JPH11343351A - ポリプロピレン系キャストフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系キャストフィルムおよびその製造方法

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JPH11343351A
JPH11343351A JP14946398A JP14946398A JPH11343351A JP H11343351 A JPH11343351 A JP H11343351A JP 14946398 A JP14946398 A JP 14946398A JP 14946398 A JP14946398 A JP 14946398A JP H11343351 A JPH11343351 A JP H11343351A
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JP
Japan
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film
polypropylene
haze
cast
fraction
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Application number
JP14946398A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Itagaki
寛 板垣
Yasushi Azuma
泰 東
Susumu Nakagawa
将 中川
Shinichi Yukimasa
慎一 行政
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明で、その経時劣化が少なく、かつ耐候性に
優れたポリプロピレン系キャストフィルムおよびその製
造方法を提供する。 【解決手段】初期ヘイズが20%以下、2週間後のヘイ
ズ上昇率が30%以下であり、耐候促進試験で照射2時
間後の引張伸び率がフイルム厚み80μm標準で400
%以上であるポリプロピレン系キャストフイルム。沸騰
n−ヘプタンに可溶な成分を含有する特定のプロピレン
単独重合体を主体とする樹脂組成物を、特定の条件でキ
ャスト成形することにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明で、その経時
劣化が少なく、かつ耐候性に優れたポリプロピレン系キ
ャストフィルムおよびその製造方法に関する。詳しく
は、透明性の経時劣化が少なく、かつ耐候性に優れたポ
リプロピレン系キャストフィルム、およびそのフィルム
を立体規則性の低い成分を含有するポリプロピレンを特
定の成形条件でキャスト成形してつくる製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系キャストフイルムは優
れた透明性等を有し、厚み数μmのコンデンサー用フイ
ルムから厚さ100μm程度の自動包装用フイルムま
で、広範な用途に用いられている。しかし、樹脂特性
上、ポリプロピレンは、ポリエチレンに較べ耐候性が劣
る。そして、同じポリプロピレンであってもその結晶化
度や立体規則性の違いにより熱劣化に差が生じることも
知られている。すなわち、非晶部領域を多く有するポリ
プロピレンは初期酸化が生起しやすいこと、さらに立体
規則性の面では、アイソタクチックポリマーの方が、ア
タクチックポリマーより抗酸化性に優れるといわれてい
る(日刊工業新聞社発行「ポリプロピレン樹脂」)。
【0003】そこで、耐候性の点からは、立体規則性の
高いポリプロピレンを用いたフイルムが好ましいとされ
てきた。しかしながら、このようなフィルムにおいては
原料ポリプロピレンの結晶化の進展があるため、初期の
透明性を維持することが困難であったし、耐候性も未だ
十分に満足できるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明で、そ
の経時劣化が少なく、かつ耐候性に優れたポリプロピレ
ン系キャストフィルムおよびその製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、意外にも非晶部
