JP4574192B2 - 光学シートの製造方法及び光学シート並びにレンチキュラーレンズシートの製造方法 - Google Patents

光学シートの製造方法及び光学シート並びにレンチキュラーレンズシートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学シートの製造方法及び光学シート並びにレンチキュラーレンズシートの製造方法に関する。
従来の光学シートの製造方法では、押出ダイから押出されたシート状の樹脂材料を、一対の彫刻/鏡面金属ロールにより加圧しながらその間隙を通過させることにより樹脂シートを製造する。このような製造方法において、光学的な機能を持ったシートを作る場合、剛性ロールの加圧力により、ある程度の厚さ均一性を実現することが要求されている。さらに、金型ロールにつけられた逆パターンから、光学的機能に必要な平滑面や表面形状をシートに一定の賦形率で転写させることも必要とされている。
近年、光学用シートは、その厚みを薄くすることが求められている。その理由として、高精細化(ファインピッチ化)のためにレンズを小さくして焦点距離を短くしたり、また光学用シート自体を軽量化したりする必要性が挙げられる。
しかしながら、このような押出し成形による製造方法では、光学用途として使える程度に、光学的機能を持った形状を有する薄物シートを厚さ精度良く製造することが困難であった。これは、樹脂圧力とロールの加圧力・剛性とのバランスにより、樹脂に対するロールのタッチ性が悪化し、厚さ精度が問題となる薄肉シートでロールが撓んでしまってロールの撓みにより中央部分を押すことができず、光学的な均一性を実現する厚さ分布を得られないためである。
一方、従来の薄肉シートの製造方法には、タッチロールにゴムや金属性の表面が平滑な弾性ロールを用いて樹脂シートを製造する製造方法もある(特許文献1、2)。しかしながら、金属性の表面が平滑な弾性ロールでは、表面が平坦なシートに限られ、シートに凹凸をつけるとしてもエンボス面を転写する程度であり、光学用途として使える程度に賦形率、転写精度が良好な機能性光学シートを作製することが困難であった。
また、この弾性ロールを用いた平坦なシートの製造方法により、所望のレンズ形状を転写する試みは十分に検討されてこなかった。なぜなら、樹脂は金型ロールとの接触により冷却され固化するが、成形時に十分な圧力をかけることができなければ、十分な転写性を実現することができないと考えられていたためである。特に、従来の光学用シートの製造方法では厚さ300μm以下、ピッチ300μm以下であり、かつ成形高さ30μm以上を同時に実現することは困難であった。
前述のような従来の光学シートの製造方法では、剛性ロールを用いる場合、光学的機能を持った形状を賦形することができるが、均一な厚さ分布を有する薄物シートを厚さ精度良く製造することが困難である。また、弾性ロールを用いる場合、厚さ分布が均一な薄物シートを厚さ精度良く製造することができるが、光学用途に使える程度に十分な賦形性・転写性を得ることができない。そのため、光学シートの厚さ精度と賦形性・転写性の精度とを両立させることができなかった。
一般に、リアプロジェクションテレビ等に使用される背面投射型スクリーンは、2枚のレンズシートが重ね合わされた構成を有する。そのレンズシートの1つのフレネルレンズシートは、光源側に配置され、CRT光源からの映像光あるいは液晶を透過した映像光を一定の角度の範囲内になるように絞り込む機能を有する。そして、他の1つのレンチキュラーレンズシートは、観察者側に配置され、フレネルレンズシートを透過した映像光を適度な角度の範囲に広げる機能を有する。
特に、高精細・高画質の背面投射型液晶プロジェクションテレビでは、ファインピッチを有するレンズシートが求められる。このようなレンズシートの構造は、例えば、特許文献3に開示されている。図8は、特許文献3に開示されたレンズシートの構造を示す。図8に示すように、レンズシート101は、レンチキュラーレンズシート102、外光吸収層103、拡散層104、透明樹脂フィルム105を備えている。
レンチキュラーレンズシート102は、レンズ部1021と透明支持体1022とから構成される。一般に、これらレンズ部1021は、透明支持体1022上に光硬化性樹脂(以下、これを2P樹脂とよぶ)を用いて形成される。
このレンチキュラーレンズシート102の出射面側には、レンチキュラーレンズ1021の非集光位置、すなわち光の非通過位置に外光吸収層103が設けられている。この外光吸収層103を設けることにより、レンチキュラーレンズシート102に入射した外光のうち、レンチキュラーレンズシート102の出射面で反射されて観察者側に戻る光を減少させ、映像コントラストの向上が図られる。
この外光吸収層103は、レンチキュラーレンズシート102の平坦部に感光層を形成した後、この感光層に黒色塗料を塗布した転写フィルムを貼り付け、拡散層104が形成される感光層の部分に黒色塗料を転写して形成される(特許文献4参照)。
さらに、レンチキュラーレンズシート102の出射面側には、拡散層104が設けられている。レンズシート101では、水平方向の視野角性能は主として入射レンズによる拡散で得られるが、この拡散層104により、垂直方向の拡散性能が達成される。また、レンチキュラーレンズシート2には、拡散層104を介して前面板と呼ばれる透明樹脂フィルム105が設けられている。透明フィルム105は、レンチキュラーレンズシート102を保護する。一般的なブラウン管方式のテレビに似た表面光沢を得る等の目的のために設けられる。
その他、図8には図示しないが、一般に、レンチキュラーレンズシート102の入射面側に、フレネルレンズシートが設けられる。このフレネルレンズシートは、等間隔で同心円状の微細ピッチのレンズからなるフレネルレンズが光出射面に設けられたシートで構成されている。
このように2P樹脂を使用してレンチキュラーレンズシート102を製造する場合、2P樹脂が高価であるため、背面投射型スクリーンの生産コストが上昇するという問題点がある。また、透明支持体1022を形成した後、その上にレンズ部1021を形成するため、レンチキュラーレンズシート102の生産設備が複雑になるという問題も生じる。
さらに、2P樹脂を使用する場合、レンズ部1021と透明支持体1022との材質が異なるため、環境安定性が小さく、レンチキュラーレンズシート1に反りが生じる。つまり、生産時には液状であったものが、硬化されて完成されるが、硬化時に収縮率の違いにより、反りが生じる。
