JP2005084397A - 光学用シートおよびその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性、色調の再現性および安定性が優れかつシート厚さが極めて薄い光学用シートを容易かつ経済的に提供する。
【解決手段】基材フィルム層2と、熱可塑性樹脂からなる光学機能層3とからなる光学用シート1であって、前記光学機能層が、前記基材フィルム層上に熱可塑性樹脂を溶融状態で押出した後、この熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形して得られたものであり、かつ賦形されたこのシリンドリカルレンズのピッチが150μm以下であることを特徴とする。
【選択図】図5
【解決手段】基材フィルム層2と、熱可塑性樹脂からなる光学機能層3とからなる光学用シート1であって、前記光学機能層が、前記基材フィルム層上に熱可塑性樹脂を溶融状態で押出した後、この熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形して得られたものであり、かつ賦形されたこのシリンドリカルレンズのピッチが150μm以下であることを特徴とする。
【選択図】図5
Description
本発明は、光学用シートおよび光学用シートの製造法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、従来よりもシート厚さが薄くかつピッチが狭いシリンドリカルレンズ形状の光学用シートおよびその製造法に関するものである。
従来より、種々の光学用シートが提案されている。例えば透過型スクリーン用シート、特にプロジェクションテレビ用の透過型スクリーン用拡散シート、においては、その表面をレンズ形状に加工することが行われている。
このような透過型スクリーン用拡散シートでは、通常、透明ないし半透明の材料から形成されたシートの片方の面をレンチキュラー形状に加工するとともに、シートのもう片方の面にはストライプ状の遮光層を設けることが行われている。
このような光学シートに関する技術は、特開2000−338606号公報、特開2001−209131号公報、特開2002−174859号公報および特開2002−303709号公報等に開示されている。
特開2000−338606号公報
特開2001−209131号公報
特開2002−174859号公報
特開2002−303709号公報
上記の従来技術は、放射線、紫外線、電子線等の電離放射線の作用によってレンチキュラー形状に成形された樹脂組成物の重合および硬化を行うことからなるものである。しかしながら、上記技術では高価な放射線硬化型樹脂や感光性樹脂を使用する必要があって製造コストが高くなりがちである。よって、安価に製造できる光学用シートが求められている。
また、このような電離放射線によって樹脂の重合および硬化を行う方法は、型の形状をきわめて忠実に成形物表面上に表現できる点で好ましいものの、例えば型に傷がついた場合には当然にその傷も成形体表面に忠実に再現されてしまうことになる。一般に、型の傷は、型の鋭角状の部分で、型の突端部(即ち、例えばレンチキュラーレンズを成形する場合には、レンチキュラーレンズの谷部分)に発生することが多い。よって、成形用の型にもし傷が存在したとしても、それが最終成形品に反映されるのを抑制して、光学的特性の劣化を防止する技術が求められている。
さらに、近年、画像表現の高品質化およびスクリーンの大型化に対応して、高精細な画像が得られかつ容易、安価に製造できる光学用シートが求められている。画像を高品質化するための有効な一つの方法としては、前記のような透過型スクリーン用拡散シートにおいては、レンズ要素のピッチを狭くすること、即ち狭ピッチ化ないしファインピッチ化すること、が挙げられる。なお、この遮光層のピッチはレンチキュラーレンズのピッチに対応していることから、レンチキュラーレンズの狭ピッチ化に伴って遮光層も狭ピッチ化することになる。
しかし、従来、光学用シートではファインピッチ化を図ろうとしても、主としてレンチキュラーレンズ側の加工精度上の制限から一定以上にファインピッチ化を図ることが困難であった。レンズの成形を一般的な押出し法によって行なう場合、ピッチが500μm程度のものならば比較的に安定して製造可能であるもののの、ピッチがより小さいもの(例えば200μm以下)を得ることは困難であった。また、より薄いシートを得るために強圧をかけてレンズを賦形すると、場合によりレンズ状の光学機能層が切断されてしまうことがあった。
よって、高精細な画像が得られかつ軽量な光学シート(即ち、狭ピッチであり、薄い光学用シート)ならびにこのような光学用シートを容易かつ安価に製造できる方法が求められている。
本発明では、上記課題に解決を与えることを目的とするものである。
したがって、本発明による光学用シートは、基材フィルム層と熱可塑性樹脂からなる光学機能層とからなる光学用シート、もしくは熱可塑性樹脂の光学機能層からなる光学用シートであって、
前記光学機能層が、その熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形して得られたものであり、かつ賦形されたこのシリンドリカルレンズのピッチが150μm以下のものであること、を特徴とするものである。
したがって、本発明による光学用シートは、基材フィルム層と熱可塑性樹脂からなる光学機能層とからなる光学用シート、もしくは熱可塑性樹脂の光学機能層からなる光学用シートであって、
前記光学機能層が、その熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形して得られたものであり、かつ賦形されたこのシリンドリカルレンズのピッチが150μm以下のものであること、を特徴とするものである。
