JP4765220B2 - レンチキュラーレンズシートの製造方法及び装置 - Google Patents

レンチキュラーレンズシートの製造方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンチキュラーレンズシートの製造方法及び装置に係り、特に、レンチキュラ−レンズシートに形成される光吸収層を容易に印刷斑なく均一な幅で形成することができるレンチキュラ−レンズシートの製造方法及び装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
レンチキュラーレンズシートとは、両面又は片面に多数の微細なレンチキュラーレンズが設けられたシートであり、ビデオプロジェクションテレビやマイクロフィルムリーダー等の画面として用いられる投写スクリーンに使用されている。
【0003】
このレンチキュラーレンズシートは、また、CRTプロジェクター、LCDプロジェクター、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)プロジェクター等の投射装置を用いたプロジェクションテレビやマイクロフィルムリーダー等の投写スクリーンにおいて、投写された画像を結像するとともに、入射光を拡散させて視野角を広げるために、フレネルレンズシート等と組み合わせて使用されている。
【0004】
図4は、レンチキュラーレンズシートの拡大断面図である。図示するように、レンチキュラーレンズシートSは、均一な厚さの透明な基材シートBの両面に、概略半楕円柱形のレンチキュラーレンズLを多数平行に隣接するように形成したものである。また、基材シートB上に形成されているレンチキュラーレンズLの中には、入射した光を拡散させるために光拡散材Dが混入されている。図4中、下側の光入射面側のレンチキュラーレンズLと、上側の光射出面側のレンチキュラーレンズLは対応した位置に形成され、さらに、光射出面側の平行に並んでいる概略半楕円柱形のレンチキュラーレンズLの間の溝Vには、光吸収層(ブラックストライプ)が形成されている。この光吸収層は外光の反射を防止して、コントラストの高い画像を得るために設けられている。
【0005】
特開2000−292861号公報には、レンチキュラーレンズシート及びその製造方法が記載されている。レンチキュラーレンズシートに光吸収層を設けるために、一般に、印刷機等が用いられる。まず、光吸収層を形成すべきレンチキュラーレンズシートを枚葉状に切断して平板定盤上に配置する。次に、平板定盤上のレンチキュラーレンズシートの上に光吸収層形成剤を供給し、それをスキージで均等に延展することによって、各レンチキュラーレンズLの間の溝Vの中に光吸収層形成剤を塗付、充填し、光吸収層を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、プロジェクションテレビ等の映像表示機器は、大型化、ワイド化、映像の高解像度化が進み、これに対応させるために高画質化、高詳細化の要求が強くなっている。これに伴い、プロジェクションテレビ等のスクリーンとして使用されるレンチキュラーレンズシートにも大型化、高解像度化が要求されている。
【0007】
しかしながら、大型で高解像度のレンチキュラーレンズシートの光吸収層を従来の印刷法で形成することは困難である。即ち、大型のレンチキュラーレンズシートに光吸収層を設けるには、大型の高精度な平板定盤が必要になる。定盤の精度が十分でない場合には、光吸収層形成剤をスキージによってレンチキュラーレンズシートの端部まで流動させ、均等に延展することが困難である。このため、特にシートの端部等で光吸収層形成剤残りや光吸収層形成剤不足が起り、レンチキュラ−レンズ間の溝に均一な幅で光吸収層を形成することができず、印刷斑等の不良が発生するという問題があった。
【0008】
また、上述のような方法で光吸収層を形成する場合には、光吸収層形成剤を希釈液で希釈することによって、光吸収層形成剤の粘性を制御する必要がある。しかしながら、希釈を行うと、外光の反射防止効果が低下し、それにより画像のコントラストが低下する。また、希釈液によってスキージの耐久性が低下するという問題も発生する。
さらに、大型のレンチキュラーレンズシートを1枚ずつ定盤に固定し、光吸収層を形成することにより工程数が多くなり、生産性が低下し、コスト高になるという問題もある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、大型で高解像度であるレンチキュラーレンズシートにおいても、光吸収層形成剤残り、光吸収層形成剤不足がなく、印刷斑のない均一な幅の光吸収層を生産性よく形成することができるレンチキュラーレンズシートの製造方法及び装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のレンチキュラーレンズシートの製造方法は、少なくとも一方の面にレンチキュラーレンズが形成された長尺状のレンチキュラーレンズシートを、レンチキュラーレンズの長手方向に連続的に送る段階と、送られたレンチキュラーレンズシートの、レンチキュラーレンズが形成された面上に光吸収層形成剤を供給する段階と、光吸収層形成剤が供給されたレンチキュラーレンズシートを、レンチキュラーレンズの長手方向に送り、送り方向と略直交するように配置されたロールとロールに対向して設けられたスキージー手段との間を通過させ、光吸収層形成剤をレンチキュラーレンズの間の溝に延展する段階と、を有することを特徴としている。
