JP3370390B2 - レンズシートの製造方法 - Google Patents

レンズシートの製造方法

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JP3370390B2 JP20800593A JP20800593A JP3370390B2 JP 3370390 B2 JP3370390 B2 JP 3370390B2 JP 20800593 A JP20800593 A JP 20800593A JP 20800593 A JP20800593 A JP 20800593A JP 3370390 B2 JP3370390 B2 JP 3370390B2
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雅郎 濱田
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活性エネルギー線を利
用したレンズシートの製造方法に関するものであり、特
に、プロジェクションテレビやマイクロフィルムリーダ
ー等の画面として用いられる投写スクリーンに使用され
るフレネルレンズやレンチキュラーレンズの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】フレネルレンズやレンチキュラーレンズ
等のレンズシートを製造する方法としては、アクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン
樹脂等の透明樹脂材料を用いて、これらの樹脂を射出成
型する方法、樹脂板とレンズ型とを当接させ、これを加
熱加圧することによりレンズ型のレンズパターンを転写
する押圧成型法、樹脂板を直接切削加工するダイレクト
カット法等が知られている。また、最近では活性エネル
ギー線硬化型樹脂をレンズ型内に注入した後、活性エネ
ルギー線を照射して該樹脂を硬化させる方法等も提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、射出成
型法においては大きなサイズの成型物の成型は難しく、
比較的小さなサイズの成型物の成型にしか使用できな
い。また、押圧成型法では樹脂板および成型型の加熱冷
却サイクルに長時間を要するため、樹脂成型物の大量生
産のためには多数の成型型が必要となり、大型の樹脂成
型物を製造するためには生産装置に莫大な費用がかか
る。
【0004】一方、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
を用いる方法は、成型時間を短縮でき生産性が向上でき
るものの、レンズ型内へ樹脂組成物を注入する際に泡等
の巻き込み等の問題点を有しており、これを解決するた
めには、別途脱泡処理を行ったり、ゆっくりと注入する
等の方法を採用する必要があり、大量生産には未だ十分
なものではなかった。特に、同心円状のレンズパターン
を有するフレネルレンズを製造する場合には、同心円状
というレンズ型のパターン形状によって溝部に気泡が閉
じこめられるために、気泡が発生し易く、一旦発生した
気泡は容易に除去できなく、気泡によるレンズ欠陥をま
ねくという問題点を有していた。
【0005】このような気泡の発生を防止する方法とし
て特開平1−192529号公報に記載されているよう
に、低粘度の紫外線硬化型樹脂液(第1の樹脂液)をレ
ンズ型に塗布した後、比較的高粘度の紫外線硬化型樹脂
液(第2の樹脂液)を注入して、透明基材を重ね合わせ
て紫外線を照射して硬化させ脱型する方法が提案されて
いる。しかしながら、このような方法では、レンズ型に
塗布した第1の樹脂液に盛り上がった部位が生じている
と、第2の樹脂液を注入して硬化させた後でもレンズシ
ートの厚さ斑として残り、画像の歪み等のレンズ品質低
下の原因となる等の問題点を有している。そこで、本発
明の目的は、気泡等によるレンズ欠陥や厚さ斑のない高
品質のレンズシートを効率よく生産することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来
技術の有する問題点を鑑み、活性エネルギー線硬化型樹
脂を用いたレンズシートの製造方法について鋭意検討を
行った結果、本発明に到達したものである。すなわち、
本発明のレンズシートの製造方法は、レンズパターンが
形成されたレンズ型に第1の活性エネルギー線硬化型樹
脂を注入する第1の樹脂注入工程と、平滑化装置によっ
て前記樹脂の表面を平滑化する平滑化工程と、平滑化さ