このような本発明による光学用シートにおいて、好ましくは前記光学機能層を、厚さ200μm以下、特に好ましくは150μm以下のものとすることができる。
このような本発明による光学用シートにおいて、好ましくは前記光学機能層を、軟化温度80〜180℃の熱可塑性樹脂から形成されたものとすることができる。
このような本発明による光学用シートにおいて、好ましくは前記基材フィルム層と前記光学機能層との間に接着層が形成されてなるものとすることができる。
このような本発明による光学用シートにおいて、好ましくは前記シリンドリカルレンズが形成された面とは反対側の面に、直接または粘着層を介してストライプ状の遮光層が形成されてなるものとすることができる。
このような本発明による光学用シートにおいて、好ましくは前記ストライプ状の遮光層に直接あるいは接着層を介して支持体が設けられてなるものとすることができる。
このような本発明による光学用シートにおいて、好ましくは前記支持体が飽和吸水伸び率0.3%以下を有するものとすることができる。
そして、本発明は、上記光学用シートの透過型スクリーン用光拡散シートとしての使用に関するものである。
また、本発明による光学用シートの製造法は、上記の光学用シートの製造法であって、
a)移動する基材フィルム上に溶融状態の熱可塑性樹脂を連続的に押出して供給し、
b)前記基材フィルム上の前記熱可塑性樹脂に型ロールを押しあてて、前記型ロール表面の賦形パターンを前記熱可塑性樹脂に転写することによって前記熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形し、このように賦形された熱可塑性樹脂と前記基材フィルムとの積層構造物を連続的に送りだし、
c)次いで、前記の賦形された熱可塑性樹脂を硬化させた後、前記基材フィルムを剥離もしくは剥離せずに製造すること、を特徴とするものである。
a)移動する基材フィルム上に溶融状態の熱可塑性樹脂を連続的に押出して供給し、
b)前記基材フィルム上の前記熱可塑性樹脂に型ロールを押しあてて、前記型ロール表面の賦形パターンを前記熱可塑性樹脂に転写することによって前記熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形し、このように賦形された熱可塑性樹脂と前記基材フィルムとの積層構造物を連続的に送りだし、
c)次いで、前記の賦形された熱可塑性樹脂を硬化させた後、前記基材フィルムを剥離もしくは剥離せずに製造すること、を特徴とするものである。
また、本発明によるもう一つの光学用シートの製造法は、好ましくは、
a)移動する基材フィルム上に溶融状態の熱可塑性樹脂を連続的に押出して供給し、
b)前記基材フィルム上の前記熱可塑性樹脂に型ロールを押しあてて、前記型ロール表面の賦形パターンを前記熱可塑性樹脂に転写することによって前記熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形し、このように賦形された熱可塑性樹脂と前記基材フィルムとの積層構造物を連続的に送りだし、
c)次いで、前記の賦形された熱可塑性樹脂を硬化させた後、前記基材フィルムを剥離もしくは剥離せずに製造することからなり、
前記a)における溶融状態の熱可塑性樹脂の供給を、b)における型ロールを押しあてる位置より前記基材フィルムの供給方向の上流側において行なうことができる。
a)移動する基材フィルム上に溶融状態の熱可塑性樹脂を連続的に押出して供給し、
b)前記基材フィルム上の前記熱可塑性樹脂に型ロールを押しあてて、前記型ロール表面の賦形パターンを前記熱可塑性樹脂に転写することによって前記熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形し、このように賦形された熱可塑性樹脂と前記基材フィルムとの積層構造物を連続的に送りだし、
c)次いで、前記の賦形された熱可塑性樹脂を硬化させた後、前記基材フィルムを剥離もしくは剥離せずに製造することからなり、
前記a)における溶融状態の熱可塑性樹脂の供給を、b)における型ロールを押しあてる位置より前記基材フィルムの供給方向の上流側において行なうことができる。
本発明では、光学機能層を熱可塑性樹脂から形成しかつこの光学機能層を薄くすることによって、150μm以下というピッチが狭いシリンドリカルレンズを有する光学用シートを得ることができる。
また、本発明では、高価な放射線硬化型樹脂や感光性樹脂を使用する必要がないので、光学用シートを低コストで製造することができる。
そして、本発明では、光学機能層を熱可塑性樹脂によって形成しているため、成形用の型にもし傷が存在したとしてもそれが最終成形品に反映されるのが適度に抑制されており、光学的特性の劣化が防止されている。
また、基材フィルムの供給ならびに移送とともに熱可塑性樹脂の供給と表面賦形化をともなう押出成形ならびにラミネーションを連続的に行なう、いわば押出エンボスラミ成形法を採用しているので、光学機能層の厚さを薄くすることができる。
よって、本発明によれば、例えば光透過型スクリーン用の光拡散シートとして好適な光学用シートをきわめて容易にかつ経済的に提供することができる。
以下に、本発明を必要に応じて図面を参照しながら説明する。
<光学用シート>
図1〜図6は、本発明による光学用シートの好ましい具体例について、その断面を模式的に示すものである。ここで、図5は、図1の本発明による光学用シートの斜視図である。
<光学用シート>
図1〜図6は、本発明による光学用シートの好ましい具体例について、その断面を模式的に示すものである。ここで、図5は、図1の本発明による光学用シートの斜視図である。