またさらに、レンズ部1021と透明支持体1022とが異材料であるので、通常、双方の材質の屈折率が異なる。すなわち、レンチキュラーレンズシート102に入射した光がレンズ部1021及び透明支持体1022の双方に入射して屈折するが、その屈折率の違いにより、色ムラが生じることがある。そして、その屈折率の違いにより、透明性に限界が出る場合もある。
また、レンズ部1021と透明支持体1022とが異材料であるために、刃つぶれが生じやすく、賦形性にも限界がある。
特開2002−36332号公報 特開2002−36333号公報 特開平09−120101号公報 特開平2001−113538号公報
このように、従来の光学シートの製造方法では、剛性ロールを用いる場合、光学的機能を持った形状を賦形することができるが、均一な厚さ分布を有する光学シートを厚さ精度良く製造することが困難である。また、弾性ロールを用いる場合、厚さ分布が均一な薄物シートを厚さ精度良く製造することができるが、光学用途に使える程度に十分な賦形性・転写性を得ることができない。そのため、光学シートの厚さ精度と賦形性・転写性の精度とを両立させることができないという問題点があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、薄くて厚さ分布が均一な光学シートを厚さ精度良く、かつ賦形性・転写性良く製造することができる光学シートの製造方法及びこれにより製造された光学シートを提供することを目的とする。
さらに、従来のレンチキュラーレンズシートの製造方法では、2つの異なる材料により形成されるため、安価で良質のレンチキュラーレンズシートを形成することができないという問題点があった。
本発明の他の目的は、このような問題点を解決するためになされたもので、安価で良質のレンチキュラーレンズシートを形成することができるレンチキュラーレンズシートの製造方法及びこれにより製造されるレンチキュラーレンズシートを提供することである。
本発明にかかる光学シートの製造方法は、ダイより吐出された熱可塑性樹脂をタッチロールと賦形ロールとの間で加圧しながら通過させることにより光学シートを製造する方法であって、前記ダイの吐出樹脂温度を250℃乃至290℃とし、成形速度を8〜40m/分とし、前記ダイと、前記タッチロールと賦形ロールのニップ位置との間のエアギャップを110mm以下とし、前記タッチロールに線圧30kg/cmの時に直径方向の変形量が直径の0.01%以上である弾性ロールを用いたものである。このような製造方法によれば、薄くて厚さ分布が均一な光学シートを厚さ精度良く、かつ賦形性・転写性良く製造することができる。
さらに、好適な実施の形態における熱可塑性樹脂は、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、熱可塑性エラストマー、またはこれらの共重合体のいずれかである。
また、好適な実施の形態における光学シートは、レンチキュラーレンズシートである。
他方、本発明にかかる光学シートは、ダイより吐出された熱可塑性樹脂をタッチロールと賦形ロールとの間で加圧しながら通過させることにより製造される光学シートであって、厚さが350μm以下、成形パターンピッチが290μm以下、成形高さが0μm以上100μm以下、転写率が90%以上である。特に、記光学シートは、厚さが200μm以下、成形パターンピッチが200μm以下、成形高さが30μm以下100μm以下、転写率が95%以上であることが望ましい。
この光学シートは、ダイより吐出された熱可塑性樹脂をタッチロールと賦形ロールとの間を加圧しながら通過させることにより製造され、前記ダイの吐出樹脂温度を250℃乃至290℃とし、成形速度を8〜40m/分とし、前記ダイと、前記タッチロールと賦形ロールのニップ位置との間のエアギャップを110mm以下とし、前記タッチロールに線圧30kg/cmの時に直径方向の変形量が直径の0.01%以上である弾性ロールを用いられている。
本発明にかかるレンチキュラーレンズシートを製造する方法は、押出し成形により、厚さが350μm以下であるレンチキュラーレンズシートを形成するステップと、当該レンチキュラーレンズシートの平坦面上に、感光層を形成するステップと、当該感光層に、前記レンチキュラーレンズシートのレンチキュラーレンズ側から光を照射し、当該レンチキュラーレンズによる集光に基づいて硬化部分と未硬化部分とを形成することにより遮光パターンを形成するステップとを備えたものである。このような製造方法により、安価で良質のレンズシートを形成することができる。
さらに、前記遮光パターンの形成ステップは、前記感光層上にインク層を配置し、当該インク層のインクを前記感光層の未硬化部分に転写して遮光パターンを形成する。
特に、前記光は紫外線であり、前記感光層は紫外線硬化型感光樹脂であることが好ましい。
また、前記レンチキュラーレンズシートは、ダイより吐出された熱可塑性樹脂をタッチロールと賦形ロールとの間で加圧しながら通過させることにより形成され、当該レンチキュラーレンズシートを形成するステップでは、前記ダイの吐出樹脂温度を250℃乃至290℃とし、成形速度を8〜40m/分とし、前記ダイと、前記タッチロールと賦形ロールのニップ位置との間のエアギャップを110mm以下とし、前記タッチロールに線圧30kg/cmの時に直径方向の変形量が直径の0.01%以上である弾性ロールを用いたものである。このような製造方法によれば、薄くて厚さ分布が均一なレンチキュラーレンズシートを厚さ精度良く、かつ賦形性・転写性良く製造することができる。
本発明にかかるレンズシートは、このようなレンズシートの製造方法により製造されたものである。このようなレンズシートは、安価で良質ものとなる。
本発明によれば、薄くて厚さ分布が均一な光学シートを厚さ精度良く、かつ賦形性・転写性良く製造することができる光学シートの製造方法及びこれにより製造された光学シートを提供することができる。
さらに、本発明によれば、安価で良質のレンズシートを形成することができるレンズシートの製造方法及びこれにより製造されるレンズシートを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本発明の実施の形態では、レンチキュラーレンズシートを光学シートの一例として、レンチキュラーレンズシートの製造方法について説明するが、これに限らず、本発明にかかる製造方法により、プリズムレンズシート等の光学シートを製造することが可能である。
発明の実施の形態1.