領域を多く有する特定のポリプロピレンを原料に用いる
ことにより目的を満足する新規なキャストフイルムが得
られること、さらに、その製造には特定の成形条件を適
用することが有利であることを見出し、この知見に基づ
いて、以下に示す本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明は以下を要旨とするもの
である。 〔1〕初期ヘイズが20%以下、2週間後のヘイズ上昇
率が30%以下であり、耐候促進試験で照射2時間後の
引張伸び率がフイルム厚み80μm標準で400%以上
であるポリプロピレン系キャストフイルム。 〔2〕下記(a)と(b)とからなるポリプロピレン系
樹脂組成物から形成された上記〔1〕記載のポリプロピ
レン系キャストフイルム。 (a)ポリプロピレン系樹脂50〜0重量% (b)沸騰n−ヘプタンに可溶な成分を含有し、該成分
が下記(b1)、(b2)及び(b3)の要件を満足す
るプロピレン単独重合体50〜100重量% (b1)含有量が10〜90重量%である (b2)極限粘度〔η〕が0.8dl/g以上である (b3)〔mmmm〕分率が40モル%未満である 〔3〕下記(a)と(b)とからなるポリプロピレン系
樹脂組成物を用いて、冷却ロールの表面温度15〜35
℃、巻き取りスピード2〜15m/分の条件でキャスト
成形する上記〔1〕記載のポリプロピレン系キャストフ
イルムの製造方法。 (a)ポリプロピレン系樹脂50〜0重量% (b)沸騰n−ヘプタンに可溶な成分を含有し、該成分
が下記(b1)、(b2)及び(b3)の要件を満足す
るプロピレン単独重合体50〜100重量% (b1)含有量が10〜90重量%である (b2)極限粘度〔η〕が0.8dl/g以上である (b3)〔mmmm〕分率が40モル%未満である
【0007】
【発明の実施の形態】〔1〕ポリプロピレン系キャスト
フイルム 本発明のポリプロピレン系キャストフイルムは、ポリプ
ロピレン系の成形原料を用いてキャスト成形したフイル
ムであり、初期ヘイズが20%以下、2週間後のヘイズ
上昇率が30%以下であり、耐候促進試験で照射2時間
後の引張伸び率がフイルム厚み80μm標準で400%
以上である。本発明のキャストフイルムは、通常、厚み
は数μmから数百μmまであり、幅が1m以下から数m
まである平坦なフイルムであり、フイルムの初期の透明
性とその経時劣化及び耐候性が特定されたフイルムであ
る。
【0008】〔フイルムの初期の透明性とその経時劣
化〕本発明では、フイルムの透明性をヘイズ(曇り価)
で捉え、その経時的劣化、すなわち透明性が悪化する程
度をヘイズの変化率で捉えるものである。透明性の経時
的劣化は、フイルムの材質由来の結晶化度の上昇等を反
映したものと考えられる。
【0009】ヘイズの測定方法は、JIS K7105
に準拠して、厚み80μmの試験フイルムを用い、日本
電色工業(株)製1001DPを使用して測定され、ヘ
イズ(%)=拡散透過率(%)/全光線透過率(%)で
与えられる。なお、80μm以外の厚みを有するフィル
ムについては、同じ材料を80μmの厚みに成形して評
価することが好ましい。初期ヘイズは、フイルム成形直
後に測定した値であり、2週間後のヘイズ上昇率は、成
形直後のフイルムを23℃、50%湿度で状態調節して
2週間後に測定し、ヘイズ上昇率(%)={2週間後の
ヘイズ(%)−初期ヘイズ(%)}/初期ヘイズ(%)
で与えられる。
【0010】〔フイルムの耐候性〕本発明におけるフイ
ルムの耐候性は、フイルム成形直後に、よく知られた耐
候促進試験によるフイルム劣化度合いを2時間照射後の
引張伸び率で捉えたものであり、本発明のフイルムは、
従来から知られた水準を遙に超える高度の耐候性を有す
るものである。
【0011】耐候促進試験方法は、厚み80μmの試験
フイルムを(株)東芝製のH−400P中圧水銀灯照射
装置を用い、水シャワーなしの室温(23℃)、常圧状
態で出力400Wの光線を2時間連続照射する。フイル
ムの引張試験方法は、JIS K7127に準拠し、耐
候促進試験で照射2時間後の引張伸び率を測定する。耐
候劣化は、耐候促進試験のスタートから2時間の間に顕
著に進み、従来品との差が明確であるが、初期(フイル
ム成形直後)の引張伸び率は、850%を超える測定不