図1に示される本発明による光学用シート(1)は、基材フィルム層(2)と、熱可塑性樹脂からなる光学機能層(3)とからなる光学用シートであって、前記光学機能層(3)が、前記基材フィルム層(1)上に熱可塑性樹脂を溶融状態で押出した後、または同時にこの熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形して得られたものであり、かつ賦形されたこのシリンドリカルレンズのピッチが150μm以下のものである。なお、本発明による光学用シートは、基材フィルム層を含まないものであってもよい。
この図1に示される光学用シート(1)は、プロジェクションテレビの透過型スクリーンにおける光拡散シートを構成する光学用シートに特に適したものである。
光学機能層(3)であるシリンドリカルレンズの具体的内容(例えば、構成成分、賦形化表面の表面状態ないし形態、厚さ等)は、本発明による光学用シート(1)の具体的用途に応じて適宜決定することができる。光学機能層(3)の厚さ(即ち、前記基材フィルム層(2)の、基材フィルム層(2)側の平坦面と光学機能層(3)のレンズ凸部頂点との距離)が150μm以下、特に100μm以下である光学シート(1)は、本発明の特に好ましい光学シートの一具体例である。なお、賦形化表面は必ずしも規則的パターンが連続的に配置されていなくてもよい。
基材フィルム層(2)は、光学用シートの基材として必要な特性、例えば透明性、強度、耐久性等を有していれば、各種の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を用いて構成することができる。ここで、本発明で使用できる熱可塑性樹脂の具体例として特に好ましいものは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、四フッ化エチレン(PTFE)等、およびこれらの樹脂の少なくとも一種を含む共重合樹脂等である。
この基材フィルム層(2)の厚さは、本発明による光学シートの具体的用途ならびに要求される強度等に応じて適宜に定めることができる。本発明では、基材フィルム層の厚さを、25〜150μm、好ましくは50〜100μm、とすることができる。
本発明における光学機能層(3)は、上記基材フィルム層(2)に押出して形成された熱可塑性樹脂層からなる賦形化表面を有するものである。ここで、光学機能層(3)を形成する熱可塑性樹脂としては、透明性、強度および耐久性が良好で、押出し成型および賦形化する際の安定性、操作性が良好で、所定の光学的機能が得られるものを使用することができる。
そのような熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、四フッ化エチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)等、およびこれらの樹脂の少なくとも1種を含む共重合樹脂等を例示することができる。
上記した熱可塑性樹脂(上記の生分解性樹脂も含む)の中でも、
(イ)軟化温度が80〜180℃、好ましくは90〜150℃、のもの(ここで、軟化温度は、JIS K7206の方法で測定したビカット軟化温度である)、
(ロ)線膨張率が好ましくは9×10−5/℃以下のもの(ここで、線膨張率値は、JIS K7197の方法で測定したときのものである)、
(ハ)吸水率が好ましくは0.3%以下、特に好ましくは0.2%以下、のもの(ここで、吸水率値は、JIS 7209の方法で測定したときのものである)。
(イ)軟化温度が80〜180℃、好ましくは90〜150℃、のもの(ここで、軟化温度は、JIS K7206の方法で測定したビカット軟化温度である)、
(ロ)線膨張率が好ましくは9×10−5/℃以下のもの(ここで、線膨張率値は、JIS K7197の方法で測定したときのものである)、
(ハ)吸水率が好ましくは0.3%以下、特に好ましくは0.2%以下、のもの(ここで、吸水率値は、JIS 7209の方法で測定したときのものである)。
特に、本発明では(イ)を満足するものが好ましい。
本発明に使用されるこのような熱可塑性樹脂は、通常、放射線硬化型樹脂や感光性樹脂に比べて非常に安価であるばかりでなく、光重合開始剤等を必須としないので、これらの配合成分に起因して樹脂が着色したり透明性が低下することがない。このことから、透明性、色調の再現性および安定性の優れた光学用シートを安価に得ることができる。
本発明による光学用シートの製造法においてこのような熱可塑性樹脂を使用した場合、その熱可塑性樹脂層の賦形化表面が若干熱戻りすることが観察される場合がある。そのような場合、賦形化に使用される型ロール表面に多少の傷が認めれる場合であっても、光学機能層(3)の賦形化表面ではその傷が熱戻りにより修復されて、視覚的に目立たなくなって光学的特性の向上が図られる。これは画像表現の高品質化のため光学機能層をファインピッチに設ける場合にその効果が顕著になる。
また、本発明では、予め熱可塑性樹脂をペレット状にし、これを光学用シート製造の際に溶融して使用することが可能である。例えば、熱可塑性樹脂に他の資材(例えば、光拡散剤、着色剤等)を混合する場合や、二種以上の熱可塑性樹脂を用いる場合など、予め調製しておいたペレット同士を混合・溶融することによって、あるいは溶融した樹脂中にペレットを混合・溶融することによって、各成分の混合を良好に行うことが可能である。これにより、各混合成分の比重の差が大きい場合や、樹脂粘度が比較的高い場合であっても、混合を良好に行うことができる。よって、より高品質の光学用シートを安定的かつ経済的に製造することが可能になる。
<他の具体例>
図2〜4は、本発明による光学用シートの他の好ましい具体例について、その断面を模式的に示すものである。なお、図6は、図4の本発明による光学用シートの斜視図である。