れた第1の活性エネルギー線硬化型樹脂上に第2の活性
エネルギー線硬化型樹脂を注入する第2の樹脂注入工程
と、前記第2の樹脂上に透明基材を重ね合わせる積層工
程と、活性エネルギー線を照射して前記樹脂を硬化する
硬化工程と、前記レンズ型から前記樹脂を離型する離型
工程とからなることを特徴とするものである。
【0007】以下、本発明の製造方法を図面に従って詳
細に説明する。図1は、本発明の第1の活性エネルギー
線硬化型樹脂の注入工程を示す概略図であり、レンズパ
ターンが形成された平板状のレンズ型1に多孔ノズルや
スリットノズル等の注入ノズル4を用いて、注入ノズル
4をレンズ型1の形状に合わせて移動させながら活性エ
ネルギー線硬化型樹脂液3を注入する。注入ノズル4へ
の樹脂液3の供給は、樹脂液タンクから定量ポンプ5を
通して行う。樹脂液3の注入には、注入ノズル4のノズ
ル穴部での流速から計算されるレイノルズ数が層流領域
から極端に離れないように、使用する樹脂液3の粘度と
ノズル穴部のL/D(Lはノズル穴部の長さ、Dは直径
を表す。)あるいはスリット幅を決定する必要がある。
【0008】図2は、本発明の第1の活性エネルギー線
硬化型樹脂の別の注入方法を示す概略図であり、レンズ
パターンを形成した平板状のレンズ型1を傾斜させて設
置し、その上流側端部から注入ノズル4を用いて活性エ
ネルギー線硬化型樹脂液3を注入する。注入ノズル4へ
の樹脂液3の供給は、図1と同様に樹脂液タンクから定
量ポンプ5を通して行う。樹脂液3の注入には、樹脂液
3の流下速度が極端に速くならないように注意するとと
もに、レンズ型1の面積をAmmとした時に10Am
以上の過剰量の樹脂液を流下させることが望まし
い。このように過剰の樹脂液3を流下させることによっ
て、注入時初期に発生する気泡を押し流し、レンズ型1
中への気泡の残存を防止することができる。余剰の樹脂
液3は、脱泡、濾過等の処理を施した後、樹脂液タンク
に戻して再度注入に使用することができる。なお、レン
ズ型1の傾斜角度20は、樹脂液の粘度や流下速度等と
を考慮して15度以下とすることが好ましい。
【0009】図3に、第1の樹脂注入工程後の状態を示
した。図3に示したように、第1の活性エネルギー線硬
化型樹脂3は、樹脂が平板状のレンズ型1のレンズパタ
ーン部から盛り上がるようにレンズ型1に注入すること
が好ましい。本発明で使用されるレンズ型1としては、
内面に適宜のレンズパターンを形成したものであり、ガ
ラス製、アルミニウム、黄銅、鋼等の金属製、シリコン
樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、フッ
ソ樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の合成樹脂製のもの
等が使用できる。また、このような材料に各種金属粉を
混合したものや、メッキを施したものであってもよい。
【0010】第1の樹脂注入工程を終えた平板状のレン
ズ型1は、図4に概略を示した平滑化工程を行う。図3
に示したように第1の樹脂3がレンズパターン部から盛
り上がったように注入されたレンズ型1は、搬送装置8
によって気体を吹出す吹出ノズル6を設置した平滑化装
置によって、樹脂液3がレンズ型1のレンズパターン凹
部9のみ残留し、樹脂液3の液面が平滑となるように平
滑化処理を行う。平滑化装置は、吹出す気体の広がりが
少なく斑のない形状の吹出口を有する吹出ノズル6が、
吹出用ファン21に接続されて設置されたものであり、
吹出しノズル6から吹出したエアーによって余剰の樹脂
液10を除去して平滑化を行うものである。余剰の樹脂
10は、レンズ型1の周辺部からオーバーフローさせ、
レンズ型1の周囲に設置された樹脂液受から回収し、脱
泡、濾過等の処理を施した後に再度注入に使用すること
ができる。
【0011】また、本発明の平滑化装置においては、図
5に示したように、吹出ノズル6と対面する位置に幅5
mm程度のスリットを有する吸引ノズル7を吸引用ファ
ン22に接続して設置し、吹出ノズル6から吹出された
エアーおよび樹脂液3を吸引することもできる。このよ
うな吸引ノズル7を設置することによって、吹出しノズ
ル6から吹出したエアーによって飛散させた余剰の樹脂
液10を吸引ノズル7から吸引して、微粒子状となった
余剰の樹脂液10が飛散して平滑化された樹脂液3の表
面への付着を防止することができるものである。余剰の
樹脂液10の飛散はレンズシートの厚さ斑の原因となる
ので吸引ノズル7を併設することが好ましいが、吹出ノ