【0011】
この方法では、レンチキュラーレンズが形成されたレンチキュラーレンズシートが、レンチキュラーレンズの長手方向に、ロールとロールに対向して設けられたスキージー手段との間に送り込まれる。レンチキュラーレンズシートがロールとスキージー手段との間に入る直前に、光吸収層形成剤がシート上に供給される。光吸収層形成剤は、スキージー手段によって、レンチキュラーレンズの間の溝の中に充填され、均等に延ばされ、これにより、シート上に均一な光吸収層が形成される。
【0012】
この方法によれば、光吸収層形成剤はロールとスキージー手段によって均一に延展されるので、大型の平面定盤を使用することなく、大型のレンチキュラーレンズシート上に光吸収層を形成することができる。また、シートに連続的に光吸収層を形成することができるので、生産性を向上させることができる。
【0013】
また、上記方法に、レンチキュラーレンズシート上に供給された光吸収層形成剤の温度を検出する段階と、検出された温度に基づいて、供給すべき光吸収層形成剤の温度を制御する段階と、を加えても良い。
【0014】
この方法では、レンチキュラーレンズシート上に供給される光吸収層形成剤を、適正な温度に維持することができる。これにより、光吸収層形成剤の粘度等の特性を適切に維持することができるので、より均一な質の高い光吸収層を形成することができる。また、光吸収層形成剤の粘性を希釈によることなく制御することができるので、希釈によって発生する反射防止効果の低下や、画像のコントラストの低下を回避することができる。
【0015】
さらに、本発明の方法は、光吸収層形成剤が活性エネルギー線硬化性組成物を含むようにし、ロールとスキージー手段との間を通過したレンチキュラーレンズシートに活性エネルギー線を照射し、光吸収層形成剤を硬化させるようにしても良い。
【0016】
この方法では、光吸収層形成剤として溶剤系のインキ等を使用し、それを乾燥機等で硬化させる場合よりも、レンチキュラーレンズシートに加えられる熱を軽減することができる。
【0017】
また、本発明の方法は、ロールとスキージー手段との間を通過したレンチキュラーレンズシートが張力調整手段に送られ、ロールとスキージー手段との間を通過した後のレンチキュラーレンズシートに作用する単位断面積当りの張力を、所定区間に亘って0.1乃至100[N/cm2]の範囲に維持するようにするのが良い。
【0018】
この方法では、光吸収層を形成した後、レンチキュラーレンズシートに発生する弛みや、伸びを回避することができるので、斑のないより均一な質の高い光吸収層を形成することができる。
【0019】
或いは、本発明は、少なくとも一方の面にレンチキュラーレンズが形成されたレンチキュラーレンズシートを、レンチキュラーレンズの長手方向に連続的に供給するためのシート供給手段と、レンチキュラーレンズシートの、レンチキュラーレンズが形成された面上に光吸収層形成剤を供給する光吸収層形成剤供給手段と、レンチキュラーレンズの長手方向に対して概ね直角に配置されたロールと、ロールに対向して設けられ、レンチキュラーレンズシート上に供給された光吸収層形成剤を、レンチキュラーレンズの間の溝に延展するためのスキージー手段と、を有することを特徴とするレンチキュラーレンズシート製造装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態によるレンチキュラーレンズシートの製造装置1の概略側面図である。第1実施形態の製造装置1は、基材シートBの両面にレンチキュラ−レンズLを形成するためのレンズ形成部2と、各レンチキュラーレンズLの間に光吸収層を形成するための光吸収層形成部4とによって構成されている。
【0021】
レンズ形成部2は、レンチキュラーレンズシートの長尺状の基材シートBを案内するための複数のローラ6a乃至6gと、基材シートBの一方の面にレンチキュラーレンズLを形成するための第1レンズ型8aと、基材シートBの他方の面にレンチキュラーレンズLを形成するための第2レンズ型8bと、を有する。レンズ形成部2は、さらに、レンチキュラーレンズLの材料となる樹脂を溜めておくための第1樹脂タンク10aと、基材シートBと第1レンズ型8aとの間に樹脂を注入するための第1ノズル12aと、基材シートBの他方の面にレンズを形成するための第2樹脂タンク10b及び第2ノズル12bと、を有する。レンズ形成部2は、また、各面に形成されるレンチキュラーレンズLの材料の樹脂を硬化させるための活性エネルギー線照射装置14a、14bを有する。なお、本実施形態では、レンズ形成部2は、後続の光吸収層形成部4にレンチキュラーレンズシートを供給するためのシート供給手段として作用する。
【0022】
第1レンズ型8a、第2レンズ型8bは概略円柱形であり、その周囲には形成すべきレンチキュラーレンズLの形状に対応した型が設けられている。即ち、レンズ型8a、8bの外周には、レンチキュラーレンズLの形状に対応した半楕円形断面の溝が多数平行に設けられている。
【0023】
本実施形態では、入射面レンチキュラーレンズおよび出射面レンチキュラーレンズの断面形状が(数式1)で表される形状となるようにレンズ型8a、8bを作製した。
【数1】