まず、図1を用いて、レンチキュラーレンズシートの製造方法について説明する。図1は、レンチキュラーレンズシートの製造装置を示す断面図である。
図1に示すように、レンチキュラーレンズシートの製造装置10は、ダイ11、第1ロール12、第2ロール13、第3ロール14とを備えている。
ダイ11は、押出し機で溶融された樹脂15を吐出する吐出部材である。樹脂15のダイ11からの吐出温度は、230℃よりも高く、250℃以上290℃以下であることが望ましい。230℃より低いと、樹脂の溶融粘度が高くなりすぎ、賦形ロールによる転写性が不十分になる場合がある。290℃より高いと、樹脂の熱分解が促進され、変色、白濁などの問題を生じる場合がある。
第1ロール12は、溶融された樹脂15を第2ロール13に押え付けるタッチロールである。この第1ロール12は、線圧30kg/cmの時に直径方向の変形量が直径の0.01%以上である弾性ロールであり、その材質として、金属であれば一般の炭素鋼、焼入れ鋼等の構造用鋼材などを用いることができ、ゴムであれば耐熱シリコンゴム、フッ素ゴムなどを用いることができる。また、第1ロール12は、その表面が熱伝導率の低いものを用いてもよい。これにより、ロールタッチ時に樹脂15の樹脂温度が低下するのを防ぎ、樹脂15の樹脂温度を高く維持することができる。
第2ロール13は、ダイ11から溶融されて吐出された樹脂15を冷却して固める主冷却ロールである。第2ロール13は、一般の金属ロールであるが、表面にレンチキュラーレンズの金型が彫刻された賦形ロールである。第2ロール13に形成された金型の成形パターンピッチは290μm以下、望ましくは200μm以下である。また、その金型の成形高さは、0μm以上100μm以下、望ましくは30μm以下である。成形パターンは、彫刻に限らず、エッチング、ブラスト等、他の常法を用いて形成することができる。
第3ロール14は、第2ロール13で冷却された樹脂15をシート状にして巻取り機に送るアニーリングロールである。第3ロール14は、第2ロール13と同様に一般の金属ロールである。
また、樹脂15の材料は、熱可塑性樹脂であり、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、熱可塑性エラストマー、またはこれらの共重合体等が挙げられる。樹脂15は、例えばポリカーボネート樹脂、MS樹脂、アクリル樹脂、PET樹脂のような溶融粘度の低い樹脂を用いるのが特に望ましい。また、樹脂15は、光拡散材、帯電防止材等の添加物を含んでもよいし、レンチキュラーレンズシート151が単層あるいは複層のいずれかとなるようにしてもよい。
図1に示すように、ダイ11と、ロール12、13のニップ位置との間に、エアギャップが設けられている。このエアギャップの大きさと樹脂15のダイ11からの吐出温度により、樹脂15のニップ温度が決まる。エアギャップの大きさは、本実施の形態においては、一般には120mm以上であるのに対し、これよりも小さい110mm以下であることが望ましい。これにより、ロールタッチ時に、樹脂15をより速くロール12、13に到達させて樹脂15の樹脂温度が低下するのを防ぎ、樹脂15の樹脂温度を高く維持することができる。
第1ロール12と第2ロール13との間には、樹脂15が通過するロールギャップが設けられている。このロールギャップの大きさは、樹脂15から形成されるレンチキュラーレンズシート151の厚さに応じて設定され、例えば350μm以下とすることができ、望ましくは200μm以下である。
続いて、製造装置10を用いたレンチキュラーレンズシート151の製造方法について説明する。
また、レンチキュラーレンズシート151の成形速度は、本実施の形態においては、一般には4〜5m/分であるのに対し、これよりも速い8〜40m/分であることが望ましく、10〜25m/分であることがより望ましい。これにより、ロールタッチ時に、樹脂15の樹脂温度が低下するのを防ぎ、樹脂15の樹脂温度を高く維持することができる。
まず、ダイ11が溶融された樹脂15を吐出する。ダイ11から吐出された樹脂15は、エアギャップを通過して第1ロール12と第2ロール13とのニップ位置から、ロール12、13間に設けられたロールギャップに送られる。このロールギャップに送られた樹脂15は、第1ロール12が第2ロール13を予め定められた押付け力で押し付けているため、第2ロール13に押し付けられる。このとき、第2ロール13にはレンチキュラーレンズの金型が設けられているため、樹脂15にはレンチキュラーレンズの凹凸が形成される。
樹脂15は、ロール12、13のロールギャップを通るとき、主冷却ロールとして機能する第2ロール13により冷却される。そして、樹脂15は、レンチキュラーレンズの凹凸が形成されたシートとしてロールギャップから取り出される。その後、樹脂15は、アニーリングロールとして機能する第3ロール14に送られ、レンチキュラーシート151となって図示しない巻取り装置に送られて処理される。
次に、第1ロール12及び第2ロール13のロールプレス時の態様について詳細に説明する。図2は、第1ロール12の撓みを示す概略断面図である。
まず、図2を用いて、ロール12、13の長手方向に垂直な断面における態様について説明する。図2は、第1ロール12の潰れを示す概略断面図である。