能の領域にあるため、初期から照射2時間後の引張伸び
率の変化で捉え難い。そこで、照射2時間後の引張伸び
率の値で示したものである。なお、80μm以外の厚み
を有するフィルムについては、同じ材料を80μmの厚
みに成形して評価することが好ましい。
【0012】〔フィルムを形成するポリプロピレン系樹
脂組成物〕本発明のキャストフィルムは、下記(a)と
(b)とからなるポリプロピレン系樹脂組成物から形成
することができる。 (a)ポリプロピレン系樹脂50〜0重量% (b)沸騰n−ヘプタンに可溶な成分を含有し、該成分
が下記(b1)、(b2)及び(b3)の要件を満足す
るプロピレン単独重合体50〜100重量% (b1)含有量が10〜90重量%である (b2)極限粘度〔η〕が0.8dl/g以上である (b3)〔mmmm〕分率が40モル%未満である ここで、(a)成分のポリプロピレン系樹脂は、プロピ
レン単独重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体ほ
かプロピレンを主体とする各種重合体を指すが、剛性、
透明性にすぐれるプロピレン単独重合体が好ましい。プ
ロピレン単独重合体としては、立体規則性を示すアイソ
タクチックペンダット分率が95%以上のものが好まし
いが、必ずしも98%以上の高立体規則性を有するプロ
ピレン単独重合体である必要はない。
【0013】なお、アイソタクチックペンダット分率、
すなわち〔mmmm〕分率の測定方法は後述する。ま
た、キャスト成形可能な流動性とフイルムとしての剛性
を有するためには、メルトフローレート(MFR)(2
30℃、2.16kg荷重)が0.5〜200g/10
分であることが必要である。
【0014】更に、(b)成分のポリプロピレンは、沸
騰n−ヘプタンに可溶な成分が(b1)、(b2)及び
(b3)を満足するプロピレン単独重合体である。 (b1)含有量が10〜90重量%である (b2)極限粘度〔η〕が0.8dl/g以上である (b3)〔mmmm〕分率が40モル%未満である すなわち、本発明に用いる(b)成分のポリプロピレン
は、沸騰n−ヘプタンに可溶な成分が10〜90重量%
含まれていることが必要である。好ましくは、10〜5
0重量%である。すなわち、10重量%より少なけれ
ば、フイルムの柔軟性が不足し、フイルムの耐候性が低
下してくる。90重量%より多ければ、フイルムの強度
が不充分なものとなる。
【0015】更に、同可溶成分の極限粘度〔η〕が0.
8dl/g以上であることが必要である。好ましくは
0.9〜1.2dl/gである。すなわち、0.8dl
/gより小さければフイルムの強度が不足する。更に、
同可溶成分の〔mmmm〕分率が40モル%未満である
ことが必要である。
【0016】同可溶成分は、立体規則性を表す〔mmm
m〕分率のほか〔mmmr〕、〔rmmr〕、〔mmr
r〕、〔mmrm〕+〔rrmr〕、〔rmrm〕、
〔rrrr〕、〔mrrr〕、〔mrrm〕で示される
成分の混合物であり、これらの中で〔mmmm〕分率の
示すモル比で捉える。同可溶成分の〔mmmm〕分率が
40モル%を超えると、フイルムの柔軟性が失われ、更
にフイルムの強度が不足してくる。
【0017】本発明に用いるポリプロピレン成形原料
は、上記の(a)ポリプロピレン系樹脂50〜0重量%
と(b)プロピレン単独重合体50〜100重量%の配
合により得られる。すなわち、プロピレン単独重合体が
少なくとも50重量%は占め、これより少なければ耐候
性に優れたフイルムは得られず、100重量%であって
も充分に発明の効果を失うことなく使用できる。なお、
好ましくは、配合の均一性に優れる(b)プロピレン単
独重合体100重量%がよい。
【0018】〔2〕製造方法 本発明のポリプロピレン系キャストフイルムの製造法と
しては、上記した(a)と(b)成分からなる特定のポ
リプロピレン成形原料を用い、特定の冷却条件でキャス
ト成形により製造することができる。本発明に用いる
(b)成分のポリプロピレンの製造法は、特許第261
3169号公報に記載された軟質ポリプロピレン樹脂の
製造法が用いられる。すなわち、重合原料としてプロピ
レン、必要に応じて若干量のエチレンを、マグネシウ
ム、チタン、ハロゲン原子及び電子供与体からなる固体