図2に示される本発明による光学用シート(1)は、前記基材フィルム層(2)と前記光学機能層(3)との間に接着層(4)が形成されてなるものである。
図2〜4は、本発明による光学用シートの他の好ましい具体例について、その断面を模式的に示すものである。なお、図6は、図4の本発明による光学用シートの斜視図である。
図2に示される本発明による光学用シート(1)は、前記基材フィルム層(2)と前記光学機能層(3)との間に接着層(4)が形成されてなるものである。
図3に示される本発明による光学用シート(1)は、前記基材フィルム層(2)、前記光学機能層(3)が形成された面とは反対側の面に、粘着層(5)を介してストライプ状の遮光層(6)が形成されてなるものである。なお、粘着層(5)を省略して、基材フィルム層(2)に直接的にストライプ状の遮光層(6)を形成することもできる。また、基材フィルム層(2)を省略して直接粘着層(5)またはストライプ状の遮光層(6)を形成することができる。
図4に示される本発明による光学用シート(1)は、前記ストライプ状の遮光層(6)に接着層(7)を介して支持体(8)が設けられてなるものである。なお、接着層(7)を省略して、遮光層(6)に直接的に支持体(8)を設けることもできる。ここで、ストライプ状の遮光層(6)が設けられていない部分については、粘着層(5)に接着層(7)が、あるいは粘着層(5)に支持体(8)が(接着層(7)が省略された場合)、直接設けられることになる。
図2または図4に示される光学用シート(1)において、接着層(4)および接着層(7)は、それが接する層(例えば、基材フィルム層(2)、光学機能層(3)、粘着層(5)、遮光層(6)、支持体(8))との間に十分な接着強度が得られ、本発明の光学用シートを構成する各層および本発明の光学用シートそれ自身の機能・特性等に実質的に悪影響を及ぼすことがないものであるならば、任意のものを使用することができる。接着層(4)または接着層(7)の具体的内容および厚さは、光学用シートを構成する各層の材質および必要な接着強度等を考慮して定めることができる。本発明においては、好ましくは、接着層(4)はイソシアネート、酢酸ビニル、等によって、接着層(7)はウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、他等によって、形成することができる。
本発明による光学用シート(1)において、遮光層(6)は、光学機能層(3)が図3に示されるようにレンチキュラー形状のものである場合、この光学機能層(3)により集光された光の非通過領域に形成される。なお、図1〜図4に示される光学用シート(1)において、光は、光学用シート(1)の下側から入射し、光学機能層3によって集光されたのち、遮光層(6)の非形成領域から光学用シート(1)の上方に向けて通過する。光学機能層(3)の賦形化表面に対応して、光学機能層(3)によって集光された光の非通過領域はストライプ状になるから、この遮光層(6)もストライプ状となる。この遮光層(6)は、好ましくは黒色の遮光性材料、例えばカーボンブラック、黒色インキ、黒トナー等によって形成することができる。
このストライプ状の遮光層(6)のレンズピッチに対する比率は(図3におけるb)は、好ましくは50〜90%とすることができる。本発明によれば、このような高い比率で遮光層(6)が形成された光学用シートが得られるので、高品質の画像表現が可能な光学用シートを容易に製造することができる。
遮光層(6)の形成方法は任意であるが、本発明においては、光照射(主として紫外線照射)によって粘着性が消失ないし低下する特性の粘着剤の層(粘着層5)を形成し、これに光学機能層(3)により集光された光(主として紫外線)を作用させて光通過領域部分について粘着性を消失ないし低下させた後、遮光層形成材料(例えば微粉状のカーボンブラック、黒色インキ等)を施して、この遮光層形成材料を粘着層(5)の粘着性領域(即ち、光の非通過部分)のみに付着させることからなる方法が好ましい。
粘着層(5)は、例えばラジカル反応系樹脂材料にラジカル反応開始剤を配合したものを使用することができる。
粘着層(5)は、例えばラジカル反応系樹脂材料にラジカル反応開始剤を配合したものを使用することができる。
本発明による光学用シート(1)においては、図4に示されるように、必要に応じて支持体(8)を設けることができる。この支持体(8)としては任意のもの、好ましくは飽和吸水伸び率0.3%以下、特に好ましくは0.2%以下、のもの、具体的には、メチルメタクリレート・スチレン共重合体(MS樹脂)等を使用することができる。
また 本発明による光学用シート(1)では、この光学用シートを構成する少なくとも一層(好ましくは、例えば支持体(8)、接着層(7)、その他の層(図示せず)のいずれか一層または二層以上)を、光拡散性のものとすることができる。光拡散性のものとする方法としては、光拡散剤(好ましくは、例えばアクリルビーズ、スチレン系ビーズ、ガラスビーズ等)を配合する方法を例示することができる。
また 本発明による光学用シート(1)では、この光学用シートを構成する少なくとも一層(好ましくは、例えば基材シート層(2)、光学機能層(3)、支持体(8)、その他の層(図示せず)のいずれか一層または二層以上)を、ノングレア性、帯電防止性または耐汚染防止性のものとすることができる。
また、図1〜図4に示される本発明による光学用シート(1)では、ノングレア層、帯電防止層および(または)耐汚染防止層(図示せず)等を、必要に応じてさらに設けることができる。
<光学用シートの製造法(その1)>
図7は、本発明による光学用シートの製造法の好ましい一具体例の概要を示すものである。
この図7に示される本発明による光学用シートの製造法は、