図2(a)は、ロールプレス前の第1ロール12の長手方向に垂直な断面を示す概略断面図である。図2(b)中左右方向に第1ロール12が第2ロール13を押え付け、これらの両ロール12、13が樹脂15をロールプレスする。すると、図2(b)に示すように、第1ロール12に図中左右から荷重Wがかかる。この荷重Wにより、弾性ロールである第1ロール12は、潰れて変形し、その長手方向に垂直な断面において、図中上下方向にδzだけ長くなる。このとき、第1ロール12の長手方向に垂直な断面は、図中左右方向にも変位δuだけ細くなる。これにより、第2ロール13が長手方向に平行な断面において潰れないのに対し、第1ロール12は、弾性を有するために長手方向に垂直な断面において潰れ、両ロール12、13の接触時間を長くすることができる。
続いて、図3を用いて、ロール12、13の長手方向に平行な断面における態様について説明する。図3は、第1ロール12の撓みを示す概略断面図である。
図3(a)は、ロールプレス前の第1ロール12の長手方向に平行な断面を示す概略断面図である。図3(b)中上下方向に第1ロール12が第2ロール13を押え付け、これらの両ロール12、13が樹脂15をロールプレスする。すると、図3(b)に示すように、第1ロール12に図中上下から荷重Wがかかる。この荷重Wにより、弾性ロールである第1ロール12は、その長手方向に平行な断面において、図中上下方向に撓む。これにより、第1ロール12は、弾性を有するために長手方向に平行な断面において撓み、両ロール12、13の接触長さを長くすることができる。
このように、第1ロール12に弾性ロールを用いる場合、第1ロール12がその長手方向に垂直な方向に変形することにより、樹脂15と金型が形成された第2ロール13との接触時間や接触長さを長くすることができる。また、弾性ロールである第1ロール12がゴムの場合には、金型ロールである第2ロール13に接触させて(押し切りで)押し付けることができる。他方、第1ロール12の表面が弾性を有する金属等であり、その表面を第2ロール13に接触させて(押し切りで)使えない場合は、弾性ロールである第1ロール12の中央を膨らませてクラウンニングロールとする。これにより、第1ロール12と第2ロール13とが接触した際、それらの接触時間や接触長さを長くすることができる。
さらに続いて、上記のようなレンチキュラーレンズシートの製造方法で、第1ロール12に弾性ロールを用いた好適な実施の形態について説明する。
例えば、第1ロール12が金属弾性ロールの場合、第1ロール12は、ロール径φ400mmで、線圧30kg/cmにおいて、荷重Wの方向に1.8mm(直径の0.45%)変形するが、樹脂15の接触長さ(図2のLに相当する)は54.9mmとなる。
これに対し、第1ロール12が一般の金属ロールの場合、この金属ロールは、ロール径φ400mm、肉厚50mmで、線圧30kg/cmにおいて、荷重Wの方向に0.01mm(直径の0.0025%)変形する。この変形により、樹脂15の接触長さは約4.2mmとなる。
また例えば、第1ロール12が金属弾性ロールの場合、第1ロール12は、ロール径φ250mmで、線圧30kg/cmにおいて、荷重Wの方向に280μm(直径の0.11%)変形し、樹脂15の接触長さは16mmとなる。
これに対して、第1ロール12が通常の金属ロールの場合、この金属ロールは、ロール径φ250mmで、線圧30kg/cmにおいて、荷重Wの方向に1.7μm(直径の0.0007%)変形し、樹脂15の接触長さは1.26mmとなる。
第1ロール12の弾性が線圧30kg/cmの時の直径方向の変形量として、直径の0.01%より小さい場合、ロール12、13のロールニップ位置で樹脂圧が高くなり、ロール12、13の撓みが発生し、レンチキュラーレンズシート151の幅方向厚さ精度を制御できなくなる。さらに、この場合、樹脂15の吐出挙動や冷却班等の外乱に対して敏感になり、厚さ精度や外観均一性を安定に維持することが困難になる。また、この場合、樹脂15を金型に十分流入させるために高剛性のロール、及びロールを高圧力で押し付ける特別な構造が必要になり設備が高価になる。
第1ロール12の弾性が線圧30kg/cmの時の直径方向の変形量として、直径の10%より大きい場合、樹脂15の樹脂圧に負けて第1ロール12の変形が大きくなり、厚さ精度・賦形率の制御が困難になる。さらに、この場合、安定して性能を実現する第1ロール12の作製が困難になるとともに、第1ロール12の耐久性が低くなる。
上記のような条件で製造装置10により製造されるレンチキュラーレンズシート151は、厚さが350μm以下で、望ましくは200μm以下、成形パターンピッチが290μm以下で、望ましくは200μm以下、成形高さが0μm以上100μm以下、望ましくは30μm以下、転写率が90%以上で、望ましくは95%以上のシートとなる。
また、第1ロール12の弾性としては、線圧30kg/cmの時の直径方向の変形量として、直径の0.05%以上1.0%以下の範囲内であるのが好ましく、0.1%〜0.5%の範囲内であるのがより好ましい。