Figure 0004765220
ただし、式中、Cは曲率、Kは円錐定数である。光入射面レンチキュラーレンズLではK=−0.43、C=−1.16とし、光出射面レンチキュラーレンズLではK=−0.8、C=−1.37とした。また、光入射面、出射面ともレンチキュラーレンズのピッチを0.38mmとした。
【0024】
また、各レンチキュラーレンズLを構成する活性エネルギー線硬化物としては、紫外線、電子線等の活性エネルギー線で硬化させたものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル類、エポキシ系樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系樹脂等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリレート系樹脂がその光学特性等の観点から特に好ましい。このような硬化樹脂に使用される活性エネルギー線硬化性組成物としては、取扱い性や硬化性等の点で、多価アクリレートおよび/または多価メタアクリレート(以下、多価(メタ)アクリレートと記載)、モノアクリレートおよび/またはモノメタアクリレート(以下、モノ(メタ)アクリレートと記載)、および活性エネルギー線による光重合開始剤を主成分とするものが好ましい。代表的な多価(メタ)アクリレートとしては、ポリオールポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上の混合物として使用される。また、モノ(メタ)アクリレートとしては、モノアルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル、ポリオールのモノ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。基材シートBと第1レンズ型8aあるいは第2レンズ型8bとの間に注入する際の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度は、20〜3000mPa・Sの範囲の粘度とすることが好ましく、さらに好ましくは100〜1000mPa・Sの範囲である。
なお、本実施形態では、各レンチキュラーレンズLを構成する樹脂である活性エネルギー線硬化性組成物として、フェノキシアクリレート(大阪有機化学工業社製ビスコート#192(登録商標))45重量部、ビスフェノールA―エポキシアクリレート(共栄社油脂化学工業社製エポキシエステル3000A)55重量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバガイギー社製ダロキュア1173(登録商標))1.5重量部、重量平均粒子径8μmの架橋メタクリル系樹脂微粒子(積水化成品工業社製MBX−5)5重量部を添加したアクリル系単量体混合物を使用した。
【0025】
また、レンチキュラーレンズLの材料の樹脂に混入される光拡散材Dとして、ガラス、シリカ、タルク、硫酸バリウム等からなる無機系微粒子や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレン、ナイロンやポリカーボネート等の有機系微粒子を使用することができる。
【0026】
さらに、基材シートBは、紫外線、電子線等の活性エネルギー線を透過するものであれば特に限定されず、柔軟なガラス板等を使用することもできるが、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリルイミド系樹脂等の透明樹脂シートやフィルムが好ましい。特に、表面反射率の低いポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレートとポリフッ化ビニリデン系樹脂との混合物、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂からなるものが好ましい。基材シートBの厚さは、その用途によっても異なるが、通常、50μmから5mm程度のものが使用され、好ましくは、50〜500μm程度である。なお、基材シートBには、凹凸形状との密着性を向上させるために、その表面にアンカーコート処理等の密着性向上処理を施したものが好ましい。なお、本実施形態では、基材シートBとして、透光性基材である厚み188μm、屈折率1.60のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを使用した。また、光入射面レンチキュラーレンズと光出射面レンチキュラーレンズとのレンズ間距離が0.47mmになるように、第1レンズ型8a、第2レンズ型8bを位置決めした。
【0027】
一方、光吸収層形成部4は、レンズ形成部2で製造されたレンチキュラーレンズシートSの進行方向に直角に設けられた第1ロール16と、第1ロール16に対向して設けられたスキージー手段であるスキージー18と、第1ロール16にレンチキュラーレンズシートSを巻き付けるためのローラ6hと、を有する。さらに、光吸収層形成部4は、光吸収層形成剤を溜めておくための光吸収剤タンク20と、光吸収剤タンク20内の光吸収層形成剤をスキージー18の直前に供給するための光吸収層形成剤供給手段である光吸収剤ノズル24と、スキージー18によってレンチキュラーレンズシートS上に形成された光吸収層を硬化させるための硬化装置30、38とを有する。