上記の光学用シートの製造法であって、
a)移動する基材フィルム上に溶融状態の熱可塑性樹脂を連続的に押出して供給し、
b)前記基材フィルム上の前記熱可塑性樹脂に型ロールを押しあてて、前記型ロール表面の賦形パターンを前記熱可塑性樹脂に転写することによって前記熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形し、このように賦形された熱可塑性樹脂と前記基材フィルムとの積層構造物を連続的に送りだし、
c)次いで、前記の賦形された熱可塑性樹脂を硬化させた後、前記機材フィルムを剥離もしくは剥離せずに製造すること、からなるものである。
図7は、本発明による光学用シートの製造法の好ましい一具体例の概要を示すものである。
この図7に示される本発明による光学用シートの製造法は、
上記の光学用シートの製造法であって、
a)移動する基材フィルム上に溶融状態の熱可塑性樹脂を連続的に押出して供給し、
b)前記基材フィルム上の前記熱可塑性樹脂に型ロールを押しあてて、前記型ロール表面の賦形パターンを前記熱可塑性樹脂に転写することによって前記熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形し、このように賦形された熱可塑性樹脂と前記基材フィルムとの積層構造物を連続的に送りだし、
c)次いで、前記の賦形された熱可塑性樹脂を硬化させた後、前記機材フィルムを剥離もしくは剥離せずに製造すること、からなるものである。
ここで、「からなるもの」とは、本発明の光学用シートを製造する全工程の一部分において、a)〜c)がこの順序で連続的に実施されていれば良いことを意味する。よって、本発明による光学用シートの製造法は、例えばa)の実施前の段階で、あるいはc)実施後の段階で、場合によりa)〜c)の間で、他の処理工程ないし操作が行われる方法を包含する。
a)工程
図7に示される本発明による光学用シートの製造法において、基材フィルム(10)は、基材フィルム供給源(14)から供給され、この基材フィルム供給源(14)から左方向に向けて移動している。そして、基材フィルム(10)は、押圧ロール(18)に接触し、押圧ロール(18)のロール表面部をその回転に従って移動した後、押圧ロール(18)と型ロール(12)との間の圧着点(19)を経たのち、熱可塑性樹脂層と積層された状態で型ロール(12)の回転に従って移動している。
図7に示される本発明による光学用シートの製造法において、基材フィルム(10)は、基材フィルム供給源(14)から供給され、この基材フィルム供給源(14)から左方向に向けて移動している。そして、基材フィルム(10)は、押圧ロール(18)に接触し、押圧ロール(18)のロール表面部をその回転に従って移動した後、押圧ロール(18)と型ロール(12)との間の圧着点(19)を経たのち、熱可塑性樹脂層と積層された状態で型ロール(12)の回転に従って移動している。
なお、図2に示されるような接着層(4)を有する光学用シートを製造する場合には、基材フィルム上に接着層を設けた積層物を基材フィルム供給源(14)に用意しておくことができる。
本発明による光学用シートの光学機能層(3)を形成する熱可塑性樹脂は、ホッパー(15)から、例えばペレット状で投入され、バレル(16)内で所定温度に加熱され、ダイス(17)から溶融状態で、移動する基材フィルム(10)上に、もしくは基材フィルムと型ロールと同時に接する様に、連続的に供給される。なお、溶融した熱可塑性樹脂の供給量は、基材フィルム(10)の移動量および必要な熱可塑性樹脂層の厚み、シリンドリカルレンズの賦形形状等を考慮して適宜定めることができる。
b)工程
この図7に示される本発明による光学用シートの製造法においては、前記基材フィルム(10)上の前記熱可塑性樹脂(11)に、型ロール(12)を押しあてて、この型ロール(12)表面の賦形パターン(12a)を熱可塑性樹脂(11)に転写することによって、前記熱可塑性樹脂(11)を成形している。賦形パターン(12a)は、本発明による光学用シートの光学機能層に所定の賦形化表面が形成されるように定めることができる。
この図7に示される本発明による光学用シートの製造法においては、前記基材フィルム(10)上の前記熱可塑性樹脂(11)に、型ロール(12)を押しあてて、この型ロール(12)表面の賦形パターン(12a)を熱可塑性樹脂(11)に転写することによって、前記熱可塑性樹脂(11)を成形している。賦形パターン(12a)は、本発明による光学用シートの光学機能層に所定の賦形化表面が形成されるように定めることができる。
この型ロール(12)は、成形された熱可塑性樹脂(11)と基材フィルム(10)の積層物(13)を連続的に送り出している。そして、前記型ロール(12)と前記型ロールに対向して設けられた押圧ロール(18)との間に前記基材フィルム(10)と前記熱可塑性樹脂(11)とを、同時に供給しながら成形と押し出しを連続的に行なうようになっている。この型ロール(12)における賦形パターン(12a)は、基材フィルム(10)の移動方向(図7の矢印方法)とシリンドリカルレンズのレンズ凸部(または凹部)の方向が平行になるようにしても良いし、また、基材フィルム(10)の移動方向とシリンドリカルレンズのレンズ凸部(または凹部)の方向が直交するようにすることもできる。本発明において好ましいのは、前者の基材フィルム(10)の移動方向とシリンドリカルレンズのレンズ凸部(または凹部)とが平行になるものである。
なお、型ロール(12)と押圧ロール(18)のそれぞれの半径は、同一である必要はなく、異なっていてもよい。また、型ロール(12)と押圧ロール(18)には、それぞれ温度制御手段を設けることができ、良好な光学用シートが得られるように両ロールの温度をそれぞれ最適範囲に制御することもできる。