以上のように、樹脂15のダイ11からの吐出温度を上げ、成形速度を上げて樹脂15を速くロール12、13に到達させ、さらにエアギャップを小さくし、ロールタッチ時における樹脂15の樹脂温度を高く維持することができる。これにより、樹脂15の樹脂粘度を下げることができ、ロールプレス時の樹脂圧を低下させることができる。また、樹脂15に溶融粘度の低い樹脂を用いた場合には、より樹脂粘度を下げることができ、ロール時の樹脂圧をより一層低下させることができる。ロールタッチ時の樹脂の溶融粘度は、4000Pa・secであることが望ましい。
このように、樹脂15の樹脂圧が低いため、ロールプレス時に樹脂圧が急激に上昇するのを防ぐことができ、急激な樹脂圧の上昇によりロール12、13が互いに反力を受けて撓んだりするのを回避することができる。これにより、両ロール12、13が接触する部分の分布を均一にすることができ、樹脂15の厚さ分布を均一化することができる。
さらに、樹脂15の樹脂粘度が低いため、ロールプレス時に樹脂15を滑らかに第2ロール13の賦形パターンに流入させることが可能となり、成形金型の樹脂15への転写性・成形精度を向上することができる。
発明の実施の形態2.
第1ロール12に弾性的な挙動を示す金属弾性ロールを用いる場合、第1ロール12側にも任意の賦形パターンを形成することで両面凹凸形状を持った光学シートを成形することが可能となる。
また、第2ロール13に平板金型を粘着材により巻きつけることにより、転写する光学パターンの自由度を高めることができる。それとともに、第2ロール13の断熱性を高め、高精度な厚さ・転写性等を持った機能性光学シートを成形することができる。
発明の実施の形態3.
発明の実施の形態3においては、図4を用いて、本発明の実施の形態におけるレンズシートの製造方法の全体構成について説明する。図4は、レンズシートの製造装置全体の一構成例を示す模式図である。
図4において、符号10によってレンチキュラーレンズシートの製造装置が示され、11はダイ、110は押出し機、12は第1ロール、13は第2ロール、14は第3ロール、140は第4ロール、141、142は搬送ロールである。また、後述するように、第1ロール12として、弾性ロールが用いられる。
レンチキュラーレンズシートの製造装置10において、主として、次のような押出し成形工程が行われる。具体的には、まず、ダイ11は、押出し機110によって溶融された樹脂15を吐出して第1ロール12と第2ロール13とのエアギャップに送る。この吐出された樹脂15は、第1ロール12によって第2ロール13に押し付けられる。このとき、第2ロール13は、この樹脂15にレンチキュラーレンズの光学パターンを転写し、それとともに樹脂15を冷却する。この光学パターンが形成されたレンチキュラーレンズシート151は、アニーリングロールとして機能する第3ロール14、第4ロール140を経た後、搬送ロール対141、142によって搬送され、押出し成形工程が終了する。
このような押出し成形工程の後、遮光パターンの印刷工程が行われる。図4において、201、202は紫外線反応性樹脂を塗工するための塗工ロール、210は乾燥装置、220は紫外線照射装置、230はロール、231、232は紫外線インクを塗工するための塗工ロール、233はロール、240は紫外線照射装置、250は紫外線照射装置、260はロールである。
遮光パターンの印刷工程において、まず、レンチキュラーレンズシート151の平坦面には、塗工ロール201、202によって、紫外線反応性樹脂が塗工される。この塗工された紫外線反応性樹脂は、乾燥装置210において乾燥された後、紫外線照射装置220において紫外線照射される。レンチキュラーレンズシート151のレンズ機能により、紫外線反応性樹脂は選択的に硬化する。その後、レンチキュラーレンズシート151の紫外線反応性樹脂上に、紫外線感光性インクが塗工されたフィルム160が貼合わせられる。このフィルム160は、ロール230から送られたフィルムに塗工ロール231、232が紫外線感光性インクを塗工することにより形成される。
レンチキュラーレンズシート151は、この貼合せ状態で、紫外線照射装置240において、平坦面側から紫外線照射される。これによって、フィルム160から粘着性を有する紫外線反応性樹脂の未硬化部分に、紫外線感光性インクが転写される。この転写後、レンチキュラーレンズシート151の紫外線反応性樹脂からフィルム160が剥離され、剥離されたフィルム160はロール233によって巻き取られる。フィルム160を剥離されたレンチキュラーレンズシート151は、紫外線照射装置250において紫外線照射され、その紫外線反応性樹脂が完全に硬化される。そして、レンチキュラーレンズシート151は、巻取り機のロール260によって巻き取られ、遮光パターン印刷工程が終了する。
このように、本発明の実施の形態におけるレンズシートの製造方法は、レンチキュラーレンズシートの製造方法(図4における押し出し成形工程)と、このレンチキュラーレンズシートの反レンズ面に遮光パターンを形成する遮光パターンの製造方法(図4における遮光パターン印刷工程)とを有する。これらの製造工程のうち、押し出し成形工程については、発明の実施の形態1,2において説明したので、以下における発明の実施の形態4において、遮光パターンの製造方法について説明する。
発明の実施の形態4.