【0028】
また、光吸収層形成部4は、第1ロール16を駆動するための第1駆動装置26と、第1ロール16を通過した後のシートSの張力を調整するための第2ロール32と、シートSを第2ロール32に押付けるためのローラ6iと、第2ロール32を駆動するための第2駆動装置34とを有する。さらに、光吸収層形成部4は、シートS上に供給された光吸収層形成剤の温度を測定するためのセンサ40と、センサ40による測定結果に基づいて光吸収剤タンク20内の光吸収層形成剤の温度を調整するための第1温度調整手段22と、センサ40による測定結果に基づいて第1ロール16の温度を調整するための第2温度調整手段28と、第2ロール32の温度を調整するための第3温度調整手段36とを有する。
【0029】
ローラ6hは、第1ロール16の斜め下方に設けられ、シートSを第1ロール16に押付ける。これにより、シートSは、約120゜の区間に亘って第1ロール16に巻き付けられる。第1ロール16を通過したシートSは、第2ロール32の、ローラ6hとは反対側の斜め下方に設けられたローラ6iによって、第2ロール32に押付けられる。これにより、シートSは、約120゜の区間に亘って第2ロール32に巻き付けられる。後述するように、第1ロール16及び第2ロール32の回転速度を制御することにより、第1、第2ロール間でシートSに作用する張力を調整する。従って、本実施形態では、第1ロール16、第2ロール32、ローラ6h、ローラ6i等が、張力調整手段として作用する。
【0030】
第1ロール16は概略円柱状の形状を有し、また、スキージー18は細長い薄板状の形状を有する。スキージー18としては、通常使用される形状のものが使用され、例えば、平スキージーや剣スキージー等があげられる。第1ロール16及びスキージー18は、各々シートSの進行方向に略直交するように配置され、それらの間を、光吸収層形成剤を供給されたシートSが通過する。スキージー18は、その際、シートS上の余分な光吸収層形成剤を掻き取るように構成される。第1ロール16及びスキージー18の幅はシートSと同じか、或いは、シートSよりも幅広く構成するのが良い。スキージー18は第1ロール16の鉛直上方に、光吸収層形成剤の掻き取り量調整するために、その側縁がシートSに押付けられるように配置される。スキージー18は、シートSの進行方向に向かってスキージー18とシートSの隙間が減少するように、シートSに対して適度に斜めに向けられている。
【0031】
スキージー18は、光吸収層形成剤や溶剤等に侵されず、レンチキュラーレンズLを傷つけないような材料で構成する。例えば、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリクロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、フッ化炭化水素ゴム等のゴム類、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリアセタール等の樹脂、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、ニッケル、チタン等の金属あるいは、合金類、およびこれらの複合材料等を用いた市販のものを使用することができる。好ましくは、ゴム硬度60〜90程度のゴム類で形成されたスキージを使用する。本実施形態では、ゴム硬度80の耐溶剤性ポリウレタンゴム製のスキージー18を使用した。
【0032】
また、スキージー18の表面の表面粗さおよび表面うねりの調整は、特に限定するものではないが、砥石やサンドペーパーを用いた研磨およびキャスト製造等によって行うことができる。
【0033】
第1ロール16は、ロールの加工は表面精度を均一に加工することが平面定盤に比べて容易であることから、一般的な加工法により表面を加工したものを用いることができる。第1ロール16の表面精度は、シートSの溝の形状、大きさに応じて適宜決定することができる。好ましくは、各種の腐食を防止するため、第1ロール16の表面に銅、無電解ニッケル、硬質クロム等のメッキを施す。本実施形態では、直径200mmの鉄製からなる第1ロール16を使用し、各種腐食防止のために硬質クロムメッキを施した。また、第1ロール16は、表面精度6.3s仕上げ、ロールの振れ回り(振幅)は±20μm以内とした。
また、本実施形態では、シートSを第1ロール16に押付けるためのローラ6hとして、ゴム硬度60°のNBR製ゴムロールを使用した。
【0034】
さらに、第1ロール16には、第2温度調整手段28が接続され、第1ロール16の温度が一定に維持される。第2温度調整手段28による温度調整は、温度が制御されている冷媒又は熱媒を第1ロール16の中に流す方法、或いは、液体又は気体によって第1ロール16を外部から加熱又は冷却する方法によって実現することができる。第1ロール16の中に冷媒等を流す場合には、冷媒等として液体を使用するのが良い。また、第1ロール16を外部から加熱又は冷却し、ロール外周部をコーティングに使用する場合には気体を使用するのが良い。本実施形態では、第1ロール16に、昭和技研工業製パールロータリージョイントRXE3015Rを取付け、このジョイントに温水を供給することによって温度調整を行うように構成している。