ズル6の移動速度やエアーの吹出量を制御することによ
って防止することもできる。
【0012】平滑化工程に次いで、図6に概略を示した
第1の硬化工程を行う。注入された第1の樹脂液3を平
滑化したレンズ型1は、活性エネルギー線照射装置19
によって活性エネルギー線を照射され、注入された第1
の樹脂液3は硬化または半硬化される。活性エネルギー
線としては、電子線、イオン線等の粒子線、γ線、紫外
線、可視光線、赤外線等の電磁波線等が挙げられるが、
硬化速度や生産設備等の点から紫外線が好ましい。活性
エネルギー線照射装置19としては、紫外線を照射する
場合には、高圧水銀灯、ケミカルランプ、殺菌灯等の紫
外線ランプが使用できる。
【0013】第1の硬化工程で照射される活性エネルギ
ー線は、照射量が320〜390nmの積算照射量で1
0〜1000mJ/cm2 であることが好ましい。これ
は、照射量が10mJ/cm2 未満では、樹脂の硬化反
応が進行せず、第2の樹脂の注入による厚さ斑や気泡発
生の原因となるためである。逆に、照射量が1000m
J/cm2 を超えると、第2の樹脂との密着性が低下し
たり、第2の樹脂注入後の活性エネルギー線の照射によ
って着色するおそれがあるためである。この範囲の照射
量で活性エネルギー線を照射することによって、第1の
樹脂の内面のみを硬化あるいは半硬化状態とすることが
できるため、第2の樹脂との密着性に優れ、その界面も
光学的に均一なものにできる。
【0014】また、第1の硬化工程での活性エネルギー
線の照射は、第1の樹脂上に空気層を介在させて、さら
に300nm以下の波長のものを吸収または反射する材
料を介して照射することが好ましい。これは、300n
m以下の波長のものが存在すると、比較的硬化性の劣る
ものも硬化してしまうことがあり、その波長のものを吸
収または反射させることによって、樹脂の内面のみを硬
化あるいは半硬化状態にするように容易に制御できるた
めである。さらに、このような材料を介在させることに
よって、活性エネルギー線照射ランプを冷却するための
冷却風による樹脂液表面の波立ちも抑制できるものであ
り、第2の樹脂との界面を均一にできるものでもある。
このような300nm以下の波長を吸収または反射する
材料としては、光学薄膜による波長選択板、一般のガラ
ス板、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂等の樹脂板、シートあるいはフィルム等が使用
できる。
【0015】なお、上記のような第1の硬化工程は必要
に応じて施せばよく、平滑化工程を行った後に硬化工程
を経ずに直接第2の樹脂注入工程へ移ってもよい。しか
し、第1の樹脂を硬化または半硬化させないで第2の樹
脂を注入する場合には、第1の樹脂が第2の樹脂に押さ
れる形で移動して、第1の樹脂と第2の樹脂との間にレ
ンズ型の形状に起因する気泡が発生するおそれがあり、
この気泡がレンズシート中に残存下場合にはレンズ欠陥
となるので、第1の硬化工程を施した後に第2の樹脂を
注入することが好ましい。
【0016】平滑化工程後あるいは第1の硬化工程後の
平板状のレンズ型1には、第2の樹脂注入工程を行う。
図7に、第2の樹脂注入工程の概略図を示した。第2の
活性エネルギー線硬化型樹脂液11の注入は、ロールコ
ーター23等の定厚塗布装置を用いて第1の樹脂層3上
に一定の厚さで注入する。なお、ロールコーター23の
代わりに、シルクスクリーン印刷機等の他の定厚塗布装
置を使用してもよいし、第1の樹脂液の注入と同様に多
孔ノズルやスリットノズルを用いて注入してもよい。ま
た、第2の樹脂液11として比較的粘度の高いものを使
用する場合には、レンズ型1端部の第1の樹脂層3上に
第2の樹脂液11の樹脂溜まりを形成して、その上に透
明基材2を介して加圧ロールで展延しながら塗布するこ
ともできる。さらに、予め第2の樹脂を塗布した透明基
材2を用意して、これを第1の樹脂層3上に重ね合わせ
ることもできる。また、第2の樹脂液として比較的低粘
度のものを注入する場合には、第1の樹脂注入後に行っ
たと同様に、平滑化工程を施してもよい。
【0017】第2の樹脂を注入した平板状のレンズ型1
には、図8に概略を示したように透明基材2を重ね合わ
せる。レンズ型1の端部12に透明基材2の端部13を
合致させ、ロール14を用いて重ね合わせていく。この
場合、余剰の樹脂液は、ロールの進行方向あるいは周辺
部からオーバーフローさせ、レンズ型1の下方に設置し
た余剰の樹脂液受15から回収し、脱泡、濾過等の処理