触媒成分と、有機アルコキシ基含有芳香族化合物、必要
に応じて電子供与体の組み合わせからなる触媒の存在
下、気相重合法、バルク重合法を用いて一段乃至数段で
重合される。気相重合法における重合条件としては重合
温度40〜90℃、重合圧力10〜45kg/cm
2 G、重合時間5分ないし10時間である。
【0019】その主な製法上の特徴は、立体規則性の乱
れた成分、すなわち沸騰n−ヘプタンに可溶な成分を選
択的に高分子化する特有な性能を有する外部ドナーを用
いることにあり、得られるポリマーには、沸騰n−ヘプ
タンに可溶な成分が10〜90重量%であり、且つ同成
分の極限粘度〔η〕が0.8dl/g以上であり、ポリ
マー全体の立体規則性指標〔rrrr/1−mmmm〕
が20%以上のものがある。
【0020】本発明に用いる(b)成分のポリプロピレ
ンは、上記製造方法を用い、これによって得られる沸騰
n−ヘプタンに可溶な成分の〔mmmm〕分率が40モ
ル%未満のものを用いる。なお、この〔mmmm〕分率
の調整は、上記の有機アルコキシ基含有芳香族化合物と
電子供与体の割合を変えて行うことが出来る。上記
(a)成分と(b)成分の各樹脂をタンブラーブレンド
ほか配合調整し、成形原料に用いることができる。 〔特定の冷却条件でのキャスト成形〕本発明のフイルム
は、すでに広く使用されているTダイ−キャスト成形機
を用いて成形することができる。
【0021】特殊な仕様の機械設備を必要とせず、成形
上重要なフイルム冷却方式も冷却ロール方式(大口径の
ロールの上に樹脂を垂らし、ロール表面上にて冷却する
方式)、エアーナイフ方式(樹脂をロールで冷却すると
共に反対面もエアーで冷却する)及びそれらの組み合わ
せた方式が一般的であり、その他厚物シート用の押えロ
ール方式(樹脂をロールではさみ込んで製膜する方式
で、用途により金属ロール又はゴムロールを使用す
る)、ポリシング方式(樹脂を所定の間隔に調整された
ロールを通して、厚みを調整すると同時に樹脂表面にロ
ール面を転写する垂直3本ロール方式等)を用いること
ができる。 従って、本発明の特定の
冷却条件でのキャスト成形には、上記冷却ロール方式に
エアーナイフ方式を組み合わせた一般的な冷却方式を取
り入れたキャスト成形機で説明する。
【0022】前記した特定のポリプロピレン成形原料に
通常、よく用いられる添加剤、すなわち塩素捕捉剤とし
てのステアリン酸カルシウムを1500ppm、酸化防
止剤としてフェノール系酸化防止剤を単独使用或いはリ
ン系酸化防止剤と併用して100〜300ppmを添加
したものを用い、90mmキャスト成形機を使い、シリ
ンダーおよびダイスをそれぞれ230〜260℃と26
0〜265℃に温度設定する。樹脂温度は約255〜2
60℃である。更に、冷却ロール表面温度を15〜35
℃で、エアギャップ(フイルムがTダイを出てロールと
接触するまでの距離)を65mm、距離(エアーナイフ
先端とフイルム面までの距離)を5mm程度に設定す
る。
【0023】なお、成形フイルムの厚さにより、適正な
成形スピードが異なるが、厚さ80μmのフイルムを成
形する場合、成形スピードをフイルム巻き取りスピード
で2〜15m/分で行う。上記の冷却条件は、冷却ロー
ル表面温度と成形スピードの相乗効果で捉えることがで
きるから、より、好ましくは冷却ロール表面温度を20
〜25℃で、且つフイルム巻き取りスピードを5〜7m
/分で成形するとよい。
【0024】冷却条件の範囲の上記上限から外れるとフ
イルムの初期ヘイズで表せる透明性が低下するし、下限
から外れるとフイルムに皺が発生しやすく、安定した成
形が困難となる。なお、上記条件は、標準成形条件を説
明するものであり、成形するフイルムの厚さが80μm
より極端に変更される場合は相応に条件変更されうるも
のであり、同様に添加剤の量が極端に変更される場合
は、添加剤のブリード量が影響して、初期ヘイズおよび
その後のヘイズ劣化に影響を及ぼしうるものである。
【0025】
【実施例】本発明について、更に、実施例を用いて詳細
に説明する。なお、実施例で用いる試験方法は、以下の
とおりである。 (1)メルトフローレート(MFR)の測定 JIS K7210に準拠し、プロピレン単独重合体、
プロピレン−αオレフィン共重合体は230℃、2.1