c)工程
このc)工程は、前記の成形された前記熱可塑性樹脂(11)を硬化させる工程である。このことによって、熱可塑性樹脂層における賦形化表面形状が固定化される。熱可塑性樹脂を硬化させた後に基材シートを剥離して、熱可塑性樹脂層のみの光学用シートを、図3および図4等に示される構成の本発明による光学用シートを製造するためには、このc)の後にそのような構成の光学用シートが得れられるような工程を適宜実施することができる。
このc)工程は、前記の成形された前記熱可塑性樹脂(11)を硬化させる工程である。このことによって、熱可塑性樹脂層における賦形化表面形状が固定化される。熱可塑性樹脂を硬化させた後に基材シートを剥離して、熱可塑性樹脂層のみの光学用シートを、図3および図4等に示される構成の本発明による光学用シートを製造するためには、このc)の後にそのような構成の光学用シートが得れられるような工程を適宜実施することができる。
<光学用シートの製造法(その2)>
図8は、本発明による光学用シートの製造法の好ましい一具体例の概要を示すものである。
この図8に示される本発明による光学用シートの製造法は、
上記の光学用シートの製造法であって、
a)移動する基材フィルム上に溶融状態の熱可塑性樹脂を連続的に押出して供給し、
b)前記基材フィルム上の前記熱可塑性樹脂に型ロールを押しあてて、前記型ロール表面の賦形パターンを前記熱可塑性樹脂に転写することによって前記熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形し、このように賦形された熱可塑性樹脂と前記基材フィルムとの積層構造物を連続的に送りだし、
c)次いで、前記の賦形された熱可塑性樹脂を硬化させた後、前記機材フィルムを剥離もしくは剥離せずに製造することからなり、
前記a)における溶融状態の熱可塑性樹脂の供給を、b)における型ロールを押しあてる位置より前記基材フィルムの供給方向の上流側において行なうこと、を特徴とするものである。
図8は、本発明による光学用シートの製造法の好ましい一具体例の概要を示すものである。
この図8に示される本発明による光学用シートの製造法は、
上記の光学用シートの製造法であって、
a)移動する基材フィルム上に溶融状態の熱可塑性樹脂を連続的に押出して供給し、
b)前記基材フィルム上の前記熱可塑性樹脂に型ロールを押しあてて、前記型ロール表面の賦形パターンを前記熱可塑性樹脂に転写することによって前記熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形し、このように賦形された熱可塑性樹脂と前記基材フィルムとの積層構造物を連続的に送りだし、
c)次いで、前記の賦形された熱可塑性樹脂を硬化させた後、前記機材フィルムを剥離もしくは剥離せずに製造することからなり、
前記a)における溶融状態の熱可塑性樹脂の供給を、b)における型ロールを押しあてる位置より前記基材フィルムの供給方向の上流側において行なうこと、を特徴とするものである。
ここで、「からなるもの」とは、本発明の光学用シートを製造する全工程の一部分において、a)〜c)がこの順序で連続的に実施されていれば良いことを意味する。よって、本発明による光学用シートの製造法は、例えばa)の実施前の段階で、あるいはc)実施後の段階で、場合によりa)〜c)の間で、他の処理工程ないし操作が行われる方法を包含する。
a)工程
図8に示される本発明による光学用シートの製造法において、基材フィルム(10)は、基材フィルム供給源(14)から供給され、この基材フィルム供給源(14)から左方向に向けて移動している。そして、基材フィルム(10)は、押圧ロール(18)に接触し、押圧ロール(18)のロール表面部をその回転に従って移動した後、押圧ロール(18)と型ロール(12)との間の圧着点(19)を経たのち、熱可塑性樹脂層と積層された状態で型ロール(12)の回転に従って移動している。
図8に示される本発明による光学用シートの製造法において、基材フィルム(10)は、基材フィルム供給源(14)から供給され、この基材フィルム供給源(14)から左方向に向けて移動している。そして、基材フィルム(10)は、押圧ロール(18)に接触し、押圧ロール(18)のロール表面部をその回転に従って移動した後、押圧ロール(18)と型ロール(12)との間の圧着点(19)を経たのち、熱可塑性樹脂層と積層された状態で型ロール(12)の回転に従って移動している。
なお、図2に示されるような接着層(4)を有する光学用シートを製造する場合には、基材フィルム上に接着層を設けた積層物を基材フィルム供給源(14)に用意しておくことができる。
本発明による光学用シートの光学機能層(3)を形成する熱可塑性樹脂は、ホッパー(15)から、例えばペレット状で投入され、バレル(16)内で所定温度に加熱され、ダイス(17)から溶融状態で、移動する基材フィルム(10)上に連続的に供給される。なお、溶融した熱可塑性樹脂の供給量は、基材フィルム(10)の移動量および必要な熱可塑性樹脂層の厚み、シリンドリカルレンズの賦形形状等を考慮して適宜定めることができる。
溶融した熱可塑性樹脂の供給位置(20)は、図8に示されるように、移動する基材フィルム(10)上であって、型ロール(18)を押しあてる位置より前記基材フィルム(10)の供給方向の上流側(即ち、基材フィルム供給源(14)側)において行なう。通常、押圧ロール(18)と型ロール(12)との間の圧着点(19)部付近には、ダイス(17)から基材フィルム(10)上に供給される熱可塑性樹脂の押出し量と、型ロール(12)によってシリンドリカルレンズ状に賦形される熱可塑性樹脂の量との相関関係に応じて、溶融した熱可塑性樹脂からなるバルクと呼ばれる滞留部が生じるが、本発明における溶融した熱可塑性樹脂の供給位置(20)は、このバルクよりも前記基材フィルム(10)の供給方向の上流側(即ち、基材フィルム供給源(14)側)において行なうことが好ましい。