【0035】
第2ロール32及び第3温度調整手段36も、第1ロール16及び第2温度調整手段28と同様に構成することができる。また、シートSを第2ロール32に押付けるためのローラ6iとして、同様に、ゴム硬度60°のNBR製ゴムロールを使用した。
【0036】
光吸収剤タンク20は、光吸収層形成剤を保持し、光吸収剤ノズル24を介して光吸収層形成剤をシートS上に適宜供給するように構成されている。光吸収層形成剤は、光吸収剤ノズル24をシートSの幅分移動させながらシートS上に均一に供給する。その供給量は、光吸収層形成剤の粘度、シートSの溝Vの形状や大きさに応じて適宜決定されるが、シートSとスキージー18との間に液溜部が形成されるように供給するのが良い。光吸収層形成剤の供給は、ノズル法、ニップロール法、グラビアロール法、カーテンコート法等、一般的な注入方法により行うことができ、供給量は適用に応じて適宜決定することができる。本実施形態では、三菱電機製インバータA−520によって制御されたギヤポンプにより、光吸収剤ノズル24から光吸収層形成剤を注入している。また、光吸収剤ノズル24として、内径0.92mmの標準ニードルを用いている。好ましくは、光吸収剤タンク20に真空ポンプ(図示せず)を取付け、投入時に光吸収層形成剤に発生した泡を、光吸収剤タンク20内を真空状態にすることにより脱泡除去するのが良い。
【0037】
また、光吸収剤タンク20は第1温度調整手段22を備え、光吸収剤タンク20内の光吸収層形成剤を適当な粘度に維持するために、センサ40によって測定された温度に基づいて光吸収剤タンク20内の温度を調整できるように構成されている。第1温度調整手段22は、光吸収剤タンク20の外部や内部に設けたシーズヒーター、温水ジャケット等によって構成することができる。本実施形態では、第1温度調整手段22として温水ジャケットが光吸収剤タンク20に取付けられており、温水ジャケットに温水を供給することによって、光吸収剤タンク20内の光吸収層形成剤の温度を調整している。好ましくは、光吸収剤タンク20から光吸収剤ノズル24までの配管、及び、光吸収剤ノズル24の温度を制御するための温度制御装置(図示せず)を設ける。なお、本実施形態では、センサ40としてオムロン製シース形熱電対E52−CA15Aを使用している。
【0038】
光吸収層形成剤としては、光吸収剤を含有した活性エネルギー線硬化性組成物又は市販のスクリーン印刷用インキ、溶剤系インキ等を用いることができる。光吸収層を形成する活性エネルギー線硬化樹脂としては、紫外線、電子線等の活性エネルギー線で硬化させたものであれば、特に限定されるものでなく、例えば、ポリエステル類、エポキシ系樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系樹脂等を使用することができる。中でも、(メタ)アクリレート系樹脂がその光学特性等の観点から特に好ましい。本実施形態では、活性エネルギー線硬化性組成物として、帝国インキ製FIL−915TCブラックを用いている。
【0039】
このような光吸収層形成剤に使用される活性エネルギー線硬化性組成物としては、取扱い性や硬化性等の点で、多価アクリレートおよび/または多価メタアクリレート(以下、多価(メタ)アクリレートと記載)、モノアクリレートおよび/またはモノメタアクリレート(以下、モノ(メタ)アクリレートと記載)、および活性エネルギー線による光重合開始剤を主成分とするものが好ましい。代表的な多価(メタ)アクリレートとしては、ポリオールポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上の混合物として使用される。また、モノ(メタ)アクリレートとしては、モノアルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル、ポリオールのモノ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0040】
また、光吸収層形成剤に含有させる光吸収剤としては、染料系のもの、カーボンブラック系のもの、あるいはこれらにより着色された樹脂ビーズ等を使用することができ、さらに難燃剤、艶消剤、溶剤等の添加剤を必要に応じて添加してもよい。
【0041】
硬化装置30は、スキージー18によってレンチキュラーレンズシートS上に形成された光吸収層形成剤を硬化させるために、スキージー18の下流側に設けられる。硬化装置30は、光吸収層形成剤として活性エネルギー線硬化性組成物を含有したものを使用する場合には、活性エネルギー線を照射することによって、光吸収層形成剤を硬化させるように構成される。硬化装置30のさらに下流側に配置された硬化装置38も、硬化装置30と同様に構成することができる。
【0042】
光吸収層形成剤として市販のスクリーン印刷用インキや、溶剤系インキ等を使用した場合には、硬化装置として一般的な乾燥機等を使用する。硬化装置30、38及び第3温度調整手段36の構成、配置及び設置数は、使用する光吸収層形成剤に応じて適宜変更することができる。また、それらの中の幾つかを省略することもできる。さらに、硬化装置30、38は、シートSの裏側から、或いはシートSの両面から活性エネルギー線を照射するように構成しても良い。本実施形態では、硬化装置30、38によって、シートSに紫外線を照射している。