発明の実施の形態4においては、図5を用いて、遮光パターンの製造方法について詳細に説明する。ここで、ポリマー層の粘着性の差を利用して遮光パターンを製造する方法について説明する。図5は、遮光パターンの製造方法を示す工程断面図である。
図5(a)に示すように、上記のように形成されたレンチキュラーレンズシート151の平坦面に、感光層21を形成する。感光層21は、例えば紫外線硬化感光樹脂を用いて形成することができる。この感光層21は、ダイレクト印刷により形成され、グラビアロール等を用いて、レンチキュラーレンズシート151の平坦面に、感光樹脂が塗布されて形成される。そして、感光層21上に、保護層22が形成される。
図5(b)に示すように、感光層21は、光源23により、レンチキュラーレンズシート151のレンチキュラーレンズ152側から紫外線を照射される。このとき、光源23から出た光は、マスク24の開口部241を通過したスリット光25として、レンチキュラーレンズシート151に対して入射される。このスリット光25は、レンチキュラーレンズシート151の長手方向(図中、紙面に対して垂直な方向)に延びたストライプ状のスリット光として、レンチキュラーレンズシート151に入射される。また、このストライプ状のスリット光25は、レンチキュラーレンズシート151がレンチキュラーレンズ152の並設方向に移動しながら、レンチキュラーレンズ152側からレンチキュラーレンズシート151の平坦面に対して垂直に照射される。
このように光源23からのスリット光25が感光層21に照射されると、未硬化状態の感光層21は、レンチキュラーレンズ152側からの紫外線により露光される。このとき、スリット光25は、レンチキュラーレンズ152のレンズ機能によって集光され、この集光された部分(図中、ハッチング部分)の感光層211が硬化して非粘着性を有するようになる。ここで、レンズ機能によって集光されない部分(図中、白色部分)の感光層212は、粘着性を有したままである。
また、ストライプ状のスリット光25が感光層21に照射されるため、非粘着性を有する感光層211は、レンチキュラーレンズシート151の長手方向に延びたストライプ状に形成されている。そのため、感光層211以外の感光層21である粘着性を有する感光層212は、感光層211と同様に、レンチキュラーレンズシート151の長手方向に延びたストライプ状に形成される。
図5(c)に示すように、感光層21上の保護層22が剥離され、未硬化状態の粘着性を有する感光層212が黒色に着色され、外光吸収層26から構成される遮光パターンが形成される。遮光パターンは、粘着性を有する感光層212がレンチキュラーレンズシート151の長手方向に延びたストライプ状に形成されているため、感光層212と同様にストライプ状に形成される。
感光層212への着色方法として、転写シートの転写インキ層(黒色)を感光層21に重ね合わせ、粘着性を有する感光層212のみにインキ層を転写する方法がある。この転写の際、非粘着性の感光層211にはインキ層は転写されない。また、遮光パターンの上から感光性フィルムをラミネートし、紫外線照射によりそのラミネートしたフィルムを硬化させ、感光層212上のインキ層が剥離しないための保護層としてもよい。
他の着色方法として、カーボンブラックの黒色トナーを平坦面の全面に散布した後、非粘着性の感光層211に散布された黒色トナーを除去し、外光吸収層26を形成する方法もある。
遮光パターンが形成された後、感光層21の全面に紫外線を照射して、感光層21を完全に硬化させる(図示せず)。そして、遮光パターン上に、レンチキュラーレンズシート151の平坦面側から観測したときに光を拡散させて視野領域を拡げる拡散層27を形成する。この拡散層は、遮光パターンの保護層としても機能する。また、拡散層27としては、樹脂に酸化珪素・酸化チタン等の分散材を混合したものがある。さらに、拡散層27上に、透明樹脂フィルム28を設け、レンズシート30が形成される(図6)。
以上のように、レンズシート30のレンチキュラーレンズシート151は、異なる2種類の材料を用いることなく、押し出し成形により形成される。そのため、高価な2P樹脂を用いないので、レンチキュラーレンズシート151の生産コストを低減することができる。また、押し出し成形によりレンチキュラーレンズシート151を簡便に形成することができるため、レンチキュラーレンズシート151の生産設備が複雑になるのを防ぐことができる。
さらに、レンチキュラーレンズシート151が2P樹脂を使用することなく形成することができるため、環境安定性が良好で反りが生じないレンチキュラーレンズシート151を得ることができる。そして、レンチキュラーレンズシート151が1種類の材料から構成されるため、色ムラを低減することができ、その透明性を向上させる。また、レンチキュラーレンズシート151が1種類の材料から構成されるため、刃つぶれが少なく、良好な賦形性を実現することができる。
またさらに、押し出し成形によりレンチキュラーレンズシート151を形成するため、その厚みムラを低減することができる。そのため、厚みムラに影響しやすいダイレクト印刷により、外光吸収層26を精度良く形成することができ、遮光パターンを正確に形成することができる。また、ダイレクト印刷により外光吸収層26を形成するため、転写法で用いられる転写フィルムのような基材フィルムを廃棄物として出さないので、その大きな環境負荷を解消することができる。
上述に説明したレンチキュラーレンズシートの製造方法に関する実施例について説明する。まず、実施例1乃至実施例5について説明し、次に、その比較例1及び比較例2について説明する。その後、実施例6及び比較例3を説明する。
まず、図7を用いて、本発明にかかる実施例1乃至実施例5について説明する。図7は、これら実施例の条件を示す表である。
実施例1.