6kg荷重で測定する。 (2)極限粘度〔η〕の測定 デカリンに溶解し135℃で測定した。 (3)ヘイズの測定 前記の通りであり、省略する。 (4)引張伸び率の測定 JIS K7127に準拠し、厚み80μmのフイルム
を2号型試験片を1/2に縮小したものを使用して、測
定する。 (5)沸騰n−ヘプタン可溶分量の測定 ソックスレー抽出試験器を用い、沸騰n−ヘプタンで6
時間抽出した後の抽出残量から算出して得られた値であ
る。なお、〔mmmm〕分率の測定用ほかで必要な同可
溶成分の分取は、前記抽出液にメタノールを添加し、一
晩放置して析出した物を濾過し、乾燥して得られる。 (6)〔mmmm〕分率の測定 JNM−FX−200(日本電子社製,13C−核共鳴周
波数50.1MHz)を用い、測定モード:プロトン完
全デカップリング法,パルス幅:6.9μs(45
°),パルス繰り返し時間:3s,積算回数:1000
0回,溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベン
ゼン(90/10容量%),試料濃度250mg/2.5
ミリリットル溶媒,測定温度:130℃の条件にて、13
C−NMR測定を行い、メチル基の立体規則性によるケ
ミカルシフトの違いにより、すなわち、22.5〜1
9.5ppm領域に現れるmmmm〜mrrmの各ピー
クの面積強度比から、アイソタクチックペンタッド分率
〔mmmm〕(モル%)を求めた。 mmmm:21.86ppm mmmr:21.62ppm mmrr:21.08ppm mmrm+rrmr:20.89ppm rrrr:20.36ppm mrrm:19.97ppm
【0026】〔実施例1〕 〔沸騰n−ヘプタンに可溶な成分が特定な性状を有する
プロピレン単独重合体の製造〕 マグネシウム化合物の調製 内容積約6リットルの撹拌機付きガラス製反応器を窒素
ガスで充分に置換した後、これにエタノール約2,43
0g、ヨウ素16g及び金属マグネシウム160gを仕
込み、撹拌しながら加熱して、還流条件下で系内からの
水素ガスの発生がなくなるまで反応させ、固体状反応生
成物を得た。この固体状反応生成物を含む反応液を減圧
下乾燥させることによりマグネシウム化合物を得た。
【0027】 固体触媒成分(W)の調製 窒素ガスで充分に置換した内容積5リットルのガラス製
反応器に、上記で得られたマグネシウム化合物(粉砕
していないもの)160g,精製ヘプタン800ミリリ
ットル,四塩化ケイ素24ミリリットル及びフタル酸ジ
エチル23ミリリットルを仕込み、系内を80℃に保
ち、撹拌しながら四塩化チタン770ミリリットルを加
えて110℃で2時間反応させた後、固体成分を分離し
て90℃の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化チ
タン1,220ミリリットルを加え、110℃で2時間反
応させた後、精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒成
分(W)を得た。
【0028】 気相重合 内容積200リットルの重合槽に、上記で得られた固
体触媒成分(W)6.0g/時間、トリイソブチルアル
ミニウム(TIBA)0.2モル/時間、1−アリル−
3,4−ジメトキシベンゼン(ADMB)0.006モ
ル/時間、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン(C
HMDMS)0.0015モル/時間、プロピレン43
kg/時間で供給し、70℃,28kg/cm2 Gで重
合を行った。ポリマーの生成量は30kg/時間であっ
た。この重合で得られたポリマーの沸騰n−ヘプタン可
溶成分量は30重量%であり、同成分の極限粘度〔η〕
は2.2dl/gで、同成分の〔mmmm〕分率は30
モル%であった。
【0029】〔フィルムの成形と評価〕上記した得られ
たポリマー100kgに対して、塩素捕捉剤として
(株)日本油脂製カルシウムステアレートを1500p
pm、およびフェノール系酸化防止剤として同社製イル
ガノックス1076を100ppmを添加、更に有機過
酸化物として1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイ
ソプロピル)ベンゼンを加えて、40mmφのTダイ押
出機を使って厚み80μmのフイルムを成形した。その
成形条件は、以下の通りである。
【0030】 使用成形機 40mmφのTダイ押出機(キャスト成形機) 設定温度 押出機c1/c2/c3/c4/AD:240/250/260/265 /270℃ ダイス D1/D2/D3:270/270/270 ℃ 冷却ロール温度 25 ℃ エアー ナイフ 条件 エアーギャップ:65mm 距離 : 5mm 巻き取り速度 6m/分 樹脂温度 250〜260℃ 得られたフイルムサンプルを用いて、評価した。評価内
容は、(1)初期ヘイズおよび2週間後のヘイズ上昇
率、(2)耐候促進試験による初期、2時間後の引張伸
び率を測定し、初期の透明性とその経時劣化及び耐候性
評価からなる。評価結果を表1に示す。
【0031】〔実施例2〕実施例1において、フェノー
ル系酸化防止剤として同社製イルガノックス1076の
添加量を200ppmに変更し、リン系酸化防止剤とし
てチバスペシャルティケミカルズ社製イルガフォス16
8を100ppmを添加して、両酸化防止剤を併用した
以外は同様にフイルムをつくり、評価した。評価結果を
表1に示す。
【0032】〔比較例1〕実施例1において示した〔沸
騰n−ヘプタンに可溶な成分が特定な性状を有するプロ
ピレン単独重合体の製造〕で、重合時の助触媒量(外部
ドナーADMBとCHMDMSの量比)などを代えた以
外は同様に製造し、沸騰ヘプタン可溶成分が4重量%
で、同可溶成分の極限粘度〔η〕が0.63dl/g、
同〔mmmm〕分率が50モル%であるポリマーを得
た。先に示すポリマーに代えてこのポリマーを用いて、
実施例1に示すフイルムを作り、同様に評価した。評価
結果を表1に示す。
【0033】〔比較例2〕比較例1に示すポリマーを先
に示すポリマーに代えて用いて、実施例2に示すフイル
ムを作り、同様に評価した。評価結果を表1に示す。
【0034】〔比較例3〕実施例1において、同一の原
料、添加剤を使い、同一の成形機を用いて、冷却ロール
温度45℃に設定し、3m/分の巻き取り速度で厚み8
0μmのフイルムを成形した。実施例1と同様に評価し
た。評価結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、透明性がよく且つ経時
劣化が少ない、しかも耐候性に優れたフイルムが、特定
のプロピレン単独重合体を特定の冷却条件でキャスト成
形することにより得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】初期ヘイズが20%以下、2週間後のヘイ
    ズ上昇率が30%以下であり、耐候促進試験で照射2時
    間後の引張伸び率がフイルム厚み80μm標準で400
    %以上であるポリプロピレン系キャストフイルム。
  2. 【請求項2】下記(a)と(b)とからなるポリプロピ
    レン系樹脂組成物から形成された請求項1記載のポリプ
    ロピレン系キャストフイルム。 (a)ポリプロピレン系樹脂50〜0重量% (b)沸騰n−ヘプタンに可溶な成分を含有し、該成分
    が下記(b1)、(b2)及び(b3)の要件を満足す
    るプロピレン単独重合体50〜100重量% (b1)含有量が10〜90重量%である (b2)極限粘度〔η〕が0.8dl/g以上である (b3)〔mmmm〕分率が40モル%未満である
  3. 【請求項3】下記(a)と(b)とからなるポリプロピ
    レン系樹脂組成物を用いて、冷却ロールの表面温度15
    〜35℃、巻き取りスピード2〜15m/分の条件でキ
    ャスト成形する請求項1記載のポリプロピレン系キャス
    トフイルムの製造方法。 (a)ポリプロピレン系樹脂50〜0重量% (b)沸騰n−ヘプタンに可溶な成分を含有し、該成分
    が下記(b1)、(b2)及び(b3)の要件を満足す
    るプロピレン単独重合体50〜100重量% (b1)含有量が10〜90重量%である (b2)極限粘度〔η〕が0.8dl/g以上である (b3)〔mmmm〕分率が40モル%未満である
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