を施した後に再度注入に使用することができる。透明基
材2は、ロール14に沿わせるように配置して重ね合わ
せることが好ましい。また、使用するロール14は、直
径250mm以下程度の大きさが好ましい。透明基材2
がロール14から離れて配置されたり、ロール14の直
径が250mmを超える大きさのものを使用した場合に
は、第2の樹脂液11の表面に生じた凸部と透明基材2
が、ロール14による透明基材2と樹脂液11との本来
の重ね合わせ位置から外れた位置で接触して重ね合わさ
れ、透明基材2と樹脂液11との間に気泡が発生するお
それがあるためである。
【0018】本発明で使用される透明基材2しては、厚
さならびに材料については特に限定されるものではない
が、着色や濁り等によって著しく光線透過率が低下する
ものは好ましくない。使用できる材料としては、プラス
チックやガラス等が挙げられ、具体的にはアクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリス
チレン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂あるいはこれ
ら樹脂のコポリマーやポリマーアロイ等が挙げられる。
透明基材2の厚さは、活性エネルギー線の透過性や取扱
い性等の観点から3mm以下であることが好ましい。特
に、フレネルレンズやレンチキュラーレンズ等の投写ス
クリーン用のレンズ等に使用される場合には、多重像や
虹色の色斑等の光学特性を考慮すると1mm以下である
ことが好ましい。
【0019】透明基材2を重ね合わせた後、透明基材2
の上方から活性エネルギー線を照射して樹脂液を硬化さ
せる。この硬化工程においては、活性エネルギー線の照
射量は、樹脂液が完全に硬化するに十分な量であり、使
用する活性エネルギー線硬化型樹脂の種類によって適宜
決定される。樹脂の硬化終了後、透明基材2の端部を保
持してレンズ型1から脱型して、レンズシートを得る。
【0020】本発明で使用される活性エネルギー線硬化
型樹脂としては、取扱い性や硬化性等の点で、多価アク
リレートおよび/または多価メタクリレート(以下、多
価(メタ)アクリレートと記載)、モノアクリレートお
よび/またはモノメタクリレート(以下、モノ(メタ)
アクリレートと記載)、および活性エネルギー線による
光重合開始剤を主成分とすものが好ましい。代表的な多
価(メタ)アクリレートとしては、ポリオールポリ(メ
タ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレ
ート、エポキシポリ(メタ)アクリレート、ウレタンポ
リ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単
独あるいは2種以上の混合物として使用される。また、
モノ(メタ)アクリレートとしては、モノアルコールの
モノ(メタ)アクリル酸エステル、ポリオールのモノ
(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられるが、後者の
場合には、遊離の水酸基の影響であると思われるが、金
属型との離型性が悪くなるので金属型を使用する場合に
は多量に使用しないほうがよい。また、(メタ)アクリ
ル酸およびその金属塩についても、高い極性を有してい
ることから、金属型を使用する場合には多量に使用しな
いほうがよい。
【0021】また、本発明においては、第1の活性エネ
ルギー線硬化型樹脂と、その上に注入する第2の活性エ
ネルギー線硬化型樹脂とを使用するが、これら第1の樹
脂と第2の樹脂とは同一組成のものでも、異なる組成の
ものであってもよい。同一組成の場合でも、粘度等の物
性の異なるものを使用することもできる。例えば、第1
の樹脂としては、レンズ型のレンズパーターンの再現性
のよい樹脂を、第2の樹脂としては、透明基材との密着
性のよい樹脂を使用することができる。
【0022】第1の樹脂としては、注入時の粘度が10
0cps以下と低く、硬化後の透明性が高いものが好ま
しい。注入時の粘度が100cpsを超えると、注入ノ
ズル通過時のキャビテーション等の原因によって、気泡
が発生する可能性が高くなるためである。特に、空気存
在下での硬化性が劣り、第2の樹脂組成物との密着性を
向上させることがでることから、メタクリレート成分を
主成分としたものが好ましい。本発明において、第1の
活性エネルギー線硬化型樹脂ならびに第2の活性エネル
ギー線硬化型樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、紫外