実施例1は、樹脂15にゴム入りMS樹脂(MFR=1.5)を用いた場合である。
ゴム入りMS樹脂(MFR=1.5)を温度250℃で押出し、エアギャップ80mm・成形速度10m/分で、ロール径φ400mmの賦形ロールとロール径φ290mmのゴムロール(線圧30kg/cm時の直径方向の変形量240μm(直径の0.08%))とを用いた。これにより、タッチ抜け等の外観欠点のない厚さ精度185±4μm・賦形率97%の表面凹凸を転写した均一な光学シートを得た。
実施例2.
実施例2は、樹脂15にゴム入りMS樹脂(MFR=1.5)を用いた場合である。
ゴム入りMS樹脂(MFR=1.5)を温度270℃で押出し、エアギャップ95mm・成形速度10m/分で、ロール径φ250mmの賦形ロールとロール径φ250mmの金属弾性ロールとを用いた。これにより、タッチ抜け等の外観欠点のない厚さ精度188±3μm・賦形率99%の表明凹凸を転写した均一な平板光学シートを得た。
実施例3.
実施例3は、樹脂15にPET樹脂(固有粘度=0.85)を用いた場合である。
PET樹脂(固有粘度=0.85)を温度290℃で押出し、エアギャップ80mm・成形速度10m/分で、第2ロール13にロール径φ400mmの賦形ロール、第1ロール12にロール径φ290mmのゴムロールを用いた。これにより、タッチ抜け等の外観欠点のない厚さ精度175±5μm・賦形率95%の表面凹凸を転写した均一な光学シートを得た。
実施例4.
実施例4は、樹脂15にゴム入りMS樹脂(MFR=3.9)を用いた場合である。
ゴム入りMS樹脂(MFR=3.9)を温度280℃で押出し、エアギャップ100mm・成形速度16.0m/分で、ロール径φ400mmの賦形ロールとロール径φ400mmの金属弾性ロール(線圧30kg/cm時の直径方向の変形量110μm(直径の0.11%))とを用いた。これにより、タッチ抜け等の外観欠点のない厚さ精度181±2.5μm・賦形率97%の表面凹凸を転写した均一な光学シート(レンズピッチ0.15mmP)を得た。
実施例5.
実施例5は、樹脂15にゴム入りMS樹脂(MFR=3.9)を用いた場合である。
ゴム入りMS樹脂(MFR=3.9)を温度280℃で押出し、エアギャップ80mm・成形速度25.0m/分で、ロール径φ400mmの賦形ロールとロール径φ400mmの金属弾性ロール(線圧30kg/cm時の直径方向の変形量110μm(直径の0.11%))とを用いた。これにより、タッチ抜け等の外観欠点のない厚さ精度105±1.5μm・賦形率97%の表面凹凸を転写した均一な光学シート(レンズピッチ0.093mmP)を得た。
続いて、図7を用いて、本発明に対する従来技術の比較例1及び比較例2について説明する。図7は、これら比較例の条件を示す表である。
比較例1.
比較例1は、弾性ロールを用いなかった場合である。
ロール12、13にロール径φ400mmの通常金属ロール2本を用いた場合、ゴム入りMS樹脂を温度250℃で押出し、エアギャップ120mm・成形速度5.7m/分で、厚さ精度378±8μm・賦形率85%程度が限界であり、薄肉で均一な光学シートは成形できなかった。
比較例2.
比較例2は、弾性ロールを用いた場合である。
ロール12、13にゴム入りMS樹脂(MFR=1.5)を温度250℃で押出し、エアギャップ105mm・成形速度5.8m/分で、ロール径φ250mmの賦形ロールにロール径φ250mmの金属弾性ロールを用いた。この場合、厚さ精度188±9μm・賦形率97%の表面凹凸を転写可能であったが、タッチ抜けに起因する外観欠点不良が発生し均一な光学シートを得ることができなかった。
次に、上述に説明したレンズシートに関する実施例について、実施例6において説明する。また、比較例3は、これに対する比較例である。
実施例6.
メチルメタクリレート−スチレン共重合体をレンチキュラーレンズシート151の主原料とし、レンズ形状を設けた金属ロールを用いて、押出し成形によってレンチキュラーレンズシート151を作製した。また、ここで用いられるレンチキュラーレンズシート151は、実施例1において製造したレンチキュラーレンズシートである。
このレンチキュラーレンズシート151の反レンズ部に、グラビアロールを用いて、紫外線感光樹脂を塗布して感光層21を形成した。その後、レンズ部側からUV照射することにより、非粘着部(露光部、感光部211)と粘着部(非露光部、感光部212)とを形成した。次いで粘着部に黒色塗料、黒色塗料を塗布した転写フィルムを貼り付けるダイレクト塗布手法により、BS(Black Stripe)印刷して外光吸収層26を形成し、レンチキュラーレンズシートAを作成した。
比較例3.