【0043】
第1駆動装置26が第1ロール16を駆動するために、第2駆動装置34が第2ロール32を駆動するために夫々取付けられている。これら第1駆動装置26及び第2駆動装置34は、第1ロール16と第2ロール32との間でシートSに作用する張力を調整するように構成されている。第1駆動装置26及び第2駆動装置34として、パウダーブレーキ・クラッチ、モータ等、一般的な駆動装置を用いることができる。なお、本実施形態では、第1駆動装置26、第2駆動装置34として三菱電機製サーボモータを使用している。
【0044】
次に、本発明の第1実施形態によるレンチキュラ−レンズシートの製造装置1の作用について説明する。まず、基材シートBをローラ6aによって第1レンズ型8aに導く。基材シートBは、概略円柱状の第1レンズ型8aの周囲に、約半周巻き付けられる。基材シートBを第1レンズ型8aに巻き始める位置において、活性エネルギー線硬化性組成物が、第1ノズル12aから基材シートBと第1レンズ型8aとの間に供給される。活性エネルギー線照射装置14aは、基材シートBの外側から基材シートBを透過して、基材シートBと第1レンズ型8aとの間に活性エネルギー線硬化性組成物が挟持された状態で活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる。これにより、基材シートBの一方の面にレンチキュラーレンズLが形成される。一方の面にレンチキュラーレンズLを形成された基材シートBは、ローラ6b、6cによって第2レンズ型8bに導かれる。次いで、基材シートBの他方の面には、第2レンズ型8b、第2ノズル12b、及び、活性エネルギー線照射装置14bによって、同様に、レンチキュラーレンズLが形成される。
【0045】
両面にレンチキュラーレンズLが形成されたレンチキュラ−レンズシートSは、ローラ6d乃至6gによって光吸収層形成部4に送られる。光吸収層形成部4では、レンチキュラーレンズシートSは、ローラ6hによって第1ロール16に押付けられ、シートSは約120゜の区間に亘って第1ロール16に巻き付けられる。第1ロール16は、第1駆動装置26によって回転駆動され、シートSを所定の速度で送る。シートSの巻き終わりの位置、即ち、第1ロール16の鉛直上方にはスキージー手段であるスキージー18が取付けられており、スキージー18は、シートSに押付けられる。本実施形態では、第1ロール16の周速度が、毎分1.0mとなるように第1ロール16を回転駆動している。
【0046】
光吸収剤ノズル24によって、光吸収層形成剤が、スキージー18の直前の上流側から、シートS上に供給される。シートSがスキージー18と第1ロール16との間を通過するとき、シートS上に供給された光吸収層形成剤は、スキージー18によってシートSの溝Vに均等に延展され、レンチキュラーレンズLの頂部近傍の余分な光吸収層形成剤はスキージー18によって掻き取られる。スキージー18は変形可能な材料で形成されているため、この際、レンチキュラーレンズLの最高点よりも所定の距離下方までの光吸収層形成剤が掻き取られる。即ち、各レンチキュラーレンズLの間の溝に光吸収層形成剤が充填され、レンズLの最高部が所定の量だけ光吸収層形成剤の間から露出することになる。
【0047】
シートS上に供給された光吸収層形成剤の温度は、センサ40によって測定される。測定された温度は、第1温度調整手段22にフィードバックされ、光吸収剤タンク20内の光吸収層形成剤の温度を制御する。同様に、センサ40によって測定された温度は第2温度調整手段28にフィードバックされ、第1ロールの温度を制御する。好ましくは、この温度制御により、光吸収層形成剤の粘度を1000〜10000mPa・s(ミリパスカル秒)の範囲に保持し、さらに好ましくは、1000〜5000mPa・sの範囲に保持する。粘度が1000mPa・s未満になると光吸収層形成剤がスキージー18を通過し、印刷斑が発生しやすい。また、10000mPa・sを超えるとスキージー18が光吸収層形成剤を掻き取れなくなり印刷斑が発生する。本実施形態では、シートS上に供給された光吸収層形成剤の粘度が5500mPa・s程度になるように、シートS上の光吸収層形成剤の温度を30℃±1℃に制御している。
【0048】
スキージー18と第1ロール16との間を通過したシートSは、ローラ6iによって第2ロール32に押付けられ、巻き付けられる。硬化装置30は、シートSが第1ロール16から第2ロール32に送られる途中で、活性エネルギー線をシートSに照射し、光吸収層形成剤を硬化させ、それをシートSに密着させる。同様に、硬化装置38は、第2ロール32に巻き付けられたシートSに活性エネルギー線を照射し、光吸収層形成剤をさらに硬化させる。また、第3温度調整手段36が第2ロール32を所定の温度に調整する。
【0049】
第2ロール32は、第2駆動装置34によって回転駆動される。張力検出器42が第1ロールと第2ロールとの間に設けられ、シートSに作用する張力Tを検出する。シートSに作用するシートSの単位断面積当りの張力Tが、
0.1≦T≦100[N/cm2
