005-11-29 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 렌즈시트의제조방법및투영스크린
JP2000167995A (ja) * 1998-12-01 2000-06-20 Nitto Jushi Kogyo Kk 合成樹脂成型品およびその製造方法
JP4685205B2 (ja) * 1998-12-01 2011-05-18 日東樹脂工業株式会社 合成樹脂成型品の製造方法およびこの方法により製造される合成樹脂成型品
JP2001141993A (ja) * 1999-11-11 2001-05-25 Mitsubishi Electric Corp 赤外線光学系
WO2011148756A1 (ja) * 2010-05-27 2011-12-01 コニカミノルタオプト株式会社 ウェハレンズの製造方法
JP5678958B2 (ja) * 2010-05-27 2015-03-04 コニカミノルタ株式会社 ウェハレンズの製造方法
CN109834905A (zh) * 2017-11-26 2019-06-04 丹阳康斯特光学元件有限公司 一种脚踏式树脂单体液浇注装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104162947B (zh) 产生有图案的材料的方法
TW201427822A (zh) 柔性印刷板及其製造方法以及液晶面板用基板的製造方法
JPH06201903A (ja) レンズシートの製造方法
JPH0667002A (ja) レンズシートの製造方法
JP3370390B2 (ja) レンズシートの製造方法
JP5229206B2 (ja) 反射防止フィルムの製造方法
KR100516922B1 (ko) 렌즈시트의제조방법및투영스크린
TWI508848B (zh) 用於製備光學片的裝置及使用該裝置的光學片製備方法
JP2003103531A (ja) 光硬化性樹脂によるシート状成形体の製造方法
JP2010225785A (ja) インプリント用の転写フィルムの製造方法、及びインプリント用の転写フィルム
JP2002268146A (ja) 光学物品の製造方法とその光学物品を用いたプロジェクション・スクリーンおよびプロジェクション・テレビ
JPH0147307B2 (ja)
JP3370391B2 (ja) レンズシートの製造方法
JP3549655B2 (ja) レンズシートの製造方法
JPH06118207A (ja) レンズシート
KR19990005131A (ko) 투사형 텔레비젼 스크린
JP3297086B2 (ja) 樹脂成型物の製造方法
KR20160085947A (ko) 임프린트 장치 및 그 방법
JP2608440B2 (ja) レンズシートの製造方法
JPH07148856A (ja) 両面レンチキュラーレンズシートの製造方法
JP4329356B2 (ja) 光学部品の製造方法
JP2007290273A (ja) 光学物品の製造方法及び光学物品及び画像投影スクリ−ン及び画像投影装置
JPH07159902A (ja) レンズシートの製造方法
JP2003202632A (ja) 光学物品の製造方法
JP4765220B2 (ja) レンチキュラーレンズシートの製造方法及び装置