ウレタンアクリレートを含む紫外線高価樹脂を、メチルメタクリレート−スチレン共重合体製シート(厚さ100μm)の片側に10〜15μmの厚みで塗布し、塗布した面にレンズ形状を設けた成形型を押し当て、成形型と反対の面から紫外線を照射し、レンチキュラーレンズシートを作製した。
レンチキュラーレンズシートの反レンズ部に紫外線感光樹脂を転写法により塗布した感光層へ、レンズ部側からUV照射することにより粘着部(非露光部)と非粘着部(露光部)を形成し、次いで粘着部に転写フィルムを貼り付けBS印刷しレンチキュラーレンズシートBを作製した。
実施例6と比較例3とを比較するために、各レンチキュラーレンズシートA、Bについて、1mmの発泡ポリエチレンシートとレンチキュラーレンズシートを交互に各100枚積み重ね、60℃×95%RH×100時間の高温高湿試験を行った。
試験後の反りを測定すると、実施例6のレンチキュラーレンズシートAでは短辺が−6mm、長辺が+1mm変化した一方、比較例3のレンチキュラーレンズシートBでは短辺が+20mm、長辺が+2mm変化した。TVへ実装評価すると、比較例3のレンチキュラーレンズシートBにたわみが生じ、映像の焦点がぼけ、シャープ感にかける映像となった。これに対して、実施例6のレンチキュラーレンズシートAでは問題なかった。
試験後の製品をTVへ実装評価すると、比較例3のレンチキュラーレンズシートBでは映像の水平視野角分布に不自然な輝度段差が見える、という問題が生じた。そこで、比較例3のレンチキュラーレンズシートBの断面形状を観察したところ、レンズの頂部が変形していた。これに対して、実施例6のレンチキュラーレンズシートAでは問題なかった。
本発明におけるレンチキュラーレンズシートの製造装置を示す概略模式図である。 本発明における弾性ロールの潰れを示す概略断面図である。 本発明における弾性ロールの撓み示す概略断面図である。 本発明におけるレンズシートの製造装置の全体構成を示す概略模式図である。 本発明における遮光パターンの製造方法を示す工程断面図である。 本発明におけるレンズシートを示す断面図である。 本発明における実施例及び比較例の条件を示す表である。 従来のレンズシートを示す断面図である。
符号の説明
10 製造装置、11 ダイ、12 第1ロール(タッチロール)、13 第2ロール(賦形ロール)、14 第3ロール、15 樹脂、151 レンチキュラーレンズシート
21 感光層、26 外光吸収層、27 拡散層、28 透明樹脂フィルム、30 レンズシート

Claims (5)

  1. ダイより吐出された熱可塑性樹脂をタッチロールと賦形ロールとの間で加圧しながら通過させることにより、厚さが350μm以下、成形パターンピッチが290μm以下、成形高さが30μm以上100μm以下、転写率が90%以上である光学シートを製造する方法であって、
    前記熱可塑性樹脂は、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、MS樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、またはこれらの共重合体のいずれかであり、
    前記ダイの吐出樹脂温度を250℃乃至290℃とし、
    成形速度を8〜40m/分とし、
    前記ダイと、前記タッチロールと賦形ロールのニップ位置との間のエアギャップを110mm以下とし、
    前記タッチロールに線圧30kg/cmの時に直径方向の変形量が直径の0.05%以上1.0%以下である弾性ロールを用いたことを特徴とする光学シートの製造方法。
  2. 前記光学シートは、レンチキュラーレンズシートであることを特徴とする請求項1記載の光学シートの製造方法。
  3. 背面投射型スクリーンにおいて用いられるレンチキュラーレンズシートを製造する方法であって、
    ダイより吐出された熱可塑性樹脂をタッチロールと賦形ロールとの間で加圧しながら通過させることにより、厚さが350μm以下、成形パターンピッチが290μm以下、成形高さが30μm以上100μm以下、転写率が90%以上であるレンチキュラーレンズシートを形成するステップと、
    当該レンチキュラーレンズシートの平坦面上に、感光層を形成するステップと、
    当該感光層に、前記レンチキュラーレンズシートのレンチキュラーレンズ側から光を照射し、当該レンチキュラーレンズによる集光に基づいて硬化部分と未硬化部分とを形成することにより遮光パターンを形成するステップとを備え、
    前記レンチキュラーレンズシートを形成するステップでは、
    前記熱可塑性樹脂は、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、MS樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、またはこれらの共重合体のいずれかであり、
    前記ダイの吐出樹脂温度を250℃乃至290℃とし、
    成形速度を8〜40m/分とし、
    前記ダイと、前記タッチロールと賦形ロールのニップ位置との間のエアギャップを110mm以下とし、
    前記タッチロールに線圧30kg/cmの時に直径方向の変形量が直径の0.05%以上1.0%以下である弾性ロールを用いたことを特徴とするレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  4. 前記遮光パターンの形成ステップは、前記感光層上にインク層を配置し、当該インク層のインクを前記感光層の未硬化部分に転写して遮光パターンを形成することを特徴とする請求項記載のレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  5. 前記光は紫外線であり、前記感光層は紫外線硬化型感光樹脂であることを特徴とする請求項記載のレンチキュラーレンズシートの製造方法。
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