となるように、第1ロールの周速度V1を基準に、第2ロールの周速度V2をフィードバック制御する。張力Tが0.1[N/cm2]よりも小さくなると、シートが撓み、走行安定性が低下する傾向にあり、印刷斑が発生するとともに、光吸収層形成剤の硬化時の収縮、活性エネルギー線の照射熱等、及び、溶剤系インキ等の乾燥時の熱によりシート反りが発生する傾向にある。張力Tが100[N/cm2]よりも大きくなると、シートSが伸びて溝Vが変形し、印刷斑が発生するとともに、レンチキュラーレンズシートSが伸びて製品不良が発生しやすくなる傾向がある。本実施形態では、張力検出器42によって張力を検出し、その検出値をフィードバックして第2駆動装置34をトルク制御で駆動することにより、シートSの張力を50[N/cm2]に制御している。
【0050】
第2ロール32を通過し、光吸収層形成剤が硬化すると、レンチキュラーレンズシートSが完成する。得られたレンチキュラーレンズシートSを目視にて観察したところ、レンチキュラーレンズLへの光吸収層形成剤残り、光吸収層形成剤不足がなく、印刷斑のない均一な幅の光吸収層が施されている。また、得られたレンチキューレンズシートSをフレネルレンズと組み合わせて透写スクリーンとしてプロジェクションスクリーンに設置して画像を観察したところ、非常に高精細で、高コントラストの高品位な画像が得られた。
【0051】
次に、図2を参照して、本発明の第2実施形態によるレンチキュラ−レンズシートの製造装置100を説明する。第2実施形態による製造装置100は、光吸収層形成部におけるレンチキュラ−レンズシートSの張力制御機構が異なる以外は第1実施形態による製造装置1と同様であるので、同様の部分については説明を省略する。
【0052】
図2に示すように、第2実施形態による製造装置100は、第1実施形態における張力検出器42の代りに、ダンサーローラー102と、2つの補助ローラー104a、104bと、を有する。2つの補助ローラー104は、回転自在に支持され、第1ロール16と第2ロール32との間に、それらのロールと平行に設けられる。ダンサーローラー102は、補助ローラー104aと補助ローラー104bとの間に、回転自在に、かつ、鉛直方向に移動可能に支持され、補助ローラー104と平行に取付けられている。また、ダンサーローラー102は、比較的小さい質量で、大きなストローク移動できるように構成するのが良い。
【0053】
第1ロール16とスキージー18の間を通過したレンチキュラ−レンズシートSは、補助ローラー104aに導かれる。次いで、シートSは、補助ローラー104aの周囲に約90゜の区間巻き付けられ、鉛直下方に下る。鉛直下方に下ったシートSは、ダンサーローラー102の周囲に約180゜の区間巻き付けられ、鉛直上方に上る。更に、鉛直上方に上ったシートSは、補助ローラー104bの周囲に約90゜の区間巻き付けられ、ほぼ水平方向に進み第2ロール32に導かれるように構成されている。
【0054】
次に、第2実施形態の作用を説明する。第1ロール16とスキージー18の間を通過したシートSは、ダンサーローラー102の自重によって、鉛直下方に引張られる。一方、シートSに加わる張力は、ダンサーローラー102を鉛直上方に引き上げる。これにより、ダンサーローラー102の自重と、シートSに加わる張力(の2倍)が釣り合ったとき、ダンサーローラ102は鉛直方向に一定位置を保つ。従って、ダンサーローラー102を所望の張力に見合った重量に構成しておき、ダンサーローラー102の鉛直方向の移動を、第1駆動装置26及び/又は第2駆動装置34にフィードバックして駆動速度を制御することにより、シートSに所定の張力が作用する。
【0055】
次に、図3を参照して、本発明の第3実施形態によるレンチキュラ−レンズシートの製造装置200を説明する。第3実施形態による製造装置200は、光吸収層形成部におけるレンチキュラ−レンズシートSの張力制御機構が異なる以外は第1実施形態による製造装置1と同様であるので、同様の部分については説明を省略する。
【0056】
図3に示すように、第3実施形態による製造装置200は、第1実施形態における張力検出器42の代りに、第1速度センサ202と、第2速度センサ204と、比較手段206と、を有する。第1速度センサ202は第1ロール16の周速度V1を測定し、第2速度センサ204は、第2ロール32の周速度V2を測定するように構成されている。また、比較手段206は、第1速度センサ202によって測定された周速度V1と、第2速度センサ204によって測定された周速度V2とを比較し、第1駆動装置26及び/又は第2駆動装置34を制御するように構成されている。
【0057】
次に、第3実施形態の作用を説明する。光吸収層形成部に導かれたシートSは、ローラ6hによって第1ロール16に押付けられ、第1ロール16に沿って送られる。更に、第1ロール16とスキージー18の間を通過したシートSは、第2ロール32に導かれ、第2ロール32に沿って送られる。このとき、シートSには、第1ロール16と第2ロール32の周速度の差に応じた張力が作用することになる。第1ロール16に取付けられた第1速度センサ202は、第1ロール16の周速度V1を測定し、測定信号を比較手段206に送る。一方、第2ロール32に取付けられた第2速度センサ204は、第2ロール32の周速度V2を測定し、測定信号を比較手段206に送る。比較手段206は、送られた信号からV1とV2の差(ドロー)を計算し、その差が一定になるように第1駆動装置26及び/又は第2駆動装置34を制御する。