線吸収剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、顔料、拡散剤
等の添加剤を硬化を妨げない範囲で配合してもよい。
【0023】
【実施例】以下、図9〜図12に基づいて、本発明の実
施例を具体的に説明する。図9に示したように、厚さ3
mmの1200mm×800mmの大きさの黄銅製の板
にフレネルレンズパターンを形成した平板状のレンズ型
1を用意した。このレンズ型1を架台に載置して、架台
が10度の傾斜を有するように脚16を立てた。さら
に、一辺が開放された枠17と樹脂液受15とを、枠1
7の開放辺が下方側に位置し、その下端に樹脂液受15
が接するようにレンズ型1の周囲に設置した。 注入ノ
ズル4としては、長さ1300mmのSUS304TP
15Aのステンレス製管に直径1mmのノズル穴を10
mm間隔で設けたものを使用し、これに第1の紫外線硬
化型樹脂液を供給するためのギアポンプ5を、ラインフ
ィルター18を介して接続した。レンズ型1から3mm
の間隔をおいて、レンズ型1の上流から下流に注入ノズ
ル4を移動させながら、20リットル/分の注入速度で
第1の樹脂液3をレンズ型1に注入した。
【0024】第1の紫外線硬化型樹脂の組成は次の通り
であり、室温での粘度は40cpsであった。 <樹脂組成> ファンクリルFA−321M 50重量% (日立化成社製、エチレンオキシド変性 ビスフェノールAジメタクリレート) ダイヤビーム4117 10重量% (三菱レイヨン社製、ビスフェノールA 系アクリレート) ダイヤビーム2106 40重量% (三菱レイヨン社製、テトラヒドロフル フリルアクリレート) ダロキュアー5117 1.5重量% (メルクジャパン社製、2−ヒドロキシ (上記樹脂の和に対して) −2−メチル−1−フェニルプロパン −1−オン) 次いで、図10に示したように、レンズ型1の幅とほぼ
等しい長さのスリット状にエアーを吹出す吹出ノズル6
と吸引ノズル7とを設置した平滑化装置を準備した。吹
出ノズル6として、エアノズル(キクチ社製、DN−3
00型Daicoエアノズル)を4本設置して、これと
対向する位置に吸引ノズル7を設置した。 これらノズ
ル先端から5mm離れた位置を、搬送装置8によってレ
ンズ型1を2m/分の速度で移動させて、レンズ型1の
レンズパターン凹部9にのみ第1の樹脂液3が注入され
ているように平滑化を行った。なお、吹出ノズル6には
リングブロワー21を接続して、1200mmAqで空
気を送り込み、吸引ノズル7には真空掃除機22を接続
して余剰の樹脂液10を吸引した。平滑化を行った後、
図11に示したように8本のケミカルランプ19を平行
に配列した第1の紫外線照射装置中を、ケミカルランプ
19とレンズ型1との間隔を100mmとして搬送速度
3m/分でレンズ型1を通過させ、第1の樹脂液が半硬
化状態となるように硬化させた。この時、320〜39
0nmの積算紫外線照射量は、150mJ/cm2 であ
った。
【0025】半硬化させた第1の樹脂層3上に、バンコ
ランスキージCB−60−A(メッシュ工業社製定量塗
布装置)を用いて、第1の樹脂液3と同一の第2の樹脂
液11をほぼ均一な厚さとなるように展延した。次い
で、図12に示したように、透明基材2として、レンズ
型1とほぼ同一の大きさで、厚さ1mmのアクリル樹脂
製シート(三菱レイヨン社製アクリライト#000)
を、その端部がレンズ型1の端部に接するように設置し
て、ロール14に沿って配置するように保持しながらロ
ール14を降下させた。1m/分の速度でロール14
を、レンズ型1の一端部から他端部に向けて移動させ
て、透明基材2を第2の樹脂液11上に重ね合わせた。
オーバーフローした余剰樹脂液は、レンズ型1の下方に
設置した樹脂液受15に回収した。そして、ロール14
が、レンズ型1の他端部まで移動した時点でロール14
を上昇させて、重ね合わせを終了した。ロール14とし
ては、直径160mmの金属ロールに、JISゴム硬度
40度のNBRシートを巻き付けたものを使用した。
【0026】透明基材2を重ね合わせたレンズ型1を、
80W/cmの照射強度6.4kWの紫外線ランプ3本
を配置した紫外線照射装置を用いて、紫外線を照射して
樹脂液を完全に硬化させた。硬化終了後、レンズ型1か
ら脱型して、フレネルレンズシートを得た。得られたフ
レネルレンズシートは、レンズ中への気泡の残存がな