このバルク部では、溶融した熱可塑性樹脂自体の重量、基材フィルム(10)の移動、押圧ロール(18)および型ロール(12)の回転による吸引作用や、賦形に伴う圧力変化や温度変化等があって、熱可塑性樹脂の粘度、特性、流動方向の局部的変化が生じているものと推測される。本発明において、光学機能層を薄くすることができ、これによりピッチが200μm以下、特に150μm以下という狭ピッチのシリンドリカルレンズが成形できたのは、溶融した熱可塑性樹脂を特定の位置に供給することによって、バルク形成および成形時の熱可塑性樹脂の特性なしい状態をシリンドリカルレンズ成形のために最適化されたことによるものと推定される。
b)工程
この図8に示される本発明による光学用シートの製造法においては、前記基材フィルム(10)上の前記熱可塑性樹脂(11)に、型ロール(12)を押しあてて、この型ロール(12)表面の賦形パターン(12a)を熱可塑性樹脂(11)に転写することによって、前記熱可塑性樹脂(11)を成形している。賦形パターン(12a)は、本発明による光学用シートの光学機能層に所定の賦形化表面が形成されるように定めることができる。
この図8に示される本発明による光学用シートの製造法においては、前記基材フィルム(10)上の前記熱可塑性樹脂(11)に、型ロール(12)を押しあてて、この型ロール(12)表面の賦形パターン(12a)を熱可塑性樹脂(11)に転写することによって、前記熱可塑性樹脂(11)を成形している。賦形パターン(12a)は、本発明による光学用シートの光学機能層に所定の賦形化表面が形成されるように定めることができる。
この型ロール(12)は、成形された熱可塑性樹脂(11)と基材フィルム(10)の積層物(13)を連続的に送り出している。そして、前記型ロール(12)と前記型ロールに対向して設けられた押圧ロール(18)との間に前記基材フィルム(10)と前記熱可塑性樹脂(11)とを、同時に供給しながら成形と押し出しを連続的に行なうようになっている。この型ロール(12)における賦形パターン(12a)は、基材フィルム(10)の移動方向(図8の矢印方法)とシリンドリカルレンズのレンズ凸部(または凹部)の方向が平行になるようにしても良いし、また、基材フィルム(10)の移動方向とシリンドリカルレンズのレンズ凸部(または凹部)の方向が直交するようにすることもできる。本発明において好ましいのは、前者の基材フィルム(10)の移動方向とシリンドリカルレンズのレンズ凸部(または凹部)とが平行になるものである。
なお、型ロール(12)と押圧ロール(18)のそれぞれの半径は、同一である必要はなく、異なっていてもよい。また、型ロール(12)と押圧ロール(18)には、それぞれ温度制御手段を設けることができ、良好な光学用シートが得られるように両ロールの温度をそれぞれ最適範囲に制御することもできる。
c)工程
このc)工程は、前記の成形された前記熱可塑性樹脂(11)を硬化させる工程である。このことによって、熱可塑性樹脂層における賦形化表面形状が固定化される。熱可塑性樹脂を硬化させた後に基材シートを剥離して、熱可塑性樹脂層のみの光学用シートを、図3および図4等に示される構成の本発明による光学用シートを製造するためには、このc)の後にそのような構成の光学用シートが得れられるような工程を適宜実施することができる。
このc)工程は、前記の成形された前記熱可塑性樹脂(11)を硬化させる工程である。このことによって、熱可塑性樹脂層における賦形化表面形状が固定化される。熱可塑性樹脂を硬化させた後に基材シートを剥離して、熱可塑性樹脂層のみの光学用シートを、図3および図4等に示される構成の本発明による光学用シートを製造するためには、このc)の後にそのような構成の光学用シートが得れられるような工程を適宜実施することができる。
本発明においては、このような基材フィルムの供給ならびに移送とともに熱可塑性樹脂の供給と表面賦形化をともなう押出成形ならびにラミネーションを連続的に行なう、いわば押出エンボスラミ成形法を採用しているので、光学機能層の厚さを可能な限り薄くすることができ、従来得られなかったピッチが150μm以下のシリンドリカルレンズが形成された光学用シートを得ることができる。さらに、安価な熱可塑性樹脂を使用し、連続的に安定して製造できるので、製造効率が高くかつ経済的である。
<実施例1>
軟化温度98℃のメタクリル‐ブタジエン‐スチレン共重合樹脂(MBS)ペレットを、図7に示される押出しエンボス成形装置のホッパーに投入した。
軟化温度98℃のメタクリル‐ブタジエン‐スチレン共重合樹脂(MBS)ペレットを、図7に示される押出しエンボス成形装置のホッパーに投入した。
この装置の六分割されたバレルの各分割部の温度を、ポッパーに近い順に165℃→205℃→210℃→240℃→250℃→250℃に順次昇温設定し、ダイス部の温度は250℃に設定した。このダイスより溶融したMBSを供給した基材フィルム(透明ポリエステルフィルム(PETフィルム)、厚さ50μm)上に押出し、型押しを実施した。この時、型ロール温度は80℃に設定した。
その際、基材フィルムの引取り速度は3m/min. にて実施した。
この条件により成形を実施することにより、ピッチが140μmの厚さ100μmのシリンドリカルレンズ層を有する、総厚みが150μmの本発明による光学用シートを製造した。
その際、基材フィルムの引取り速度は3m/min. にて実施した。
この条件により成形を実施することにより、ピッチが140μmの厚さ100μmのシリンドリカルレンズ層を有する、総厚みが150μmの本発明による光学用シートを製造した。