第3実施形態によれば、ドロー制御により、走行精度が安定し、速度変動が少なくなり、シートSに作用する張力が安定する。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内において、開示した実施形態に種々の変更をすることができる。特に、本実施形態のレンチキュラーレンズシートの製造装置では、レンチキュラーレンズを形成するレンズ形成部と、光吸収層を形成する光吸収層形成部が一体に構成されているが、これらは別の装置であっても良い。この場合には、別の装置で形成されたレンチキュラーレンズシートに、本発明の製造装置によって光吸収層を形成する。また、本実施形態では、連続的に形成されたレンチキュラーレンズシートが光吸収層形成部に送られているが、枚葉状に切断されたレンチキュラーレンズシートを光吸収層形成部に導入しても良い。さらに、本実施形態では、図4に示したような出射面側および入射面側に同一のレンチキュラーレンズが形成された両面レンチキュラーレンズシートを製造するものであるが、出射面側および入射面側のレンチキュラーレンズが同一形状でなくても良く、入射面側にのみレンチキュラーレンズが形成され、出射面側には断面多角形状の凸状の光透過部と光吸収層が交互に形成された片面レンチキュラーレンズシートであっても良い。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、大型で高解像度であるレンチキュラ−レンズシートにおいても、光吸収層形成剤残り、光吸収層形成剤不足がなく、印刷斑のない均一な幅の光吸収層を生産性よく、レンチキュラ−レンズシートを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるレンチキュラーレンズシートの製造装置の概略側面図である。
【図2】本発明の第2実施形態によるレンチキュラーレンズシートの製造装置の、光吸収層形成部の概略側面図である。
【図3】本発明の第3実施形態によるレンチキュラーレンズシートの製造装置の、光吸収層形成部の概略側面図である。
【図4】光吸収層を形成したレンチキュラーレンズシートの横方向断面図である。
【符号の説明】
B 基材シート
D 光拡散材
L レンチキュラーレンズ
S レンチキュラーレンズシート
V 溝
1 レンチキュラーレンズシートの製造装置
2 レンズ形成部
4 光吸収層形成部
6 ローラ
8 レンズ型
10 樹脂タンク
16 第1ロール
18 スキージー
20 光吸収剤タンク
24 光吸収剤ノズル
30 硬化装置
32 第2ロール
38 硬化装置
40 センサ
42 張力検出器

Claims (5)

  1. 少なくとも一方の面にレンチキュラーレンズが形成された長尺状のレンチキュラーレンズシートを、レンチキュラーレンズの長手方向に連続的に送る段階と、
    送られた前記レンチキュラーレンズシートの、レンチキュラーレンズが形成された面上に光吸収層形成剤を供給する段階と、
    前記光吸収層形成剤が供給された前記レンチキュラーレンズシートを、レンチキュラーレンズの長手方向に送り、送り方向と略直交する方向に延びるように配置されたロールとロールに対向して設けられたスキージー手段との間を通過させ、前記光吸収層形成剤をレンチキュラーレンズの間の溝に延展する段階と、を有することを特徴とするレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  2. 前記レンチキュラーレンズシート上に供給された前記光吸収層形成剤の温度を検出する段階と、
    前記検出された温度に基づいて、供給すべき光吸収層形成剤の温度を制御する段階と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 前記光吸収層形成剤が、活性エネルギー線硬化性組成物を含んでおり、前記ロールと前記スキージー手段との間を通過したレンチキュラーレンズシートに活性エネルギー線を照射し、前記光吸収層形成剤を硬化させる段階をさらに有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記ロールと前記スキージー手段との間を通過したレンチキュラーレンズシートが張力調整手段に送られ、前記ロールと前記スキージー手段との間を通過した後のレンチキュラーレンズシートに作用する単位断面積当りの張力を、所定区間に亘って0.1乃至100[N/cm2]の範囲に維持する段階をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の製造方法。
  5. 少なくとも一方の面にレンチキュラーレンズが形成された長尺状のレンチキュラーレンズシートを、レンチキュラーレンズの長手方向に連続的に供給するためのシート供給手段と、
    前記レンチキュラーレンズシートの、レンチキュラーレンズが形成された面上に光吸収層形成剤を供給する光吸収層形成剤供給手段と、
    前記レンチキュラーレンズの長手方向に対して略直交する方向に延びるように配置されたロールと、
    前記ロールに対向して設けられ、前記レンチキュラーレンズシート上に供給された前記光吸収層形成剤を、レンチキュラーレンズの間の溝に延展するためのスキージー手段と、
    を有することを特徴とするレンチキュラーレンズシート製造装置。
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