く、厚さ斑もない均一な高品質のものであった。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上詳述した通りの構成からな
るものであるから、レンズ型のレンズパターンを精確に
転写することができ、気泡の発生や厚さ斑等のない優れ
たレンズシートを効率よく生産することができるもので
あり、特に投写スクリーン等に使用されるフレネルレン
ズあるいはレンチキュラーレンズ等に適したレンズシー
トを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図2】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図3】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図4】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図5】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図6】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図7】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図8】本発明の製造工程を示す概略図である。
【図9】本発明の実施例の製造工程を示す概略図であ
る。
【図10】本発明の実施例の製造工程を示す概略図であ
る。
【図11】本発明の実施例の製造工程を示す概略図であ
る。
【図12】本発明の実施例の製造工程を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 ・・・ レンズ型 2 ・・・ 透明基材 3 ・・・ 第1の活性エネルギー線硬化型樹脂 4 ・・・ 注入ノズル 5 ・・・ 定量ポンプ(ギアポンプ) 6 ・・・ 吹出ノズル 7 ・・・ 吸引ノズル 8 ・・・ 搬送装置 9 ・・・ レンズパターン凹部 10・・・ 余剰樹脂 11・・・ 第2の活性エネルギー線硬化型樹脂 12・・・ レンズ型端部 13・・・ 透明基材端部 14・・・ ロール 15・・・ 樹脂液受 16・・・ 脚 17・・・ 枠 18・・・ ラインフィルター 19・・・ 活性エネルギー線照射装置(ケミカルラン
プ) 20・・・ レンズ型傾斜角度 21・・・ 吹出用ファン(リングブロワー) 22・・・ 吸引用ファン(真空掃除機) 23・・・ ロールコーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−263035(JP,A) 特開 平4−7065(JP,A) 米国特許3935359(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 3/08 G02B 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズパターンが形成されたレンズ型に
    第1の活性エネルギー線硬化型樹脂を注入する第1の樹
    脂注入工程と、平滑化装置によって前記樹脂の表面を平
    滑化する平滑化工程と、平滑化された第1の活性エネル
    ギー線硬化型樹脂上に第2の活性エネルギー線硬化型樹
    脂を注入する第2の樹脂注入工程と、前記第2の樹脂上
    に透明基材を重ね合わせる積層工程と、活性エネルギー
    線を照射して前記樹脂を硬化する硬化工程と、前記レン
    ズ型から前記樹脂を離型する離型工程とからなることを
    特徴とするレンズシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記平滑化工程の後に、活性エネルギー
    線を照射して前記第1の樹脂を硬化あるいは半硬化させ
    る硬化工程を含むことを特徴とする請求項1記載のレン
    ズシートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記平滑化装置が、吹出ノズルを具備す
    ることを特徴とする請求項1あるいは2記載のレンズシ
    ートの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記平滑化装置が、吹出ノズルおよび吸
    引ノズルを具備することを特徴とする請求項1あるいは
    2記載のレンズシートの製造方法。
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