上記で得られた光学用シートの非シリンドリカルレンズ形状面側に、ラジカル反応開始剤を含む感光性粘着剤を20μmの厚みとなるように塗布した。こうして得られたシートのシリンドリカルレンズ面側より平行光とした放射線を200mj/cm2相当露光した。レンチキュラーレンズ形状の効果により集光した放射線が、前記感光性粘着剤の塗布層中を光路として通過した部位のみ粘着剤が硬化し、未露光部は粘着性を有した状態で保持されていた。この状態の粘着剤表面に黒色転写材を圧着して、60℃の転写温度にて2kg/cm2の圧力条件で転写操作を行い、これを感光性粘着面より剥離した。これにより、粘着剤の未露光部のみに黒色転写材層が付着し、ストライプ状の遮光層が形成された本発明の光学用シートを製造した。
更に、この光学用シートの前記遮光層面側に、アクリル樹脂接着剤を50μmの厚みとなるように塗布し、次いで、支持体(厚さ2mm)を積層することによって、本発明による光学用シートを製造した。なお、この支持体は、MS系材料に平均粒径10μm相当のスチレン系拡散剤を0.08重量部配合したものであって、光拡散性を有するものである。
<実施例2>
実施例1と同じ樹脂、温度条件で引き取りスピードで3m/min.で基材フィルム(透明ポリエステルフィルム(PETフィルム)、厚さ50μm)上に押出し、型押しを実施した。その後、基材フィルムを剥離し、ピッチが90μmの厚さ125μmのシリンドリカルレンズ層を有する本発明による光学用シートを製造した。
実施例1と同じ樹脂、温度条件で引き取りスピードで3m/min.で基材フィルム(透明ポリエステルフィルム(PETフィルム)、厚さ50μm)上に押出し、型押しを実施した。その後、基材フィルムを剥離し、ピッチが90μmの厚さ125μmのシリンドリカルレンズ層を有する本発明による光学用シートを製造した。
更に、実施例1と同様にラジカル反応開始剤を含む感光性粘着剤を20μmの厚みとなるように塗布した。こうして得られたシートのシリンドリカルレンズ面側より平行光とした放射線を150mj/cm2相当露光した。レンチキュラーレンズ形状の効果により集光した放射線が、前記感光性粘着剤の塗布層中を光路として通過した部位のみ粘着剤が硬化し、未露光部は粘着性を有した状態で保持されていた。この状態の粘着剤表面に黒色転写材を圧着して、60℃の転写温度にて2kg/cm2の圧力条件で転写操作を行い、これを感光性粘着面より剥離した。これにより、粘着剤の未露光部のみに黒色転写材層が付着し、ストライプ状の遮光層が形成された本発明の光学用シートを製造した。
更に、この光学用シートの前記遮光層面側に、アクリル樹脂接着剤を50μmの厚みとなるように塗布し、次いで、支持体(厚さ2mm)を積層することによって、本発明による光学用シートを製造した。なお、この支持体は、MBS系材料の表面に傷つき防止処理をしたものである。
1 光学用シート
2 基材フィルム層
3 光学機能層
4 接着層
5 粘着層
6 遮光層
7 接着層
8 支持体
10 基材フィルム
11 熱可塑性樹脂
12 型ロール
13 積層物
14 基材フィルム供給源
15 ホッパー
16 バレル
17 ダイス
18 押圧ロール
19 圧着点
20 熱可塑性樹脂の供給位置
2 基材フィルム層
3 光学機能層
4 接着層
5 粘着層
6 遮光層
7 接着層
8 支持体
10 基材フィルム
11 熱可塑性樹脂
12 型ロール
13 積層物
14 基材フィルム供給源
15 ホッパー
16 バレル
17 ダイス
18 押圧ロール
19 圧着点
20 熱可塑性樹脂の供給位置
Claims (8)
- 基材フィルム層と熱可塑性樹脂からなる光学機能層とからなる光学用シート、もしくは熱可塑性樹脂の光学機能層からなる光学用シートであって、
前記光学機能層が、その熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形して得られたものであり、かつ賦形されたこのシリンドリカルレンズのピッチが150μm以下であることを特徴とする、光学用シート。 - 前記光学機能層が、厚さ200μm以下、好ましくは150μm以下、のものである、請求項1に記載の光学用シート。
- 前記光学機能層が、軟化温度80〜180℃の熱可塑性樹脂から形成されたものである、請求項1または2に記載の光学用シート。
- 前記光学用シートにおいて、前記シリンドリカルレンズが形成された面とは反対側の面に、直接または粘着層を介してストライプ状の遮光層が形成されてなるものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学用シート。
- 前記ストライプ状の遮光層に直接あるいは接着層を介して支持体が設けられてなるものである、請求項4に記載の光学用シート。
- 前記支持体が飽和吸水伸び率0.3%以下を有する、請求項5に記載の光学用シート。
- 請求項1の光学用シートの透過型スクリーン用光拡散シートとしての使用。
- 請求項1に記載の光学用シートの製造法であって、
a)移動する基材フィルム上に溶融状態の熱可塑性樹脂を連続的に押出して供給し、
b)前記基材フィルム上の前記熱可塑性樹脂に型ロールを押しあてて、前記型ロール表面の賦形パターンを前記熱可塑性樹脂に転写することによって前記熱可塑性樹脂の表面をシリンドリカルレンズ形状に賦形し、このように賦形された熱可塑性樹脂と前記基材フィルムとの積層構造物を連続的に送りだし、
c)次いで、前記の賦形された熱可塑性樹脂を硬化させた後、前記基材フィルムを剥離もしくは剥離せずに製造することを特徴とする、光学用シートの製造法。
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